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ヒト骨髄間質細胞の造血支持能に関する研究

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Academic year: 2021

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ヒ ト骨髄 間質細胞 の造 血支持 能 に関 す る研 究

岡 山大 学 医学部 第 二 内科 学教 室(指 導:木 村郁 郎教 授)

(平成6年3月28日

受稿)

Key words: human marrow stromal cell, ability to sustain hemopoiesis, IL-6 production, aging

緒 言

Trentinら1, 2)は,脾 コ ロ ニ ー 法 を 用 い マ ウ ス の 脾 お よび 骨 髄 に 形 成 され る コ ロニ ー の 細 胞 構 成 を比 較 し,移 植 さ れ た 多能 性 幹 細 胞(colony forming unit-spleen:以 下CFU-S)は 脾 で は 主

と して 赤 芽 球 へ 分 化 し,骨 髄 で は 主 と して 顆 粒 球 系 細 胞 へ の 分 化 が 誘 導 され る こ とを 見 出 した. こ の 結 果 か らCFU-Sの 分 化 の 方 向 を 決 定 す る の は 細 胞 間 接 触 な ど を 含 め た微 細 環 境 で あ る こ と を 明 ら か に し,そ の 場 を 造 血 微 小 環 境

(hemopoietic inductive microenvironment 以 下HIM)と い う概 念 で 提 唱 し た3).こ のHIM を構 成 して い る一 連 の 細 胞 は骨 髄 間 質 細 胞(bone marrow stromal cell)と 呼 ば れ,線 維 芽 細 胞,

内皮 細 胞,マ ク ロフ ァー ジ,脂 肪 細 胞(adipocyte) な どに よ り構 成 さ れ る不 均 一 な 細 胞 集 団 と 言 わ れ て い る.こ れ ら の 細 胞 は骨 髄 の 中 で 造 血 幹 細 胞 と と もに 秩 序 正 し く3次 元 構 造 を 形 成 し,造 血 幹 細 胞 と の 直 接 接 着,さ らにmacrophage colony stimulating factor(M-CSF), granulo cyte-CSF(G-CSF), granulocyte-macrophage-CSF(GM-CSF), interleukin-6(IL-6), IL-7 な ど造 血 因 子 お よ び 造 血 抑 制 因 子 の 産 生 に よ り 造 血 支 持,調 節 を行 っ て い る. さ て,こ れ らのHIM研 究 を飛 躍 的 に 前 進 さ せ た の は1977年 のDexterら に よ る長 期 骨 髄 培 養 法 の 考 案 に よ る と言 っ て も過 言 で は な い.液 体 培 養 だ け で は 不 可 能 な 幹 細 胞 の 長 期 培 養 を可 能 に し た の は 骨 髄 細 胞 の 液 体 静 置 培 養 後 に フ ラ ス コ底 に 形 成 さ れ る付 着 細 胞 層 を利 用 す る こ と で あ っ た.こ の 付 着 細 胞 層 上 に 骨 髄 細 胞 を再 播 種 す る と付 着 細 胞 層 に も ぐ り込 む よ う に 骨 髄 幹 細 胞 が 増 殖 分 化 し て 造 血 コ ロニ ー が 形 成 さ れ る よ う に な る こ と を 見 出 し た4-6).さ ら に1984年 Dexterら の 培 養 法 を基 本 に, Gordonら7)に よ り骨 髄 間 質 細 胞 上 で のcolony assayが 開 発 さ れ た が,本 法 は, Dexterの 方 法 が 主 に 造 血 幹 細 胞 の 長 期 培 養 と定 量 を 目的 と し た もの に 比 し, 短 期 間 で 形 成 さ れ た 間 質 細 胞 上 の コ ロ ニ ー を 直 接 的 に観 察 す る た め に コ ロ ニ ー の 定 性 に 優 れ た 解 析 法 と して評 価 された.し か し本 法 ではstromal feeder layerの 上 に 骨 髄 単 核 球 を播 種 し,さ ら

にupper layerと し て0.3% agarを 使 用 す る た め, agarの 剥 離 に 際 し細 胞 のlossを 生 じ る こ とや,残 存 したagarに よ り染 色 性 が 低 下 す る な ど,定 量 ・定 性 の 両 面 で い くつ か の 改 良 す べ き点 が 残 さ れ て い る.そ こ で 今 回著 者 は こ れ ら の 問 題 点 を解 決 す る一 つ の 方 法 と し て , upper layerにagarを 用 い な い コ ロ ニ ー 形 成 系 を作 成 し主 に 本 法 に お け る 「コ ロ ニ ー 形 成 能 の 経 時 的 推 移 」,「播 種 細 胞 数 と コ ロ ニ ー 数 の 関 連 」,「コ ロ ニ ー 構 成 細 胞 の 検 討 」,「 ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 の IL-6産 生 能 」を検 討 す る こ とに よ っ て ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 の 造 血 支 持 能 解 析 に 対 す る 一 助 とせ ん と した.ま た 本 法 を用 い,ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 の 造 血 支 持 能 に 及 ぼ す 加 齢 の 影 響 に つ い て検 討 し た の で併 せ 報 告 す る. 対 象 と 方 法 1.ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 の 培 養 健 康 人 よ り イ ン フ ォ ー ム ドコ ン セ ン トを得 た 837

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う え で,血 液 学 的 に 正 常 な8名 の 非 高 齢 者 (25∼31歳:中 央 値28歳)お よ び5名 の 高 齢 者 (68∼73歳:中 央 値71歳)の 骨 髄 血 を穿 刺 吸 引 法 に て 胸 骨 あ る い は 腸 骨 よ り無 菌 的 に ヘ パ リン 加 で10ml採 取 し た. 図1に 実 験 方 法 を示 す.こ の 骨 髄 血 をFicoll - Hypaque(HISTOPAQUE-1077; 1.077g/μl, Sigma, St Louis, MO)に 重 層 し て,比 重 遠 心

法(450g, 15分 間)に て 単 核 球 を分 離 し た.そ の 単 核 球 を5.0×105個/1.5ml培 養 液 の 細 胞 濃 度 で35mm培 養 皿(Costar, Cambridge, MA)に 播 種 しDexter型 培 養 法 に 準 じ37℃, 5% CO2の 条 件 下 で4∼5週 間 培 養 した.培 養 液 は α-mini

mal essential medium(αMEM; GIBCO, Gland Island, NY)に15%牛 胎 児 血 清(fetal calf

serum: FCS, Boehringer mannheim, W. Germany), 2.0×10-6M Methylprendnisolone

(Upjon, Tokyo), 40u/ml Penicillin(Meiji, Tokyo), 40kg/ml Streptomycin(Meiji, Tokyo)を 加 え た も の を 用 い た. 1週 間 ご と に こ の 培 養 液 を 全 量 交 換, 4∼5週 間 後 に 培 養 皿 底 全 体 を 骨 髄 間 質 細 胞 が 被 っ てconfluentに な っ た の を 確 認 し た. 2.ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 のIL-6産 生 能 の 検 討 骨 髄 間 質 細 胞 培 養 液 交 換 時 に 培 養 液 の 一 部 を 凍 結 保 存 し, ELISA法(Intertest-6TM: Gen 図1  実 験 方法 骨 髄 血 よ り単 核球 を分 離 し, Dexter型 培養 法 に準 じ37℃, 5% CO2の 条件 下 で4∼5週 間 培養 し,培 養 皿 底全 体 を骨 髄 間 質細 胞 が 被 ってconfluentに な っ た の を確 認 し た.同 様 に骨 髄 よ り分 離 した 単核 球 か ら ロゼ ッ ト形 成 に よ りT cellを 除去 し, 25cm2フラ ス コ中 で2時 間 培養 した.付 着 細 胞 を除 去 した 後, 5.0×105個/1.5ml培 養 液(/dish)の 細 胞 濃 度 でconfluentに な っ た骨 髄 間 質 細 胞上 に播 種 し, 37℃, 5 % CO2の 条 件下 で培 養 を行 っ た.培 養 終 了時 に35mm培 養 皿 の 培養 液 を捨 て,よ く乾 燥 し た後,ペ ル オ キ シ ダー ゼ ・ギム ザ 二 重染 色法 を用 い て 染 色 した,骨 髄 間 質 細 胞上 に で き た細 胞 数20個 以上 の細 胞 群 を コロ ニ ー と した.

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zyme, Boston, MA)に てIL-6濃 度 を測 定 し た. 3.ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 上 で のcolony assay Confluentに な っ た 骨 髄 間 質 細 胞 上 に播 種 す る造 血 幹 細 胞 は 非 高 齢 者 の 骨 髄 血10mlよ り採 取 し た.す な わ ち 前 述 の 比 重 遠 心 法 に よ り単 核 球 を分 離 し た の ち, T cell除 去, T cell非 除 去 単 核 球 を 各 々25cm2フ ラ ス コ(Costar, Cambridge, MA)中 で2時 間 培 養 後,付 着 細 胞 を除 去 した 後, 0.5∼8.0×105個/dishま で7段 階 に 細 胞 濃 度 を 変 え てconfluentの 骨 髄 間 質 細 胞 上 に 播 種 し, 37℃, 5% CO2の 条 件 下 で 培 養 を行 っ た.コ ロ ニ ー は 骨 髄 間 質 細 胞 上 に で き た 細 胞 数20個 以 上 の 細 胞 群 を も っ て し,構 成 細 胞 の 所 属 は培 養 終 了 時 に35mm培 養 皿 の 培 養 液 を捨 て よ く乾 燥 した 後,ペ ル オ キ シ ダー ゼ ・ギ ム ザ ニ 重 染 色 法 を 用 い決 定 し た. な お, T cell除 去 は,洗 浄 ヒ ツ ジ赤 血 球 を0.1 ml加 え て よ く攪 拌 し,比 重1.119g/μl Ficoll Hypaque(HISTOPAQUE-1119; 1.119g/μl, Sigma, St. Louis, MO)上 に 重 層,そ の 後 遠

心(450g, 30分 間)操 作 に よ り ロゼ ッ ト形 成 細 胞 を除 去 す る こ と に よ っ て 行 っ た. 4.播 種 細 胞 のCFU-GM assay 骨 髄 間 質 細 胞 上 に 播 種 さ れ るCFU-GM量 を 定 量 す る た め, 25cm2フ ラ ス コ で2時 間 培 養 後 に 取 りだ した 非 付 着 細 胞 に 対 してCFU-GM assay を行 っ た.方 法 は 液 状1.25% agar 5.5mlと2.0 αMEM+30% FCS 5.5mlを 混 合 し, Recom binant Human GM-CSF(Genzyme, Boston, MA)100ngを 加 え た後, 35mm培 養 皿 に1mlず つ 入 れ 冷 所 で 固 ま らせ た.つ ぎ に0.6% agarと2.0 αMEM+30%FCSを1:1で 混 ぜ 合 わせ, 2時 間 培 養 後 の25cm2フ ラ ス コ 中 の 非 付 着 細 胞 を加 え て, 2.0×105個/mlの 細 胞 濃 度 に 調 整 した.そ し て こ れ をupper layerと し て 先 述 のGM-CSF を含 むunder layer上 に1mlず つ 加 え て冷 所 で 固 ま らせ, 37℃, 5% CO2の 条 件 下 で 培 養 し, 倒 立 顕 微 鏡 で7日 目 と14日 目に 観 察 し た.な お 構 成 細 胞20個 以 上 の 細 胞 群 を コ ロニ ー と し て, そ れ 以 下 を ク ラ ス タ ー と し た. 実 験 は全 てtriplicateに て 行 っ た. 結 果 1.ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 上 に お け る コ ロニ ー 形 成 能 の 検 討 1)コ ロ ニ ー 形 成 能 の 経 時 的 検 討 5×105個 の 非 付 着 細 胞 をconfluentに な っ た ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 上 に 播 種 し,ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 上 の コ ロ ニ ー 形 成 能 をday 1よ りday 10ま で 検 討 した.そ の 結 果 は 図2に 示 す よ う に, day 3 20±3個, day 5 174±9個, day 6 413±54 個, day 7 355±6個, day 8 238±32個, day 10 168±35個 とday 6で コ ロ ニ ー 形 成 能 は 最 高 値 を 示 した. 2)コ ロ ニ ー 構 成 細 胞 の 検 討 ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 上 に 形 成 さ れ た コ ロニ ー は 図3に 示 す よ う に,ペ ル オ キ シ ダー ゼ 染 色 と ギ ム ザ 染 色 をす る と茶 褐 色 に 染 っ たペ ル オ キ シ ダ 図2  ヒ ト骨 髄 間質 細 胞上 に お け る コロニ ー 形成 の 経 時 的 観 察 コロニ ー 形成 は,総 数 で6日 目 に, POX陽 性 コロニ ー も7日 目に最 高 とな り,コ ロニー形 成 能 の 算 定 に は,培 養7日 目が 至適 と考 え ら れ た.

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ー ゼ(以 下POX)陽 性 細 胞 と全 く染 ら な いPOX 陰 性 細 胞 とか ら な る コ ロニ ー が 観 察 され た.な お, POX陽 性 細 胞 に よ っ て構 成 され た コ ロ ニ ー (POX陽 性 コ ロ ニ ー)形 成 能 の 経 時 的 推 移 は, ほ ぼ 全 コ ロニ ー 形 成 能 の 推 移 と一 致 す る も の で あ っ た.ま た ロゼ ッ ト形 成 法 を用 い, T cell除 去 の 有 無 に よ る コ ロ ニ ー 構 成 細 胞 へ の 影 響 を検 討 した が,そ の 結 果 は 図4に 示 す よ う にT cell 除 去 に よ りPOX陰 性 コロニ ー は78.1%か ら28.5 %に 減 少 し, POX陽 性 コロニー は21.9%か ら71.5 %に 増 加 した. 3)播 種 細 胞 の 細 胞 濃 度 と コ ロ ニ ー 形 成 能 の 検 討 播 種 細 胞 数 と ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 上 に 形 成 さ れ る コ ロ ニ ー 数 と の 関 係 を 播 種 細 胞 数0.5×105 ∼8 .0×105個/dish, 7日 間 培 養 で 検 討 した.そ の 結 果 は 図5に 示 す よ う に 播 種 細 胞 数 と コ ロ ニ ー 数 との 間 に 比 例 関 係 が 認 め られ た .な お, 8.0× 105個/dish以 上 の 細 胞 濃 度 で は コ ロ ニ ー ど う し の 融 合 が み ら れ,正 確 な 算 定 が で き ず, 0.5×105 個/dish以 下 の 細 胞 濃 度 で は総 コ ロニー 数 が 少 な く,ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 の 造 血 支 持 能 の 解 析 に は ab 図3  ヒ ト骨髄 間 質 細 胞上 に形 成 され た コロ ニー ヒ ト骨髄 間質 細 胞 上 に形 成 され た コ ロニー は, ペ ル オ キ シ ダー ゼ(POX)陽 性 細胞(a)と 全 く 染 らないPOX陰 性 細 胞(b)と か らな る コロニ ー が 出現 した. POX陽 性細胞は形態学 的には myeloid様 を示 し,陰 性 細 胞 はN/C比 が大 き く,胞体 の や や小 型 の細 胞 が 主体 で あ った. そ の後 の酵 素 抗 体 法 に よる検 討 では このPOX 陰 性 細胞 はmyeloidの マ ー カー を保 持 してい た. 不 適 と考 え ら れ た. T cell非 除 去 T cell除 去 図4  T cell除 去 に よ る コ ロ ニ ー 構 成 細 胞 の 変 化 ロ ゼ ッ ト形 成 法 でT cell除 去 に よ りPOX陰 性 コ ロ ニ ー は78.1%か ら28.5%に 減 少 し, POX陽 性 コ ロ ニ ー は21.9%か ら71.5%に 増 加 し た. POX(+):ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 染 色 陽 性 POX(-):ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 染 色 陰 性 細 胞 濃 度(×105 cells/2ml・medium) 図5  骨 髄 間 質 細 胞 上 に播 種 す る非付 着 細 胞 濃 度 と コロ ニー 数 との 関係 骨 髄 間 質 細 胞 上 に 播 種 す る 非 付 着 細 胞 が 0.5×105∼8.0×105個/dishま で の 細 胞 濃 度 で は コロ ニー 数 との 間 で 比例 関係 に あっ た, 8.0×105個/dish以 上 の細 胞 濃 度 では コロニ-ど う しの 融合 が み られ て 正 確 な 算定 が で きな か った.ま た0.5×105個/dish以 下 の 細 胞 濃度 では 総 コ ロニ ー数 が 少 な く再 現 性 に 乏 しい た め,本 法 にお け る播種 細 胞数 は, 5.0×105個/ dishが 至 適 と考 え られ た.

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2.播 種 細 胞 のCFU-GM assay CFU-GM assayを 行 っ て 播 種 す る非 付 着 細 胞 中 のCFU-GM量 を検 討 した結 果, 36∼50個/105 個 のCFU-GMの 形 成 が 認 め ら れ た.一 方 骨 髄 培養 期 間(週) 図6  骨 髄 間 質 細 胞培 養 液 中 のIL-6濃 度 の検 討 1週 間 ご と凍 結 保 存 し た 培 養 液 を 解 凍 し ELISA法 でIL-6濃 度 を測 定 した.間 質 細 胞 の 増 殖 が盛 ん な1∼3週 の 時期 にIL-6の 産 生 が 高 く4週 目のconfluentの 時期 に はIL-6の 産 生 量 は低 下 傾 向 に あ っ た.増 殖終 了 と ともにIL-6の 産 生 が 減少 した こ とは 間質 細 胞 自体 の増 殖 調 節 にIL-6が 関 与 して い るこ と が 考 え られ た. 間 質 細 胞 上 に 形 成 さ れ た コ ロニ ー 数 は70∼90個/ 105個 で,そ の 内POX陽 性 コ ロ ニ ー は24∼56個/ 105個 で あ っ た. 3.骨 髄 間 質 細 胞 のIL-6産 生 能 の 検 討 1週 間 毎 に 凍 結 保 存 し た 培 養 液 を 解 凍 し ELISA法 で 測 定 し た.そ の 結 果 は 図6に 示 す よ うに,骨 髄 間 質 細 胞 か らのIL-6産 生 が 認 め ら れ た.正 常 ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 は こ の 実 験 系 で は ほ と ん どが4週 後 にconfluentに な っ た が,そ の 増 殖 が 盛 ん な1∼3週 の 時 期 に 高 いIL-6産 生 が 認 め られ た. 4週 目のconfluentの 時 期 に はIL-6産 生 は 低 下 傾 向 に あ っ た. 4.ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 の 造 血 支 持 能 に 及 ぼ す 加 齢 の 影 響 高 齢 者 お よ び 非 高 齢 者 骨 髄 間 質 細 胞 上 に,非 高 齢 者 よ り採 取 し た 骨 髄 単 核 球 非 付 着 細 胞(T cell除 去)を 播 種 し,そ の 造 血 支 持 能 を 検 討 し た.そ の 結 果 は 表1に 示 す よ う に,高 齢 者5例 の 骨 髄 間 質 細 胞 上 に で きた コ ロ ニ ー 数 は89±27 個/dish(POX陽 性 コロニ ー53±8個/dish, POX 陰 性 コ ロニ ー36±19個/dish)非 高 齢 者8例 の 骨 髄 間 質 細 胞 上 に で き た コ ロ ニ ー 数 は86±28個/ dish(POX陽 性 コ ロ ニ ー48±23個/dish, POX

表1  高齢 者 お よび非 高 齢 者 の 骨髄 間 質 細 胞 に おけ る造 血支 持 能 の 比較

高齢 者 間 質 細 胞上 お よび,非 高 齢 者 間質 細 胞 上 に,非 高 齢 者 よ り採 取 した骨 髄 単核 球 を播 種 し,間 質 細 胞 の造 血 支 持能 を比 較検 討 した,高 齢 者5例 の 間質 細 胞 上 に で きた コ ロニー は89±27個/dish(POX陽 性 コ ロニー53±8個/dish, POX陰 性 コ ロニー36±19個/dish),非 高 齢 者8例 の 間質 細 胞 上 に で きた コロ ニ ー は86±28個/dish(POX陽 性 コ ロニ ー48±23個/dish, POX陰 性 コ ロニ ー38±15個/dish),で あ っ た.高 齢 者 と非 高 齢 者 の 間 には 統 計学 的 に差 は 認 め られ なか った.

高 齢 者 間質 細 胞 上 の コロ ニー 非 高 齢 者 間質 細 胞 上 の コロ ニー

* 1: POX(+);ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 染 色 陽 性* 2: POX(-);ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 染 色 陰 性 * 3: Mean(SD)

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陰 性 コ ロ ニ ー38±15個/dish)と 非 高 齢 者 と高 齢 者 の 間 に は 統 計 学 的 に 差 は 認 め ら れ な か っ た. 考 察 造 血 微 小 環 境(HIM)の 概 念 が 提 唱 さ れ た 後, 1968年Friedenstein8)に よって 異 所 性 移 植 法 が 開 発 され,そ の 応 用 に よ りS1/S1d系 マ ウ ス,加 齢 マ ウ ス,ク ロ ラ ム フ ェ ニ コー ル 処 置 マ ウ ス な ど のHIMの 欠 陥 が 実 験 的 に証 明 さ れ, HIM機 能 異 常 に 起 因 した 造 血 器 疾 患 の 存 在 が 注 目 さ れ た.し か しHIM自 体 は 複 数 種 の 細 胞 よ りな る 環 境 で あ り,そ の 機 能 を 捉 え る に は 複 数 の 細 胞 を 全 体 と して 扱 わ な け れ ば な ら ず,単 一 の 細 胞 の 機 能 を み る だ け で は 目的 は 達 成 さ れ な い と こ ろ にHIM研 究 の 難 し さが あ る と言 っ て も過 言 で な い.間 質 細 胞 を構 成 す る個 々 の 細 胞 の 役 割 を 解 析 し, 1974年Friedenstein9)はHIMの 本 態 にfibroblastが 関 与 す るこ とを主 張 し, colony forming unit-fibroblast(CFU-F)定 量 法 を開 発 した.そ の 後CFU-Fは お もに 赤 芽 球 系 造 血 と密 接 に 関 連 す る こ と を指 摘 した が10),さ ら に CFU-Fの 中 で も細 胞 内 に脂 肪 滴 を持 つ 細 胞 が 造 血 回 復 時 な どに 増加 す る こ とか ら, preadipocyte と造 血 の 関 係 が 注 目 さ れ た11). Dexterら も造 血 幹 細 胞 維 持 に どの 細 胞 が 重 要 で あ るか を検 討 し, 脂 肪 細 胞,前 脂 肪 細 胞 を そ の 候 補 細 胞 と して 最 も有 力 と考 え て い る4).小玉 は 新 生 児 マ ウ ス 頭 蓋 冠 か ら樹 立 し た 前 脂 肪 細 胞 株MC3T3-G2/PA6 細 胞 が 骨 髄 細 胞 との 共 培 養 で,数 カ 月 以 上 も 造 血 を 維 持 す る こ とが で き る こ とを 示 し12),西川 ら も 同 様 に 造 血 支 持 能 を有 す るST2細 胞 株 を樹 立 し た13).最近 に な って ヒ トに つ いて も支 持 細 胞 と 造 血 幹 細 胞 は 同一 の 幹 細 胞 を 起 源 とす る な ど 画 期 的 な 発 見 が な され て い る が14),い まだ ヒ ト多 能 性 幹 細 胞 の 自 己 増 殖,分 化 を 維 持 で き る 間 質 系 の 細 胞 株 は樹 立 され て お ら ず,造 血 支 持 能 を 検 討 す る に は い ま だDexterの 培 養 法 を基 本 に 進 め て 行 く必 要 が あ る. さ て,今 回 の 造 血 支 持 能 の 解 析 法 は,短 期 培 養 に て 直 接 間 質 細 胞 上 の コ ロ ニ ー を 観 察 す る こ と で,そ の 間 質 細 胞 の 造 血 支 持 能 を み る も の で あ る が, Gordonら の 方 法 に お い て 生 じ る定 量 性 の 問 題 を改 善 す る 目的 で 改 良 を加 え た.主 な 改 良 点 は 骨 髄 間 質 細 胞 上 の 造 血 幹 細 胞 をagarを 使 わ ず 培 養 し,培 養 終 了 後 に そ の ま ま 乾 燥 し て 染 色 す る こ とに よ り観 察 を容 易 に し,コ ロ ニ ー 数 の 算 定 を よ り簡 易 か つ 確 実 と し た.コ ロ ニ ー 形 成 に 関 す る検 討 で は,播 種 す る細 胞 数 と コ ロ ニ ー 数 の 間 に は 直 線 的 関 係 が 得 ら れ る こ とが 重 要 で あ る が, 35mm dishを 使 用 し た 場 合,播 種 細 胞 数0.5×105個/dishか ら8×105個/dishま での 間 に 直 線 関 係 が 得 られ た.本 法 で は0.5×105個/ dish以 下 の 細 胞 数 で は 出 現 コ ロ ニ ー が 少 な く, 再 現 性 に 乏 し く な り, 8×105個/dish以 上 で は コ ロニ ー 間 の 融 合 が み ら れ コ ロニ ー 数 の 算 定 が 困 難 で あ る と 同 時 に,生 成 細 胞 がdish上 を流 動 し,正 確 な 算 定 に支 障 を 来 す 可 能 性 が 考 え ら れ た.し た が っ て,最 終 的 に 形 成 さ れ る コ ロニ ー 数 と,再 現 性 の あ る コ ロニ ー 数 か ら考 え て5.0× 105個/dishが 本 法 に お け る至 適 細 胞 濃 度 と考 え ら れ た.ま た,培 養 液 は2.0ml以 上 で は35mm dish の サ イ ズ に は 多す ぎて,液 こぼ れの ためcontami nationの 原 因 に な り, 1.5mlが 至 適 と考 え られた. コ ロ ニ ー 構 成 細 胞 の 検 討 はagarを 剥 離 す る こ とな く, 7日 目に 細 胞 をdish上 に お い た ま ま 乾 燥 し,染 色 に供 す る た め 極 め て 迅 速 か つ,正 確 に行 え た が,ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ,ギ ム ザ 染 色 を行 う と茶 褐 色 に 染 る 陽 性 顆 粒 を含 むPOX陽 性 細 胞 コ ロ ニ ー と,陽 性 顆 粒 を 含 ま な いPOX陰 性 コ ロ ニ ー が 観 察 され, POX陽 性 細 胞 は 形 態 学 的 に はmyeloid様 を 呈 し,陰 性 細 胞 はN/C比 が 大 き く,胞 体 の や や 小 型 の 細 胞 が 主 体 で あ っ た. POX陰 性 コ ロ ニ ー に つ い て は, T細 胞 除 去 に よ りPOX陽 性 コ ロ ニ ー が 増 加 す る こ と に よ り,当 初 こ れ ら の 細 胞 は 骨 髄 間 質 細 胞 上 に で き たT細 胞 系 の コ ロ ニ ー で あ る こ とが 想 定 され た. しか しDexter培 養 法 で は エ リ トロ ポ エ チ ンや 各 種 刺 激 因 子 の 添 加 や ウマ 血 清 を 用 い な け れ ば, 赤 血 球, T, Bリ ン パ 球 は 検 出 さ れ な い と さ れ て お り15),その 後 の 酵 素 抗 体 法 に よ る検 討 で は こ のPOX陰 性 細 胞 はmyeloidの マ ー カ ー を保 持 し て い る こ とが わ か っ た16).これ らの こ とか ら今 回 骨 髄 間 質 細 胞 上 に で き た コ ロ ニ ー は 顆 粒 球 系 細 胞 が 主 体 で あ り, POX陰 性 コ ロニ ー に 関 して は, POX陽 性 コ ロ ニ ー よ り分 化 し て い な い 細 胞 群 で あ る と考 え られ,今 後,各 造 血 因 子 添 加 に

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よ るPOX陰 性 コ ロ ニ ー の 消 長 は 顆 粒 球 系 造 血 細 胞 の 分 化 成 熟 過 程 を解 析 す る 上 で 興 味 あ る 情 報 を提 供 す る もの と考 え られ る.ま たT細 胞 除 去 に よ りPOX陽 性 コ ロ ニ ー が 増 加 し た こ とに 関 し て は,一 連 の 操 作 に お い て 採 取 さ れ た 細 胞 のpopulationが 変 化 した 可 能 性 が 考 え られ るが, 同 時 にT細 胞 除 去 に よ り骨 髄 間 質 細 胞 培 養 液 中 の サ イ トカ イ ンの 組 成 に 変 化 が 加 わ り,顆 粒 球 系 細 胞 の 分 化 度 に 影 響 を 与 え た 可 能 性 も否 定 で きな いの で は な いか と考 え られ る.通 常, CFU-GM 形 成 能 は 培 養 法 や 使 用 す るCSFの 力 価 に よ り 幅 が あ る が,マ ウ ス で は 骨 髄 細 胞105個 あ た り 140∼200個,ヒ トで は40∼130個 程 度 と され て い る.本 実 験 系 で もCFU-GM assayを 行 っ て 播 種 す る非 付 着 細 胞 中 のCFU-GM数 を検 討 し た が, 36∼50個/105個 で あ っ た.一 方 骨 髄 間 質 細 胞 上 に 形 成 さ れ た コ ロニ ー 数 は70∼90個/105個 と CFU-GM assayに よ る コ ロ ニ ー 数 よ り多 く,こ の こ と に つ い て はCFU-GM assayで は コ ロ ニ ー 形 成 因 子 がGM-CSFだ け で あ る の に 対 し 骨 髄 間 質 細 胞 上 で は 各 種 の 造 血 因子 の 存 在,あ る い は 細 胞 接 着 な ど「造 血 の場 」と して よ りin vivo に 近 い 状 態 で あ る こ と か ら 多 種 の 造 血 機 能 が 作 用 し た結 果 で は な い か と考 え ら れ た.現 在,骨 髄 間 質 細 胞 か ら産 生 さ れ る造 血 因 子 はM-CSF, G-CSF, GM-CSF, IL-6, IL-7な ど が 確 認 さ れ て お り, IL-1は そ の 亢 進 に, TGF-β が そ の 一 部 抑 制 に 働 い て い る. IL-6は1981年 岸 本 らが マ イ トー ジ ェ ン や 抗 原 刺 激 を受 け た 末 梢 血 単 核 細 胞 の 培 養 上 清 中 に,正 常B細 胞 の 免 疫 グ ロ ブ リ ン産 生 を誘 導 す る物 質 を 発 見 し,当 初B細 胞 分 化 因 子 と名 付 け ら れ17), cDNAク ロ ー ニ ン グ も 行 わ れ た.そ の 後, IL-6の 生 物 活 性 に つ い て 詳 細 な 検 討 が な さ れ て き た が, in vitroシ ス テ ム に お け る 芽 球 コ ロ ニ ー 形 成 に お い てIL-3と 相 乗 的 に 作 用 す る こ と,ま た5FU処 理 マ ウ ス 脾 を用 い 造 血 幹 細 胞 をIL-3存 在 下 で 培 養 す る と コ ロ ニ ー 形 成 は ア トラ ン ダ ム に な る がIL-3と IL-6存 在 下 で は 培 養 早 期 に コ ロニ ー 形 成 が行 わ れ る こ とか ら, IL-6の 造 血 幹 細 胞 に 対 す るG。 期 短 縮 作 用 が 示 唆 さ れ た19).そ の 他,間 質 細 胞 か ら産 生 さ れ な が ら,間 質 細 胞 自体 の 増 殖 を 制 御 す る と の 報 告 もな さ れ て い る20).今 回,間 質 細 胞 培 養 上 清 中 のIL-6濃 度 を 測 定 し た が, IL-6産 生 は 間 質 細 胞 の 増 殖 期 に 徐 々 に 増 加 し, conflu entに な る と低 下 し た.こ の こ とか ら間 質 細 胞 自 体 の 増 殖 調 節 にIL-6が 関 与 して い る こ と が 示 唆 され た が,こ のIL-6産 生 に つ い て は,各 種 病 態 を含 め 造 血 支 持 能 に 如 何 に 関 与 し て い るか 興 味 あ る 問題 と考 え ら れ る. 一 方,近 年 高 齢 化 社 会 の 出 現 と と も に 加 齢 の 問 題 が 強 い 関 心 を集 め,造 血 系 と加 齢 に 関 す る 知 見 が 報 告 さ れ て い る21-25).正 常 健 康 人 で も加 齢 に 伴 う生 理 的 変 化 と しヘ モ グ ロ ビ ン値 の 低 下 な どが 認 め ら れ るが,骨 髄 異 形 成 症 候 群 な ど比 較 的 高 齢 者 に 多 く発 生 す る疾 患 が 存 在 す るこ と, さ ら に 同 一 の 血 液 疾 患 で も 高 齢 者 と非 高 齢 者 で は 自然 経 過 や 治 療 反 応 性 を 異 に す る こ と な ど病 因 あ る い は病 態 特 異 性 に お け る加 齢 の 影 響,す な わ ち 生 物 学 的 老 化 過 程 に お け る造 血 器 へ の 修 飾 が,造 血 細 胞 の み な らず,造 血 微 小 環 境 の 変 化 も含 め 存 在 す る の で は な い か と考 え られ る. こ れ ま で 造 血 器 へ の 加 齢 の 影 響 に つ い て は 主 に 造 血 幹 細 胞 レベ ル に お け る検 討 が な され, CFU-C の 低 下26), CFU-E27)あ る い はCFU-C28)の 造 血 因 子 に 対 す る 反 応 性 の 低 下, CSF活 性 の 低 下29)な どが 報 告 さ れ て い るが,骨 髄 間 質 細 胞 に つ い て の 検 討 は 少 な い. Hottaら30)は 加 齢 マ ウ ス の 造 血 微 小 環 境 に 欠 陥 を見 出 して い る が,ヒ トで は 教 室 の 出 口 らが,骨 髄 間 質 細 胞 の 細 胞 構 成 比 率, 増 殖 動 態,造 血 因 子 産 生 能,抗 白 血 病 剤 被 曝 に よ る影 響 な ど検 討 し た 結 果,加 齢 の 影 響 は ほ と ん ど認 め ず,一 部 高 齢 者 の 間 質 細 胞 に 機 能 亢 進 の 所 見 を 認 め た と報 告 して い る31, 32).今 回 著 者 は ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 の 造 血 支 持 能 に 及 ぼ す 加 齢 の 影 響 に つ い て 検 討 した が,高 齢 者 と非 高 齢 者 で は 造 血 支 持 能 に差 は 認 め ら れ ず,出 口 らの 報 告 同 様,ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 に 及 ぼ す 加 齢 の 影 響 は 比 較 的 少 な い もの と考 え ら れ た. 以 上, M. Y. Gordonの 培 養 法 を 基 本 に 造 血 支 持 能 の 解 析 法 を改 良 し たが, upper layerにagar を 用 い な い本 法 で は 形 成 され た コ ロニー の 定 量 ・ 定 性 的 解 析 が 極 め て 容 易 と な り,再 現 性 の あ る 実 験 系 が 構 築 で き た.ま た 本 法 を 用 い ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 の 造 血 支 持 能 に 対 す る加 齢 の 影 響 を検 討 し た が,高 齢 者 と非 高 齢 者 の 間 質 細 胞 に お い

(8)

844 植 木 康 文 て そ の 造 血 支 持 能 に 差 は 認 め られ な か っ た.今 後 本 法 は ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 研 究 に 有 力 な 手 段 と な る もの と考 え ら れ た. 結 論 ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 の 造 血 支 持 能 に 関 す る検 討 の 一 端 と し, agar非 添 加 に よ る コ ロ ニ ー 形 成 系 を作 成 し,コ ロ ニ ー 形 成 能 の 経 時 的 推 移,播 種 細 胞 数,構 成 細 胞 な どに つ い て 検 討 す る と と も に,ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 造 血 支 持 能 に 及 ぼ す 加 齢 の 影 響 に つ い て 検 討 し た.そ の 結 果, ① ヒ ト骨 髄 間 質 細 胞 上 に 形 成 さ れ た コ ロ ニ ー に は, POX陽 性 細 胞 コ ロニ ー とPOX陰 性 コ ロ ニ ー が 存 在 し,全 コ ロ ニ ー 数 は6日 目 に 最 高 値 を 示 し た. ② 骨 髄 間 質 細 胞 上 に 播 種 す る 非 付 着 細 胞 濃 度 と コ ロ ニ ー 数 は 比 例 関 係 に あ っ た. 8.0×105個/ dish以 上 ま た は0.5×105個/dish以 下 の 細 胞 濃 度 で は再 現 性 が 得 られ な か っ た. ③ 骨 髄 間 質 細 胞 上 に 形 成 さ れ た コ ロニ ー 数 は 播 種 細 胞 のCFU-GM assay法 に よ る コ ロニ ー 数 よ り 多 く,骨 髄 間 質 細 胞 上 で は 各 種 造 血 因 子 の 存 在,細 胞 接 着 な ど造 血 の 場 と して よ りin vivo に 近 い 状 態 を 反 映 し て い る もの と考 え られ た. ④ 骨 髄 間 質 細 胞 培 養 液 中 のIL-6濃 度 は,増 殖 が 盛 ん な1∼3週 の 時 期 に 高 く, 4週 目 の confluentの 時 期 に は 低 下 し た. ⑤ 高 齢 者 と非 高 齢 者 で は 骨 髄 間 質 細 胞 の 造 血 支 持 能 に 統 計 学 的 な 差 は 認 め ら れ な か っ た. Agar非 添 加 シ ステ ム に よ る骨 髄 間 質 細 胞 上 の コ ロ ニ ー 形 成 法 は コ ロ ニ ー の 定 性 ・定 量 的 解 析 が 極 め て 容 易 か つ 正 確 に で き,骨 髄 間 質 細 胞 の 造 血 支 持 能 を 解 析 す る上 で有 力 な 手 段 と な る と 考 え ら れ た. 稿 を終 え るに あ た り,御 指 導,御 校 閲 を賜 わ りま した恩 師 木 村 郁 郎教 授 に深 甚 な る謝 意 を 表す る とと もに,終 始 懇 切 な る御 指 導 を頂 い た高 橋 功 講 師,大 本 英 次郎 助 手 に 深 謝 します. 本 論文 の 要 旨 は 第30回 日本血 液 学 会 中 国 四 国地 方 会(徳 島)に お い て 発 表 した.

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(10)

846

Sustaining

capacity

of hemopoiesis

by human

stromal

cells in bone marrow

Koubun

UEKI

Second Department

of Internal

Medicine,

Okayama

University

Medical School,

Okayama

700, Japan

(Director:

Prof. I. Kimura)

A bone marrow coculturing system developed by M. Y. Gordon was modified for easier evaluation of the function of bone marrow stromal cells. In the method agar was not used, and cells were dried and stained directly on a 35-mm petri dish after culture. The sustaining capacity of hemopoiesis by human stromal cells in bone marrow obtained by this method was compared between eight young and five elderly healthy volunteers. Hemopoietic progenitor cells were obtained from young volunteers and cultures were prepared for seven days.

There appeared 86•}28 colonies from 105 non-adherent bone marrow cells on the sheet of stromal cells from the young volunteers and 89±•}27 colonies from the elderly. The colonies

were classified into two types according to cytochemical appearance through peroxidase staining, but all of them proved to be composed of myeloid cells by enzyme-labeled antibody staining.

Colonies were identified easily and accurately by the newly modified coculturing method. No difference in sustaining capacity of hemopoiesis by human stromal cells in bone marrow was found between the young and the elderly using this system.

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