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ストレス関連感覚に対する自由回答の検討

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Academic year: 2021

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目的 大学生のストレスに関連する感覚についての研究は 数多いがほとんどが質問項目を利用した研究である。 これらに対して土井・大隅は、疲労の「自覚症状しら べ」(吉竹、1973)、燃え尽き症候群に関する「Burnout スケール」(稲岡、1988)、YG 性格検査の「Ag」尺 度と自由回答を用いて、疲労、攻撃性、フラストレー ション、その他の4 語群を抽出して、項目尺度との関 係を検討している。本研究では、土井・大隅の自由回 答部分を異なったサンプルを対象にして、疲労、攻撃 性、フラストレーション、その他の4 語群が抽出され るかとそれらの4 語群は如何なる特徴を持つかを検討 したい。 方法 自由回答は次の誘導文によって20 通りが求められ た。「ストレスは以前からよく話題になっています。 また文部省の昨年の調査では、小学2 年生の 3 人に 1 人、中学 2 年生の 5 人に 3 人が普段から疲れている と感じています。ストレス、精神的疲労、精神的消耗 などは、年齢、性別に関係なく一般的、日常的な問題 になっています。あなたのストレス、精神的疲労、精 神的消耗などに関して、言葉、分節、文章などで思い つくままに20 通り表現してください。方言を使用し てもかまいません。原因を説明するのではなく、あな たの精神的な状態を表現してください。」 研究協力者は男子大学生31 名で、授業中に実施さ れて、回答時間に個人差があったが、10 分程度で終 了した。 結果 31 名全員から回答が得られて、最少反応語句数は 10、最大反応語句数は 25 で、31 名中 15 名が 20 通り 回答し、得られた語句数の平均は17.8、標準偏差は 3.1 であった。 得られた自由回答の語句は、Excel のセルに 1 通り ずつ原文通りに入力され、31 行 25 列のデータ行列が 作成された。続いて、1 通りずつの回答が人力でキー ワード化され、得られたキーワード数は552 であった。 そして同義語がそれぞれ統一され、頻度順に並べて表 1 が求められた。 得られた語句は土井・大隅(2000)とともに、吉竹 (1973)の疲労感に関する「自覚症状しらべ」の 30 項目 と稲岡(1988)の燃え尽き症状群に関する「Burnout スケール」21 項目を参考にして、疲労感に関する語 (つかれた、きつい、しんどい等)、攻撃性に関する語 (むかつく、なぐりたい、はらがたつ等)、フラストレー ションに関する語(イライラ、うざい、うっとうしい -113 - 大阪樟蔭女子大学研究紀要第2 巻(2012) 研究ノート

ストレス関連感覚に対する自由回答の検討

短期大学部

キャリアデザイン学科

土井

聖陽

要旨:大学生のストレスに関する研究は、そのほとんどが質問項目を使用しているが、土井・大隅(2000)のように 質問項目と自由回答を併用している研究もある。本研究では、自由回答によってストレス関連感覚を20 通り求め、 どのような語句が得られ如何に分類されるか、サンプルは表出語句にどのような特徴を示すかを検討した。得られた 語句は、土井・大隅のように攻撃性、疲労感、フラストレーション、その他に4 分類された。4 分類の比率は、攻撃 性が27.2%、疲労が 30.6%、フラストレーションが 17.0%、その他が 25.2%であった。サンプル別の 4 分類の使用 比率は、攻撃性を40%以上使用した者が 11 人おり、疲労感を 35%以上使用した者が 15 人いるが、フラストレーショ ンは20%以上を示した者が 6 人であった。本研究では、ストレス関連感覚は疲労感よりも攻撃性とフラストレーショ ンが主であったと言える。 キーワード:ストレス関連感覚、自由回答、疲労感、攻撃性、フラストレーション

(2)

等)、そしてその他の語に4 分類された。「よだきい」 は方言であり、フラストレーションに分類された。表 1 において語句の次の「疲」は疲労を、「攻」は攻撃 性を、「フ」はフラストレーションを、「他」はその他 をそれぞれ示している。 続いてサンプルごとにキーワードが4 分類されて、 表2 が得られた。4 群の比率は、攻撃性が 27.2%、疲 労が30.6%、フラストレーションが 17.0%、その他 が25.2%であった。疲労と攻撃性が 3 割前後で、フ ラストレーションが2 割弱、その他が約 4 分の 1 とい う割合である。しかし、個人別にみると、攻撃性を自 身の表現語句の40%以上使用しているタイプが 11 人 おり、疲労を35%以上使用しているタイプが 15 人い るが、フラストレーションは20%以上を示したもの が6 人である。 考察 誘導文で「…あなたのストレス、精神的疲労、精神 的消耗などに関して、…20 通り表現してください。…」 とあるのに疲労感は3 割程度で、攻撃性とフラストレー ションが合わせて44.2%と半数に近かった。また攻 -114 - 表1 頻度 3 以上のストレス関連語 表2 サンプル別 4 語群の使用語数 Osaka Shoin Women's University Repository

(3)

撃性には「むかつく、はらが立つ」などの精神的な語 句とともに「なぐりたい、けりたい」などの暴力や 「死ね、バカ」などの直接的表現も多かった。個人ご とでも攻撃性語句を多用する人数が11 人と全体の 3 分の1 強おり、フラストレーション語句を比較的多く 使う人数も6 人と全体の 2 割近くいた。 以上から本調査では、土井・大隅の4 語群が確認で きたこととともに、ストレス関連感覚が語句全体から もまた個人レベルからも、疲労感よりも攻撃性とフラ ストレーションが主であったと言える。 引用文献 土井聖陽・大隅 昇(2000)疲労ストレスの統計解析 日本分類学会 第16 回研究報告会 研究報告予 稿集 pp. 77 78. 稲岡文昭(1988)Burnout 現象とバーンアウトスケー ル 看護研究 第21 巻第 2 号 pp. 27 36. 吉竹 博(1973)改訂 産業疲労-自覚症状からのア プローチ- 労働科学研究所 -115 -

参照

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