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気道狭窄病変に対するNd-YAGレーザーの使用経験 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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(1)

気道狭窄病変に対するNd−YAGレーザーの使用経験 甲府共立病院内科 加賀美武 石和リハビリテーション病院内科 山内節朗 巨摩共立病院内科 野口武雄 はじめに  気道を狭窄する病変に対し、局所の治療と して、N eod.ymiurn 一一 Y ttr ium A luminiiim

Garnet(以下Nd−YAG)レーザーの有

効性が確立されっつあるレ‥’4’。我々は、 1984年よりメッサーシュミット社製メ

ディラスYAGレーザーを用い、11例の気

道を狭窄する病変の治療を行ったのでその経 験を報告する。 対象症例と治療成績  表1は、11症例の一覧である。  男性10例、女性1例で、平均年齢は 70.6歳であった。 疾患の内訳は、良性の気管支ポリープ1例、 食道癌の浸潤3例、肺癌7例であった。気管 支ポリープは、右中間気管支幹をほぼ閉塞す るように発育し、無気肺を生じたものである。  3回の生検にても、細胞診にても悪性所見 はなかった。  食道癌は、1例が気管へ、2例が左主気管 支へ浸潤したものである。  肺癌はいずれも扁平上皮癌で、区域気管支 までの中枢に発生したものであった。

 各症例とも、一回に、40から60ジュー

ルを0.5から1秒間照射している。  目的どうり気道の開大がえられたものを著 効、目的は達し得ないものの、一部気道の開 大が得られたものを有効、気道の開大が得ら れなかったものを無効として評価すると、著 効1例、有効7例、無効3例であった。無効 例のうち1例は照射途中で出血のため中止し たものである。  症例を提示する。

 図1は、症例1、80歳男性、右中間気管

支幹をほぼ閉塞する気管支ポリープである。 ポリープは軽度凹凸不整で白苔に覆われてい る。  図2はレーザー照射後の同部位の気管支鏡 写真である。右中間気管支幹の観察が容易に なっている。無気肺も軽度改善した有効例で ある。

 図3は、症例4、74歳男性の扁平上皮癌

である。右Bieより気管分岐部まで珊瑚状 に発育したものである。表面は凹凸不整な厚 い白苔で覆われている。尚スライド上方で白 色の2カ所の部位は、Tracheobronchopatia Osteoplasticaの結節の一部が見えている ものである。

 図4は、2831ジュール照射後の同部位

の気管支鏡写真である。軽度の陥凹は認める が、有為な改善は認めない。Tota1

13089ジュールの照射を行なったが、腫

瘍の発育速度が優り、縮小は得られず無効例 となった。この症例の詳細は、山内より、第 一回の本研究会で既に報告されている。

 図5は、症例10、62歳男性、右BFの

扁平上皮癌である。右B“を閉塞し、無気肺 を生じていた。  図6は、cisplatin, V indesin,1・fosfam− ideの化学療法を併用し、690ジュール照 射後の同部位の気管支鏡写真である。軽度の 狭窄は残っているが、腫瘍による変化は認め られない。著効例である

 図7は、症例11、60歳の男性で、食道

癌が左主気管支から気管分岐部へ浸潤したも

(2)

<表1>  症例一覧

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口症⇒性別i年齢i鶴  戸位i効果i

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右主幹

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   左下幹

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(3)

〈図1> <図2> <図3> <図5> <図6> 〈図7>

(4)

のである。中央に、白苔に被われた腫瘍が認 められ、左主気管支は閉塞していた。気管下 部は、膜様部で前方へ圧排され、リンパ節の 腫脹を示唆する。  図8は、Pepleomycin, Adriamycin, Mit− omycin Cの化学療法を併用し、 Tota1 6094ジュール照射後の同部位の気管支鏡 写真である。腫瘍は縮小し、左主気管支入口 部が認められる。また、気管の圧排も軽快し、 リンパ節の縮小を伺わせる。有効例である。

 表2は、於保らによる、Nd−YAGレー

ザー治療の目的である”)。我々の症例は、3 良性腫瘍の治療と、4気道内腫瘍量の減少を 図る姑息的気道開大に該当した。 まとめ

 Nd−YAGレーザーは、1979年

Godardらにより初めて気管支ファイバース コープ下で、気道病巣の臨床に応用され、 1980年代に日本でも活用されてきた。  我々はおもに、気道内腫瘍量の減少を図り、

気道の開大を目的にNd−YAGレーザーを

使用してきたが、著効、有効合わせて8例、 73%で、有効例では呼吸困難などの臨床症 状の改善が得られ、その有用性が確認された。  レーザー治療単独でも、有効例はあるが、 化学療法との併用でさらに効果が増すことが 示され、集学的治療の1つと位置づけられる と思われる6》。  今後さらに適応を広げ、症例を重ねてゆき たい。 <表2>

Nd−YAGレーザー治療の目的

1.換気不全例に対する救急救命治療 2.中心型早其朋市癌に対する根治昇華 3.良性腫瘍の治療 4。気道内腫瘍量の減少を図る姑息的気

 道開大

5,気道内肉芽組織あるいは廠痕組織を   昇華する気道開大 6.止血 (於保健吉;図説臨床癌シリーズ、 癌とレーザーより)

1)小野良祐 池田茂人.気管、気管支領域における内視鏡的レーザー治療法.日本放射線学

 会雑誌 42:961−968,1982

2)藤沢武彦他.中枢気道悪性疾患に対する内視鏡的Nd−YAGレーザー治療の合併症.気管

 支学 10:3−9,1988

3)於保健吉他.レーザーを用いた肺癌治療.胸部外科 42:695 一一 700,1989

(5)

4)雨宮隆太他.外科における内視鏡的治療の進歩.外科診療 32:460−469,

  1990

5)於保健吉.気管・気管支におけるNd:YAGレーザー治療山村雄一一杉村隆 ,監修,

 図説臨床「癌」シリーズ5,メジカルビュー社.東京:pp 150−164,1986

6)於保健吉他内視鏡的Nd−−YAGレーザー治療による転位陛気道腫瘍に対する積極的治療

 気管支学 8:366−372,1986

参照

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