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JAIST Repository: 日本の民間企業の研究開発活動に関する経時変化

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 日本の民間企業の研究開発活動に関する経時変化 Author(s) 枝村, 一磨; 隅藏, 康一; 古澤, 陽子 Citation 年次学術大会講演要旨集, 30: 516-519 Issue Date 2015-10-10

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/13329

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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2C27

日本の民間企業の研究開発活動に関する経時変化

○枝村一磨, 隅藏康一, 古澤陽子(科学技術・学術政策研究所) 1. はじめに 日本における研究開発費は、約 7 割が民間企業によって支出されている。このため、科学技術イノベ ーション政策を適切に立案、推進するには、民間企業における研究開発活動の動向を適切に把握するこ とが必要不可欠である。そこで、文部科学省科学技術・学術政策研究所では、民間企業の研究開発活動 に関する基礎データを収集するため、「民間企業の研究活動に関する調査」を毎年実施している。本稿 では、2008 年度調査から 2014 年度調査までの調査結果を企業レベル、年レベルで整理し、パネルデー タとした上で、研究開発費や研究開発者数の経時変化を報告する。 2. 民間企業の研究活動に関する調査 2014 の概要 「民間企業の研究活動に関する調査」は、民間企業の研究開発活動に関する基礎データを収集し、科 学技術イノベーション政策の立案・推進に資することを目的として、1968 年度以来、総務省の承認を受 けてほぼ毎年実施している統計調査である。本調査では、2013 年科学技術研究調査によって社内で研究 開発を実施していることが把握された企業のうち、資本金 1 億円以上の企業を調査対象としている。調 査時点は、売上高、営業利益高、研究開発費等の財務関係事項については 2014 年会計年度とし、従業 員数、研究開発者数等の人事関係事項については 2015 年 3 月末時点とした。各企業が属する業種は、 日本標準産業分類に依拠し、主要業種(2014 年会計年度売上実績の最も大きい事業分野)によって定義 している。 2014 年度調査の調査対象企業は 3,459 社であり、1,675 社(回答率 48.4%)より回答があった。研究 開発活動を実施しているか否かという設問に回答した 1,674 社のうち、研究開発活動を社内外で実施し ている企業が 831 社(回答企業全体の 49.6%)、社内のみで実施しているのが 741 社(同 44.3%)、社外 のみで実施しているのが 23 社(同 1.4%)、実施していないのが 79 社(4.7%)であった。 3. 研究開発費と研究開発者数の状況 民間企業の研究活動に関する調査では、企業の研究開発活動のインプットと考えられる研究開発費や 研究開発者数について、2008 年から 2014 年まで継続的に調査している。特に、売上高に占める割合が 最も大きい事業分野を主要業種と定義し、主要業種における研究開発費を調査している。また、研究開 発者の採用状況も調査し、学歴別および性別の採用者の推移を把握しようと努めている。 主要業種における社内研究開発費および外部支出研究開発費の前年度からの増加率について、2008 年 から 2013 年までの推移を時系列で整理したものが図 1 である。社内研究開発費の推移を見てみると、 2009 年および 2011 年に前年比増加率がマイナスになっている。これは、2008 年 9 月のリーマンショッ クと、2011 年 3 月の東日本大震災によって企業が社内研究開発費の支出を抑制したことを示唆している。 一方、外部支出研究開発費の推移を見てみると、2009 年にはマイナスであるが、その後は 2011 年も含 めてプラスである。つまり、リーマンショックによって日本企業は社内研究開発費、外部支出研究開発 費を抑制したが、東日本大震災では社内研究開発費を抑制し、外部支出研究開発費を増加させ、研究開 発の外部化を加速させた可能性が示唆されている。

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‐7.1% ‐10.6% 4.8% ‐3.8% 12.9% 4.2% 4.7% ‐14.1% 8.5% 13.3% 3.2% 10.3% ‐20% ‐15% ‐10% ‐5% 0% 5% 10% 15% 2008 2009 2010 2011 2012 2013 社内研究開発費(主要業種) 外部支出研究開発費(主要業種) 図1. 主要業種における社内研究開発費と外部支出研究開発費の前年年度増加率の推移 研究開発者の採用についての調査を開始したのが 2010 年度調査であったため、2009 実績年 2013 年実 績年までの研究開発者の採用状況を整理する。 研究開発者の採用を行った企業の割合を整理したのが、図 2 である。研究開発者について新卒採用を 行っている企業の割合は減少傾向にある。学歴別に見ても、修士号取得者、学士号取得者、博士号取得 者についても、新卒採用を行っている企業の割合は減少傾向にある。一方、女性研究開発者の新卒採用 を行っている企業の割合はほぼ横ばいであり、研究開発活動において女性活用が抑制されていないこと が示唆されている。 2011 年を見てみると、研究開発者の新卒採用を行っている企業の割合は減少している。一方、研究開 発者の中途採用を行っている企業の割合は増加している。2011 年に発生した東日本大震災によって、企 業は研究開発者の新卒採用を抑制したものの、中途採用者は増やしており、企業は必ずしも研究開発人 員を抑制させているわけではないことが示唆されている。 50.1% 45.4% 31.0% 30.2% 29.4% 38.0% 38.4% 26.6% 24.6% 24.5% 18.3% 17.4% 24.6% 21.2% 20.9% 28.8% 21.7% 15.9% 17.0% 15.4% 14.7% 15.9% 14.8% 8.4% 6.6% 6.8% 7.3% 5.5% 2.1% 2.4% 1.0% 2.3% 0.9% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 2009 2010 2011 2012 2013 研究開発者(新卒) 修士号取得者(新卒) 中途採用 学士号取得者(新卒) 女性研究開発者(新卒) 博士号取得者(新卒) ポストドクター経験者 図 2.学歴・属性別 研究開発者の採用を行った企業割合の推移

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採用された研究開発者数の学歴別、性別の割合を整理したのが、図 3 である。中途採用された研究開 発者数や、新卒の女性研究開発者数が増加傾向にあることがわかる。学歴別に新卒採用された研究開発 者数をみてみると、修士号取得者、学士号取得者は減少傾向にあるが、博士号取得者はほぼ横ばいとな っている。 2011 年に注目してみると、修士号取得者や学士号取得者の新卒採用された研究開発者は減少している。 一方、中途採用された研究開発者数は増加している。2011 年に発生した東日本大震災によって、企業は 研究開発者の新卒採用数を抑制したものの、中途採用者数は増やしており、企業は必ずしも研究開発活 動の規模を抑制させているわけではないことが示唆されている。 60.1% 61.9% 54.3% 57.1% 56.3% 13.0% 17.8% 28.3% 23.0% 26.5% 23.5% 15.7% 13.7% 15.0% 13.6% 8.7% 10.0% 11.2% 3.0% 3.4% 3.5% 3.9% 3.3% 0.4% 1.2% 0.3% 0.9% 0.2% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 2009 2010 2011 2012 2013 修士号取得者(新卒) 中途採用 学士号取得者(新卒) 女性研究開発者(新卒) 博士号取得者(新卒) ポストドクター経験者 図 3.学歴・属性別 採用された研究開発者数の割合の推移 4. まとめ 本稿では、「民間企業の研究活動に関する調査」の 2008 年度調査から 2014 年度調査を接合し、主要 業種における研究開発費の前年比増加率、研究開発者を採用する企業割合、企業に採用された研究開発 者割合の推移を報告した。主要業種における研究開発費については、社内研究開発費は 2009 年と 2011 年に前年比増加率がマイナスになっているのに対し、外部支出研究開発費は 2009 年にはマイナスであ るものの 2011 年にはプラスであった。このことから、2008 年に発生したリーマンショックは社内、外 部支出研究開発費の両者に影響を与え、2011 年に発生した東日本大震災は社内研究開発費のみに影響を 与えたことが示唆された。また、研究開発者の採用状況については、新卒採用を行っている企業の割合 は減少傾向であった。2011 年に注目してみると、研究開発者の新卒採用を行った企業の割合が低下して いるが、中途採用を行った企業の割合は上昇している。研究開発者数についてみても、新卒の学士号取 得者や修士号取得者は減少しているが、中途採用された研究開発者数は増加している。以上の研究開発 者の採用状況と、研究開発費の前年比増加率が社内のそれはマイナスだが外部支出のそれはプラスであ ったことを考えると、必ずしも企業は東日本大震災によって研究開発活動を単純に抑制しているわけで

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はなく、研究開発活動の外部化や、研究開発者の中途採用によって自社にない知識を導入し、新たな分 野の研究開発の準備をすることで、研究開発分野のポートフォリオを積極的に変更している可能性が示 唆される。

参照

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