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「人工知能学会創設30周年記念特集」にあたって

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Academic year: 2021

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483 人 工 知 能  31 巻 4 号(2016 年 7 月) 読者には全国大会に参加された方も多いと思います. ここ数年の人工知能ブームの影響にて,今回の小倉で の全国大会参加者数は 1 500 人強とのことです.昨年の 函館開催では約 1 000 人の参加者でしたので,来年の名 古屋大会では 2 200 人,その翌年は 3 000 人を超える勢 いです.冗談のような話ですが,ニューラルネットワー クにおける著名国際会議である NIPS ではさらに極端 な現象が実際に起きています.NIPS 2013 では約 1 000 人,NIPS 2014 では約 2 000 人でした.そして,昨年末 の NIPS 2015 では本当に参加者数 4 000 人となってし まいました.有用性やこれからの社会実装に向けて真に 能力を発揮できるのかについては賛否両論あるものの, Deep Learningが今回の人工知能ブームを産・官・学に 巻き起こし,現在も牽引していることは間違いありませ ん.昨年と今年の全国大会でも「Deep Learning」セッショ ンは特に大賑わいでした.大会最終日の最後のセッショ ンとして「深層学習応用」がありましたが,立ち見状態 というのは,他の情報系学会全国大会などと比べて明ら かに異常です.来年の名古屋大会では,東京や大阪から のアクセスも良く,一般社会人のピンポイント参加も可 能になります.どのような事態になりますか,楽しみで もあり不安でもあります.そして,このような AI ブー ムの中,本学会が創設 30 周年を迎えることができ,そ して本会誌にて「創設 30 周年記念特集」を組むタイミ ングで,この編集に携わることができた編集委員会メン バは皆幸せ者です.以下,本特集の中身について簡単に 紹介します. まずは,これまでを振り返りたいと思います.定番 の歴代会長の随想特集です.これまで本学会会長とし てリーダーシップを発揮された先生方に,お題自由に て 30 周年に向けたメッセージを寄せていただきました. メッセージ性の強い内容で読み応えがあります. 次は SF と AI 特集です.恐らくこれまでどの情報系 学会誌においても企画されたことのないであろう,「SF 小説」を掲載することにしました.執筆いただきました SF作家は,第 35 回日本 SF 大賞を受賞し,本学会倫理 委員会委員でもあります長谷敏司氏です.普段書かない ような刺激的で読み応えのある内容で,人工知能学会誌 ならではの,いろいろな議論を巻き起こす問題を提起し ています.本学会誌でしか読むことできない貴重な作品 です.じっくりお読みください. そして,昨年末の合同研究会において開催しました座 談会「SF 作家× AI 研究者:未来を語る」の取りまとめ 記事へと続きます.対談者は藤井太洋氏(第 35 回「日 本 SF 大賞」受賞,日本 SF 作家クラブ第 18 代会長), 長谷敏司氏(第 35 回「日本 SF 大賞」受賞,本学会倫 理委員会委員),大澤博隆氏(筑波大学)そして山川 宏, 栗原 聡です.ページ数の制約から,2 時間に及ぶ対談か ら特に面白い議論を抜粋しました.対談に参加した各メ ンバも,内容を確認するために本記事を改めて読み直し た際,「面白い内容!」という反応が出たくらいです.「SF で描かれる未来と現実とのギャップ」,「これからの AI と社会の関係」,そして「シンギュラリティ」など,気 になるお題満載です. 学会のアクティビティとしては,研究会活動が柱とも いえます.これまでの研究会活動の総括,ならびに現在 活動中の研究会からの活動報告をまとめました.人工知 能研究の多様性の高さや,さまざまな異分野研究との連 携の加速を実感できる充実した内容となっております. 最後に,学会誌 5 月号と 7 月号にて連続企画としてと りまとめております「国内人工知能研究拠点紹介特集」 では,5 月号では主に民間企業での拠点紹介を行いまし たが,7 月号では産業技術総合研究所人工知能研究セン ターを始め,NIIコグニティブ・イノベーションセンター, 千葉工業大学人工知能・ソフトウェア技術研究センター, 慶應義塾大学人工知能ビッグデータ研究開発センター, 電気通信大学人工知能先端研究センターなどの官・学か ら,企業(富士通研究所,サイジニア,トーマツ デロ イトアナリティクス,ネクスト リッテルラボラトリー, Preferred Networks)などの拠点も紹介します. 今回の 3 回目のブームはこれまでの 2 回のブームとは 構造が異なります.現在の過熱状態はいずれ沈静化する と思いますが,それはブームが終わり再び冬の時代に突 入するのではなく,人工知能技術の社会への浸透が加速 し,日常生活に遍在するようになるのだと思います.ま た,今回の全国大会にて大いに注目された倫理委員会 セッションですが,人工知能研究に関する倫理におきま しても,これを契機にさまざまな議論が進展すると思い ます. 今年 2016 年は,本学会創設 30 周年であると同時に, 「Artificial Intelligence(人工知能)」という言葉が生み 出されたダートマス会議が開催されてからちょうど 60 年目の節目でもあります.人工知能学会も,研究の進展 とともに社会との関わりにおいても新しい展開を迎えつ つあります.関係者は,皆忙しくなると思いますが,さ らなる人工知能研究の発展が楽しみです.

「人工知能学会創設 30 周年記念特集」にあたって

栗原  聡

(電気通信大学大学院情報理工学研究科)

山川  宏

(株式会社ドワンゴ人工知能研究所)

参照

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