!)
,
.
.
.
仮 現
運
動
視
に お
け
る
刺
激
の
複 雑
さ と
時 間 的制約
内 田
真
理 子
日
本
女子 大
学
Stimulus
colnplexity
and
the
temporal
constraint
ln
apParent
motlon
Mariko
Uc
田1
)A
ノ
aPttn駒
珊 繝 驚Unive
?sity *The
more じ〔}1nplex the spatial structure ofimages
is
,
the
longer
time
the
visual system willspend
to
ana ヱyze
its
cQrrespondenceprQblem
of apparent motion.
I
investigated
the relationbetwee
ロthe
structural c〔〕mplexity of stimulus andthe
temporal
property
of correspondenceprocess
.
In
the experiments,
three
kind
of stimulus−
series (from
simpleto
complex ;adottedpattern
,
an Dpaquepattern
,
andhuman
−
faccs
)were prepared and presentedby
the
frame
−
splitting
procedur
已(
Suga
&Kato,1994,
1995
)
through
eitherpartial
mask (,r randon1−
pass
filter
.
This
prQcedure
provides
a mean ofinvestigating
experimentallythe
temporal
limitatiQn
con・
cerned with solvillg correspondencc
problem
.
In
the
results ,to
all correspondenceproblems
under
these
experjmenta ユconditions,
the temporal
upper !inlitati
〔♪ll〔,f 100
ms wereindicated
.
The
results arediscussed
in
terms
ofthe
visual1
〕uffer withoutthe
i.
nfluence ofthe
stimulus complex 正ty,
Key
words :apparent motion,
correspondenceprobleml
complex shape、
frume
−
splittingproce
.
dure
,
random−
passfiltering
仮 現 運 動
が 生 じ る と き, い わ ゆ る対 応 問
題 corre.
spondenceprob
】em(
Marr
,1982
)
が視 覚 系
に よっ て解
か れ た の だ とい え る.
対
応問
題 と は 「時 点
t1
に お け るフレー
ム内
の どの要 素
が時 点
t2 に おけ るフレー
ム の どの要素
に対 応
す るのか 」 とい う問
いで あ るが,
これに 対 す る 解 決 方 略が どの よ う な もので あ れ,
継 時 的に与 え ら れる フレー
ム同
士 を比較
す るには そ れ ら をひ と ま と め に し て記 憶
す る装 置
が必
要である.
したがっ て,
対
応問
題
の解 決
に は記 億 装 置
の情 報 保 持 時 間
に起 困
する時 聞 的
制 約
が課
せ ら れ る はず
であ
る.
Suga
&Kato
(
1994
)
は・
時 的 入 力バ ッフ ァ (Input
Buffer
)とい う 記 憶装
置 を想 定
し, そこに蓄
えた デー
タ を も とに対 応問
題 を解
く 運 動視
シ ステ ム を 仮定
し た.
さ らに,
一
時
的 入 力バ ッフ*
Graduatc
Scho
‘)l
ofIntegrated
Arts
andSocial
Sciences
,
Japan
Women
’
sUniversity
,
1
−
1
−
1
Ni
−
shiikuta
,
Tama
−
ku
,
Kawasaki
−
shi,
Kanagawa
,
2148565
ア の情 報 保
持 時間
の上 限 を100ms
と推 定
し,
対 応 問 題
を 整合 的
に解
く.
L
での時 間
杓 制約
と な ること を指 摘
し た.
と こ ろ で
,
動 く
3
次 元 物 体
の形 状
が複 雑
であ る場 合
,理 想 的
に は細 部
の点
に至る ま で整 合 的
な対 応 関 係
を見
い 出 すこ と が で き れば,
そ の構 造は精
巧に復
元さ れ うる.
し か し, 局 所 処 理のみに依 存
し て そ の よ う な対 応 問 題 を
解
くの は困難
である.
情 報 を 肌 理 や表
面の方 位
,
陰 影
と いっ た さ ま ざ ま な種
類の大 域 的特
徴に変 換 す る視 覚 能
力(
Todd
,1985
)
に も依 存
す る と想 定
すべ き だ ろ う.
複
雑 な 形状 刺 激
の対 応 問題
ほ ど多
くの大 域 的 特 徴
を抽 出
し て 対 処 す る必 要があ ると考
える と き,
そ の対 応 問 題 処
理過程
に1
Oms
とい う・’
時 的
入力
バ ッファの時 間 的 制 約
が 課 せ ら れて も支 障 は ない のだ ろ う か.
そこで
本 研 究
では, さ ま ざ ま な形 状
の運 動 物体
を 用 意 し,
そ れらの対 応 問題
に課
せ ら れる時 間 的 制 約
が…
律
か 否か を実験 的
に分析
する.
対
応
問題 処
理 に課
せ ら れ る時 間 的 制 約
の測 定
に は,
内 田 :仮 現 運 動
視
におけ る刺 激
の複 雑
さ と時 間 的 制 約
39
Suga
&Kato
(
1994
,
1995
)
が開 発
し たフ レー
ム分 割
法Frame −
splittingPr
(}cedure を用い た.
こ の方 法
では,
刺
激 画 系 列の各フ レー
ム を 複 数のサ ブフレー
ム に分割
し て,
サブフレー
ム単位
で呈 示 する.
つ ま り,
こう
し て作 ら
れた刺 激
は「
その要 素 (
サ ブフ レー
ム〉
は時 点
t
、 の フ レー
ム に属
さ せ るべ きか,
t2
の フレー
ム に属
さ せ る べ きか」とい う 対 応 問 題 と等価
の問題
を視 覚 系
に課す も の で あ る.
例
えば
,Figure
1
にお け る 上段 系 列
(a>の各
フレー
ム は下
段 系 列 (b)の よ うに分割
呈 示 さ れ る.
そ し て,
系 列
(b〕か ら 整合 的 仮 現
運 動 が 生 じ る な ら ば, 視 覚 系 がサブフ レー
ムを
う まく組
み含
わ せて系 列
(a>と等
しい フ レー
ム像 を構成
し た か ら だ,
と仮 定
する の で ある.
さ ら に, サブ フ レー
ム を 呈 示 す る 際のSOA
を操 作
する こ と に よ り,
一
時
的 人 力バ ッファの情 報 保 持 時 間
を推 定
す る こ とがで きる.
同
・
フ レー
ム に属 す る サブ フV一
ム n枚 (
系 列(
b>
で は n=
2
)
は,一
時 的
入力
バ ッ フ ァの1
青報
保 持 時 間 内
に ともに記憶
され ない限
り統 合
さ れ得
ない の で,
整 合
的
仮
現運 動
が 生じ るSOA
の上限 閾
をSOAUL
と し た と き,
Il×SOALIL
(
ms)
の値 が
一
時 的
入力
バ ッ フ ァの情 報 保
持 時間
推 定 値 と な る.
これ まで, フ レ
ー
ム分 割 法
はFigure
l
の よ う な 単純
な点 描 図形
に適 用
さ れて き た.
本研
究の実
験 で 用いる刺
激
は,
単 純
な形状
と し て の 六角
錐 台パ タン と複
雑 な 形状
と し て の顔
パ タン であ
り(
Figure
2
(
a)
参 照 )
,
複 雑
な形
状
につ い て もフ レー
ム分 割 法 を施 す 必 要
があ
る,
実 験
1
F
(1) ■ 置 匿 ■ . 馴)
a
(
F
■ 匿 ■ ■ 嗣 ■F
(3) ■ ■ ■ ■ ■ .F
(4) ●、
..
.
レ ■ ■(
b
)
国
口
口
ロ
…t
(
ms
)
SOA
Figure
1
.
The
frame
splittingprocedtlrc
(
from
Suga
&Kat
,
1994
)is
schematically shown.
(a}The
series of multifralnes
,
F (
i
>
(
i
−
1
,
2
,…,
n),
causes an apParent nlotion of randoni
dots
’
pat
・
tern
rotating aroundthe
vertical axis.
(
b)The
series of sub
.
frames
,
produced
by
splitting eachframe
iDto
two
sub−
frames
, also ⊂aしlses the sameapparent m ⊂レ
tion
as (a>.
1
=
Sl
”’
L“一
“一
;
71
:
で は
部 分
マ スキングpartial masking,
実 験
2
で は空 間
周 波 数 領
域に お ける ラ ン ダム パ ス・
フ ィル タ リン グrandom
−
pass
filtering
とい う画 像
処 理 法 を 導 入 して フ レー
ム分 割 を試
み てい る。
なお, 形
状
の複
雑さ につ い て は,
例
えば点
の数
・
角
の数
・
図 形 の 対 称性
(cf.
,乾
,
1990
)
・
空 間 周 波 数
(
Hoeger
,1997
) な ど何
らか の物
理的 属 性
で定 義
される こ とがあ
るが,
こ こ で述
べ る複 雑
さ は特 定
の物
理 的属性
によ り定 義
さ れ るも
の と はし ない.
視 覚 系
が刺 激
か ら抽
出 し う る特 徴
の種 類
が多
い ほ ど複 雑
である,
と考
え る こ とにす る.
実
験
1
運 動 物 体
の形 状 的 複 雑
さに依
らず
,対
応問
題 が一
律
の時
間的 制 約
の もと で処
理さ れ る か否
か を調
べ る.
その際
,部
分マ ス ク で フレー
ム分割
し た刺
激 を 用いる.
方 法
被 験
者止 常 視 力
1.
0
以E
(矯 正 視 力 を 含 む)
を有
す る3
名 (
内
1
入
は著 者 )
.
装 置
,
実 験 環 境
刺 激
呈 示の制 御
や 被 験者
の反応
の記録
に は,
パー
ソ ナ ル コ ン ピ ュー
タ (HEWLETT
PACKARD
Vectla
VL
)
を用
い た.
また,
これ と接 続
す るモ ニ タ(
MITSUBISHI
RD
17V
)
に刺 激
を 呈 示 し た.
モ ニ タ画面
の水 平走 査
周波 数
は30
〜
69kHz
,
垂直
水 平 周 波 数
は55
〜125Hz
, 輝 度 は15.
42
cd/
m2 で あ る.
被 験 者
は,
画 面 ま で の観 察 距離
が約
60cm
にな る位 置
に座
るよう求
め られた.
実 験 室 内
の照明
は特
に統 制
さ れ な かっ た.
刺 激
Figure
2
(u)に示す3
種 類
の刺 激
パ タ ン を 用 意 し た.
前 述の通 り, 運 動 す る物 体
の対 応 問題
を解 く
た め に は さ まざまな特
徴 を 抽出
す る 必要
がある.
ドッ ト か ら成
る六角錐 台
パ タンの場合
, もっ ぱ ら ドッ トの位 置 情 報
に依 存 す
る しかないが,不
透明 表 面
の六角
錐台
パ タンか ら は陰
影情 報
を抽 出
しう
る.
顔
パ タンか ら は,
陰
影 や 肌 理だけで な く“
顔
”
とい う構 造 体
に特 有
の生 態 学 的 性 質 も大 域 的特 徴
と して抽 出
しう
る(
cf.
,
Bruce
,
Green
&Georgeson
,
1996
).
各刺 激
パ タン の フ レー
ム系
列
1 }を ある時
間
間 隔
で呈 示 する と,
2
つ の同
一
形 状
オ ブ ジェ ク ト (A
とB
) が水 平
方 向
に1il
[転
し て見
え る(
F
量gure
2
(b)).
オブ ジ 」一
ク トB
の 同転 軸
は,
オ ブ ジェ ク トA
の同 転 軸
か ら右
0
.
8cm
(
視 角
約
0.
8°
)
の と ころに位 置
し,
運 動 方 向
につ い て もA
とB
は常
に等
しい.
た だ し実 験 手 続
き の都 合
上,
オ ブ ジェ ク トA
とB
は同
時にで は な く継時 的
に呈
示され る.
画像
サ イズは4x4cm
(
視 角 約
4
°
1
,
総
フ レー
ム数
(
a
)
(
b
)
(
d
)
dottedpyramid
opaquepyramidFrame
(
1
)
face
(
c
)
Frame (
2
)
トー 一 一 一 一
一一・
…
レ トー一一一一一一一一
一t(
ms)
e
w
H
□
。bj
、ec、A
SOA
矚
・bj
ect
B
Figure
2
,
S
timulusconditiolユs
in
experiment
h
(a)
Three
kinds
of stimulus patterns aredifferent
about the complexity
(
Contour
lines
ill
thedotted
ngure
d
(,n’
t appear)
.
(b)Apparent
mQtion ()f
two
objects
is
perceivedlike
this
on a comPuter.
dis
・
play
ill
the pr〔〕per ral/ge て)f
SOA .
〔o>Sub
fralnes
Qf
α
&
β
were
エ皿ade
by
the
partial
nユaskingrriethod
in
which
one
frume
wus split
intu
tlL
・
oparts
.
(d)
Time
schedule (>f
presenting sub−
rralneS
Successively.
は24
枚 (
各
オ ブ ジェ ク トにつ き12
枚 )
,
フ レー
ム間
回転 移 動
量 は π!
24
(
視 角 約
2
〜
11
’
)で あ る.
し か し,
被
験者
に呈 示 す る 刺 激 はこの フレー
ム系 列に部 分
マ ス クを 施 し た もので あ り, 具 体 的には, 各 オ ブ ジェ ク トの各フ1
>
六角 錐 台
の系 列
は3
次
兀CAD
シ ス テム(
S
〔)11},
Tektronix
S
’
1
’
mageL3D
Destgn
Ver
2
.
O
) 上で作
成
し,
点 描
に よ る 六角 錐 台
の系 列
は自作
プ ログ
ラム によ り
作 画
し た.
顔
パ タン の系 列
は,
静
ILし てい るモ デル を
一一
定 距 離
か ら角度
を徐
々 に変
えつ つ全 自動
カ メ ラ(
OLYMPuS
μZOOM
105
>
で撮 影
し
,
現 像
し た写 真
を ス キ ャ ナー
(Canon
ScanJct4C
)
で コ ン ピュー
タ ヒに取
O
込 んで, さら に ノ イズ
除 去
,
256
階 調
の グレー
ス ケー
ル化 操
作
を施
し てf
乍っ た.
レー
ム をFigure
2
(c)の よ うに部
分マ ス クに よっ て サ ブ フ レー
ム α と βに二分割
し, そ れ ら をFigure
2
(d)の順序
で並べ た もの であ
る(
た だ し,
ドッ トパタ
ン の場 合
は部 分
マ ス キング を使 用
せず
にド
ッ ト単 位
で分 割
し た)
.
この系 列
か らFigure
2
(b
)の ような知
覚
が生
じる ならば
,視 覚 系
が対 応
問 題 を解
い てFrame
(
1
)
,Frame
(2
)
,…
の よ う な組
(Figure
2
(d))で4
枚 の サブ
フ レー
ム を統 合
し たのだ,
と判定
する こと に した.
手続 き 以
上の刺 激 系 列
を観 察
した ときに対 応 問 題
が整 合 的
に解
か れ た か調べ る た め,
運動
の滑
ら か さ・
剛 体
性
・
物 体 表
面の連 続
「生 とい う3
つの特
性 につ いて被
験者
か ら反応
を とっ た.
具体 的
には,次
の3
項
目 イ・
ロ・
ハ を すべ て満 た す と 思 わ れ る と きには 「十」
, そ うでな け れ ば[
一
」
と答
えて も らっ た.
(
イ)運 動
の滑
らか さに関
する項 目
:同
一
形 状
をし た2
つ の オブ ジェ ク トが異
な る地 点
で同
じ よう
に回転 運 動
し て見え る こ と.
回 剛 体
性 知 覚
に関
す る項
目 :対 応 関 係
が大域
的に安 定
している こと (オブ ジェ ク トが 剛 体 と して見 え ること).
の 物 体表面
の連続 性
に関
す る項 凵
:所
々で偏 光 率
の異
な る凸
凹 ガ ラス面
の背 後
に2
つ の オ ブ ジェ ク トが透
けて見
える こ と(
た だ し ドッ トパ タ ン に は適
用さ れ ない〉
一 ,
なお
i
り
は「
視 覚 系
は よ り滑
らかな運 動 事 態
を把 握
し よ う と し,
移 動 量
が最 小
にな る よ う な対 応 関 係
を見
い出
そ う と す る」
とい うAnstis
(
1986
)
の見
解
に基づ い て い る.
本
実験
で同
一
形 状
のオ ブ ジェ ク ト を2
っ継 時
呈 示 し た の は こ の項 目
につ い て調
べ る た め で あ り,
オブ ジェ ク トA
とB
を対 応
づ けるならば滑
ら か な 回転
運動
は知
覚
さ れ ないの であ
る.
(
切
は運 動
か ら3
次 元 形 状
を復
元 す る 理 論の 多 くにおいて,
物 体 が 剛 体で あ るこ と を 前 提 条件
と し て対 応 問 題
を解
くこ と(
Marr
,1982
;Todd
,1985
)を受
け てい る.
の
は 予備 的
実験
の段 階
で被 験 者
か ら報 告
さ れ た現 象
であ
る.
お そ ら く,
こ れ は部 分
マ ス ク に よ る断続 情 報
が作 用
し て生
じた 現象
であ
る.
オ ブジ
ェ ク トは部 分マ ス クで断 続 さ れてい るが,
視覚 系
がサ ブフ レー
ム を遭 切に組
み合
わせて統 合
す ることによ り面
の連
続 性
が 回 復 し,
マ スク は ガ ラス面
とい う新
た な 意味
に変換
さ れ た と考
えら れ る.
実 験
の進 行
は,
極 限法
の応 用形
であ
る二重 上下 法
の規
則
を プV グラ ム し たコ ン ピュー
タ で制 御
さ れ,
対 応 問題
を解
決 しう るSOA
の上限 閾
を 測定
し た.
ま ず, 予 想 さ れ るSOA
閾
の値
を挟 んで閾
下・
閾
上の各 初 期 値
か ら出
発
する ト昇 系 列
と下 降 系 列
の2
系 列
を,
ラ ンダ
ム順
に1
試 行 ず
つ進
めて い っ た.
も
し被 験 者
が[
一
」
を 示せば
SOA
を2ms
滅
ら し,一
方 「
+」が 4回連 続
して生
じ た ら2ms
増 や す こ と に し た,
そ して,
「十」か ら内
田 :仮
現 運 動 視 にお け る 刺 激 の複
雑 さ と時間
的 制約
4
工「
.
.
」
,
ま た は「
一
」
か らirl
へ変
わ る反 応 転 換 点
の数
が上昇 /
一
ド降
の各 系列
で6
回に達
し た と き,
測定
を終
了 し た.
求
めるSOA
閾 値
は 反応 転 換 点
で挟
ま れ た範
囲 にあ
る と考
え ら れ るの で,
そ れ を計
12
個
の転換 点
の平 均
値
で表 現
し た.
な お,被 験 者
に慎
重 な判 断
を求
め る た め,各 試 行
で は被 験 者
か ら反
応 が得
ら れ る まで刺 激 系 列
を繰
り返 し呈示 し た.
結 果
と考 察
(
1
)
まず観 察
さ れ た 現象
を記 述
す る と,
SOA
が 閾 値 よ り短
い ときに は に適
合 す る よ う な 見 え が 非 常 に鮮 明 で,2
つ のオ ブ ジェ ク トの前 面
に光の乱
反射
す る ガ ラス面
が在
る ように見
えた.
し か しSOA
が閾 値 付 近
に な る と そ の よう
な知 覚
は消 失
し,
ま た,
フ レー
ム間
で の要 素
の対 応 関 係
が瞹 昧
にな
っ てく
ロ)
も成 立
し なく
なっ た.
ドッ トパ タン の場合
,
パ タン の 構 造 とは無
関 係に近 傍の ドッ ト同士 を対 応づ けて しま うよう な 知 覚が生 じ た り,顔
パ タンの場合
に は, 顔の輪
郭 は2
つ で も, 日 や 鼻, 口が1
人 分 しか 見 え な く なる こ とが あっ た.
SOA
が閾 値
よ り長 く
なると,
オ ブ ジェ クト双 方
の運 動 軌 跡 を混 同
し た り,
単
一
の オブ ジェ ク ト が左 右
に往 復 直 線 運 動
し てい る よ うに見え た り し て,
(
i
)
が成
立しな くな っ た.
刺 激
パ タン別 のSOA
閾 平 均値
と,SOA
閾
か ら推
定
さ れ る・
一
時 的
入力
バ ッフ ァの持 続 時
間 をFigure
3
に 示 し た.SOA
閾
は刺 激
パ タン間
で ほ ぼ等
しか っ た.
分
散 分 析
の結 果
で も,刺 激
パタ
ン間
のSOA
閾
の有 意 差
は 示 さ れ な か っ た(
F
(
2
,
105
)
−
O
,
66
,
p
−
0
.
52
)
.一
時 的 入力
バ ッ フ ァの情 報 保 持 時 間
の上 限 は,
SOA
閾Xn(
ただ
し実験
1
で はn=
4
)
の値
か ら推 定
で き,
どの パタ ン も1DO
ms 程 度で あっ た.
し た がっ て, 視 覚 系 は,40
30
20
10
0
爭
E
)
<O
のO
」O
= の 凵 匡 = ト 103.
67 ;究’
凾IB
PERS
匸STENOE
H■−
THRESHOLD
SOA
108.
11 106.
78 ≡s,
躍.
撃.
緕 ジ1
韈
…
…
DOTTED
OPAQUE
FACE
PYRAMID
PYRAMID
115
105 95 8575
(F
闇
)
…■
OZ
山 ト ω一
の 匡 …■
色 山一
PATTERN
Figure
3
.
Results
of experimentl
:Mean
thresh
.
olds
SOA
andthe
temporal
limits
ofthe
persist.
ence of
Input
Buffer
(
IB
)
,
in
relat 量on to stimulus
patterns
.
100ms
を情 報 保 持 限 界
と する一
時 的 入 力
バ ッ フ ァ に依
拠
し て対 応
問 題 を解
い て お り, そ の事 情 は 刺 激パ タンの 形 状 的複
雑 さ に 依 らず
不 変 で あ る, と結
論 で き る.
(
3
)被 験 者
間で分散
分析
を行
っ たと こ ろ有
意差
が あっ た(
F
(
2
、
105
)
=
4
.
97
,
〆0
.
01
)
.
確
か に,
被 験 者 間
の平 均
SOA
閾
に は,
最 大
で6
.
5ms
程
の差
が生
じていた.
し か し,
同一
被
験者
内で は そ れ以上 の差が あ り,
個 人 内 で も.
一
定
で は な かっ たこと を考 慮
す る 必要
が あ る.
精度
の高
い反応
を 得 るに は,
上 記の3
つ の判 断 項 目の設定
に 改艮
の余 地 が あ る と 思 わ れる.
実
験
2
フ レ
ー
ム分割 刺 激
の特 徴
の ひ とつ は, 形状
手が か り を明
示的
に含
ま ないサ プフレ・
一
ム系 列
か ら,
視 覚 系
が三次
元 形 状 を 復 元 す る ところ を 例 証で き るこ とであ る.
しか し,実 験
1
で用
いた部 分
マ ス キングに よ る サ ブフ レー
ム は,
顔
で あ ることが明
らか にわか る よ う な形 状 明
示的 画
像
で あっ た.
実験
2
で は,
顔
の形 状 手
が か り を明
示的
に与 え な
い場 合
でもな
お,
対 応 問 題
の処
理 に100ms
とい う時 間 的 制 約
が課
せ ら れ るか否か を 調べ る.
そのた めに ラ ンダ
ムパ ス・
フ ィ ル タ リン グ とい う画像 処
理法
を導
入 し て サ ブフレー
ム を作 成
し た.
方
法装 置
,
観 察 条件 実 験
1
と同
じ.
た だ し,
刺 激
の観 察
距 離 を
10
〔}cm と した.
被 験 者
10
名.
いず れ も止 常 視 力1
.
0
以 上 (矯 正 視 力 を含
む ) を有
す る.
刺 激
実
験2
で は顔の同 定 課 題 を 行い,
その正答 率
を も とに対
応問
題 が解 決
され たか ど うかを判 定
する た め,
被験 者
に とっ て未 知
の女 性 (
20
歳 前 後 )
6
名 分
の顔 画 像
系 列
を用意
し た.
顔
面 以外
の特
微が手が かりと な らない ように,
画 像
の顔
のサ イ ズ は統
一・
され(
正 面顔
の目 付 近 の顔 幅
3cm
(
視 角 約
1.
7”
)
)
,
背 景
や衣
服.
頭 髪
の部 分 は 黒 く塗 りっ ぶ さ れて い る.
これ らの画 像 系 列 は,顔
が水 半 方 向
に回 転
して見
え るフ レー
ム系 列 (
15
frames,
回転 移 動
量 π/
24
>で あ り,
これ を さ らに フレー
ム分 割
し て呈 示 する た め に ラ ンダムパ ス・
フ ィル タ を かけた.
各
フレー
ム は4
枚
の サ ブフ レー
ム に分 割
さ れ,
計
60
サ ブフ レー
ム(
15franles
×4)か ら成
る系 列
が被
験者
に量 示 さ れ た.
ラン ダムパ ス・
フ ィ ル タZ〕と は, フ レー
ム画
像
を2
次 元フー
リエ 変換
し ,含 有 周 波 数 成 分
の数
% を ラ ンダ
ム に選
ん で濾 波
さ せ る画 像 操 作
の こ と であ
る.
さ ら に逆
フー
リ
エ変 換 す
ると一
枚
のサ プフレー
ム画像
が作
ら れ る(
以一
ド
,
ランダ
ムパ ス・
フ ィ ルタか ら濾 波
す る成 分
の 割 合 を 通 過 率 (%
) と呼ぶ).
Figure
4
(a)は 通 過 率10
%の サブフ レー
ム サンプル であ り,
形 態 的特徴
が不 明瞭
だ が,同
一
フ レー
ムに属
す る サ ブフ レー
ム を組
み合
わ せ て加 重
す る とFigure
4
(b)の よ うにな り,
顔
は同
定 し や す く な る。
し か し,
異
な る フ レー
ム に属
す る サブフレー
ム同 士
を加 重
す るとFigure
4
(c)
の よう
に なり
,
顔
の 同 定 は 難 し く な る.Figure
4
(d
)ランダ
ムパ ス フ ィル タ の特 性
を表
す図
で, 水 平周
波数
u と垂 直
周波 数
v に よ(
a
)
(
c
)
(
b
)
(
d
)
V
→u
Figure
4
.
(
a>
Example
ofthc
sub−frame
in
the
random
−
pass
正ilter
oflO
%
pass
ratio.
(
The
origi・
na 】
image
of thisis
thcface
pattern
in
Figure
2
〔a)
.
)
(b)The
sum of sub−frames
belonging
to
the
salne original
frame
presents
sharp contours.
(c)
On
the
〔〕ther
hand
,
the sum of sしlb−
frames
whoseoriginal
frarne
are
different
presents
a
blurred
irnagc
.
(
d)The
whitepoints
in
thetwQ
dimen・
sional
spatial
frequellcy
domain
indicate
the
colllP 〔mellts that are
passed
by
thefi
]ter
whoserandon ユ
ー
pass
−
ratiois
equal to10
%.
2
)
通過 率
p
%
の ラ ンダムパ ス・
フ ィ ル タに よる画像
処
理 は次
の よ う に表
さ れ る.
原 画 像
に お け る光 強
度 配 歹
Ug
(
ll,
In)
(
ll−
1
,2
,…
,N
,m
=
1
,2
,…
,M
)
を.
次
元フー
リエ変 換
する と (式[
1
]
), 周 波数
スペ ク トルG
(
k,
1)
(
k
=
1
,
2
,…,
K
,
1
;
1
,
2
,
…
,L
) が得
ら れ る.
こ の中
か ら (100−
p
)
%
を ランダム に
選
び,
G
(
k
,
1
)
=
0
と する.
その上で,最 後
にフ
ー
リエ逆 変 換 (
式 [
.
2D
を行
う.
な お,
フー
リエ
変 換
プログ
ラム は安 居 院
・
中 嶋 (
1994
)
にな らっ た
.
G (
k
,1)
二
Σ Σ
g (
11,m)
exp(
− j
2
・T nk/
N
)
rl
m
・
exp(
− j
2
π rnl/
M
)
[
1]
9 (
1 m)
一
Σ Σ
G
(
k
,
1)
exp(
j
2rr
nkfN)
exp L(
ユ(
」2
π ml/
M
)
[
2]
っ て定 義
さ れ る周 波 数 領 域
に,
通
過成 分 (
白 点 表 示 ) が ランダ
ム散 布
し てい る.
な
お,
Costen,
Parker
,
&Craw
(
1996
)
によれば
,
顔 認 知
に おい て生態 学 的
に重 要 な 周 波 数 はS
〜
16cycle
〆
face
width で ある が,
本 実
験
の サ ブフ レー
ム が含
み得
る 周 波 数 は0.
44〜27.
95
cycle
!
face
width(
0
.
76
〜
48
.
19
cyc !e/degrce
)
であ
った
.
手 続 き
SOA
(
25
,
5
〔〕,
75
,
100
,150
ms)
の各 水 準
につ き,
顔 同 定 判 断の確 信 度を測 定 する こ と に し た.
各
試
行で は, まず
ター
ゲ
ッ ト刺 激
と し て サ プフレー
ム系 列
を5
秒 間
呈 示 し,1
秒 間
の休 止 の後
, 比較 刺 激
と し て も と の フレー
ム系 列
を 呈 示 し た.
被
験者
は, ター
ゲッ トと比 較 刺 激
が同
・
一
人 物
か否
か を[
確
か に同
じ」
「たぶ ん同
じ」 「同
じ か もしれ ない」 「
違
うか も し れ ない」 「
た ぶ ん 違 う」
「確
かに違
う」
の6
つの反応
カテゴ リ に沿
っ て判
定
し た。
な お,同
じ顔
が試
行
間
で連 続
し て現
れな
いよう
に配 慮 し な が らfi
種 類の顔か ら2
つ を 選び
,
各試 行
の ター
ゲ
ッ ト刺 激
と比 較 刺 激
を決
め た.
ター
ゲッ ト刺
激が比較 刺 激
と同
じ顔
の場 合
をS
(
samc) 事
態, 違 う 顔の場合
をD
(
different
) 事 態
とする.
比較 事 態
2
種 類 (
S
,
D
), 通過
率
3
水
準(
5,IU
, ]5
%)
,
SOA
5
水 準 を組
み合
わせた合
計3
種
類の刺激 条
件 に つ いて,
ランダ
ム な 順 序で1
回 ずっ 被 験 者に呈 示 し た.
結 果
と考 察
ま
ず
,
6
段 階
で評 定
さ れ た確 信 度
デー
タ につ い て,
「
確
か に同
じ」
「
た ぶ ん同
じ亅
「同
じ か も しれ ない」
「違 う か も し れ ない」「
たぶ ん違
う」
厂確
か に違 う」
を順
に1
〜
6
点の 自 然 数に変 換 し,
SOA
の 変 化に 伴 う確
信度
平均
の推
i
移
を求
め, 通 過率
とS
!
D
事 態 の条
件別
にFig
−
11re5
に表
し た.
被 験 者
の報 告
によ れば
,5.
5
点
以 上 あ るい は1
.
5
点
以下
の と き,
顔
の鼻 筋
が 見て取
れる ほ ど ター
ゲッ ト刺 激
は鮮
明だ っ た.
ま た,
3
.
5
点 付 近
で は, サ プフ レー
ムに含
ま れ る低 周 波成 分
が顔
パ タンに か ぶ さ る妨 害 波 形
のよ うに感 じ ら れ, 顔の同 定 判 断 は 曖昧
になる が運 動 方向
は認 識 可
能
であっ た.
Figure
5
に はい くつ か の傾 向
がみ ら れ る.
第
一
に、
通 過 率
が小
さい条 件
ほ ど確 信 度
は3
.
5
点
に近
い値
を示 し た.
第
二 に,S
事 態
かっ通 過 率
5
%
の条件
を除
き,
エ ラー
無の傾 向 が 示 さ れ た.
つ ま り,
ター
ゲ
ッ トと比 較刺 激
が同
じ顔
で あ る場 合
に違
う と答
え た り,違
う顔
の場 合
に同
じ と答
える こ と は稀
であ り,
被
験者
に とっ て簡
単 な 課題
だっ た こ と が うか がわ れ る.
第
三に,SOA
の変 化に伴 う確 信 度
の推 移 傾 向
はSID
事 態
で異
なり
,S
事 態
で はSOA
が 増 大 す る と確 信度
は3
,
5
点
に近
づ くの に対
し,D
事 態
で はSOA
に対
し て ほ と ん ど変 動
しなか っ内 田
:仮 現運 動 視
に おけ
る刺 激
の複 雑
さ と時 間 的制 約
43
6
瞿
05
山
4
oZ
歪
3
諺
・ く1
25 50 75 100 150SOA
(
ms)
Figure
5
.
Results
of
experimellt
2
:Assurance
score of
face
identification
ill
relation toSOA ,
in
each
case
that
the
target
and
the
compari $on
stilnulus are salne (
S
)ordi
fferent
(D
)and 亡he
pass
−
ratioin
one sub−
frame
is
5
%,
10
% orl5
%.
た
.
分散 分析
を行
っ た ところ,S
事 態
の と きに限
り,
全
通 過率 条
件でSOA
条 件 間の確 信 度に5
%
水 準の有 意 差 が認
め ら れ た(
通
過率
5
%の と きF
(
4,
45
)
=2.
67
,10
%
の と きF (
4
,
45)
=
4
.
26
,
15
%の と きF (
4
,
45)
=
4
.
02
).
さ ら に シ ェ フ ェ の多
重比 較
の結 果
,
SOA
≦50
ms とSOA
≧100
ms で は,
確 信 度
に5
% 水 準
の有 意 差
のあ
る こ とが 認め ら れ た.
ま ず,
D
事
態 ドでSOA
条 件が確
信度
に影 響 し な かっ たのは,D
事
態下
で正解
す る 方 が簡
単 だっ た た め と考
え ら れ る.
S
事 態 下
で「
同
じ」
と答
えて正解
する に は,
似
た者 同士
かも
し れ ない というあ
い まい さ を解 消 す
る た め に,
複 数
の共 通 特徴 を検 出 す
る必 要
が あっ た.
そ れに対
し,D
事
態 下で1
違
う1
と答え て 正解
す る に は,一
部
の差
異 を検 出
す れば
よ かっ たので あ る.
次に
,
S
事 態 トでSOA
≧1
()0
ms の と きに,
確 信 度
が有 意
に3
.
5
点
に接 近
し たの は, IOOms とい う一
時 的
入力
バ ッ ファ の時 間 的 制 約
が反
映 さ れ た た め と考
え ら れ る.
もし,
100ms
以内
に呈 示 さ れ た サブフ レー
ム の み が.・
時 的
入力
バ ッフ ァに記 憶
・
加 重
されて顔 認識
に利 燭
さ れる と して も,1
0
ms間
に呈
示 さ れ る サ ブフ レー
ム 数 はSOA
が 増 大 す る ほ ど少 な く な り,
SOA
≧100
ms の と き は1
枚
以下
で あ る.
そのため に判 断
が あい まい に なっ た と考
え ら れ る.
と こ ろ で
,
1
〔}C
〕ms間
に黒 示 される サ ブフ レー
ム 数 はSOA
=
25
ms の とき4
枚
,
50
ms の とき2
枚
であ り
,前
者
の 方が加 重 枚 数
が多
い た め顔 認 識
が簡 単
に な る はず
だ っ た.
しか し両
者の確
信度
に は差が な か っ た.
こ れ は,
加
重枚 数
2
枚
(
SOA =50
ms )の条
件.
ドで, すで に顔
を同 定
す る の に十 分
な量の共
通特 徴
を抽 出で き たか らではな
い か,
と考 え
ら れる.
し た がっ て, サブフ レー
ム の加
重 枚 数 が 増 大 す れ ば ター
ゲッ ト刺 激に現 れ る 特 徴 数 も増
大 す
る とい う予 想
は依 然
と し て捨
て ら れ ない.
同定
課 題
の反 応
に はそれ を 示 す傾 向
は現 れ なか っ た が,SOA −
50ms
の と き よ り も25
ms の と き の方 が鮮
明 な像
を 知 覚 してい たと推 測
される.
全 体 的 考 察
単 純
な幾 何 学 図形
の フレー
ム分割刺
激 を 用いた 場 合, 運動 知 覚
の成
立に1
{}Oms
の時 間
的 制約
が 課せ ら れる こ とは すで に報 告
きれて い る(
Suga
&Kato
,1994
,1995
)
.
本 研 究
は,
顔
という複 雑 な形 態
の フ レー
ム分 割
刺 激
か ら運 動
を 知覚
す る場合
にも同様
の時 間 的 制 約
が課
せ られ る, と結
論 す る も の で あ る.
ち な み に,
本 研 究
で は形
態的 複 雑
さ に注口
して き た が, 複 数の運 動軌 跡
を 混在
さ せ た複 雑
な刺 激 条件 下
に おいて も1001ns
の時間
的制 約
に拘 束
される ことが報 告
さ れてい る(
Yamazaki
,1998
).
冒 頭 で 述べ た ように,
視 覚 系
は何
らか の記憶 機 能
に依
存
して対応
問題
を解
い て い る はず
であ
り,Suga
&Kato
(1994
) は.一
時 的 入 力バ ッ フ ァ とい う100
ms 問 情報 を保 持 す
る記 憶 系
を想 定
してい る.
ま た,対
応
問
題 を処
理するプロ セ ス は,
物 体 形 状
の複 雑
さ に対
して柔軟
に対 処
す る た め に,
大 域 的 処
理系
や局 所 的
処 理 系 な ど さ まざ
ま な特 徴 抽 出
モジュー
ル に依 存
し て い る と考
え られて い る.
Ilassenstein
&Reichart
が1956
年
に発表
し た運 動 方
向 弁 別
モ デル は 局所
的 処 理 に 基づ く が,Mori
&Yamarnoto
(1990
)は そ れ をさ らに発 展 させ,
局 所 的処 理
の み に よっ て運 動
か ら奥行
き を抽 出 す
るモデル を提
案
し た.
な
お,
これはあ
る時 刻
に読
み取
っ た局 所 像
を一
定 距
離
ず
ら し て記
憶
し て お き,実 際
に そ れだけ移 動
する の に要 す る時
間 を計
測 し て対 応 間題
に挑
む もの であ
る.
局 所 処 理 と大
域
処 理の両 方
を想 定
し,
さ らに各
々 に記
憶 系
を も たせ る運動 視
モデル も あ る.Braddick
(
1974
)
はRDK
の反 応 特 性
か ら2
種
の運 動視
プロ セス を仮
定
し,
短 区 間
・
短時 間 (
フ レー
ム間 移 動
量 く15
’
,ISI
く1
〔[Dms
)
の 局所 的 変 化
に対
し て働 く
short rangeprocess
と,
そ れ以 外
の刺 激 条 件
で働
くlong
−
rangepr〔}cess を 区 別 し た
.
ま た,
Georges
n &Ilarris
(
1990
)
やBoulton
&Bakcr
(
1993
)
は,ISI
<4e
ms で低 次
の情 報 (
時
空間
輝 度 変 化)
を抽 出
す る 運動 視
プロセ ス とISI
>100
ms で高
次特 徴
(コ ン ト ラス トや 肌 理 等の大 域 的特 徴 )
を抽 出 す
る運 動 視
プロ セ スを区別
し た.
た だ し
,
long
−
rangepr
。cess や高 次 特 微
を抽 出
す ると
考
え ら れ てい る.
そ の た め,
も し こ れ ら のプロ セスで抽 出
さ れ る特 徴
の記 憶
を も と に対 応 問 題
が解
か れ る な らば
,
運 動 知 覚
は100
ms 以 下 とい う時
閭的 制 約
に拘 束
さ れ なかっ た だ ろ う,
とい う疑 問 が 湧 く.
しか し,
実 験1
で顔
パ タンを 呈 示 し た と きの結 果
を振
り返 れ ば,SOA
上限 閾
を越
え る と オブ
ジェ ク トA
とB
が対 応
する よう
にな り(
Figure
2
(d)参 照
;αA→ de,
β
A→
β
E と い う対 応
関係
が成 立
し)
,
回転 運 動
で は な く左 右 方 向
の急 激
な往
復 直 線 運 動が知 覚された.
した が っ て,
これ らの特 徴 抽出
プロセスが対応
問 題 を 独 立に解
いた と し て も, そ れ は 運 動 知覚
の自
然 さ を保 証
し得
ない と考
え られ る.
自然
な 運動
知 覚は一
時 的
入力
バ ッフ ァの下
で対 応 問 題
を解
くこ と に よっ て保 証
さ れ る,
と い える の で はない か.
しか し,一
時 的 入 力
バ ッ フ ァ に蓄
え られる情 報
に つ い て対 応
問 題 を解
くときに,特
徴抽 出
プロ セス か ら 出 力 さ れ た特
徴
を活
用 で き る とす る な らば
,計算時 間
の軽減
を期
待
で き る.
特 徴抽
出 プロ セ スが あ るか らこ そ,情 報
がIOO
ms しか保 持
さ れ なく
て も複 雑
な形 状 刺 激
の対 応 問 題
を解
くこ とがで きる のだ ろう.
と こ ろ で
,
「
継 時 呈
示 し た刺 激
が同 時 化
さ れ るSOA
上限 閾
は75〜10
ms で あ る」
とい う報
告 (
Kolers
, 1972) や「
時間 加
重の法則
が保
た れ る臨
界 呈 示時 間
は80
ms で ある」 とい う 報 告 (Saunders
,1975
) は,一
時 的 入 力
バ ッ フ ァ の情 報 保 持 時 間 (
推 定
leo
ms)
と一
致
する.
こ の こ と か ら,一
時 的
入力
バ ッ ファに は時 系列
を加
重 する機 能
が備
わ っ てい る と考
えられる,
これは サ ブ7 レー
ム群
を 同一
フ レー
ム と し て統 合
す る 機能
, あ る い は 部 分 を 単一
の対 象 物 と して ま と める機
能 と もい え る.
た だ し,加
重によっ てFigure
4
(c>の よ う な事 態
を発
生 さ せ ない仕組
み を考
え る必 要
があ り
,
さ ま ざ ま な特
徴 抽 出
プロ セ ス と の相
互作
用を想 定
する の が有 効
である と思 わ れ る,
ま た
,
乾
(
1990)
に よ れば
,
視 覚 系
は,
通常
250
〜
400ms
の固 視
と数
1
’
ms の saccade を繰
り返 して外 界
の情 報
を処
理 してい る が,固 視 開 始 後
1001ns
間
の み情
報 獲 得
を行
うこ と によ りsaccade に よる像
の プレを回
避
して いるらしい.・
.
一
時 的
入力
バ ッフ ァは,
そ の情 報 保
持 時 間
が最 大
100ms
であ
ること か ら,
眼球 運 動
の 影響
も受 け 難い頑 強 な 記 憶 系であ る とい え るの では ないか.
な お,
今
回の実 験
で,100
ms とい う時 間 的 制 約
を導
い た刺 激
の フ レー
ム問 回 転 移 動
量は約
2
〜
11
’
で ある こ と か ら,
実験
の結 果
は short−
rangeprocess
の制 約
(
Braddick
,
1974
)
の表
れ と も解 釈
し得
る.
し か し,
例
え ばCleary
&Braddick
(1990
) は 空 間 周 波 数 を 調 整 し た 上でRDK
の移 動
量が15
’
以
上に なっ て も仮 現 運 動
が
生
じ るこ とを報
告 して お り,
short−
rangeprocess
が一
律
の移 動
量 に よ っ て規定
さ れ る か ど う か は疑
わ しい.
加藤
(1995
)の報 告
に よれ ば, ドッ トパ タンの フレー
ム 分 割 刺 激 を 用いて フ レー
ム間 回 転移
動 量 を52
〜
80
’
ま で増 大
さ せ た場 合
も,
仮 現 運 動
の成 立
は10
ms と いう時
間 的 制 約
に拘 束
された.
少
な くとも一
時 的
入力
バ ッファ の介 在
するプロ セ ス は,短 区間
の移
動
し か許 容
し ない も の で は ない,
と考
え られ る.
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