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東京医科歯科大学 血液内科では 各人の診療能力と英語力の向上を目指して 助教 医員 研修医 ローテーション学生を主体とした勉強会を毎週行っています 下記に過去の勉強会の 内容を記載します 興味のある方は参考文献をお読み下さい 日付 疾患 タイトル 担当者 参考文献 勉強会の要約 2021 年 3.2

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東京医科歯科大学・血液内科では、各人の診療能力と英語力の向上を目指して、助教・医員・ 研修医・ローテーション学生を主体とした勉強会を毎週行っています。下記に過去の勉強会の 内容を記載します。興味のある方は参考文献をお読み下さい。 【 日付 疾患 タイトル(担当者)● 参考文献 「勉強会の要約」 】 ―――――――――――【2021 年】――――――――――――― 3.25. なし(春休み)

3.18. (メール勉強会) 白血病・MDS -5/5q- in myeloid malignancies and 5q- syndrome ●Papaemmanuil E et al. Genomic Classification and Prognosis in Acute Myeloid Leukemia. N Engl J Med. 2016 Jun 9;374(23):2209-2221.

●Boultwood J et al. Advances in the 5q− syndrome. Blood (2010) 116 (26): 5803–5811. ●Lee J-H et al. Molecular pathogenesis of myelodysplastic syndromes with deletion 5q. Eur J Haematol. 2019 Mar;102(3):203-209.

●骨髄異形成症候群診療の参照ガイド(令和 1 年改訂版)骨髄異形成症候群の診断基準と診療 の参照ガイド:改訂版作成のためのワーキンググループ http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2020/04v2.pdf 「染色体の5番や 5q の欠損は骨髄系腫瘍で高頻度に認める異常である。AML の7%で認め、 MDS の 10%、更に t-MDS では 40%に認め、しばしば他の染色体異常を合併しており予後不良で ある。一方、MDS の中に 5q- のみ(あるいは -7/7q- 以外の 1 種の染色体異常を合わせ持った) 異常を持つ、貧血を主体とする MDS が存在する。これは、その病状・治療への反応性の特殊性 から 5q- 症候群として 1 つの独立した疾患として取り扱われる。5q-症候群は女性に多く、大球 性貧血を示し、骨髄では正・過形成を示すことが多い。予後が良好である。日本での発症は 0.09/10 万人以下と推測され、極めて稀である。5q-症候群の患者は、Linalidomide に 8 割以上の 症例が反応性を示し、染色体異常を持つクローンの減少・消失を認める。但し、反応性を示さ ない例の予後は不良であり、白血病化の頻度も高い。5q- の標的領域は 5q31 と 5q33 の 2 か所 があり、前者では EGR1 遺伝子が、後者では RPS14 や SPARC などが標的遺伝子と考えられてい る」

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3.11. (メール勉強会) リンパ腫 Mantle Cell Lymphoma (MCL)

● Dreyling M et al. How to manage mantle cell lymphoma. Leukemia. 2014 Nov;28(11):2117-30. ● Dreyling M et al. Blastoid and pleomorphic mantle cell lymphoma: still a diagnostic and therapeutic challenge! Blood. 2018 Dec 27;132(26):2722-2729. Review.

● Maddocks K. Update on mantle cell lymphoma. Blood. 2018 Oct 18;132(16):1647-1656. Review. ● NCCN Guideline Version 1. 2021. Mantle Cell Lymphoma

● UptoDate・Clinical manifestations, pathologic features, and diagnosis of mantle cell lymphoma. Freedman AS, Aster JC.

・Initial treatment of mantle cell lymphoma. Freedman AS, Friedberg JW. ・Pathobiology of mantle cell lymphoma. Brown JR, Freedman AS, Aster JC.

「MCL は高齢男性に好発する稀なリンパ腫である。特徴的な染色体転座 t(11;14) /IgH-Cyclin D1 および、この異常による Cyclin D1 蛋白の高発現を特徴とする。CD5 陽性も特徴の一つである。 節性に発症することが多く、根治が困難な疾患であるが予後は 8-10 年と長期である。白血化す る例もある。病理組織像は中型のリンパ球を主体とするが、Blastoid Variant や Pleomorphic variant など多彩な像を示すものもあるので FISH による IgH-Cyclin D1 融合シグナルの確認・免疫 染色による CyclinD1 の確認が診断には肝要である。迅速な治療の開始を必要とする aggressive type から、経過観察しても病態が進展しない indolent type (10-15%) まで様々な臨床経過を取 る。Indolent type は、進展するまで治療を遅らせても、患者の生命予後に影響は無く、進展が 起きるまで無治療で経過観察することは有益である。MIPI (Mantle Cell Lymphoma International Prognostic Index) などの予後推定ツールがある。高齢発症者が多いために移植を含めた強力な治 療の適応になる患者は少ない。Blastoid Transformation の頻度は高く、transform すると予後は極 めて不良である」

3.4. (緊急事態宣言のためメール勉強会) リンパ腫 T cell malignancies: PTCL-NOS, AITL and T-ALL/LBL including ETP-ALL

● Watatani Y………Kataoka K. Molecular heterogeneity in peripheral T-cell lymphoma, not otherwise specified revealed by comprehensive genetic profiling. Leukemia. 2019; 33: 2867–83.

● Chiba S, Sakata-Yanagimoto M. Advances in understanding of angioimmunoblastic T-cell lymphoma. Leukemia. 2020 Oct;34(10):2592-2606.

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● Lunning MA, Vose JM. Angioimmunoblastic T-cell lymphoma: the many-faced lymphoma. Blood. 2017 Mar 2;129(9):1095-1102.

● Jain N et al. Early T-cell precursor acute lymphoblastic leukemia/lymphoma (ETP-ALL/LBL) in adolescents and adults: a high-risk subtype. Blood. 2016; 127: 1863–9.

● Uptodate: Clinical manifestations, pathologic features, and diagnosis of peripheral T cell lymphoma, not otherwise specified. Freedman AS, Aster JC

● Uptodate: Clinical manifestations, pathologic features, and diagnosis of precursor T cell acute lymphoblastic leukemia/lymphoma. Advani AS, Aster JC

「PTCL-NOS は T/NK 腫瘍の 25%を占めるリンパ腫であり、発症頻度は 10 万人に 0.4 人程度の稀 な疾患である。AITL は 18%を占め、0.3 人/10 万人と稀である。稀な疾患の病像を教科書から学 ぶことは重要である。Uptodate によると、PTCL-NOS の発症年齢中央値は 60 歳と中高年に多い 疾患であり、男性の発症例が多い(男女比 2)。リンパ節腫脹で発症する例が多く、リンパ 節発症を伴わない節外病変のみで発症する例は 10%程度である。節外病変としては皮膚と消化 管が多い。稀な節外病変として肺・唾液腺・CNS がある。AITL は発症年齢中央値が 60-65 歳と 高齢者に発症する。全身性の症状で急に発症することが多く、多くは進行期で発見される。全 身性リンパ節腫脹・肝脾腫・B症状・皮疹などを示す。Watatani らによると、PTCL-NOS は、そ の遺伝子異常のパターンから 3 群に分類できる。①EZH2 異常・RhoA 異常を高頻度に持つ群、 ②TP53 異常を持ち複雑な染色体異常を持つ群、③それ以外の群。このうち、③群の予後は極め て良好である。他の 2 群①②の長期生存率は 40-60%程度である。AITL は Follicular Helper T 細胞 由来のリンパ腫で CD10, PD1, CXCL13 陽性などが特徴である。TET2 異常・DNMT3A 異常・IDH2 異常・RhoA-G17V 異常を高頻度に持つ。PTCL-NOS も AITL も抗がん剤に感受性があれば自家造血 幹細胞移植が考慮される。T-LBL は T-ALL と同一疾患であり、発症年齢中央値は 30 歳と若年者 に好発する。男性が多い。WHO 分類により 3 種類(Early, Thymic, Mature)に分類される。Early T-cell Precursor (ETP) ALL は骨髄系や幹細胞系の蛋白(CD13, 33, 34, 117 etc) を発現しており AML で見られる遺伝子異常(FLT3, RAS, DNMT3A etc) 異常を高頻度に認め、nonETP-ALL で高頻度に 見られる NOTCH1, FBXW7 異常は見られない。ETP-ALL の予後(35%)は、nonETP-ALL(60%) に比較して悪い」

2.25. (緊急事態宣言のためメール勉強会) 白血病・MDS MDS and Autoimmune disease (AID) ●Komrokji RS et al. Autoimmune diseases and myelodysplastic syndromes.

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●UptoDate: Clinical manifestations and diagnosis of myelodysplastic syndromes (MDS) Aster JC, Stone RM.

●Matsuda A et al. Difference in clinical features between Japanese and German patients with refractory anemia in myelodysplastic syndromes. Blood, 2005. 106(8): p. 2633-40.

●Matsuda A et al. Differences in the distribution of subtypes according to the WHO classification 2008 between Japanese and German patients with refractory anemia according to the FAB classification in myelodysplastic syndromes. Leuk Res, 2010. 34(8): p. 974-80.

「MDS に自己免疫疾患(AID Autoimmune Disease) が合併することが MDS のうちの 28%で認めら れる。甲状腺機能低下症の頻度が高く、全 MDS の 12% で認められた。他に ITP や関節リウマチ の頻度が高い。有名な Sweet 症候群は全 MDS の 1%程度しか発症しない。AID の合併は女性に多 い。RA や RCMD で頻度が高い。輸血非依存例に多い。AID 合併 MDS の予後は AID 合併の無い例 よりも良好であり、白血病化の頻度も低い。Aza や Lenalidomide への反応性は AID 合併・非合 併例で差は無い。MDS の頻度に関しては、日本は欧米と比較して異なる点が多い。低リスク MDS 患者においては,日本例では診断時年齢が有意に低いことが報告されており(中央値日 本:57 歳,ドイツ:71 歳)日本における予後は、より良好である。日本では RCUD が高頻度 (日本:45%,ドイツ:19%), MDS-U が高頻度(日本:29%,ドイツ:3%), RCMD が低頻度 (日本:25%,ドイツ:58%), 5q−症候群が低頻度(日本:3%,ドイツ:20%)と欧米に比 べて発症頻度に大きな差がある疾患があることを知っておくことは診療上、重要である」 2.18. (緊急事態宣言のためメール勉強会) 白血病・MDS Low-risk MDS and t-MDS ● Kuendgen A et al. Therapy-related myelodysplastic syndromes deserve specific diagnostic sub-classification and risk-stratification-an approach to sub-classification of patients with t-MDS. Leukemia. 2020 Jun. Online ahead of print.

● Fenaux P …. List AF. Luspatercept in Patients with Lower-Risk Myelodysplastic Syndromes. N Engl J Med. 2020 Jan 9;382(2):140-151.

● List AF …. Tallman MS. Lenalidomide-Epoetin Alfa Versus Lenalidomide Monotherapy in

Myelodysplastic Syndromes Refractory to Recombinant Erythropoietin. J Clin Oncol. 2021 Jan. Online ahead of print

● Bersanelli M et al. Classification and Personalized Prognostic Assessment on the Basis of Clinical and Genomic Features in Myelodysplastic Syndromes. J Clin Oncol. 2021 Feb. Online ahead of print.

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● Stahl M et al. The use of immunosuppressive therapy in MDS: clinical outcomes and their predictors in a large international patient cohort. Blood Adv . 2018 Jul 24;2(14):1765-1772.

● Hetty E et al. Hematology Am Soc Hematol Educ Program 2020 MYELODYSPLASTIC SYNDROMES: WHAT WE HAVE AND WHAT WE WANT: Therapy for lower-risk MDS. (1): 426–433.

「Low-risk MDS に対する治療のフローチャートが NCCN Guideline で公開されている。5q- が無 く、鉄芽球の少ない例では、血清エリスロポエチン(Epo)濃度によって治療法が異なる。Epo が低値の例では Epo 製剤による治療が行われる。Epo 濃度が高い例では免疫抑制療法や Aza な どが推奨されている。治療反応性によっては G-CSF 製剤や Lenalidomide なども使用される。鉄 芽球の多い例では Luspatercept (2021 年 2 月現在・日本未発売)が勧められる。また、2020 年 のアメリカ血液学会の教育講演でも Low-risk MDS に対する治療のフローチャートが示された。 MDS に対して免疫抑制療法 IST が用いられることがあるが、大型スタディーによると

hypocellular marrow であることが治療の奏功の予測因子であり、年齢・PNH clone, LGL clone など は予測因子にならなかった。MDS に対する IST 後の OS には骨髄中の芽球数が重要である。 Epo 製剤に不応になった例でも、Lenalidomide との併用により反応性の回復が期待できるとの 報告がある。 治療関連 MDS(t-MDS)は、治療非関連 MDS (p-MDS)と同様の亜型に分類さ れ、それぞれの予後は異なる。それぞれの亜型において t-MDS 由来のものの予後は p-MDS に比 べて、より不良である。Low-risk に分類される t-MDS の予後は High-risk MDS と同等に不良であ る。故に t-MDS の場合は Low-risk であっても NCCN Guideline で推奨される治療法よりも、より 予後の悪い亜型に対する治療法を選択した方が良いかもしれない。 MDS は染色体・遺伝子異常のパターンによって8つのグループに分けられる。異常パターン は予後と相関する。(日本では保険適応外の治療も含まれているので、治療に際しては各製剤 の用法・用量をご確認ください)」 【追加コメント】Low-risk MDS や治療関連 MDS(t-MDS)の多くは外来で管理されているので、 外来診療を行っていない病棟医の皆さんが目にすることは少ないと思います。ですが、頻度の 多い疾患であり、治療抵抗性なることも多い疾患ですので、十分な知識が必要でもあります。 特に t-MDS は p-MDS に比べて、同じリスク分類に入っても、予後が、より不良ですので、治療 の選択肢を選ぶときに「一段上」の治療法を積極的に選ぶ必要のある疾患です。(日本の保険 診療では使えない薬剤も多いので、あくまで診療の「参考知識」として記憶しておいて下さ い)

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2.11. (緊急事態宣言のためメール勉強会) リンパ腫 Early Stage Hodgkin Lymphoma ● NCCN Ver 2. 2021. Feb Hodgkin Lymphoma (age≥18). CSI-II unfavorable (HODG-4)

● Depaus J, Delcourt A, André M. Therapeutic recommendations for early stage Hodgkin lymphomas. Br J Haematol. 2019 Jan;184(1):9-16.

● Johnson P et al. Adapted Treatment Guided by Interim PET-CT Scan in Advanced Hodgkin‘s Lymphoma. N Engl J Med. 2016 Jun 23;374(25):2419-29. (RATHL Study)

● André MPE et al. Early Positron Emission Tomography Response-Adapted Treatment in Stage I and II Hodgkin Lymphoma: Final Results of the Randomized EORTC/LYSA/FIL H10 Trial. J Clin Oncol. 2017 Jun 1;35(16):1786-1794.

● Bröckelmann PJ, Sasse S, Engert A. Balancing risk and benefit in early-stage classical Hodgkin lymphoma. Blood. 2018 Apr 12;131(15):1666-1678. Review

● Borchmann P, ….. Engert A. PET-guided omission of radiotherapy in early-stage unfavourable Hodgkin lymphoma (GHSG HD17): a multicentre, open-label, randomised, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2021 Feb;22(2):223-234.

「Hodgkin Lymphoma の clinical stage I/II は早期の HL である。I/IIA で Bulky Mediastinal Disease が 無いもの、10cm 以上のリンパ節腫大が無いものは favorable であるが、それ以外は unfavorable である。Unfavorable に対する治療は ABVD を 2 コース行い、その後 PET/CT (interim PET/CT) を 行い、残存しているシグナルの強さによって、その後の治療法を変更する。残存量が少なけれ ば ABVDx2 + RT あるいは AVDx4 治療に進む。残存量が多ければ escalated BEACOPP に進み、治療 終了後に再度 PET/CT を撮影して治療方針を決める。早期の HL は ABVD を中心とした治療の効 果が極めて高く、未だに治療の第一選択である。Brentuximab や Nivolmab など、再発 HL に有効 性を示す新薬が登場しているが、これらの新規治療薬は、ABVD が極めて有効な治療薬なので、 大規模な第 III 相試験によって、その有効性が確認されるまでは、第一選択薬に組み込まれるの は躊躇される。ドイツからのデータでは unfavorable HL に対して eBEACOPPx2 + ABVDx2 施行後の PET/CT により残存病変のシグナルを評価し、残存病変の無いものには RT の必要が無いことが 報告された。無用な RT を避けることは晩期合併症の頻度を下げることに繋がると期待される。 若年発症の早期 HL の場合、生命予後は極めて良好であるため、二次発癌を含めた晩期合併症の 頻度をいかに下げるかが大きな課題であり、PET/CT を用いて治療後残存病変を評価し、放射線 療法を避ける治療法や、より毒性の低い治療法が模索されている」

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● UptoDate: Approach to the adult patient with a mediastinal mass. Berry MF, Bograd AJ. ● UptoDate: Malignancy-related superior vena cava syndrome. Drews RE, Rabkin DJ.

「縦隔腫瘤は稀な疾患である。症状なく、レントゲン検査等で偶然発見される場合と、腫瘤の 増大による臓器症状(気道の圧排や上大静脈症候群など)の出現による発見などがある。縦隔 腫瘤は縦隔内の位置(前縦隔・中縦隔・後縦隔)によって疾患が異なる。前縦隔では i) 胸腺由 来腫瘍 ii) 奇形腫などの胚細胞由来腫瘍 iii) 甲状腺由来腫瘤 iv) 悪性リンパ腫(i 結節硬化型ホジ キンリンパ腫 ii 原発性縦隔B細胞リンパ腫 iiiT細胞性急性白血病/リンパ芽球性リンパ腫)の 可能性が高い。後縦隔では神経細胞由来の腫瘍の可能性が高い。生検による迅速な診断が肝要 である。上大静脈症候群 [Superior Vena Cava (SVC) Syndrome] は腫瘤により上大静脈が圧迫され て発症する疾患であり、顔面の怒張などを症状とする。悪性疾患による発症も多い。悪性疾患 による SVC syndrome は肺癌(小細胞癌・非小細胞癌)によるものが 90%を占め、残りの 10% はリンパ腫によるものである。肺尖に発症する肺癌(Pancoast 腫瘍)で、しばしば見られる。 SVC syndrome では 5%で生命が危ぶまれるほどの緊急性を示す。脳浮腫症状(意識障害)、気 道・咽頭の閉塞(吸気時雑音 Stridor)、不安定な循環動態(低血圧)には注意が必要である。 緊急時には、以前は緊急放射線療法が行われていたが、現在は外科的処置(血管再灌流療法) が行われる。悪性腫瘍による SVC syndrome の場合、迅速な診断と適切な治療の迅速な開始が肝 要である」

1.28. (緊急事態宣言のためメール勉強会)リンパ腫 Primary Mediastinal B-cell Lymphoma (PMBCL) ● Giulino-Roth L. How I treat primary mediastinal B-cell lymphoma. Blood. 2018 Aug 23;132(8):782-790.

● Dunleavy K et al. Dose-adjusted EPOCH-rituximab therapy in primary mediastinal B-cell lymphoma. N Engl J Med. 2013 Apr 11;368(15):1408-16.

● Hayden A et al. Outcome of Primary Mediastinal Large B-cell Lymphoma Using R-CHOP: Impact of a PET Adapted Approach. Blood. 2020 Jun 30;136 (24): 2803–11.

● Uptodate: Primary Mediastinal Large B cell lymphoma. Freedman AS, Aster JC, Friedberg JW.

「原発性縦隔B細胞リンパ腫 (PMBCL) は 0.5 人/10 万人の発症と推測される稀な疾患である。若 年の女性に発症することが多い。胸腺B細胞由来の悪性リンパ腫で、病理像は びまん性大細 胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の形態を取るが、その遺伝子発現パターンは通常の DLBCL とは異 なり、Nodular Screlosis HL (結節硬化型ホジキンリンパ腫)に近い。典型的な B 細胞マーカーで ある CD20 陽性に加え CD30 弱陽性が見られる。CD15 は陰性である。PD-L1 の高発現も見られ

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る。時に(上大静脈症候群・気道閉塞など)緊急性を要する。治療は DA-EPOCH-R や R-CHOP が 極めて有効であり高い治癒率が期待できる。R-CHOP では 30%程度、DA-EPOCH-R では 5%程度 の患者で治療後の胸部への放射線治療を必要とする。故に胸部への放射線治療を避けたい若年 女性の場合は DA-EPOCH-R が選択されるかもしれない。予後推定には治療後の PET/CT による残 存腫瘍の Deauville 値を測定することが有効である。Deauville 値が5のものは予後不良である」

1.21. リンパ腫 Subcutaneous Panniculitis-like T-cell Lymphoma

● Gayden T et al. Germline HAVCR2 mutations altering TIM-3 characterize subcutaneous panniculitis-like T cell lymphomas with hemophagocytic lymphohistiocytic syndrome. Nat Genet. 2018

Dec;50(12):1650-1657.

● Sonigo G et al. HAVCR2 mutations are associated with severe hemophagocytic syndrome in subcutaneous panniculitis-like T-cell lymphoma. Blood. 2020 Mar 26;135(13):1058-1061. (Letter) ● Polprasert C ... Ogawa S, Makishima H. Frequent germline mutations of HAVCR2 in sporadic subcutaneous panniculitis-like T-cell lymphoma. Blood Adv. 2019 Feb 26;3(4):588-595.

「Subcutaneous Panniculitis-like T cell Lymphoma (SPTCL) は皮下に結節や板状の病変を形成する稀 なT細胞悪性リンパ腫である。SPTCL では血球貪食症候群を合併していない例では予後 90%以 上と極めて良好である。一方、合併例では長期予後は 40―50%程度である。患者の DNA 分析 をしたところ TIM-3 蛋白をコードする HAVCR2 遺伝子の稀なポリモルフィズム(遺伝子多型) Y82C をホモザイガスに持つ (Germline 変異) 例が 25-85 %で見られた。Y82C 多型から作られた蛋 白(TIM-3 Y82C) は細胞表面に発現されず、Y82C ホモを持つ患者の T 細胞は活性化すると、そ の抑制が十分掛からないことが解った。Y82C を持つ患者の T 細胞が、更なる遺伝子変異を獲得 すると腫瘍化して SPTCL になると考えられた。Y82C を持つ SPTCL は HLH の頻度が高い」

1.14. リンパ腫 Subcutaneous Panniculitis-like T-cell Lymphoma (1 年目研修医・谷健斗先生 医 員・高畑先生)

● Willemze R et al. ; EORTC Cutaneous Lymphoma Group. Subcutaneous panniculitis-like T-cell lymphoma: definition, classification, and prognostic factors: an EORTC Cutaneous Lymphoma Group Study of 83 cases. Blood. 2008 Jan 15;111(2):838-45.

● Ohtsuka M, Miura T, Yamamoto T. Clinical characteristics, differential diagnosis, and treatment outcome of subcutaneous panniculitis-like T-cell lymphoma: a literature review of published Japanese cases. Eur J Dermatol. 2017 Feb 1;27(1):34-41.

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● Uptodate: Clinical manifestations, pathologic features, and diagnosis of subcutaneous panniculitis-like T cell lymphoma. Freedman AS, Aster JC.

「Subcutaneous Panniculitis-like T cell Lymphoma (SPTCL) は皮下に結節や板状の病変を形成するタ イプのT細胞悪性リンパ腫である。病変部は脂肪織炎様の病理像を示すが、脂肪織に浸潤して いるのは腫瘍性のT細胞である。真皮には浸潤しないことが多い。全リンパ腫の 1%以下と極 めて稀なリンパ腫である。発症年齢中央値は 36 歳と若年者で見られる疾患である。女性の方が 発症者が多い。20%の症例で全身性エリテマトーデスや若年性関節リウマチなどの自己免疫性 疾患を合併している。腫瘍細胞は CD3 陽性、CD4 陰性、CD8 陽性、CD56 陰性、細胞障害性顆粒 (パーフォリンやグランザイムB, TIA-1 など)陽性である。T細胞性腫瘍は、その Lineage によ り alpha/beta-type と gamma/delta-type に分けられるが、SPTCL gamma/delta-type の予後は極め て不良であり、現在では alpha/beta-type とは区別し、皮膚 Gamma/delta T細胞リンパ腫に分類 される。SPTCL と呼ぶ場合は alpha/beta-type に限る。SPTCL では血球貪食症候群を合併していな い例では予後 90%以上と極めて良好である。一方、合併例では長期予後は 40―50%程度であ る。稀な疾患のために治療法を比較検討したものは無く、予後不良が予想される例に関しては 多剤化学療法が、より有効と推測される」 1.7. 白血病 Hyperleukocytosis in AML

● Röllig C, Ehninger G. How I treat hyperleukocytosis in acute myeloid leukemia. Blood. 2015; 125: 3246-52.

● Nicole Aqui, Una O'Doherty. Leukocytapheresis for the treatment of hyperleukocytosis secondary to acute leukemia. Hematology Am Soc Hematol . Educ Program 2014 (1): 457–460.

● Stahl M et al. Management of hyperleukocytosis and impact of leukapheresis among patients with acute myeloid leukemia (AML) on short- and long-term clinical outcomes: a large, retrospective, multicenter, international study. Leukemia. 2020 Dec;34(12):3149-3160.

● Uptodate. Hyperleukocytosis and leukostasis in hematologic malignancies. 血液悪性腫瘍における白 血球増多症おのび白血球症 Schriffer CA.

「AML の 5 -20% に Hyperleukocytosis を認める。AML では白血球数 10 万以上、単球系 AML の場 合 5 万以上でも症状を示すことがある。(一方、ALL では40万以上の時に起きるとされている で AML・ALL の 鑑別ならびに単球系・非単球系の鑑別を迅速に行う必要がある)

Hyperleukocytosis は Medical Emergency であり迅速な治療の開始が必要である。Hyperleukocytosis が改善しない場合、1週間以内の死亡率は 20-40% と高率である。Hyperleukocytosis は DIC ・腫

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瘍崩壊症候群・Leukostasis を示す。Leukostasis は耳鳴りや、呼吸苦、神経症状、心筋梗塞など 様々な臓器の循環障害の症状を示す。治療は白血球数を速やかに低下させることが主眼であ り、AraC を含む標準寛解導入療法の迅速な開始が重要である。Leukapheresis (白血球除去)は Leukostasis を示す Hyperleukocytosis に対する治療としてアメリカ・アフェレーシス学会から 1B の推奨度(Strong Recommendation)で長い間推奨されていたが、2019 年の改変で 2B (Weak Recommendation) となっている (J Clin Apheresis. 34(3) 171-354. 2019)。Leukapheresis に関して は、質の高い比較試験は行われておらず、その有用性は十分に証明されていない。

Leukapheresis を行った群と、行わなかった群で短期・長期死亡率とも、優位差を認めなかった とする論文も発表されている」

CAR-T Predicters of severe cytokine release syndrome (CRS)

● Hay KA et al. Kinetics and biomarkers of severe cytokine release syndrome after CD19 chimeric antigen receptor-modified T-cell therapy. Blood. 2017 Nov 23;130(21):2295-2306.

「CAR-T 後の CRS は時に重症化する(7.6%)。CAR-T 投与後 36 時間以内に 38.9℃を越える発熱 を認める者(20%の症例)は、そのうち 3 分の 1 が重症化する。発熱の時期や程度は重症化の 十分な予測因子と言えない。この患者群のうちサイトカインの MCP-1 が 1343 以上の者は 3 分 の 2 が重症化した。逆に 1343 以下の者では重症者はいなかった。発熱の時期・程度・MCP-1 濃 度により高率に重症化の可能性の高い患者を抽出できる」

参照

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