TP(技術資料)
プラスチック光ファイバ(POF)建物内配線システム
(Plastic optical fiber distribution system for customer premises)
第 2 版
公表 2009 年 6 月 取纏委員会 ファイバオプティクス標準化委員会 建物内光配線システム分科会 発行:財団法人光産業技術振興協会
Optoelectronic Industry and Technology Development Association (JAPAN)
TP03/BW
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2009
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まえがき
これは光産業技術振興協会の標準に関する TP(技術資料)である。TP は,規格になる前段階, 標準化の技術的資料,規格を補足する などのために公表するものである。
現在,ブロードバンドサービスを利用する際のネットワーク接続は,LAN, FTTx, xDSL, CATV, Wireless LAN, mobile などがあり,多岐にわたっている。そして,ネットワーク で提供されるサービスも,Triple Play サービスといった,データ通信や電話だけでなく,映 像配信など,多様化している。特に光配線システムを用いたFTTx は,広帯域伝送が可能であ り,Triple Play サービスや今後の各種サービスへの拡張性を有することから,アクセスネッ トワークでの需要が高まっている。 FTTx の光配線では,通信事業者がビルや住宅まで石英系光ファイバを敷設し,建物内は通 信事業者またはユーザが石英系光ファイバ・LAN ケーブル・同軸ケーブルを適宜敷設してい る。 しかし,LAN ケーブルや同軸ケーブルは,建物内の電気設備によるノイズの影響を受けや すく,広帯域ネットワークを必要とする映像配信などのサービスでは,性能不足となることが 考えられる。
プラスチック光ファイバ(Plastic Optical Fiber : POF)は,建物内の LAN ケーブルや同軸ケ ーブルの置き換えとして,十分な性能を持っているため,マンションや病院等での導入が始ま っている。また,各住戸内での各部屋への光配線材料としても注目されている。 本技術資料は,建物内における POF の光配線構成や配線方法,構成する配線物品を系統的 に整理したものである。本技術資料が,建物内にPOF 光配線システムを導入しようとするデ ィベロッパ,設計者および施工業者のガイドラインになり,光配線設備の普及に一層のはずみ がつくことを期待する。 この技術資料(TP)の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案 権,又は,出願公開後の実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。光 産業技術振興協会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案 権,又は出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について責任はもたない。 ※ 本技術資料の位置付け ・プラスチック光ファイバの技術の進歩に応じて,改訂するものである。 ・本技術資料に関して,ご意見・情報がありましたら,下記連絡先にお寄せ ください。 連絡先: (財)光産業技術振興協会標準化室 e-mail : hyojun @oitda.or.jp
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目次
序文 ...3 1. 適用範囲 ...3 1.1 アクリル樹脂系 POF の特徴と用途...3 1.2 フッ素樹脂系 POF の特徴と用途...3 1.3 各 POF の適用範囲 ...4 2. 定義及び略語 ...4 2.1 定義 ...4 2.2 略語 ...5 3. 引用規格 ...6 4. POF 光配線システムの基本構成 ...6 4.1 概要 ...6 4.1.1 アクリル樹脂系 POF による戸建住宅用光配線構成 ...6 a) 新築住宅の場合 b) 既築住宅の場合 4.1.2 アクリル樹脂系 POF の設備条件 ...9 a) 新築住宅の場合 b) 既築住宅の場合 4.1.3 フッ素樹脂系 POF による基本的な集合住宅用光配線構成 ...9 4.2 光配線システムを構成する配線物品の概要...10 4.2.1 アクリル樹脂系 POF による戸建住宅用光配線物品 ...10 4.2.2 フッ素樹脂系 POF による集合住宅用光配線物品 ...14 5. 配線施工・接続 ...15 5.1 アクリル樹脂系 POF による戸建住宅用光配線施工・接続...15 5.1.1 光コード・ケーブルの配線 ...15 5.1.2 光コネクタ取付けと成端処理 ...16 5.1.3 余長処理 ...17 5.2 フッ素樹脂系 POF による集合住宅用光配線施工・接続...17 5.2.1 光ケーブルの配線 ...17 5.2.2 光コネクタ取付けと成端処理 ...18 5.2.3 余長処理 ...19 6. 保守・管理 ...19 7. 試験・性能基準 ...19 参考資料 ...20 附属書 附属書 A POF の種類と主な特性 ...21 附属書 B 建物内配線用 POF 2心ジップコード(分離形) ブランク詳細仕様 ...22 附属書 C 建物内配線用 POF 2心ケーブル ブランク詳細仕様 ...23 附属書 D 建物内配線用 POF 2心ルースケーブル(平形) ブランク詳細仕様 ...24 解説 ...253 序文
プラスチック光ファイバ(Plastic Optical Fiber:以下 POF という)は,通信用途に広く普及 している石英系光ファイバと比較して伝送可能距離は短いが,口径が大きく加工や取扱いが容 易で曲げによる破断が起こりにくいという特徴をもち,一般ユーザが光ファイバに直接触れる 可能性があるデジタルオーディオやファクトリーオートメーション,並びに自動車を主とする 移動体内でのデータ伝送用途に使用されている。さらにそれらの実績や加工の容易性並びにプ ラスチックの安全性から,建物内ネットワークの配線材としての使用例が出てきている。 この技術資料では,POF を建物内の光配線システムに使用する場合の技術的情報を記述す る。 1. 適用範囲 この技術資料は,POF を用いた建物内光配線システム(以下,建物内光配線という)に関 して,主にPOF の設備構成,敷設,接続及び試験方法について規定する。 この技術資料の主な利用者は,建物設計者・建物利用者と施工業者を想定している。前者は, POF を用いた建物内光配線に関する情報収集,及び,それを基とした住宅設計に,後者は, POF を用いた建物内光配線の施工に,使用することが想定される。 POF は,アクリル樹脂系とフッ素樹脂系の2種類に大別される。各々の使用用途は異なり, 以下のようになる。 1.1 アクリル樹脂系 POF の特徴と用途 石英系光ファイバに比べて,口径が大きく,伝送距離は一般に約 50m と短いが,端面処理 などの取扱いが容易である。また現在普及しているTIA/EIA-568-B 規格の UTP CAT5e ケー ブル(≦22 dB/100 m @100 MHz)や CAT6 ケーブル(≦19.8 dB/100 m @100 MHz)と同程度(≦ 18 dB/100 m @100 MHz)の伝送損失特性を持ち,ケーブルが細くかつ電力線との同時配線が 可能であるなど施工上の制約条件が少ないという利点がある。現在,UTP ケーブルの置き換 えとして,住戸内の配線に使用されている。光源波長としては650nm 帯の可視領域が主であ り,SMI 形或いは F07(PN)形等の POF 独自の光コネクタが使用される(4.2.1 の 5)参照)。 本技術資料に対応するPOF の製品規格は以下である。 a) 外径 1000 μm,SI 形
1) 素線規格 JIS C 6837 PSI-980/1000-B (IEC 規格 60793-2-40 A4d) 2) コード規格 JIS C 6836 OFC2.2 - # - PSI-980/1000-B
(”#”には被覆材質を表す記号が入る) b) 外径 750 μm,GI 形
1) 素線規格 JIS C 6837 PGI-500/750 (IEC 規格 60793-2-40 A4e) 2) コード規格 JIS C 6836 OFC2.2 - # - PGI-500/750
(”#”には被覆材質を表す記号が入る) 1.2 フッ素樹脂系 POF の特徴と用途 アクリル樹脂系と比較して口径はやや小さいが,伝送損失が小さいため,主にビル内幹線に 使用されている。石英系光ファイバと共通の光源波長(850 nm, 1310 nm)及び光コネクタ(SC, LC, MT-RJ 等)が使用可能である。 本技術資料に対応するPOF の製品規格は以下である。 TP03/BW-2009
4 a) 外径 490 μm,GI 形
1) 素線規格 JIS C 6837 PGI-120/490 (IEC 規格 60793-2-40 A4g) 2) コード規格 該当なし 1.3 各 POF の適用範囲 この技術資料の適用範囲は,アクリル樹脂系 POF の場合,各住戸の情報配線ボックス内の 光回線終端装置(ONU)から各部屋内の情報端末までの住戸内配線とする。住宅への光ケー ブルの引き込みについては,技術資料「FTTH 対応戸建住宅用光配線システム」を参照された い。 またフッ素樹脂系POF については,MDF から各住戸の室内までの配線を適用範囲とする。 MDF 室までの光ケーブルの引き込みについては,技術資料「FTTH 対応集合住宅用光配線シ ステム」を参照されたい。 2. 定義及び略語 2.1 定義 1) ケーブル(cable) シース内にあって,同一の種類,かつ,同一カテゴリの一つ以上のケーブルユニットで構成 されているもの。 複数本の通信線を収容し,配線作業及び配線環境に耐える構造としている。 2) 光ファイバケーブル(光ケーブル)(optical fiber cable (optical cable))
一つ以上の光ケーブル要素から構成されるケーブル。 3) 光コネクタ付き光ケーブル 片端又は両端に光コネクタを取り付けた光ケーブル。 4) 光コネクタ付き光コード 片端又は両端に光コネクタを取り付けた光コード。 5) 幹線ケーブル(縦系) 住棟の階高方向に敷設され,自営PT 盤と PD 盤とを接続するケーブル。住棟内の PD 盤 同士の接続に使用してもよい。 6) 自営 PT 盤 幹線ケーブルの起点となる配線盤。光コネクタによるパッチパネルを有し,通信事業者の 光ケーブル回線と相互接続する際の設備分界点となる。通常はMDF 室内に設置される。加 入者成端盤,光成端箱ともいう。 7) PD 盤 幹線ケーブルと水平ケーブルとを接続する配線盤。通常は住棟の共用部にある EPS 内に 設置される。分岐配線盤,光接続箱ともいう。 8) 水平ケーブル(横系) PD 盤と住宅内情報配線ボックス又は光アウトレットとを接続するケーブル。PD 盤の設 置を省略するフロアにあっては,光アウトレットと自営PT 盤とを直接接続する構成として もよい。 9) 光回線終端装置(ONU) FTTH において,光ケーブルと UTP などの LAN ケーブルを接続し,光信号と電気信号 とを相互に変換する装置。 10) 情報配線ボックス
5 宅外からの情報(電話・放送・通信等)の取り入れ・取り出し配線を 1 ケ所に集約するた めの配線盤。配線のみならず,ケーブルの終端部材,伝送機器,分配器なども収容し,情報・ 通信設備の点検・保守・更新・相互切り替え等ができる。 11) ルータ ネットワーク層のプロトコル定義に基づいてパケットの中継・交換を行う装置。 12) 情報コンセント 通信系,放送系や電源コンセントを 1 箇所にまとめた配線器具。 13) HUB LAN 機器を相互に接続するための集積装置。 14)メディアコンバータ 異なる伝送媒体を接続し,媒体に伝わる信号を相互に変換する装置。ここでは, UTP な どのLAN ケーブルと POF を接続し,光信号と電気信号を相互に変換する装置。
15) プラスチック光ファイバ素線(plastic optical fiber)
コア及びクラッドの材質がともにプラスチックである光ファイバ。 16) プラスチック光ファイバコード(plastic optical fiber cord)
プラスチック光ファイバ素線に樹脂被覆を施した,抗張力のあるプラスチック光ファイバ。 POF コードとも称する。 17)光アウトレット 住宅内壁に埋込設置される光コンセント。 18) 光コンセント 屋内へ引き込まれた光ドロップケーブルまたは光インドアケーブルと住宅内光配線コー ドとの接続に使用するインタフェース。本技術資料では光アウトレットと光ローゼットを総 じて光コンセントと呼び,ONU から各部屋までの POF 配線と,室内の POF コードとの接 続に使用される。 19) 光ローゼット 住宅内に露出設置される光コンセント 20) プラグ(plug) 光ファイバが取り付けられ,アダプタなどを介して接合するための雄形の光コネクタ部品。 21) 成端(termination) ケーブル端末を配線盤などに接続可能な状態にすること,又は,したもの。 2.2 略語
EPS 電気配線室 (Electric Pipe Shaft) GI グレーディッドインデックス (Graded Index)
IEC 国際電気標準会議 (International Electrotechnical Commission) LAN ローカルエリアネットワーク (Local Area Network)
LC LC 形光コネクタ M/C メディアコンバータ
MDF 主配線盤 (Main Distributing Frame) MT-RJ MT-RJ 形光コネクタ
ONU 光回線終端装置 (Optical Network Unit) PD 分岐配線盤,光接続箱 (Premise Distributor)
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PE ポリエチレン (Polyethylene) PN F07(PN)形光コネクタ
POF POF (Plastic Optical Fiber) PVC ポリ塩化ビニル (Polyvinyl Chloride) SC SC 形光コネクタ
SMI SMI 形光コネクタ
UTP 非シールドより対線 (Unshielded Twisted Pair) 3. 引用規格 次に掲げる規格は,本技術資料に引用されることによって,本技術資料の規定の一部を構成 する。これらの引用規格は,記載の年の版だけが,本技術資料の規定を構成するものであって, その後の改正版・追補には適用しない。 (西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。) JIS C 6824 マルチモード光ファイバ帯域試験法 JIS C 6836-1999** 全プラスチックマルチモード光ファイバコード JIS C 6837-2008 全プラスチックマルチモード光ファイバ素線 JIS C 6861-1999 全プラスチックマルチモード光ファイバ機械特性試験法 JIS C 6862-1991* 全プラスチックマルチモード光ファイバ構造パラメータ試験法 JIS C 6863-1990* 全プラスチックマルチモード光ファイバ損失試験法 JIS C 5976-2001 F07 形 2 心光ファイバコネクタ
IEC 60794-2-40 Ed.2.0(2008) Optical fibre cables - Part 2-40: Indoor optical fibre cables - Family specification for A4 fibre cables
IEC 60794-2-41 Ed.1.0(2008) Optical fibre cables - Part 2-41: Indoor cables - Product specification for simplex and duplex buffered A4 fibres
IEC 60794-2-42 Ed.1.0(2008) Optical fibre cables - Part 2-42: Indoor optical fibre cables - Product specification for simplex and duplex cables with A4 fibres
IEC 61754-21 Ed.1.0(2005) Fiber optic connector interfaces - Part 21: Type smi connector family for plastic optical fiber
*石英系マルチモード光ファイバの試験法と統合の予定。 **現在の版には GI 形 POF が記載されていないため,IEC 規格と整合した内容に改正予定。 4. POF 光配線システムの基本構成 4.1 概要 POF は大口径であるため,FTTH の石英光ファイバとの直接的な相互接続は出来ない。そ のため ONU で電気信号に変換された信号を,再度メディアコンバータで光信号に変換して POF で伝送する構成をとる。光ファイバ心線数は,一般的に上り下りの 2 心が使用される。 アクリル樹脂系POF の伝送距離が 50 m,フッ素樹脂系 POF の伝送距離が 200 m のように違 いがあるため,建物内の適用方法は大きく異なる。以下に,それぞれのPOF を用いた建物内 光配線システムの構成と設備条件を述べる。 4.1.1 アクリル樹脂系 POF による戸建住宅用光配線構成 アクリル樹脂系POF は伝送距離が短いが,伝送速度は 1 Gbit/s が得られるため,住戸内
7 において ONU 設置箇所から各部屋への配線に使用される。LAN ケーブルや同軸ケーブル ではなく,POF を用いることにより,映像配信などのサービスにも対応できるようになる。 各部屋への配線方法としては,新築住宅の場合にはCD 管或いは PF 管を使用した壁内配 線,既築住宅の場合は POF ケーブルの細さと柔軟性を活かしワイヤプロテクタなどを用い た露出配線が主である。 新築住宅の場合,及び既築住宅の場合の配線構成例を,以下に示す。 a) 新築住宅の場合 アクリル樹脂系POF による新築住宅の配線構成例を図 1 に示す。 ONU,ルータ,HUB 及びメディアコンバータを集約した情報配線ボックスを光ドロッ プケーブルの引込口近傍に設置し,情報配線ボックス内のメディアコンバータから,予め 用意されている配管を通じて各部屋の光アウトレットまでPOF を配線していることを特 徴とする光配線システムである。このような構成の利点としては,情報配線ボックスにて 容易に配線や機器の変更が可能であるため,各部屋の用途変更に柔軟に対応できることや 将来の拡張性に優れていることが挙げられる。欠点としては,住宅建築時に配管や情報配 線ボックスを設置するための費用がかかる点が挙げられる。 光キャビネット 光アウトレット ONU ルータ HUB M/C PC Room 2 同軸ケーブル M/C 光アウトレット PC TV Room 1 LAN ケーブル M/C STB TV LAN ケーブル STB 情報配線ボックス 配管 光キャビネット 光ドロップケーブル 光アウトレット ONU ルータ HUB M/C PC Room 2
POF
M/C 光アウトレット PC TV Room 1 LAN ケーブル M/C STB TV LAN ケーブル STB 情報配線ボックス 同軸ケーブル配管配線
光キャビネット 光アウトレット ONU ルータ HUB M/C PC Room 2 同軸ケーブル M/C 光アウトレット PC TV Room 1 LAN ケーブル M/C STB TV LAN ケーブル STB 情報配線ボックス 配管 光キャビネット 光ドロップケーブル 光アウトレット ONU ルータ HUB M/C PC Room 2POF
M/C 光アウトレット PC TV Room 1 LAN ケーブル M/C STB TV LAN ケーブル STB 情報配線ボックス 同軸ケーブル配管配線
図 1 アクリル系 POF の住戸内配線への使用例(主に新築住宅の場合) 新築の戸建住宅および集合住宅の各住戸内で使用される場合の主な構成要素は,次の とおりとなる。 主な構成要素 • 情報配線ボックス • 配管 • HUB8 • 光ケーブルおよび光コネクタ • 光アウトレット • メディアコンバータ b) 既築住宅の場合 アクリル樹脂系POF による既築住宅の配線構成例を図 2 に示す。 既築住宅で情報配線ボックスの設置が困難である場合,光ドロップケーブルを住宅内に 引込み,光コンセントを介してONU に接続した後,ルータを経て HUB 及びメディアコ ンバータから各部屋の光ローゼットまでPOF が露出配線されていることを特徴とする光 配線システムである。このような構成は,多種多様な住宅環境や設備条件が考えられる既 築住宅に対する導入が容易であり,設備費用も少ないという利点がある。他方露出配線で は美観への配慮が必要である。なお既設の配管が利用可能である場合は,情報配線ボック スを除き図1 の構成をとることができる。 光キャビネット 光ローゼット PC Room 2 同軸ケーブル
POF
M/C 光ローゼット PC TV Room 1 LAN ケーブル M/C LANケーブル STB TV LAN ケーブル STB 光キャビネット 光ドロップケーブル ONU ルータ PC Room 2 同軸ケーブル M/C PC TV Room 1 LAN ケーブル M/C STB TV LAN ケーブル STB 光コンセント M/C HUB 光キャビネット 光ローゼット 光ローゼット PC Room 2 同軸ケーブルPOF
M/C 光ローゼット 光ローゼット PC TV Room 1 LAN ケーブル M/C LANケーブル STB TV LAN ケーブル STB 光キャビネット 光ドロップケーブル ONU ルータ PC Room 2 同軸ケーブル M/C PC TV Room 1 LAN ケーブル M/C STB TV LAN ケーブル STB 光コンセント M/C HUB M/C HUB 図 2 アクリル系 POF の住戸内配線への使用例(主に既築住宅の場合) 既築の戸建住宅および集合住宅の各住戸内で使用される場合の主な構成要素は,次の とおりとなる。 主な構成要素 • HUB • 光ケーブルおよび光コネクタ • 光ローゼット • メディアコンバータ • ワイヤプロテクタ 露出配線9 4.1.2 アクリル樹脂系 POF の設備条件 a) 新築住宅の場合 1) 情報配線ボックスに,ONU 及びメディアコンバータを設置するスペースがある。 或いは,ONU 及びメディアコンバータを設置可能な情報配線ボックスの設置スペ ースがある。 2) 情報配線ボックス近傍に,ONU やルータ及びメディアコンバータを動作させるた めの電源がある。 3) 光アウトレットの近くに,メディアコンバータを動作させるための電源がある。 4) 情報配線ボックスから各部屋の光アウトレットまでスター型に,POF 配線用の配 管がある。配管径は,φ22 mm 或いはφ16 mm が一般的である。 b) 既築住宅の場合 1) ONU を設置する場所の近傍に,ONU やルータ及びメディアコンバータを動作させ るための電源がある。 2) 光ローゼットの近くに,メディアコンバータを動作させるための電源がある。 4.1.3 フッ素樹脂系 POF による基本的な集合住宅用光配線構成 図3 に,フッ素樹脂系 POF を集合住宅に適用する場合の基本構成を示す。 フッ素樹脂系POF 光配線システムは,MDF 室,幹線ケーブル,水平ケーブル,各住戸の 各部位(空間)と,各部位(空間)に設置される自営 PT 盤,PD 盤,光ケーブル,光アウ トレット等の配線用品で構成される。MDF 室及び各住戸にメディアコンバータが設置され, その間を光ケーブルで配線する。 光ファイバ直結型配線方式によるFTTH 配線では,MDF 室から各住戸まで複数心のフッ 素樹脂系POF ケーブルを以下に従って敷設する。 1) 自営 PT 盤と各住戸内の光アウトレットとの間を 1 対 1 で接続する。 2) 自営 PT 盤と各住戸内の光アウトレットとの間に,必要に応じてコネクタ接続を設ける ことは可とする。 3) 光信号の分岐・増幅・波長分離等の機能が必要な場合は,自営PT 盤より上位(一次側: 通信事業者側)に機能要素を実装するか,又は光アウトレットの下位(二次側)以降 に設けることとし,自営PT 盤と各住戸内光アウトレットとの間には接続点以外の機能 要素は設けないようにする。
10 7F 6F 5F 4F 3F 2F 1F 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 ← 住戸内 水平ケーブル
MDF室
引込み
幹
線
EPS 7F 6F 5F 4F 3F 2F 1F 7F 6F 5F 4F 3F 2F 1F 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 住戸 ← 住戸内 水平ケーブルMDF室
引込み
幹
線
幹
線
EPS 図 3 フッ素系 POF による幹線・水平ケーブル配線構成例 フッ素樹脂系 POF による集合住宅用光配線システムの主な構成要素は,次のとおり となる。 主な構成要素 • 光ケーブルおよび光コネクタ • 光アウトレット • メディアコンバータ • ケーブルラック • 自営 PT 盤 • PD 盤 4.2 光配線システムを構成する配線物品の概要 4.2.1 アクリル樹脂系 POF による戸建住宅用光配線物品 アクリル樹脂系POF による戸建住宅への光配線には,以下の物品が用いられる。11 1) 光コード及び光ケーブル POF 素線に直接樹脂被覆を施した,単心コードあるいは 2 心ジップコードが一般的 である。2心ジップコード或いは2 本の単心コードへさらに外被を施した 2 心ケーブル も,用途に応じ使用される。 図4(a)の2心ジップコードの許容張力は品種により 90 N~140 N,図 4(b)の 2 心ケー ブルの許容張力は195 N である。 (a) 2 心ジップコード (2.2×4.4) (b) 2 心ケーブル (4.0×5.5) 図 4 アクリル樹脂系 POF コード及びケーブルの構造例 (単位:mm)(1) 2) 情報配線ボックス 情報配線ボックスは,主に,通信事業者伝送路設備から引込んだ光回線,電話回線, および受信アンテナからの TV 受信線などを集約し,各部屋にスター型に分配するため の配線ボックスである。 情報配線ボックス内には,ONU,ルータ,SW-HUB などの通信機器や,ブースタ,分配 器などの TV 受信用機器が収納され,POF 配線用のメディアコンバータや POF ケーブルが 設置・配線される。情報配線ボックスの一例を図 5 に示す。この例の場合,ONU やルータ などの機器はフリースペースに設置される。 居住者が情報配線ボックスを設置するが,その設置場所は容易に点検できる箇所であ ることが望ましい。専用の設置場所がない場合は,例えば廊下の壁面や天井裏,階段の 壁面,下駄箱内等を利用することがある。 図 5 情報配線ボックスの例(2) 3) 屋内配管 住宅の壁内等に設置し,POF コード,LAN ケーブル,TV 用同軸ケーブルなどを配線す POF 素線 被覆 POF 素線 被覆 外被 TV 用ブースタ TV 分配器 10/100/1000M SW-HUB LAN 端子 TEL 端子 光ローゼット AC コンセント フリースペース
12 るための配管で,主に,可とう性を有する CD 管などの合成樹脂製可とう電線管が用い られる。配管内径は主に,Φ16 mm,Φ22 mm のものが使用される。CD 管の外観を図 6 に示す。 既設住宅への配管設置は困難であるが,新築時に各部屋まで配管を設置しておくと, 部屋の用途変更やリフォームに伴う配線変更,また,ケーブル張替えに柔軟に対応でき るだけでなく,露出配線が回避でき室内の美観を損なわない利点がある。 配管に曲り箇所が多いと,ケーブルの通線が困難になるため,1 区間の曲りの数を 3 直角以内とし,これを超える場合はボックスを設けておくことが望ましい。また,配管 の曲率半径は管内直径の 6 倍以上を推奨する。 <参考>
合成樹脂製可とう電線管は,PF(Plastic Flexible Conduit)管と CD 管の 2 種類が あり,PF 管は耐燃性(自己消火性)であるが,CD 管は非耐燃性(自己消火性なし)で ある。識別のため CD 管はオレンジ色となっている。 図 6 CD 管の例(3) 4) ワイヤプロテクタ ワイヤプロテクタは,屋内露出配線の保護及び掩蔽に用いられる。接着テープ或いは ねじで固定されるベース部とカバー部より成り,壁面用,床面用,幅木用等がある。図 4 の 2 心ジップコードの場合,最も細い 0 号モールに収納可能である。 図 7 壁面用ワイヤプロテクタの 図 8 0 号 S 型ワイヤプロテクタ 外観例 の寸法例(4) 5) 光コネクタ アクリル樹脂系POF に使用される光コネクタは,石英系光ファイバと比較して高い
13 寸法精度を必要としないため,フェルールとハウジングが一体となった樹脂製のものが 大半である。簡易な工具と方法で端末処理や接続(光ファイバ同士,機器との接続)が 短時間で行えることを狙ったものとなっている。2 心ジップコード及び 2 心ケーブルに は,SMI 形或いは PN 形が主に用いられる。 図 9 アクリル樹脂系 POF 用光プラグ例 (単位:mm) (1) 6) 光アウトレット 光アウトレットは,電気コンセントのように居室の壁に埋込設置するものである。壁 内に配線した POF コード或いは POF ケーブルを光アウトレットに引き込んでコネクタ成 端し,光アウトレットの壁内側に取り付ける。この光アウトレットによって,壁内に敷 設した POF コード或いは POF ケーブルと居室内のコネクタ付 POF コードとをワンタッチ に接続することができる。アクリル樹脂系POF 用の光アウトレットの例を図 10 に示す。
図 10 アクリル樹脂系 POF 用光アウトレットの例(5)
7) メディアコンバータ
ONU からの UTP などの LAN ケーブルと POF との接続,並びに POF と情報端末の LAN 端 子との接続には,メディアコンバータを用いる。アクリル樹脂系 POF 用のメディアコン バータの例を,図 11 に示す。 (a) SMI 形光プラグ (b) F07(PN)形光プラグ 7.85 5.0 11.3 (7) 10.16 (21) 7.85 5.0 11.3 7.85 7.85 7.85 5.0 11.3 5.0 11.3 5.0 11.3 (7) 10.16 (21) (7) 10.16 (21)
14 図 11 アクリル樹脂系 POF 用メディアコンバータの例(5), (6), (7) 4.2.2 フッ素樹脂系 POF による集合住宅用光配線物品 フッ素樹脂系POF による集合住宅への光配線には,以下の物品が用いられる。 1) 光ケーブル 抗張力線入りの2心ルースケーブル(平形)が主に使用される。許容張力は220 N で ある。 テンションメンバ POF素線 6.4 3.5 テンションメンバ POF素線 6.4 3.5 図 12 フッ素樹脂系 POF2 心ルースケーブル(平形)の断面 (単位:mm) (1) 2) ケーブルラック TS C 0017「ビルディング内光配線システム」の第 6 章「光ケーブルの敷設及び配線 盤装置」参照。 3) 光コネクタ フッ素樹脂系POF 用の光コネクタとしては,石英系光ファイバと同じ嵌合形状の SC, LC,MT-RJ などが用いられる。 (5) (6) (7)
15 図 13 フッ素樹脂系 POF 用 SC 形光コネクタの例(8) 4) 光アウトレット 2 心コネクタ用の光アウトレットの例を図 14 に示す。 図 14 フッ素樹脂系 POF 用光アウトレット例(8) 5) メディアコンバータ MDF 室及び各住戸に設置されるフッ素樹脂系 POF 用メディアコンバータの例を,図 15 に示す。 図 15 フッ素樹脂系 POF 用メディアコンバータの例(9) 5. 配線施工・接続 5.1 アクリル樹脂系 POF による戸建住宅用光配線施工・接続 5.1.1 光コード・ケーブルの配線 a) 新築住宅の場合 情報配線ボックスから各部屋へスター形に配置されている屋内配管を通じて,各部屋 の光アウトレットまで配線する。通線に際しては,引張り力が光コード或いはケーブ ルの仕様に記載されている抗張力以下となるよう注意が必要である。 b) 既築住宅の場合 ワイヤプロテクタを用いた露出配線が基本となる。 実際の建物内配線の配線施工例を図16 に示す。
16 実際の配線の様子 直角配線内部拡大 (a)ワイヤプロテクタによる室内配線 図 16 アクリル樹脂系 POF コード及びケーブルの施工例 5.1.2 光コネクタ取付けと成端処理 アクリル系POF のコード及びケーブルに光プラグを取付ける工程の例を,図 17 に示す。ア クリル系POF のコード及びケーブルはタイトバッファ構造であり,一次被覆を留め金でプラ グに固定する方式が主である。 図 17 アクリル系 POF のコードへのプラグ取付け工程の一例(10) アクリル系POF の端面成形には,主にホットプレート法による加工を用いる。この方 法は光ファイバの端面を熱した鏡面板に押し当てて軟化させ,鏡面をPOF 端に転写する 原理である(図 18 参照)。他には石英系ファイバでも用いられる研磨加工法が用いられ る場合もある(図 19 参照)。 拡大図 (b)光ローゼットの設置 留め金具 圧入 POF素線の 余長切断 留め金具 圧入 POF素線の 余長切断 (a) コード引裂き、被覆除去 (b) プラグカバー挿入 (C) プラグ固定、余長切断
17 図 18 ホットプレートによる成端(10) 図 19 簡易冶具による研磨(10) 5.1.3 余長処理 a) 概要 POF ケーブルを光アウトレットなどに接続する際には,端末加工のために 0.5~1 m の余 長が必要となる。このため光アウトレット等の接続部材には,接続部を固定する機能の他に 余長を適切に収納する機構が必要である。 b) 余長収納方法 光アウトレットの裏に余長を収納する方法の例を 図20 に示す。光アウトレットの壁内側に,適切な曲 げ半径を保つよう設計された巻付部材を設け,端末 加工後光アウトレットに取り付けたケーブルの余長 をこれに巻き取りながら収納する。 光アウトレットを使用しない場合やプルボックス 等に余長を収納する場合は,POF コード或いはケー ブルの仕様に指定された最小曲げ半径よりも充分大 きな半径で束状にする。 c) 注意点 1)収納用品の蓋等でケーブルを挟まないよう注意する。 2)ケーブルを巻き取る際に捻らないよう注意する。 5.2 フッ素樹脂系 POF による集合住宅用光配線施工・接続 5.2.1 光ケーブルの配線 フッ素樹脂系POF の配線方法としては,ケーブルを配管で保護して建物内に配線する場合, 金属ダクトを使用する場合,またはケーブルラック施工する場合がある。配管を使用する場合 は,光ファイバの曲げ半径や将来の追加を考慮して内径22 mm 程度の口径を選定することが 望ましい。ケーブルラック施工およびEPS などへの引込みの施工例を図 21 に示す。 図 20 余長収納方法の例(11)
18 図 21 フッ素樹脂系 POF ケーブルの施工例(8) 5.2.2 光コネクタ取付けと成端処理 フッ素樹脂系 POF ケーブル用光コネクタの成端処理の方法としては,研磨加工法が用いら れる。成端工程の一例を,図22 に示す。 (1)ケーブル被覆を剥く (2)鋼線を処理 (3)ファイバ挿入 (4)ファイバカット (5)組立 (6)研磨 図 22 研磨加工法による成端工程の一例(12) EPS 内に保護管の余 長を50cm 程度残す 保護管の余長を10cm 程度出す 固定間隔 約1m POF ケーブル EPS 保護管 天井 保護管 情報配線ボックス 設置予定場所 (a)ケーブルラック施工 (b) 結束バンドによる固定 (d) 情報配線ボックスへの配線 (c) EPS への引込み
19 5.2.3 余長処理 フッ素樹脂系 POF ケーブルの配線盤内での余長処理は,TS C 0017「ビルディング内光 配線システム」の第 7.3 節に準じて行う。 また光アウトレットに接続する際の余長処理については,本技術資料の第5.1.3 節に準 じて行う。 6. 保守・管理 建物内配線に関する注意として,以下の事項がある。 1) 光アウトレットのコネクタ端面に手では触らない。 2) 家具類の移動の際,光ケーブルの踏み付け等による損傷(断線)に注意すること。 3) 光ケーブルを配管敷設する際は,許容張力以下で牽引すること。 7. 試験・性能基準 光ケーブルの敷設及び成端処理終了後の光ファイバ伝送路試験としては,光パワーメータを 用いて試験対象区間の光損失測定を行う。 この方法では,光ファイバ自体の損失と光コネクタによる接続損失を合せた値が測定される。 性能基準としては,損失が性能基準値を満足することが求められる。 試験手順(簡易法)は以下のとおりである。 1) 光源の電源を入れ 10 分間 程度ウォーミングアップし, 出力を安定させる。 2) 光源が安定した後,光源に 励振用光ファイバを接続す る。 3) 励振用光ファイバの出射端 を光パワーメータに接続し, 入 射 光 の基準 値(Pin)を測 定する。 4) 励振用光ファイバの出射端 を光パワーメータから外して被測定光ファイバの一端に接続する。 5) 被測定光ファイバの出射端を光パワーメータに接続し,出射光強度(Pout)を測定する。 6) 下式より損失を求める 損失(dB) = Pin(dBm) - Pout(dBm) 試験と性能基準は,システム構成および個別伝送規格により異なる。 図 23 損失試験法(10) 光源 光パワー メータ 励振用光ファイバ 被測定光ファイバ 光源 光パワー メータ 励振用光ファイバ 被測定光ファイバ
20 参考資料 (1) “宅内情報通信配線 基本施工仕様書(第2版)”,宅内情報通信・放送高度化フォーラム (2) 積水化学工業(株) 「ハイブリッド配線システム」: http://www.hybrid-system.jp/(2009.3.25) (3) 古河電工(株)「電設資材ガイド 2008~2009」: http://www.furukawa.co.jp/tukuru/pdf/densetu/densetu_index.htm(2009.3.25) (4) マサル工業(株)「通信・電設資材 総合カタログ 2008-2009」: http://www.masarukk.jp/catalog/(2009.3.25) (5) 積水化学工業(株)「アパート・マンション向けプラスチック光ファイバシステム」: http://g-dive.jp/about/tech.html(2009.3.25) (6) R&M 製品カタログ(2008 年版) (7) Firecomms Ltd. 「MCE300T 製品資料」(2008) (8) 旭硝子(株) 「ルキナケーブル敷設説明書 ver.4.0」(2004.6.4) (9) 日本テレガートナー(株)「パームタイプ メディアコンバータ」: http://www.telegaertner.co.jp/seihin/D02-01/D02-01-01.htm(2009.3.25) (10) 三菱レイヨン(株)「光ファイバ・情報伝送製品」: http://www.pofeska.com/pofeska.htm(2009.3.25) (11) パナソニック電工(株) 埋込光コンセント付属資料(2007) (12) 旭硝子(株) “ルキナアットSCコネクタ”付属資料(2007)
21
附属書 A POF の種類と主な特性
構造 特性 対応する IEC 分類 JIS 分類 クラッド 直径 (μm) コア直径(μm) NA*1 損失 (dB/100 m) 帯域 (MHz @100 m) PSI-980/1000 - A 1,000 [クラッド径] - [15~35] 0.50 ≦30*2 ≧10 A4a PSI-735/750 750 [クラッド径] - [15~35] 0.50 ≦30*2 ≧10 A4b PSI-485/500 500 [クラッド径] - [15~35] 0.50 ≦30*2 ≧10 A4c PSI-980/1000 - B 1,000 [クラッド径] - [15~35] 0.30 ≦18 *3 ≧100 *3 A4d PGI-500/750 750 500 以上 0.25 ≦18 *3 ≧200 *3 A4e PGI-200/490 490 200 0.19 ≦4 *4 1,500 ~ 4,000 *4 A4f PGI-120/490 490 120 0.19 ≦3.3 *4 1,880 ~ 5,000 *4 A4g PGI-62.5/245 245 62.5 0.19 ≦3.3 *4 1,880 ~ 5,000 *4 A4h *1:「PSI-」4 種については理論 NA,「PGI-」4 種は実効 NA の実測値 *2:波長 650 nm,定常モード励振での値 *3:波長 650 nm,励振 NA=0.3 での値 *4:波長 850 nm での値22
附属書 B 建物内配線用 POF 2心ジップコード(分離形) ブランク詳細仕様
1. 構造・寸法 項目 仕様 規定条件等 コア直径 μm JIS C 6837 準拠 素線外径 mm JIS C 6837 準拠 ケーブル構造 2心ジップコード JIS C 6836 準拠 ケーブル寸法 mm JIS C 6836 準拠 ケーブル重量 g/m ケーブル色 条長 m 2. 特性 項目 仕様 規定条件等 損失 dB/km JIS C 6863 準拠 帯域 MHz @100m JIS C 6824 準拠 NA JIS C 6862 準拠 被覆引抜き強度 N 以下 2 心引裂き強度 N 以上, N 以下 許容曲げ半径(短時間) mm 10 秒間,張力解除後の 残留損失増加 dB 以下 許容曲げ半径(施工状態) mm 5 分間, 残留損失増加 dB 以下 キンク JIS C 6851 準拠 抗張力(短時間) N 10 秒間,張力解除後の 残留損失増加 dB 以下 抗張力(長時間) N 5 分間,張力解除後の 残留損失増加 dB 以下 ねじり JIS C 6861 準拠 圧壊 N/100mm JIS C 6861 準拠 衝撃 J JIS C 6861 準拠 使用温度範囲 保存温度範囲 難燃性23
附属書 C 建物内配線用 POF 2心ケーブル ブランク詳細仕様
1. 構造・寸法 項目 仕様 規定条件等 コア直径 μm JIS C 6837 準拠 素線外径 mm JIS C 6837 準拠 ケーブル構造 2心ケーブル ケーブル寸法 mm ケーブル重量 g/m ケーブル色 条長 m 2. 特性 項目 仕様 規定条件等 損失 dB/km JIS C 6863 準拠 帯域 MHz @100m JIS C 6824 準拠 NA JIS C 6862 準拠 被覆引抜き強度 N 以下 2 心引裂き強度 (心線が 2 心ジップコー ドの場合) N 以上, N 以下 許容曲げ半径(短時間) mm 10 秒間,張力解除後の 残留損失増加 dB 以下 許容曲げ半径(施工状態) mm 5 分間, 残留損失増加 dB 以下 キンク JIS C 6851 準拠 抗張力(短時間) N 10 秒間,張力解除後の 残留損失増加 dB 以下 抗張力(長時間) N 5 分間,張力解除後の 残留損失増加 dB 以下 ねじり JIS C 6861 準拠 圧壊 N/100mm JIS C 6861 準拠 衝撃 J JIS C 6861 準拠 使用温度範囲 保存温度範囲 難燃性24
附属書 D 建物内配線用 POF 2心ルースケーブル(平形) ブランク詳細仕様
1. 構造・寸法 項目 仕様 規定条件等 コア直径 μm JIS C 6837 準拠 素線外径 mm JIS C 6837 準拠 ケーブル構造 2心ルースケーブル(平形) ケーブル寸法 mm ケーブル重量 g/m ケーブル色 条長 m 2. 特性 項目 仕様 規定条件等 損失 dB/km 帯域 MHz @100m NA 許容曲げ半径(短時間) mm 10 秒間,張力解除後の 残留損失増加 dB 以下 許容曲げ半径(施工状態) mm 5 分間, 残留損失増加 dB 以下 キンク JIS C 6851 準拠 抗張力(短時間) N 10 秒間,張力解除後の 残留損失増加 dB 以下 抗張力(長時間) N 5 分間,張力解除後の 残留損失増加 dB 以下 ねじり JIS C 6851 準拠 圧壊 N/100mm JIS C 6851 準拠 衝撃 J JIS C 6851 準拠 使用温度範囲 保存温度範囲 難燃性25
プラスチック光ファイバ(POF)建物内配線システム 解説
Ⅰ.経緯 プラスチック光ファイバ(POF)は,石英光ファイバと比較して伝送可能距離は短いが,口 径が大きく柔軟なため取扱いが簡易であり,これまでデジタルオーディオインタフェースやフ ァクトリーオートメーション,電鉄車両内及び自動車内のデータ伝送などに使用されてきた。 近年ブロードバンドアクセスネットワークが急速に普及し,新築家屋では建物内ネットワー クの先行配線が進みつつあるが,端末加工が容易で且つケーブルの破損により素線が露出した 場合にも安全であるという特長を持つPOF が,病院やマンション,小・中規模アパートや戸 建住宅へ施工された例が報告されている。 光産業技術振興協会ファイバオプティクス標準化委員会傘下の建物内光配線システム分科 会では,2003 年度から戸建住宅の建物構造の調査,石英/POF 及び周辺技術の調査,光配線の 施工例や問題点の調査などを開始した。 2004 年度は,戸建住宅への光配線を推進するためのガイドライン作成を目指して,実態調 査とともに最新技術動向調査,ガイドラインの概略内容の検討を行った。 2005 年度及び 2006 年度は,技術資料「プラスチック光ファイバ(POF)建物内配線システ ム」の作成を具体的に進め,2007 年度に技術資料「プラスチック光ファイバ建物内光配線シ ステム」を第1 版として公開するに至った。 2008 年度は,第 1 版に対し寄せられた意見を参考に改定作業を行い,主に以下の変更を加 え第 2 版とした。 a) 他の技術資料に合わせ文書構成を変更した。 b) 戸建住宅用光配線システムについて,新築と既築との場合に分け記述した。 c) 2心POFコード及びケーブルのブランク仕様表を追加した。 なお,本技術資料作成に携わった財団法人光産業技術振興協会ファイバオプティクス標準化委員会建 物内光配線システム分科会(平成 20 年度)の構成表を,末尾に示す。 Ⅱ.主な項目の説明 1.適用範囲 本技術資料の適用範囲は,各住戸内の情報配線ボックス内の光回線終端装置(ONU)から 各部屋内の情報端末までのPOF による住戸内配線,及び集合住宅内配線とした。 戸建住宅への光ケーブルの引き込みについては,技術資料「FTTH 対応戸建住宅用光配線シ ステム」を参照されたい。 2.定義及び略語 光配線システムの主な構成要素である配線盤,情報配線ボックス,光ケーブル及び光回線終 端装置等の装置類の用語を定義づけた。 3.引用規格 POF 及び POF 用コネクタの製品仕様と試験法に関する規格を示した。26 4.光配線システム基本構成 POF 光配線システムとして,住居の情報配線ボックス内に設置される光回線終端装置 (ONU)から各部屋の情報端末までの配線を基本的な構成とした。また光ファイバの心線数 は,2 心とした。なおアクリル樹脂系 POF とフッ素樹脂系 POF とではケーブル形態や施工方 法が異なるため,それぞれについて配線構成と配線物品の例を記載した。
いずれの配線構成でも,光信号はONU で電気信号に変換され,ONU からは UTP 等の LAN ケーブルによりルータあるいはSW-HUB に接続される。そこから各部屋への配線については, 現状ではPOF 用のメディアコンバータにより再度光信号に変換され,各部屋の光コンセント までスター型に配線される。部屋の中では,光コンセントからの光信号をPOF 用メディアコ ンバータで電気信号に変換し,LAN ケーブルにより情報端末に接続する。 5.ケーブル成端処理,余長処理,保守・管理,試験・性能基準 POF ケーブルの成端処理,余長処理,保守・管理,試験については,現状実施されている 代表例を記載した。POF の場合,施工業者や建物利用者が成端処理を行うこともあり得るた め,コネクタの種類と成端処理方法及び余長処理方法について概要を記載した。 Ⅲ.諸外国,国内他機関における建物内 POF 光配線の標準化状況 構内配線の規格化に関して,国際標準化ではISO/IEC JTC 1/SC 25/WG3 における討議によ り ISO/IEC 11801 “Generic Cabling for Customer Premises”(2002)が制定されている。ま たPOF 配線システム関連では,工業用構内配線の規格として ISO/IEC 24702 “Generic cabling -- Industrial premises”(2006),IEC 61158 “Fieldbus specifications”(2007)及び IEC 61918 “Installation of communication networks in industrial premises”(2007)に若干の記述がある。 しかしながらいずれも配線や施工に関する情報の記載はなく,住宅内光配線の参考とするには 不充分である。特に本技術資料で扱うようなPOF による住宅内配線に関する規格化について は,国内外ともに進んでいないのが実情である。
なお前述のISO/IEC JTC 1/SC 25/WG3 では,ISO/IEC 24702 “Generic cabling -- Industrial premises”の改正作業が進められており,これと連携した IEC SC86A/WG1 での POF の新たなカテゴリの追加(既存カテゴリの細分化)の動きとともに,今後とも注目して いくこととする。 Ⅳ.参考文献 参考文献としては,技術資料本文で示した参考資料の他に下記がある。 (1) “ユビキタス技術 ホームネットワークと情報家電”,丹 康雄【監修】・宅内情報通 信・放送高度化フォーラム【編】,オーム社 (2004-09-25 出版)
27 Ⅴ.原案作成委員会 この TP(技術資料)はファイバオプティクス標準化委員会建物内光配線システム分科会にて 2008 年度末までに原案を取纏めた。原案作成メンバは次のとおりである。 主査 古川 眞一 矢崎総業(株) 委員 石橋 克之 (株)きんでん 委員 岡田 昇 古河電気工業(株) (2008 年 5 月まで) 委員 岩倉 大輔 古河電気工業(株) (2008 年 6 月から) 委員 木村 明弘 日本コムシス(株) 委員 久保 隆之 (株)フジクラ 委員 黒岩 七生 (財)日本規格協会 (2008 年 3 月まで) 委員 佐藤 文利 (財)日本規格協会 (2008 年 4 月から) 委員 小山 輝男 三菱電線工業(株) 委員 庄野 宣昭 (有)庄野環境デザインラボ 委員 高橋 聡 (独)科学技術振興機構 委員 谷口 輝行 積水化学工業(株) 委員 戸毛 邦弘 日本電信電話(株) 委員 三谷 正志 大成建設(株) 委員 村川 知宏 (株)協和エクシオ 委員 矢作 雅司 住友電気工業(株) (2008 年 3 月まで) 委員 小川 信二 住友電気工業(株) (2008 年 4 月から) 委員 吉田 陽子 アンリツ(株) (2008 年 3 月まで) 委員 原田 新一 横河電機(株) (2008 年 4 月から) オブザーバ 金枝上 敦 経済産業省 産業技術環境局 光協会 増田 岳夫 (財)光産業技術振興協会 事務局 稲田 孝 (財)光産業技術振興協会
28 禁無断転載 このOITDA 規格の TP(技術資料)は,光産業技術振興協会 ファイバオプティ クス標準化委員会 建物内光配線システム分科会で審議・取纏めたものである。 この資料についてのご意見又はご質問は,下記にご連絡ください。 TP(技術資料): プラスチック光ファイバ(POF)建物内配線システム (Plastic optical fiber distribution system for
customer premises) TP 番号:TP03/BW-2009 第 2 版 第 1 版 公表日:2007 年 7 月 6 日 改訂第 2 版 公表日:2009 年 6 月 12 日 発行者:財団法人 光産業技術振興協会 住所:〒112-0014 東京都文京区関口 1-20-10 住友江戸川橋駅前ビル 7F 電話:03-5225-6431 FAX:03-5225-6435 e-mail:[email protected] (標準化室)