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なごや緑の基本計画 また 建築物や舗装面の増加 都市活動の活発化 緑被地の減少などが要因となって 都市の気温が郊外よりも高くなるヒートアイランド現象が顕在化していますが 快適な都市環境を維持し 回復するためには 緑をできるだけ確保するとともに 緑地をネットワーク化していくことが前提となります こうし

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Academic year: 2021

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都市の緑に関連する近年の社会動向等として、次のような事項をあげることができます。 緑の保全・創出に関する取り組みは、こうした緑を取り巻く潮流を踏まえて設定していき ます。

●社会の動き

高齢化社会はこれからも一層進みますが、高齢者に配慮した社会資本整備やサービスの 提供といった社会的要請への対応とともに、市民の健康な暮らしを支えるために、公園緑 地の活用促進が求められます。 また、いわゆる団塊世代の大量退職により元気な高齢者が急増しており、新たな生き甲 斐や健康づくりの場として緑の活用が考えられます。市民や事業者のまちづくり等への参 加意欲も高まりをみせており、都市緑化の分野でも市民や事業者の主体的な取り組みをさ らに広げていく必要があります。 一方、急速に進む少子化の中で、次世代を担う子どもたちが自然とふれあう場として緑 の活用が考えられます。子どもの頃から自然に親しむことで感性が培われ、情操教育や環 境教育に寄与するととともに、緑を介して地域コミュニティとの交流が図られることも考 えられます。 長期的には、名古屋市の人口も将来は減少に転ずることが予想され、その結果として土 地需要の低下が予見されます。その際、計画的に鉄道駅等を中心に多様な都市機能の集積 を図り、郊外部では積極的に緑を再生していくことも考えられます。さらに、気候変動に 伴う影響として局地的な豪雨の増加や海水面の上昇などが懸念されますが、長期的な視野 に立ち、こうした影響に適応できるような土地利用や健全な水循環を、緑の保全・創出を 通じて構築していく必要があります。

●都市の緑を取り巻く動き

都市の緑の様々な働きに期待する声が高まっています。なごやの生物多様性は、生息地 の減少、樹林地の荒廃、外来生物による影響などによる損失が続いていますが、私たちの 暮らしは生態系から受ける様々なサービスを基礎として成り立っていることを認識し、都 市においても生物多様性などの観点から自然環境の保全を進めていくことが重要です。そ れが、長い目で見れば都市住民にとっても、安全・安心で快適な都市生活につながります。

(2)

また、建築物や舗装面の増加、都市活動の活発化、緑被地の減少などが要因となって、 都市の気温が郊外よりも高くなるヒートアイランド現象が顕在化していますが、快適な都 市環境を維持し、回復するためには、緑をできるだけ確保するとともに、緑地をネットワ ーク化していくことが前提となります。 こうした緑の働きを的確に評価し、緑を保全・創出していくための土地利用のあり方も 含めた議論が求められています。

●緑に関する制度等

緑の保全・創出を効果的に進めていくためには、関連する法令等にのっとって具体的な 施策を講じていく必要があります。平成 16 年には、いわゆる景観緑三法の制定により、 都市緑地保全法や都市公園法の改正等が行われ、都市緑化のための制度等の大幅な充実が 図られており、緑地保全地域制度など新たに創設された制度の活用を検討していく必要が あります。 防災に関しては、名古屋市は東海地震の地震防災対策強化地域及び東南海・南海地震防 災対策推進地域に指定されています。震災に備えて避難地等として機能する公園緑地を確 保していく必要があります。 また、なごやはまちづくりの長い歴史があり、多くの歴史的文化的資産が存在していま す。こうした資産と豊かな緑が一体となって存在する、風格のある都市に向けたまちづく りを進めていくことが重要です。

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●名古屋市のめざす緑の都市像

やろまい! つなごまい! まもろまい!

なごやの緑は、その多くが戦前から受け継いで守られてきた都市計画公園緑地や風致地 区の中に存在しています。一方で、樹林地や農地の大部分は、土地区画整理事業などによ って住宅地や商業地となり、街路樹や身近な都市公園のある街並みへと姿を変えていきま した。 近年、日本全体が少子高齢化の時代を迎え、本格的な人口減少社会になろうとしていま す。名古屋市においても長期的な人口構成の変化や人口減少を見据えて、市民が主役とな った成熟したまちづくりを考えていく必要に迫られています。市民の豊かな生活を支え、 いきいきとした暮らしを実現するために、都市の環境インフラを充実させていくことが重 要となります。 緑に関しては、今ある既存の緑をできる限り守り、まちの中に新しい緑を育て増やして いくことによって、市民が日常生活の中で緑を目にし、緑に包まれた健康で快適な暮らし を維持し、緑豊かな地域の環境に誇りと愛着を持つことのできるようなまちをめざします。 また、道路や河川等は、それぞれに課せられた安全な交通や通水などの機能を保ちつつ、 まちの中の緑と豊かな自然が残っているなごや近郊の樹林地や農地、公園緑地など「緑の 拠点」を結びつける「緑の都市軸」と位置づけます。そして、多様な生き物を都市の中に 呼び込み、すべての市民が自然を身近に感じる、自然と共生する持続可能な都市(自然共 生都市)をめざします。 もちろん、ただ緑を豊かにするだけでは、必ずしも市民の暮らしが好ましいものになる とは限らず、たとえば落ち葉や害虫が増えるなどの影響も想定されます。豊かな緑を良好 に、また、市民の暮らしにとって安全で快適に保つためには、日々の細やかな維持管理な どを合わせて進めていくことが必要です。緑が持つこうした側面も受け止め、自然ととも にある緑のまちづくりに向けて取り組んでいきます。 なお、緑のまちづくりは、市民・事業者・行政が共に協力しあって取り組んでいくこと を基本とします。緑を守り、身近な緑とふれあい、充実した市民生活や事業活動を行うこ とのできるまちをめざします。

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●将来像のイメージ

東部の丘陵地 ・緑の拠点となる 樹林地(里山) ・緑豊かな住宅地 ・樹林地と川を効 果 的 に つ な ぎ ネットワークを 形成 ・安らぎとうるお いが感じられる 生活環境 中央部の洪積台地 ・緑あふれる街路 ・堀川や中川運河 など歴史が感じ られる水辺 ・屋上緑化などに よる民有地の緑 ・なごやの顔とな る緑豊かで賑わ いのある市街地 西部の沖積平野 ・広大な田園風景 ・公園や道路など の豊かな木々 ・庄内川や戸田川 などの水辺 ・農や水辺を身近 に感じられる生 活環境

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●将来的な緑の構造の考え方

都市の緑には、生物多様性の保全やヒートアイランド現象の緩和、うるおいのある景観 形成、防災性の向上など様々な役割があります。このような緑の機能を効果的に発揮する ためには、道路や河川等、公園緑地などの緑を「緑と水の回廊」として結びつけることが 有効です。そこで「東部の丘陵地」「中央部の洪積台地」「西部の沖積平野」といった、な ごやを構成する3つの地形と地域特性に応じた緑のあり方を実現していくために、東部丘 陵地一帯、堀川や中川運河に沿って伊勢湾と庄内川を結ぶ地域、及び庄内川や戸田川に沿 った地域を「緑と水の回廊」を形成するゾーンと想定し、広域的な緑のネットワーク形成 を図るとともに、伊勢湾から運ばれる涼しい海風を市街地へ導きます。 また、まとまりのある樹林地や農地、干潟、大きな公園緑地などは、なごやの自然環境 を確保する上で中核的な役割を担うものであることから「緑の拠点」とします。これらは 緑と水のネットワークを形づくる上で核となる貴重な場所であるため、可能な限り緑を保 全していきます。 さらに「緑の拠点」を結ぶ、路上空間に比較的ゆとりのある道路や主要な河川等は連続 した緑地帯を形成する潜在性があることから、「緑の都市軸」とします。このような場所 は、緑と水のネットワークの形成を図るために、豊かな街路樹などによって緑陰街路を形 成し、河川等では周辺地域に残された樹林地など自然環境への配慮、緑化などを重視すべ きものと考えます。 ■東部の丘陵地 ■中央部の洪積台地 ■西部の沖積平野

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■将来的な緑の構造のイメージ

東部(丘陵

中央部(洪積台地)

西部(沖積

野)

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●広域的な緑のネットワーク

緑のまちづくりのためには、名古屋市の周辺も含めた広域的な視点からの緑のネットワーク 形成が必要です。 名古屋市の東部の丘陵地は、愛知県広域緑地計画によって「東部丘陵里山ゾーン」に 位置づけられており、知多半島へと続く里山のネットワークの一部を担います。沖積平野 は、木曽三川まで広がる農地の縁辺部にあたり、木曽三川を中心とした緑と水のネット ワークの一部を担います。 出典:「愛知県広域緑地計画」掲載図を一部改変 ■名古屋市の広域的な位置づけ

(8)

名古屋市では、これまで緑の保全・創出に向けて多様な施策を実施してきました。 今後は次の 3 つの基本方針に基づいて、緑の都市像の実現に向けた取り組みを展開して いきます。 また、緑のまちづくりの進捗状況を表す指標として、本計画の目標年次である平成 32 年(2020 年)の「緑の将来目標」を、3 つの基本方針に対応して設定します。

既存の緑を大切にするまちづくり

快適な暮らしを支える良好な都市環境の形成に向け て、緑を保全・活用する施策を展開します

人と生き物が快適に暮らすまちづくり

緑の質の向上と緑のネットワークの形成を図るため の施策を展開します

みんなで取り組む緑のまちづくり

市民・事業者と協働で、緑豊かな街並み形成を進め、 緑の資産を活かし楽しむための施策を展開します やろまい! つなごまい! まもろまい!

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健康で快適に日常生活をおくることのできる緑豊かな街並みを形成するため、市民や事 業者と行政がそれぞれの立場から緑化と緑の保全に取り組み、また協働しながら緑のまち づくりを進めます。 ①公共施設や民有地を緑化して、緑豊かな街並みをつくります ②都市公園の管理・運営に、市民が参画しやすい仕組みをつくります ③民有地の緑の保全と創出活動に市民や事業者等と協働で取り組みます ④緑を活かして楽しむための施策を展開します

●目標

市民や事業者が主役となった緑のまちづくりを広げていくため、自然環境保全や公園 緑地の管理、さらには森づくりや花づくりなど、様々な場面での市民等の取り組みを活発 にしていきます。 項 目 説 明 目 標 参 考 (H20 年度 実績) 主 な 緑 の ま ち づ く り 活 動 に 携 わ っ た 市民の延べ人数 緑のパートナーの活動をはじめとする 主な緑のまちづくり活動に携わった市民の人数 (平成 23 年度~32 年度の延べ人数) 延べ 25 万人 11,500 人/年

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地域の植生に応じた多様な動植物が暮らせる都市環境をつくり、日常生活の中で身近に 豊かな自然を感じることができるまちを実現するため、既存の樹林地や水辺の環境を保全 するとともに、これらの緑をつないでいきます。 ①緑のネットワーク化により、緑と水の回廊ゾーンの形成をめざします ②緑の量と質を向上させ、多様な生き物と共生できる都市環境をつくります ③公園緑地や樹林地等では、生態系を維持できるよう保全・再生します

●目標

緑のまとまり度やボリューム感、多様性など、緑の質についても適正に評価し、極力保 全するほか、緑化地域制度による市街地緑化など、新たな緑の創出に向けた施策により 2020 年には現状よりも緑が多くなる状況をめざします。 項 目 説 明 10 年前 (H12 年度) 現 況 (H22 年度) 目 標 (H32 年度) 緑被率(市全域) 緑の現況調査結果に基づく緑被率 25.3 % 24.8 % (H17 年度) 27 % 市民 1 人当たりの 都市公園等の面積 都市公園等とは、街区公園、近隣公園、 総合公園などの都市公園と、農業公園、 公共空地、市民緑地、港湾緑地などの 都市公園に類する施設 8.4 ㎡ (人口 216.3 万人) 9.4 ㎡ (人口 225.3 万人) 10 ㎡ (人口 233.7 万人) 緑被率は市域の 3 割確保することを当面の目標としますが、長期的には鉄道駅を中心に都市機能の集積を図り つつ、郊外部の空地整理などによって40%をめざす考えがあります。 都市公園等の面積は、長期的には市民一人あたり15 ㎡となることをめざします。

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まとまりのある民有の樹林地や農地を守り、環境保全やレクリエーションなどの拠点と しての活用を進めます。また、市民が日常的に緑とふれあうことのできる環境を確保する ため、公園緑地や古くから人々に親しまれてきた社寺にみられる公的な緑など、既存の緑 のストックを保全します。 ①なごやの緑の拠点となっている都市計画公園緑地内にある民有樹林地を多様な手法で 保全します ②既存の民有樹林地・農地などの保全を図ります ③都市公園を資産としてとらえ、効果的な利活用を図ります

●目標

都市公園の整備を推進するとともに、地域制緑地制度等を活用することによって、民有 の樹林地や農地の減少を食い止め、市民が利用することのできる緑を増やします。 項 目 説 明 10 年前 (H12 年度) 現 況 (H17 年度) 目 標 (H32 年度) まとまりのある緑の 箇所、面積 緑の現況調査の解析により把握され た 1ha 以上の民有樹林地の箇所数 と面積 - 55 か所 約 300 ha 減 少 ペ ー ス を抑制し、 可 能 な 限 り 維 持 し ま す 農地の面積 緑の現況調査により把握された農地 の面積 1,434 ha 1,320 ha

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平成 22 年 10 月、名古屋国際会議場で生物多様性条約第 10 回 締約国会議が開催され、名古屋議定書と愛知ターゲットが採択され ました。 生物多様性は、私たちの暮らしに様々な恵みをもたらすものであ り、世界全体で保全と持続可能な利用に向けた取り組みを行うこと が重要です。生物多様性条約は、1992 年(平成 4 年)に気候変動枠組み条約とともに生 まれた条約で、平成 22 年 10 月末現在、193 の国と地域が締結しています。 生物多様性条約は、 1.地球上の多様な生物を、その生息環境とともに保全すること 2.生物資源を持続可能であるように利用すること 3.遺伝資源の利用から生ずる利益を公平かつ衡平に配分すること を目的としています。平成8年以降は概ね 2 年ごとに締約国会議が開催されており、条約 の 3 つめの目的である「遺伝資源の利用から生ずる利益の配分」については、その国際的 なルールの確立が締約国会議の積年の課題となっていました。 COP10 で採択された名古屋議定書は、その生物資源の利用と利益配分等に関する国際 的なルールです。遺伝資源の入手には資源提供国の同意が必要であることや、多国間での利 益配分の仕組みを検討していくことなどが盛り込まれました。先進国が発展途上国の生物資 源を利用する代わりに、生物資源を用いた商品開発などによる利益を途上国に還元し、自然 環境の保全に活用することになります。 また、愛知ターゲットは 2050 年までの 長期目標として「人が自然と共生する世界」 の実現を掲げ、2020 年までの短期目標と して、生物多様性の損失を食い止めるための 効果的、緊急な行動の実施と 20 の個別目標 を定めています。

コラム

…COP10 と名古屋議定書

参照

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