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最新インドプラスチック事情-PLASTIVISION INDIA2007

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最新インド・プラスチック事情と問題点-

PLAST VISION INDIA2007

展を視察して 長谷川国際技術士事務所 長谷川 正(Tadashi Hasegawa) 「ポリマーダイジェスト」Web 版、2008 年 1 月 1. はじめに インドに関する魅力はUNCTAD(国連貿易開発会議)が直接投資に関する投資誘致期間、 専門家と多国籍企業を対象に行なった2005 年のアンケート調査によると「短・中期的に見 て最も魅力的な海外直接投資先はどこか」という質問に対し、インドは多国籍企業からは、 中国に次ぐ2 位の評価を得ている。(表1) 日本の国際協力銀行が2006 年 1 月に発表した「わが国製造業企業の海外事業展開に関す る調査報告(2005 年度版)によれば、中期的(今後 3 年程度)に有望事業展開先として、 やはりインドは中国に次ぐ第2 位にランキングされている。(表2) 筆者はこれら各地を視察しているが、日本の製造企業の海外進出先としては中国、イン ド、ベトナム、タイの4 カ国に絞られるものと確信している。 インドの魅力としては、 表 1 最も魅力的な投資先(UNCTAD 調査) 表 2 中期的(今後 3 年程度)有望事業展開先 ① 拡大するインドの国内市場

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② 安価で優秀な若手労働力 ③ 英語が話せる、学卒エンジニアだけでもインドでは年間40 万人が卒業する。 今回訪問したバンガロールだけでも、工業大学108 校、職業訓練校 181 校、工業訓練 機関300 があり、総学生数は 20 万人にも達するといわれていた。インド人の優秀性 はアメリカにおける印僑(約200 万人)は、ドクターの 5%を占め、NASA(米国航 空宇宙局)の 2%、IBM、マイクロソフトの従業員の 1/3 を占めているといわれて いる。150 万人が住むイギリスでも弁護士や会計士の職に多くついている。 ④ 豊富な天然資源:インドは宝石で有名だが、石炭、クロム、ボーキサイト、鉄鉱、マ ンガン、天然ガスなどの資源大国でもある。 ⑤ アジア各国の中でも高い経済成長率(GDP)(表3)は中国について第2 位である。 ⑥ インドの中間所得層の増加による国内需要の増加 図1に示すごとく、ここ数 年で上位中間層および富裕 層が増加している。この傾 向は乗用車の増加や家電製 品の市場拡大が今後大きく 期待できる。 表 3 アジア各国の経済成長率(GDP) (1998-2005) 以上、インドの魅力について述 べてきたが、もちろんインドに対 する問題点や留意点も充分考え 図 1 年収階層別世帯数

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インフラ整備が不充分であり、急速に成長したためのホテル、事務所、住宅の不足と高コ ストの問題や、労働条件・カースト制など多くの注意すべき点があるが、最後の項で中国 と比較しながら考えることにする。 2. インドにおける日本企業の進出状況 インドに進出している日本企業としては、大きく分類して、 ① デリーおよび周辺地域(インド北部、人口1,300 万人) ② ムンバイおよび周辺地域(インド中西部、人口1,700 万人) ③ バンガロールおよび周辺地域(インドの南西部、人口1,100 万人) ④ チェンナイおよび周辺地域(インドの南東部、人口700 万人) 前回のデリー周辺の視察と、今回のムンバイ、バンガロール、チェンナイの視察で、各 工業地帯の特長や、気温環境も大きく変わる大国であることが理解できた。 1) デリーおよび周辺地域 デリーはもっとも所得水準の高い都市で、市場規模も大きいため、国内市場をターゲッ トとする企業の進出には最も適している。この地域に進出している主な製造業を示す。(約 80 社) キヤノン(事務機・カメラ) ノーリツ鋼機(写真処理機) ダイキン(空調) NTN(自動車部品) ヒーロー・ホンダ(二輪車) オリンパス(顕微鏡) 日立ハイテクノロジーズ(電子・精密機器) リコー(コピー機) JUKI(ミシン) シャープ(電子) クボタ(農業機械) 住友電気工業(電線) スタンレー(自動車部品) 東芝機械 スズキ(自動車) YKK(ファスナー) ミツトヨ(精密測定器) ソニー(テレビ・ステレオ) 森精機(加工機) ニチアス(自動車部品) ○ノイダ(ウッタル・ブラデーシュ州)(20 社) ○グルガオン(ハリヤナ州)(約 40 社) ホンダ技研(自動車・小型発動機) 旭硝石(自動車用ガラス) エクセディ(自動車部品) ASTI(自動車部品) デンソー(自動車部品) バンドー化学(自動車部品) エイチワン(自動車部品) ヒーローホンダ(二輪車・スクーター) 森六(自動車部品) 本田技研(二輪車・スクーター) 住友電装(自動車部品) ハイレックスコーポレーション(自動車部品) 松下電器(テレビ) スズキ(自動車・二輪車) ヤマハ(二輪車) 東海理化(自動車部品)

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光洋精工(自動車部品) 日発(自動車部品) 2) ムンバイおよび周辺地域 ムンバイはアラビア海に面しており、東インド会社がここに本拠地を移してから、商業 都市として発展した。インド最大の1700 万人の大都市である。 工業化も進んでおり、石油化学、自動車、金融、IT 関連、繊維などのビジネスの中心で ある。ホテル、オフィスが不足しているため非常に高い。 ○ムンバイおよび周辺地域へ進出している主な製造業(約80 社) アマダ(金属加工機) ブリヂストン(タイヤ) 関西ペイント(塗装) コクヨ(家具) コニカミノルタ(フィルム) オリンパス(カメラ) 三洋化成(化学) 島津製作所(医療ソフト) ヤンマー(重機) 写真 1 ムンバイのインド門 ○プネー(マハーラシュトラ州) 写真 2 ムンバイのホテル エンケイ(アルミホイール) ケーヒン(自動車部品) スタンレー電気(自動車照明) シャープ(家電) 大日本インキ(塗装) 東洋ラジエーター(自動車部品) 矢崎総業(自動車部品) ユタカ技研(自動車部品) 中央発条(自動車部品) ヤマザキマザック(工作機械) ムンバイの名所(インド門)(写真1)は1911 年にジョージ 5 世とメリー王妃の訪問を 記念に建てられた。16 世紀のグジャラート建築様式によるものである。写真2はインドの 門の前に立つ高級ホテル。 3) バンガロールおよび周辺地域 バンガロールはインドのシリコンバレーと呼ばれ、IT、ソフトウエア産業の集積地と して世界に知られているが、日本企業にとってはトヨタの生産基地として注目されてい る。この地は、優秀な大学も多く、インターナショナルな地域として知られている。バ ンガロールはデカン高原にあり、海抜919mの高地に位置するのでインドでは過ごしやす

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い気候といわれているが、今回の12 月の訪問でも、やはり昼間は 30℃くらいあった。 バンガロールおよび周辺へ進出している主な日本企業(約100 社) トヨタ自動車 ファナック アイシン 日立工機 トヨタ紡織 JUKI デンソー 京セラ 住友電装 牧野フライス 豊田鉄工 三洋電機 豊田合成 東芝 豊田通商 ソニー 矢崎総業 YKK トヨタ自動織機 油研工業 尾張精機 テルモ バンガロールから200km ほど車で行った所に建つ、マハラジャ宮殿は世界三大宮殿の 一つに匹敵する立派なものであった。(写真3) 写真 3 マハラジャ宮殿 写真 4 チェンナイ国営鉄道の中央駅 4) チェンナイおよびその周辺地域 インドの南東部に位置し、世界第 2 位の広い海水浴場を有する港湾都市。東南アジア へのアクセスも容易なことより輸出志向型企業にとっては魅力的な立地である。製造業 を中心とする地域で、自動車産業ではFord、Hyundai の他、日産自動車、BMW、TVS なども進出。 チェンナイおよび周辺地域に進出している日本企業(約40 社) 大同メタル(自動車部品) 味の素(調味料) 五十嵐電機(自動車部品) 小糸製作所(自動車部品) パナソニック・カーボン(マンガン電池) コマツ(ダンプトラック) スタンレー電気(自動車部品) ミツバ(自動車部品) インドナショナル(乾電池) 日本精工(軸受) インド松下家電(炊飯器、ミキサー) テルモ(血液バッグ) ミクニ(自動車部品)

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バンガロールから列車でチェンナイへ移動したが、約 6 時間。列車内のサービスも良 好であった。(写真4)

3. インド・プラスチック展(PLAST VISION INDIA 2007)

今回2007 年 12 月 6 日~10 日の 5 日間、ムンバイの国際展示場で 3 年に 1 回開催される インドのプラスチック展(PLAST VISION INDIA 2007)が開催された。(写真5)

インドではニューデリーとムンバイで、各 3 年に1 回プラスチック展が開催されるが、スケ ール的にはニューデリーの方が4倍ほど大き い。ムンバイの展示も毎回拡大されている。前 回のINDIA 2004 では 525 企業が 2 万㎡の会 場で展示されていたのが、今回の展示では725 社が4万㎡の会場まで拡大されていた。インド の 1 人当たりの年間プラスチック消費量はま だ5㎏であるが、協会の予想では 3 年以内に 10 ㎏に上昇すると言っている。現在の中国が 35 ㎏、タイ 42 ㎏、日本 82 ㎏、EU105 ㎏、アメリカ 111 ㎏と比較しても、今後急速に増 加することは予想できる。

写真 5 PLAST VISION INDIA の会場前にて

インドのプラスチック国内消費量は毎年15%成長しており、2010 年には、1,250 万トンに 達するだろうとAIPMA(アールインドプラスチック製造協会)は主張している。今回のプ ラスチック展の特長としては、射出成形機、押出加工機はドイツを中心とするヨーロッパ メーカーの展示が主体であるが、中国・台湾からの出展も非常に目立った。中国も台湾も 国別に約1,000 ㎡の独自のコーナーを有してまとまって展示していた。 プラスチックの用途としては、初期段階としては包装用のフィルム、バッグ、ボトル、 バケツなどの日用品、暑いインドではプラスチック製のイス、インフラ整備用のPVC、PE パイプ、継手、PE のコルゲートパイプ、水用タンクなどが中心で、産業用としては自動車 部品、テレビなどの家電用ハウジングなどを製造する金型の展示などが目立った。 インドからの出展にも射出成形機や押出機も多くあったが、大型の回転成形機械とその製 品の展示が注目された。 インドのプラスチック需要としては、2-3年後には日本の国内消費量とほぼ同じ量にま で成長することが予想されるので、使用するプラスチックのためのカラーマスターバッチ、 コンパウンドメーカーの展示が非常に目立った。シンガポール、タイ、マレーシア、中国 からのコンパウンドメーカーが出展していた。 ☆プラスト インディア 2007 展示会場内で注目した展示の例

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1959 年以来の射出機メーカーで、型締力 400ton までの各種射出機を生産している。包 材質、インサートタテ型、マグネシウム合金、メタル射出、熱硬化性樹脂、セラミックス 用、ゴム・PU 用射出などハイテク用射出機も生産している。 写真6はRomexⓇの2Kシリーズ。このシリーズは各材質原料を完全自動的に射出成形す る機械で電話やコンピューターのキートップや自動車部品などにも使用される。写真 7 の射出成形機も同社のものである。

写真 6 RomexⓇの 2Kシリーズ 写真 7 Niranjan Plastics社の射出成形機で 成形したプラスチックチェア * 回転成形機のVinodrai Engineers Pvt 今回の展示では、インドから数社の回 転成形機メーカーが出展していた。ド イツで開催された K2007 でもインド か ら 2 社 が 出 展 し て い た 。 こ の Vinodrai 社はインド国内だけでなく、 中近東、東南アジア、オーストラリア などにも多く輸出実績を有していると のことであった。写真8に3 軸成形機 を示す。表4に同社の回転成形機の仕 様を示す。 写真 8 3 軸成形機 表 4 回転成形機の仕様(大型 2.5 万ℓのタンクまで)

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* ハイテク回転成形機メーカーのMAHARASHTRA MAHA POLYPLAST. P. LTD ムンバイに工場のある同社では各 種 の 回 転 成 形 機 の ほ か に 最 近 CNC 機械を使用しての回転成形 機を開発した。図2に示すごとく、 3D モデルのデザインの製品や CNC 機械を使用しての正確な形 状製品を生産できるようになった。 この機種を使用して、パレット、 自動車部品、燃料タンク、などの 分野に使用。 なお、同社では回転成形で生産し た簡易トイレがイノベーションデ ザインとして受賞していた。(写真 9) 図 2 CNC 使用の回転成形機 * インドのポリマー、コンパウンド、 カラーマスターバッチ、染料・中間 体など 写真 9 受賞した簡易トイレ ○ SUPREME PETROCHEM LTD. RAJAN RAHEJA グループは大手財閥企業でセメント、セラミックスタイル、自動車 バッテリー、ケーブルTV ネットワーク、スーパーストアなど広範囲の事業集団である が、こことSupreme Industries との合併で Supreme Petrochem Ltd を設立している。 ここはインド最大のプラスチック製品製造業で、PVC パイプ事業、包装資材、カレン ダーによる硬質フィルム、多層ラミネートフィルムなど生産。1995 年からはインド最 大のPS ポリマー生産、ABS 技術も導入、マスターバッチ事業やポリオレフィンコンパ ウンド生産を行なっている。2008 年には TPA の生産能力を 50 万トンへ増加させ、複 合コンパウンド装置も現在の装置を3 倍に増強する予定。発泡 PS 製造装置も現在 6 万 トンを有している。 ○ LOXIM 1977 年に設立された染料メーカーで、8,000 トン/年の能力を有している。染料の分野 ではグロ-バルな活動をしており、北米、ヨーロッパ市場へも輸出を行なっている。 プラスチックの分野では、エンプラのコンパウンドを10,000 トン/年生産している。 グレードとしては、PC、PC/PBT、PC/ABS、PA6、PA6.6 を有している。 ○ KLJ グループ(大手可塑剤メーカー) 可塑剤:DOP、DBP、KANATOL-555、DDP、DNP、DnBP、DEP、PMP マレート系 DINM、DOM、DBM、DEM、DMM

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リン酸系 TPP、TCP、TCP-70、TCP-40、TVP、TIPPP 特殊可塑剤:DOA、DMA、TOTM、TBC、ATBC、nBS、OS、OOS、DINCH 塩素化各種パラフィン系可塑剤 これだけ多種の可塑剤を製造しているメーカーは世界でも数少ない。 * インドの代表的なマスターバッチメーカー、カラリング、コンパウンドメーカー ○ SHAKTI(ムンバイ):PE、PP、EVA、PS、ABS、SAN、PC、PA、PVC、PBT、 TPE ○ SUPARSSHAN(Aurangabad):カラーバッチ、コンパウンド、ポリマーアロイ各 種 ○ SHARPA:PE&PP マスターバッチ

○ MEHUL Colour & Masterbatches(ムンバイ):PE、PP、PVC、PS、ABS、PA、 PC ○ SYNERGY グループ(ニューデ リー):PE、PP、PA、EVA、PVC、 PC、ABS、PET、カラーマスタ ーバッチ、コンパウンド、ポリ マーアロイなど一連のコンパウ ンドメーカー ○ 20 MICRONS:各種コンパウン ド、マスターバッチ生産 ○ シ ン ガ ポ ー ル の SPC か ら は TPE エラストマーコンパウンド の展示があった。(図3) 図 3 SPC の TPE エラストマーコンパウンドの展示 4. インドの自動車産業 インドの自動車産業はインド政府による強い管理・規制があって、1980 年代にスズキが 例外的にもっとも早く進 出した。1993 年から外資 出資比率上限を 51%まで 引き上げられるようにな り、2001 年から 100%出資 が自動認可となった。 イ ンド におけ る 自動車 販売台数の推移を図4に示 す。ここで示されるように 二輪車は 700 万台の生産 434 308 284 7,056 232 200 2 8386,209 172 182 174 4,812 215 198 4,202 5,365 3,694 3,634 3,302 2,917 2,838 351 143 162 137 147 191 260 318 221 130 1,143 691 902 1,061 506 519 494 734 675 707 図 4 自動車販売台数の推移(1996-2005 年) 単位:1,000 台

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数量は世界の生産数量の20%で、世界第 2 位の生産国である。乗用車はまだ 120 万台で、 今後急速な増大が期待されている。 メーカー別自動車生産台数を表5に示す。 * 乗用車、商用車の分野では、現地資本のメーカーでは、マルチ、タタモーター、ヒマン ドラが大手であり、外資系では韓国の現代自動車、フォード、GM、ホンダ、トヨタが 生産を伸ばしている(表 6)。図 5 に 2001 年からの四輪車国内販売台数を示すが、約 20~25%/年増加している。 表 5 メーカー別自動車販売台数(04/05-05/06 年) 表 6 PassengerCars 国内販売台数シェア(2005-06) 図 5 四輪車国内販売台数

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* 二輪車の分野では図6に示すごとく、700 万台に達している。モーターサイクルの分野 ではヒーローホンダが圧倒的シェア50%を占めている(表7)。ヒーローホンダの売上 高5 年間の推移を図7に示す。 表 7 モーターサイクルの国内販売台数シェア (2005-06) 図 6 二輪車国内販売台数 表 8 部品企業の外資と提携件数 図7 ヒーロー・ホンダの売上高 5 年間の推移 (百万ドル) * 自動車部品市場 インド自動車部品工業会のメンバーは416 社があり、デリー周辺 169 社、ムンバイ、 バンガロール周辺132 社、チェンナイ周辺 96 社、東部 19 社である。表8に自動車部 品企業の外資との提携件数を示すが、日本との提携がもっとも多く、ドイツ、米国、韓 国と次いでいる。図8では1995 年から 2003 年までの部品生産額の推移を示す。表9 に日本の自動車部品企業のインド進出企業を示す。 図 8 部品生産額の推移

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* バンガロール郊外のトヨタ工業団地 今回、トヨタインド工場に隣接するトヨタテクノパークを訪問した。このテクノパーク にはトヨタ系の豊田合成、豊田鉄工、尾張精機、豊田通商、三井物産のTRANSYSTEM の5 社が入っている。全従業員は 1,500 人とのことであった。豊田合成の工場見学では 2500 トン型締力射出成形機で主にバンパーを成形加工していた。同社の市岡代表によ れば、小物部品や、バンパーの塗装は外注で行なっているとのことであった。 品質管理、原料・製品の納入・出荷システムは日本とまったく同じ管理システムが採用 されていた。 トヨタ自動車完成品と部品の物流を行なっているTRANSYSTEM ROGISTICS 社では 完成車をインド全土に輸送するため、大型トラック約 200 台を使用して、北部の JAMMU & KASHMIR には 7 日間、デリーには 5 日間で輸送するとのことであった。 車体の管理、保安システムや事故発生原因の処理、全車の運行管理システムなどの詳し い説明を受けた。 トヨタキルロスカでの生産車種と生産実績を示す。 写真 10 トヨタテクノパーク訪問 写真 11 トヨタテクノパーク 車種 2005.4~2006.3 2006.4~2007.3 2007.4~9(半期) 1.カローラ 8,592 6,621 3,309 2.イノーバ 36,383 43,589 22,887 合計生産台数 44,975 50,210 26,196(台) この2 車種のほか、カムリ(タイからの完成車輸入)、日本からの完成車輸入も販売し ている。 現在の工場規模の生産台数は約5 万台なので、新工場(現工場の敷地内遊休スペースを 活用)で、年産20 万台程度の追加能力増強を狙っているとのことであった。

* TATA Autocomp System Lt

ここもトヨタ工業団地内にあって、自動車の内装部品を製造していた。Engel の 2500 トン射出機を使用して、ドア内装部品を射出成形し、組立加工を行なっていた。 * インドにおける家電市場の見通し

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インドは暑いので、エアコン、冷蔵庫やテレビが今後も大きく成長するものと予想され る。 表 10 インド家電市場の見通し 5. インドへの投資コストと中国との比較 まず、表11に、JETRO の資料よりニューデリー、ムンバイ、バンガロールの 3 大都市 における賃金比較、地価、事務所賃料、通信費比較を示す。 インドの税制は地域によらず、均一で、表12に示す。表13に3 地域の公共料金、輸送 費の比較を示す。 表 11 地域コスト比較:JETRO 投資コスト比較(HP)より引用

賃金 New Delhi Munbai Bangalore

地価・事務所賃料等

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表 12 インドの税制

表 13 インド 3 地域の公共料金、輸送量の比較 税 制

公共料金

輸送

New Delhi Munbai Bangalore

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インドと中国との投資環境比較を図 9 に示す。インド側が中国よりも不満が多い項目とし ては、汚職、裁判紛争処理などで、中国のほうが不満の多い項目としては、政策の不透明 性、税率、労働力のスキル面などが目立つ。両国に対する不満として電力不足、金融、労 働力(法制度)、犯罪などがあげられている。 表14にインドと中国の労働力比較を示す。 表15では両国のFDI 関連比較表を示す。 表 14 インドと中国の労働力比較(単位:ドル) 表 15 インドと中国に対する FDI 関連比較表

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インドは人材の質の面で中国より優れ、ワーカーのコストも多少低い。中国は特に沿海 部においてインフラが比較的良好である。外資に対してインドは中国と比較して規制が多 く、優遇策が少ない。 中国は知財権の侵害、為替規制、送金規制などが問題点である。一方、インドは官僚制に よる手続きが難しく、運用が不透明なのが欠点といえる。 6 今日の世界的投資先として注目されているインドの現状を視察し、その急速な変化を観 察してきたが、過去10 年間の中国の変化と比較すると、その変化のスピードは遅いように 思われる。高速道路もまだまだこれからだし、一般道路も車と人であふれており、郊外に 行けばガタガタ道で大変な旅になってしまった。 確かに工業団地に入ればスムースに仕事は進められているが、一般住民の生活とのギャ ップは中国やベトナムよりも非常に大きいように思われた。 トヨタの話では、従業員の教育には高卒の新人社員を自社が設立した専門学校に入学さ せ、基礎から徹底して再教育することにより、中国よりも質のよい社員を育成することが できるとのことであった。 大手の自動車産業や、IT 産業、製薬産業などの分野ではインドのメリットは生かされる ものと考えられる。ただ、自社で再教育や管理体制が不十分な中小企業にとっては大変だ ろうと思われる。 プラスチック関連事業としては、インフラ整備が急務な国内需要として、PVC、PE パイ プ、継手ビジネスや、 PET、PE ボトル、20ℓタ ンク、200ℓドラム缶、など飲料水用の用途、回転成形による簡易トイレ、大型水タンク、 農業用大型容器など大型品射出成形による一般家庭用 PE、PP などの日用品は需要が大き い。しかし、自動車、家電分野におけるOEM 生産においては、射出成形機、金型、ともに、 日本、ドイツから輸入されて使用している。金型は小中型についてはインドの金型もかな り使用されていた。全体として現在のインドの実力は中国と比較してはるかに遅れており、 中国と対等なレベルに達するにはまだ5~10 年は必要であろう。現在ではベトナムとほぼ 同レベルか少し下とも思われる。中小企業の進出にあたっては、慎重な検討が必要だ。 〈本稿に関する問合せ先〉 長谷川国際技術士事務所 〒468-0042 名古屋市天白区海老山町 2603 TEL&FAX 052-802-5629 E-mail:[email protected] 本稿の無断転載を禁じます。 Copyrightⓒ2008.Polymer Digest . 終わりに PE コルゲートパイプ、ブロー成形による

表 9  日本の自動車部品企業のインド進出
表 10 にインド家電市場の見通しを示す。
表 12  インドの税制

参照

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