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食物アレルギー症状は 皮膚 粘膜症状が最も多く 典型的なものはじんましんです じんま ゆごうしんが数個出現することもあれば 全身の皮膚がでこぼこになって それぞれが癒合して地図状 になることや もしくは 全体が腫れ上がることもあります 皮膚粘膜症状が現れない場合には アレルギー反応であることに気付く

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Academic year: 2021

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1 食物アレルギーに関する基礎知識

食物アレルギーに対して適切な対応を行うためには、まずは食物アレルギーに関する正しい知 識をもつことが求められます。本章では、食物アレルギーやアナフィラキシーの基本的な特徴及 び本市の食物アレルギーの状況について解説します。

1-1 食物アレルギーとは?

(食物に対して免疫が過敏に働いてしまう状態) 食物アレルギーとは、特定の食物を食べたり、触ったり、吸い込んだりしたことに対して、体 を守るはずの免疫システムが過剰に反応して皮膚、呼吸器、消化器、あるいは、全身に起きる有 害な症状をいいます。食物アレルギーによって引き起こされる症状には、概ね次のものがありま す。 <食物アレルギーによって引き起こされる症状> 皮 膚 かゆみ、じんましん、血管運動性浮腫、発赤疹、湿疹 粘 膜 かゆみ、眼粘膜充血、涙が流れ出る、まぶたがむくむ 消化器 嘔吐、下痢、悪心(気分が悪くむかむかした感じ)、疝痛 せ ん つ う 発作(おへそを中心にして おなかが痛くなる)、慢性の下痢による蛋白漏出、体重増加不良 上気道 くしゃみ、鼻水、鼻づまり、口腔粘膜や咽頭のそう痒感、違和感(イガイガしたいつ もと違う感じ)、腫脹(はれる)、咽頭喉頭浮腫(のど、のどの奥の方のむくみ) 下気道 せき、喘鳴(ゼーゼーして息が苦しくなる)、呼吸困難 全身性 アナフィラキシー:多臓器にわたる症状 アナフィラキシーショック:頻脈(脈が速くなること)、血圧低下 活動性低下(ぐったりする)、意識障害 出典:日本学校保健会「食物アレルギーによるアナフィラキシー学校対応マニュアル 小・中学校編」 ポイント ○ 食物アレルギーとは、特定の食物を摂取等することによって、皮膚、呼吸 器、消化器あるいは全身に生じるアレルギー反応のことをいいます。 ○ 食物アレルギーで最も多い症状は皮膚症状ですが、ショック症状など重い 症状を起こす場合もあります。 ○ 鶏卵、牛乳、小麦は最もアレルギーを起こしやすい食物です。他にも様々な アレルギーを起こす食物があります。

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2 アレルゲン ・その他 ・ハチ毒 ・毒 物 ・食 物 皮膚炎タイプ (遅延型) じんましんタイプ (即時型) 即時型 じんましん など 食物依存性 運動誘発アナフィラキシー 口腔アレルギー症候群 アナフィラキシー 食物アレルギー症状は、皮膚、粘膜症状が最も多く、典型的なものはじんましんです。じんま しんが数個出現することもあれば、全身の皮膚がでこぼこになって、それぞれが癒合ゆ ご うして地図状 になることや、もしくは、全体が腫れ上がることもあります。皮膚粘膜症状が現れない場合には、 アレルギー反応であることに気付くのが遅れることもあるので注意が必要です。ただし、じんま しんの発症例全体からみると、食物アレルギー反応が原因の場合は少数であり、じんましんが出 たから食物アレルギーだと考えるのは早計です。それまでの様子や行動について、本人から聞き 取るなど、じんましんの原因をよく確認してから判断をしてください。 また、食物アレルギーにより、異常に眠り込んでしまうこともありますが、通常は、刺激をす れば目を覚まします。刺激に反応しない場合は、ショック状態による意識レベル 低下の可能性が ありますので、早急な対応が必要となります。

1-2 アナフィラキシーとは?

(皮膚症状と呼吸器症状等、2以上の多臓器に症状が現れる状態) アレルギー反応により、じんましん等の皮膚症状、腹痛や嘔吐等の消化器症状、喘鳴や呼吸困 難等の呼吸器症状が複数同時かつ急激に出現した状態をアナフィラキシーといいます。 食物アレルギーには、じんましんタイプ(即時型)と皮膚炎タイプ(遅延型)の 2 種類があり、 このうち、即時型のじんましん等が重症化した状態がアナフィラキシーです。 食物アレルギーとアナフィラキシーの関係を大別すると、次の図のとおりとなります。 <食物アレルギーとアナフィラキシーの関係> 出典:富山大学足立雄一作成の図を一部改変 重症化 食物アレルギー 運動などの刺激

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3 児童生徒等に起きるアナフィラキシーの原因のほとんどは食物ですが、それ以外にも医薬品、 昆虫刺傷、ラテックス(天然ゴム)等が原因物質(アレルゲン)となります。なかには、稀にア レルギー反応によらず、運動や物理的な刺激等によってアナフィラキシーが起こる場合もありま す。 食物アレルギーのうちのじんましんタイプは、食後 2 時間以内に、じんましん、咳、呼吸困難 等を起こすタイプです。食物に対して作られた IgE 抗体1が主たる原因と考えられています。 このタイプでは、じんましん等が重症化し、アナフィラキシーとなるもののほか、次のような 症状が見られる場合があります。 【食物依存性運動誘発アナフィラキシー】 原因となる食物を食べるだけなら平気でも、食後に運動するとアナフィラキシーが起こることが あります。運動によって腸での消化や吸収に変化が起き、未消化なタンパク質が吸収されてしまっ て起きると考えられています。 【口腔アレルギー症候群】 花粉に対するIgE 抗体が、果物や野菜と反応するために起こる即時型アレルギーです。消化され ると反応しなくなるため、通常は、食後5分以内に口の中がピリピリしたり、かゆくなったりする だけですが、大量に食べて全身症状が出ることもあります。 このほか、アナフィラキシーによる症状とその重症度については、次の表のとおり整理されています。 <食物によるアナフィラキシーの重症度> 皮膚 消化器 呼吸器 循環器 神経 1 《限られた場所》 かゆみ、発赤 膨疹 ぼうしん 口の中がかゆい、 または、違和感 唇の軽い腫れ - - - 2 《全身》 かゆみ、発赤 膨疹 (上記に加え) 吐き気・嘔吐 鼻づまり くしゃみ - 元気がなくなる 3 (上記症状) (上記に加え) 繰り返す嘔吐 鼻水 明らかな鼻づまり のどの痛み のどが苦しい 頻脈 (上記に加え) 不安、不機嫌 4 (上記症状) (上記に加え) 下痢 声枯れ ケンケンした咳 息苦しさ、喘鳴 チアノーゼ (上記に加え) 不整脈 軽度の血圧低下 軽い頭痛 恐怖感 5 (上記症状) (上記に加え) 腸管機能不全 呼吸停止 脈拍数低下 血圧低下、心停止 意識喪失 出典:Sampson HA「Anaphylaxis and emergency treatment. pediatrics」に掲載の図を一部改変 1 免疫に関係したタンパク質である免疫グロブリンの一つであり、健常人には極めて微量しか検出されない。抗 原(アレルゲン)と結合することによりヒスタミンなどの炎症を引き起こす化学伝達物質を肥満細胞から放出さ せアレルギー反応を引き起こす。アトピー素因のある人の血中では高値を示すことが多い。 IgE 抗体が関係した アレルギー反応は、抗原(アレルゲン)と接触して比較的早い時間で起こるため即時型反応と呼ばれる。 重 症 度

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1-3 食物アレルギーに関する留意点

食物アレルギーに関しては、生命に危機を及ぼす危険な状態として、特に喉頭浮腫とアナフィ ラキシーショックの 2 点に対する認識が必要です。それぞれの特徴を解説します。 【特に危険な症状】 じんましんの程度がひどいとその部位が腫れ上がり、喉頭粘膜が腫れる「喉頭浮腫」が起こり ます。喉頭には声帯等があって元々内腔が狭いのですが、この部分に浮腫が起こると、犬の遠吠 えのような咳込みが見られ、声がかすれ、ひどくなると声が出なくなります。のどが締め付けら れるように感じ、 狭 窄きょうさく2の程度に応じて、呼吸困難が起こってきます。 症状が悪化すると、息を吸い込む時にゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴が聞かれ、首や胸の 軟らかい部分がベコベコへこむ陥没呼吸が見られます。その状態が進行すると窒息の危険があり ますので、喘鳴ぜいめいが聞こえたときは、緊急対応が必要となります。(P36~38 参照) また、アナフィラキシーショック状態の時は、血圧が低下し、全身に血液が効果的に運ばれな くなります。活気がなくなり、ぐったりして立っていられず、顔色不良、四肢冷感等の症状に加 え、意識状態が低下して、刺激をしても無反応の状態になります。 長引けば命の危険があることから、出来る限り早急な対応が必要となります。(P36~38 参照) 次に、食物アレルギーと時間との関係について解説します。 【時間的経過】 食物アレルギーが出現するまでの時間は、原因食物と体の粘膜等が接触した場所によって異な り、5 分以内に早く出現する場合もあれば、食物を食べて胃腸を通過し、吸収されてから症状が 出現する場合もあります。このことから、一般的には、原因食物の摂取から 2 時間以内に現れる 症状を即時反応と捉えます。ただし、それ以上遅れて出現する場合もあります。 また、即時反応の症状が一度落ち着いた後に症状が再燃し、その後、遅発反応が見られるとい う二相性反応がある場合もあります。 食物アレルギーでは、同一の者が繰り返し似た症状を経験する場合が多いのですが、前回とは 全く異なる症状が出現する場合もあります。また、時間とともに症状が変化する場合や、徐々に 症状が悪化していくのではなく、いきなりアナフィラキシーへと重症化する場合もあります。 アナフィラキシー症状は急激に進行することが多く、最低 1 時間、理想的には 4 時間は経過を 追う必要があります。経過を追うときは、片時も目を離さず、児童生徒等の状態を確認します。 2 すぼまって狭いこと。

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1-4 食物アレルギーの原因食物

食物アレルギーを引き起こすことが明らかな食物のうち、三大アレルゲンとして知られている のが、鶏卵、牛乳、小麦です。また、症状が重篤なものとしては、そば、ピーナッツがあげられ ます。 食物アレルギーの原因食物のうち、鶏卵、牛乳、小麦は、年齢が増すとともにしばしば消失し ますが、甲殻類、小麦、果物、魚類、そば、ピーナッツは、学童から成人までの期間で新たに発 症するなど、年齢によって原因食物が変化したり、新たに加わったりすることがあります。 <全年齢における原因食物> 食物アレルギーの原因となる食物は多岐にわたりますが、加工品の表示については、患者数が 多いか、または、重篤度の高い7品目(卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、そば)が特定原材 料として表示が義務付けられています。また、特定原材料に準ずるものとして、表示を推奨され ている食物が 20 品目あります。 <特定原材料等一覧> 出典:消費者庁ホームページ 特定原材料(7品目) 卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、そば 特定原材料に準ずる もの(20 品目) あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、 牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、 まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン 出典:厚生労働省「厚生労働科学班による食物アレルギーの診療の手引き 2011」

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1-5 富山市における食物アレルギーの状況

本市では、食物アレルギーを有する児童生徒等が増加傾向にあり、アナフィラキシーの既往が ある児童生徒等も増加しています。 <食物アレルギー症状を有する児童生徒等の数> 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 幼 稚 園 園児数 634 人 662 人 659 人 646 人 629 人 食物アレルギーを有する者 8 人 5 人 8 人 13 人 14 人 割 合 1.26% 0.76% 1.21% 2.01% 2.23% アナフィラキシーの既往者 -※ 0 人 1 人 小 学 校 児童数 22,946 人 22,928 人 22,757 人 22,341 人 22,016 人 食物アレルギーを有する者 484 人 482 人 512 人 561 人 571 人 割 合 2.10% 2.10% 2.25% 2.51% 2.59% アナフィラキシーの既往者 -※ 15 人 23 人 35 人 中 学 校 生徒数 11,111 人 11,020 人 11,093 人 11,092 人 11,146 人 食物アレルギーを有する者 326 人 257 人 345 人 332 人 400 人 割 合 2.93% 2.33% 3.11% 2.99% 3.59% アナフィラキシーの既往者 -※ 4 人 8 人 10 人 合 計 園児、児童、生徒数 34,691 人 34,610 人 34,509 人 34,079 人 33,791 人 食物アレルギーを有する者 818 人 744 人 865 人 906 人 985 人 割 合 2.36% 2.15% 2.51% 2.66% 2.91% アナフィラキシーの既往者 -※ 19 人 31 人 46 人 ※ アナフィラキシーの既往者欄の「-」は、未調査 出典:富山市調査

1-6 食物アレルギー事故の状況

日本スポーツ振興センターの調査によると、平成 17 年度から平成 20 年度の 4 年間に起こった 学校の管理下における全国の災害事例のうち、食物アレルギー事例は 804 件となっています。

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7 これらを時間帯別で分類すると、「12:31」から「14:30」までの 2 時間以内の発生が 698 件で、 全体の約 87%を占めており、また、指導名称別では、「昼食時休憩時間中」、「給食指導」の順 に発生件数が多くなっており、この二つを合わせると 495 件で、全体の約 62%となっています。 このことから、学校給食を食べた直後から 2 時間以内の時間帯は、食物アレルギー発生の危険性 が非常に高いことが分かります。 さらに、場所別では、「教室」での食物アレルギーの発生が最も多く、次いで、「運動場・校 庭」、「体育館・屋内運動場」の順となっており、これらを合わせると 759 件で、全体の約 94% となっております。この結果から、食物アレルギーと学校給食、運動の関係が裏付けられます。 <時間帯別集計> <指導名称別集計> <場所別集計> 出典:日本スポーツ振興センター「学校の管理下における食物アレルギーへの対応調査研究報告書」

参照

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