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Authority from 1st October, S.O.1146(E)-Bringing into force Sections 1 and 2; Sections 8 to 17; Sections 48,54,59,62,63,64 and 65 w.e.f. 1st Oct

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(1)

3.

調査対象地域における基礎情報の収集

3.1

法律・政策 (1)法制度・政策 インドの環境分野の法体系は、基本的に表3.1-1 の構造となっている。 表 3.1-1インドにおける環境分野の法体系 内 容 法律 (Law、Act) 国会で承認され、最も上位に位置するもの。義務、罰則等が 伴う。 規則 (Rules) 法に基づいて政府機関(省)が、法の実施にかかる細則を定 めたもの。 通達 (Notification) 規則を補足するためや具体的な手続き、運用の手順を定めた もの。 ガイドライン (Guideline) 規則の執行代行官である各地方の行政機関による規則の執行 をサポートするため中央の所管官庁が作成18する。法的義務を 伴わないが、推奨されるべき取り組みを示したもの。 インドにおける環境関連の法律は表3.1-2 のとおりである。 表 3.1-2 インドにおける環境関連の法律(Act) 位置づけ 名称

基本法 ・ The Environment (Protection) Act, 1986, amended 1991 自然

保護

・ The Wild Life (Protection) Amendment Act, 2006 – ・ The Wild Life (Protection) Amendment Act, 2002

・ The Indian Wildlife (Protection) Act, 1972, amended 1993

個別法 森林 Forest (Conservation) Act, 1980, amended 1988 ・ The Indian Forest Act, 1927

・ State/Union Territory Minor Forest Produce (Ownership of Forest Dependent Community) Act, 2005 - Draft

生物 多様性

・ The Biological Diversity Act, 2002

・ S.O.753(E)-Coming in to force of sections of the Biodiversity Act, 2002 [01/07/2004]

・ S.O.497(E)-Appointment of non-official members on NBA from 1st October, 2003 [15/04/2004]-

・ S.O.1147(E)-Establishment of National Biodiversity

18 例えば、「GUIDELINES FOR COMMON HAZARDOUS WASTE INCINERATION」は 2005 年 6 月 に中央公害管理局と環境森林省により作成された。

(2)

位置づけ 名称

Authority from 1st October, 2003.

・ S.O.1146(E)-Bringing into force Sections 1 and 2; Sections 8 to 17; Sections 48,54,59,62,63,64 and 65 w.e.f. 1st October, 2003.

水 ・ The Water (Prevention and Control of Pollution) Act, 1974, amended 1988

・ The Water (Prevention and Control of Pollution) Cess Act, 1977, amended 1992

・ The Water (Prevention and Control of Pollution) Cess (Amendment) Act, 2003.

大気 ・ The Air (Prevention and Control of Pollution) Act 1981, amended 1987

環 境 影 響評価

・ S.O.1533(E) - Environmental Impact Assessement Notification-2006 [14/09/2006]

石炭灰 ・ S.O.513(E) - Fly ash in construction activities, Responsibilities of Thermal Power Plants and Specifications for use of ash-based products/responsibility of other agencies, Notification, dated 03 April,2007

騒音 ・ S.O.123(E) - Noise Pollution (Regulation and Control) Rules, 2000 [14/2/2000]

出典:環境森林省ウェブサイト「法令(legislations)」関連情報より抜粋19

環境分野の基本法、個別法の制定状況は以下のとおりである。

①環境保全法(Environment (Protection) Act)1986 年制定、1991 年改定20

環境保全法はインドにおける環境関連の基本法である。環境保全法では環境汚染の防止、 管理及び緩和のための中央政府の責任が規定されている。中央政府には環境保全法の目標 事項を達成するために適切な規則等を作成する権限が与えられている。 表3.1-3 は、環境保全法の構成で、環境行政に係る権限、関係者の役割、罰則等を定めて いる。 19 なお、法令以外の規則(Rules)、通達(Notifications)は膨大な量であること、随時新規のものが追加、 又は更新されたものが公表されていることから本表での整理対象とはしていない。同ページを参照された い。(http://envfor.nic.in/legis/legis.html) 20 資料集「1.関連法規 ①」参照

(3)

表 3.1-3 環境保全法の概要 1 章 序 1条 タイトル、範囲、発効 2条 定義 2 章 中央政府の権限 3条 環境の保護と改善のための対策を実施する中央政府の権限 4条 担当官の指名及びその権限と機能 5条 指導権限 6条 環境汚染を規制する規則 3 章 環境汚染の防止・規制・緩和 7条 工場を運営する者、操業者は基準を超えて環境汚染物質を排出することの禁止 8条 有害物質を取り扱う手順の遵守 9条 特定分野の監督機関、組織への情報の提供 10条 立入・検査の権限 11条 サンプリング及び手続きに関する権限 12条 環境分析機関 13条 政府の分析官 14条 政府の分析官による報告 15条 本法、規則、命令の条文違反への罰則 16条 企業による違反 17条 政府部局による違反 4 章 その他 18条 本法及び関連法規遵守を目的とした行為の保護 19条 違反の認知 20条 情報、報告、回答の提出 21条 3 条に規定される監督機関の公務員としての要員、職員、雇用者 22条 法の管轄 23条 代行の権限 24条 他の法の効力 25条 規則策定の権限 26条 法に基づく規則の議会への提出

(4)

なお、環境保全法に規定する「環境」とは、「水、大気、土地及びそれらと人類、その他 の生命、植物、微生物との間に存在する相互連関性を含む」と定義されている。したがっ て、この定義による環境に対する汚染、被害を与える諸事象の防止、規制、緩和のための 権限が、環境保全法に規定されている。汚染防止・規制の必要な分野については、中央政 府にそのための規則を定めることのできる権限が、環境保全法の第3 条、6 条、25 条によ って付与されている。

②環境保全規則(Environment (Protection) Rules)1986 年制定21

環境保全規則22は環境保全法に基づいて制定された規則であり、工場等から排出される汚 染物質の排出基準等23が設定されている。当規則は特定の地域における工場等の設置につい て、汚染物質に対する最大許容値の考慮、古跡・動物保護区等の近隣に設置しないこと等 の条件も規定している(第5 条)。汚染物質を排出する事業所等による排出物質等の分析デ ータの関係当局への提出も当規則によって義務付けられている。 ③水質

水(汚染防止及び管理)法(The Water (prevention and control of pollution) Cess Act, 1977 以下「水法」)は水質汚染の防止、管理及び水質の向上を目的とした法律である。水 法の目標の達成のために「中央公害管理局(Central Pollution Control Board: CPCB)」に 必要な権限が与えられた。また、1975 年に制定された水(汚染防止及び管理)規則(The Water (Prevention and control of pollution) Rules, 1975)では中央公害管理局(CPCB) の機能が細かく規定24されている。

④大気

大気(汚染防止及び管理)法(The Air (Prevention and control of pollution) Act, 1981 以下「大気法」)は大気汚染の防止、管理及び影響緩和の促進を目的とした法律である。中 央公害管理局(CPCB)及び州公害管理局(State Pollution Control Board: SPCB)に大気 法が目標としている事項を達成するための権限を与えている。州公害管理局(SPCB)には 21 改正が随時行われている。環境森林省のウェブサイト(http://envfor.nic.in/legis/legis.html#C)にて最 近の改正内容が確認できる。 22 改正は随時行われており環境森林省のウェブサイトにて公表されている 23 附属書(Schedule)Ⅰに 90 業種の排出基準(排水、排ガス)が記載されている。例えば、#42 のペン キ製造業の排水基準はpH 6.0-8.5 以下、SS(浮遊物質)は 100mg/l 以下、鉛は 0.1mg/l 以下の基準が設定 されている。業種によって、排出される汚染物質が異なるため、廃水か廃ガス基準のいずれかのみの場合 があり全業種統一ではない。なお、4 章(4.1.2 の(3))に整理されている業種別の排ガス基準と同じもの である。 24 後述の(2)①の 2)に整理されている。なお、CPCB は設立に際して水質汚染の防止や管理が当初の目的 であったため水質汚染法によりその役割が規定されているが、その他の分野(大気、廃棄物等)における 役割を有していないということではない。

(5)

汚染管理地域を指定し、その地域における工業活動を制限する権限25が与えられている。

⑤廃棄物

インドにおける廃棄物の分類は表 3.1-4 に示すとおり、廃棄物は大きく都市廃棄物 (Municipal Solid Waste: MSW)、有害廃棄物(Hazardous Waste)及び医療廃棄物 (Bio-Medical Waste)に分類されている。 表 3.1-4 インドにおける廃棄物の分類 分類 該当する規則 医療廃棄物 (Bio-Medical Waste) 医療廃棄物管理規則

(The Bio-medical Waste (Management and Handling) Rules, 1998)

有害(産業)廃棄物 (Hazardous Waste)

有害廃棄物管理規則

(The Hazardous Wastes (Management and Handling) Rules, 1989)

都 市 廃 棄 物, オフィス廃棄物 (Municipal Solid Waste) 都市廃棄物

(Municipal Solid Waste)

都市廃棄物管理規則

(The MSW (Management and Handling) Rules, 2000)

事業系廃棄物(都市廃棄物) Commercial Waste (similar to Municipal Solid Waste)

都市廃棄物管理規則

(The MSW (Management and Handling) Rules, 2000)

農業廃棄物、都市廃棄物

(Horticulture / Farm Waste / Municipal Solid Waste)

都市廃棄物管理規則

(The MSW (Management and Handling) Rules, 2000)

有害(産業)廃棄物、 都市廃棄物

(Industrial / Hazardous Waste / Municipal Solid Waste)

都市廃棄物管理規則

(The MSW (Management and Handling) Rules, 2000)

有害廃棄物管理規則

(The Hazardous Wastes (Management and Handling) Rules, 1989)

剪定枝・園芸廃棄物 (Horticulture Waste)

都市廃棄物管理規則

(MSW (Management and Handling) Rules, 2000)

「有害廃棄物」に該当する廃棄物は、「有害廃棄物(管理及び取扱い)に関する規則(有 害廃棄物管理規則)」の規定に従って処分されなければならない。なお、都市廃棄物に関し ては 2000 年に「都市廃棄物(管理及び取扱い)に関する規則(Municipal Solid Waste (Management and Handling) Rules, 2000: MSW Rules 2000)」が制定されており、都市 廃棄物の管理の基本となっている。

25 21 条に「工場使用の制限(Restrictions on use of certain industrial plants)」の条項があり、第 5 項に 公害防止装置の整備等の条件が提示されており、満たすことができない場合は州当局(State Board)から

(6)

有害廃棄物については、有害廃棄物管理規則の他、有害廃棄物の定義や排出者の責務、 施設の技術基準は各種のガイドラインにて規定されている。

例えば、環境森林省(MoEF)及び中央公害管理局(CPCB)によって 1998-99 年に出さ れたガイドライン(Guidelines for Setting up of Operating Facility-Hazardous Waste Management, HAZWAMS/11/98-99)では、有害廃棄物の処理方法について直接埋立処分 ができない 基準値が示 されている 。また、Criteria for Hazardous Waste Landfills, HAZWAMS/17/2000-01 では、処分施設の基準が規定された。

しかしながら、同ガイドラインは濃度基準のため、処分場の受け入れ基準(アクセプタ ンスクライテリア)ではなく、また、適正処理の基準が不明確だったため、以下のガイド ラインが新たに整備された。

1. Guidelines For Proper Functioning and Upkeep of Disposal Sites (2005-2006 年)有害廃棄物ガイドライン

2. Guidelines For Common Hazardous Waste Incineration(2005 年 6 月)有害廃棄 物焼却ガイドライン

3. Guidelines For Transportation Of Hazardous Wastes(2006 年 9 月)有害廃棄物 の輸送ガイドライン

これにより、

ア)有害廃棄物の定義が明確となった(Guidelines For Proper Functioning and Upkeep of Disposal Sites より)。

• 別表 1:36 の製造プロセス(濃度にかかわらず該当)から排出される廃棄物 (List of Hazardous wastes)

• 別表 2:Class A∼E に廃棄物分類。基準以上の濃度を有する場合に該当 • 腐敗性、反応性、毒性、引火性、急性毒性に関する定義も加わる(うち、毒 性についてはUSEPA の TCLP テストによる溶出基準を超えたもの(別表 1 と2 で規定される有害廃棄物に追加される定義。いずれに該当しない場合で も溶出基準値を超えれば有害廃棄物と定義される)。ただし、テストの実施義 務はない) イ)また、各主体の責任も明確にされている。 <排出者の責任> • 廃棄物を処理業者に委託処理しようとする場合、有害廃棄物に関する情報を提供する 義務がある。(規則第4 条 2 項) • マニフェストを準備、使用し、また、他の州に運ぶ場合には事前に州公害管理局 (SPCB)に届けなければならない。また、輸送者に対して事故時の対応を目的に廃 棄物の情報を提供する義務がある。(規則第7 条 4 項) 工場稼働の同意を得ることができない(http://envfor.nic.in/legis/air/air1.html)

(7)

• 有害廃棄物処理のための施設を処理業者と一緒に確保する責任がある。(規則第 8 条) • 公害管理局の廃棄物に関する報告を年 1 回提出すること。(規則第 9 条 2 項) ===以下、03 年改正規則 20 条に規定=== • 有害廃棄物の処理・リサイクルを委託する場合、処理・リサイクル業者の登録期限が 充分残っていることを確認すること。 • 処理施設で 90 日以上廃棄物が保管されていないことを確認すること等。 <有害廃棄物を取り扱うものの責任(処理者含む)> • 有害廃棄物の適切な収集、受け入れ、処理、保管および処分の責任。(規則第 4 条 1 項) • 有害廃棄物を取扱う者(リサイクルする者を含む)は州公害管理局(SPCB)の secretary へ許可のため Form1 を使用して申請しなければならない。(規則第 5 条 2 項) • 毎年 1 月 31 日までに Form4 を使用して有害廃棄物の取扱いに関する情報を州公害管 理局(SPCB)へ提出する義務がある。(規則第 6 条 8 項、9 条 1、2 項) • Form9 に基づいて、マニフェスト(6 枚)を作成し、関係者へ提出する(規則第 7 条 4 項) ウ)③廃棄物の処分場への受け入れ基準として「溶出基準」が規定26され、その基準を満た すための安定化が必要となった。

26 Guidelines For Proper Functioning and Upkeep of Disposal Sites の Annexure Concentration Limits/Criteria for Acceptance of Hazardous Wastes for Direct Disposal to Secured Landfill (http://www.cpcb.nic.in/Hazardous%20Waste/disposal.pdf)

(8)

表 3.1-5 処分場への受け入れ基準(溶出基準) Leachate Quality * Concentration

PH 4 - 12 Total Phenols < 100 mg/l Arsenic < 1 mg/l Lead < 2 mg/l Cadmium < 0.2 mg/l Chromium-VI < 0.5 mg/l Copper < 10 mg/l Nickel < 3 mg/l Mercury < 0.1 mg/l Zinc < 10 mg/l Fluoride < 50 mg/l Ammonia < 1,000 mg/l Cyanide < 2 mg/l Nitrate < 30 mg/l

Adsorbable organic bound Chlorine < 3 mg/l Water soluble compounds except salts < 10%

Calorific value < 2500 K.Cal/kg

Strength

Transversal strength (Vane Testing) > 25 KN/m2 Unconfined Compression Test >50 KN/m2

Axial Deformation < 20 %

Degree of Mineralization or Content of Organic Materials (Original Sample)

Annealing loss of the dry residue at 550°C < 20% by weight (for non-biodegradable waste) < 5% by weight (for biodegradable waste) Extractible Lipophilic contents (Oil & Grease) < 4% by weight

Note: Leachate quality is based on Water Leach Test

処分場の技術要件としては、「有害廃棄物処分場クライテリア(Criteria for Hazardous Waste Landfills27)」(HAZWAMS/17/2000-01 ) 及 び 「 施 設 建 設 ガ イ ド ラ イ ン ( The guidelines of MoEF/CPCB(Guidelines for Setting up of Operating Facility- Hazardous Waste Management)」(HAZWAMS/11/98-99)により明確となり、二重ライナー、浸出水 処理施設の整備が必要となった。また、浸出水の放流基準についても規定されるようにな った。

(9)

表 3.1-6 浸出水の放流基準

出典:有害廃棄物管理規則(HAZWAMS/17/2000-01)AnnexureⅢ

エ)埋立処分か焼却の判断(焼却対象廃棄物の判断)も明確となった(有害廃棄物焼却ガ イドライン「GUIDELINES FOR COMMON HAZARDOUS WASTE INCINERATION」)。

処分場受入基準 溶出試験等 有害性判定基準 (TCLP) Yes 処分場 熱量2500kcal/kg 以上 焼却 No Yes Yes 物理化学処理又は 固形化処理 No (残渣) (液状物) (焼却灰) 図 3.1-1 埋立又は焼却の判断フロー 出典:「インド・バンガロール都市圏産業廃棄物処理施設建設調査」 平成18 年度 地球環境・プラント活性化事業等調査

焼却施設の技術要件としては、焼却ガイドライン(GUIDELINES FOR COMMON HAZARDOUS WASTEINCINERATION28)が規定され、次の点が明確になった。また、「焼

28http://www.cpcb.nic.in/Hazardous%20Waste/GUIDELINES-FOR-COMMON-HAZARDOUS-WASTEI NCINERATION.pdf

(10)

却が必要となる廃棄物29」として、廃溶剤、廃油、ハロゲン系、硫黄、リン酸、窒素化合物 を含む有機廃棄物等、その他、2,500kcal/kg 以上のカロリーのある廃棄物が例示されてい る。 • 焼却炉の構造基準(燃焼室、排ガス処理装置、煙突) • 保管、分析、投入メカニズム、モニタリング方法、灰の管理、排ガス処理装置から の排水管理 • 排ガス基準(以下、参照) • 運転管理基準(以下、一例) 等 2 次燃焼炉温度 1,100℃、滞留時間 2 秒を確保すること 1 年間の運転実績の後、2 週間の連続モニタリングの結果、1,100℃よりも低 い温度で該当基準を満足することを証明できた場合、低温での処理の許可のた めに州の公害管理局(SPCB)へ申請することができる。しかしどの条件にお いても、950℃以下、1.5 秒以下の条件は認められない スラグにおけるTOC が 3%以下、熱灼減量が 5%(乾燥重量)以下になるよう 運転を行うこと。 表 3.1-7 焼却施設の排ガス基準

出典:GUIDELINES FOR COMMON HAZARDOUS WASTE INCINERATION

29 Typical wastes that would need to be incinerated by the operator of TSDF may include・・・ (GUIDELINES FOR PROPER FUNCTIONING AND UPKEEP OF DISPOSAL SITES)との表記があ る。

(11)

有害廃棄物の排ガス基準案30(PROPOSED EMISSION STANDARDS FOR COMMON HAZARDOUS WASTE INCINERATOR)は、改訂のため 2007 年 9 月にパブリックコメ ントを受け付け改訂された。 ⑥廃棄物処理・リサイクルの実施状況 実施状況は 3.3、3.4 章に整理の通りであるが、産業由来の有害廃棄物については排出事 業者が有害廃棄物管理規則に則り自らまたは民間の廃棄物処理業者に委託され処理、処分 されるのが一般的である。環境上適正に処理する委託先が確保できない場合は、自社の敷 地内に保管することが規定されている。このため、大手の排出事業者は、自社内の焼却施 設(Captive facility)や保管または埋立施設を保有している31 また、家庭用電気製品(パソコン、携帯電話等を含む)、自動車、容器包装等の廃製品に ついては、家庭用電気製品を含む電気電子機器廃棄物(e-waste)の処理ガイドラインが策 定され、2008 年 3 月に公表されている以外、回収、リサイクルのシステムに係る法規制の 備は行われていない32。同ガイドラインでは、収集業者、解体業者、処理業者等が環境上適 正な方法でe-waste を取扱い、金属の回収等のリサイクルを行うことが奨励されている。 (2)行政組織の概要 インドの中央政府は、以下の通り49 の省庁と計画委員会等の独立の組織が総理大臣の下 に構成されている。 30 http://www.cpcb.nic.in/Hazardous%20Waste/Standards_CHWI.pdf 31 グジャラート州において有害廃棄物業者 6 社が稼動している。これは大手財閥系の排出事業者が処理に 伴う処理費を負担し委託処理を行う形態が成立しているためであると考えられる。 32 インド環境森林省のウェブサイトで策定されている。法規制の整備がないことはP4 に記載されている (http://www.envfor.nic.in/divisions/hsmd/guidelines-e-waste.pdf)。

(12)

図 3.1-2 インド中央政府の組織図

中央政府、州政府及び地方自治体(Urban Local Bodies: ULBs)には環境に関連する省 庁、部局が設置されており、それぞれの主な行政機構、役割は次のとおりである。

(13)

①中央政府

中央政 府に は、環 境政 策に関 連す る省庁 が複 数存在 する が、主 幹省 は環境 森 林 省 (Ministry of Environment and Forests: MoEF)である。その附属組織と位置づけられ政 策実施の役割を担う中央公害管理局(CPCB)33の他、都市部の上下水道、廃棄物インフラ の整備を担当する都市開発省(Ministry of Urban Development: MoUD)、廃棄物や自然エ ネルギー等の推進を担当する再生エネルギー省(Ministry of New and Renewable Energy: MNES)等が関連する中央行政機関である。 環境行政に関わる主要省庁の関係は図3.1-3 に示す通りである。 注)中央公害管理局(CPCB)の下にある地域事務所(Zonal Office)はバンガロール、コルカタ、ラクナ ウ等の6 カ所に存在する。州公害管理局(SPCB)の下にある地域事務所(District Office)は各州の主要 行政単位に存在する。 図 3.1-3 インドの環境部門の組織図 以下に環境森林省(MoEF)と公害管理局の役割と組織図を整理する。 (a)環境森林省(MoEF)の役割 環境森林省(MoEF)はインドにおける環境保全、環境関連の計画、調整等の全般を担当 し、環境行政の中核となる行政機関で、環境政策推進の法的枠組みの整備、動植物、森林、 野生生物の保護、環境汚染の防止と管理・規制(control)、荒廃地での植林・再生等、環境 政策推進の枠組みの整備、環境基準、各種ガイドラインの整備や通知の公表、条約の施行 等を行っている。 組織構造は、大別すると環境セクター(Environmental Sector)の部局と森林セクター (Forestry Sector)の部局に分かれている。大臣(Minister of State)以下、Secretary(次 33 設立時期、根拠法、役割等についてはhttp://www.cpcb.nic.in/about%20us/introduction.htmlに記載があ る。 環境森林省 他の省庁 中央公害管理局 地方事務所 中央政府 州政府 州公害管理局 地域事務所

(14)

官)、次官補(Additional Secretary)、局長(Joint Secretary)、アドバイザー34(Advisor) が置かれている。 表3.1-8 は、環境セクターにおかれている次官以下の局長、アドバイザーの職掌範囲を示 したものである。 表 3.1-8 環境森林省における環境セクターの主要な部門と職掌範囲 地位 部門35 主な職掌範囲 次 官 補 (Additional Secretary)

局長(Joint Secretary) BPN 有害物質管理部(The Hazardous Substances Management Division :HSMD):廃棄物担当 等 GB 生物多様性、ラムサール条約 等 JS POPs(残留性有機汚染物質)、中央 公害管理局の管理 JMM CDM、気候変動、オゾン層保護 Advisor SKS 気候変動、UNFCC の窓口 等 MSG クリーンテクノロジー、LCA、水質 モニタリング 等 GKP 環境保健、NRCP プロジェクト 等 RA フライアッシュ利用 等

AS(次官補)&FA FIN NAEB ( National Afforestation &Eco Development Board) 等 会計

特別次官

(Special Secretary)

局長(Joint Secretary) SM 広報、研究開発、NGO 等

Advisor RSA 経 済 関 係、国 際 交 渉協議 グ ル ー プ 等

RM エコクラブ、各種プロジェクト

SPS ENVIS(情報窓口) 等

出典:環境森林省 Organizational Structure of Ministry of Environment and Forests (2010 年 1 月 15 日現在)を参考に整理

環境セクター及び森林セクターの組織図は図3.1-4 及び図 3.1-5 のとおりである。

34 局長(Joint Secretary)と同列で部門の長として置かれている。

(15)

図 3.1-4 環境森林省の構造(環境セクター)

出典:環境森林省 Organizational Structure of Ministry of Environment and Forests (環境セクター)

(16)

図 3.1-5 環境森林省の構造(森林セクター)

出典:環境森林省Organizational Structure of Ministry of Environment and Forests (森林及び野生生物セクター)

(17)

環境森林省(MoEF)に関連する独立機関として、中央公害管理局(Central Pollution Control Board:CPCB)36の他、中央動物園管理局(Central Zoo Authority)37、G.B.パン

トヒマラヤ環境開発研究所(GBPIHED)38や森林、生物多様性に係る組織が設置されてい る。

(b)中央公害管理局(Central Pollution Control Board: CPCB)の役割

中央公害管理局(CPCB)は環境汚染の防止、管理及び緩和を目的とした独立機関である。 もともと1974 年に水法(The Water (Prevention and Control of Pollution) Act)に基づき 設立され、1981 年には大気法(The Air (Prevention and Control of Pollution) Act)によ り権限や役割が規定された39。その後、1986 年に制定された環境保全法(Environment (Protection) Act)の規定により環境森林省(MoEF)及び州公害管理局(SPCB)に対して 技術的な指導・助言も行うようになった他、公害管理に関する多数の役割を担っており、 各種環境政策の施行、ガイドラインの整備、環境基準・規制等のモニタリング等を行って いる40。前述のとおり、環境森林省(MoEF)からは独立した機関となっているが同省が所 管する法律の施行や関連政策の推進等において重要な役割を担っている。 ②州政府 州政府に設けられる環境局(Department41)が、各州の環境行政を推進している。州公 害管理局(SPCB)も各州に設置され、州政府(環境局)への技術的な指導・助言の他、環 境保護及び環境汚染の防止等を目的とした各種の取り組みの推進、環境基準の策定、調査 研究等を行っている。 有害廃棄物に関しては、中央政府が策定した法制度がそのまま踏襲されている。

③地方自治体(Local Bodies / Municipalities)

環境保全政策を推進する末端の役割は各地方自治体が担っている。例えば、地方自治体は 「都市廃棄物に関する規則(MSW Rules 2000)」を実行する責任を有しており、都市廃棄 物の収集・運搬、処分を行っている。 36 www.cpcb.nic.in/ 37 www.cza.nic.in/ 38 gbpihed.gov.in/ 39 中央公害管理局の設立は、もともと水法が設立根拠となっている(排水管理を目的に設立された背景か ら)。その後、環境全般についての汚染管理、緩和等を担うようになった。 40 河川の汚染状況や公害を発生する工場等のモニタリング、調査、分析は州公害管理局(SPCB)が行う が、全国的な汚染状況のとりまとめ、トレンド、要因分析、レポートの発行、調査研究等は中央公害管理 局(CPCB)が行う。

41 グジャラート州の環境局は、Mangubhai Chhaganbhai Patel 大臣(Minister)以下、SK Nanda 次官 (Principal Secretary)が州政府の内閣、局のトップをそれぞれ担っている

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(3)グジャラート州における環境政策 グジャラート州においては、現在、主に水分野と大気分野で取組みが多く進められてお り、環境意識向上のための取組みも並行して進められている。グジャラート州で実行中の 環境政策について表3.1-9 で、また、環境分野の重点政策を表 3.1-10 にまとめた。 表 3.1-9 グジャラート州における実行中の環境政策 分野 実行している政策内容 全般 ・汚染源への汚染管理対策徹底への命令書の発行 ・新しい産業の汚染管理の観点からの法的立地許可 ・汚染管理に関するトレーニング、セミナー、ワークショップの開 催 ・環境汚染管理に関する市民意識の醸成 水(大気と共通の政 策を含む) ・州に存在する井戸と河川の浄化の推進 ・水と大気の汚染防止・管理に関して州政府へ助言 ・下水・廃水のリユース・リサイクルの促進 ・河川流域のモニタリング ・水と大気の汚染に関わる技術的・統計的データの収集と蓄積 ・液体と気体の汚染物質の排出基準の設定 ・廃液と大気汚染物の処理方法の開発 大気 ・州における大気汚染の防止、管理、除去 ・主要都市の大気質のモニタリング 固体廃棄物 ・危険廃棄物の処分場の確定

出典:”Annual Report 2008-2009,” Gujarat Pollution Control Board

表 3.1-10 グジャラート州における環境分野の重点政策 分野 重点政策の内容 全般 ・新たな産業プロジェクトのためのサイトの選定 ・クリーナープロダクション技術の特定・開発・採用 水 ・深刻な汚染問題の発生源の特定と、廃液の処理及び関係機関・部 署を通じた安全な場所において廃液の処理を行い、その地域にお ける汚染を最小限に止める。 ・産業集積地における廃水の収集・処理・処分を行う共同施設 ・廃水の流域への排出の最小限化と、灌漑水としての処理水の再利 用とグリーンベルトの開発 大気 ・大気汚染の主要な原因の特定と大気法の条例の執行 固体廃棄物 ・危険廃棄物処分場の場所の選定と開発

(19)

3.2

有害廃棄物の発生状況 ここでは、代表的な環境負荷物質である廃棄物の発生状況について概括する。中でも産業 集積が顕著であるグジャラート州における産業由来の有害廃棄物の発生状況を整理した。 発生状況の把握は、後述するエコタウンの対象事業を検討する基礎資料として活用する。 (1)有害廃棄物発生の概況(他州との比較) インド全国における産業からの有害廃棄物の発生量は、表3.2-1 に示すとおり 2009 年 2 月に中央公害管理局(CPCB)が発表した調査(National Inventory of Hazardous Wastes Generating Industries & Hazardous Waste Management in India)によると全国で 3.6 万の工場・ 事業所から、約6.23 百万トン発生していると推計されている。 主な発生場所は、州別の発生量順にみると、グジャラート、マハラシュトラ、アンドラ・ プラデシュ、となっている。なお、同公害管理局が2003 年に発表した調査によると、総発 生量は8.2 百万トン発生し、ラジャスタン、マハラシュトラ、グジャラート、アンドラ・プ ラデッシュの順に発生量が多い結果であった。過去 6 年間で総発生量は減少しているが、 グジャラート州に関しては、2003 年の約 1.3 百万トンから 2009 年には 1.8 百万トンに増加 し、インド全土で最大の排出州となっている。

(20)

表 3.2-1インドにおける州別有害廃棄物の発生量

Quantity of Hazardous waste generation (MTA) S. No. Name Of State/UTs

Landfillable Incinerable Recyclable Total 1 Andhra Pradesh 211,442 31,660 313,217 556,319 2 Assam 3,252 7,480 10,732 3 Bihar 3,357 9 73 3,439 4 Chhattisgarh 5,277 6,897 283,213 295,387 5 Delhi (unverified) 3,338 1,740 203 5,281 6 Gujarat 1,107,128 108,622 577,037 1,792,787 7 Goa 10,763 8,271 7,614 26,648 8 Haryana 30,452 1,429 4,919 36,800 9 H.P. 35,519 2,248 4,380 42,147 10 J.& K. 9,946 141 6,867 16,954 11 Jharkhand 23,135 9,813 204,236 237,184 12 Karnataka 18,366 3,713 54,490 76,569 13 Kerala 59,591 223 23,085 82,899 14 Madhya Pradesh 34,945 5,036 127,909 167,890 15 Maharashtra 568,135 152,791 847,442 1,568,368 16 Manipur -- 115 137 252 17 Meghalaya 19 697 6,443 7,159 18 Mizorum 90 Nil 12 102 19 Nagaland 61 Nil 11 72 20 Orissa 74,351 4,052 18,427 96,830 21 Punjab 13,601 14,831 89,481 117,913 22 Rajasthan 165,107 23,025 84,739 272,871 23 Tripura 0 30 237 267 24 Tamil Nadu 157,909 11,145 89,593 258,647 25 Uttar Pradesh 36,370 15,697 117,227 169,294 26 Uttaranchal 17,991 580 11 18,582 27 West Bengal 120,598 12,583 126,597 259,777 U.T. 1 Daman, Diu, Dadra &

NH 17,219 421 56,350 73,990 2 Pondicherry 132 25 36,235 36,392 3 Chandigarh 232 -- 723 955

Total 2,728,326 415,794 3,088,387 6,232,507 出典:中央公害管理局(CPCB)発行(National Inventory of Hazardous Wastes Generating

Industries & Hazardous Waste Management in India, Feb. 2009)42

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有害廃棄物の処理・保管・処分施設(TSDF43)については、各州が最低一カ所整備(土 地の確保)し、施設の建設は、排出事業者が行い、環境アセスメントの実施、許可の取得 を行うこととなっているが、前述の調査では、処分場についてはグジャラート、マハラシ ュトラ、ウッター・プラデシュ、アンドラ・プラデシュ、ヒマーチャル・プラデシュ、メ ディヤ・プラデシュ、ウェストベンガル、パンジャブ、ラジャスタン、タミルナドの10州 に整備されているのみである。焼却施設については、6州でのみ整備が行われ、残りは個別 の排出事業者が敷地内に独自に整備を行っているが、約9万トンの焼却処理能力が不足して いる状況である44 また、中央公害管理局(CPCB)は州政府に向けて TSDF 整備に関するガイドラインを 整備しているが、計画中の TSDF の整備が計画通り、迅速に進まないことが課題となって いる。最近の傾向としては、セメントキルンにて有害廃棄物を代替原燃料として利用する 動きが出始めている。 (2)有害廃棄物発生・処理の概況 グジャラート州での有害廃棄物の排出状況について、次の通りとなっている。 有害廃棄物の品目別排出量、主な排出元となる産業種別のデータは、中央公害管理局 (CPCB)や民間の産業廃棄物処理業者に蓄積されたデータを基に本調査では、地理情報シ ステム(GIS)を用いて、グジャラート州の廃棄物別、産業別の排出状況を整理した。 1) 分析領域と目的 分析は、以下の通り行った。 (a) 主要な有害廃棄物、処理方法、排出源の産業は、地理的分布と関係づけて 分類した。 (b) 廃棄物の排出状況は行政地区(県/District)の下の行政区分単位である地 区/Sub-district あるいは Taluka 別区分で分析した。 (c) 産業活動別に有害廃棄物の排出状況を分析した。 分析の目的としては、以下の通りである。 (a) 産業と廃棄物排出状況の相互関係の把握 (b) グジャラートにおける地区毎の廃棄物排出状況の主要な特性の把握 (c) 地区単位での廃棄物排出状況に寄与する主要産業の把握 (d) 特定の廃棄物の主要排出源の地理的・空間的な状況把握 2) アプローチと方法論 (a) 目的を達成するためにとられたアプローチを方法論として以下にまとめる。 (b) CPCB と民間廃棄物処理業者から提供された廃棄物排出状況にかかるデー タの詳細なレビュー (c) 廃棄物の廃棄物属性を地区別にスプレッドシートに入力し、地理区分への 43 T=Treatment(処理)、S=Storage(保管)、D=Disposal(処分)の頭文字をとり、通常は有害廃棄物 の関連施設を表す。

44 中央公害管理局(CPCB)発行 National Inventory of Hazardous Wastes Generating Industries & Hazardous Waste Management in India, Feb. 2009 の第5章(Chapter 5)に記載あり。

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データ分類及び編集 (d) つぎに廃棄物排出量のスプレッドシート分析、図のイメージ化作業、およ びGIS データ準備化 (e) 上記分析に基づく主題図の作成。 (f) 様々な角度からのデータ分析によって、グジャラート州一般の廃棄物排出 状況の把握と、特定の廃棄物における排出パターン、排出源の原因となる 産業の分析を行った。 なお、本調査での分析内容は以下の 4 つのパート別に整理した。 • PART 1(グジャラート州の廃棄物排出状況について概観) • PART 2(地理的スケールをより詳細な単位で廃棄物の排出の特性を概観) • PART 3(産業活動と廃棄物排出状況を関係づけ主題図を提供) • PART 4(グジャラート州における主要な産業廃棄物の品目別の詳細な分析) PART 1 グジャラート州には、石油化学製品、エンジニアリング、テキスタイル、製薬、エネル ギーと、鉱物加工産業などの産業集積が進んでいる。州内の有害廃棄物の排出量は、約179 万トンとなっている。 有害廃棄物管理規則の分類によると、処分対象の廃棄物が約 62%、焼却対象の廃棄物が 約6%、リサイクル可能廃棄物が 32%となっている。 焼却対象廃 棄物 6% リサイクル 対象廃棄物 32% 埋立処分対 象廃棄物 62% 図 3.2-1 グジャラート州における有害廃棄物の種類別発生状況 出典:中央公害管理局(CPCB)発行(National Inventory of Hazardous Wastes Generating Industries & Hazardous Waste Management in India, Feb. 2009)45

州内の主要都市別の排出状況をみると、バルーチ(Bharuch)における有害産業廃棄物 の排出が最も多く、ついでアーメダバード(Ahmedabad)カンダル(Kandla)とムンドラ

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(Mundra)地区を含むカッチ(Kutch)での排出が多い状況となっている。 なお、バルーチ、アーメダバードの 2 都市は、インド全土で有害廃棄物の排出が多い都 市の1、2 番目となっており、全国的に見ても排出量が多くなっている。 上記の都市は、産業集積が顕著に進んでいる都市であり、地区別ではアーメダバードの Daskroi 地区(24 万 7,863 トン)が最も多く、ついてスーラットの Chorasi 地区(9 万 80 トン) が続き、バルサッド(Valsad)の Pardi(8 万 9,906 トン)が第 3 番目となっている。 表 3.2-2 グジャラート州の地区別産業廃棄物排出量と種類別の排出状況(単位:トン) DISTRICT Landfillable Waste Recyclable Waste Incinerable Waste Total AHMEDABAD 221,832 134,960 3,692 360,484 AMRELI 149 135 460 744 ANAND 19,443 44,716 116 64,275 BANASKANTHA 222 1,369 8 1,599 BHARUCH 304,345 114,485 48,270 467,100 BHAVNAGAR 3,496 31,917 2,738 38,151 DOHAD 1 0 0 1 GANDHINAGAR 38,075 9,723 843 48,641 JAMNAGAR 12,956 13,717 199 26,872 JUNAGADH 1,949 1,492 0 3,441 KHEDA 512 2,570 829 3,911 KUTCH 217,149 40,154 2,903 260,206 MAHESANA 25,678 29,074 1,975 56,727 NARMADA 13 20 0 33 NAVSARI 8,434 632 265 9,331 PANCHMAHAL 2,504 2,004 5,638 10,146 PATAN 56 662 52 770 PORBANDAR 1,643 52 0 1,695 SABARKANTHA 4,570 4,968 123 9,661 RAJKOT 3,003 5,052 183 8,238 SURAT 87,456 23,141 2,701 113,298 SURENDRANAGAR 581 31 0 612 VADODARA 51,564 88,901 30,769 171,234 VALSAD 101,497 27,262 6,858 135,617 Total 1,107,128 577,037 108,622 1,792,787

出典:中央公害管理局(CPCB)発行(National Inventory of Hazardous Wastes Generating Industries & Hazardous Waste Management in India, Feb. 2009)

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Ahmedabad Surat (Unit: MT) Bharuch Kutch Vadodara Bhavnagar 有害廃棄物発生量 34万トン(地区全体) 有害廃棄物発生量 14万トン(地区全体) 有害廃棄物発生量 47万トン(地区全体) 有害廃棄物発生量 11万トン(地区全体) 有害廃棄物発生量 3.7万トン(地区全体) 有害廃棄物発生量 26万トン(地区全体) 図 3.2-2 産業有害廃棄物の地区別排出状況 グジャラート州における有害廃棄物のTSDF は、下図のように DMIC に沿う形で 6 施設 が整備されている(08 年 3 月に 7 施設)。 3 5 1 6 4 2 7 図 3.2-3 グジャラート州における有害廃棄物 TSDF の配置状況 出典:Green Gujarat(GSPC 編集)

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グジャラート州のTSDF の処理能力は以下の通りで、全施設のうち 3 つは処分施設のみ を有しており、3 つに焼却施設が整備されている。処分施設の埋立能力は、合計で 6.5 百万 トン程整備されている一方、焼却施設の能力については1.15 万トンの整備である。同州で は年間170 万トンの有害廃棄物が発生しており、1.1 百万トンが埋め立て、11 万トンが焼 却処理対象となっている。従って、埋立処分施設の現有処理容量には余裕があるが、焼却 施設については、処理能力が不足している状況である。 図 3.2-4 グジャラート州における有害廃棄物 TSDF 施設の能力 グジャラート州は TSFD 施設能力を他州のそれと比較すると、全国で最も施設の整備が 進んでいる州である46 同州の TSDF 施設のうち、最大の処理の処理能力を有するのは、スーラットを拠点とす るGEPIL 社となっている。 PART 2 グジャラート州において排出されている廃棄物の特性としては、合成染料、染料中間剤、 および顔料など、品目No.26 に分類される品目が全体の約 26%と多く、次に多い品目とし ては、品目No.34 に分類される廃棄物で、廃水処理汚泥で全体の 17%を占めている。 地理的には、染料関係の廃棄物を最も多く排出している地域は図 3.2-6 に示した通り Daskroi 地区が最も大きい排出地区となっている。また No.34 の有害廃棄物に関しては、 Bharuch 県の Anklesvar 地区がグジャラート州での主要な排出地区となっている(図 3.2-7)。

46出典:中央公害管理局(CPCB)発行(National Inventory of Hazardous Wastes Generating Industries & Hazardous Waste Management in India, Feb. 2009)

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図 3.2-5 グジャラート州における有害産業廃棄物排出量の品目別の割合

(27)

図 3.2-7 有害産業廃棄物‐品目 No.34(廃水・排気処理物関係)の地理空間における排出状況 地理的な分布でみると、有害廃棄物の大部分は、バルーチとアーメダバード周辺に集中 しており、全排出量の46%を占めるに至っている。バルーチでは 46 万 6,811 トンの有害廃 棄物が排出されており、このうち28%が品目 No.34(排煙の浄化からの残渣、有害物資を 含んだイオン交換物質の残渣、廃水装置からの化学物質汚泥、化学物質汚泥、廃油及び潤 滑油の残留物)となっており、17%が品目 No.17(鉱酸の製造過程で排出される残渣、塵埃、 濾過ケーキ、使用済み触媒など)となっている。二番目に排出量の多い県としては、アー メダバードが挙げられ、33 万 6,531 トンの有害産業廃棄物を排出しており、品目 No.26 が 同都市の55%を占める主要な廃棄物となっている。 図 3.2-8 グジャラート州における有害産業廃棄物排出量の都市別の割合

(28)

PART 3 有害廃棄物の排出傾向を産業部門別に分析することによって、様々な廃棄物の特徴的な 排出環境を把握することができる。よってここでは有害産業廃棄物の発生状況を、主要産 業セクターと関係づけた分析を試みる。まずグジャラート州における産業別分布を主題図 に示すと、以下のようになる。 図 3.2-9 グジャラートにおける主要産業の企業数の分布図 上記の主要産業の分布状況と、主要排出都市における産業別の排出量割合との比較分析 では、都市毎に異なる排出状況が見られる。 産業別の廃棄物の品目についても織物・繊維製品産業の集積が進んだ地域であるアーメ ダバードやスーラットにおいては、染色産業部門からの排出量が多く、また化学製品や製 薬産業の集積が進むバルーチでは、有害廃棄物の大部分がそれらの産業から排出されてい る状況となっている。

(29)

図 3.2-10 有害産業廃棄物の主要排出県における産業セクター別の割合 BHARUCH 17% 6% 16% 51% 3% 2% 1% 1% 1% 3%

OIL REFINING/ PETROLIUM ENGINEERING ASBESTOSE CHLOR-ALKALI METALS CHEMICALS PLASTIC TEXTILE DYES DRUG/PHARMACEUTICALS PESTICIDE DRUG/PHARMACEUTICALS DRUG/PHARMACEUTICALS PULP & PAPER MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS OTHER KUTCH 30% 44% 5% 3% 3% 14%

OIL REFINING/ PETROLIUM ENGINEERING ASBESTOSE CHLOR-ALKALI METALS CHEMICALS PLASTIC TEXTILE DYES DRUG/ PHARMACEUTICALS PESTICIDE DRUG/ PHARMACEUTICALS DRUG/ PHARMACEUTICALS PULP & PAPER MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS OTHER VALSAD 10% 35% 7% 20% 9% 13% 1% 2% 1% 1%

OIL REFINING/ PETROLIUM ENGINEERING ASBESTOSE CHLOR-ALKALI METALS CHEMICALS PLASTIC TEXTILE DYES DRUG/ PHARMACEUTICALS PESTICIDE DRUG/ PHARMACEUTICALS DRUG/ PHARMACEUTICALS PULP & PAPER MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS OTHER SURAT 4% 22% 35% 2% 3% 34%

OIL REFINING/ PETROLIUM ENGINEERING ASBESTOSE CHLOR-ALKALI METALS CHEMICALS PLASTIC TEXTILE DYES DRUG/PHARMACEUTICALS PESTICIDE DRUG/PHARMACEUTICALS DRUG/PHARMACEUTICALS PULP & PAPER MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS OTHER JAM NAGAR 23% 11% 38% 26% 1%

OIL REFINING/ PETROLIUM ENGINEERING ASBESTOSE CHLOR-ALKALI METALS CHEMICALS PLASTIC TEXTILE DYES DRUG/ PHARMACEUTICALS PESTICIDE DRUG/ PHARMACEUTICALS DRUG/ PHARMACEUTICALS PULP & PAPER MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS OTHER AHM EDABAD 11% 56% 1% 1% 24% 5% 1% 2% 1% OIL REFINING/PETROLIUM ENGINEERING ASBESTOSE CHLOR-ALKALI METALS CHEMICALS PLASTIC TEXTILE DYES DRUG/PHARMACEUTICALS PESTICIDE DRUG/PHARMACEUTICALS DRUG/PHARMACEUTICALS PULP & PAPER MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS MISCELLANEOUS OTHER

(30)

PART 4 有害廃棄物の品目別に、どの地域で排出されているのかを整理した。以下は、グジャ ラート州における個別の有害産業廃棄物品目別の排出状況について、地理的な排出状況 を図示したものである。 S. No.1 S. No.2 S. No.3 S. No.4 S. No.5 S. No.6

(31)

S. No.7 S. No.8

S. No.9 S. No.10

S. No.11 S. No.12

(32)

S. No.15 S. No.16

S. No.17 S. No.18

S. No.19 S. No.20

(33)

S. No.23 S. No.24

S. No.25 S. No.26

S. No.27 S. No.28

(34)

S. No.31 S. No.32 S. No.33 S. No.34 S. No.35 S. No.36 (2)まとめ 有害廃棄物の排出が多いのはバルーチ、アーメダバード、スーラット等の都市である。 これらの都市は、産業集積が顕著に進んでいる都市であり、アーメダバードやスーラット では繊維産業や染色産業、バルーチでは化学、製薬等の集積が顕著で、有害廃棄物の大部 分がそれらの産業から排出されている。

(35)

3.3

非有害廃棄物の発生状況 有害廃棄物管理規則により規定される廃棄物以外の発生状況について整理、リサイクル の可能性についても整理する。 整理にあたっては、官民連携のエコタウン整備の可能性の観点から、既存の廃棄物処理 事業では手付かずとなっている非有害廃棄物の品目を以下の通り特定しインベントリー調 査を行って、事業化の可能性を調査していくこととした。 リサイクルビジネスの潜在的な担い手となる主たる民間事業主体として、2008 年 11 月 に実施された GDIC の代表を団長とする投資誘致訪日ミッションの一員でもあった産業廃 棄物処理事業者(GEPIL 社)の協力を得て行った。 1 E-Waste(電気電子機器廃棄物) 2 鉄鋼スラグ 3 廃蛍光管 4 廃プラスチック 5 銅スラグ・銅くず 6 廃酸・廃アルカリ 7 廃繊維 8 廃タイヤ 法律では有害廃棄物の分類にはない以下の廃棄物については、今後工業化、都市化、所 得増加等により問題の顕在化が見込まれることから、インベントリー調査を行っていた。 また、民間事業主体のひとつである GEPIL 社が事業化の関心を示している対象でもあり、 調査チームとの協議において優先廃棄物として対象化した。なお、その他グジャラート州 には繊維業が多いことから廃繊維も対象として含めた。 また、廃棄物発生側の状況とともに、それら廃棄物を循環資源として大口ユーザーとなり うる動脈系産業の状況を把握した。そこで、廃棄物をリサイクルし、それを大口で利活用 しうる動脈産業との連携の可能性についても把握する。例えば、州内には製鋼メーカーや セメント、銅製錬等の素材産業の立地があることから、廃棄物の産業原燃料利用の観点か ら調査を実施した。 (1)E-Waste(電気電子機器廃棄物) 廃製品の排出量は多くないが、今後増加の可能性が高くリサイクル事業への対応を優先 的に図りたいとグジャラート側が希望している対象物である。 グジャラート州では、現状は、インフォーマルセクターによる処理が主流となっている。 処理施設(50∼52 トン/月発生)。 一方で、デリー地区等では回収されたE-Waste の一次解体後、プリント基板が取り外さ

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れ、欧州の非鉄製錬業者(U 社)に貴金属回収目的で輸出されている。 グジャラートでは、廃製品として発生している量の全体像はつかみ切れていないが、一 部では一次解体、プリント基板の取り外し等が行われている。また、銅の製錬(Smelter) 業者(B 社)が稼動していることから、多数の精錬業者が存在しており、アクセサリー類製 造端材からの銅回収等は実施されている。また、ATM 等の OA 機器も相当量発生している との情報もある。 (2)鉄鋼スラグ 年間500 万トンの生産を行う製鉄所がハジラにて稼働中(今後 900 万トンまで増強予定)。 スラグの発生量は80,000t/月で、鉄の増産計画もあり将来的に更に増えるので、スラグ の再利用を含め、量の削減は今後必要な状況にある。 発生しているスラグの鉄の含有量は25∼30%で日本の例と同程度である。鉄鋼スラグか らの鉄回収については現在行っていない。 (3)廃蛍光管 工場地帯からの蛍光管が大量に発生しているが、現在は両端の口金のみ取り外され金属 スクラップとしてリサイクルされている。または、そのまま埋立処分されている。作業は、 負圧状態での解体ではないため、水銀を含む蛍光粉の飛散による環境、健康被害が懸念さ れる。 有害廃棄物として回収されていないため、全体での発生量がつかめていない状態である が、24 時間稼動の工場を含め既存事業所からの蛍光管が定常的に排出される状況にある。 (4)廃プラスチック HDPE(高密度ポリエチレン)、PP 等のプラスチックは、ペレット加工して汎用再生プ ラスチック原料としてリサイクルされている。ポリエステルについては、繊維業から発生 している。 (5)銅スラグ・銅くず 州内の大手銅製錬工場から年間60∼80 万トンほどの製錬くずが排出されている。成分は、 銅分0.7%、鉄分 40%、シリカ分 30%となっている。有効な処理方法を模索している。 また、二次精錬くずのリサイクルが小規模事業者により実施されているが排水や残渣処 理等の公害対策が課題と考えられる (6)廃酸・廃アルカリ 化学工業から大量に発生している。現在は一部中和処理され、埋立処分されている。

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(7)廃繊維 地場産業のひとつである繊維業からポリエステル、ナイロン残渣が多量に発生している。 焼却、埋立以外の方法を模索中である。 約 1,200 トン/月発生するナイロン残渣・ポリエステルは、高付加価値利用の可能性があ るが、経済性が要件となっている。 (8)廃タイヤ 自動車修理工場、タイヤ販売店等から排出され、燃料としてリサイクルまたは輸出され ている状況である。

3.4

廃棄物の排出状況(ケーススタディー) 環境負荷物質のうち、排ガス、廃水については公害防止装置の導入により対応を図るこ とが可能である一方、廃棄物については第三者へのアウトソーシングが基本であるため環 境上適切な委託先の確保が重要なテーマであり、課題を抱えることが多い。そうした点を 考慮して廃棄物の適正処理とリサイクルの状況、リサイクル資源の利用可能性等について インドの大手財閥系企業等の他、日系企業を対象に調査した。 (1)インド系企業における状況 産業から排出される廃棄物について、排出事業者における発生、対応状況と処理施設に おける処理状況等について整理する。対象としたのは以下の通りである。 ① E-Waste ② 鉄鋼スラグ ③ 廃蛍光管 ④ 廃プラスチック ⑤ 銅スラグ・銅くず ⑥ 廃酸・廃アルカリ ⑦ 廃繊維 ⑧ 廃タイヤ ①E-Waste(電気電子機器廃棄物) 現在の流通状況 一般家庭から排出されるE-Waste は、個人買取業者もしくは修理工場を経て、仲買人の 手に渡り、最終的には再生業者が購入していく構造となっている。

(38)

図 3.4-1 E-Waste の流通ルートと売却価格 上記の通り、E-Waste は、主に、個人買取業者から仲買人を経て再生事業者に引き渡され ているが、それぞれの売却価格は以下の表3.4-1 のような価格帯で売却されている。 表 3.4-1 E-Waste の流通価格 モニター 基板 ハードディスク SMPS ブラウン管 個人買取業者 200 Rs/個 50 Rs /個 25 Rs /個 15 Rs /個 200 Rs /個 仲買人 450 Rs /個 200 Rs /Kg 35 Rs /個 25 Rs /個 250 Rs /個 再生事業者 650 Rs /個 220 Rs /Kg 55 Rs /個 40 Rs /個 300 Rs /個

グジャラート州におけるE-Waste の主な中継地は、Ahmedabad, Surat, Vapi, Baroda で あり、そこからMumbai や Delhi に送られ、貴金属やプラスチックが回収されている。

表 3.4-2 E-Waste の概要

項目 内容 中継地 Gujarat 州 (Ahmedabad, Surat, Vapi, Baroda), Mumbai, Delhi

リサイクル先 部品リユースや素材リサイクル、特に15 インチ CRT は変圧器や基板を 交換して再度テレビとして再製造されている。 リサイクル素材 貴金属やプラスチックを回収 発生量・排出量 インドにおけるE-Waste の発生量を以下の表 3.4-3、表 3.4-4 に、それぞれ州単位、都市 単位で多い順に上位10 件を示す。州単位で見た場合、グジャラート州は 8 位にあたり、都 市単位で見た場合、アーメダバードが7 位、スーラットが 9 位に位置している。 表 3.4-3 E-Waste の発生量(上位 10 州)

都市名 Maharastra T.N A.P U.P W.Bengal 発生量(t) 20,270 13,486 12,780 10,381 10,059 都市名 Delhi Karnataka Gujarat M.P Punjab

発生量(t) 9,729 9,118 8,994 7,800 6,958 個人買 取業者 一般家庭 再生業者 輸入 輸出 仲買人 修理工場

(39)

表 3.4-4 E-Waste の発生量(上位 10 都市)

都市名 Maharastra Mumbai Delhi Bangalore Chennai Kolkata

発生量(t) 20,270 11,017 9,730 4,648 4,132 4,025

都市名 Ahmedabad Hyderabad Pune Surat Nagpur

発生量(t) 3,287 2,833 2,584 1,836 1,768

各都市のE-Waste の発生状況は以下の表 3.4-5 の通りとなっており、Mumbai のケース を除いては小規模の廃品回収業者が一時処理を行い、その後、Delhi, Mumbai, Banglore といった都市に売却している。その一部はそこから海外へ輸出されている(詳細は表3.4-7 を参照)。

表 3.4-5 各都市の E-Waste の発生状況 都市 内容

Surat さまざまなE-Waste が Mr. Riswan (デリーのスクラップ業者)によっ てが回収されており、そこからデリーのリサイクル業者や輸出業者に 引き渡されている。

Vapi 小規模な廃品回収業者がE-Waste を回収しており、デリーから仲買人 が来た際に売却している。

Baroda スーラット同様に、スクラップ業者によってが回収されており、そこ から Delhi, Mumbai, Banglore のリサイクル業者に引き渡されてい る。

Valsad Valsad には大きな E-Waste 回収業者はなく、個人回収業者が電子廃棄 物を回収しスーラットに供給している。

Ahmedabad Saraspur と呼ばれる地域に集中している 4、5 の廃品回収業者が E-Waste を回収しており、回収したものはすべてデリーに売却されて いる。

Mumbai Kurla と呼ばれる場所の廃品回収業者が E-Waste を回収しており、 Delhi, Hydrabad, Banglore に供給している。回収業者の多くはまとま った数量での回収が可能である。 リサイクル・処分状況 インドにおけるE-Waste(電子廃棄物)の構成比率を以下の表 3.4-6 に示す。 表 3.4-6インドにおける E-Waste の構成比率 平均重量 鉄 非鉄 ガラス プラスチック 電子部品 その他 冷 蔵 庫 ・ 冷凍庫 48 64.4 6 1.4 13 0 15.1 PC 29.6 53.3 8.4 15 23.3 17.3 0.7 テレビ 36.2 5.3 5.4 62 22.9 0.9 3.5 注:単位は平均重量はKg、その他は%(構成比) 各都市におけるE-Waste の処理業者とその概要は以下の表 3.4-7 のようになっており、

(40)

特徴としては、デリーの処理業者の規模が他の都市の処理業者の規模よりも大きく、また その数も多いことが挙げられる。 表 3.4-7 各都市における E-Waste 処理業者 都市 名称 業種 処理能力(月) 価格(単位:ルピー) Western Trade スクラップ全 般 Elect.waste – 1.5 ton/month

Elect Panel – 1 ton Metal- 5 ton Copper – 5 ton Elect Panel – 40/ kg Wire – 40/ kg Jitu Bhai junawal 廃PC 300 monitor

1 ton Monitor – 500/piece Hard disc – 45/piece Key board- 8/kg

Mother board -50 per piece Body -10/kg

A to Z scrap

スクラップ 変動あり Delhi

scraper 電子廃棄物 11 ton Monitor – 500 Hard disc – 45 Key board- 8/kg

Mother board -50 per piece Body -10/kg TV Color- 300 b/w – 80 Tv scrape- 15/kg P.C Solution PC サービスプロバイダ Power supply-40/piece

Monitor 14inch – 500/Piece

17inch – 400 Cd drive – 20/piece Mother bord-70/piece Sunny scrap 金属くず、混 合くず Cirkit – 100/kg Key Board – 8 to 10 /kg ス ー ラ ッ ト Vinod Radio Service Nr. Surat Station, Surat-03 電子廃棄物 TV , CD Player, VCD scrape 7 ton

Auction at every 6 month

Shapan Electronics 電子基板 1.5 ton/ Year バ ロ ー ダ

Gulab bhai 電子廃棄物 200 monitor 200 monitor (B/W) 150 TV

1.5 ton power supplier

Monitor – 600/piece Mother board- 100/piece Hard disc- 45 /piece Power supply-40 Key board- 8/kg TV-300/ piece

(41)

都市 名称 業種 処理能力(月) 価格(単位:ルピー) K.T.

Computer Pune

電子廃棄物 2000 monitor 6 ton Mother board 2 ton Power Supply 2 ton General parts

Monitor- Rs. 600/ piece Mother board Rs. 200/ kg Power Supply Rs. 75/kg Hard disc Rs. 45/piece Keyboard Rs. 8-10/kg Babu bhai PC 修理 Power supply-35 piece

Monitor 15th – 500/piece Mother bord-70/piece ア ン ク レ シ ュ ワ ー ル Yashim bhai 電子廃棄物

1 ton Monitor – 700/piece Mother board – 100/piece Smps – 35/piece

Hard disc – 45-50/piece Mehta

Brother 電気店 10 ton/ 4 mnt Power supply-35piece Monitor 15th – 500/piece

17th – 250

Cd drive – 20/piece Mother bord-70/piece Rajesh

Patel スクラップ 1 ton Monitor – 750/piece Mother board – 100/piece Smps – 35/piece

Hasim

bhai スクラップ 8 ton Monitor – 750/piece Mother board – 100/piece Smps – 35/piece

Hard disc – 45-50/piece

ア ー メ ダ バ ー ド

samsu bhai スクラップ 8 ton Monitor – 750/piece

Mother board – 100-110/piece Smps – 35/piece

Hard disc – 45-50/piece Hidayat

bhai 電子廃棄物 12 ton Monitor – 650/piece Mother board – 200/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece Samirbhai 電子廃棄物 6 ton Monitor – 650/piece

Mother board – 200/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece Hafizullah 電子廃棄物 6 ton Monitor – 650/piece

Mother board – 200/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece Hashim

khan Arif khan

電子廃棄物 6 ton Monitor – 650/piece Mother board – 200/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece

ム ン バ イ ︵ Mum bai ︶ Kisan

k.Vaish 電子廃棄物 3 ton Monitor – 650/piece Mother board – 200/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece

(42)

都市 名称 業種 処理能力(月) 価格(単位:ルピー) Shaukat

Ch 電子廃棄物 1 ton Monitor – 650/piece Mother board – 200/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece Nanee

Computer

個人リサイク ル業者

35 ton Monitor – 600/piece Mother board – 220/kg Smps – 40/piece H.disc – 55/piece SIM card – 1000/kg Mobile circuit- 900/kg Mohmad Aeshan 個人リサイク ル業者

20 ton Monitor – 600/piece Mother board – 220/kg Smps – 40/piece, H.disc – 55/piece Mobile circuit – 900/ kg Noshad 個人リサイク ル業者

53 ton Monitor – 650/piece Mother board – 220/kg Smps – 40/piece, H.disc – 55/piece mobin 個人リサイク

ル業者

36 ton Monitor – 650/piece Mother board – 220/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece Imran 個人リサイク

ル業者

30 ton Monitor – 650/piece Mother board – 220/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece monu 個人リサイク

ル業者

30 ton Monitor – 650/piece Mother board – 220/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece Mohmmad

shokeen

個人リサイク ル業者

35 ton Monitor – 650/piece Mother board – 220/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece Mr. Armit

Jain

個人リサイク ル業者

45 ton Monitor – 600/piece Mother board – 220/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece SIM card- 1,000/kg Mobile circuit – 900/kg デ リ ー Mr. Sanjay patel 個人リサイク ル業者

35 ton Monitor – 600/piece Mother board – 220/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece SIM card- 1,000/kg Mobile circuit – 900/kg

(43)

都市 名称 業種 処理能力(月) 価格(単位:ルピー) Mr.Mohd

Islam

個人リサイク ル業者

30 ton Monitor – 600/piece Mother board – 220/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece SIM card- 1,000/kg Mobile circuit – 900/kg Hiralal 正規取引業者 25 ton Monitor – 200/piece(scrap)

Mother board – 220/kg Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece Mr.Surjeet

Singh anand

正規取引業者 25 ton Monitor – 200-300/piece(scrap) Mother board – 220/kg

Smps – 40/piece Hard disc – 55/piece Mr.

Sachdev 正規取引業者 25 ton Monitor – 200 300/piece(scrap) Mother board – 220/kg Smps – 40/piece H.disc – 55/piece,Battery – 35/kg (廃品回収、手解体・分別業者 於Surat) ・ 店先で機器の部品(金属、プラ、基板、配線等)ごとに解体、分別している。Service Center から動かない家電を買い取ってきて、基板やPC 部品などはデリーに送っている。 ・ 集まってきている家電は多くなく、中古品として再利用しているものが他に多数あると 推測される(Surat では中古市場が毎週土曜に開催されるとのこと)。 分離されたプリント基板 配線の回収状況

(44)

鉄の分解作業 収集された廃製品の集積状況

②鉄鋼スラグ 現在の排出状況

Hazira の Essar Steel より発生する鉄鋼スラグを対象としており、HBI(Hot Briquetted Iron:直接還元製鉄法)と市中回収スクラップ(原料全体の6%のみ)を原料に電炉による 製鋼(年間450 万トンの生産能力に対して、360 万トンの生産)を天然ガスを燃料として 使用して行っている。 図 3.4-2 エッサースチールのスラグ発生のプロセス 発生するスラグは年間60∼80 万トンあり、現状では、自社敷地内で埋め立てを行ってい る。今年6月に新たに高炉が完成予定であり、稼動すれば 500 万トンの製鋼が行われる見 込みでより大量の高炉スラグが新たに定常的に発生するため、スラグの処理は喫緊の課題

(45)

となっている。 表 3.4-8 スラグの概要情報 項目 内容 スラグの発生量 60∼80 万トン/年 鉄の含有率 30∼35% 現在の処理方法 自社の敷地内に埋立 今後のリサイクルの可能性 現在、電炉スラグのリサイクルの検討を行っており、2 つのフェーズを考えている。第一 フェーズは、路盤材、埋め戻し材、鉄道バラスト、護岸材としての利用、タイル製造を行 うことで物理的な廃棄量の削減を目指している。第二フェーズでは、電炉スラグからの鉄 分を回収し、鉄分のリサイクルを実施していきたいとの希望がある。 表 3.4-9 エッサースチールによるスラグのリサイクルの方向性 項目 内容 第一フェーズ 路盤材、埋め戻し材、鉄道バラスト、護岸材、タイル 第二フェーズ 電炉スラグからの鉄分回収 ○その他の廃棄物 ・日本の製鉄所で一般化している廃プラスチックを高炉吹き込み用の還元剤、又はコーク ス代替として利用する技術や回収ダストからの鉄分回収(現在年間3.6 万トン発生、鉄含有 は30∼40%)についてもニーズがある。現在、ダストからのレンガ製造については技術的 に可能であることが分かっている。現状はすべて廃棄している。 ・E-Waste についてはエッサースチールだけで 20,000 台のパソコンや LAN 機器が使用さ れており、その他にも、電気機器の廃棄物が出る。現在は依頼できるリサイクル施設が無 い状況で、廃棄されている。 エッサール製鉄ハジラ工場 エッサール製鉄ハジラ工場

(46)

エッサール製鉄ハジラ工場(対岸より) エッサール製鉄ハジラ工場 ハジラ施設の外観(HP より) ③廃蛍光管・ガラス 現在の流通状況 ガラスはそれぞれの排出源から個人や回収業者によって集められ、素材、色によって選 別された後、ガラス原料としてガラス工場に販売されている。 図 3.4-3 廃ガラスの流れ 蛍光灯については、ごく一部回収されてきてはいるものの、ほとんどリサイクルされて いない。 一般家庭、 事業所 個人 回収業者 ガラス選別 業者 ガラスリサ イクル工場 仲買人 ガラスリサ イクル工場

(47)

発生量・排出量 廃ガラスは各都市とも均一に排出が行われている。ただ、現地調査で確認した結果、グ ジャラート州では禁酒を行っているにも関わらず、多くのアルコール飲料の空きびんがリ サイクルされていたため、他の州からの流入も発生していると考えられる。 表 3.4-10 廃ガラスリサイクルの概要 項目 内容

中継地 Vapi, Surat, Kosamba, Ankleshwar, Valsad

廃棄物の発生量 Vapi:400-500 トン/月、Surat: 600-700 トン/月 Kosamba:700-800 トン/月、Ankleshwar:600 トン/月 リサイクル先 ジュース類のびん等、蛍光灯はリサイクルされていない リサイクル・処分状況(ガラス選別所 於Vapi) ・ ビンはそのままの形で、色別・用途別に手選別で仕分けられている。 ・ 破断されたビンの口は、口元とラベルのプラを取り出すためにハンマー等で一つ一つ砕 いている(手作業)。 ・ 一部、一緒に搬入されると見られる蛍光管、ペットボトル、金属、硬質プラ等も仕分け されている。 処理状況47 選別されたペットボトル ガラスの選別状況 蛍光管 47 ビンの口は、口元とラベルのプラを取り出すためにハンマー等で一つ一つ砕いている(手作業)

表 3.1-3 環境保全法の概要  1 章  序  1条 タイトル、範囲、発効  2条 定義  2 章 中央政府の権限  3条 環境の保護と改善のための対策を実施する中央政府の権限  4条 担当官の指名及びその権限と機能  5条 指導権限  6条 環境汚染を規制する規則  3 章 環境汚染の防止・規制・緩和  7条 工場を運営する者、操業者は基準を超えて環境汚染物質を排出することの禁止  8条 有害物質を取り扱う手順の遵守  9条 特定分野の監督機関、組織への情報の提供  10条 立入・検査の権限  11条
表 3.1-5  処分場への受け入れ基準(溶出基準)
表 3.1-6 浸出水の放流基準
図 3.1-2 インド中央政府の組織図
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参照

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