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『知っておきたい 不動産所有コストの中身と抑えるコツ』

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Academic year: 2021

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研修テキスト

固定資産税 あなたは課税明細書の内容を説明できますか?

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1 【目次】 1.基礎知識 ... 1 2.評価額計算 ... 2 3.土地の税額計算 ... 3 4.建物の評価額、税額 ... 4 5.軽減措置 ... 4 6.課税明細書(東京都) ... 4 7.課税明細書(横浜市) ... 5 8.課税明細書(さいたま市) ... 5 9.払い過ぎチェック(土地編) ... 6 10.払い過ぎチェック(家屋編) ... 6 1.基礎知識 (1)概要 □定義 毎年1月1日(賦課期日)に土地、家屋、償却資産を 所有している人が、その固定資産の所在する市区町村に 納める税金。 □課税主体 固定資産が所在する市区町村。 □納税義務者 原則、固定資産税を納める人は、固定資産の所有者。 納税義務者が1月1日前に死亡している時には、賦課 期日において現に所有している人。 □税率 標準税率は、1.4%。市町村の条例によって異なる税率 を定めることができる。 □納税方法 市町村から納税者に納付書が送付され、市町村の条例 で定められた納期(通常は年4回)に分けて納税。 □免税点 市町村の区域内に同一人が所有する土地、家屋、償却 資産のそれぞれの課税標準額が次の金額に満たない場 合には、課税されない。 (2)価格 ◇評価額の決定 固定資産税評価額は国が定めた「固定資産評価基準」 に基づいて市町村が決定。 3年に1度、全件評価替えを行い、価格を決定する。 □価格水準 他の公的価格との価格水準は下記の通りである。 ・地価公示、地価調査(県地価調査基準地):100% (時価) ・相続税路線価:80% ・固定資産税評価額:70% □路線価 世間一般で路線価とは、国税庁発表の相続税路線価を 指す。 しかし固定資産税にも固定資産税を評価するための路 線価が存在する。 ●固定資産税路線価図: http://www.chikamap.jp/ (3)1月1日が基準日 □まずは空から地上を撮影して証拠を取る 航空写真で撮影して、家屋の新築・滅失箇所を特定後、 現地調査を実施して最終判定する。 □家屋の新築・滅失 撮影された航空写真を使って、前回撮影時点の航空写 真と比較して、家屋の新 築・滅失箇所をピックアッ プする。

本日の講義のポイント

 固定資産評価額、課税標準額、税額の関係をしっかり押さえる  課税明細書は「 」を取り除くとスッキリ見えてくる。  とにかく「 」の4つをまずは押さえる。

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2 (4)地目の認定例 固定資産税による地目の認定は、登記における意 思内容と現況を考慮して最終的に判定する。 この地目の認定次第で、この後の評価額、課税標 準の価格水準が決定されるため、非常な重要な作業 である。 2.評価額計算 □評価額計算式 単価×(補正等)×地積×(時点修正) □単価 地目別に価格水準が決定される。 ★宅地等の場合 宅地等は路線価方式(市街地宅地評価法)とその他 の宅地評価法により評価される。 その他の地目は、売買実例価額方式や近傍地比準方 式によって評価される。 市街化区域内であれば、地目の如何にかかわらず、 将来的に宅地になる可能性が高い。 そのため、宅地を前提にした価格に対して、造成費 相当分を差し引いて決定される。 ★宅地等以外 宅地等以外の地目は、現在の利用状況に応じた価格 で決定される。 □地積 原則として、法務局に登記されている地積によって評 価額を計算する。 よって、実際の現地面積と相違する場合もあり。 縄延び、縄縮みによる影響もある。 ただし、登記地積と実際の現地面積に大きな乖離が有 る際は、現地面積とすることもできる。 なお、地積の単位は 0.01 ㎡単位、その他は 1 ㎡単位 □画地 画地範囲ごとの地積が評価の単位となる。 筆と呼ばれる単位ではなく、画地という現況利用の範 囲によって評価する。 例えば、2筆以上で隣接する敷地で一体利用されてい る場合には、2筆が1画地として評価の単位となす。 逆に1筆の中で、地目に相違があり分割して評価する ことが望ましい場合には、分割されたそれぞれの範囲を 1画地として評価の単位とする。 ■補正等 画地の位置、状況に応じて補正等をすることができる。  奥行価格補正  側方路線影響加算  二方路線影響加算  不整形地補正  無道路地補正  間口狭小補正  奥行長大補正  がけ地補正

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3 □時点修正 地価の下落状況に応じて、評価替え年度以外でも地価 下落を反映することができる措置 3.土地の税額計算 価格(評価額)、課税標準額、税額が最も重要! □節税を左右する住宅用地 □土地の課税明細書の見方

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4 4.建物の評価額、税額 □評価額の計算方法 □課税明細書の見方 5.軽減措置 □新築住宅に関する軽減措置(参考) 2012 年3月 31 日までに建築された新築住宅で、下記 要件を満たすものについては、居住部分の床面積のうち、 120 ㎡までの床面積にかかる固定資産税額が1/2に 減額される。 ・適用対象住宅 専用住宅または併用住宅(居住部分の割合が1/2 以上)であること 床面積が 50 ㎡(賃貸住宅は 40 ㎡)以上、280 ㎡以 下であること ・減額期間 一般の住宅は新築後3年度分 3階建て以上の中高層耐火住宅等は新築後5年度分 □高齢者向けの優良賃貸住宅にかかる軽減措置 2012 年3月 31 日までに建築された新築住宅で、下記 要件を満たすものについては、居住部分の床面積のう ち、120 ㎡までの床面積にかかる固定資産税額が1/2 に減額される。 ・適用対象住宅 専用住宅または併用住宅(居住部分の割合が1/ 2以上)であること 床面積が 50 ㎡(賃貸住宅は 40 ㎡)以上、280 ㎡以 下であること ・減額期間 一般の住宅は新築後3年度分 3階建て以上の中高層耐火住宅等は、新築後5年 度分 6.課税明細書(東京都) □分かりやすくするためには?  都市計画税を○○しないこと  負担水準を○○しないこと (1)基礎情報 □不動産の所在 ○○○町二丁目 1番1 □地目 登記地目:宅地、現況地目:宅地 (税額は現況地目で判断される) □地積 登記地積:150.00 ㎡、現況地積:150.00 ㎡ (地積は現況地積を用いる) □住宅用地 住宅用地の特定措置が適用されているかどうか、とっ ても重要な場所。 内訳は、地積で表示されることもあり、割合表示もあ り。 また全く表示されない場合もあり。 この場合には、現況地積 150.00 ㎡のうち、150.00 ㎡ 全てが住宅用地の対象に該当するため 150.00 全てが小規模住宅用地となるため、課税標準額 を計算する際には評価額×1/6 である。 (2)計算式 □価格(評価額) 45,000,000 円 □本則課税標準額 本来の支払うべき課税標準額。  計算式 この土地の場合には、全て小規模住宅用地のため、 評価額×小規模住宅率(1/6)=本則課税標準額 45,000,000 円 × 1/6 = 7,500,000 円 □課税標準額 前年度の課税標準額が本則課税標準額と同一であるか を見れば、来年度税額上昇するかどうかが判る  判定式 本則課税標準額 > 前年度課税標準額 ⇒ 次年度税額が上昇可能性あり 7,500,000 円 > 4,500,000 円 ⇒ 次年度税

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5 額が上昇する。 □税額  計算式 課税標準額 × 税率 1.4% =税額 4,875,000 円 × 1.4% = 68,250 円 (3)明細書の解説(裏読み) □土地にかかる補正や時点修正率が判る 評価額と地積が判れば、土地の単価が判る  単価計算式 価格(評価額) ÷ 地積 = 単価 45,000,000 円÷150.00 ㎡=300,000 円  補正率判定式 市町村で公開される路線価等を確認すれば、土地 個別の補正等が判る 単価÷公開路線価=補正率 □土地  評価額 公開路線価 × 地積 = 評価額  課税標準額計算式 ⇒小規模住宅(200 ㎡以下)は。。。 評価額×小規模住宅率(1/6)=本則課税標準額 ⇒一般住宅(200 ㎡超)は。。。 評価額×小規模住宅率(1/3)=本則課税標準額 ⇒非住宅(店舗、事務所、工場、その他)は。。。 評価額×70%(負担水準)=本則課税標準額  税額計算式 本則課税標準額×税率 1.4%=税額 7.課税明細書(横浜市) (1)確認事項 □不動産の所在 港町 1-1 □地目 登記地目:??、現況地目:宅地(税額は現況 地目で判断される) □地積 登記地積:??、現況地積:160.00 ㎡(地積は 現況地積を用いる) ◇住宅用地小規模住宅用地:課税標準額=評価額×1/6 □価格(評価額) 19,325,697 円 □本則課税標準額  計算式 この土地の場合には、全て小規模住宅用地のため、 評価額×小規模住宅率(1/6)=本則課税標準額 19,325,697 円 × 1/6 ≒ 3,220,949 円 □課税標準額 前年度の課税標準額が本則課税標準額と同一である かを見れば、来年度税額上昇するかどうかが判る  判定式 本則課税標準額 > 前年度課税標準額 ⇒ 次年度税額が上昇可能性あり 3,220,949 円 > 3,020,000 円 ⇒ 次年度税 額が上昇する可能性あり。 ただしこの場合には、負担水準が 93%のため、前年 度と税額は据え置きになる。 □税額  計算式 課税標準額 × 税率 1.4% =税額 3,020,000 円 × 1.4% = 42,280 円 8.課税明細書(さいたま市) (1)確認事項 □不動産の所在 常盤6丁目 4-4 □地目 登記地目:宅地、現況地目:宅地(税額は現況 地目で判断される) □地積 登記地積:100.00 ㎡、現況地積:100.00 ㎡(地 積は現況地積を用いる) ◇住宅用地 小規模住宅用地:課税標準額=評価額×1/6 □価格(評価額) 12,862,500 円 □本則課税標準額  計算式 この土地の場合には、全て小規模住宅用地のため、 評価額×小規模住宅率(1/6)=本則課税標準額 12,862,500 円×1/6 ≒ 2,143,750 円 □課税標準額 前年度の課税標準額が本則課税標準額と同一であるか を見れば、来年度税額上昇するかどうかが判る  判定式 本則課税標準額 > 前年度課税標準額 ⇒ 次年度税額が上昇可能性あり 2,143,750 円 > 1,607,813 円 ⇒ 次年度税 額が上昇する可能性あり。 ※負担水準が 75%のため □税額  計算式 課税標準額 × 税率 1.4% =税額 1,715,000 円 × 1.4% = 24,010 円

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6 9.払い過ぎチェック(土地編) 【チェックに必要な資料】 1.課税明細書:毎年送付されてくる明細書のこと 2.役所所有の地番図:または法務局の公図、地積測量 図でも可 3.固定資産税路線価図:全国地価マップで参照 【確認事項】 1.基礎情報の確認 明細書で下記項目が正しいか確認します。 地番、地目、面積、住宅用地特例の適用有無の4つ 2.課税内容のチェック1 イ)「評価額」÷「面積」で土地の単価を計算 ロ)土地の単価別に、課税している範囲を確認 範囲が異なる場合は役所に確認 ハ)「土地の単価」>「路線価」になっていないか 路線価は、固定資産税路線価図を参照して下さい。 3.課税内容のチェック2(住宅用地特例のチェック) イ)「課税されている範囲」は全て住宅ですか? →住宅であれば、ロへ →住宅が無ければ、ハへ →住宅と店舗・事務所などが混在の場合、二へ ロ)全ての土地に住宅用地は適用されていますか? →適用されている場合は、ホへ →適用されていない場合は、へへ ハ)お持ちの土地は非住宅用地になりますので、住宅 用地特例外です。 二)混在している場合には、建物別の延床面積の比率 を計算しましょう。 住宅延床面積の比率と実際に住宅用地に適用されて いる面積比率を比較して、「住宅延床面積比率>住宅用 地適用面積比率」であれば、適用されている面積が少な い可能性があります。 ホ)さらに細かく小規模住宅(評価額×1/6)、 一般住宅(評価額×1/3)の範囲を確認しましょう。 へ)課税内容が誤っている可能性がありますので 役所に現在の課税内容を確認しましょう。 10.払い過ぎチェック(家屋編) 【家屋のチェックに必要な資料】 1.課税明細書:毎年送付されてくる明細書のこと 2.役所所有の地番家屋図:役所の課税図面 【確認事項】 1.基礎情報の確認: 課税明細書に記載建物と実際の建物が一致しているか チェックしましょう。 課税明細書には、1棟ごとの登記床面積、構造、建築 年などが記載されています。 それらを元に、確認してみましょう。 さらに細かい点まで確認するためには、役所から評点 数計算書(役所が家屋を評価した内訳書)を取り寄せる 必要があります。 その上で下記手順へ行きます。 2.材質、補正率をチェック 特に材質と補正率などについては、建築時の資料など を元に確認します。 もし建築施工会社に聞いて教えてもらえるようであれ ば、聞いて照合を手伝ってもらえるとスムーズに分かり ます。 3.その他、付帯設備など、償却資産を計上している場 合には、家屋として課税されていないか確認 課税明細書のみでチェックできるのは、1だけになり ますが、建物を取り壊して申告していないと、未だに課 税されている可能性もありますので、注意が必要です。

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本書の全部または一部を許可なく複製・転載することを禁じます 下記のような土地をお持ちでしたら、もしかしたら固定資産税を節税できるかもしれません。 ★ケース1:土地単価5万円 アパート用地または駐車場用地を所有 ⇒税額 54万円 境目のフェンスを取り払うことによって 敷地全体の税金が 1/6 に! ⇒税額 32万円(22万円削減) ★ケース2: 表通り(10 万円)と裏通り(5 万円)に面する土地 ⇒税額 78万円 境目を明確に区分すると居宅敷地が 1/6 に! ⇒税額 52万円(26万円削減) ★ケース3:土地単価 10 万円 元店舗で今は住宅として使用 ⇒税額 20万円 住宅用地の申請をすると、税金が 1/6 に! ⇒税額 5万円(15万円削減) ★ケース4:土地単価5万円 マンション・ビル所有の土地で当初テナントが主 だったが、今は居宅が主の場合 (社宅、福祉施設なども該当可能性あり) ⇒税額 98万円 居宅部分が過半数を占めると、税金が 1/6 に ⇒税額 23万円 (75万円削減) アパート用地 2000 ㎡ 駐車場800 ㎡ アパート用地 2000 ㎡ 駐車場800 ㎡ 店舗 500 ㎡ 居宅 300 ㎡ 表 通 り 裏 通 り 店舗 500 ㎡ 居宅 300 ㎡ 表 通 り 裏 通 り 店舗敷地 200 ㎡ 住宅敷地 200 ㎡ 建物敷地 2000 ㎡ 建物敷地 2000 ㎡

固定資産税が安くなる土地はこんな土地!(節税方法)

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横浜市

さいたま市

参照

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