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50代から始めるゆったりスローライフ

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(1)

立命館大学教授、金融・法・税務研究センター長 大垣尚司

(一般社団法人移住・住みかえ支援機構代表理事)

50代からの住生活(Housing Life)プランニング

(2)

公的移住・住みかえ支援制度 -

JTIのマイホーム借上げ制度

50歳以上(国籍問わず)で日本に住宅を保有して

いる者が対象(ただし、一定の要件を満たした長

寿命住宅については年齢制限撤廃等の特例あり)

一軒家、マンション、独立性があれば家の一部も

可能(二世帯住宅の片側、賃貸併用住宅で一定の

要件を満たすもの)

借上げた住宅は若年層を中心に転貸。

転貸は3年の定期借家契約によるため3年ごとには

借上げ契約を解約してマイホームに戻れる。

管理は各地の協賛事業者が代行。

いったん借上げた後は空き屋・空き室になっても最

低保証家賃が支払われる。

住宅の年金化

(3)

人生は85年時代に -

複数の住生活をどのようにプランニングするか

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(4)
(5)

多少の注意点① 注意点

60歳から20年以上続く人生は、人類初めての経験

¾ 親は参考にならない ¾ 企業やマスコミは信用できない ¾ 欧米は参考にならない

どうしたいかを考える

① 夫婦で話し合う • 双方の「やりたいこと」と「住みたい場所や 家」は何か – 「やりたいことが違っても住む場所や家、環境は同 じでよいのではないか」 – 「今の場所ではどちらもやりたいことができないな ら、住む場所をかえてみると妥協せずに解決が得ら れないか」 etc… ② 思い込みを捨てる • 自分自身でリスクを認識する • 夫婦相互の意見の相違に気づく

この時期をどれだけ長くするか!

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(6)

多少の注意点② 移住・住みかえは大プロジェクト

じっくり考える

しかし

それぞれの行動に「しめきり」を作る。何もせぬ間に時間はすぐにたつ。

¾ 新聞広告の裏書等でカードをつくり、2人や家族で気になることを1枚ひとつずつ書き出して時間の順番にならべてま とまりを作る。まとまりごとに「いつまで」という締め切りを設定する。 ニーズを固める 移 住 ・住みかえ先の情報 収 集(ネット、旅行代理店、自治体窓口、住 宅業者 、 そ の 他) 移 住 ・住みかえ先自治体の促進制度 や補助・支援等を確認 移住 候 補 先 の選定 ロングステイツアーに参加、場合によっては セカンドハウスとして移 住 先に住宅を建築する等 二地域居 住による導入・準備期間 移 住 ・住みかえ先でのライフプランの 策定 移住 ・住 み か え の 意思 決 定 移 住 ・住みかえ先の 取 得方法の決定(購入、賃貸、その他) 現 在 のマイ ホ ーム の利用方法 の決定 (売 却、賃貸、 公的借上げ制度の利用、その他) マネープランの 策定 他の家族との相 談 、 了 解 戻 ら ざるをえなくなる事態 への対応策の策定(自 分やパートナーの病気、 死亡への対応、老化によ り田舎暮らしがつらくなったらどうするか 等) 必要に応じ共同 移 住者 ・住みかえ 仲間の募集、チームアップ 移住 ・住 み か え の実 行

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25年間住んだマイホームの価値

問題はどうやって価値をお金に変えるか

売却価値

¾ 標準ケース • 基本的には土地価格のみ ¾ スムストック※ • 住宅価格×約6割×(50年-25年)÷50年 • たとえば2000万円なら600万円 ※ 大手住宅メーカー9社が各社の住宅の価値が適正 に評価されるように導入した新しい評価方式。

リバースモーゲージ

• 借入時点からさらに死亡時点までに住宅は減価を続けるので担保価値は確実にゼロ。 • 土地価格×6割~8割

賃貸価値

¾ 日本中どこでも6万円~15万円。たいてい8万円前後。 ¾ 8万円×12か月×賃貸可能年数 ¾ 長寿命住宅なら購入価格を超える場合も! ¾ 土地は温存。

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25年間住んだマイホームの価値 ②

賃貸価値の試算

考え方1 もらった賃料をもらった時点の消費に回す

もらった賃料をもらった時点で消費する場合(生活費にあてる 場合)には、もらうお金がその時点では額面の価値を持ちます ので、賃料の単純合計を住宅の価値と考えればよいことになり ます。

考え方2

最初に大きなお金を借り、賃料で返済

以下は金利が3%の場合に賃貸年数で返済する場合にいく らのローンが組めるかを計算したものです(あくまで理 論値ですので注意してください)。利息分だけ、単純な 賃料合計よりかなり少なくなることが分かります。

(9)

住み続けるコスト

検討項目 現状 チェックポイント 立地 通勤(通勤時間) 通学(通学時間、学区) ショッピングは大規模小売店舗中心か レジャーはアウトドア中心か いわゆるニュータウン、新郊外か 都心か 退職後は通勤しない。 学齢の子どもはいない。 自動車がないと不便という事情がな いか 丘陵地、斜面地が多く、歳をとると 徒歩での移動がきつい 公共交通機関の利便性 セキュリティ ー 周囲の目 独立した家族との距離 セキュリティー設備 老後を考えた場合に周囲の目や家族 へのアクセスが十分か。 セキュリティー設備が必要ないか 間取り等 多くの場合、家は家族構成員が最大にな る状況に合わせて間取り等が設計され ている。また、通常は、子育て期を想定 して LDK+子ども部屋+主寝室+客間 (3LDK、4LDK)といった仕様になっ ていることが多い。 大は小を兼ねるとはいうものの、老 後のためには部屋数が多すぎること も。子どもが多かった場合、夫婦そ れぞれの個室はないことも多く、老 後を過ごすための仕様としては何ら かの変更が必要。 現在使用居室 実際に使っている部屋は何部屋か 物置になっている部屋がないか 物理的には広いが、有効利用面積は 意外と狭い可能性。 物理的な状況 耐震性 築後年数 増改築の有無 目に見える劣化の状況 設備の状況 S56・6・1 以前の建築確認日付か 補修費への配慮 違法建築になっていないか 取替期がきているものがないか メンテナンス 体制 点検、リフォームの状況 施工業者の状況 定期的に実施してきているか 財務的に健全か、修繕等にていねい に対応してくれているか 検討項目 現状 チェックポイント メンテナンス コスト 今後生存中にかかると思われる設備の 取替や補修、高齢化対応や子どもとの同 居のための改修コストを試算 素人ではなかなか難しいので、施工 業者等に「今後の補修プラン」を作 ってみてくれと依頼するのも一手。 特殊事情 これからの維 持管理(マン ション) 一戸建ての場合 庭の手入れが大変にならないか(65 歳頃より) 積雪地域では雪下ろしが大丈夫か(65 歳頃より)。 また、積雪すると車いすでの移動が困難になる。 マンションの場合 シニア期に向けて管理費や修繕費用の負担が重荷 になることはないか。 修繕積み立てが十分でなく今後比較的巨額の修繕 費の負担が必要となる可能性がないか(政府の調査 によれば、修繕積立金のみで大規模修繕を賄えるマ ンションは全体の 6 割程度)。 現在の売却価 値 想定坪単価。 購入時価格(土地・建物に分けてみる) 土地について購入時との比較で含み 益・含み損がどの程度あるか 住宅ローン まだ未返済の残高がないか 売却・住みかえの両方で問題となる 可能性 所有関係 持ち家か借家か。 借地上の持ち家か。借地の場合普通借地 か定期借地か。 単独所有・夫婦等家族の共同所有、家族 外の第三者との共同所有 現在実家に住んでいる場合、兄弟・ 親戚等への配慮から移住・住みかえ をするにしても売ることはできない といった事情があるか。 コミュニティ ーとの関わり 現在住んでいる地域のコミュニティー とのつながり 移住して新たな人間関係を構築する ことにストレスがないか。ただし、 「コミュニティーのつながり」とい っても単にPTA等を通じた比較的 浅い関係であることも多く、つきつ めてみるとそれほど大きな財産でな いことに気づくこともある。

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(10)

移住・住みかえのパターン

移住・住みかえ パターン 距離 移住・住みかえ先の家 住み方 保有形態 田園型 古民家 リゾート 郊外平屋 アパー ト ・ マンショ ン 都心一戸 建て シニ ア向 け 住 宅 シニア施 設 1.田舎暮らし型(除、U ターン) 遠距離 ○ ○ ○ ○ ・完全移 住 ・ 住 みかえ ・所有 ・利 用権 ・普 通賃 借 定期 賃 借 終身賃 借 2.Uターン型 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 3.地方都市移住型(I・Jターン) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 4.リゾート移住型 ○ ○ ○ ○ 5.海外移住型 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 6.ゆとり住みかえ型(首都圏・大都市圏) 近距離 ○ ○ ○ ○ 7.都心住みかえ型(首都圏) 近距離 ○ ○ ○ ○ 8.都心住みかえ・まちなか居住型(地域) ○ △ ○ ○ 9.2 地域居住 10.空き家有効活用型 移住・住み かえ済 ○ ※ ○ ※ ○ ※

(11)

移住・住みかえのパターン説明①

田舎暮らし型(除、Uターン)

¾ 遠距離・遠心型・田舎志向のパターンです。主として人生Ⅰを都市部で過ごしてきた方が、自然に囲ま れた「田舎」での生活を志向して移住・住みかえや二地域居住を行うものです。農業指向が強い場合が 多いようです。田舎といっても従前はリゾートのような「作られた田舎」への移住が中心でしたが、最 近は多少不便でも本来の「田舎」を選択する人が増えています。最近は移住・住みかえ先の自治体等が 移住者や住みかえ希望者に対する支援制度を設けて移住・住みかえを促進する動きが強まっています。 ¾ なお、田舎というと遠距離の移住を想像しがちですが、実際には都市部から移動時間距離で1時間を超え ると「田舎」といってよい地域が増え、取得単価も非常に低くなりますので、多くの人がイメージして いるよりはずっと手近にある選択だということができます。こうした近距離・遠心型・田舎志向のパ ターンはゆとり住みかえ型として整理します。

Uターン型

¾ 遠距離・遠心型の中で、退職や子育て完了を機に、自分かパートナーの実家がある地域に戻ったり、二 地域居住を開始したりするものです。実家の場所によって田舎志向か都市指向かが変わります。逆に言 えばどちらの志向かが実家がどんなところであったかに影響されているといってもよいでしょう。自分 はパートナーが育った実家そのものに戻るのが典型ですが、事情によっては実家のある地域に新たに住 まいを取得することもあります。方言等のバリアーもなく地域社会に短時間で適応できます。一方、親 などの世話をするためにやむをえず住みかえねばならないこともあります。

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移住・住みかえのパターン説明②

地方都市移住型(I・Jターン)

¾ 遠距離・遠心型・都市志向のパターンです。退職等を機に、仕事や教育のために首都圏や大都市圏に居 住してきた者が、地方都市に移住・住みかえ・二地域居住を行うものです。田園型のように自然との共 生を強く指向するわけではなく、首都圏や大都市圏にあった利便性・文化はできるだけ享受しつつ、の んびりとした都市生活を送ろうとするものと位置づけることができます。

リゾート移住型

¾ 遠距離・遠心型・田舎志向のパターンですが、主として都市部に居住する者が、自然が豊かなリゾート 地に用意されたシニアマンションやシニアタウン等に移住・二地域居住して利便性や生活支援サービス 等を確保して引退生活を満喫しようというものです。運営者や事業体のコンセプトやサービスクオリ ティーの生活が大きく影響を受けるので十分に事前調査をする必要があります。また、事業体が破綻す る等万が一の場合にどうなるのかといった点にも配慮が必要です。

海外移住型

¾ 遠距離・遠心型の最も極端なパターンです。退職等を機に、海外に移住するものですが、数週間から 数ヶ月といった長期間を海外で過ごすロングステイと、実際に移住してしまう完全移住に大別されます。 日本では得られない住環境が実現できます(自然環境、都市環境、文化)。ロングステイの場合、短期 間のツアーでは知り得ない他国の文化にふれつつ、人生のリフレッシュを図ることができます。一方、 言語の問題が重要ですし、医療や社会保障が満足に受けられるとも限りません。完全移住の場合でも、 原則として日本に戻る選択肢を残しておくことがたいへん重要です。

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移住・住みかえのパターン説明③

ゆとり住みかえ型(首都圏・大都市圏)

¾ 近距離・遠心型・田舎志向のパターンです。首都圏その他の大都市圏の中心部(いわゆるニュータウン 地域、新郊外を含む)に居住する者が、中心部から特急で1~2時間程度の比較的近距離地域に移住する ものです。温泉権付永住型分譲住宅やマンションのように近距離リゾート移住型というべきものも含ま れます。田園生活を営みながら、容易に都会の消費生活や文化活動へのアクセスも確保できる、いわゆ る「特急1時間距離」を確保するものです。この距離は、孫が気軽に遊びに来られる距離でもあります。 65歳定年制度を導入した企業で、週3日等通勤を継続するといったことも可能です。都心に近いところ でも通勤・通学が難しいところは土地が非常に安いということを最もうまく活用した住みかえパターンだ ということができます。 ¾ 自治体等が「団地再生」の文脈で郊外の公営住宅や公社・公団住宅の有効活用等を軸に移住・住みかえ の促進や支援を行っている場合もあります。

都心住みかえ型(首都圏)

¾ 近距離・向心型・都心志向のパターンです。首都圏その他の大都市圏の郊外(いわゆるニュータウン地 域、新郊外)に居住する者が、利便性が高く文化活動の中心である都心に住みかえるもので、高級シニ ア向けマンション等に住みかえるセレブ型とやむを得ず駅前の小型マンションやアパートに住みかえる 庶民型に分けることができます。子どもと同居する場合、専門病院への通院等のために行うものも含み ます。ある時期シニアマンションの開発事業者等によって、シニア期の住みかえはこのパターンが基本 であるかのように宣伝されたことがありますが、実際にこのパターンが主流なのかについては疑問があ ります。

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移住・住みかえのパターン説明④

都心住みかえ・まちなか居住型(地域)

¾ 近距離・向心型・都心志向のパターンで、都心住みかえ型の地方 版にあたるパターンです。地方都市の郊外からまちなかに住みか える、大都市圏のベッドタウンにおいて駅から徒歩距離にない分 譲地等にあるマイホームから駅前のアパート・マンション等に住 みかえるといった場合が含まれます。また、首都圏・大都市圏から UJIターンの文脈で地方都市のまちなかに住みかえる場合もこ のパターンの要素を考慮する必要があります。 ¾ 比較的最近まで、多くの子育て層が、地価が安めで自然に恵まれ た地方都市郊外にマイホームを取得したこと、大店立地法による 規制緩和の結果ロードサイドに大型小売り店舗が進出して利便性 が向上したこと、官公庁等も都心から郊外に移転する例が増えた ことなどから、地方都市の中心部が急速にさびれて、住人の高齢 化が進むという問題(中心市街地問題)が深刻化しており、こう した人々を中心市街地に呼び込む「まちなか居住促進」が多くの 自治体の課題になっています。こうした動きをうまく活用すると 支援が得られる場合があります。

(15)

どんな選択肢があるか?

先に取得しておいておく

先に取得(購入・建築)して貸しておく

二地域居住

¾ 週末を暮らす • 飛行機利用なら日本中どこでも 時間距離はあまり変わらない ¾ 冬だけ暮らす、夏だけ暮らす 等々

ロングステイ

¾ 滞在型ツアーに参加する ¾ 長期ステイで現地の暮らしを味わう ¾ お試し居住(3年程度)してみる

移住する

¾ リゾートに住む ¾ 田舎暮らしをする ¾ 町や村に住む

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JTIでできること

9 移住・住みかえ支援適合住宅

なら

• あらかじ借上げ保証 • 新築直後でも3年以上の 定期借上げが可能。

9 お試し居住期間だけマイホー

ムの借上げが可能

• 固定資産税、トランク ルーム賃借料等

9 移住後は現在のマイホームを

終身で借上げ家賃保証(3年

毎に帰還は自由)

9 移住先のオーナーとの間に

入って借上げが可能

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住宅機構の住みかえ支援ローンとは?

• 【年齢要件の撤廃】毎月の返済額が、査定賃料(最 低保証額)年額に安全率(借入れ期間に応じて7~ 9割程度)を乗じた金額に収まる場合は、借入時年 齢(現行は70歳まで)、最終返済時年齢(現行は 80歳まで)の制限を撤廃。なお、この特例を利用 する場合は相続予定者を連帯債務者とする必要があ ります。 ¾ 【賃料への担保権の設定】特例を認める前提として、 マイホーム借上げ制度に基づきJTIが支払う将来の賃料 に対して担保権*を設定します。なお、JTIは担保権が 設定されている場合には、利用者が死亡したあとも借 上げを継続することになっています。 • 【賃料の収入合算】住みかえ先についてフラット35を利用する場合、返済比 率の計算において査定賃料(最低保証額)年額に安全率(借入れ期間に応じ て7~9割程度)を乗じた金額が年収に加算されます。 (住宅機構HPより)

(17)

ケーススタディー

35歳で購入。55歳で夫婦で田舎に住みかえて

スローライフ

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75歳で夫死去。子供の家を改築して同居。借

上げ家賃は改築資金の返済に。

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50代からの戦略:二地域居住、お試し居住・ロングステイ ①

疑問:「二地域居住と簡単に言うが、50代になって住宅ローンを借りてまで2件目を取得できるような人はいわゆるセ レブに限られる。そもそも今住んでいるマイホームの住宅ローンの残高が1千万円以上残っているのに、さらに住宅ロー ンを組むことなど無謀もいいところだ。」

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50代からの戦略:二地域居住、お試し居住・ロングステイ ②

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50代からの戦略:お金を生む家 ①

A氏は長男ということもあり、実家に両親と同居していますが、建物は築後50年を超えてさす

がに老朽化が激しくなってきたし、地震も心配です。折しも50歳で部長に昇進したことや娘

が就職、息子が地方の大学に進んだため家を出たことから、思い切って建て替えることにしま

した。親の世話も考えると将来移住・住みかえをする可能性はゼロです。住宅メーカー数社の

営業マンから話を聞きましたが、いずれも「本部長のステータスに羞じない立派な家にしま

しょう」などと少しでも大きな家を作らせようという意図が明らかなピントのはずれた提案し

かしてくれません。

A氏は、今は収入も1,000万円を超えて、かなりの金額を銀行から借り入れることができま

すが、役員になれる見込みはゼロなので、退職後にローンの返済不安が残らないようにしたい

と考えています。幸い敷地は相応に広いので、1階に2戸アパート部分を設けて、2階、3階と

居宅部分としてはどうかとひらめきました。そこで、住宅メーカーB社に聞いたのですが、

「A部長の家のある地域にはうちの不動産会社の支社がないため借上げができない」といいま

す。また、銀行は「アパート部分には住宅ローンが貸せないので、その部分は事業用ローンと

いう扱いになるが、事業実績がないので、住宅メーカーの借上げがないと審査が通せない」と

いいます。何かうまい方法はないでしょうか。

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50代からの戦略:お金を生む家 ②

賃貸併用住宅

JTIのマイホーム借上げ制度の特例を利用し

て公的借上げを活用。

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• A氏(50歳)の両親はすでに他界していますが、妻のほうは母が健在です。妻の母Bは夫の死後も妻の実家にあ たる郊外の一戸建てにひとりで暮らしていますが75歳になり、ひとり暮らしを不安がるようになってきました。 A氏は大企業勤めで転勤が多かったことから、未だに社宅住まいですが、最近は会社から早く家を買えとプレッ シャーがかかるようになっています。折しも、Bのほうから、「一軒家にひとり暮らしは物騒なのでいっしょに 住んでもらえないか。ただ、家は築後40年を超えているのでA夫婦の好みで建て替えてもらってよい。ただ、自 分もここまで気ままに来たのでお互い気兼ねしたくない。土地が狭いので別棟にはできないと思うが、自分の住 む部分は狭くてよいのでA夫婦の住む部分とは分離してほしい。

50代からの戦略:お金を生む家 ③

デンマーク方式(1.5世帯住宅)

自宅部分 親 (独立生計) ローン 返済 自宅 部分 入居者 (子育て層等) 期限前弁済による ローン負担軽減 団信による返済 Bの夫が残した預金が1,500万円程度残っているが、 全額建替え資金として使ってもらってかまわない」と いってきました。A氏としては世間体もあるので建替 え資金は全額自分で出すつもりですが、Bは娘婿に世 話になるのだからけじめをつけたいと言ってききませ ん。A氏も本音ではBの要求通りの家だと高くつきそ うなので事実上援助してもらえると助かるなとは思っ ています。どういう提案が考えられるでしょうか。

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• A氏(50歳)は親の代から長年住んできた住宅を建て替えようと思っています。せっかくなので

3,500万円程度かけてそれなりに立派な家を建てたいと思っています。現在住宅ローンの金利は3%な

ので、80歳まで期間30年で建築資金の全額を借入れると毎月の支払は約147,600円になります。し

かし、当面は十分な収入があるし、子どもも就職したので無理をすれば月に20万円程度なら返済で

きそうです。しかし、65歳をすぎて年金生活をするようになったら、返済負担をできるだけ圧縮し

たいと考えています。うまい方法はないでしょうか。

50代からの戦略:お金を生む家 ④

賃貸可能住宅

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老いじたくのハウジング・ライフ

1.

エージドシニア期のキーワード

① 老いじたく ② お金 ③ おひとり様

2.

エージドシニア期における住まいの選択肢

① 自宅リフォームによる対応 ② 住みかえ先の選択肢 ③ 早めの住みかえ ④ 集住・共住

3.

施設や子どもの世話になるときは住宅年金付でいこう

① エージドシニア期には必ず一度住みかえが起こる ② 動いてからでは遅すぎる 家族の応対パターン① 家族の応対パターン②

4.

空き屋の活用

① コミュニティーの空き屋化を防ぐ ② 自分の家は空き屋にしない 足腰が弱る 車 の 運 転 に自信がな くなる 息 切れが する 頻 尿 に な った 暗さになかな か慣れない ガ ス の 消 し忘れ 皿 洗 い が つらい 洗 濯 物 を 干 す のが つらい 孤 独感が する 記 憶力が 減退した 家 族 に 迷 惑 を か け たくない 視 力の低 下 戸締り忘れ 栄 養が偏 る 家事が面倒

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まとめ

‹

人生は長い:ライフイベントの確認

‹

退職・子育て完了と引退は異なる

‹

やりたいことが先か、移住・住みかえが先か:住生活戦略

‹

マイホームは高い、通勤・通学が不要な家は安い

‹

家の価値は売れば安く貸せば高い

‹

マイホーム借上げは庶民の選択

‹

これから買うなら資産になる住宅

• 長寿命住宅(移住・住みかえ支援 適合住宅)

‹

50歳から備えることが重要

入るを図りて 出ずるを制す •お金のためから 生きがいのための仕事 •年金併用型就労 あと5万~10万円で 人生が豊かになる •亀の甲より年の功 人のネットワークや 経験をお金に変える •生活場所を変える (物価を選ぶ) •健康であり続ける •お金で買う娯楽から 身体で味わう娯楽へ ある物を最大限活用する 不確実な物に期待しない。自分できることを始めよう。 •最大の資産は金融資産ではなく住宅

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参照

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