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6) 7) MBO management buy-out 2 necessity sufficiency ) 21

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中国上場国有企業の民営化と資本再編

徐  涛

はじめに

中東欧࡮旧ソ連などの社会主義移行経済に比べて、中国では国有企業の民営化1)のテン ポがかなり遅い。1997 年の中国共産党第 15 期大会で「国有経済の戦略的改組」方針が打 ち出され、「抓大放小」政策(大型国有企業の管理を強化し、小型国有企業を自由化する政策) が推進された。その後、小型国有企業の民営化が急ピッチで進められた。2002 年末で既に 過半数の小型国有企業が所有権改革を実施した(中国経済年鑑編集委員会編、2003⿉751)。遼 寧省では 1998 年に既に 8 割の市所轄と 9 割の県࡮区所轄の国有࡮集団所有の中小企業が民 営化された(焦、2004)。 しかし、小型国有企業に比較して、大型国有企業は生産、資産、雇用の面で圧倒的に重 要である。小型国有企業の民営化が促進される前の年、1996 年末、国有鉱工業企業の資産、 生産額と従業員数に占める割合をみれば、小型国有企業はそれぞれ 16.1%、17.5% と 26.9% であるのに対して、大型国有企業は 64.9%、63.3% と 48.9% であった2)。この大型国有企業 の民営化はまだ大規模に展開されていない。 大型国有企業の改革にとって、会社制度(有限会社と株式会社の企業制度)の導入が重要 な手段になっている。鉱工業企業に限定すれば、2002 年における全国有企業に占める会社 制国有企業の資産、資本、生産額、利潤額と従業員数の比率(それぞれ 54.8%、59.0%、 61.8%、78.6%、46.5%)は 1996 年(それぞれ 17.8%、19.9%、18.7%、42%、11.9%)より大幅に上 昇した3)。さらに、資金調達のために多くの企業が上場された4)。2001 年末、上場国有企業 の資本と利潤はそれぞれ全国有企業の 3 分の 1 と 3 分の 2 を占めている(盧、2003)。上場 企業では民営化が小規模でありながら確実に進行している。本稿は上場企業の重要性、並 びに企業財務データの入手可能性と信憑性の高さから、大型国有企業民営化の研究対象を 上場国有企業に限定する。 小型国有企業の民営化に対する社会的な反対はそれほど大きなものではなかったが、大 型国有企業の民営化は大きな社会問題になっている。2004 年夏、多数の中国経済学者を巻 き込んで展開された「国有企業財産権改革論争」がその 1 つの事例として取り上げられる。 世界銀行でコーポレート࡮ガバナンス研究の顧問を担当した香港中文大学の郎咸平教授 が、海爾集団、TCL 集団及び科龍電器を事例に、国有企業改革の中で国有資産が流失し、 経営者の懐に入っている問題を批判した5)。さらに青島ビール株式会社を国有企業改革の

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成功例として取り挙げて、明確に「国退民進」(国有資本の撤退と民間資本の進出)、つまり 民営化に反対し、国有企業についての「所有者不在」という一般認識を否定した6)。彼は 国家所有を維持しながら、専門家から構成される取締役会(董事会)によって選出される 専門経営者に国有企業の経営を任せることを提案している。国有企業改革についてこれ までなされてきた経済学界の理論分析、並びに、政府が実行している政策を覆した議論で あるため、大きな論争を引き起こした7)。その後、国有資産監督管理委員会が大型国有企

業の MBO(management buy-out 経営陣による買い取り)の可能性を否定した。民営化に対する

反対論が根強く残っているといえる。 民営化についての議論は混乱しているように思われる。実際には 2 つの問題が検討され るべきである。一つは私的所有制度と国家所有制度の間の経営効率の比較であり、もう一 つは民営化、つまり国有資本の民間への売却から生じる経営効率の変化である。前者は民 営化の必要性(necessity)を裏付けるものであり、後者は国有企業改革における民営化政策 の十分性(suffi ciency)を検証するものである。第Ⅰ節で詳しくみるが、両者に共通する国 有と民営の区分方法の問題を別にして、前者についての実証研究は多く存在しているのに 対して、後者についての実証研究は管見の限り極めて少ない。本稿は後者にスポットライ トをあて、上場企業の民営化を考察したい。 本稿はまず第Ⅰ節で上述の 2 つの問題に沿って、上場企業の民営化に関する先行研究を 整理し、問題意識と研究方法を説明する。第Ⅱ節で上場企業の民営化の現状とサンプル データの特徴を明示する。その上で、第Ⅲ節で上場企業の財務データを用いて、民営化前 後の財務指標を分析し、民営化による企業経営効率の変化を論じる。最後に結論をまとめ、 残された課題を提示する。

Ⅰ 先行研究と問題意識

上場企業の民営化を議論する場合、まず上場企業を国有と民営に分ける基準、ないし国 家所有の度合いを表す基準を決めておく必要がある。今まで概ね以下の 3 つの基準が使わ れている。 第 1 は国有株の比率に基づく分類方法である(基準Ⅰと呼ぼう)。図 1 は証券報告書に記 載される株式の分類項目である。上場企業の株式は非流通株(株式市場で取引できない株式) と流通株に分類され、非流通株はさらに主として国家株と法人株に細分されている。国家 株は国家が所有する株式のことであり、法人株は企業࡮事業法人が所有する株式のことで ある。国有企業が所有する株式は国有法人株と呼ばれ、国家株と国有法人株は併せて国有 株と呼ばれている8)。国有企業や国有事業単位などの国有法人が所有している株式は最終 的に国家に所有されているので、国家株との合計である国有株は国家が直接࡮間接に所有 している株式を表している。発行済み株式に占める国有株の比率を国家所有の度合いを示

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す基準として用いることができる。現にこの方法は最も中国の上場企業の研究に利用され ている。 しかし、国有法人株は必ずしも厳密に記載されていないのも事実である。「国内資本発 起発行法人株」と「募集発行法人株」の中には国有法人株が含まれているが、その記載は 義務付けられていない。したがって、集計されている国有株の数値には深刻なデータ漏れ の問題がある。 第 2 は支配株主9)による分類基準である(基準Ⅱと呼ぼう)。中国の上場企業において大株 主の力は非常に強い。このことは支配株主の持株比率から明確に現れている。表 1 は 2002 年まで上場している株式会社の支配株主持株比率を示している。支配株主 1 社だけで 4 割 以上の株式を所有しており、株主総会での発言力はかなり強いとみられる。このような強 図 1 中国上場企業の株式分類 (注) 1)「転配株」とは株主割当による新株発行の場合、国家や国有法人が新株引受権を放棄 し、その代わりに、他の株主が引受けた株式のことである。 (出所) 中国証券監督管理委員会「上場企業株式分類に関する業務処理事項の通知」(2000 年 5 月通達、原文「関于上市公司股份分類有関業務処理事項的通知」、中国法制出版社編、 2003: 226–228)より作成した。 表 1 支配株主の持ち株比率(%) 年 平均値(%) 中央値(%) 企業数(社) 1994 44.20 43.93 287 1995 43.23 42.39 311 1996 43.66 42.51 514 1997 44.55 43.72 720 1998 45.35 44.61 825 1999 45.33 44.61 923 2000 44.70 44.28 1,060 2001 44.02 43.41 1,136 2002 43.42 43.03 1,200 2003 42.52 41.26 1,263 (出所) 筆者が上場企業の有価証券報告書より算出した。ただし、 海外投資者向け国内上場株式、いわゆる B 株のみが発行され ている企業は除外されている。

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力な株式支配力を持っている株主が国有主体(政府、国有企業、国有事業単位を含む)か民間 主体かの違いに基づいて、上場企業を国有企業と民営企業に分けることができる。 第 3 は株式の新規発行を民営化とみなす基準である(基準Ⅲと呼ぼう)。この SIP(share issue privatization)を民営化とみなす方法は明らかに中国の上場企業の現実に反するもので ある。中屋(2001)は中国国有企業の株式会社化の本質を、国家所有を維持しながら資金 調達を拡大することに求めた。現に株式の新規発行を通じて民間資本が上場企業を資本支 配できたケースは極端にまれである。 次に、民営化の必要性と十分性を議論した実証研究をまとめてみよう10)。まず、国有と 民営の比較の視点からの実証研究をみよう。 恐らく最も早い時期に国家所有が上場企業の業績に与える影響についての分析を発表し たのは Xu and Wang(1997)である。この論文は今でも多く引用されている。同論文は上海 証券取引所及び深圳証券取引所の上場企業の 1993 年から 1995 年までのデータを用いて、 国有株比率と企業業績の間におけるマイナスの相関関係を示している。また、陳࡮江 (2000)は 1995 年までに上場した電子࡮電器製造業、商業、公共事業に属する 92 社の 1996 年から 1999 年までの 4 年間のデータを用いて、国有株比率と企業業績の関係を分析した。 競争的な業種では国有株比率と企業業績がマイナスの相関関係をもっているのに対して、 独占的な業種ではこのような関係が見られないと論じている。そして、陳࡮徐(2001)は 1996 年から 1999 年まで深圳証券取引所に上場している企業のデータを用いて、国有株比 率と企業業績の関係を分析した。陳࡮江(2000)と違って、競争的な業種だけではなく、 独占的な業種においてもマイナスの相関関係が検出されている。上記の 3 つの研究はとも に基準Ⅰに基づいて、国家所有と上場企業の業績の関係を示している。 一方で、徐(2005)は基準Ⅱに基づいて国有上場企業と民営上場企業の業績を比較した 研究である。1997 年までに上海証券取引所に上場した 151 社を所有、共産党の経営参加な らびに所属業種に対する国家資本の支配度合いに従って分類し、1998 年より 2002 年まで の財務データを用いて分析した。その結果、民営企業は国有企業より企業業績が優れてい ることが分かった。 どの基準からでも私的所有に比べれば国家所有が企業経営の非効率性を引き起こしてい ることが多くの研究によって実証されている。 ところが、民営企業の経営効率が国有企業に勝っているとはいえ、国有企業は民営化す れば企業業績は必ず上昇するとは限らない。なぜならば私的所有が唯一の企業業績に与え る要因ではないからである。市場の自由化、予算制約のハード化及びマクロ経済の安定化 なしに、民営化だけでは資源の効率的な配分、有効なガバナンスの構築は実現できない (Brada, 1996)11)。 民営化の基準Ⅲ(SIP)にしたがって上場企業の民営化効果を議論した論文として下記の 2 つの論文が取り上げられる。Wei et al.(2003)は 1990 年から 1997 年にかけて新規に株式 を発行し、その前後 3 年以上にわたって財務データが入手できる上場企業 208 社を研究対

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象にしている。その結果、SIP 後に実質売上高、実質総資産、当期利益(net profi t)および 従業員 1 人当たり売上高が上昇し、負債資産比率が低下したことがわかった。さらに、新

株発行後の国家株比率12)が 50% を下回る企業は、他の企業より売上高総利益率(return on

sales: ROS)、従業員数および従業員 1 人当たり売上高が高い。

Sun and Tong(2003)は 1994 年から 1998 年まで新規に株式を発行した非金融企業 634 社

の SIP 前後の業績を比較分析している。SIP によって企業の実質当期利益(real net profi t:

RNP)、実質利払い税引き前経常利益(real earnings before interest and tax: real EBIT)、実質売上高 (real sales: RS)、従業員 1 人当たり RS、営業キャッシュフロー対負債比率、および EBIT 対

支払利息比率は上昇したが、売上高総利益率(ROS)と売上高対 EBIT 比率(EBIT/sales)は

低下した。Wei et al.(2003)と同様に国家株13)が総株式の中で過半数を占めるかどうかに 基づいて、サンプル企業を 2 つのグループに分けて検定した。その結果、SIP 後の国家株 が 50% を下回る企業が、より高い RNP、実質 EBIT、RS、ならびにより小幅な売上高対 EBIT 比率の低下を示している。 既述のようにこれらの研究には大きな問題が潜んでいる。一つは SIP を民営化と同一視 していることである。殆どの場合、新株を発行し、上場したとはいえ、支配株主は変わっ ていない。4 割超の議決権を持つ支配株主が国家、国有企業および国有事業単位の場合、 SIP 後に上場企業が民営企業と同様に行動できるとは考えにくい。両研究は SIP 後に国家 株が過半数を維持したかどうかを基準にして、民営化の度合いと企業業績の関係について の分析を補足している。しかし、国家株が半数を割っても国有企業࡮国有事業単位が所有 している国有法人株を併せた国有株の比率が依然 50% を上回る可能性がかなり大きい。さ らに、たとえ国有株比率が半数を下回ったとしても、国有主体が支配株主として大量の持 ち株を通じて上場企業を強く支配していると考えられる。これらの企業を民営企業と同一 視することができない。 本稿はこのような先行研究の問題点を踏まえて、民営化の基準を基準Ⅱ、つまり、支配 株主の身分にしたがって判断する。支配株主が国家、国有企業ないし国有事業単位から私 営企業14)に変化した場合、上場企業が民営化したとみなす。支配株主が他の国有主体に変 わった場合、国有資本再編と呼ぶ。支配株主の変更につれて、一般に新規の経営資源が投 入され、経営業績が向上するであろう。したがって、単に民営化前後の業績比較の視点で 民営化を考察するのではなく、国有資本再編と比較しながら民営化の効果を分析したい。 支配株主の身分は各社の証券報告書、上場公告書、株式発行目論見書から判定した。なお、 支配株主の社名変更、支配株主の親会社࡮子会社への株式移譲、国有資産管理機構の間の 移譲は支配株主交替とみなさず、支配株主の支配的所有者の変更は支配株主交替とみなす。

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Ⅱ データの説明

国有企業の民営化を考察するため、次のように上海証券取引所と深圳証券取引所に上場 した非金融類企業から次のようにサンプル企業を抽出した。1994 年前に上場を果たした企 業については 1994 年時点の支配株主、1994 年以降に上場を果たした企業については上場 年の年末における支配株主が国家、国有企業、国有事業単位などの国有主体である上場企 業を選出し、民営化後の期間を確保するため 1998 年までに上場を果たした企業に限定し た。このような企業は 737 社が存在する。なお、国外投資家向けの B 株のみが発行されて いる上場企業は除外されている。この 737 社から①監査報告書(「審計報告書」)に財務報告 書に対する否定ないし意見表明の拒否が記載された企業、②売上高ないし株主資本がマイ ナスである企業、③民営化と国有化の両方が実施されたことのある企業、を除いて、残り の 651 社を研究対象とする。そのうち、1994 年以前、1995 年、1996 年、1997 年、1998 年 に上場を果たした企業はそれぞれ 209 社、18 社、153 社、179 社、92 社である。 1994 年以前に民営化された企業はわずかである15) 。また、1993 年までは殆どの上場企業

が財務諸表や詳細な財務データを公表していなかった。さらに、Sun and Tong(2003)が指

摘したように、1992 年 11 月に基本的会計法規である「企業会計準則」と「企業財務準則」 が公布されたが、実際に会計年度を通して実施され始めたのは 1994 年である。それゆえ に 1994 年前後で会計制度の隔たりはあまりにも大きい。そのために 1993 年までの企業 データを除外した。 さらに、上記の 651 社の中で 1995 年から 2000 年にかけて支配株主の交替が行われた企 業は 112 社である。そのうち、民営化された企業は 45 社で、ほかの国有主体に支配株主 が交替されたのは 67 社であり(国有資本再編企業と呼ぼう)、それぞれ 1 社と 2 社の企業に おいて支配株主交替直後の年に再度支配株主の交替が行われたため、この 3 社を除外した。 残りの 109 社から構成されるサブサンプルは民営化効果の分析に用いられる。 上記のサンプル企業の財務データは SinoFin-CCER より入手した。大株主(上位 10 位)や 上場日などの情報は筆者が各企業の有価証券報告書から集めた。 1998 年は中国政府が宣言した「3 年間期限付き国有企業改革」が始動した年である。 1998 年より国有上場企業の民営化が活発し始めたことはこれと合致している16) 。表 2 は国 内 A 株市場の上場企業における民営化の流れを示している。1998 年より民営化のテンポ が速まり、2003 年まで合計 174 社が民営化を実施した。千社を超える上場企業にしめる割 合が低いとはいえ、民営化が確実に促進されている。1998 年までに上場を果たした本稿の サンプル 651 社に限ってみても、既に 107 社が民営化を実現し、近年国有上場企業の民営 化が増加傾向を見せている(表 3)。この民営化企業数は本稿のサンプル 651 社の典型性を 表している。 ところが、国有企業が経営不振に陥った場合、民間資本を導入するほかに、広く利用さ

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れる救済方法がある。特に上場企業の場合、株式支配権を民間資本に譲ることは中央政府 の許可が必要で、その実現は簡単ではない(徐、2004)。それゆえ、民営化よりもむしろ経 営体質が健全な国有企業に所有権と経営権を委譲すること、いわゆる国有資本再編が現実 的である。表 4 は国有支配株主の交替、つまり国有資本再編の件数を表している。表 2 及 び表 3 と比較すれば、全体的に民営化より多いこと、近年では民営化の数に追い越されて いることが確認できる。後者は民営化に対する政府の姿勢の変化を示唆している。 民営化の効果を測るために、表 5 に列挙した指標を採用する。売上高利益率(ROS)は 会社の商品力と営業力を表す指標である。株主資本利益率(ROE)は株主資本の使用効率 を表す指標である。総資本利益率(ROA)は会社資産の利用状況を表す指標である。負債࡮ 資産比率(DAR)は企業の財務レバレッジ比率であり、資本の安定度を意味すると同時に、 企業の投資活動の積極さを反映している。売上販管費比率(MC/SALE)は売上に占める販 売費と管理費の割合を示しており、比較的に操作しやすい費用項目の比率である。国有企 業の民営化に対して、民営化直前に販売࡮管理費用が高めに計上され、民営化後にこれら の費用が低く抑えられる傾向があるから、民営化による企業業績の好転は見せかけにすぎ ない、との指摘がある17)。もし民営化による企業業績向上の効果が存在すれば、ROS、 ROE ならびに ROA が上昇し、仮に民営化にともなう販売管理費の操作が存在すれば、 MC/SALE が相応に変動するであろう。 図 2 は 1994 年から 2003 年までのサンプル 651 社の業績をプロットしたグラフである。 ROS、ROE ならびに ROA のいずれをみても、全般的に上場企業の業績低下が激しい。こ 表 2 上場企業の民営化の推移(1995 年∼ 2002 年) 年 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 合計 民営化企業数(社) 1 3 9 17 17 23 17 34 53 174 上場企業数(社) 311 514 720 825 923 1,060 1,136 1,200 1,263 – (出所) 中国国内 A 株市場に上場されている企業の有価証券報告書にもとづいて筆者が集計した。 表 3 サンプル 651 社の民営化の推移(1995 年∼ 2003 年) 年 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 合計 民営化企業数(社) 0 2 6 11 10 16 9 19 34 107 上場企業数(社) 227 380 559 651 651 651 651 651 651 – (出所) サンプル 651 社の有価証券報告書にもとづいて筆者が集計した。 表 4 国有資本再編の推移(1995 年∼ 2003 年)(件) 年 集計対象 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 合計 国内 A 株上場企業 0 4 16 26 35 29 29 33 26 198 サンプル 651 社 0 4 13 21 26 23 18 20 19 144 (出所) 中国国内 A 株市場に上場されている企業の有価証券報告書にもとづいて筆者が集計した。な お、上場後上場停止処分を受けている企業を除いた。

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のことは一方では上場企業(その多くは国有上場企業)の経営効率の悪化を示唆し、他方で は 1990 年代後半における急速な市場競争激化にともなう企業収益性の低下を反映してい る。したがって、民営化にともなう企業業績の変化を考える場合、こうした経営環境の変 化を織り込む必要がある。また、上場企業の所属業種の相違によって経営環境が異なる。 企業業績を評価するためには、業種の違いを除外することが必要である。本稿では各々の 企業の経営業績の変化をみる場合、サンプル 651 社の財務データに基づいて、各年次にお ける各業種の業績指標の平均値を算出し、この平均値との差、いわば年次࡮業種調整済み 経営指標を用いる。具体的には「上場企業業種分類ガイドライン」(中国証券監督管理委員会、 2001 年 4 月発布)を基準として、上場企業を 13 の業種に分類し、さらに製造業を 10 の業種 に細分した。 表 5 経営指標 項  目 指  標 説  明 売上高利益率(%) (ROS: Return on Sales)

営業利益1)/主要営業収入 ×100

収益性 株主資本利益率(%) (ROE: Return on Equity)

当期利益/株主自己資本 ×100

総資本利益率(%) (ROA: Return on Assets)

利払い税引き前利益2)/資産総額 ×100

財務レバレッジ 負債࡮資産比率(%) (DAR: Debt-Asset Ratio)

負債合計/資産総額 ×100 販売࡮管理コスト 売上販管費比率(%) (MC/SALE%) 販売࡮管理費用/主要営業収入 ×100 (注) 1)営業利益 =「営業利潤」+「財務費用」 2)企業の経営成果とあまり関係しない「営業外収入」ならびに「営業外支出」(日本の「特別 損益」に近い項目、中央監査法人編、2000: 150)を利益から除いた。 (出所) 筆者が作成した。 図 2 サンプル 651 社の財務指標(平均値)の推移(1994 年∼ 2003 年) (出所) サンプル 651 社の財務データをもとに筆者が作成した。

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Ⅲ 上場企業民営化の特徴

サンプル 651 社から 1995 年から 2000 年まで民営化された企業(44 社)の年次࡮業種調 整済み財務指標の推移を図 3 にまとめた。民営化した企業でもその後さらに支配株主の交 替が実施されたケースがある。ここでは次の支配株主交替が実施される前の年までの最長 期間をとった。民営化するまで最長 6 年間の間、年次࡮業種調整済み業績指標である ΔROS、ΔROE、ΔROA はそれぞれ 6 年間、5 年間、5 年間においてマイナスであり、いい かえれば、民営化前、これらの企業の業績は長期間にわたって平均水準より低く、業績が

不振であった。民営化した年に ΔROS と ΔROA がプラスに転じ(ΔROE はその前の年からプ

ラスに転じた)、民営化によって「負け組」が「勝ち組」に変身した。その後、業績の変動 はあったとしても、年次࡮業種調整済み業績指標は殆どプラスを維持しており、全体的に これらの企業の業績は平均水準より高い。 次に年次࡮業種調整済み売上販管費比率(ΔMC/SALE)をみよう。ΔMC/SALE は民営化 2 年前をピークに低下してきた。転換点は民営化より 2 年も早かった。また、確かに民営化 後低下幅が拡大したが、民営化効果の見せ掛け説をより深く分析することが必要である。 なぜならば、売上販管費比率の上昇をもたらす要因として販売࡮管理費用の上昇のほか に、売上高の低下も挙げられるからである。民営化直後の ΔMC/SALE と ΔROS の変化を あわせてみた。例えば、民営化の年と民営化 1 年前を比べれば、ΔMC/SALE が 0.7 ポイン ト低下したのに対して、ΔROS が 5.8 ポイントも上昇した。民営化 1 年後と 1 年前を比較し 図 3 民営化企業の業績(中央値)推移 (注) 民営化 6 年前から民営化 6 年後までにわたる 13 年間で、それぞれ 7 社、12 社、 23 社、33 社、39 社、44 社、44 社、44 社、42 社、38 社、20 社、13 社、4 社 の サンプルがある。民営化後 7 年目は 1 社しかないので、この年を除外した。 (出所) サンプル 651 社の中、1995 年から 2000 年まで民営化した 44 社の年次࡮業 種調整済み財務指標の推移である。

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ても、ΔMC/SALE が 3.7 ポイント低下したのに対して、ΔROS が 8.7 ポイントも上昇し、 ΔMC/SALE より ΔROS のほうが変化は大きい。明らかに企業業績の好転は販売管理費用の 会計操作によるものではない。少なくとも販売管理費用の会計操作が民営化後企業業績向 上の主要因ではないと言える。しかも、その後も ΔMC/SALE が低下傾向をたどり、これ は民営化前の会計操作に対する反動とは考えにくい。 さらに、民営化前から平均水準より高かった負債࡮資産比率(DAR)は民営化後ではさ らに高まる傾向を見せている。民営化前の悪化した経営業績とあわせて考えれば、民営化 前の DAR の高さは負債の返済能力の低さを意味するであろう。民営化後の DAR の上昇は、 債務処理の遅れか積極的な投資戦略の実施かという 2 つのことを意味している。民営化後 の企業業績の好転を考慮すれば、後者の可能性が高いと考えられる。 民営化のほかに国有資本再編といった上場国有企業の救済策がある。図 4 はこのような 国有資本再編企業 65 社の財務指標の変化を示すグラフである。民営化直前の ΔROE を除 いてみれば、民営化企業と同様に、国有資本再編企業は長年にわたって業績不振の企業で あることがわかった。しかし、民営化前と比べて、国有資本再編直前において、ΔROS、 ΔROA と ΔROE が比較的に高い。このことから国有資本再編が行なわれた企業の業績は民 営化企業より比較的に良いといえよう。また、売上販管費比率(ΔMC/SALE)は国有資本再 編 6 年目を除けば、民営化企業より比較的に変動の幅が小さいが、同様なトレンドを表し ている。さらに、民営化企業と異なって、支配株主交替前における負債࡮資産比率(DAR) は低下し続け、国有資本再編直前では平均水準を下回るようになっている。国有資本再編 後の 2 年間にわたって負債࡮資産比率は一旦上昇したが、その後さらに低下傾向を辿るよ 図 4 国有資本再編企業の業績(中央値)推移 (注) 支配株主交替 6 年前から 6 年後までにわたる 13 年間で、それぞれ 6 社、15 社、 26 社、38 社、52 社、65 社、65 社、65 社、61 社、57 社、43 社、25 社、10 社の サ ンプルがある。支配株主交替後 7 年目は 1 社しかないので、この年を除外した。 (出所) サンプル 651 社の中、1995 年から 2000 年まで新国有支配株主を導入した 65 社の年次࡮業種調整済み財務指標の推移である。

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うになっている。民営化後の ΔROS 及び ΔROE の変化から判断して業績は改善されている が、投資活動は積極ではないことがうかがえる。 総じて、支配株主交替前後の各年次における企業業績の中央値の推移に基づいて分析し た結果、民営化企業と国有資本再編企業はともに業績を改善したこと、前者のほうが支配 株主交替前の業績がより低迷し、売上販管費比率の低下がより大きいこと、後者では負 債࡮資産比率が低下したのに対して、前者ではそれが大幅に上昇したことが読み取れる。 次に支配株主交替前の 3 年間を比較の基準として、支配株主交替後 3 年目までの期間(期 間Ⅰ)と支配株主交替後 4 年目から 6 年目までの期間(期間Ⅱ)の 2 つの期間に分けて、支 配株主交替前後における業績の変化を検定したい。期間Ⅰは短期間での業績変化を表すの に対して、期間Ⅱは長期間における業績変化を示している。交替が実施される年に新旧支 配株主がともに企業経営に携わることがあるので、比較から除外する。 検定の結果を表 6 にまとめた。まず、年次調整済みの業績指標をみよう。長期間にわたっ て ΔyROE が大きく上昇しており、支配株主交替の効果が大きい。また、ΔyROS と ΔyROA について、期間Ⅰでは民営化企業と国有資本再編企業がともに上昇しているが、期間Ⅱで は、国有資本再編企業の ΔyROS 上昇だけが検出された。 支配株主交替によって経営内容が変化して、所属業種に変化が生じたサンプルは少なく ない。業績に対する業種の影響を除外した年次࡮業種調整済み業績指標を表 6 にまとめた。 ここで検討している業績指標は年次࡮業種調整済み業績指標なので、各々の上場企業が所 属業種における業績の相対的水準を示している。 支配株主の交替によって、民営化であれ、国有資本再編であれ、上場企業の株主資本収 益性を表す ΔROE の上昇が著しく、かつ長期間にわたって統計的に有意である。このこと から支配株主の交替によって上場企業の経営資源が一新し、企業の収益性が向上したこと がうかがえる。 ところで上場企業の販売収益性ならびに資産収益性を示す ΔROS と ΔROA については民 営化企業と国有資本再編企業では違いが生じている。短期間において民営化企業ではそれ らの上昇が確認されたのに対して、国有資本再編企業ではそれらの上昇は統計的に有意で はない。 これは年次調整済み業績指標の分析結果と異なっている。このことは国有支配企業では 支配株主の変更にともなって、経営内容が大きく変化し、収益性の高い業種へ進出してい ることを示唆している。表 6 では各企業の支配株主交替前後における所属業種の年次調整 済み業績の集計値が示されている。交替前後における所属業種 ROE の変化は検出できな かったが、国有資本再編企業では ROA と ROS、民営化企業では ROA の上昇が長期間にわ たって統計的に有意である。国有資本再編企業の年次࡮業種調整済み業績指標 ΔROS と

ΔROA が向上していないことから、国有資本再編企業の業績(ΔyROS と ΔyROA)の上昇は、

主として業種の変更を含む経営環境の好転によって達成されたといえる。これに対して、 民営化企業の年次࡮業種調整済み業績指標 ΔROS と ΔROA が上昇したことから、民営化企

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業の業績(ΔyROS と ΔyROA)の上昇は、経営環境の好転のほか、経営努力によって達成さ れたといえる。 ところが、期間Ⅱをみれば、民営化企業と国有資本再編企業ではともに ΔROS と ΔROA の上昇が検出できなかった。つまり、支配株主の交替で収益性の高い資産࡮経営内容が上 場企業に資産再構築されが、その後資産࡮経営内容の収益性が維持されておらず、ΔROS 表 6 民営化࡮国有資本再編による業績指標の変化1) 業績指標 グ ル ー プ 期間Ⅰ 期間Ⅱ サ ン プ ル 数 中央値 (平均値) Z 統計量 サ ン プ ル 数 中央値 (平均値) Z 統計量 変化前 (–3, –1) 変化後 (1, 3) 変動幅 グループ 内 グループ 間 変化前 (–3, –1) 変化後 (4, 6) 変動幅 グループ 内 グループ 間 年 次 ࡮ 業 種 調 整 済 み 上 場 企 業 ΔROS (%) 民営化 44 –1.67 (–3.91) 5.74 (–1.50) 7.42 (2.41)2.509** 1.149 20 –1.45 (–1.87) 7.74 (4.85) 9.18 (6.71) 1.120 0.369 国有資 本再編 65 –0.88 (–2.56)(1.08)1.83 2.71 (3.64)1.408 43 –0.88 (–1.02)(–2.47)3.72 (–1.44)4.60 1.207 ΔROE (%) 民営化 44 –0.13 (–6.12) 4.11 (–9.59) 4.24 (–3.46)2.976*** 0.642 20 –1.06 (–3.88) 6.09 (4.16) 7.15 (8.04) 2.016* 0.487 国有資 本再編 65 0.40 (–3.11) 3.65 (1.87) 3.26 (4.98)2.068** 43 0.40 (–2.07) 3.64 (0.87) 3.24 (2.95) 2.608** ΔROA (%) 民営化 44 –1.13 (–2.67) 0.60 (–0.60) 1.73 (2.07)2.474** 0.469 20 –1.92 (–2.32) 0.12 (–0.16) 2.04 (2.16) 1.232 0.650 国有資 本再編 65 –0.25 (–1.14)(0.66)0.88 1.13 (1.80)1.611 43 0.29 (–0.83)(–1.35)–0.74 (–0.52) ––1.03 0.386 年 次 調 整 済 み ΔyROS (%) 民営化 44 –5.76 (–5.10) 6.73 (–3.74) 12.5 (1.36)2.416** 0.840 20 –4.78 (–3.06) 5.88 (–0.17) 10.66 (2.89) 1.605 0.103 国有資 本再編 65 –4.19 (–3.51) 2.01 (0.89) 6.20 (4.40)1.735* 43 –4.67 (–1.70) 5.84 (–3.58) 10.52 (–1.88) 1.690* ΔyROE (%) 民営化 44 0.58 (–6.23) 4.98 (–9.36) 4.40 (–3.12)3.303*** 0.753 20 –0.35 (–3.81) 6.30 (2.56) 6.64 (6.37) 2.203** 0.487 国有資 本再編 65 1.25 (–3.51)(1.87)4.38 3.13 (5.38)2.356** 43 1.25 (–1.87)(–0.05)5.03 (1.82)3.78 2.910*** ΔyROA (%) 民営化 44 –1.59 (–3.02) 0.00 (–0.64) 1.59 (2.38)2.591** 0.284 20 –2.39 (–2.61) 0.71 (–0.68) 3.10 (1.93) 1.120 0.413 国有資 本再編 65 –0.38 (–1.45) 1.14 (0.62) 1.52 (2.07)1.970* 43 –0.05 (–1.02)(–1.13)–0.25 (–0.12) ––0.20 0.664 所 属 業 種 2) ΔyROS (%) 民営化 44 –5.18 (–5.09)(–4.73)–2.93 2.25 (–4.73)0.560 0.766 20 –5.85 (–4.70)(–6.68)–2.87 2.98 (–1.98) 0.448 –1.048 国有資 本再編 65 –5.92 (–4.92)(–2.76)–3.74 (2.16)2.18 3.408*** 43 –5.92 (–4.17)(–2.87)–2.17 (1.30)3.75 2.560** ΔyROE (%) 民営化 44 –1.57 (–1.22) 0.10 (–0.73) 1.67 (0.49)0.945 0.611 20 –0.33 (–0.88)(–2.25)–0.40 (–1.37–0.07 –0.523 0.635 国有資 本再編 65 –0.78 (–1.51)(–0.99)–0.39 0.39 (0.52)0.029 43 –0.52 (–0.83) 1.12 (–1.61) 1.64 (–0.78) 0.724 ΔyROA (%) 民営化 44 –1.33 (–1.24)(–0.44)–0.41 0.92 (0.80)2.661** 0.154 20 –1.19 (–1.11)(–0.51)–0.50 0.69 (0.60) 2.128** –0.960 国有資 本再編 65 –1.45 (–1.22)(–0.48)–0.58 (0.74)0.88 3.447*** 43 –1.29 (–1.02)(0.20)–0.05 1.24 (1.22) 3.502*** (注) 1)交替前 3 年の業績平均値に対する交替後の前 3 年並びに後 3 年の業績平均値の変化を検定した。グループ内の交替前 後業績の変化を Wilcoxon の対比された対の符号化順位検定で検定し、民営化と国有資本再編の間の業績変化の違い を Wilcoxon の順位和検定で検定した。***、** 及び * はそれぞれ 1%、5% 及び 10% の水準で統計的に有意であること を示す(両側検定)。なお、年次調整とは各々の企業の業績から各年次における 651 のサンプル企業の業績平均値を 差し引くことであり、年次࡮業種調整とは各年次における各業種の業績指標の平均値を差し引くことである。 2)サンプル企業の支配株主交替前後の期間における各企業が所属する業種の業績に対して年次調整を行い、つまり各業 種の業績から各年次の全業種の業績平均を差し引いた年次調整済み業績指標を用いて、業績の変化を検定した。 (出所) 本稿の 109 のサンプル企業の支配株主交替前後の期間における業績の平均値の変化に対する検定結果である。

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と ΔROA は支配株主交替前のレベルまで低下した。このことは経営陣の経営業務の新規開 拓の遅れ、さらには中国市場の過激な競争状況を示唆している。長期間の場合の ΔROS と ΔROA の不振は、民営化企業と国有資本再編企業の両方で見られる。しかし、資金調達、 経営規模拡大の度合い、財務体質健全化への執着ならびに販売管理費用の低下という点で 両者は明確に異なっている。

まず、ROE(ΔROE ならびに ΔyROE)の上昇は株主資本の収益力の向上を意味している。

このことは長期間にわたって維持されている。ROA の不振と ROE の上昇が共存している ことは上場企業が資産の「量的拡大」を通じて収益の拡大を確保していることを示唆して いる。 表 7 は大株主交替にともなう資産、負債、株主自己資本と財務費用の変化を表している。 民営化企業であれ、国有資本再編企業であれ、資産の平均値は期間Ⅰでは倍ぐらい大きく 上昇し、期間Ⅱではさらに大幅に上昇した。また、資産࡮自己資本比率は何れのグループ においても長期間にわたって上昇し、しかも民営化企業が国有資本再編企業より上昇幅が 大きい。 資産拡大の方法は主として銀行借入とエクイティ࡮ファイナンスによる自己資本調達が ある。中国では社債発行は殆ど利用されていない。民営化企業と国有資本再編企業はとも に長期間にわたって負債と自己資本が急上昇している。期間Ⅰをみれば、民営化企業は負 債、そして国有資本再編企業は自己資本の上昇幅が相手グループより大きい。つまり、経 営規模拡大のために、民営化企業と国有資本再編企業はそれぞれ相手より銀行借入と新株 発行による資金調達の傾向が強い。その結果、両者の間で資産の上昇幅に統計的に有意な 差が検出できなかった。ところが、期間Ⅱをみれば、民営化企業は依然として国有資本再 建企業より負債の上昇幅が大きいが、民営化企業と国有資本再編企業の間に自己資本の上 昇幅に違いが見られなくなっている。その結果、民営化企業の資産の上昇幅が国有資本再 編企業を上回っている。 また、表 7 から国有資本再編企業が民営化企業より財務体質の健全化に努めていること がわかる。民営化企業の場合、全期間において財務費用の上昇が検出されたのに対して、 国有資本再編企業の場合、その上昇が検出されなかった。国有資本再編企業は民営化企業 より財務費用の削減に力を入れていることが分かる。それに民営化企業では長期間にわ たって負債࡮資産比率 ΔDAR の上昇が検出されている。民営企業は銀行借入によって積極 的に投資活動を進め、資産の拡大で株主に利益を増やしている。他方で、統計的な有意性 は検出されなかったが、国有資本再編後の同比率の中央値は低下したようにみえる。つま り、国有資本再編企業の新しい支配株主は上場企業の財務体質悪化の阻止と資産拡大のた めに、エクイティ࡮ファイナンスで資金を調達して企業利益を増加させる傾向が民営化企 業より強い。 業種の相違によって販売管理費用が大きく異なるであろう。年次࡮業種調整済み売上販 管費比率(ΔMC/SALE)の変化を検定した結果、民営化企業では持続的に低下している。民

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表 7 民営化 ࡮ 国有資本再編による資産、負債、自己資本、財務費用、売上販管比率、負債 ࡮ 資産比率の変化 指標 グループ 期間Ⅰ 期間Ⅱ サンプル 数 中央値 (平均値) Z統計量 サンプル 数 中央値 (平均値) Z統計量 変化前 ( –3, –1 ) 変化後 1, 3 ) 変動幅 グループ 内 グループ 間 変化前 ( –3, –1 ) 変化後 4, 6 ) 変動幅 グループ 内 グループ 間 資産 (万元) 民営化 44 43,896.48 ( 53,984.95 ) 95,203.89 ( 101,524.16 ) 51,307.41 ( 47,539.20 ) 4.680*** 0.723 20 38,092.83 ( 48,165.90 ) 147,414.34 ( 201,357.33 ) 109,321.51 ( 153,191.43 ) 3.808*** 2.023** 国有資本 再編 65 45,81 1.79 ( 81,186.78 ) 85,084.71 ( 133,206.26 ) 39,272.93 ( 52,019.49 ) 4.924*** 43 44,654.51 ( 85,222.86 ) 124,752.72 ( 181,826.55 ) 80,098.21 ( 96,603.68 ) 4.878*** 負債 (万元) 民営化 44 19,347.04 ( 26,022.57 ) 51,577.1 1 ( 55,253.59 ) 32,230.07 ( 29,231.02 ) 4.913*** 1.859* 20 17,647.12 ( 21,204.27 ) 90,124.63 ( 11 8,047.52 ) 72,477.51 ( 96,843.25 ) 3.808*** 2.628*** 国有資本 再編 65 18,182.57 ( 38,050.71 ) 36,123.37 ( 62,701.09 ) 17,940.79 ( 24,650.38 ) 4.107*** 43 16,900.62 ( 40,642.17 ) 58,700.78 ( 84,958.55 ) 41,800.16 ( 44,316.38 ) 3.900*** 自己資本 (万元) 民営化 44 21,681.99 ( 27,207.73 ) 31,200.22 ( 42,075.22 ) 9,518.23 ( 14,867.49 ) 3.104*** –1.754* 20 18,931.64 ( 26,420.08 ) 47,514.84 ( 68,809.43 ) 28,583.20 ( 42,389.35 ) 3.397*** –0.177 国有資本 再編 65 26,868.89 ( 42,314.86 ) 44,183.29 ( 65,974.71 ) 17,314.40 ( 23,659.85 ) 5.558*** 43 23,748.99 ( 44,174.09 ) 61,342.40 ( 90,327.53 ) 37,593.42 ( 46,153.44 ) 4.999*** 資産 ࡮ 自己 資本比率 (倍) 民営化 44 1.92 ( 2.06 ) 2.47 ( 2.99 ) 0.56 ( 0.93 ) 4.446*** 2.878*** 20 1.83 ( 1.89 ) 2.74 ( 3.40 ) 0.92 ( 1.51 ) 3.547*** 3.234*** 国有資本 再編 65 1.76 ( 1.98 ) 1.88 ( 2.19 ) 0.12 ( 0.21 ) 2.036** 43 1.76 ( 1.94 ) 1.98 ( 2.19 ) 0.23 ( 0.25 ) 2.801*** 財務費用 (万元) 民営化 44 516.97 ( 698.43 ) 1,351.95 ( 1,525.63 ) 834.99 ( 827.19 ) 4.131*** 2.501** 20 417.26 ( 582.54 ) 1,552.96 ( 2,633.19 ) 1,135.70 ( 2,050.65 ) 3.173*** 2.318** 国有資本 再編 65 516.85 ( 1,360.32 ) 859.20 ( 1,346.31 ) 342.35 ( –14.01 ) 1.480 43 443.87 ( 1,662.01 ) 1,271.84 ( 1,736.83 ) 827.97 ( 74.81 ) 1.521 Δ MC/SALE ( %) 民営化 44 0.16 ( 1.67 ) –4.94 ( –2.98 ) –5.10 ( 1.31 ) –1.809* –1.223 20 –0.14 ( 0.67 ) –9.81 ( –6.05 ) –9.67 ( –6.72 ) –1.829* –1.004 国有資本 再編 65 –1.06 ( 2.59 ) –1.75 ( 0.51 ) –0.69 ( –2.08 ) –1.526 43 –1.89 ( 0.79 ) –5.47 ( 1.17 ) –3.58 ( 0.38 ) –1.980* Δ DAR ( % ) 民営化 44 4.22 ( 3.36 ) 7.42 ( 7.88 ) 3.19 ( 4.52 ) 2.287** 1.698* 20 2.83 ( 1.41 ) 9.13 ( 10.40 ) 6.31 ( 8.99 ) 2.315** 2.215** 国有資本 再編 65 –0.69 ( –2.01 ) –2.77 ( –1.63 ) –2.08 ( 0.37 ) –0.003 43 –0.69 ( –2.80 ) –1.57 ( –1.76 ) –0.89 ( 1.04 ) –0.097 (注)  交替前 3年の平均値に対する交替後の前 3年並びに後 3年の平均値の変化を検定した。 グループ内の交替前後各指標の変化を W ilcoxon の対比された対の符号化順位検定で検定し、 民営化と国有資本再編の間で各指標の変化の違いを W ilcoxon の順位和検定で検定した。 *** 、 ** 及び *はそれぞれ 1% 、 5% 及び 10% の水準で統計的に有意であることを示す(両側 検定) 。△は年次 ࡮ 業種調整済み指標を表す。 (出所)  本稿の 109 のサンプル企業の支配株主交替前後の期間における各指標の平均値の変化に対する検定結果である。

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営化前に販売管理費を過度に計上することを通じて、民営化の後に利益を捻出している と、国有企業の民営化が批判されている。民営化後の売上販管費比率低下が持続している ことから判断すれば、販売管理費操作はあくまでも個別のケースであろう。 さらに、上場企業で支配株主が交替された場合、民営化と国有資本再編の 2 つの選択肢 があるが、その選択について考えてみよう。 表 8 は支配株主交替前の企業財務指標を示している。民営化企業のほうが国有資本再編 企業より資産規模が小さくみえるが、統計的に有意ではない。また、中央値と平均値から 判断すれば、民営化される企業の ROS、ROA と ROE は国有資本再編される企業より小さ く、企業の収益力が比較的に低い。検定の結果、民営化される企業の ROE が国有資本再 編される企業より小さいことが統計的に有意である。このことから国有上場企業の業績の 低迷が深刻であればあるほど民営化が実施される可能性が高いと推測できる。つまり、上 場企業の民営化は企業業績が著しく悪化している企業から始まる。さらに、負債࡮資産比 率をみれば、民営化される企業は国有資本再編される企業より高い。つまり、民営化され 表 8 民営化࡮国有資本再編前の企業財務指標 財務指標 グループ 中央値 (平均値) Z 統計量 資産(万元) 民営化 48,236.95 (59,081.06) –0.963 国有資本再編 49,168.22 (84,722.35) DAR(%) 民営化 48.01 (48.33) 1.840* 国有資本再編 41.72 (42.47) ROS(%) 民営化 7.49 (8.13) –0.741 国有資本再編 8.92 (9.85) ROE(%) 民営化 8.96 (2.66) –2.050** 国有資本再編 10.59 (5.47) ROA(%) 民営化 4.74 (3.38) –1.612 国有資本再編 5.70 (5.05) (注) 民営化と国有資本再編の間の違いを Wilcoxon の順位和検定で検定 した。** と * はそれぞれ 5% と 10% の水準で統計的に有意であること を示す(両側検定)。 (出所) 本稿の 109 のサンプル企業の支配株主交替前の年の資産と負債࡮ 資産比率、ならびに支配株主交替前 3 年間の ROS、ROE と ROA の平 均値に対する検定結果である。

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る企業の債務負担は国有資本再編される企業の債務負担より重い。総じて、業績が低迷す ればするほど、債務負担が重ければ重いほど、上場企業が民営化される可能性が増える。 これは民営化に対する政府の厳しい規制の結果であろう。

おわりに

国有企業の民営化を議論する場合、一方で現存の国有企業と民営企業を比較して民営化 の必要性を考える必要がある。他方で民営化された国有企業の業績変化を分析して、本当 に民営化だけで企業業績が向上できるのかを判断する必要がある。本稿は後者の課題を中 心に国有資本再編と比較しながら上場企業の民営化を実証分析した。次の結論がえられた。 第 1 に、民営化企業と国有資本再編企業の両者において、株主資本収益性(ΔyROE と ΔROE)の向上が長期間にわたって持続している。民営化と国有資本再編はともに成果を 収めているといえる。 第 2 に、販売収益性(ΔyROS)と資産収益性(ΔyROA)について、短いタイムスパンに限 れば、民営化企業と国有資本再編企業はともに好転している。しかし、業種の影響を除い てみると、民営化企業では ROS と ROA が上昇したのに対して、国有資本再編企業ではそ の上昇は検出できなかった。したがって、国有資本再編企業の業績好転は経営内容の変更、 つまり収益性の高い業種への進出によるところが大きい。これは民営化と国有資本再編で 大きく異なっている 1 つの点である。 第 3 に、長いタイムスパンでは年次࡮業種調整済みの ROS と ROA の上昇は検出できな かったが、ROE の上昇は統計的に有意である。ROE の持続的な好転の背後には、資産の 「量的拡大」、つまり資産࡮自己資本比率の上昇が存在している。短期間では民営化企業と 国有資本再編企業は相手グループよりそれぞれ比較的に多く銀行借入と株式発行を通じて 資金を調達している。しかし、長いタイムスパンでは株式発行における国有資本再編企業 の優位性が存在しなくなっている。その結果、民営化企業の資産および資産࡮自己資本比 率の上昇幅はともに国有資本再編企業を上回っている。 このような資金調達方法の違いを引き起こしたのは、国有資本再編企業の財務体質改善 への執着と民営化企業の積極的な投資姿勢であろう。民営化企業のほうが国有資本再編企 業より負債࡮資産比率と財務費用の上昇は大きい。もっとも国有資本再編企業では負債࡮ 資産比率の上昇が検出されていない。 第 4 に、民営化企業の売上販管費比率を分析した結果、販売管理費用の会計操作は民営 化直後の利潤上昇の原因でないことがわかった。販売管理費用の会計操作はあくまでも個 別の事例であり、民営化の拡大につれて広がっているとはいえない。 第 5 に、上場企業の業績が悪化した場合、民営化か国有資本再編かの 2 つの選択肢が現 れる。より企業業績が低迷している企業、より財務体質が悪化している企業に民営化が採

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用される可能性が増えるといえる。 このように、民営化企業と国有資本再編企業はともに収益性を向上させたが、国有資本 再編企業の資産࡮販売の収益性の向上は経営内容の変更に大きく頼っている。この点から いえば、民営化は国有資本再編より優れている。しかし、民営化企業でも資産࡮販売の収 益性の向上を長期間維持することができなかった。銀行借入で積極的に資産を拡大して ROE を長期間にわたって向上させたとはいえ、未解決な経営課題が多数残っている。した がって、本稿の実証結果に基づけば、民営化は必要であるが、業績改善の十分条件ではな い。中国の資本市場の未発達、地方政府の地元企業に対する保護、さらには家族企業の コーポレート࡮ガバナンスの問題が原因であろうが、さらに分析を深める必要があり、今 後の研究課題にしたい。 (注) 1) 「民営化」という用語について 2 通りの意味がある。一つは「国有民営」に表れるように、国家所有の 下での民間経営である。もう一つは「私有化」、つまり、民間資本への国有企業の売却である。本稿は後 者の概念を用いて、所有関係の変化と企業業績の関係を検証する。 2) 筆者が『中国工業経済統計年鑑 1998』76–81 ページ及び 84–89 ページより算出した。 3) 筆者が『中国工業経済統計年鑑 1998』76–81 ページ及び『中国工業経済統計年鑑 2003』58–66 ページよ り算出した。 4) 中屋(2001)は国有企業にとってエクイティ࡮ファイナンスの実施が上場する最も重要な目的である ことを明らかにした。 5) 実際には、海爾集団は集団所有制企業であり、TCL 集団の経営者は 1990 年代半ばに地方政府と交わし た契約に基づいて株式を獲得しており、科龍電器はカリスマ経営者が定年退職し、その後地方政府が国 有株を私営企業に売却した、と指摘されている(周、2004)。 6) 青島ビール株式会社が金志国 CEO のもとで、その前任の買収による急速な事業拡大路線から子会社経 営資源の統合、ブランドの統一、子会社持株の売却、および買収の減速へ経営方針を変えた。MBO によ る民営化ではなく、国有企業の所有関係を維持しながら、専門経営者を中心とした改革がこの会社を成 功させた、と郎咸平がいう。彼はさらに一歩進んで国有企業の民営化を否定し、インセンティブと受託 者忠実義務(原文「信託責任」)に基づく専門経営者制度の確立を提唱している。しかし、なぜ金志国の 前任は専門経営者だと言えないのか、そしてなぜ専門経営者制度が確立されずに受託者忠実義務が果た されているのかについての説明が欠落している(郎࡮馬ほか、2004)。 7) この論争は捜狐によってネット上で展開され、3 万以上のコメントがネット掲示板に書き込まれてい る。詳細は捜狐財経(2004)を参照されたい。 8) 国有法人株と国家株の分類はかなり恣意的に行なわれていると見られている。なお、国有株の分類を 具体的に規定するものとして、「株式会社国有株管理暫定辦法」(1994 年 11 月、国家国有資産管理局࡮国 家経済体制改革委員会によって発布された)がある(中国法制出版社編、2003: 485–489)。 9) そのほとんどが筆頭株主であるが、上位 10 位にランクインされている株主の関係に基づいて調整した。 具体的には資本支配関係に基づいて、親子会社ないし同一親会社を有する子会社同士の持株を合計した 上で、実質的に上場企業の最大の株式を支配できる株主を支配株主とする。なお、中央決済(central se-curities clearing system)のための HKSCC(Hong Kong Sese-curities Clearing Company Limited)が筆頭株主で あっても支配株主に採用しない。

10) 所有制改革と企業業績の関係について、株式所有のほかに、経営者による「事実上の民営化」(de facto privatization)に基づく研究もある。詳細は徐(2003)を参照されたい。なお、川井(2003)は中国の株 式会社における「大株主支配」と「経営者支配」が重なっていることを分析している。

11) Zinnes, Eilat, and Sachs(2001)は中東欧࡮旧ソ連諸移行経済の国別データを用いて、民営化とマクロ経 済の関係を分析した。民営化が実施された時点で、利潤最大化が企業の目的関数になったかどうか、予 算制約がハードになったかどうか、株主が経営者をモニターできたかどうかの条件をクリアできた民営 化を「深い民営化」(deep privatization)と呼び、マクロ経済を好転できるのはこの「深い民営化」だけで あると論じた。なお、Megginson and Netter(2001)が民営化についての優れたサーベイ論文である。 12) 原文は「state ownership」であるが、説明はない。ただし、その比率が 50% を下回る企業が 50% を超え

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る企業の約 2 倍であることから、国家株を意味すると推測できる。 13) 原文は「government ownership」であるが、注 11 と同様な理由で国家株のことであろうと推測できる。 14) 少数であるが、集団所有制企業も私営企業に集計されている。本稿のデータの中で、多くの集団所有 制企業は従業員持ち株会などの組織に所有されている。上場数年後その持ち株は経営陣と従業員に明確 に分けられるケースも多い。このことは集団所有制企業の多くは「レッド࡮キャップ」つきの私営企業 という論点に合致している。 15) 姚࡮秦(2001)によれば 1993 年に民営化されたのは 3 社であった。 16) 今井(2002)は上場企業の民営化の動きを紹介している。 17) 郎咸平がこの民営化の裏事情を発見したと自負している(郎࡮紀ほか、2004)。 (参考文献) ⇠◭

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