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市販茶系飲料の抗変異原性と抗変異原性成分の定量

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(1)

平 成16年12月(2004年) 一37一

市 販茶系 飲料 の抗変異 原性 と抗変異 原性 成分 の定 量

興 津

佳 子,橋

麻 美,水

智 子,大

Antimutagenicity

and antimutagen

concentrations

in commercially

available

tea drinks

Yoshiko Okitsu, Asami Hashimoto,

Tomoko Mizuno and Takeshi Ohe

Sep-pak C18 extracts of nineteen commercially available tea drinks were examined for inhibitory effects on the mutagenicity for three nitroarenes using umu-test. Antimutagenic activity of tea drinks increased in the following order: blend tea drinks <green tea drinks <oolong tea drinks. Furthermore, anti-mutagens (EGC, C, EGCG, EC, ECG, ascorbic acid, gallic acid and caffeine) concentrations of nineteen commercially available tea drinks were determined by HPLC combined with UV detector and electro-chemical detector. Higher concentrations of EGCG and EGC were detected in green tea drinks than oolong tea drinks. Total mean concentration of five catechins in oolong tea drinks was less than half of one in green tea drinks. These results suggest that there is no correlation between antimutagenicity for nitroarenes and catechin concentrations in commercially available tea drinks.

1.緒 言 茶 の起 源 は 古 く,紀 元 前3000年 頃 の 中 国西 南 部 に発 祥 した と伝 え られ て お り,そ の 後 中国 か ら様 々 な ル ー トを 経 て世 界 各 地 に 伝 わ り,日 本 に は平 安 初 期(約1200年 前)唐 へ 留 学 した僧 侶 た ち に よっ て 持 ち 帰 っ た の が 始 ま り とい わ れ て い る1)。現 在,世 界 各 地 で 親 し まれ て い る茶 は,Camelliasinensisと い うツ バ キ科 の 常 緑 樹 の葉 か ら作 られ て お り,発 酵 法 の違 い に よ って,不 発 酵 茶,半 発 酵 茶,発 酵 茶 の よ うに 分 類 さ れ て い る。も と も と茶 は 生 産 量 も少 な く, 高 価 で も あ り,嗜 好 飲 料 と して よ り も気 分 を爽 快 に し,疲 労 を癒 す な ど薬 と して 扱 わ れ て きた が,日 本 で は 鎌 倉 時 代 に 入 っ て喫 茶 と し て の 関 心 が 高 ま っ て きた 。 日本 の お 茶 とい え ば緑 茶 で 代 表 され るが,煎 茶, 玉 露,抹 茶 な どの 日本 茶 は 蒸 製 緑 茶 で あ る。 茶 に お 湯 を そ そ い で,色 と味 と香 りを 楽 しむ の が 本 来 の わ が 国 で の お 茶 の 飲 用 形 態 で あ った 。 また,茶 の種 類 に 合 った 茶 器 を 用 い て茶 を い れ る の が 本 来 の形 式 で あ るが,20年 ほ ど前 か ら缶 飲 料 や ペ ッ トボ トル飲 料 が使 用 され る よ うに な り,消 費 者 の簡 便 志 向 の高 ま 京都 女子 大学 家 政学 部食 物 栄養 学科 衛 生学 第一 研 究室 りを 背 景Y'茶 系 飲 料 の市 場 は 大 き く成 長 し,2003年 度 の生 産 量 は,1986年 に比 べ て 約20倍 の500万k1 に も達 して い る2>。ま た,図1に 示 した2003年 の 種 類 別 生 産 量 か らみ て も,緑 茶 飲 料 が約4割 を 占 め て は い る もの の ウ ー ロ ン茶 飲 料,紅 茶 飲 料,ブ レ ン ド 飲 料 な ど種 々 の茶 飲 料 が飲 まれ て い る。この よ うに, 茶 の飲 用 形 態 は 大 き く変 化 し,市 販 茶 系 飲 料 は私 達 の生 活 に よ り密 接 な も の とな って き て い る。 植 物 成 分 に よ るが ん予 防 を 目的 と して1990年 に 米 国 国立 が ん 研 究 所 を 中心 に ス タ ー トした"デ ザ イ ナ ー フ ー ド計 画"で の が ん 予 防 効 果 の 可 能 性 の あ る 食 品 の 中 で"茶"は 重 要 性 の 度 合 い の 高 い 位 置 づ け が さ れ て い る3)。茶 の 中 で も,と りわ け 緑 茶 の摂 取 と が ん に 関 連 す る研 究 は 多 く成 さ れ て き て お り, IARC(国 際 が ん研 究 機i関)に よ る緑 茶 の 消 費 量 とが ん の 発 生 率 に つ い て の疫 学 調 査 結 果 で は 明 確 な相 関 性 が 認 め られ て い なか っ た と の報 告 が あ る一 方,緑 茶 を 多 く飲 む 人 に が ん 発 生 の 危 険 率 が低 い と の疫 学 調 査 が 日本 で報 告 され て い る。 こ のほ か に も緑 茶 摂 取 量 と各 種 が ん の 発 生 率 や 死 亡 率 に 関 す る疫 学 調 査 で は,相 反 す る結 果 が 見 られ て い る4-8)。 緑 茶 抽 出 物 や 緑 茶 の 主 要 成 分 で あ る カ テ キ ン類 は,抗 酸 化 性,ラ ジ カ ル消 去 活 性 な どを有 す る こ と か ら抗 変 異 原 性 や 抗 発 が ん性 に 関 す る研 究 が 多 く行

(2)

。 δ q J 食物学会誌・第59号

その他茶系飲料

3

ブレンド茶飲料

1

7

むぎ茶飲料

4覧

ウ ー ロ ン 茶 飲 料

24

紅茶飲料

1

6

図1 わが国の市販茶系飲料の生産数量別の内訳 (2003年) 資料:社団法人全国清涼飲料工業会編:清涼飲料関係統計資料 (2004) われてきた。さらに,緑茶のみならずウーロン茶, 紅茶,白茶なども研究対象とされてきている4,9-13)。 茶ポリフェノールの変異原物質に対する抗変異原性 についても多くの報告があり カテキン類あるいは その熱異性化物にベンゾ (a) ピレン (BaP),ヘテ ロサイクリックアミン (HCA),過酸化水素,アフ ラトキシン B1(AFB1),ジメチルアミノベンズアン トラセン,島町

NG

などの変異原性を抑制する作用が 知られている。種々の茶葉抽出物についてもそれら の作用の違いが報告されており,茶葉の化学成分の 違いによると思われる結果やカテキン類以外の成分 の関与が報告されている1ι28)。一例として, Consta -bleら18)は,緑茶,紅茶抽出物をHPLCにより分画 し,カテキン類とは異なる画分が HCAの生成を抑 制したことを報告している。著者ら27)は,各種茶葉 抽出物のニトロアレン類に及ぼす抗変異原性を検討 し,茶葉中のカテキン類が必ずしも主要な抗変異原 性成分ではないとの結果を報告した。一方,市販茶 系飲料に関する報告は,岩井ら29)による市販茶系飲 料の抗酸化活性とカテキン濃度との関連を検討した 報告,中川ら30)によるフリーラジカル、消去作用に着 目した市販茶系飲料の評価についての報告があるも のの抗変異原性に関する報告は見られない。そこで 本報では,近年幅広く普及してきているベットボト ル型市販茶系飲料のニトロアレン類に対する抗変異 原性並びに含まれる抗変異原性成分濃度の測定を 行った結果について報告する。本実験で対象とした ニトロアレン類は,物質の不完全燃焼,大気中での 生成,化学工業界での大量使用, 自然界での窒素循 環過程での生成などにより広く環境に分布してお り , 自動車排ガス,大気,石油ストーブ燃焼室内空 気,焼き鳥など我々の生活の身近に存在する物質で, 特に肺がんの原因物質としても長年注目されている 環境変異原物質である3

1

1

.

実 験 方 法

1.試料 平成

1

4

年に京都市内で購入したベットボトル入

(3)

平成16年 12月 (2004年) り市販茶系飲料19製品並びに平成 16年度に京都市 内で購入した 3製品を使用した。平成 14年に使用 した茶系飲料は,原材料に使用されている茶を基準 に,緑茶飲料 (GT-1~11) , ウーロン茶飲料 (OT-1 ~3) ,複数の茶を使用しているブレンド茶飲料 (BT-1~5) に分類し,試験に供した。また,平成 16 年 に購入した飲料は,緑茶系飲料2種及びウーロン茶 系飲料1種を使用した。

2

.

市販茶系飲料の抗変異原性の測定 1)変異原物質 Lニトロピレン (l-NP) , 3-ニトロフルオランテ ン (3・NFT) 及びジニトロピレン (DNP,1,6-DNP: 1βDNP=l: 1の混合物)は,和光純薬工業(株)製 を用いた。 2)試験液の調製 平成14年に購入した市販茶系飲料 200mlを使用 前にメタノール20ml 蒸留水 20mlの順に注入して 活性化した Sep-pakC18 (Millipore社製)に毎分約 2mlの速度で注入した。続いて,蒸留水 5mlを同じ 速度で注入した後,・メタノール 20mlで溶出した。 溶出液をロータリーエパポレーターで濃縮,乾固し, ジメチルスルホキシド (DMSO)800μlで再溶解し, 抗変異原性試験に用いた。 3) umuテスト Salmonella typhimurium TA1535/pSK1002 (大阪府 立公衆衛生研究所小田美光博士より御恵与頂いた) を使用して, Odaら32)の方法に準拠して行った。す なわち,

LB

培地(トリプトン 1%,酵母エキス 0.5 %,食塩0.5%にアンピシリン 25μglmlの割合で加 えたもの)にて一夜培養した菌液を TGA培地(ト リプトン 1%,食塩 0.5%, グルコース 0.2%にアン ピシリン 20μglmlの割合で加えたもの)で 50倍に 希 釈 し さ ら に 370C で培養した。菌濃度が, 0.25 -0.30(&00)に達したとき, この菌液2.36mlに変異 原物質 (20μ1)および市販茶抽出物 (20μ1)を加え て,さらに2時間培養した。この反応液 0.2mlを菌 体内に産生された βガラクトシダーゼ活性の測定 に,残りを菌の濁度 (&00)測定に用いた。

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ガラ クトシダーゼ活性の測定はMillerの方法33)により測 定し,次式により活性値を算出した。 日ーガラクトシダーゼ活性値 (unit) = 1000 (At20-1.75

A550)

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&00 t=反応時間(分) V =0.1 (菌液希釈率) 抗 変 異 原 活 性 は , 市 販 茶 系 飲 料 か ら 得 た Sep -pakC18抽出物試料無添加におけるニトロアレン類 3 - 39-種の

s

-

ガラクトシダーゼ、値を 100%とした場合に, 市販茶系抽出物試料添加により抑制される率から算 出した。ニトロアレン類3種の濃度は,反応液 1ml 当りそれぞれ1-NP:0.2μg, 3・NFT:0.1μg, DNP: 0.01μgとしずこ。 3. 市販茶系飲料中の抗変異原性成分濃度の定量 1)標準液 (-)ーエピガロカテキン (EGC), (+)カテキン (C), (ー)ーエピガロカテキンガレート (EGCG), (一)ーエ ピカテキン (EC) 及び(-)ーエピカテキンガレート (ECG) のカテキン類 5種はフナコシ製,カフェイ ン,没食子酸及びアスコルビン酸は,和光純薬工業 (株)製を用いた。カテキン類,カフェイン及び没食 子酸は20%メタノール含有 100mMリン酸に溶解し て保存液とし,ー200

C

で冷凍保存したものを標準液 として用いた。アスコルピン酸は,使用前に蒸留水 に溶解して用いた。 2) 機器及び測定条件 HPLC装置のポンプには(株) SHISEIDO FINE CHEMICALS セミミクロ高速液体クロマトグラフ SI-1を用いた。検出器には, (株)島津製作所製紫外 可視分光検出器SPD・10A及び(株)医理化機器製電 気化学検出器 L871 (加電圧700mV) を用いた。分 析カラムは, YMC-Pack ODS・A (4.6x250 mm) ,移 動相にはメタノール:蒸留水:0.2M リン酸緩衝液 (pH 3.0) =12: 33: 5を用いた。カラム恒温槽は 300C に 設 定 し 移 動 相 の 流 速 は700μVminとした。 3) 試験溶液の調製 市販茶系飲料の一部をとり 20%メタノール含有 100mM リン酸で 20~50 倍に希釈した後, 0.45μm のフィルターを通してHPLCの試験溶液とした。 1 1

1.実験結果および考察

1. 市販茶系飲料の抗変異原性 市販茶系飲料の抗変異原性を見るためのumuテス トの用量一反応関係の一例を図2に示す。 1・NP,3・ NFT及び DNPが誘導する βガラクトシダーゼ値は, 市販茶系飲料抽出試料量(反応液1ml当りの添加抽 出液に相当する飲料量で示している)の増加に伴っ て低下する傾向が認められている。図2に示す用量 一反応関係を市販茶系飲料19種について観察し,そ れぞれの用量一反応関係から,最小二乗法で求めた 直線回帰式から,市販茶抽出試料無添加におけるニ トロアレン類3種の βガラクトシダーゼ値 50%抑制 量の平均値及び標準偏差を算出し,茶飲料種類別に 図3に示した。変異活性 50%抑制茶飲料量が少ない

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-食物学会誌・第59号

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市販茶系飲料

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抽出試料のニトロアレン類に対する抗変異原性の濃度反応効果

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園緑茶飲料

ロウーロン茶飲料

日ブレンド飲料

図3 市販茶系飲料のニトロアレンに対する変異活性50%抑制量の茶系飲料別の比較 ほど,抗変異原活性が強いことを示している。図 3 の結果から市販茶系飲料の抗変異原活性は, 3種の ニトロアレンに対していずれもウーロン茶飲料>緑 茶飲料>ブレンド茶飲料の順に強いことが認められ た。著者等27)は,既報で各種茶葉の40%メタノール 抽出物のニトロアレン類に対する抗変異原性を検討 し , ウーロン茶が最も強い結果を示したことを報告 しており,本実験での結果と一致するものであった。

Yenら20)は,IQやTrp-P-1などのHCA,BaP, AFB1

に対する変異原活性抑制率は ウーロン茶より緑茶 の方が強いこと,さらにそれらの抑制効果はカテキ ン濃度と関連があったことを報告している。一方, Constanbleら18)は,緑茶,紅茶抽出物のPhIP,IQ, MeIQxなどのHCAに対する抗変異原性は,カテキ ンとは異なる画分の関与を報告している。また,著 者らも,ニトロアレン類に対する抗変異原性には, カテキン類とともに他の成分の関与が強いことを報 告している27)。このように茶葉の有する抗変異原性 は,茶の種類により異なることが知られてきており, 抗変異原性成分としてカテキン類とともに他の成分 の関与することも報告されている。 茶葉に含まれるカテキン類,野菜等に含まれるフ ラボノイドなどのポリフェノール,茶抽出物による フリーラジカル捕捉能については膨大な報告があ る叩)。変異原物質の有する活性の抑制作用には,フ リーラジカル捕捉能による変異原物質の

DNA

損傷 にいたる代謝過程の阻害の他に,変異原物質または その活性体への直接作用,チトクロームド

4

5

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活性 の阻害などが報告されている4,10,12,13)。本実験での市 販茶系飲料のニトロアレン類に対する抗変異原性の メカニズムは明らかでないが,緑茶飲料, ウーロン 茶飲料の3種のニトロアレンに対する抗変異原活性 の違いは化学成分の違いにあると思われる。

2

.

市販茶系飲料の抗変異原性成分の測定結果 茶葉にはカテキン類などの他に,多量に含まれる 成分として,メチルキサンチン類の一つであるカ フェインやポリフェノールの一つで、ある没食子酸が ある。また,市販茶系飲料にはアスコルピン酸が一 般に添加されている。そこで,本実験では茶葉に多 量含まれる抗変異原性成分であるカテキン類 5種, カフェイン,没食子酸及びアスコルビン酸を測定す るために検出器として

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検出器と電気化学検出器 を連結したHPLCにより分析した。カフェインを除 く7種の抗変異原性成分は 電気化学検出器での定 量が可能であるが,本実験ではアスコルピン酸,カ フェイン及び没食子酸の 3種を

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検出器により, カテキン類 5種を電気化学検出器により定量した (図4)。市販茶系飲料 19種に含まれるこれら 8種の 成分を定量した結果を表1に示した。この結果から, 市販茶系飲料19種に含まれる 8種の成分量を平均

(6)

42 - 食物学会誌・第 59号

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市販茶系飲料

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図4 市販茶系飲料中抗変異原性成分のHPLCク ロ マ ト グ ラ ム 値でみるとアスコルピン酸>カフェイン>EGC> EGCG>EC>C>没食子酸 >ECGの順に多い傾向 にあった。茶葉に含まれるカテキン類の含有比率は, EGC 及び EGCG の両者でおよそ 70~80% と多く, 特にCは約1%前後と低い9,11)。今回測定した市販茶 系飲料19種に含まれるカテキン 5種に占める EGCG

(7)

平成16年 12月 (2004年) - 43-表 1 市販茶系飲料に含まれる抗変異原性成分の測定結果(単位:mgl100 ml) EGC C 緑茶飲料 GT-1 4.7 3.4 2 4.3 3.5 3 5.3 2.6 4 5.1 1.9 5 3.6 3.0 6 4.4 3.7 7 15.3 0.3 8 29.4 0.6 9 7.9 1.8 10 3.6 0.9 11 3.2 2.3 平均 7.89 2.18 標準偏差 7.91 1.20 ウーロン茶飲料 OT-1 2.3 0.9 2 3.0 1.3 3 3.2 1.8 平均 2.83 1.33 標準偏差 0.47 0.45 ブレンド飲料 BT-1 1.9 1.7 2 3.8 2.7 3 1.7 nd 4 0.7 0.5 5 0.6 0.3 平均 1.74 1.30 標準偏差 1.29 1.12 nd: 0.04 mgl100 ml以下 及びEGCの両者の含有比率は,約 67%であったが, Cの比率が約 12%と高く茶葉との違いが顕著であっ た。 ベットボトルタイプの茶系飲料は, 日常生活では 開栓後保存して使用されるケースが多い。開栓後の 保存状態でカテキン類がどの程度分解するかを調べ た結果を図 5及び図 6に示した。開栓後室温に 2日 放置した場合の抗変異原性成分の分解率は, AAが 50%と最も高く, CAFが 9%で最も低い傾向にあっ た(図5には,表 1に示した市販茶系飲料 19種の 平均値及び標準偏差で示している)。カテキン類5種 の分解率は, 20~40% で, EGCGが最も高い分解率 を示した。冷蔵保存 (40C) した場合, 5日後のカテ キン類の分解率は, C 26%, ECG 23%, EGCG 17 %, EGC 14%, EC 14%と低く,以降 10日後までの 聞に急激に分解する傾向が見られた(図5には,平 成 16年に購入した 3種の平均値及び標準偏差で示 している)。

EGCG EC ECG AA GA CAF 6.0 2.0 1.1 43.7 1.1 16.9 2.8 1.8 0.4 14.1 1.2 10.0 5.4 1.8 0.5 30.0 1.3 10.1 4.0 3.9 1.0 18.2 0.2 6.9 9.8 2.1 0.5 29.3 2.1 11.6 4.5 1.6 0.7 26.1 0.5 1.0 9.2 5.2 1.5 20.0 5.0 11.4 24.5 12.0 5.1 18.9 0.4 14.0 6.3 5.1 1.0 13.1 0.4 9.1 3.5 1.2 0.9 37.4 1.0 13.1 4.3 2.9 0.7 33.9 0.7 11.1 7.30 3.60 1.22 25.88 1.26 10.47 6.12 3.11 1.33 9.94 1.35 4.10 3.1 1.0 0.6 27.9 1.1 13.4 2.9 1.6 0.6 15.6 2.2 14.9 4.1 2.5 0.9 22.7 1.3 19.0 3.37 1.70 0.70 22.07 1.53 15.77 0.64 0.75 0.17 6.17 0.59 2.90 3.8 1.1 1.1 22.0 0.7 9.6 2.6 1.5 0.5 31.3 0.8 7.5 0.3 0.1 0.1 9.4 0.6 1.9 0.7 0.4 0.2 10.3 1.8 7.4 0.5 0.3 nd 8.7 0.7 1.7 1.58 0.68 0.48 16.34 0.92 5.62 1.54 0.59 0.45 9.99 0.50 3.60

3

.

市販茶系飲料の抗変異原性と抗変異原性成分と の関連性 市販茶系飲料の Sep-pakC18抽出物のニトロアレ ン類3種に対する抗変異原性の強さは,茶系飲料種 類別にみた場合,ウーロン茶飲料>緑茶飲料>ブレ ンド茶飲料の順に強かった。一方,市販茶系飲料に 含まれるカテキン類5種の濃度は,緑茶飲料>ウー ロン茶飲料>ブレンド茶飲料の順で,緑茶飲料の二 分の一以下しかカテキン類を含まないウーロン茶飲 料の方が強い抗変異活性を示すことから,ニトロア レン類の変異原性抑制の主要な成分がカテキン類で あるとは必ずしも言えない。一方,本実験で使用し たSep-pakC18抽出物の抗変異原性成分を測定した 結果,回収率はEGC11%, C 27%, EGCG 46%, EC 27%, ECG 74%, AA 3%, GA 8%, CAF 68%と, ECG

とCAFを除きいずれも低い傾向にあった。従って, 市販茶系飲料の抗変異原性と抗変異原性成分との関 連性について,さらにはCAFの抗変異原性への関与

(8)

44 - 食物学会誌・第59号 40 5 35 向 U E U A U 医 d n u 内 d n a n 4 4 E 4 E

EgF 葉桜様¥凶 E

EGC EGCG EC ECG AA 園開栓直後 因2日後(室温) I 図

5

市販茶系飲料中抗変異原性成分

8

種の室温放置における分解性

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10 葉 掘 8 様

6 E 4

EGC

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EGCG EC ECG

図O日 困2日後 回5日後 図10日後 図6 市販茶系飲料中カテキン類5種の冷蔵保存における分解性 についても今後検討する必要がある。 ニトロアレン類は,ニトロ還元酵素によって還元 的代謝をうけ, ヒドロキシアミノ体となり,さらに アセチル転移酵素により究極活性体に代謝活性化さ れ, DNA付加体を形成するとされている肺がんの原 因物質の一つである。茶の飲用と肺がんとの関連性 に関する疫学研究も発表されているが,明確な結論 を得るには至ってない。緑茶並びに緑茶ポリフェ ノールが肺がんの誘発を抑制することは動物実験で 報告されているが,ニトロアレン類に関する報告は みられない。本実験で対象とした変異原物質ニトロ アレン類は,肺がんの原因物質のーっと考えられて

(9)

平成16年 12月 (2004年) いることから,茶の飲用が肺がんの危険性を減少す るかどうかを明らかにする研究の進展が期待され る。

I

V

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要 約

本報告では,市販茶系飲料19種のニトロアレン 3 種に対する抗変異原性並びにカテキン類,アスコル ビン酸,没食子酸及びカフェインなどの抗変異原性 成分の測定を行い,下記の結果を得た。 (1)市販茶系飲料から得た Sep-pakC18抽出物の 3種 のニトロアレン (1・NP. 3・NFT及び DNP) に対 する抗変異原性を

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テストにより測定した。 抗変異原活性は, ウーロン茶飲料 (3試料)>緑 茶飲料 (11試料)>ブレンド飲料 (5試料)の順 に強さが認められた。 (2)茶飲料中に含まれる抗変異原性成分の濃度測定 を行った。測定を行った 8種の抗変異原性成分 量 は ア ス コ ル ビ ン 酸 > カ フ ェ イ ン >EGC > EGCG>EC > C >没食子酸>ECGの順であっ た。カテキン5種に占める EGCG及び EGCの両 者の含有比率は,約 67%であったが, C の比率 が約 12%と高く茶葉抽出物との違いが顕著で あった。 (3)開栓後室温に 2 日放置した場合の抗変異原性成 分の分解率は, AAが50%と最も高く, CAFが 9 %で最も低い傾向にあった。冷蔵保存 (40C) し た場合, 5日後の分解率は, C 26%, ECG 23%, EGCG 17%, EGC 14%, EC 14%と低く,以降 10 日後までの聞に急激に分解する傾向が見られ た。 (4)稼茶飲料の二分の一以下しかカテキン類を含ま ないウーロン茶飲料が強い抗変異活性を示した ことから,ニトロアレン類の変異原性抑制の主要 な成分がカテキン類であるとは必ずしも言えな い 。 し か し 本 実 験 で 使 用 し たSep-pakC18抽出 物のカテキン類の回収率は低く,市販茶系飲料の 抗変異原性と抗変異原性成分との関連性につい ては,さらに検討する必要がある。 (5)本実験で対象とした変異原物質ニトロアレン類 は,肺がんの原因物質のーっと考えられている。 今後,茶の飲用が肺がんの危険性を減少させるか どうかを明らかにすることは重要な課題である。

引 用 文 献

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図 O日 困 2日後 回 5日後 図 1 0日後 図 6 市販茶系飲料中カテキン類 5 種の冷蔵保存における分解性 についても今後検討する必要がある。 ニトロアレン類は,ニトロ還元酵素によって還元 的代謝をうけ, ヒドロキシアミノ体となり,さらに アセチル転移酵素により究極活性体に代謝活性化さ れ , DNA 付加体を形成するとされている肺がんの原 因物質の一つである。茶の飲用と肺がんとの関連性 に関する疫学研究も発表されているが,明確な結論を得るには至ってない。緑茶並びに緑茶ポリフェノールが肺がんの誘発を

参照

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