花 粉 症 対 策 ・2 0 0 9 年 ま え が き 春の暖かい日射しが心地よく感じる季節になりました。 新鮮な春の空気を胸一杯に吸い込んで、新年度を迎えよう! と ・ ・ ・ ・ ・ ・ 思っても 花粉症の方には悩みの時季にもなります。 花粉症は花粉の影響だけではなく、大気汚染やストレス、 体調の変化などでも症状が左右されます。 花粉症に悩まされないために、いろいろ知っておくのも 花粉症対策の一つではないとか思います。 当レポートが少しでもお役に立てれば幸いです。 免責事項及び著作権について 免責事項 当レポートの内容については、細心の注意を払いより正確な情報に努めておりますが、 それらの完全性および安全性などは保証しておりません。 当レポートのご利用において、問題やトラブル・損失などが起きましても、 当レポートの管理人には責任は無いものとさせて頂きます。 ご容赦ください。 全て自己責任でお願い致します。 著作権について 当レポートの著作権は作成者にあります。 宜しくお願い申し上げます。 m(__)m
目 次 まえがき ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1、 花粉症とは? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 2、 花粉の種類と飛散時期 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 3、 花粉症の症状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 4、 花粉症の治療 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 ・症状を緩和する薬(内服薬・点眼薬・点鼻薬) ・減感作療法(免疫療法) 根本的な治療に近い療法 ・外科的手術療法 ・その他 5、 自分で出来る花粉症対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 ・一般的に知られている対策 ・実際の効果は不明だが期待される対策 6、 花粉症最新情報 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 ・黄砂と花粉症 ・舌下減感作療法(SLIT・スリット) ・レーザー治療 ・アルゴンプラズマ療法 ・凍結術 7、花粉症のはてな? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 ・子供のころ出なかった症状が大人になってから出たのはなぜ? ・花粉症の症状を悪化させる要因は? ・何科に受診? ・どんな検査が必要? ・一度症状が現れたら完治しないの? ・花粉症の人の割合は? ・花粉症になり易いい人は? ・一番多い花粉症の原因は? ・男性と女性ではどちらが多い? ・1日にうちで花粉の量が多い時間帯は? ・花粉が多く飛ぶ条件は? ・若い人と年配の人とではどちらが多い? あとがき ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
1、 花 粉 症 と は ? 植物の花粉が原因で引き起こされるアレルギー疾患の一つです。 人体を防御するための免疫反応が、過剰に起こるとアレルギー症状が現れます。 花粉が目や鼻などの粘膜に付着すると、異物を体外へ排除しようとする 体の免疫反応が働きます。この反応が過剰になると不快な症状が現れます。 はじめて花粉が体内に侵入してきた場合は、その花粉に対する抗体ができます。 これは正常な免疫反応の一つです。抗原抗体反応と呼ばれます。 抗体にはいくつか種類がありますが、花粉に対する抗体は、 IgE抗体と呼ばれています。 抗体が出来た体内に、同じ花粉(抗原)が侵入してきた場合は、 それに対抗しようとして、次々に抗体が作られます。 IgE抗体(アレルギーを引き起こす抗体)がある一定の量を超えた時に 症状が現れるようです。 ※量には個人差がある。 *抗原 → 体外から入ってきた異物に反応して、抗体を作る物質 *抗体 → 抗原に対して特異的に働く免疫グロブリンの総称
2、 花 粉 の 種 類 と 飛 散 時 期 ※気候や地域によって多少の違いはあります。 ・1月~5月 → ハンノキ ・2月~4月 → スギ ・2月~5月 → シラカンバ マツ ブナ ニレ ・3月~5月 → ヒノキ ・3月~10月 → イネ ・4月~6月 → クワ コナラ ・4月~8月 → オオアワガエリ ・5月~8月 → カモガヤ ・8月~10月 → ヨモギ ブタクサ イラクサ ・春から夏 → タンポポ *花粉症の原因となる花粉は60種類以上あると言われています。 ここでは、主な花粉を記載しました。
3、 花 粉 症 の 症 状 ◎花粉症の4大症状は、 「目のかゆみ」 「鼻水」 「くしゃみ」 「鼻づまり」 ①鼻の症状 ・くしゃみ ・鼻づまり ・鼻水 ・鼻の中(鼻粘膜)の痒み ②目の症状 ・目の痒み ・目の充血 ・涙がでる ③その他の症状 ・頭痛 ・発熱 ・顔のむくみ ・喉の痒み、痛み ☆口のなか(口腔)がかゆくなる場合もあります。 ・肌のあれ、痒み ・集中力が落ちる ・イライラ感 など ※鼻や目などの症状は、花粉に触れてから10分ほどでピークになるようです。 ☆症状の程度は個人差があります。 又、花粉以外の要因もいろいろ重なって症状が悪化する場合もあります。 ④他の疾患との区別は? ・毎年特定の季節に症状が出る場合は、花粉症が関係している場合が多い。 ・普通の風邪は1週間ほどで治りますが、花粉症の場合は症状が長く続きます。
4、 花 粉 症 の 治 療 確実な治療方法はないとされています。 他のアレルキー疾患、例えば、気管支喘息やアトピーなどと同様に、 症状緩和、予防、体質改善などが主な対策になります。 (1)症状を緩和する薬(内服薬・点眼薬・点鼻薬) ・抗ヒスタミン剤 ・化学伝達物質遊離抑制剤 ・ロイコトリエン拮抗薬 ・副腎皮質ホルモン剤(ステロイド薬) ☆花粉が飛散する2週間ほど前から使用すると効果が高い様です。 ・漢方薬 即効性は期待できませんが、体質を改善する方法の一つです。 体質改善により、症状の緩和も期待できます。 (2)減感作療法(免疫療法) 根本的な治療に近い療法。 アレルゲン(アレルギーを引き起こしている原因・ここでは花粉)を 少しずつ体内に入れて、体をならしていく療法です。 体質改善にもつながります。 主にスギ花粉症の方に効果が期待できます。 体内に注入(皮下注射が一般的)して、少しずつ量を増やしていく療法です。 回数は初期は週に1~2回、その後は2週間に1回、1~2ヶ月に1回 治療期間は、2~3年といわれています。 ※個人によって違いがあります。
☆ メリット アレルゲンに対しての過剰反応自体が起きない、又は起こりにくくなる。 根治の期待がある。 ★ デメリット 治療期間が長いため、根気が必要。 稀に全身の過敏反応(アナフィラキシー)の危険がある。 実施している医療機関が少ない。 (3)外科的手術療法 ・鼻づまりの強い人で薬があまり効かない方や、レーザー治療などが 受けられない又は、効果のない方には、手術療法もあります。 ・鼻の粘膜や骨を削る手術(鼻粘膜下下甲介骨切除術) ・鼻の神経を切断する手術(鼻粘膜下後鼻神経切断術) ☆主に鼻水の分泌を抑える手術です。 ・鼻中隔が曲がっている場合は、真っ直ぐにする矯正術(鼻中隔矯正術) ☆鼻中隔が曲がっている方に実施されます。 (4)その他 ・舌下減感作療法(SLIT・スリット) ・レーザー治療 ・アルゴンプラズマ療法 ・凍結術 ◎詳細は、「当レポートの 「 6、 花 粉 症 最 新 情 報 」 をご参照下さい。
5、自 分 で 出 来 る 花 粉 症 対 策 (1)一般的に知られている対策 ・外出する時は、マスク・メガネマなどを着用。 *花粉症用のものを使用すると効果は大きい。 ・頭にも花粉が付きやすいので、帽子などで避ける。 ・羊毛製の衣類は花粉が付きやすいので、表面がすべすべした綿か ポリエステルなどの化学繊維のものがいいとされています。 ・外出先から帰ったら、家に入る前にコートや帽子、上着などに付いた 埃、花粉などをよくはらう。 ・出来ればすぐ着替える。 ・外で使用したマスクはすぐ捨てるか洗濯する。 ・洗顔、うがい、鼻や目を洗う。 *水道水よりは生理食塩水の方が粘膜には優しい。 (食塩を蒸留水などで溶かしたもの・濃度が約0.9%の食塩水) ・アルコールを飲み過ぎると鼻づまりを悪化させることもあります。 ・タバコは控える。 ・睡眠・休養を十分にとり、ストレスを溜めないなど、日常の生活習慣も 大切になります。 ・花粉の多い日は外出時間を短くするか、外出を避ける。 ・最新の花粉情報をチェックしておく。
(2)実際の効果は不明だが期待される対策 ・甜茶(てんちゃ)ポリフェノール ヒスタミンの作用を和らげる効果があると言われています。 ・ヨーグルト 腸内の環境を良くすることで、免疫の過剰な反応を抑えるとことができると 考えられています。 ・緑茶に含まれているカテキンには抗アレルギー作用があるといわれています。 ヒスタミンの放出を抑制する作用があるようです。 ・鼻の穴に塗るクリーム 鼻の穴の内側にぬることで、外からの花粉や埃などをの侵入を妨げる 効果があると言われています。 ・衣類用の静電気防止スプレー 花粉の付着を防止する効果が期待されます。 ☆髪用の花粉防止スプレー もあります。 (3)体質改善 ・体質改善で免疫機構を正常に働くようにすることが最も大切かもしれません。 体質改善には食生活の改善、生活環境の改善、漢方薬療法、リラックス療法 など 様々な方法があります。 個人に合った方法で続けていくことが大切になります。
6、 花 粉 症 最 新 情 報 ◎黄砂と花粉症との関連 中国から飛んでくる黄砂によって、アレルギー症状が増悪することが わかってきました。 花粉が多く飛ぶ時期と重なるので、3月から5月にかけての外出は 特に注意が必要です。 ◎最 新 の 治 療 情 報 舌下減感作療法(SLIT・スリット) アレルゲンを口の粘膜から体内に入れる療法。 細かくしたパンなどに、アレルゲンを浸みこませ、舌の下に保持して 粘膜から吸収させる方法です。 日本ではまだ研究段階で、臨床試験では皮下注射と同じくらいの効果が 認められているようです。 皮下注射と比較すると、通院の回数が減り、注射による苦痛からも解放されます。 厚生労働省の研究班で臨床試験が実施されている段階。 レーザー治療 花粉が付着する鼻の粘膜を、レーザーで少し焼いて粘膜の性質を変化させます。 変化した粘膜は、花粉に対して過剰な反応を起こりにくくします。 反応を抑制する対症療法です。 CO2レーザーなどが一般的。 アレルギー性鼻炎の場合は、健康保険が適応されます。 ☆鼻水などの症状が出てる時は、うまく焼くことが困難なため、 アレルギー症状のでる前に受けることが大切です。
アルゴンプラズマ療法 原理はレーザーと同じで対症療法です。 特に鼻づまりには効果が高いようです。 レーザーとの違いは、症状がある時でも照射が可能。 照射する時間が短いなどです。 保険適応です。 ☆レーザーと違ってアルゴンガスの風圧で、鼻水を吹き飛ばすことが 出来るため、症状が出ている時でも治療を受けることができる様です。 凍結術 アレルギー反応に関係する鼻の神経(後神経)を低温で冷やして 性質を変化させる療法。 ※他にもいくつかあるようです。
6、 花粉症のはてな? ①子供のころは出なかった症状が、大人になってから出現したのはなぜ? ・花粉が体内に入ると、花粉に対する抗体が作られます。 この抗体(IgE抗体 )の量がある一定の量に達したときに、 症状が現れやすいといわれています。 一定の量には、個人差があります。 成人になるまで花粉に何度も触れているため、抗体がある一定量を 超えてしまって、症状が出やすくなっているケースもあるようです。 ☆中高年よりも若い年代に花粉症が多いのは、アレルゲンに対して 過敏に反応する人が多いからといわれています。 ②花粉症の症状を悪化させる要因は? ・精神的肉体的ストレス、大気汚染、ハウスダスト、風邪、タバコ、過労、飲酒 などです。 ③何科に受診? ・アレルギー科 ・アレルギー科がなければ、 内科 耳鼻咽喉科 眼科 ※子供の場合は、まずは小児科の方がいいかもしれません。 ※花粉症の症状では、鼻の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど)が 多いので、耳鼻咽喉科に受診するケースが多いようです。 目の症状が強い場合は眼科の方がいいと思います。
④どんな検査が必要? ・鼻鏡検査 鼻の中の粘膜が炎症を起こしているかどうか直接眼で確認します。 ・皮膚反応検査 アレルギーの原因と考えられる花粉のエキスを、皮膚に注射(皮内テスト) 又は貼付(パッチテスト)、垂らす(スクラッチテスト)などして、皮膚が赤く なるかどうか調べます。 ・血液検査 IgE 好酸球 などの項目を調べます。 ⑤一度症状が現れたら、完治しないの? 根本的な治療に近い方法、例えば減感作療法などで完治する場合もあるようです。 ★体質が改善されれば症状がずっと出ない方もいらっしゃるようです。 ⑥花粉症の人の割合は? ・スギ花粉症の場合は、全国で20%を超えると報告されているようです。 ⑦花粉症になり易い人は? ・原因となる花粉の多い地域に住んでいる人。 ★首都圏に住んでいる人に花粉症が多いのは、汚染された大気中の物質が 関係しているのではないかと言われています。又、都会では 緑や地面が少なくアスファルトが多いため、埃などと一緒に 空気中に舞い上がりやすくなるのも一因とされています。 ・抗体が作られやすい人。 ★抗体を作り易い人がすべて、症状が出るとは限らないようです。 環境的な因子や遺伝的な素因、個人の体質、食生活など様々な要因が 重なってアレルギーが起こしやすくなっていると言われています。
⑧一番多い花粉症の原因は? ・日本人はスギが一番多い。 ☆スギ花粉症の人は、ヒノキにも過剰反応する割合が高い。 ⑨男性と女性ではどちらが多い? ・女性の方が多い。 ⑩一日のうちで花粉の量が多い時間帯は? ・正午から14時 ・16時から18時 ☆都心の場合は、山から風にのって運ばれてくるため、夕方の方が多い。 ・雨が降った後の晴天の場合は多くなります。 ⑪花粉が多く飛ぶ条件は? ・一般的には、天気がよく気温が高い、湿度が低い、風が強い、などです。 ⑫若い人と年配の人とでは、どちらが多い? ・若い人のほうが多い。 ☆中高年よりも若い年代に花粉症が多いのは、アレルゲンに対して 過敏に反応する人が多いからといわれています。
あ と が き 今回花粉症についていろいろ調べてみましたが、 花粉症の治療も日々進歩しているようです。 負担が少なく治療効果の高い治療法がいろいろ工夫されています。 いくつかの治療方法を組み合わせることによって、 個人の体質や症状に適した治療が 受けられるようになってきたのではないかと思います。 科学技術の進歩に伴い高度な医療を受けられるようになりましたが、 原因となる花粉の対策とともに、自然の治癒力を高めるための 個人の管理も今後さらに大切になってきたような気がします。 都会の喧騒をはなれ、 自然とふれあい、 ゆっくりとした時間の中に 身をおいてみるのも 治療方法の一つかもしれません。 お知らせ 下記メルマガを発行しております。 季節にあった情報や女性の為の健康情報などを発信しています。 メルマガご購読者限定の無料レポートもお届けしております。 メールマガジン名 「へるすレター」 詳細は → へるすレター・メルマガ案内ページ
参考文献 「医学大辞典」「広辞苑」 参考サイト 「へるすナビHP内・花粉症」 「 フリー百科事典Wikipedia」 「厚生労働省HP内・花粉症の治療」 「厚生労働省HP内・花粉症Q&A集」 「環境省HP内・環境省花粉情報サイト」 「環境省HP内・花粉症環境保健マニュアル」 最 後 ま で お 読 み い た だ き あ り が と う ご ざ い ま し た。 111