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3 4 財産に加算して相続税の対象とすることになります 教育資金として子 孫 曾孫への1,500 万円以下の贈与は 非課税とされる 贈与税の税率構造の見直し 20 歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に対する贈与税 ( 参考図 2) 現 行 改 正 後 200 万円以下の金額 10% 200 万

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(1)

30.「相続税の改正・増税とその対策」

(1)相続税が改正されて増税になる!

相続税の基礎控除額を40%圧縮して、増税になる。

相続税の基礎控除額が、「3,000万+600万×相続人の数」に圧縮される

。 現行では、「5,000万+1,000万×相続人の数」です。 例えば、配偶者と2人の子供を残して死亡した場合、現行では相続税評価額から 「5,000万+1,000万×相続人の数3人」=8,000万の控除ができるが、改正後では 「3,000万+600万×相続人の数3人」=4,800万の控除となり、今までより相続税の 対象になる財産が3,200万(40%)多くなり、それだけ相続税が高くなる。 特に不動産評価が高い三大都市圏に不動産を所有する人には影響が大きい。 ※ この制度は、平成26年1月1日以降の相続から適用される。 ②

自宅の相続税評価では、「小規模宅地の評価減80%控除」は、配偶者以外の相続人

が相続する場合には、被相続人(死亡した人)と同居していない場合には認めない、

とする相続税の改正は、H22年4月から既に施行されている。 ③

相続税の税率構造の見直しで、相続財産の多い人は増税になる。

(参考図 1) 相続税評価額 現行 改正後 1,000万円以下 10% 10% 3,000万円以下 15% 15% 5,000万円以下 20% 20% 1億円以下 30% 30% 3億円以下 40% 2億円以下 40% 3億円以下 45% 3億円超 50% 6億円以下 50% 6億円超 55% 2億円以上の相続財産がある人には増税になる。

(2)若年層への資産移転を促す贈与税減税(資産移転政策)

相続時精算課税制度を見直し、贈与者の年齢を、現行の65歳から60歳に引き下げ

て、 贈与しやすくする。 ②

受贈者の範囲に、20歳以上の孫にも相続時精算課税制度の適用を認める。

例えば、祖父母から孫へ贈与する場合、2,500万円までは非課税、それを超える部 分について一律20%の贈与税を課し、相続が発生した場合に、その贈与の額を相続

(2)

財産に加算して相続税の対象とすることになります。 ③ 教育資金として子、孫、曾孫への1,500万円以下の贈与は、非課税とされる。 ④

贈与税の税率構造の見直し

20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に対する贈与税 (参考図2) 現 行 改 正 後 200万円以下の金額 10% 200万円以下の金額 10% 300万円以下 15% 400万円以下 15% 400万円以下 20% 600万円以下 20% 600万円以下 30% 1,000万円以下 30% 1,000万円以下 40% 1,500万円以下 40% 3,000万円以下 45% 1,000万円超 50% 4,500万円以下 50% 4,500万円超 55% ⑤ 「直系尊属からの贈与」と「直系卑属以外への贈与」とを分けて考えている。 20歳以上の者が直系尊属からの贈与を受けた者「以外の者」の贈与税 (参考図3) 現 行 改 正 後 200万円以下の金額 10% 200万円以下の金額 10% 300万円以下 15% 300万円以下 15% 400万円以下 20% 400万円以下 20% 600万円以下 30% 600万円以下 30% 1,000万円以下 40% 1,000万円以下 40% 1,000万円超 50% 1,500万円以下 45% 3,000万円以下 50% 3,000万円超 55% 直系卑属以外の者への生前贈与は、直系卑属への贈与より税率が高い。 ⑥ 教育資金1,500万迄の贈与税の非課税制度創設 30歳未満の孫への教育資金に充てる為、直系尊属が金銭を、信託銀行、銀行及び金曜 商品取引業者の信託等をした場合、1,500万迄を限度として、贈与税を課さない制度 が創設されました。 但し、学校等以外の者については、500万円を限度とします。 平成25年4月1日~ 平成27年12月31日までの限時法です。

(3)今後の相続対策を考える。

(1) 今回の改正は、「高額所得者からの相続税の増税で国家の財政危機を救う為」と、 「相続税を重く、贈与税を軽くして、お金を持った老人から早く子孫にお金を回し て消費を拡大する為」の二つの意図からです。 相続税を重くすることは、日本からお金持をなくすことになり必ずしも良いこと ばかりではありませんが、子孫への贈与税を下げることは、確かに国内景気を上げ ることに寄与することになります。 例えば、シンガポールや香港は相続税も贈与

(3)

税もタダで、オーストラリア、イタリア、カナダ、ニュージーランド、スエ―デン は相続税はタダ、アメリカは3億5,000万ドル(350億円)まで非課税ですので、世 界のお金持を引き付けています。 では、まず、日本における相続税の実態を見てみましょう。 今回の相続税で改正される「基礎控除額の圧縮」によって、相続税を払う対象者 が3~4%増えて、相続人の7%(今までは5%)位の人が相続税を払うことになり ます。 特に、三大都市圏に住む人は影響が大きいです。 ※

相続税は、{(不動産の相続税評価額+預金等の現金+株式等の金融資産+動産)

-基礎控除額}×相続税率で計算

します。 ※

不動産の相続税の評価額は、土地は路線価、建物は固定資産評価価格で計算

します。 例えば、浦安市に土地50坪・建物38坪の自宅を持っている人は、自宅の相続税 評価額が大体4,000万~5,000万位になります(以下に具体的な事例を参照)ので、 現金と株券等の金融資産を5,000万以上持っている場合、相続税の対象者になるこ とになります。 以下に浦安市内の土地の路線価の代表的な具体例を出します。 美浜3丁目 1㎡ 26万(坪 86万)× 50坪=¥4,300万 弁天1丁目 1㎡ 23万(坪 76万)×50坪=¥3,800万 富岡1丁目 1㎡ 22万(坪 72万)×50坪=¥3,600万 今川1丁目 1㎡ 21万(坪 69万)×50坪=¥3,450万 入船4丁目 1㎡ 23万(坪 76万)×50坪=¥3,800万 日の出2丁目1 ㎡ 22万(坪 72万)×50坪=¥3,600万 北栄1丁目 1㎡ 23万(坪 76万)×50坪=¥3,800万 猫実1丁目 1 ㎡ 22万(坪 72万)×50坪=¥3,600万 堀江1丁目 1 ㎡ 21万(坪 69万)×50坪=¥3,450万 東野1丁目 1㎡ 19万(坪 63万)×50坪=¥3,150万 東野 3丁目 1㎡ 21万(坪69万) ×50坪=¥3,450万 高洲1丁目 1 ㎡ 16万(坪 53万)×50坪=¥2,650万 ※ 自宅建物は、「減価償却」しますので、25年以上経過した木造住宅の相続税評価価 格は1,700万÷残りの年数5年=約350万です。 (自宅木造の耐用年数は30年) ∴ 浦安市内の美浜3丁目の土地50坪・建物38坪の木造一戸建て自宅の相続税評価額 は、4,300万+350万=約¥4,650万です。 ∴ 例えば、現金を3,000万、株等の金融資産を500万持っている場合の相続税は、奥 様と子供2人の場合、現行相続税では、基礎控除(5,000万+1,000万×相続人の数) として8,000万を控除できたので、(8,150万-8,000万)×相続税率=相続税は ほとんど掛かりませんが、改正相続法では以下のようになります。

相続税は、{(不動産の相続税評価額+預金等の現金+株式等の金融資産+動産)

-相続税基礎控除額 }×相続税率

={(4,300万+3,000万+500万)-(3,000万+600万×3人)}×相続税率 =(8,150万-4,800万)×相続税率 = 3,350万×相続税率(30%)=相続税¥1,005万 になります。 ※ 尚、この事例の場合、配偶者である奥様(あるいは同居の子供)が自宅を相続する 場合は、「小規模宅地の80%控除」ができるので、自宅の相続税評価額を4,300万

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×0.8=3,440万控除でるので、自宅の評価を¥860万に下げることができます。 そこで、{(860万+3,000万+500万)-(3,000万+600万×3人)}×相続税率 =(4,360万-4,800万)×相続税率=-440万×相続税率(15%)=¥0です。 では、この事態をどのように考え、どのような制度を活用したらいいでしょうか? 以下に具体的な相続対策を考えてみます。 (2)

価値の高い自宅を相続したい相続人は、二世帯住宅で親と同居すること

自宅の小規模宅地評価減が配偶者か同居の親族(子供)に制限されたので、親と同 居する親孝行はそれだけ報われることになります。 例えば、上記の例で、基礎控除額が圧縮されても、自宅に親と同居していれば、 相続税の評価額を20%評価に下げられるのですから、今後の相続対策の一つに 「子供は親と同居して、親孝行すると自分にも良いことがある」と言うことになる でしょう。 今後は二世帯住宅が増えることが予想されます。 ※ 尚、一戸の建物で、行き来ができない構造の二所帯住宅も、平成25年の相続税改正 で小規模住宅地として80%控除の対象にすることができるようになります。 別棟 の建物には適用できません。 (3)

自宅は、妻に残す。 相続対策上も有利です

が、

それ以上に自宅は妻に残すのが夫

たる者の務めではないでしょうか

。 年老いていくと人間関係が少なくなっていく ので、自宅を離れるとかなり厳しいことになります。 今までの環境や人間関係が 変わらないように、遺言書には、「浦安市美浜3丁目00番地00所在の土地建物は、 妻に相続させる」「老いた妻の老後を平和で幸せに過ごせるように、子供たちは母 の居るこの家にしばしば通い、母親を大事にしてくれることを願います。 私の人 生は・・・・・・と、妻00と巡り合い共に生き、良い子供達に恵まれて良い人生だ った、有難う。」と書いておきましょう。 奥様と子供さんたちは、きっと感謝し てあなたの相続財産を受け取り、奥様を大切にしてくれることでしょう。 そうな るように生前の今から努めることが、心豊かな老後を過ごし、子供たちが相続で争 わないようにするために、もっと大事なことですが。 ※ この意味で、

「おしどり贈与」の制度の活用

があります。 20年以上連れ添った 配偶者(妻)に対して、自宅または自宅取得資金を2,000万まで贈与しても無税と する制度です。 生前に、妻に自宅の所有権の持分を贈与しておけば、相続が発生 した時に、親不孝な子供に相続の争いを起こされて、自宅を出る羽目になることも ないし、相続税の評価を下げることにもなります。 また、自宅を夫婦2人の共有 名義にしておけば、自分や妻の病気や介護で大きなお金が必要になった時に、自宅 を売って、居住用3,000万控除の特例を使って、妻と2人合計最高6,000万までの控 除が使えるので、6,000万以上の譲渡利益が出ても、ほとんど譲渡税を払わずに老 後資金を作ることもできます。 (詳しくは拙著「居住用3,000万控除の特例」参 照) 「おしどり贈与」する場合は、市区町村役場の固定資産税課で「固定資産評価証 明書」か「公租公課証明書」を取れば、そこに土地建物の固定資産評価額が書かれ ています。 建物はそこに記載された価額で、土地の相続税評価額である路線価は 固定資産評価額×80/70で算出できます。 自宅の土地建物の合計額の内2,000万

(5)

分の持分を奥様におしどり贈与しても無税です。 正確には暦年贈与110万と合わ せた2,110万までの持ち分の譲渡までは無税です。 (詳しくは拙著「生前贈与と 相続と相続対策」参照) (4)

「相続税の税率構造の見直し」の結果、2億円以上の相続財産のある場合は、相続

税率が上がったので、お金持ちには厳しくなり、相続対策が必要になった。

特に現金や金融資産で大きなお金を持っている人は、生命保険や賃貸不動産の活用 を考える必要がより強くなります。 ①

不動産を購入し、賃貸すれば、節税効果は大きい

です。 ・ 相続税の評価価額は、現金はそのままの評価ですが、不動産は土地は路線価、建物 は固定資産税評価価格ですので、それだけで70%位の評価減になります。 ・ その上、土地に建物を建てて賃貸にすると、土地の評価は「貸家建付け地」として 自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合)で評価するので、自用地価額-(1 ー0.7×0.3)=自用地価額の79%の評価に下がる。 ・ 賃貸物件の相続税評価が低くなる上に、小規模宅地特例として、200㎡迄は50%評価 減ができます。(詳しくは後述) ②

小規模宅地は減額割合が、50%~80%以下になるので活用できる。

(参考図4) 減額割合 減額面積 事業用 特定事業用宅地等 80% 400㎡ (同族会社の事業用宅地等) (121坪) 特定特例対象宅地等 50% 200㎡ (賃貸住宅等) (60.5坪) 居住用 特定居住用宅地等 80% 330㎡ (自己の居住用の自宅等) (100坪) 小規模宅地等の特例適用の有無の具体例 1. 被相続人の事業用宅地等を相続し、所有及び事業を継続する場合 小規模宅地等の減額特例の適用あり(80%) 2. 被相続人の事業用宅地等を相続し、事業を継続しない場合 小規模宅地等の減額特例の適用なし 3. 被相続人等の居住用宅地等を同居親族が相続した場合 (ア)居住を継続する場合、小規模宅地等の減額特例の適用あり(80%又は50%) (イ)居住を継続しない場合、小規模宅地等の減額特例の適用なし 4. 被相続人の居住用宅地等を配偶者が相続した場合 居住継続の有無にかかわらず小規模宅地等の減額特例の適用あり(80%) 5. 被相続人の居住用宅地等又は事業用宅地等を複数の者で共同相続した場合 取得した者ごとに適用の有無を判定する 6. 一部住居、一部事業用の場合、それぞれの状況に応じて減額特例の適用の有 無を判断する ※ 特定居住用宅地については、240㎡から330㎡(100坪)に適用面積が緩和されま した。

(6)

※ 事業用宅地と居住用宅地がある場合は、それぞれの適用対象面積(400㎡+240㎡ まで)適用可能となります。 ※ 二所帯住宅の内、建物内で行き来ができないものについても、同居として扱い、 特定居住用宅地としての適用を認めることに改正されました。 ※ 老人ホームに入居した為に非居住家屋となった家屋は、介護が必要な為入所した こと、賃貸に供していないこと、を条件として被相続人の居住のように供されて いたものとみなされます。 ※ 小規模宅地等の特例制度は、平成26年1月1日からの適用となります。 ※ 以上のように、

小規模宅地の特例のいずれかを利用できれば、その評価が50%~

80%評価を下げられるので、「事業用か」「自宅居住用か」「賃貸用か」にして活

用すべきです。

今後は、賃貸物件の購入が増えると思われます。 ③

生前贈与の活用

生前贈与について別項で後述します。 ④

不動産鑑定士の活用で評価額を下げることができる

。 不動産の相続税の評価額は、「財産評価基本通達による評価に基づき」通常は税理 士が「路線価で簡単簡易に評価」していますが、「不動産鑑定士による不動産鑑定 書による評価で安く評価する」ことができます。 特に大地主や高額不動産を持つ 人は不動産鑑定士と税理士を活用することが今後は必要となります(それができる 不動産鑑定士の紹介ができますのでご相談下さい)。

(5)生前贈与による相続対策

(1)

暦年贈与の活用

直系尊属からの子や孫へのお金の贈与の活用

(参考図2 参照) 相続税を上げて、贈与税を下げることで、直系尊属から子や孫への贈与を増やして、 金を持っていても使わない60歳以上(日本国民の資産の70%以上を持っている)か ら、お金を使う必要のある若い世代へお金が流れて、国民の消費が活発になり、国 内経済が潤い、ひいては日本国民が幸せになることを意図した良い政策です。 例えば、父母や祖父母から500万円の金を、子や孫に贈与する時、贈与税の控除 は110万円ですから、(500万ー110万)×0.15(15%)=贈与税は58.5万です。 税 引後441.5万円のお金が子や孫に移動します。 この贈与は、1年ごとに税金がかかりますので「暦年贈与」と言いますが、毎年 繰り返して贈与することができますので、(500万ー110万)×0.15(15%)×10年 =¥4,415万のお金を10年かけて移動できます。 贈与で子孫に移動した分だけ相 続財産は減り節税対策にもなりますが、何よりお金持は、今お金を必要としている 子孫に喜ばれるお金の使い方ができ、子や孫に感謝されて、気持の良い老後を過ご せることになります。 ※

「名義預金」「名義株」についてご注意

110万までの贈与は無税であり、申告も必要ないということで、毎年お子様の口 座に110万円づつ振り込んでいる人がいますが、これは「名義預金」とみなされて、 相続税の対象にされることが多いことをご存知ですか。

(7)

毎年繰り返し行われる110万の贈与が、名義預金にならない為には、次の要件が 必要です。 ① 贈与は贈与契約ですので、名義人であるお子様が自分への贈与が ありそれを承諾していること ② お子様名義の口座の通帳と銀行印がお子様の手 元にあり、お子様が自由に出し入れできる管理下にあること ③ 親や祖父母の手 元に通帳と印鑑があり、親が不動産や株を売却した直後に口座が作られたり、口座 の開設時の筆跡が親のものである場合等には「名義預金」と看做されて贈与は税務 署に否認されます。 ④ そこで、お金を贈与する時には、111万以上にして、贈 与税の申告を子や孫にさせておけば暦年贈与として確実に認められます。 例えば、 111万の贈与であれば、(111万ー110万)×10%の贈与税率=1,000円です。 これ を繰り返せば、相当多くのお金を子や孫に確実に移動できます。 株式の贈与の場合もほぼ同様に「名義株」として考えられています。 ②

「直系尊属から、子や孫への住宅資金贈与非課税の特例」の活用

暦年贈与の特例として、父母や祖父母等の直系尊属から20歳以上の子や孫への住 宅資金贈与は、13年は省エネ耐震住宅の場合は1,200万迄、一般住宅なら700万迄非 課税ですが、14年以降はそれぞれ1,000万と700万に変わります。(詳しくは拙著「生 前贈与と相続と相続対策」参照) ③ 教育資金1,500万迄の贈与税の非課税制度の活用 30歳未満の子、孫、曾孫への教育資金に充てる為、直系尊属が金銭を、信託銀行、 銀行及び金融商品取引業者の信託等をした場合、1,500万迄を限度として、贈与税 を課さない制度が創設されました。 但し、学校等以外の者については、500万円を限度とします。 平成25年4月1日 ~平成27年12月31日までの限時法です。 ④

直系尊属からの子や孫への不動産の贈与の活用

この贈与は、お金だけでなく、不動産や株、動産の贈与でも同様に利用できます。 直系尊属から子や孫への不動産の贈与は、現金と異なり、相続税評価額で計算され るので非常に効果的な贈与方法になります。 土地は路線価(公示価格≒時価の80%評価)、建物は固定資産評価価額(公示価 格≒時価の70%評価)ですので、例えば、築後25年の木造アパートを子供に贈与す る時は、リホームして、建物だけの贈与をすれば非常に有利な贈与ができます。 ∵ 築後25年の木造アパート(2DK10室・賃料年間960万)100坪の建物の評価は、新築 時に時価の70%で評価された上に、「減価償却」で20年でほとんど償却されて固定 資産税評価価額は5%の200万位に減っていますので、おそらく無税か少ない税金 で子孫に生前贈与できます。 このアパートの贈与を受けた子供は、親に土地の地代を払った後のアパート賃料 を蓄積すれば、相続時の相続税納税資金が作れますし、貯まったお金で親からアパ ートの底地を(時価の40%評価で)購入することもできますし、親の財産はそれだ け減りますので、相続税も減らせます。 ※ リホーム費用は贈与税の法科に入らないので、リホームしたアパート等を贈与する のは、親の財産を減らして、子供に収益のある財産を移動できる有効な方法です。 (詳しくは拙著「生前贈与と争族と相続対策」参照) ※ 以上以外の贈与(参考図3参照)も直系尊属から子や孫への贈与以外の贈与も、少 しは安くなりました。

(8)

(2)

「相続時精算課税2,500万円まで非課税」の制度の活用

65歳以上の父母や祖父母から、20歳以上の子や孫に対して、生前贈与をする場合、 お金でも不動産でも2,500万円までは非課税とし、それを超える額については一律 20%の贈与税をかけ、相続発生の時に、その財産を相続財産に加えて清算する、と 言う制度です。 その贈与が行われた時点での評価で清算しますので、将来値上が りしそうな財産は有利な贈与になります。 この場合も、不動産の贈与は、相続税評価額で計算されるので、生前贈与には有 利な財産になります。 また、中古アパートの建物のみの贈与ならば、この制度を 使えば数個のアパートの建物の所有権をほとんど税金を払わずに移転できます。 また、この制度は子供たちへの不公平が起きないので、相続の争いが少なくなり ます。 ∵ 相続時に清算するので、貰った子と貰わない子の不公平が少なくなる からです。 ※ 但し、相続時精算課税と暦年贈与の制度は、どちらかを選択しなければならない制 度なので、どちらが自分の家族に合う制度か専門家とよく相談して利用する必要が あります。 相続時精算課税制度を一度使うと2,500万円までは非課税幅を何回で も使えますが、暦年贈与は利用できなくなります。 お金持の場合は、10年以上の時間を掛ける余裕があれば、直系尊属から子や孫への 贈与が緩やかに改正されたので、この制度の利用が有利になったし、相続税の対象 にならない人は相続時精算課税の利用が便利でしょうか。 (3)

おしどり贈与の活用

すでに前述しましたが、相続財産が多い場合は、配偶者に「おしどり贈与」とし て生前贈与すれば、その分だけ相続財産が少なくなり、節税にもなりますし、妻(或 いは夫)の老後の生活保障にもなります。 (4)

生命保険の活用

平成25年の相続税改正では、生命保険金は、「相続人の数×500万控除」の制度 が残されましたので、親から子への生前贈与の一つとして、生命保険金を掛けてお くことが、「借金対策」「節税対策」「相続税支払い対策」「争わない相続対策」「子 供達の生活支援対策」として有効な方法になります。 (詳しくは、「生命保険の 活用法」参照)

(6)総

要するに、相続税が上がり、子孫への贈与税が下がる方向ですので、60歳過ぎて 現役引退する人は、まず自分と配偶者の老後の生き涯造りと老後資金造りを行い、 尚、余裕があれば、生前贈与と相続対策を立てて、子孫繁栄の為に何をしたらいい かを考えて実行すべきことになります。 具体的には、① 自宅をどうするか? ② 妻が住み続けることができるように するにはどうするか? ③ 現金が多い場合はどうするか? 不動産を買うか、暦 年贈与や相続時精算課税等で子孫に移すか? ④ 不動産が多い場合は生前にどん な対策を立てどのように分けるのがその不動産を有効に活かせるか、且つ、争わな いでいいか? ⑤ 相続で子供が争わないで、それぞれが幸せになれるのか? 等 々を個々に検討することになります。 以上、いろいろ述べてきましたが、語りつくせません。 毎月第2・第3・第4

(9)

土曜日の9:30~12:00セミナーをやっていますので、ご参加ください。 また、税理士と連係して会長個別相談も常時やっていますので、ご遠慮なくご相談 ください。 2013年 5月21日 記 NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員 上級相続アドバイザー 今 泉 浩 一

参照

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