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管理組合役員の為の手引き ~日常の点検と管理~

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管理組合役員のための手引き

~日常の点検と管理~

Ⅰ.点検と管理の責任者は誰でしょう Ⅱ.法定点検と定期保守点検 Ⅲ.点検不備の事例報告 Ⅳ.既存不適格について Ⅴ.点検管理チェックシート

2012・11・17 in狭山市・入間市

(社)首都圏マンション管理士会埼玉県支部 一級建築士/マンション管理士 新井 斉 E-mail:sai171862arai@wcv.Jp

(2)

Ⅰ.点検と管理の責任者は誰でしょうか?

建築基準法 第八条(維持保全) 建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築 物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に 維持するように努めなければならない。 消防法 第二条1項4号 関係者とは、防火対象物又は消防対象物の所有者、管理者 又は占有者をいう。 区分所有法第三条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び付属施設 の管理を行うための団体を構成し この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、 及び管理者を置くことができる。

(3)

Ⅱ.法定点検と定期保守点検

定期点検 1、法定点検と定期保守点検 2、エレベーター保守点検 3、建築設備点検 4、特殊建築物定期検査・報告 5、給水設備点検 6、排水設備点検 7、消防設備点検 8、自家用電気工作物定期点検

(4)

Ⅱ-1、法定点検と定期保守点検について

『法定点検』とは

:建築基準法でエレベーターや換気設備

などを点検し、報告する事が義務づけられており、消防設

備(消防法)、給水設備(水道法)、電気工作物(電気事業

法)などについても点検・報告の義務があります。これら

行政の取り決めに従って行う点検の事です。

『定期保守点検』とは:

法的には点検が義務づけられてい

なくても、設備等が順調に作動するように、設備業者など

に委託して自主的に行う点検の事です。

(5)

Ⅱ-1、法定点検-1

法定点検は、建築基準法や消防法、電気事業法などの

それぞれの法律によって定期的な検査が決められてい

るものなので、

検査を省いたり回数を減らしたりすること

はできません。

検査をする人は有資格者に限られ、市区

町村や消防署などの各機関に検査結果を報告すること

になっています。

1)建築基準法 エレベーター保守点検(年1回) 建築設備点検(年1回) 特殊建築物定期検査(3年に1回) *建築基準法第101条(罰則)-第12条第1項又は第3項の規 定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は100万円以 下の罰金に処する。

(6)

Ⅱ-1、法定点検-2

2)水道法 専用水道定期水質検査(水質検査:月1回、消毒検査:日1回 簡易専用水道管理状況検査(年1回) 3)浄化槽法 浄化槽の保守点検(半年1回)、清掃(半年1回or年1回)、定期 検査(年1回) 4)消防法 消防設備点検(総合点検:年1回、機器点検:半年1回 5)電気事業法 自家用電気工作物定期点検(日常巡視点検:月1回、定期点 検:年1回、精密点検:3年に1回

(7)

Ⅱ-1、定期保守点検

定期保守点検とは、マンションに付帯する設備や施

設を少しでも長く、しかも安全に保てるように任意点検

し、

維持管理に務めることです。

点検する箇所はマンションによって異なりますが、主

に給水設備、浄化処理装置、エレベーター、機会式駐

車場、消防設備、共用設備などの保守点検を定期的

に行います。

また、

点検実績の履歴を残すことも、今後の点検サイ

クルを見直す上で大切です。

(8)

Ⅱ-2、エレベーター保守点検

EVは建築基準法で、年1回の検査、法定検査をすることが定め られています。 また、法定点検以外に、一般的には通常1ヶ月 ~3ヶ月に1回の割合で点検を行っています。 保守契約費は、 管理費に占める割合が高く、この費用を抑える事がコストダウン に大きく貢献しますが、安全に直結することなので、技術面を含 んだ総合判断が必要でしょう。最近の事故例では、1)EVの床と 天井に挟まれた事故、2)ワイヤーロープ一部破断、3)ワイヤー ロープ破損や伸びによる火災)が記憶に新しいものばかりです。 EVの耐用年数は25年~30年(税法上の耐用年数は17年)と なっています。長く使用する重要な共有設備として、メンテナンス のサービス内容をきちんと見極め、しっかり管理することが安全 で快適なマンション生活に欠かせません。

(9)

Ⅱ-2、エレベーターの構造

EVの構造-は、1)ロープ式、2)油圧式の2つに大別されます。

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Ⅱ-2、エレベーターのPOG・FM契約

POG(パーツ・オイル・グリース)契約-消耗部品付契約のことで、 定期点検や管理仕様範囲内の消耗品の交換は含まれますが、 それ以外の部品の取替・修理は含まれておらず別途費用が掛 かります。したがって、保守契約費はFM契約に比べて割安とな りますが、高額部品などの契約外の修理・交換については、別 途予算を計上しておく必要があります。 FM(フルメンテナンス)契約-昇降機機器の部品取替、機器の修 理を状況に合わせて行う内容の契約のことで、大規模な修理を 含んでいるため、月々の保守契約料が割高になります。またFM といっても、扉や内装の塗装、床材の修理、新しい機能の追加な どは含まれませんが、安心感が得られます。また、築年数が15 年以上経過した建物ではこの契約が結べないなどの成約があり ます。

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Ⅱ-2、メーカー系と独立系業者について

メンテナンス業者にはメーカー系と独立系の2種類があり、独立系 の方が保守契約料は安価です。独立系メンテナンス業者に対して の部品提供の遅延は、独占禁止法に抵触すると裁判で勝訴した こともあり、そのことはなくなったようです。もちろん費用だけでなく 、サービス内容をしっかりと把握し見極める必要もあります。--- メーカー系と独立系会社の価格差は物件によって変わりますが、 ほとんどの場合2割以上はあると思われます。既存の保守契約が 高止まりしていることから考えると、見直しによるコストダウンは大 きいといえそうです。事実、低価格を武器に独立系業者がメー カー 系業者のシェアを奪っているようです。

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Ⅱ-3、建築設備点検-1

建築基準法では、マンション・事務所・店舗などの一定の規模以上 の建築物は、建物利用者の人命と財産を守る為、 原則として年1 回の建築設備点検が定められています。 検査内容は、換気設備・排煙設備・非常用照明装置・給排水設備 となり、国土交通大臣認定の建築設備検査資格者や一級及び二 級建築士が検査を行います。 また点検結果を監督官庁に報告す る義務があります。 ガス湯沸器による一酸化炭素ガス中毒による死亡事故が大きく 報道されるなど、人命にかかる重要な検査です。

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Ⅱ-3、建築設備点検-2

換気設備-ガス器具の燃焼のためには酸素が必要ですが、給気 口がふさがれていたり、換気扇の油汚れなどにより換気量が不足 してくると、ガス器具が不完全燃焼を起こし、 一酸化炭素中毒が 発生します。この一酸化炭素は、人体にとって非常に有害であり、 中毒により死亡する場合もあります。 一酸化炭素-無色・無味・無臭の気体で発生に気づきにくい!

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Ⅱ-3、建築設備点検-3

非常用照明設備-火災や地震などで停電した場合、暗闇の中 での避難は、思わぬ怪我したり、出口がわからずパニック状態と なり、煙にまかれて死亡する事故が発生しています。非常用の 照明装置が点灯していると必要な明るさが確保され、安心して避 難ができます。 〈定期点検の内容〉-規定の明るさがあるか 、非常用電源などの性能や外観を検査します。

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Ⅱ-3、建築設備点検-4

給排水設備-日常生活で欠かせな い空気と水、この水の供給と排水を 確保しているのが給排水設備です。 一般に公共水道を受水槽に受け、 高置水槽や加圧ポンプから配管を 通って各住戸に供給されます。 〈定期点検の内容〉-給排水設備が 正常に働き、不衛生な飲料水を供 給しないよう、給水設備機器、排水 設備機器、配管などの状況を検査し たり、水質に関しては、測定器を用 い残留塩素濃度(遊離残留塩素濃 度→0.1mg/ℓ以上、 結合残留塩素濃度→0.4mg/ℓ以上) などを測定します。

(16)

Ⅱ-4、特殊建築物定期検査

劇場や病院、 ホテル・学校やマーケットといった不特定多数の 人々が利用する建築物を「特殊建築物」といいます。 当然なが ら共同住宅(マンション)もこの類別に該当します。 これらの特 殊建築物は、 維持管理が不十分な状態でひとたび火災や地 震などが発生すれば、大きな事故・災害を招く恐れがあります。 こうした事態を避けるために、 特殊建築物定期調査が定めら れています。(建築基準法) マンションの場合、「埼玉県では、6階以上の階にあるもの、 築基準法施行令-階数が5階以上、かつ、共同住宅部分の延 床面積の合計が1,000㎡を超える」建物が対象になります。 3年に1回、検査を行い、その結果を監督官庁に報告する義務 があります。

(17)

Ⅱ-4、特殊建築物定期検査

目視と打診を中心に行い、どこに問題があるのかを大まかに 把握します。 調査の項目は、大きく分類すると以下の5項目となります。また調 査方法及び判定基準は、平成20年国交告第282号に示されて います。 1)敷地及び地盤 2)建築物の外部 3)屋上及び屋根 4)建築物の内部 5)避難施設等 これらの調査の結果は、建築物の状態を建築物の所有者が理解 し、建築物の安全を向上させるために利用されることを目的とす るものです。

(18)

Ⅱ-4、特殊建築物定期検査

1)敷地及び地盤の調査 地盤・敷地全般にわたって不陸状況を調査する。建築物周辺に 陥没があるか?安全性を著しく損ねていないか確認する。 例:路盤面のクラック.局部的沈下.路盤面の不陸 敷地・敷地内の排水の状況を確認する。排水管の詰まりによる 汚水の溢れ等による衛生上問題がある。 例:枡内の泥だまり、枡内の水草の繁茂(はんも) 敷地内の通路:非常の際、建築物の出入り口から道路まで安全 に避難できるよう敷地内の空地を規定したものである 例:避難通路に塀・柵を設置し、避難通路が遮蔽されてい る。共同住宅は建築基準法施行令第127条 同128条で 有効幅員1.5mの避難通路が必要です。

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Ⅲ.点検不備の事例報告

敷地及び地盤-1 国賃貸・江戸川区・N住宅 築24年 SRC造 14F 4棟 606戸 管理人常勤 修理費¥90,000-(原因:埋設排水管の破損) 分譲・三郷市・みさと・Tマンション 築19年 SRC造 14F~21F 8棟 1200戸 管理人常勤 修理費(長計、改修設計選定中) 原因:排水枡付近の地盤不良による沈み込み 分譲・三郷市・みさと・Tマンション 築19年 SRC造 14F~21F 8棟 1200戸 管理人常勤 修理費(長計、改修設計選定中) 原因:地盤軟弱不良による沈み込み(避難通路) 分譲・さいたま市:第2浦和Kマンション 築30年(旧耐震) RC造 3F 18戸 管理人不在 長計、改修設計中 原因:排水管損傷による地盤沈下

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Ⅲ.点検不備の事例報告

敷地及び地盤-2 分譲・三郷市・みさと・Tマンション 管理人常勤 修理費(長計、改修設計選定中) 原因:擁壁水抜きパイプ無し、コールドジョイント無補修 分譲・三郷市・みさと・Tマンション 管理人常勤 修理費(長計、改修設計選定中) 原因:土間コンクリート沈み込み、雨水が溜まる 国賃貸・中野区・K住宅 築40年 RC造 5F 2棟 54戸 管理人巡回 修理費¥50,000 原因:枡内のインバート欠損による地盤沈み込み 分譲・蕨市・Aマンション 築5年 RC造 7F 1棟 28戸 管理人巡回 修理費(清掃費)¥30,000 原因:建物裏側で管理不十分で、泥溜まり

(21)

Ⅱ-4、特殊建築物定期検査

2)建築物の外部の調査 基礎・建物の一部に幅1㎜以上の深いひび割れが多数見られる 場合は不同沈下の恐れがある。 外壁・塗装、タイル等に剥離がある。又は著しい白華(エフロレッ センス)、ひび割れ、浮きがあることや、錆汁が発生していないか 窓サッシ廻り・変形、開閉不良、ゆるみ、コーキングの劣化、点錆 分譲・練馬区・TGマンション 築14年 RC造 5F 4棟 79戸 管理人常勤 修理費(長計、改修設計選定中) 原因:上部の換気口の防水コーキング劣化 国賃貸・中野区・N住宅 築20年 RC造 10F 1棟 177戸 管理人常勤 原因:外壁塗装劣化による中性化進行、鉄筋錆汁、爆裂

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Ⅲ.点検不備の事例報告

建築物の外部-1 国賃貸・中野区・N住宅 築20年 RC造 10F 1棟 177戸 管理人常勤 原因:外壁塗装剥離(子供のボール遊び?) 分譲・練馬区・TGマンション 築14年 RC造 5F 4棟 79戸 管理人常勤 修理費 ¥370,0000(鉄部18ヶ所、階 段4ヶ所 原因:塗装剥離、外階段防止劣化 分譲・さいたま市・LPマンション 築8年 RC造 7F 129戸 管理人常勤 修理費(長計、改修設計計画中) 原因:パラペットタイル笠木の防水不良 国賃貸・大田区・MR住宅 築17年 RC造 10F 1棟 152戸 管理人常勤 修理費¥150,000(内外部、5箇所) 原因:昨年の地震で外壁のひび割れ・塗装剥離

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Ⅲ.点検不備の事例報告

建築物の外部-2 国賃貸・大田区・MR住宅 築17年 RC造 10F 1棟 152戸 管理人常勤 修理費¥100,000 原因:鉄筋爆裂 分譲・三郷市・みさと・Tマンション 管理人常勤 修理費(長計、改修設計選定中) 原因:打ち放し 鉄筋爆裂 国賃貸・練馬区・SA住宅 築25年 RC造 5F 1棟 52戸 管理人巡回 修理費¥380,000 原因:上階ベランダ防水劣化による鉄筋爆裂 分譲・新宿区・西早稲田Kマンション 築12年 RC造 13F 1棟 154戸 管理人常勤 修理費(全体調査中、未確定) 原因:打ち放し セパ頭処理不良 (その他床シート不良)

(24)

Ⅲ.点検不備の事例報告

建築物の外部-3 国賃貸・江戸川区・N住宅 築24年 SRC造 14F 4棟 606戸 管理人常勤 修理費(調査中)50個くらいか? 原因:潮害によるベントキャップ脱落(SUS溶接部分の腐食) 国賃貸・練馬区・S住宅 築20年 RC造 5F 1棟 40戸 管理人巡回 修理費(調査中) 原因:前回の塗装工事(8年前)材料選択の間違い 分譲・戸田市・Hマンション(1F店舗) 築18年 RC造 7F 1棟 15戸 管理人巡回 修理費(全体調査中、未確定) 原因:ベントキャップ固定不良(施工ミス) 分譲・さいたま市:第2浦和Kマンション 築30年(旧耐震) RC造 3F 18戸 管理人不在 長計、改修設計中 原因:アルミ手摺柱脚部のコーキング劣化

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Ⅱ-4、特殊建築物定期検査

3)建築物の屋上及び屋根の調査 歩行ができる屋上 :歩行上危険なひび割れもしくは反りがあるか、伸縮目地材が 欠落し植物が繁茂していないか 笠木・パラペット :形成モルタル等の仕上材に著しい白華、ひび割れ、エフロレッ センス、欠損、浮き等、又はパネルが破損しているか 金属笠木 :錆もしくは腐食があるか、笠木部分に緩みがあり部分的に変 形しているか 排水溝(ドレンを含む) :排水溝のモルタルにひび割れ、浮き等がある。ドレン廻りの雑 草の繁茂

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Ⅲ.点検不備の事例報告

屋上及び屋根-1 国賃貸・江戸川区・N住宅 築24年 SRC造 14F 4棟 606戸 管理人常勤 修理費¥1,600,000 原因:8年前に防水補修 その保証期間中に、太康光パネル 設置)よって保証工事の対象にならず 分譲・さいたま市・LPマンション 築8年 RC造 7F 129戸 管理人常勤 修理費(長計、改修設計計画中) 原因:不明 分譲・練馬区・TGマンション 築14年 RC造 5F 4棟 79戸 管理人常勤 修理費(調査中) 原因:全棟に発生(南面)メンテナンス不足 分譲・さいたま市:第2浦和Kマンション 築30年(旧耐震) RC造 3F 18戸 管理人不在 長計、改修設計中 原因:11年前に防水補修

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Ⅲ.点検不備の事例報告

屋上及び屋根-2 分譲・杉並区・STマンション 築20年 RC造 5F 1棟 18戸 管理人巡回 修理費(清掃費¥150,000 原因:管理人(女性)マンホール、屋上点検5年間無し 分譲・さいたま市:第2浦和Kマンション 築30年(旧耐震) RC造 3F 18戸 管理人不在 長計、改修設計中 原因:11年前に防水補修 国賃貸・練馬区・S住宅 築20年 RC造 5F 1棟 40戸 管理人巡回 修理費(調査中) 原因:前回の塗装工事(8年前)以降、点検無し 分譲・さいたま市:第2浦和Kマンション 築30年(旧耐震) RC造 3F 18戸 管理人不在 長計、改修設計中 原因:ベランダ床防水工事無し(モルタル防水)

(28)

Ⅲ.点検不備の事例報告

建築物の内部(共用給水管・排水管の劣化) 国賃貸・中野区・K住宅 築20年 RC造 10F 1棟 177戸 管理人常勤 原因:錆による(砲金と鉄管の異種金属接合、絶縁劣化) 分譲・中野区・KTマンション 築40年 RC造 5F 1棟 60戸 管理人巡回 修理費¥85,000(応急修理しかできない) 原因:経年劣化、排水管洗浄時に漏水指摘、見過ごし

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Ⅲ.点検不備の事例報告

建築物の内部(漏水) 分譲・目黒区:中目黒Dマンション 築12年 RC造 10F 110戸 管理人常勤 修理費¥390,000 原因:CFのカビ発生調査で発見 UB、サッシドアの防水不良、階下(賃貸)

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Ⅲ.点検不備の事例報告

建築物の内部(PS内異音調査) 分譲・北区・ABマンション 築28年 RC造 10F 1棟 425戸 管理人常勤 修理費¥60,000 原因:戸別水道メーター(計量法8年交換)後、異音が発生 メーター廻りの清掃(逆止弁清掃)水撃減圧器を設置、 効果が出ない、共用管からの減圧弁の劣化と判明 他の住戸も発生する可能性があり、経過観察中

(31)

Ⅲ.点検不備の事例報告

避難施設等 分譲・練馬区・TGマンション 築14年 RC造 5F 4棟 79戸 管理人常勤 修理費 ¥370,0000(鉄部18ヶ所、階 段4ヶ所 原因:塗装剥離、外階段防止劣化 国賃貸・中野区・N住宅 築20年 RC造 10F 1棟 177戸 管理人常勤 修理費(塗装補修¥150,000) 原因:管理不足 扉が開かなかった 国賃貸・中野区・K住宅 築20年 RC造 10F 1棟 177戸 管理人常勤 修理費(塗装補修¥150,000) 原因:管理不足 扉が開かなかった 分譲・戸田市・Hマンション(1F店舗) 築18年 RC造 7F 1棟 15戸 管理人巡回 注意、是正指示 原因:自転車等の放置で避難通路の確保ができていない

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Ⅱ.定期点検

5.給水設備点検-給水には次の5つの方式があります。 1)水道直結方式、2)高置水槽方式、3)圧力タンク方式 4)ポンプ直送方式、5)増圧直結給水方式 各方式により点検内容は違いますが年4回程度が一般的で す。 受水槽・高置(架)水槽-年1回は、水質検査とポンプ等の 機器検査を行う。 6.排水設備点検-給水設備と違い、排水設備は法定点検では ありません 屋内雑排水管清掃-清掃頻度は1回/1~2年 屋外雑排水・汚水・雨水管清掃-清掃頻度は1回/3~5年

(33)

Ⅱ.定期点検

7.消防用設備-いざという時その機能が発揮されるよう、消防 法では年2回、有資格者による機器点検、また年1回に機器 作動する総合的なテストをし、消防署へ届け出る 8.自家用電気工作物定期点検-「一般用電気工作物」は電力 会社が保安業務を担う。「自家用電気工作物」は自主保 安が義務付られています。 1)日常巡視点検(毎月1回)-機器を運転状態にしたまま、 損傷、変形、加熱による変色などの異常を確認します。 2)定期点検(毎年1回)-全設備を停電させて、各機器の絶 縁抵抗測定、保護装置の作動試験を行い、技術基準に 適合しているか確認します 3)精密点検(3年に1回)-全設備を停電させて、各機器の 特性試験、自家用発電設備ある発電機やエンジンの分 解点検、変圧器などの絶縁油の劣化測定行います。

(34)

Ⅳ.既存不適格について‐1

代表的な事例-1

建築基準法には、建築物(又は昇降機等)が建築確認された時点 の法令に基づいて建築した建築物(既存建物)は、その後に定め られた法令の規定に及ばないこと(遡及しないこと)が定められて いる。(法第3条第2項)。すなわち、「法の既存不遡及の原則」で ある。一種の救済規定になっており、これがいわゆる「既存不適 格」である。 既存不適格の代表的事例 ・昭和46年以前の6階建て共同住宅の階段に、内部階段が1ヶ 所しかない。 ・昭和48年以前の建築で、たて穴区画の防火扉の開閉機構が温 度ヒューズ式である

(35)

Ⅳ.既存不適格について‐2

代表的な事例-2

・昭和57年以前の建築で、延焼のおそれのある窓が線入りガラ ス入りとなっている。 *昭和58年10月1日をもって、線入板ガラスは防火設備(旧乙 種防火戸)の認定取消し ・平成11年以前の建築で、階段に手摺りが付いていない ・平成14年以前の建築のエレベーターの乗場戸に、遮煙性能が ない。 ・平成17年以前の建築の防火シャッターに、閉鎖作動時の危害 防止装置がない。 ・平成17年以前の建築の鉄骨の耐火被覆材、機械室の断熱材 に吹付け石綿が使用されている。

(36)

Ⅳ.エレベーターの既存不適格について‐3

既存不敵格の検査項目の例-1

駆動装置等の耐震対策 昭和56年6月 1日施行-駆動装置の転倒、移動防止対策 平成21年9月28日施行-ロープガード等の状況 戸開走行保護装置 平成21年9月28日施行-戸開走行保護装置の取付け及び作動状況 地震時等管制運転装置の取付け及び作動状況 平成21年9月28日施行-地震時等管制運転装置の取付け及び作動状況 予備電源の状況 かごの戸及び敷居 平成21年9月28日施行-戸の反転作動の状況

(37)

Ⅳ.エレベーターの既存不適格について‐3

既存不敵格の検査項目の例-2

かごの照明装置 平成21年9月28日施行-照明装置の設置、作動及び照度の状況(床面で 50lx乗用(及び寝台用以外のエレベーターで25lx) 以上の照度) かごの非常救出口 昭和46年1月 1日施行-救出口のロック装置取付け、スイッチ取付け 平成21年9月28日施行- 施錠装置 平成21年9月28日施行-施錠装置ロック機構(係合部分の寸法7mm以上) スイッチの作動状況(煙感知器の点検口) 昇降路内及びピット内の耐震対策 昭和56年6月 1日施行-昇降路内の耐震対策(かご、釣合おもりの脱レー ル防止等)

(38)

Ⅳ.エレベーターの既存不適格について‐3

既存不敵格の検査項目の例-3

昇降路内及びピット内の耐震対策 昭和56年6月 1日施行-ピット内の耐震対策(かご下綱車、釣合ロープ、 調速機ロープのハズレ止め等) 平成21年9月28日施行-ロープガード等の状況、ガイドレールとのかかり の状況、突出物の状況

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Ⅴ.点検管理チェックシート

上階からの漏水→(現在・過去に どこで    原因        ) 亀裂(構造壁)     異常なし 外壁からの漏水→(現在・過去に どこで    原因        ) 結露    亀裂    異常なし ガラスの割れ 錆 がたつき 損傷 結露 異常なし 洋室(北) 洋室(ベランダ) 洋室(角) 和室 台所(角) 玄関ドア 錆(塗装の剥がれ) 変形 損傷 ドアチェックの異常(戻らない) 結露 異常なし その他( 面格子 錆 がたつき 損傷 異常なし 天井 漏水 亀裂 塗装の剥がれ 錆汁 鉄筋露出 コンクリート脱落 異常なし 壁 亀裂 塗装の剥がれ 錆汁 鉄筋露出 コンクリート脱落 異常なし 床 水溜り 亀裂 異常なし 排水溝・排水口 水溜り 流れにくい ゴミの詰まり 異常なし 雨水縦管 錆(塗装の剥がれ) 変形 がたつき 脱落 損傷 異常なし 隔て板 割れ 損傷 脱落 異常なし コンクリート部:亀裂 錆汁 鉄筋露出 コンクリート脱落 異常なし 鉄部:塗装の剥がれ 変形 損傷 がたつき 異常なし 給水 台所流し 水の出が悪い 水が濁る 赤水が出る 臭いが気になる 異常なし 台所流し 湯の出が悪い 温度調節不良 ユニットバス 湯の出が悪い 温度調節不良 ガス給湯器 ガス臭い 点火しない時がある 燃焼排気の臭いがする 異常なし 台所流し 流れが悪い 逆流する 異常なし ユニットバス 流れが悪い 逆流する 異常なし 便所 流れが悪い 逆流する 異常なし 洗面所 流れが悪い 逆流する 異常なし 電気容量 ブレーカー 停電が多い→(停電の頻度  年  回程度) 異常なし 換気能力が悪い 異常音がする 異常なし 流し トイレ ユニットバス テレビ 映りが悪い ゴーストが出る 異常なし インターホン 聞こえにくい 音が鳴らない 損傷 異常なし ○○○○マ ン シ ョ ン   点検管理チ ェ ッ ク シ ー ト 点検記入者       号室  氏名       TEL 点検記入日 平成24年11月17日 この住戸の利用形態は  (自己所有で居住・自己所有で非居住・借家として居住) この住戸にいつからお住まいですか?  (分譲開始から・昭和 平成    年から) 下記の場所について該当する該当する不具合に○印をお付けください。なお、特筆すべき事項は、備考欄にお書きください。 室内 天井 壁(構造壁) 外装建具 サッシ(窓) ベランダ 手摺 給湯設備 排水 換気設備 換気扇 弱電設備 備考欄 マンションの共用部分(玄関、廊下、階段等)でお気付きの点、改善要望等をご自由にお書きください。 (財団)埼玉県建築住宅安全協会TEL048-865-0391FAX845-6720

(40)

おわりに

埼玉県では平成22年度の調査で分譲マンションが約8000棟弱 、報告されています。その内6階建て以上で定期報告義務がある マンションは、4500棟あまりです。調査の中でこの制度を知らな い、無回答の回答合計は30%弱です。また定期報告を行ってい ない、分からないの回答合計は26%弱になります。 一方、実際 に定期報告がされている割合は2700棟、65%弱です。 即ち、30%弱のマンション1350棟と、該当外のマンション3500 棟を合わせると埼玉県のマンションの半数が、日常の点検と管理 が疎かな可能性があると言えます。また、管理会社に委託してい るマンションは80%強の7000棟余りを鑑みますと、総体的には 2000棟近いマンションの日常の点検と管理に?を私は付けざる を得ません。建物の延命を図る特効薬は、日常の点検と管理に 勝るものはありません。これを機会にもう一度見直をしてください。

参照

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定性分析のみ 1 検体あたり約 3~6 万円 定性及び定量分析 1 検体あたり約 4~10 万円

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・コンクリート :破砕 処理容量 ・金属 :約 60m 3 /日. ・コンクリート :約 40m

模擬試料作製、サンプリング、溶解方法検討 溶解(残渣発生) 残渣評価(簡易測定) 溶解検討試験 Fe共沈アルカリ融解