Inprovisation and the Power of Dance
体育教室
佐
分
利
育
代
は じbウに 何 を,い
つ,ど
のような方法で,
どの位教 えるのかは,創
作活動 としてまた,体
育の教材 として のダ ンスの在 り方 と共 に常 に問われてきた問題である。各学年,各
段階に応 じたダ ンスの経験のた めに教 え得 るものは何かは,限
定 された授業時間内での学習内容具体化 として明確 にされなければ ならない。 先の研究報告①では,ダ
ンスの学習内容 として,ダ
ンスにおける技令トー媒体 としての身体運動の 持つ感情表出性 に関する知識一 と,素
材 としての身体づ くりの技術 を取 り上 げ,ダ
ンスの技能の段 階 として,「 とらえられ る」「続 け られ る」「変化 させ られ る」「 まとめ られ る」 を設定 した。今後の 研究課題 は実践 を通 した確かめ と,手
がか りとしての具体化であると考 えられ る。 この一段階 として まず,ダ
ンスにおける技術の中か ら「力性」を取 り上 げ,「力性 の変化」の習得 を目標 とした学習指導を実施 した。 そ して,学
習の手がか りとしての「力性」の有効性 を考察す る と共 に,学
習 を通 して技能が どの ように変化 したかを,学
習の前 と後 に同一条件 で課 した即興表現 によつて確かめた。 次 に,こ
の即興表現 にみ られた技能の変化が,さ
らにどのように発達す るのかを知 るために,第
一回目の学習者の うち もう半年のダンス学習 を経験 した4人
について前回 と同 じ即興表現 を課 し, その特徴 を考察することにした。H「
力性 の 変 化 」 を 目標 と した 学 習 指 導 と即 興 表 現 ダンスの基礎 として最低 どの ような表現要因 (表現運動の構成要因)を
学習内容 として理解 させ るべ きか明 らかにす るためには,
まず各々の表現要因の習得 を目標 とした学習が 学習者のダンスを どう変化 させ得 るかを明 らかにしなければな らない。すなわち,ど
の ような手がか りを, どのよう な方法 で与 えて指導すれば,ど
の ような ものが学習者 に残 り,自
由な表現の中に生 きるかを明確 に するこ とである。 そこで,こ
の課題解決の一段階 として,ま
ず「力性の変化」の習得 を目標 とした学習指導 を実施 し,学
習指導によって学習者の技能が どう変化 した.かについて学習前 と学習後 に即興表現 を課 して 比較考察することにした。考察 は,即
興表現 をフィルム(8 1nlll)に収録 し,分
析 によって行なった。佐分利育代:即興表現 にみ られ るダ ンスの技能
1.研
究対象 鳥取大学教育学部保健体育専攻および副専攻のの1・2年
生で,体
育実技・ダンス (A)の 52年度 受講生lo名 (男子7名,女
子3名) 被験者 は, 4月
に2回
(計200分)の
ダンス学習 を経験 してお り,男
子学生のダ ンス経験 につい てはこれが全てで女子 については高校 までに経験がある。2.学
習指導期間 と実施場所 1977年7月 18日 か ら 22日 の 6日 間 鳥取大学体育館3.即
興表現の実施方法3∼ 4人
のグループ毎 に同時に踊 らせ る。 即興表現の長 さは制限 しない。 刺激 イ.メ
トロノームM.M.♪
=200に
よる均―の鼓動拍で力性的には変化のない刺激 口.ド
ラム (フロアータム)の
一打で,力
性的には最初 に衝激的な強 さを持 ち除々 に消え てい くデクレッシエ ンドの刺激 各々の刺激 をあ らか じめ一度聞かせ,そ
れか ら受 けたイメージで踊 らせ る。 メ トロノー ムは踊 つ ている間ず っとかけ,
ドラムについては,初
めに一打のみ与 える。4.学
習指導の実施 「力性の変化」の習得 を目標 にしたダンス学習の指導内容 と経過 は表①の ようであ る。(各指導内 容における学生の理解の程度 をABCの
3段
階に評価 した もの もあわせて記入) 表現運動 を成立 させている要因は,時
性,空
間性,力
性の側面か ら考察す ることがで きる。身体 運動 を媒体 として行なうダンス表現に とって「力性」 は,強
弱・持続・急変等最 も原初的に運動 と 表現 に結びついている側面であると思われ る。 学習の導入段階で,こ
の「力性」 に視点 を置いてダンス学習 を進 めることを知 らせ,グ
ループに よる小作品の創作 と発表 を学習の最後 に行 うことを伝 えた。創作 し発表 した作品は以下の通 りであ る。 1年生グループ (男子4人
) 「暗殺」些細 なことで争いにな り, 3人
が1人を殺 して しまう。2年
生グループ (男子3人
) 「 シンフォニーJ怠
惰 な社会感 をロック,古
典,フ
ォークの曲を組み合わせた伴奏で表現 女子グループ(3人
) 「たんぽぽ」春風 に揺れなが らたんぽぽが咲 き,小
さいが華やかな開花,風
まかせの種の時代 を表現 全作品を鑑賞後,作
品についての評価 を各 自自由記述 させ,自
分のグループについて も反省 とし て書かせた。各 自で評価 した後,全
員で批評 し合 つた。 相互評価の自由な記述は表②の通 りであ り,そ
の内容 を `創 る、 と`踊 る、に分類 し,そ
れぞれの 頂で力性に関係あると思われるものを下位に記入 したのが表③である。 これによると,動
きや作品全体 を通 しての力性的な面についての評価が最 も多 く,次
に多かった 踊 り方についての評価の内容 も,「一気に踊 りぬ く」など力性的なものであった。さらに作品構成に ついても力性的な面から評価されていた。次に多いのは,作
品全体の感 じや伴奏の効果など,作
品 のイメージに関するもので,踊
る際の気持や動 きの技術的な面に対する評価 も多かった。また,動
表① 実験 的学 習指導 案 お よび記録
対象 大学
12年
生 傷 子 7名,女子 3名) 段 階 時 間 日 時 学 習 目標 学 習 内容 学 習 活 動 指導 者 の 評 価 学 生 の 反 応 1 次 1 月 日 30 30 「力性」の 知的理解 表現運動の 要因 力性の変化 学習計画 。 ①「力性の変化」を手がかりにダンス 学習を していくことを知る ②「力性の変化」を含む動きの体験 ③作品を創 り発表することを知る B B A 2 次 2 18日 13:30 1 15:30 強 弱 感 動 きの 大 きさ デザイン 速 さ リズム ①歩,走
跳を大きさを違わせて動 く ②同 じ速 さでポーズを変化 ③ポーズからポーズヘ様 々な速 さで変化 ④同 じ動きを様 々な速 さで動 く ③5→ 4→ 3→ 2→1拍 子と変えて動く ⑥アクセン トの変化 ⑦短かい一連の動きを速 さや大きさを 変えて動 く B A A B B C C ③「 ドラマができそうテ」 3 19日 9:30 1 11:30 変化の仕方尋
①だんだん強 くなっていく動き(a) ②走→静止1人
, 2人 ‰│1町 ││:肇
子 拐鯨 ぞ ④⑥か ら連想 して 1人 で即興 ⑤④を3。 4人 で ⑥④より全員で習作 A B A A B B C ④「怒り」「夕立ち」 ⑥円形が多い ⑥「怒り_隊形にこだわる 4 19日 13:30 1 15:30 急変 と継続 発散す る感 じとこもっ た感 じ 衝激 と流れ ①力をだんだん発散 させ る動 き(b) (a)十(b)を通 して踊 る ②「 うね り」 こめ られた力,発散する 力を全員で習作 ③衝激を感 じる動 きづ くりlC) (a)十 (b)千 (c) (a)+(b)十(C)十流れを感 じて即興 A A C A A B ②組体操のような動き, かたちをつくりたがる ③一年生男子は気持が続 かない 5 20日 9:30 1 11:30 集中と離散 mass ①(a)十 (b)十(C)を集 まった り,離れた りして動 く ② グループで異 った5つの隊決を決め 向き,方向,速 さを変えて移動(5名) ③「 まつ り」で習作 (全員) A B A ②「同じ形なのに感 じが 違 う」 6 20日 13:30 1 15130 クライマ ッ クス い くつかの 変化 とクラ イマ ックス 変化 とまと まり フレーズ ①い くつかの打ヽさな変化のある動 きを 創 り, クライマ ックスにな る部分を 即輿す る(全員) ②「決闘」で習作 ③(al十 (b)十 (C)十 (d)十即興 ④作品創 りのグループ決定 B B A ②「決闘」の部分の動 き が続かない ④長 く続けて踊れ る 3 次 7 21日 9:30 1 11:30 作品づ くり 3∼ 4人グ ループによ る刀ヽ作品 ①物,テーマによる即興練習 ②作品創り A B ①す ぐに踊 り始め,力動 的に踊れた ②l年男子, 2年男乱 女子で創 る 22日 9:30 ! 11:30 作 品 発 表 発表と鑑賞 授業の反省 ①作品の練習 ②作品発表,鑑賞 ③評価 しあう ④授業のまとめと反省 B A A 1年男子「暗殺」 2年甥 句附「 シンフォニー」 女子「 たんぽぽ」 6印 ……・即興表現フィルム撮影
佐分利育代:即興表現 にみ られ るダンスの技能 表②「 グループ作品」 に対す る学生の相互評価 自 己 評 価 籠 分の分 レープについつ 暗
殺
(1年
男 子) 一 > 二 子 オ 男 フ 年 ン 2 シ て ポ ≫ ポ 子 ン 女 夕 ぐH.K
練習不足のわりには良 くできた チームワークの勝利 動 きにお もしろさがあ り, 工夫 されていた 伴奏 も良い 女らしさ,華麗 K U 踊 りはできるだけ大きくし ようとした リズムにあわなく,場
面か ら場面への展開が不満足 ダイナミックな動きや弱 々しい動きがあった 音と踊 りがあまりあって いない 優雅,女らしさ 題名か らの想像 とは違 っ ていた H H どうしたら大きな動きがで きるかと考えた もっと練習が必要 曲想 と動きが合 っていた 曲と曲のつなぎが工夫不 足 で 良 が が か は じ ト榊
襲
櫨
″
し
な
曲
ク
h わ 脇 。 ァた 。 し の oた つ ら 風 た い か 性 よ つ て し 女 そ か で ほ AN 構成がスムーズにいった 強弱に注意 し,満足するも のがあった 練習 しなかったのは,心か ら踊るという雰囲気を本番 までとっておき, フィー リ ングでおどりたかった 音楽の変化と同時に踊 り も変イとしておもしろかった 強弱や全体のまとまりが ない みんなペースがあっていた 終わったかと思わせまた 初まるところも良 く印象 強い 女性的やさしさ,新鮮S
春になってからの感 じが 良 く出ていた 強弱がはっきりせず盛 り 上がりがない 踊 りと踊 りのつながりが うまく全体的にまとまっ た作品S.K
いろいろなものを取 り入れ たつもりでおもしろくでき あがった ス トー リーがおもしろく1 楽 しい動き方だった 手足の動きをもっと正確 にやるときまった 女性 らしさ力な く出ていた 動き方,移動の し方がよ く工夫 されていた アクセントがひとつほ しい Y M 自分を忘れ,音楽にのめ り 込んで踊 った 何 も言 うことはありません 野性的で男性的 練習を重ねるより新鮮味 があって最高であった 乙女チックな中たんぼぽ が さわやかに舞っている 優雅 もう少 し大自然のカ 強いイメージが欲 しい K T 5分 間という時間を一気に 踊 りぬくむずか しさ,フット 気がぬけて しまう所がどう してもあるが良かった もう少 し踊 り込めば,もっ と良 くなる輸
。 女
跳
助
。 内馳
シ ュ峨
じ,
o 表
つ た
制
ノレ ギ ッ
な っ て
つ た 感
韓
で 良 ヵゝ
]
ネ う 違 れ 担 う 工 そ は ふ 大 も も も と あ も に 山 り 子 味 法 容 い リズムによくのり湖れ目な く一気に踊ったのがよか った。 3人 のいきが合っ ていた。「たんぽ1剖 の 感 じを出すあまり,流れ にアクセン トがなく,演 技自体独倉U性に乏 しいS.Y
場所のとり方を失敗。花の 咲くところを盛り上げようと そ売!耐
卿 動 きは思い切 ったことがで きず,既成の ものばか りだ つた 2人が交差す る大 ジャン プが印象的,はじめ動 き がわか らなかった力ヽ 後 半みんなのってきて良か つた 感 じがでていた 鮨 警 設 讐旨絵 是 みんなのってやっていた のが一番いい。もう少し動 きの変化 俗 に激u培
楽 のとき)がほ しかったNo Y
音楽にはのれた。曲をもっ と工夫 し,盛り上が りを作 れたら良かった 体が思 うように動かないの がはがゆかった。手足,体 の脱力はむずか しい 力いっばい跳んだ り,躍 ねた りで, リズムにもの っていた。手足がのびの び した ら動 きが もっと大 きくきれいに見えたので 1まアょいか 音楽の工夫ができていた 空間の使い方で,少ノ徴 でも広がった時に強さが 消えなかったのは男性の 力強さだと思 う。決定的 な弱 さがあればエネルギ ーの発散がもっと強く出 たM.U
音楽の工夫がなかった 踊 りこみが足 らなかった 盛 り上がりが足 らなかった 目標のふわっとした感 じは 成功 した。女の子 らしい動 きしかできなかった 同 じ動 きが長いように思 う。盛 り上が りはよ くで ていた。大 きな動きは良 かったが,小さな動 きに 心配 りが│ましい 力強 さがよ くでていた 音楽の効果は良かった よく踊 りこんであり,よ くそろっていた ユニークな動きがあった 空間の扱い方がよかった 力強さがよくでていた表 ③ グル ープ作品 に対 す る学生 の相互 評価 評 価 の 観 点 頻 度 例 倉U る 作 品 全 体 題 題名か らの想像とは違 っていた 内 容 l 内容にもうひとひねりほしい 感 じ 優雅 女 らしさ 野性的 構 成 全体的にまとまった作品 力 性 的 アクセントがほ しい,盛り上がりがなし 伴 奏 つ く り 方 音楽のつなぎめも良 く 効 果 曲想 と動 きが合 っていた 動 き 独 創 性 演技自体独創性に乏 しい 動きにおもしろさ 技 術 手足の動きをもっと正確にやるときまった 群 移動の し方がよく工夫 されていた 力 性 的 13 ダイナ ミックな動 きや弱 々しい動 きがあ った 踊 る 練 習 もう少 し踊 り込 めばもっと良 くな る 気 持 6 フィー リングでおどりたかった みんなのってきた 踊 り 方 一気 に踊 りぬ く 踊 りはできるだけ大 き くしよう チ ー ム ワ ー ク l チームワークの勝利 表④ ダ ンス学習後の感想 感 想 楽 し 踊 り た い 感 じ る 心 有 意 義 oダ ンスはいやだった。でも,のって くるとたの しくてしかたがない。 先生になれたら,子供たちにこの楽 しさを絶対に教えたい。そして子供たちに 感 じとってほしい。(女子) 04月のことか ら思 うと,かな りのれ るようにな った し, リズム もつかめるよう になった。 (男子) ○ス ピーカーか らメロデ ィが流れ ると,すぐにでも踊 りた くな ります。 (男子) Oマ ーケ ッ トでロックが流れている時,知らず知 らずに体が動いたことは大変興 味深い。 (男子) Oリズムにのってするのは楽 しい。(女子) O音楽,特に リズムに対 して敏感になったように思 う。 ダンスがこんなに疲れるものだとは思わなかった。 (男子) ○男性がダンスを踊れたって変だとは思いません。(男子) O自分達の年代に「感 じる心」というのは,すごく大切だと思 う。この授業で少 しで も「感 じる心」がきたえ られたら最高である。 (男子) O感じるままに行動す るすば らしさ。 (男子) ○最後の二 日間は有意義であったようです。``(女子)
佐分利育代:即興表現 にみ られ るダンスの技能 きの独創′性にも関心があ り,「もう少 し踊 り込 めば もっと良 くなる」のように練習について述べている もの もあった。以上のように
,相
互評価 は力性的な面 に多 くなされていたが,
これ は学習 目標 に対 して当然の結果 と思われ,学
習 目標がある程度達成 されたのではないか と考 えられ る。 また,
力性的な側面 に偏 りはあるが, 1人
平均9項
目について評価 してお り,創
ること,踊
る ことのダンスの様々な側面 に対 して学生が目を向けていることがわか り,`観 る、技能 としての鑑賞 力 も得 られた と考 えられ る。 表④ に まとめた作品評価 と同時 に記入 させたダンス全体 に対する感想 による と,「楽 しい」町涌り た くなる」「知 らず知 らずに体が動 いた」「のれるようになった」など,ダ
ンス学習への動機づけの 効果がみ られた。そして「 ダンスが こんなに疲れ るもの とは思わなかった」 とい う新たな発見や, 「 リズム もつかめるようになった」「 リズムに敏感 になった」という自分 自身の学習成果の認識,「最 後の 2日 間は有意義であった」の ように作品創 りや学習の積 み重ねに対 しての満足感 と意欲をも感 じられた。 学生の感想か ら,今
回のダンス学習が,学
生 にダンスを好 きにさせ るとい う意味では効果があっ た もの と考 えられ る。 5。 即興表現 における変化 「力性 の変化」 を目標 としたダンス学習の前 と後の即興表現について `踊 る、技能に関 しては何 が変化 したか `創 る、技能,`観 る、技能 についてはどうであったかのそれぞれ について考察する。 ` 踊 る、技能ではメ トロノーム,
ドラムによる表現共 に表現時間が延びてお り,学
習前 よ りも長 く踊 り続 けられ るようになった と言 える。 メ トロノーム とドラム とを比較すると, 7名
の者 につい てメトロノームの刺激による表現の方が よ り長 くなった。 動 きに関 して は表⑤及 び表⑥ よ り,動
きの種類 の増加,動
きの内容の変化が あげ られ る。動 きの 内容 で は,歩
や走 な どステ ップ中心 の動 きか ら,全
身 的 な動 きへ と変化 し,ま
た, 5名
の学習者 に は,単
一 の動 きか ら2つ以上 の動 きを結合 した動 きへの変化 もみ られた。 動 きの くり返 しは,学
習前 で は,メ
トロノームで3人
が1回,
ドラムで は3人
が1回 , 2人
が2 回使 用 していたが,学
習後 で は,メ
トロノームで は5回
以上 (平均8回),
ドラムで は3回
以上 (平 均6回
)の
繰 り返 し部分 を持 つて表 現 していた。繰 り返 された動 きの内容 も,学
習前 に は同一 の動 きで あつたの に対 し,学
習後 は,同
一 の動 きの繰 り返 しの他 に,速
さを変化 させ て い った り,素
朴 で はあるがモチー フ とな る動 きを変化 させ てい く繰 り返 しが多 くな った。 動 きの切 れ 目や,続
き方 をみ る と,
リズムの変化 が感 じられ る。特 にメ トロノームで は,学
習前 の動 きは,メ
トロノームの出す鼓動拍 の ままの リズム拍 で あ ったの に対 し,学
習後 で は,メ
トロノ ームの鼓動拍 を感 じなが らも自分 の リズムで動 きを続 けた り追 い込 んだ りで きるよ うにな った。 以上 の こ とよ り,` 踊 る、技能 に関 して は,長
く踊 り続 け られ るようにな り,動
きの語彙 が増 し, 盛 り上 が りの あ る動 きがで き,ひ
と続 きの動 きとして踊 ることがで きるよ うにな った と言 える。 ` 創 る、技能 に関 しては,考
察 の対 象が即興表現 であ る ことか ら,` 踊 る、技能 と重複 す る点 もあ るが,動
きの繰 り返 しや,そ
れ に よる盛 り上 が りとま とま りの感 じのある表現が で きた こ とが あげ られ る。 それ と関連 して,学
習前 の表 現 で は,終
りの ポー ズや,明
確 な終 りの感 じを持 つて踊 つた 者が1人で あ ったの に対 して,学
習後 で は全員 が終 りの感 じのわか る表現 を行 な った点 が大 きな違 い としてあげ られ る。 また,表
現後 に,「 どの ようなイメー ジを持 って踊 つたかJとこつ いて紙 に書 か せた ものか らは,イ メー ジが よ り具体 的 に把握 で きるようになった ことがわか る。 ` 観 る、技能 としては,即
興 表 現 が 自 らの表現 を感 じなが らさらに踊 り続 ける とい う性格 を持 つ表⑤ 学習前 と学習後の「即輿表現」の比較 一 動 き― (メ トロノーム)
学 習者
M.U
SoY
N.Y
Ko UA.N
Y.T
SKY.M
H.K
HH表 現 の 長 さ (倍率) 前:後 一刷 後 前1後 前1後 前 後 一則 後 一刷 後 前 後 前 i後 前 1後 2131701 :(3α ″ I ,7︰ 6 6 490 124)
″
姐
餌
″ 67 146 ″ 餌 E 6 Q 181 ″ 観 ∝′
4 6 7∝
2041鰐″
3
ω
2
7
″ 35″
4
∝
0
3
″ 4 2 動 き の 種 類 ステ ップ主体 の動 き (脚) 4 3 1 2 21 2 3 2 2 1 1 0 1 0 21 0 全 身的 な動 き (脚,腕,胴体) 1 0 2 6 215 1 5 l 1 1 4 0 5 1 5 結合 した動 き 0 0 2 1 0 0 0 0 2 0 1 0 0: 0 動 き の く り 返 し 同 じ 動 き で 1 2 0 l 0 1 1 l 0 2 0 01 1 0 1 1 4 l 速 さを変 えて 0 0 2 l 0 1 0 1 0 0: 1 0 3 0 0 0 1 モ チ ー フ を 変 化 ・ 発 展 0 0 4 01 9 0 6 0 7 0 4 0 3 0 6 0 5 表 ⑥ 学 習前 と学 習 後の即興表現 の比較 ― 動 き―(ド
ラム) 学 習者M.U
S Y
N.Y
KUA.N
Y.T
SoK
YMH.K
H.H
表 現 の 長 さ (4摯辺旧) 単剛 後 前 1後 前 1後 一則 後 前 後 前1後 前1後 前 :後 前 後 前1後 390
20
Hll絡
1241己島
⑫207l) 1己器
156i346 102) 11914521●0
船
4 9 8⑮
″
3 9 3⑭
動 き の 種 類 ス テ ップ主体 の動 き (脚) 0 31 1 01 1 1 1 0 0 1 1 0 1 0 2 0 3: 1 全 身的 な動 き lMl,腕′胴体) l 5 1 5 0: 5 1 3 1 5 l 4 1 5 1 1 5 1 結合 した動 き 012 011 0:0 0 01 1 1 6 0:3 0 1 動 き の く り か え し 同 じ 動 き で 0 2 0 0 0 1 l l 0 2 0 2 2 ユ 0 2 0 1 1 速 さを変 えて 0 0 0 0 0 Oi 0 l 1 01 2 0 1 013 1 モ チ ー フ を 変 化 ・ 発 展 0 0 5 0 4 0 2 1 Oi 4 0:3 0 6 0:2 1 2佐分利育代:即興表現 にみ られ るダンスの技能 と考 えられ ることか ら,「内観」す る技能が必要 と思われ る。分析結果 と
,学
習者 自身のイメージを 照合すると,学
習前では一致点が明 らかでなかったが学習後では,イ メージaに対 して動 き1,2,
3, 4,イ
メージbに
対 して動 き2コ, 5, 6,の
ように,イ
メージ と動 きとの間に一致点が見 ら れた者が,メ
トロノームでは6人 ,
ドラムでは7人
あった。 また,撮
影 フィルム を3人
の大学生 (お茶の水女子大学,表
現体育科の3年
生でダンスについて は熟練者である)に
観 て もらい,「どのようなイメージを受 けたか」 についての自由記述 を得たが, それを表現者のイメージの記述 と比較すると,学
習後のメ トロノームでは6人 ,
ドラムでは5人
の 表現について類似がみ られ,他
の者 について も学習前 よ りも多 くのイメージを与 える表現になった といえる。例 えば,学
習者N.Y.の
ドラムによる表現では,学
習前の,「爆発の前の静けさ紳 発 ―爆風 による木々の揺れ」という学習者のイメージに対 し,「何 も感 じられない」「暗い感 じ」「重 く るしい,
ぐった りした感 じ」 とい う鑑賞者の感想であった。 それが,学
習後 の「暗中模索」 に対 し ては,「どこへ も持 つていきようもない,何
にもぶ っつけようのない悲 しみ「暗闇の中をまよってい る感 じ」「悲 しみの中に漂 っている感 じ」のようなイメージを受 けている。 この ように,学
習者 には,ま
だ不十分ではあるが,自
らの踊 りを感 じとった り,フ
ィー ドバ ック した りで きる「内観」す る技能が得 られた と思われ る。 学習前 と学習後の即興表現の比較 よ り,様
々な動 きをみつけた り,繰
り返 しや追 い込みによって 盛 り上が りや まとまりの感 じを出す こと,それ を踊 り続 けることがで きるようになった と思われ る。 しか し,学
習の段階での問題 で もあるが,動
きを結合 してフレーズ化することは不十分であ り,
ド ラムの一打ちの余韻 を持 って踊 り続 けることも,メ
トロノームによる継続刺激の場合 よ りも不得意 であった。6.学
習の手がか りとしての「力性」の可能性 「力性の変化」 を手がか りに進 めた今回のダンス学習によって `踊 る、技能や `観 る、技能につ いては,あ
る程度成果が上が った と認 められる。特 に,ダ
ンス学習の経験な く大学生になった男性 という困難 な対象に も,「力性の変化」を習得す ることか ら入 る導入法が,表
現の楽 しみを与 え,学
習時間 という限界内での進歩 をみるにいたった ことは,「力性の変化」が導入 としてダンスの表現要 素か ら採 り上 げる第一次的な ものであるとみて も,あ
る程度良いのではないか と思われ る。 しか し,被
験者の人数,個
人差 など異なる対象について も今後確 かめる必要があ り,他
の表現要 因について も実施すべ きである。 Ш3回
目の 即 興 表 現 に み られ る技 能 の特 徴Hの
授業実践 による技能が どの程度の ものであるか,ま
た,さ
らにどの ような技能が身につけら れる可能性があるのかについて知 るために,53年
度体育実技 ダンスBの
受講生 (鳥取大学教育学 部保健体育専攻お よび副専攻の3, 4年
生)に
対 して,授
業の最後 に,前
回 と同一条件 による即興 表現 を課 した。 ダンスBは
3年
次指定の選択科 日で,ダ
ンスAの
単位取得者 を対象 としている。 53年度の受講者 は9名 (男子3名,女
子6名)で
あったが,即
興表現の比較 は,先
に2回
の即興表 現の資料がある4人
を中心に,他
の5名の資料 も参考 に しなが ら行 うことに した。4人
の うち,Y
M.と
S,K。 は男子,M.U。 とN.Y.は
女子である。 学習指導は,昭
和53年 10月 16日 か ら昭和54年2月 5日 までの毎週月曜 日,年
後1時 lo分か ら2時
50分まで,
動 きのパ ターン化 とフレーズ化の探求 を目標 に,
様々なテーマによる作品創 りを中心 に行 な った。 これ はパ ター ン化 とフ レーズ化 において不十分 で あ つた とした先 の学習指導研究 をふ まえ設 定 した 目標 であ る。
1.即
興 表現 の実施 と分 析 の方法 ①即興表現の実施方法 即興表現は,昭和54年
2月 5日,学習の最終 日に学習のまとめとしての作品発表会の後に課 した。 メ トロノーム,
ドラムの順 に3人
づつ行なった。場所は鳥取大学第1体
育館である。即興表現の後 表現の内容について各自 自由記述させた。 ②分析方法 即興表現は, 8mmヵ
メラ(24コマ/SeC)で
撮影 し,頭
の高さの変化 と、運動の種類 について分 析 した。なお、頭の高 さについては,表
現が前方や後方への移動 も行 うことから,ジ
ャンプ,立
つ, まげる,す
わる,伏
せるの5点
を手がか りにコマによる大 まかな変化 を図①か ら①のようにとらえ た。 また頭の高さの曲線の下の小 さな線は,動
作の変化点を示すもので,
これによって時性の変化 がわかる。その下には動 きの種類を記号化 して記入 した。記号は,運 動要因②に多少違いがあっても, モチーフとして同じ動 きと評価できるものを明確にするために使用した。2.メ
トロノームによる即興表現の特徴 ①Y.Mの
即興表現O表
現時 間22秒
○動 きの内容a
片手 を前 にあげ,脚
を開 いて立 つaI
歩 か ら走 へ回転 を混 じえなが ら速 さを徐々 に増 し,ア
クセ ン トとと 図①YoM。
の即 興表現 (メ トロノーム)
もにaの
ポーズで静止す る。b
体 を捻転 させなが ら前 を向いて手を開 き後 ろを向いて縮 めるbl bの
繰 り返 し 反動の ように小 さ く弱 く速 く行 うb2 bの
繰 り返 し 前 を向 く時に体 の回旋 を加 えて大 きく強 く速 く行 う 回旋のアクセン トと共 にその ままポーズで静止C
ジャンプか ら伏せ る ○動 きのモチーフ2種
類a,b.
○運動要因4種
類a_3 b-3
0ダ
イナ ミックス(力
動性)aか
らal (終
りにアクセン トのある漸強) alの 静止か らb bl.b2 (終
りにアクセン トのある漸強) b2の静止か らC (終
りにアクセン トのある漸強) ② S.K.の即興表現 ○表現時間18秒
○動 きの内容a
手 も脚 も伸ば したかたいポーズal aの
形で急に速 く歩 き回転 しなが ら徐々にゆっ くり歩いて止 まる。a2 alの
繰 り返 し,急
激的に静止す る。佐分利育代:即興表現 にみ られ るダ ンスの技能 図②
S.K.の
即興表現 (メ トロノーム) ○ダイナ ミックスaか
らal(終
りに ア クセ ン トの あ る漸強) alの静止 か らa2 (終
りにア クセ ン トの あ る漸強) a2の静止 か らb (ア
クセ ン トをつ けた漸 弱)③M.U.の 即興表現
b
緊張 した静止 か ら, と順 に脱力 す る ○動 きのモチー フ2種
類O運
動 要 因4種
類O表
現時 間25秒
○動 きの内容a
脱 力 しなが ら両脚 で跳 んで跳 ん で落 ちるal aを
2度
の ジ ャンプでやめ るa2 aを
速 く,落
ち る ところだ けを 強 く行 うb
手 を横 へ振 りなが ら3歩
歩 き,3歩
目に伸 び て ア クセ ン トをつ ける。 首,腰
か ら上 a, b a―-3
b-2
図③M.u.の
即興表現 (メ トロノーム)bi bの
3歩
目を後 ろに足 をあげる。b2 bを
歩 かず に体 を低 い ところか ら振 り上 げ, ジ ャンプす る。C
体 を まるめ,前
後 に追 いあ し しなが ら手 を体 前で揺 らすCi Cを
歩 き くゆ っ くり行 な うC2
ゆ つ くり手 を揺 らしなが らす一 っ と走 り少 しづつ伏 せ る。 ○動 きのモチー フ3種
類a b,c.
O運
動 要 因5種
類a-2 b-3 C-2
0ダ
イナ ミックス a2からC (加
速 的 な漸 強) alからCl(保
持 的 な漸 強) blからC2 (漸
強 か ら漸 弱) その他 の動 きの特徴 a2からb,b2か
らC2は,続
きの動 き として感 じられ るaと bと Cの
組 み合 わせ の繰 り返 しがみ られ るaと
bは 3拍
子 の動 き,Cは
4拍
子 的 な動 きで あ る。④
NY,の
即興表現
図④N.Y.の
即興表現 (メ トロノーム) ○表現時間19秒
○動 きの内容a
体前で手 を上下 しなが ら膝 を軽 く前 に曲 げて上 げた走 あるいはホップal aを
腰 を折 り手をさらに前に差 し出 した 形で行な うb
手 を横 に開いて追いあ しで横へbi
手 を横 に開いた り,体前で閉 じた りしな が ら,脚
を大 きくあげて右横へ歩 くb2 blを
ゆっ くり左へ行 なうC
ジャンプ 伏せ る ○動 きのモチー フ2種
類a. b
O運
動 要 因4種
類a_3 b-3
0ダ
イナ ミックスaか
らb (同
テ ンポでの漸強)aか
らbl(テ
ンポダ ウンでの漸 強) b2(b2とC)(終
りにア クセ ン トの あ る漸 強) 〇その他 の動 きの特徴 alはaの , blは bの完成形 と感 じられ る b2か らCは , b2とぢ徘て よい aと bの組 み合 わせ の繰 り返 しが み られ る ② 表現時 間 は20秒前後 で あ った。他 の学 習者 を加 えてみ て も9人
中8人
までが,15秒
か ら25秒
の 間 で あ った。 ④ 表現全体 が2から3のモ チー フで成 り立 ってい る。 ② 各 モ チー フはそれ ぞれ2か
ら3の運 動 要 因 を持 って い る。 ○ 時性 や形 態性,力
性 の要 因 を変化 させ てのモ チ ー フの繰 り返 しを使 い,ダ
イナ ミックス を変 化 さ せ てい る。 ① モチ ー フの組 み合 わせ の繰 り返 しをMU.と
N.Y.が
使 って いた。 ② 強 さは異 な るが似 た ダイナ ミックスのパ ター ン を持 つ3つの部分 に よって全体 が流れのあるひ と ま とま りになってい る。03つ
の ダイナ ミックスの変化 は,Y,M.ゃ
S.K.にお ける静止 の間 もとぎれ る ことな く続 いてい る よ うに感 じられ る。 ②M.Uと
NYは
,動
きの組 み合わせ を繰 り返 しなが ら,小
さい追 い込 みか ら大 きな追 い込 みヘ とダイナ ミックス を変化 させ てい る。 ② M・U・ で は3拍
子 と4拍
子 の組 み合わせ の リズム を,ア
クセ ン トや テ ンポ を変化 させ て い る。 ③ N.Y。 で は,動
きなが ら,動
きを創 り出 してい く様 子 がみ られ る。 ② メ トロノーム に よる継続 的刺 激 は速 さの変化 や ア クセ ン トを持 た ない鼓動 拍で あ るが,各
自鼓 動 拍 を と り入 れ なが ら,ア
クセ ン トを変化 させ て独 自の リズム をつ くっている。222 3. ドラムによる即興表現 ①
Y.M.の
即興表現 佐分利育代:即興表現 にみ られ るダ ンスの技能 図⑤YoM.の
即興表現 (ドラム) ○動 きのモ チー フ2種
類a, b
O運
動 要因5種
類a_4 b-1
0ダ
イナ ミックスa (強 ) b (力
日速 的 な漸強) alか
ら②
S.K.の即興表現
○表現時間26秒
○動 きの 内容a
ジ ャンプター ン(両脚 跳 び)al
ジ ャンプa2
走 って リー プ ター ン(片脚 跳 び)a3
走 ってね じ りなが らジ ャン プ2回 して伏 せ る。b
体 を振 動 させ る。a3(強
か らさ らに強へ) ○表現時間23秒
〇動 きの内容a
立 って両手 を徐々 に上 げ るal
両 手 を上 げ,手を揺 ら しな が ら沈 むb
両手 を前 に し,体
を屈伸 さ せ なが ら速 く回 って沈 むbi
両 手 を床 につ き,bの
余 韻 の よ うにゆっ くり逆 回 りに 入 つて い くb2
立 ちなが ら速 く回 る 図⑤S.K.の
即興表 現 (ドラム)O動
きのモ チー フ2種
類a, b
O運
動 要 因4種
類a_3 b-2
0ダ
イナ ミックスa (保
持 的 な漸強) bか
らbl(強
弱強)al(保
持的な漸弱) ③M.Uの
即興表現 ○表現時間21秒
O動
きの内容a
手 をあげた静止か ら首だけをカックンと落 とすal
体全体 をカックンと落 とすa2
走 ってカックンと上か ら落 とす図⑦
M.U。
の即興表現 (ドラム) 〇運動要因4種
類a_2 b-4
0ダ
イナ ミックス aからa2 (ア
クセ ン トの繰 り返 しによる漸強)b2 (ア
クセ ン トをつけた弱) ○その他の動 きの特徴bは
aの変形 とみ られる ④N.Y.の
即興表現bか
らal blO動
きのモ チー フ2種
類a, b
(加速的な漸強) 歩 きなが ら手 を回 し伏 せ る 歩 いて,ジャンプ して, 手 を速 く回 して伏 せ る 少 し頭 を持 ちあげてか ら 伏 せ る b2 図③N.Y.の
即興表現 (ドラム) ○表現時間21秒
○動 きの内容a
片手を上 に背伸 び してか ら体 をゆっ くりななめに沈 めるal
ターンしなが ら上 に伸び体 をゆっ くりななめに沈 めるa2
歩か ら走 に移 リジャンプして沈むa3
ゆつ くり起 き上が り2度ター ンして伸び体 を少 し沈 めるb
手 を速 く上下 しなが ら体 を大 き く上 げて下 げて上 げるC
体 を沈 める ○動 きのモチーフ2種
類a b
O運
動要因5種
類a_4 b-2
0ダ
イナ ミックス aからa2(速
さの変化 を含 む!アクセン トの繰 り返 しによる漸強)C (保
持的な漸弱) a3(保
持的でやや弱い漸強 と漸弱) a i al l a2 ! b (強)佐分利育代 :即興表現にみられるダンスの技能
a2(終
りにア クセ ン トの あ る漸 強) ② 表現時間 は,N.Y.が
長 いがあ との3人
は20秒台で,全学習者 についてみて も20秒
台が9人
中7 人であった。 ④ 表現全体が2つのモチー フか ら成 り立 っている。 ② 2つのモチーフの うち,一
方が多 くの運動要因か ら成 り,も
うひ とつはそれに比べて単純 な動 き といえる。全体 としては4か
ら5の運動要因を持 っている。 ○ モチー フの変化 による繰 り返 しが使われ,ダ
イナ ミックスの変化 をつ くっている。 ① ダイナ ミックスのパター ンの異 なる部分が集 ま り,全
体 としての流れ とまとまりになっている。 ②N.Y.を
余 いて,表
現全体が3つの部分か ら成 っていると思われるが,各
部分の始 め と終 りは, ,
隣接す る部分 と,
とざれ ることな く続いて感 じられ る。 ① 刺激 は,
ドラームの一打だけであったが,表
現の中に,強
勢は2度
起 っている。4.2つ
の刺激での表現 における共通 な特徴 ② 表現時間 は20秒前後であった。 ① 表現全体が 2つ あるいは3つのモチーフか ら成 っている。 ② 運動要因は4から6種
類使 われている。 ○ モチーフの変化での繰 り返 しによるダイナ ミックスの変化がみ られ る ① 全体 は3つの部分か ら成 ってお り,各
部分のダイナ ミックスの変化 はとぎれ ることな く続 き,全
体 としての流れ とまとま りをつ くっている。 ② 刺激 その ものにないダイナ ミックスの変化がみ られ る。5,各
刺激の特徴 ② 表現 を成立 させているモチーフの内容 としての運動要因の数 よ り,メ トロノームでは各モチーフ が同価値 と考 えられ るが,
ドラムでは一方が よ り主要なモチーフであ り,
もう一方 はその補助的 な もの と考 えられ る ④ 表現全体 のダイナ ミックスの変化が,メ トロノームでは,類
似 したダイナ ミックスのパ ターンの 繰 り返 しでつ くられたのに対 して,
ドラムでは異なるパ ターンの組 み合わせ によってひ とつの流 れになっている。6.前
回の表現 と比較 した3回
目の表現の特徴 表現のイメージについての言己述 を 'ヒ 較す ると,メ
トロノームでは,イ
メージの ら列か らひ とつの イメージヘテーマの的が絞 られた ことがわかる。メ トロノームの3回
目の表現 における表現時間の` 短縮 はこの ことによって も理由づけられ る。それ と同時 にメ トロノームに対す るイメージに個性が でて きた こともあげられる。 また
,イ
メージの中に も力の起伏が感 じられ るようになった。 ドラムの一打に対するイメージで特徴的なことは, 2回
目では1回目に比べ,余
韻 にまでイメー ジが広が った ことがみ られ るが, 3回
目ではさらに,最
初の一打のイメージが もう一度形 をか えて 返って きていることがあげ られる。 この ことは,運
動分析 において も特徴づけられ る。 図③ と⑩ は,時
性を取 り出して, 3回
の表現を比較 した ものである。 これによると, 2回
目で大 きく伸びた表現時間がまた短か くなっている。 しかし,速
度の変化による波は3回
目では2回
目よ り明確にな り,繰
り返 しから全体のまとまりへ とつながる状態を予想することができる。それに比表 ② 即興表現 の イメー ジの比 較 (メ トロノー ム) 学習者 イ メ ー ジ
Y,M
l おもちゃの人形のつもりだったけれ どや ってい る動作はちが うものだ った一 内野守備の感 じ 2 エネルギーを与え られたおもちゃハ イまんの短い間精一ぱいうごく 3 「 白い紙 に何か書 くのちょっとこわいな」そんなことを思ってとまど っているエンピツさん やっtEFり書 いちゃおう エンピツのぎこちなさの表現 So K l お もちゃの兵隊 とけいの歯車 2 つ り人形 ぜんまい フ ライパ ンでは じける豆 マ ラソンランナー 3 本ば りの人形が │メ トロノーム」に起 こされたが,やっば り人形 は 人 間になれないで しまった。M.U
1 マ リオネッ トの感 じ,するどく機敏 に動いている感 じ 2 マ リオネ ッ ト,堅い動 きと,機敏 な動 き,糸が きれた り,テンポがは や くなった り,調子はずれになる。 3 しず くが したた り波紋 がで きる。 NY 1 こまかい動 き,マ リオネ ッ トが緊張 して脱 力す る感 じ 2 カチカチ とい うのを無視 して調子を とることだけに使 い,音とは全 く 別の感 じで うご く カニ 3 軽快に, リズムにのって,カチカチと 表 ③ 即興表現 の イ メー ジの比 較 (ドラム) 学習者 イ メ ー ジY,M
1 突然ガラスが割れてガラスをとり除 く作業をやっている 2岩警累桜招
1毒扁誓汗客房黙員森疑塚炉り
ひびき
,すべての大地にそ
3 何物かによって大 きな衝撃を うける。一瞬身のひき しまるような思 い示
岳
詔
募
ξ
募
ご
暮
具雪
蓉
鳥娠
祭
宅
2Fか
な
い
。
そ
のう
ち
そ
の
衝
動
が自
S,K
1 落雷 して木がメラメラ燃えた。 2 ショック 神の御前にであしそ うにぢサ る 死者の復活 闇から太陽ヘ ゼンマイが,切れてはじけて, またちぢんだM.U
1 深い眠 りか ら目覚め,音と同時にせわ しく動き出す福甕々
噴恋τ
宅
驚を
す李
?鋒夫
法添
言宅鳳年
!こ'マグ
マ
,岩石
,その
3 はりつめていたものが爆発 しくずれて しまう No Y l 響 きしず け さ 2
暫
T傷でち顕露
Cが善意摯妙馨詈単褻ばら
力をため
,それを発散する
3 乾燥 した心無
佐分利育代:即興表現 にみ られ るダンスの技能 も l Z 3 1 2 3 1 S.K M.U 即興表現 の時性 の比較 (メ トロノーム) 30 20 10 0 即興表現 の時性 の比較 (ドラム)
べ
, 2回
日での追 い込 みは,次
の波 を引 き起 こすほどの力になっていない こと,す
なわち,全
体 の 流れへ有効 にはつなが っていない ことがわかる。 また, 2回
目では追 い込みの状態の刺激 による違 いは顕著ではなかったのに対 し, 3回
目ではメ トロノームでは短時間での波の繰 り返 しであること と,
ドラムでは比較的波長が長 い ことがわか る。 この ことよ り3回
目の特徴 として,刺
激の特徴 を とらえ,全
体 とて流れ を持つひ とまとま りの表現がで きるようになった といえる。 3回目の表現時間の長 さは,ダ
イナ ミックスの変化 を持 ったひ とまとまりの動 き (フレーズ)の
長 さではないか と考 えられ る。 さらに,表
現内容 としての動 きについてみる と2回
目では運動語彙の増化がその特徴 としてあげられた。表⑨と⑩はそれぞれの表現におけるモチーフの数と運動要因の種類であるが,メ トロノー
ムの3回目で は明 らか な減 少 が み られ,
ドラムで もモ チー フの数が少 な くな って いる。 これ は,メ
トロノームにつ いて は,イ
メー ジの焦点が しば られ た ことに起 困す る ことがわか る。 ドラムで も, 音 へのイ メー ジ と同時 に動 きのイメー ジ も焦点 が明確 にな った ことに よる もの と考 え られ る。 表⑨ 即輿表現 における動きの内容の比較 (メ トロノーム) 学 習 者Y. M
S.K
M.U
N.Y
即興 表 現 1 2 3 1 2 3 1 2 1 3 モ チ ー フ 0 2 2 0 5 2 0 4 1 2 運 動 要 因 4 6 3 6 4 5 7 5 表 ⑩ 即興表現 における動 きの内容の比較 (ドラム)学 習 者
Y,M
S_K
M.U
N.Y
即 興 表 現 1 2 3 1 2 1 2 l 2 3 モ チ ー フ 0 2 2 0 3 4 0 5 2 運 動 要 因 2 5 5 3 5 4 4 5 1 5 5 以上の ことより
3回
目の即興表現における技能の発達的特徴 として次の ようにまとめ られ る。 ② イメージの焦点が絞ば られ,動
きのモチーフが明確 につかめるようになった。 ④ 各部分のダイナ ミックスの変化が とぎれることな く続 き,全
体 として流れ とまとま りの感 じを持 つフレーズ として踊れ るようになった。 ② 刺激の特徴 をとらえたダイナ ミックスの変化で表現で きるようになった。 ○ イメージが,特
にメ トロノームでは個性的になった。 2回目の表現でみ られた特徴 ある技能の変化 は,
したが って,以
上の特徴 に向t)て発達の可能性 があるといえる。7.3回
日の即興表現 にみ られる技能の リズム化 としての特徴 ランガーは,あらゆる運動 を身振 りに変 えるもの として リズムをあげ,「現実か らどのようなモチ ーフが舞踏 に入 って きて も,そ
れ らのモチーフはその入 るということ自体 で リズム化 され形式化 さ佐分利育代:即興表現 にみ られ るダンスの技能 れる」としている曳 また
,邦
正美 は,舞
踊運動 は リズム的であるところにその特徴があるとしてい る。そして,「リズムによつて運動 は不必要な分子 を除外 し,美
的に統一 されて一つの型 を得 るので ある。 リズムは運動の要素の分散 を防 ぎ,そ
の統一的結合力によって最 も効果的な表出を可能な ら しむる。……リズムの 目的 とす るところは,運
動の要素を形成することにあ る。亀 また,「リズムを つ くることは舞踊のモチーフをつ くることである。 したがって創作学習段階に入 っては リズムをつ くる実習を同時に行 うのである。亀 のようにダンスにおけるリズムの意味 を述べている。 即興表現においてイメージの焦点が絞 られた こと,動
きのモチーフが明確 になった ことは学習者 の技能が リズムに向けて発達的に変化 した ことを示す と考 えられ る。すなわ ち,モ
チーフがで きる ことは,そ
の繰 り返 しや,表
現要因の変化,他
のモチーフとの結合な どによって時間 と力の融合 と しての リズムをつ くり,ダ
イナ ミックスの変化 によって表現全体 をひ とつづ きの流れ をもつ形式 と して感 じさせ るのに役立つ。 そ して,どのような リズムをつ くり出すかについて石井漠 は,「自分の うちに流れている『 リズム』」 としている⑥が,ド ウブラーは,「リズム形式 は心的体験 を反射する通路である」と述べ,内
的 リズム と外的 リズム という言葉で表わ している見 内的 リズム とは,体
験 によってひ きお こされた情緒の リ ズムであ り,外
的 リズム とは,運
動 によって眼前化 されたイメージの もつ リズムである。 この2つ の リズムが一致するところに表現形式 としてのダンスが成立する。 また, 2つ
の リズムが一致 した,す
なわち,「思 うように動 けた」と感 じるの もまた運動 を通 して である。踊 り手は,踊
っている時,そ
の筋肉運動知覚 を通 して自分のダンスを見 ている。 そして, この筋肉運動知覚 は次の新たな感情 の リズツ、を引 き起 こす。 ランガーは,身
振 りは視覚的現象で もあ り,筋
肉的な現象で もある。舞踏家 は自分 自身の肉体感 覚で自分の仮象を知 るのであるとし,この閉 じた領域のなかで自分の理念 を発展 させるとしている見 メ トロノーム とドラムの刺激 による表現が,そ
れぞれ特徴的なダイナ ミックスのパ ター ンを持 つ て表われた こと,
ドラムの表現 において,一
打の強勢が再び起 つていること,メ
トロノームに対す るイメージがよ り個性的になった ことなど,
リズム化が学習者の内部 にまで深 まった,換
言すれば 技能 として リズムが定着 した と評価 で きる。 Ⅳ 即 興 表 現 にみ られ る技 能 の段 階3回
の即興表現 を,先の研究◎において設定 した技能の段階に照射す ると,第
1回 (学習前)は
, 「 とらえられ る」(あるいは「 それJ以前),第
2回
(学習後)は
,「変化 させ られる」,第
3回
は「 ま とめ られ る」段階であった と思われ る。そ して, 3回
目の表現の特徴 として考察 したように,技
能 が リズム化 に向けて発達 しているとするな らば,各
段階は,「 リズムを とらえられ る」「 リズムを続 けられ るJ「 リズムを変化 させ られ る」「 リズムをまとめられ る」 と言い換 えることがで きる。各即 興の表現の特徴 はしたが つて,具
体 的な技能の内容 として考えられ る。 「 リズムをとらえられ る」・ イメージを強弱の違 いとして把握 「 リズムを続 けられ る」・強弱の違 い として把握で きたイメージの持続,す
なわち運動の連続,繰
り 返 し 「 リズムを変化 させ られる」・ イメージの多様化,運
動語彙の増化,そ
れによる表現時間の延長, アクセ ン トの変化 「 リズムをまとめ られる」・イメージ と運動のモチーフの焦点 を絞 ることと明確化,流
れ を持つ全体 として形式化 学習指導 は,こ れ らの技能の内容 を学習 目標 として行われ,そ のための学習内容辞 習の手がか りとしての技玲トー選択 され る。 この ことか ら,「とらえられ る
J段
階か ら,「変化 させ られ る」段階へ,ダ
ンスの導入 としての先 の学習 (53年 度 ダンスA)に
おいて,
リズムを作 る要素である「力性」を手がか りに選 んだ ことは ある程度妥当であった と考 えられ る。 また,即
興表現の刺激 としてメ トロノーム と ドラムを用いたが,表
現内容の考察か ら音 の刺潔 に ついての次のような指導の手がか りを得た。 「 とらえられ るJ段
階では,す
ぐに動 きとして とらえられ るように,
ドラムのように印象的な も のを選んだ り,
ドラム とメ トロノームのように異 なるイメージを持 つた刺激 をで きるだけ沢山与 え るように配慮 され ることが必要である。 そ して,い
ろいろなイメージが,次
か ら次へ と沸 いて くる 次の段階へ向けては,メ
トロノームの ように継続的な刺激が有効であることがわか る。変化が全体 の流れの中での盛 り上が りとして感 じられ るための練習にはや は リドラムのように起伏 の はっきり した刺激が考 えられ る。 メ トロノームのように起伏のない音や,
ドラムの一打のあ との静か さの中に学習者が 自分の流れ を創 って踊れ るようになった時,そ
の流れ を引 き立たせ,次
の流れ を導 くように,伴
奏 として一歩 退いた音の在 り方が出現する。 「 まとめられ る」段階において技能 は作品創作への準備がで きた と考 えられ る。即興表現 にみ ら れ る技能の段階は,ス
ケ ッチか ら次第 にイメージ と動 きを確かめなが ら作品へ とい う創作 の過程 に よ く似ている。N.Yの
メ トロノームでの表現 に動 きをよ り表現的な ものに創 り変えてい く過程がみ られたように,媒
体 としての動 きの探求 も即興 を通 して行われ る。 フレーズ としての即興表現の持 つダイナ ミックな流れは,さ
らに大 きな表現形式 としての作品 を貫ぬいて現われて くる。学習の重 点 は作品の構成の探求,媒
体 としての よ り効果的な動 きの探求へ と移行する。V
お わ りに 学習指導を通 しての即興表現に現われたダンスの技能の特徴を考察するなかで,技
能が リズムに 向けて発達 しているのではないか という今後の学習指導研究への指針を得た。2回
目の即興表現で は,イ
メージの多様化,運
動語彙の増化,表
現時間の延長,
くり返 しや追い上げによる盛 り上げ, 単発的なアクセン トなど,表
現の各側面がバラバラに出てきた という感が強かったのに対 し, 3回
目では,モ
チーフの明確化,各
部分が全体 としてのひとまとまりの流れ となってい全など,各
特徴 が リズムという力 と時間の関係の中に吸収 されたように感 じられたからである。 この考察は,研
究の対象が4人
の大学生であったこと, 2つ
の刺激による即興表現を通 してのみ 行われたものであること,運
動の分析が空間性について不足 していること等客観性において限界は ある。 しかし,先
の研究報告で考察の資料 とした学習指導の実践例において,
リズムが学習内容 と して全学年を通 してとりあげられていたこと乳「舞踊はダイナ ミックイメージである」とするラン ガーが,「舞踏家の肉体 はリズムに向けて準備ができているのである」と述べq邦
正美が,「舞踊は 力 の リズ ム的 な置 換 で あ る とい う こ ともで きる⑫」として い る こ とな どか ら考 えて も,あ
る程度 の客 観 性 を期 待 して も良 いので はな いか と思 われ る。す なわ ち,「ダ ンス学習指導 は,リ ズム化 に向 けて, リズムの あ らゆ る要素 を手 がか りに進 め られ る」 とい う一方法 が考 え られ る。佐分利育代:即興表項にみ られ るダンスの技能 ダンスは