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傾斜地果樹園の開設に関する研究 VII 段丘に開設せる深耕桃園の生態学的研究 第2報 洪積台地における病害桃樹と健康桃樹の解体と体内成分の変化について-香川大学学術情報リポジトリ

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第11巻 通巻第29号(1959) 40フ

第2報 洪積台地における病害桃樹と健康桃樹の

解体と体内成分の変化について

高 馬

進, 中 山 昌 明

(茸)Studies on growth conditionand chemicalcompositions of diseased

and non−diseased peach trees on the diluvialupland

Susumu KoMA and MasaakiNAKAY

lい 研究目的 伊那市内で,天萄川をはさんで西の洪租台地(酉みのわ区大望部落)と東の洪税台地(みすゞ区末広部落)とに桃 我増が行われ,前掛よひどく穿孔病の被害をうけているのに,後者はその被害が著しく少い“穿孔病は風当りの強い 所は必ず被害をうけるといわれ,後者も谷にある台地のため風も強いのに少い.この原因を知ろうとした= 2… 研究材料とその方法 西みのわ地区では8年生大久保,白桃各1凍とみすゞ地区では7年生大久保1森と同年生白桃2本を供し,半径1 m,2m,3mの同心円を画き,外側の円から深さ30cm,60m,100mまで掘り,それぞれのブロック内に出て来 た根を大限(直径10∼∽mm),中根(3∼10m)細根(3mm以下)及び特大根(30mm以上)に区別し,よく 土を㌍凱、とりその生体重を測還したいなおみすゞ区は栽培者の都合によって9月14E王より掘り始めたので着英してい た∴因みのわ区は10月罰日より掘ったので落葉潰後であったい 次に,両区の土壌の理学的性腰を調査すべく,土壌水分金魚,仮比重,輿比嘉,孔階段及び透水速度を測定した‖ 酉みのわ区ほ10月23日,みすゞ区は11月2E付こそれぞれ長さ罰〕Ⅶ40cmの朝梢∽餌永を採収し蹟ちに全校の樹皮 を剥ぎ,根は値径○川5′叫=7mmのもの罰凍を掘り取り債ちに皮部を剥ぎ,それぞれ乾燥して粉末とした巾 これ等の乾 燥粉末を材料として第1我と同様の方法で,全窒素及び可溶性撫窒素物を定慈した.また燐の苛盈は試料1gを蒸発 ∬mことり,硝俊と過酎ヒ水素を伺いて湿式灰化しMJlybまicM3馳0且によって窯虚した(京大凝芸化学教室編, 旗芸化学実験召上巻p㌫仁牒勘1950参照)い加盟についてほ湿式灰化した試料をペックマン烙光光度計にかけて窟盈し 1こ 3り 研究結果 掘上げ解体した結果は第1血5表の通りである‖ 第1表 みすゞ区白桃(A)の地下部生育状況(健康区)(1955)

_二 __、_ ・

0一−・30cmi 5,467..5 30一一 60 F 5,478小8 304.5 0 −▼−1m 60 100 100以下 封 5,467.51 5,フ83.3 3060∞下 1掴 計 0000 361 30餌00下 .︰ 、 0ハJ=︹︶0 361 2 【3m * 信州大■学園ぷ教室

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香川大学農学部学術報薯 408 大 罰 l5,467=5‡5,783..3 f 7,480い6l4,901い3l2,705,0 才 26,ご3ご377 第2黄 みすゞ区白桃(B)の地下部生育状況(健康区)(‘1955′) 大 討 i4,230,.0‘5,051.3i9,618‖9 − 5,665∫.3I2,336いOl 26,901い5 第3襲みすゞ区大久保の地下部生育状況(健康区)(’ユ955) 水平的分布l垂通約分布

根 幹l特大棍l大 根l中 根l細 根】合 討

大 計 】4,953.8】6,975い1llO,115“9l4,961・2‡1,816一・3

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爵11巻 通巻第29号(1959) 409 第4襲 西みのわ区白桃の地■下部生育状況(病害区∵)(1955) 水平的分・布【垂直的分布 撮 幹 L 特大棍】大 根l中 根l細 限l合 欝 大 尉 10,192,5 L 5,831小31 6,9フ5.8 と 3,421.7 t l,392.4】 27,813.7 第5表 酉み.のわ区大久保桃の地下部生育状況(病害区)(1955) 根 幹 F 特大棍l大 根l中 浜†細 択 一 合 討 水平的分布l垂通約分・裾 大 賢f 9,847,5116,460.0115,696“Ol 7,020.511,999,21 51,023い2 弟1−・・【5表を通覧すると,健康区の水平的分布は白桃,大久保桃共3m以上に伸長しているが,病害区は狭い一.垂 垣的分布でも白桃の健康区は100cm以下に伸長Lた棍が根幹を中心として半径2mの広い範囲まであるが,病害区で は半径1、mの範囲に限られている小然るに.大久保桃では僅かであるが病害区も没く広いり これほ樹体が著しく大きか ったためと思われる∩すなわち,供試樹が何れも26▲28kgであるのに,病害区の大久保桃は約5比gもあったい 棍群の除塵休養に対する棍の大/J\別霞盈割合を見ると,両品種共細棋,中根,大根は何れも健康区が病害区より大 きいが,根幹,特大棍は逆に病害区が健康区より大きい.特に囁害区の細棍は健靡区の一色位である.

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香川大学農学部学術邸宅 410 第6表 病害樹と健康樹の棍の大小別発育割合(1955) (各穐棍の総意儲宰属する比率)

健 病 別 l細+撮】中 根【大 根l特大棍】根 幹

(工) ㈲ 区 ゞ サノ み A B均保

平久

白〝上大

l、L 西みのわ(病) 白 桃 大 久 保 (Ⅱ) 次に撮群の水平的並びに垂直的分布を絶露畳に対する%で比較すると観て衷の通りである“すなわち,みすゞ区 (健康樹)ほ西みのわ区(病害問)より況闇まで棍の分布があり,病害樹より一敗に深敵性の膵向がある・また水平 第7表のA 根群の水平的並びに垂直的分布(%)(白桃) ■■▼一▲川 内西高石右区白桃て商う [二二二二千二二重⊂二を垣垂巨亘二塵 ▼ わ丁哀す盲区百跳A(健 \、、水平

、\ 垂頂\\

3m 以上 合可0−−−1m卜叫2▼3ml3竃上 合討【0【−1叫1 6 月 . 8 6 ︼ 4 3 0 0 へ∠ 1 8 2 9 5 0 ﹁⊥ l 9 5. 5 つ山 0−30く:m 30¶−60 60−100 100以下 計 12:3L O,06 78−26】14・42 14・“3

。..云l。;去

第7表のB 横:群の水平的並びに垂漬約分布(%)(大久保桃) 看守盲房元久保(庭う 両函殉云天気画両家「

}一

3m以上 倉 罰 5427 37.81 4∫91 3…01 100.0 合 封 3m以上

軋16r 7…87L l、96

69,93 21.11 8.5:3 0り43 1000 0 山一 30cm 30 −【・60 60−一100 100以下 語手 31叫 418=3 4・96芦 0」26 約分布を見ても,大久保桃は余り大差ないが,白桃では広い範囲に椙群が分布していることが認められる・、すなわち 健康区の白桃の0−1mの分布が何れも約78%,82%に対し,病害区は約91%を示している・ 次に碍の大小と垂頂約分布とのl謁係は第8表A,Bの通りである 第8表(A)根の大小と垂碑的分布との関係(%)(白桃) _......__し■_:て 西友のあ区 M)みすゞ

こ盃惑

cm Cm! cm† 合討≦0訂130葛篭60一芸 Cm lOOcml 合討 36‖65 20。.95 25け08 12い30 5い01 ? 100【以 下 36,65 1フ.89 12‖25 4.41

1.89 73“09

20い76 21.96 28.40 2 8 5 ﹁ノ 4 6 ︻hJ 6 9 1 1 1 2,30 −・ −−・18.78 3 01 8.23 2 92 1566 15フ8 :二 1228:3∴7〕. 7け16と8・30 18‖61 4.96 11 32フ 25。01 0け08102フ284

0.26100.O59.65

7・10403【100・0

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第11巻 通巻第29号(1959■) 幾8表(B) 棍の大小と垂陪酢分布との隊係%(大久保桃) 41ユ 川 み す ゞ 区 (ロ)西 み の わ 区 100cm 以 下 合 討

幹横根横根

根特大中和

17.19 24.20 35.10 ユ7.21 6.30 1プ“19

20.75 3.45

1、56 5い55

1n41

8…52 24り07 5‖32 2,59 6992 9:8 6 06 2 22 2111 討 0.44】 100.0 大,中,和棍ほ1m以下の深層まで達していること.ほ健康区(みすゞ)も病害区(西みのね)も置様であるが,60 ∼1CCcrnの深さにおける[Ⅰ択町配合が健康区の方が病篭区より高い.病賛区の押限か健康区に比較して相当深層まで 分布していることは奇異の感を深くする 梓の大小と水平的分布との関係を見ると,第9表A及びBの通りである¶ 第9表(A) 撮の大小と水平的分布と.の関係%(白桃) H)みすゞ区(A) (ロ)みすゞ区(B) H 西みのわ区(病害) 0一1mト2mト3m13笈上

竺L生麺圭

0−1m卜叫2叫3笈上

≡≡・…;き二 根 幹 特大棋 大 根 中 根 薄田 棍 討 0一ノ1フ On12 029 2.83 2.74 1い74 7.31 21.061臥.60 第9表(B) 棍の大小と水平朗分禰■との関係%(大久保桃) 川 み す ゞ 区 (ロ)西 み の わ 区(病害) 3m以上 合 酎 根 幹 特 大 棍 大 根 中 根 細 棍 討 19.30 32.26 30い76 1ご3.76 3 92 100‖0 8.1二 415 14ミ ﹂ 46 49 56 51 0 つム 0 3 一54 06 36 96 0 3 1 4 一︻ 16 10 26 0 0 0 仙 25 03 28 0 0 0 100.0 82・45篭 1376 白桃でほ.半径1m以内に,健康区ほ約80%前後であるのに対し,病害区は約90%の棍群が分布して−いるが,■大久保 桃では余り差が認められないけ ユ∵−・2m圏内にはみすゞ区の白桃で約ユ4.4%及び12.9%であるのに,西みのわ区では 約7い3%である.大久促桃ではみすゞ区は12.9%に対し西みのわ区13いフ%で辿である.2−:3m圏内でほみすゞ区の 白桃は約7.0及び3∴7%に対し西みのわ区1.4%で少いし,・大久保桃ではみすゞ区4L96%であるのに.対し酉みのわ区約 3。5%で病害区の男が分布が狭い傾向が見える‖ 鞄上部の生育状況を測定した結果は第10衷の通りである.

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香川大学農学部学術覇賃1声 412 第10表 地上部の生育状況(1955) 大 久 保 桃 白 桃 測 定 事 項 み す ゞ 区l因みのわ区 みすゞ(■A)区 − みすゞ(B)区】西みのわ区 9月中,下旬 − 10月下旬 月 日 I9月中,下旬l9月申,下旬llO月下旬

9,547.5g

2,9700 10,1476 22,339‖3 8,643‖8 53,648。2 英 霊 1 年 生 枝 2年生枝以上 主 枝 主 幹 合 計 11,835.0 3,753.8 14,913.8 19,フ47。.5 12,037∫.5 62,287、6 9,948.8 3,397。.5 10,792.6 7,321…3 9,768,.8 41,229.、0 6,967.5 48,892い5 25,353.8 10,425。.0 91,638.8 4,653、8 26,19フ.5 24,078.8 7,965‖0 62,895‖1 1年生枝及び2年生以上の枝の鼠塵ほ病害区の力が却って両品種共貰いが,卓枝になるとその差ほ縮まっている・ 卓幹は白桃では健康樹が病害樹より毒ヽ、が,大久保桃は儒病蜃樹のカが震い.酉みのわ区の大久保桃の地上部全霞が みすゞ区のそれに較べて略2倍に近い露盈であることも関係があるだろう小 次に.,病害樹と健康樹のT/R率と禍根並びに中根の全根塞に対する比率を求めた結果ほ第11表の通りである“ 第11表T/R率と潤板並びに中根の全根憲に対する比率 r紺棍重用2巨膵露′Rl 中根霞/R2

健病の別I T/Rl】 T佃2 1紬棍霞/Rl

注 T,地下都合露,Rl,撮幹を含む地下部会盈,R2,根幹を除く地下部全露 地上部の限群に対する比率(T/R)は限幹を含めても含めなくても,白桃ではみすゞ区の方が西みのわ区より小さ い..殊に根幹を除くと.さらにその差が著しい‖大久保桃では逆に西みのわ区の力が小さい … しかるに細撮看及び中根 露の金紋嘉に対する比率ほ根幹を全毒けこ含めても含めなくてもみすゞ区(健額区.)の力が相当高い・ このような地下部の発育と関係深い両地区の土壌の理学的性質を調べた結果を京すと第12表の通りである・・ 第12表 土旗の理学的性質(1955) 土壌水分舎監は地表に近い折でほ,西みのわ区がやゝ高いが,深くなると逆に・みすゞ区が高い」・買比翼,仮比翼は 土壌水分含盈とやゝ反対で地下浅い肝ではみすゞ区が高く,深い所では西みのわ区の力が高い1孔隙率は掛、20cm の折で西みのわ区が高く,50cm,1m,2mと掛、折ではみすゞ区が高い∴透水速度もみすゞ区の力が概して早い 準水係数を判定した供試士の一部を用いて測定した土壌飽和水召分率は一版にみすゞ区が掛、・以上のようにみすゞ

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413 第11巻 通巻第29号(1959) 区ほ一腰に土壌闇蝕が多く,孔際率が大で,透水速度も早いので,根群の発育ほ囲みのわ区より良好な状態にあるこ とを京している,. 次にこれ等両地区の桃の新梢と/棍の皮部のみを材料と.して可憐性塵窒素物,窒素,隣及び加里の合盈を調べた結果 ほ第13表の通りである.. みすゞ区と西みのわ区の新梢の全 淡水化物,全窒素,及び麟ほ両晶穏 共西みのわ区(病害区)が少いが, 加塵でほ白桃がやゝ逆の傾向を示し 明らかでない.限部でほ新梢と反対 で,全炭水化物及び全窒素ほ病害区 の乃が多く,隣及び加旦は病害区の 力が少い巾従って,憐は地上部,地 下部共に病害区の男が健傭胆より少 い. 4、研究考察 同じような洪積台地の火山灰土盛 で天竜川の西側(酉みのわ)と.東側 第13表 西みのわ区(病害区)とみすゞ区(健康区)の桃 (白桃,大久保)の新柄及び限の体内成分の比較(1955) 蒜晶猿】全窒素l燐(P)ト加里(Ⅸ) ・−: み i のわ区 す ゞ区 択 大久保讐等慧芸 (みすゞ)の台地では,前者ほ穿孔病が多発するのに後者ほ殆ど発生していない・・たまたま発生するのを見ると,成 木近くなってから移植したもので,未だ移植後の日数が経過していない木である」・ このような病害の多発する断と然らざる折の桃の成木を解体して根都と・地上部の状態を比較して見た… 両地区の土盛ほ肉眼で見た所,みすゞ地区の表土ほ発色がかった火山灰性の黒ぼく地帯で,心土ほ赤味を’おぴた旗 質粘土で排水良好である∴教職衆ほ水の欠乏を感じたことがないと述べているい酉みのわ地区の表土は黒味がかった 火山灰性の黒ぼく地帯であるが,心土は赤味をおびた黄色の粘贋土で,スコップにべたべたと土が附漬して作業に困 難を感ずるような排水不良鞄である.参考までに土木教室でAりSK射こ・より機械分析をした結果を示すと第14表の通 りである、 病害の多い西みのわ地区の士族表層は心土に比し礫は 少いが有機質が多い紺砂,用妙及び倣砂共に表土に多 く,心土より排水良好を示し,粘土も表土に少く心土に 舶著に多いことを示している.すなわち,表土は排水よ いが心土の排水が不良である。 今回みすゞと西みのわの土壌の理学的性質を調べたの によると,箆比翼も仮比翼も50cユn以下の深さではみサ ゞの土壌が少く従って隔絶質も多いし土盛の含水量も50 cm以下はみすゞの乃がやゝ多いい 孔際畳も50cm以下で はみすゞの力が多いので,土壌飽和水%も高い..孔際畳 も多く,透水速度も早いので,みすゞの土盛の方が西み のわのそれより遠かに理学的性質は良好である. このような土壌にぉける棍群の発育は当然差異がなけ ればならないと思われる‖各碗の大きさの棍の総最盛に 対する割合を比較して見ると,みすゞ区の白桃及び大久 保桃の柑,申及び大根は西みのわ区のそれより大きいが, 中でも用掛ま2倍に近い.これに反してみすゞ区の白桃 第14東 西みのわ地怪(信大農場)の 土盛の物理的性質(1955) 赤色の土壌 一 兼色の土壌 (注)(供)は供試土壌の100分率 (細)は礫を除いたものの100分率 及び大久保桃の特大棍や,根幹の割合は逆に・西みのわ区のそれより小さいすなわち・病害の多発する樹の根群は健 康な樹に較べて能登吸収と余り関係の少い根幹,特大棍等の割合が大きいが・吸収と関係の深い中根・細根等の割合 が少いようである

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香川大学農学部学術報償 414 従って,これ等栄養吸収に最も深い関係のある根の水平的並びに垂潰約分布も少いことが推察される.白桃の幹を 小心として半径2m及び3mの同心円内にある釈群の亀はみすゞ区ほ約フ.0%及び3いブ%であるのに.対し,西みのわ区 ほ1.4%で甚だ少いし,半径3mの外に伸長した棍群はみすゞ区ほ約03%及び0小8%であるのに対し,西みのわ区 は0..15%で少い.また大久保桃では2mと3mの同心円内の根群ほみすゞ区で約4,9%であるのに対し,西みのわ区 でほ3‖5%でやはり病害区が少いが,半径3m以上に伸びた根ほ両地区略同様であるい このように.病害区の桃の板群 ほ健康区に較べて遠くまで伸びている棍が少い.. 幹に近い節すなわち,半径1m以内の折で100cm以下に中根,紺限の分布が病害多発樹の力に多い傾向があるの は,新柏の発育が旺盛で徒長的な軟弱な新梢を多発すること.が想像され,病害発生も多くなるだろうことが感知され る.水平的分布の拡大ほ垂直的分布の拡大よりも病害発生に抵抗的影響を与えることも想像される..100cm以下深く 侵入する限ほ大,り‡,細放であり,3m以上水平分布をなす根は申,和棍である.木村捲土(1952)ほ静岡県志太郡の水 田地帯にある病害多発の長十郎梨と健康樹とを掘り起して解体した結果,0−30cmの深さの祈に柄害樹の棍群は約 100%弱存在し,健康樹は94%弱であり,水平的分布でも病害樹は1m以内に恭勺98%が存在しているのに健康樹では 79%強であり,病害樹の根群の分布範囲ほ著しく狭小であること.を認めているい 同氏ほ病害欄の細根の%が低いこと を指摘しているが,桃の場合も同様である… 同氏ほまた細限は大根及び中根に比して−,深層まで達していると用量貸し ているが,桃の場合ほ中根が比較的多く深層に達している上に,病害樹のカが健康樹より100cm以下の深い祈に大 根,中棍及び紺扱が多くあったことほ奇異の感を浮くした。.これは従来の盃状形仕立てに見られない所で,関心自然 形仕立でで深耕な行っているためだと考え.る.. 木村博士ほまたT/Rの低いこと.から病害樹は健康樹に較べて地上部の発育の割合が不良であると述べているが,今 回の場合白桃でほ病害樹の方が高いが,大久保桃では殆ど変化がないい 今まで述べた棍群の状態の中で病害樹たらしめる最も大きな原因と思われるものは全棍群に対し吸収その他に役立 つ中根,開棍の割合が健康樹に比して低いことである… この点について西村,岸東南民(1946)も廿世紀梨で柚圏病 発生樹の根群の内,細棍の割合が低いことを認めているし,松本氏等(1946)も革具の縮果病発生樹は紺棍が少いこ とを指摘している…木村民ほ地上部の病状を呈する主原因ほその猥群が発育期に急激な障害を受けることに起因する と解釈しているい 聾者等ほ今回これ等桃の地上部と地下部を分析して,桃の病害樹の新梢ほ健康樹に比較して全炭水化物の舎監ほ少 いが,棍部にほ逆に多いい これは病害樹の落葉が健康樹のそれより早いため貯蔵養分が早く地下に貯疎されたためと 考えられるい全窒素においても全炭水化物と阿様な関係が認められるが,燐ほ新梢においても棍部においても病害樹 ほ健康樹よりその含藍が低い..加重もやゝその慣向が認められるが憐程に明らかでない.田中彰一博士によると,ア メリカにおいて隣竣の施肥盈の少い場合に病害が多発するとい われているが,他の成分と異り燐埜が地上部にも地下 部にも明らかに少いことほ興味のあることである−さらに」これらの結果を導いた遠因ほ土壌の理学的性質の良否であ る. 5..摘 要 (i)穿孔病の多発する地域(伊那市西みのわ区)と然らざる職域(伊那市みすゞ区)の跳樹の解体を実施した… (ii)病害樹ほ健囁樹に此して根群全盛に対する中根,大根,及び維猥の割合が低かったが,中でも細棍の割合が 顕著に低かった. (iii)水平的に遠くへ拡る根の割合が病害樹は健康樹より少い. (iv′)100cm以下に侵入する大,中,細根の割合が白桃では健康固より病害樹の力が高いが,大久保桃では逆である. (Ⅴ)病害樹の全炭水化物及び全窒素は健康樹に較べて新梢に少く,根祁に多いが,燐酸ほ新柏にも棍部にも病害 樹の男が少い. (vi)病害多発の土壌の理学的性質は健康樹の土嚢に此して不良である. 6.参考文献 (i)深見与七;果樹園の土壌肥料問題 農業及園芸 報告,3(ユ936). 24t−−4,8(1949). (iii)菊池秋雄;井口透;生体憲及化学的成分を主体とせ (ii)藤村次郎;果樹根菜の文献的研究,三憲高農学術 る果樹のT/R率について,園芸学研究集録,l(19:34)…

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第1ユ巻 通巻第29琴(1959) (iv)松本貢賀督,鳥潤博高,ニ井内滞之;桶果病平果の 根群及び土壌環卿こ関する調査第一一朝 園芸学研究 壌録 3,(1946). (Ⅴ)申利三七郎;渦背黒桝の棍群の滴割に関する研究 園芸学会誌 6(2),(1935).. 415 (vi)西村周一・,岸元勇元;梨廿牡紀の柚圏果発生に関 する試験(予報)園芸学研究集録 3,(1946). (vii)野呂賛己次郎;桃“小林水蜜”の冬季覇莞が限群 に及ぼす影響について 農業及腐芸 6(7),(1931).

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