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Macbethにおける“Sleep”のイメジャリについて

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Academic year: 2021

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(1)

則肋

cb9れ

における“

Sleep"の

イメジャリについて

英文学教室 岡

OKAA/rURA,Toshiaki:``ぎ

膨ψ''二脇αどιり ぢη ″ αι♭ιιカ

J.D.Wilsonに

よ るとエ リザベス朝 の ソネ ッ ト作家 は t〔

Sleep''のテーマ につ いて好んで歌 っ

ていた(つ

実 際

Sir Philip Sidney

の ソネ ッ ト

(И∫″ψカケJ'2〃 ∫ι¢ど協

XXXIX), Edmund

Spenser

の 巧Lι ttψルα″滋∫G♂′θη″″

(Cant0 9,Stanza 40), Samuel Danielの

ソネ ッ ト(

駒2ηtt J9 D¢ど

',XIV)な

どがそ うで ある。 また

SeneCaの

rFarθク膨∫励 修が

(11.1065-7)ゃ

Ovid

の Mガα御 ゆちο∫夕∫

(XI,11,723-6)ま

ChauCerの

ざ?クル'∫ 乃 ル(1・

347)な

ど 過 去 の作家 も 〔tsleep''の テーマ に関心を示 していた。 このよ うに当時 と して有名なテーマを

Shakespeareは

彼 の戯曲

,詩

,ソ

ネ ッ トで展開 させ

,発

展 させて い る。特 に 力防う¢r/2においては

Shakespeare

独 自の発展 の傾 向が顕著 にあ らわれてい る。 うイα力房力 における 憔Sleep''のテーマ

,そ

の イメジャ リについては

,A,C.Bradleyは

じめ J.

D.Wilson,M.Murray,W,Clemen,R.A.Fokes,C.Spurgeonな

ど多 くの著名な批評 家が指摘 して きた。 しか しそれを精密 に研究 した人 は私 の知 るか ざ りではいない。 この劇 に しめる R〔 sleep''の イメジャ リの重要性を考 える とこの ことはむ しろ不恩議 な感 じさえす るので ある。 そ こで私 な りの試論を述 べ るのも意義があることだ と思 う。

まず くくSleep''のイ メジ ャ リの定 義を考 えよ う。 イ メジ ャ リの定 義は

CarOline Spurgeonが

考 えてい るよ りも っと広 く

,S,L.Bethellの

よ うに「 比愉的 に用 い られ ると

,

直接 的 に用 い ら れ るとを間わず

,

明確 な事物 を指 示す る語 も しくは句 」(ρ

)と

考 え る。そ して くくSleep''のイ メジ

ャ リといえば,〔〔Sleep'',〔tsleepless'',(treSt'',く く

drOWSy'',ttdream''な

ども合 めて考 えるべ き で ある。それで 〔ミSleep''のイ メジ ャ リと言 う場合 には

,上

の概念

,比

崎を合 んだ ものをひ っ くる め るときと

,後

で分類す るよ うに下位 区分 された「 不眠」に対立す るイメイジの 場 合 の 二通 りあ る。 まぎらわ しいので前者 を くRSleep'', 後者 を「 ねむ り」 とい ってお こう。 あ とで この イ メジャ リの個数を計算 してい るが

,そ

の場合 には一つの完全 なセ ンテ ンスのなかに多 くそのイメイジが使 われていて も一個 と数 えている。 はsleep''の イメジ ャ リは次の三点か ら考察 され るべ きで あろ う。

1.個

々の作品に使われているその イメイジの数 について

2.そ

の イメイジの意味上 の分類 と

,そ

の意味の広が り

,深

さにつ いて。同時 に全場人物 との 関連 について。

5,作

品全体 にそれぞれ の イメイジが しめる役割お よび機能 について。 以上 の観点か ら考察すれば

,

ある作 品における RRSleep''の イメジ ャ リを全体的に位置づける こ とがで きると思 う。 もちろん二点の うちどち らか一点が他 の劇 よ りとびぬ けているか らとい って, その イメジ ャ リが必 らず しも

,効

果 的 に使 われているのではな く

,三

点 の相'関的な ものを考慮 しな ければな らないで あろ う。 明 俊 村

(2)

岡村俊明

:"助

う′励 における “Sleep"の イメジ ヤリについて で は悲劇全般 にわた って,【RSleep''のイメジャ リの意味上 の分類を したい。悲劇 の 〔〔

Sleep"の

す べて の イ メジャ リを カー ドに転 記 してい る と

,そ

れぞれの作 品で はい くらか個性 も違 うことに気 がつい た。それを分類す る と

,そ

の特色が明確 にな ると思 ったので試 みた。 t〔sleep''の イメジャ リの意 味上 の分類 (主要 な もののみ)

r(1)平

,安

心 92 I ねむ り 工 不 眠 Ⅲ その他

Free fro14 feaSts and banquets

to our nights

Of bloody knives。 (Mαθう♂肪)

(2)生

命 を養 な うもの

You lack the season of an natures, sleep.(a匁 ″ぅιJ/B)

13)死

Shake off this downy sleep, death's counterfeit。 (Maθう♂滋)

(4)時

間 を浪 費 す る こ と (idling away)

What is a man,

If his good and market of his tiine

Be but to sleep and feedP a beast, no more.(Frrη ルサ)

表面上 の意

,深

層 の意 な し

その他 (上記 には分類 されない多様 な意)

IGivetoourt」

ieゴ

醜葦

,電

ep

disturbed sleep

ln this slumbery agitation, other actual performances,

heard her say?(Ma♂

う¢肪)

表面 上 の意

,深

層 の 意 な し 団 ⑪ m     □ 9 硼 硼 側

besides her 、

valking and

what, at any tiine, have you

その他

Wake, rise

の環曇 夢 (第

7番

目以外 の)

甘美な もの

Enioy the hOney‐heavy de、 v of slumber。 (pヵι応6αι∫,″)

0

卑 わいな意

tひ 病 気

9

その他

以上 の ことに留意 しなが ら

,Shakespeareの

悲劇全般 にわた って ご く粗雑 にた どってみ る。 ■ο紹♂οα2″ ″ 励サか ら始 め よ う。 ここには ばSleep''のイメイジが:27個 ある。 比較 的 多 い といえ

る。そのttdOttinant image''は

Spurgeon女

史が指摘 してい るよ うに

(3), light(sun,mOOn,

stars,fire,lightning)で

ぁる。 夜 な どの場合 には

,

光 を光 た らしめて い るものは

,

暗黒 で あ

,そ

れ と ば

Sleep"は

関連 が あるので は

dOminant image''の

末端 をな してい る とい えよ う。

ここで は「 夢」に分類 される くRSleep''の イメイジが多いのが特色 で ある。次の例を考 えよ う。

Rοη. O blessed, blessed nightI I aHl afeared,

Being in night, all this is but a dreanl,

(3)

鳥取大学教育学部研究報告 人文 。社会科学 第21巻 第 1号

彼 らの恋が現実ばなれ していて

,夢

のよ うで あること

,結

ばれた と思 った ら消えて しま うとい う意 味 を もってい る。

(〔

sleept'と「 死 」 の連結が この劇 に見 られ る。死 ん だよ うにねむ った

Julietが

ぉ き

,ROmeo

が それを間違 えて 自ら死 んで しま うこと。 t(like death'',くtthe fOrm of deathi'と 直 崎でつな がれている。後期 にな ると,R〔Sleep''と 〔〔death''は 連 想 され るが

,

like"と

か (〔

form''は

と れて しま う。

tくsleep''の

イメイジは個性的でな く

,

また新鮮 な ものは感 じられない。 次 に見 る通 りで あ る。

, Feather of lead, bright smoke, cold fire, sick healthi

Still―waking sleep, that is not what it isI(1,1・185-6)

これは矛盾語 をな らべて ある事を説明す るとい うエ リザベス朝 の伝統 にのっとっ た も の にす ぎな ぃ(5)。 とにか く個性化 された イメイジは殆 ん どない といえる。 デク′づお 碗否″ に移 ろ う。 これには

leading image''は

なぃ とい ってよい。 イメイジに関 して は 散漫 としかいいよ うがない。 ('Sleep''の イメ ジ ャ リが29個 あるが 「 表面上 の意 味 」に しか分類 さ れ えないのが11個 もある ことか らもわか るで あ ろ う。個性的に使 われていない ことを示 す といえよ う。意味分布 は Rο翻♂οα″′/PZチカιょ り広 い。「 時間の浪費」の意味でのイメイジが使われている例 がは じめてみ られ る。 ここでの奏は ■οttω α″″″J″けと違 って悪夢のそれで ある。不眠 の大 きな特 色 といえよ う。R財胸 αη″デガルιに1個しかなか った不眠の イメー ジが多 くでてきている。それ は殆 ん ど

BrutuS一

人 に限 られてお り

,Caesar暗

殺 の直前 と

,罪

になやむ後半

(4幕

)に

でて くるも

ので ある。眠 られない

Brutusの

か たわ らで

Luciusが

熟睡 してお り

,そ

れは

BrutuSを

羨望 の 気 持でみ た してお る。 この「 不眠 」は ′豚

,"励

にもでて くるが

,こ

こではまだ表 面 的で ある とい えよ う。 後期 の悲劇 にあるよ うに

,あ

る作品の後半 にな るにつれて

,ま

す ます (ミSleep''の イメ ジ ャ リが人間 の深層 にはい り

,個

性化 され

,場

合 によ って は ltSleep''そ のものが人格化 され

,

その 人 に対決す るとい った ものではない。ここで は

BrutuSの

意識 につれて進行 して くる もの は な い といえよ う。はSleep''のイ メジ ャ リは第

2幕

と第

4幕

に集中 して

,

その他 は大 々一つで あ るの も 興 味ぶかい。 で は Fr激 励 に移 ろう。R(Sleep''の イメ イジの数は21個 ある。

SpurgeOn女

史 が指摘 して い るよ うに(6)ttdOminant iniage''は病気 の イメ イジで ある。 しか しここには 〔〔Sleep''と はsickness'' の結 びつ きは

,

ばSleep''の総数24個 の うち1個で ある。特徴的なものは Ц

death"の

イメ イ ジ (

5個

),「

時間 の空費 」「 不眠」のイメイジで あろう。特 に「 時間の空費」 の意味は 河

"ル

ιの テ ーマ と密接な関係がある といえよ う。

What is a man,

If his chief good and market of his tilne

Be but to sleep and feadP a beast no more (4. 4. 38-35)

他 に

5個

あ るが上例 ほ ど明確 に く'Sleep''を 「 時間の空費」の意で とらえた ものは

ShakeSpeare

悲劇 にはないのではないか。 この劇 のテーマで ある

Hamletの

復警 の遅延

,

および不活動 とい っ た ことと関連づ けると面 白い。次は「 死 」の意味 との関連を見 よ う。 この結 びつ きは

,■

ο紹¢ο,ηプ

(4)

岡村俊明 :″防うι崩 における “SIeep"の イメジ ヤリについて

このテーマは

ShakeSpeareが

非 常に関心を もっていた もの と思われ る。 ここで は ■開♂οαη〃コルチ の よ うに後か ら附加 された感 じの

,又

ぎこちない印象を与え る は

fOrm"と

か 〔〔like''な どによ っ て結ばれているのではな く

,TO dieitO sleepと

ィ コールの関係で結 ばれている。 しか も何度 も 繰 返す ことに よ って

,そ

の効果を強めている といえよ う。それはあの有名 な独 自t〔

TO be or not

to be"に

み られ るところで ある (〔 RSleep of death'り 。 しか も表面 的にではな く

,こ

の イメイ ジ1ま

Hamletの

心 の深層 にはい って きているといえよ う。 彼の全存在を もって問いか けたのだ。 ま さ しく彼 に とって

,生

か死の問題であろ う。 そ【sleep''の イ メジャ リは劇全体 に一様 に散存 している。 しか し意 味分布 は少数 の項 目に しかわ た っていな く

,「

時間 の浪費 」や「 死」な どの意味 に集 中的に使 われている。個性的で ある といえ る。前半 と後半では イメジャ リが違 うし

,発

展 が ある といえ る。

Hamletは

後 半になるにつれて精 神 的 に成長 し

,彼

の意識 も発展 す るが

,そ

れ と関連が あるといえよ う。 で は

0ル

′′ο に進 も う。 や`Sleep''の イメジ ャ リの数 は45個 ある。 非 常 に少 ない。

tdominant

image''は

animal image''で

ぁ るが

,

それか らへだ た っていることが一番大 きい原因で あろ う。 また悲劇 において 〔〔Sleep''のイ メジ ャ リを使 う人間は

,Brutusゃ

Hamlctの

よ うに疑念を いだ くが

,す

ぐ行動 に移せ な くて迷 っているノ、間か

,あ

るいは

Macbethの

よ うに行動 のあ とで も 倫理 的葛藤 に苦 しんで いる人 間 に多 く

,Othel10の

よ うにす ぐ行動 に移 す人間 には少 ないのが普通 で ある。特徴的な不眠 の イメィジは

,

嫉妬 に狂 いは じめた

Othelloを

さ して

IagOが

言 うとき使 われ る。

Not poppy, nor mandragora,

Nor all the drowsy syrups Of the lvorld,

Shall ever medicine thee to that sweet sleep Which thou o、vdst yesterday。 (3. 3. 331-34)

実 に個性 的 に使 われ る。 では 翔防♭励 に移 ろう。tく Sleep''の イメジャ リは52個 もある。 その数 は

ShakeSpeare全

作品 の うちで も圧 倒的多数 といえる。意味上 の分類は次の通 りで ある (本文86ペ ー ジの分類 を参照)。 この表か らもわかる通 り分布は広い。「 ねむ り」のイメイジが52個

,「

不眠」のイメイジが16個, その他が

4個

ある。 しか し我 々の印象 としては

栃♭励 では「 不眠」 のイメイジが「 ねむ り」 よりも多いとい うことではなかろうか。これをもっと緻密に分析 してみたい。例えば

Macbethと

Lady Macbethと

の次に会話に注 目しよう。

と,妙 うr. You lack the season of ali natures, sleep.

(5)

鳥取大学教育学部研究報告 人文・ 社会科学 第21巻 第 1号 これ には「 ねむ り」に分類 され るイメイジが

2個

あるが

,そ

うい うねむ りをニノ、が もちたい とい う 願望を あ らわすが もっていないのが現状 で あ るので

,こ

れ は不眠を示 す ものにな る。そんな仕方で 再分類す ると

,「

ねむ り

Jは

19個

,「

不眠 」は52個

,そ

の他 は1個にな る。即 ち

,表

面上 は「 ねむ り」の意味に分類 されて も

,「

不眠 」の イ メイジを示 してい るものが圧 倒 的 に多い とい うことで あ る。 これは「 ねむ り」の特質 を敷延 す ることによって

,い

や敷延 すればす るほど

,そ

の反対 の意味 の「 不眠」を示 す とい うことにな っている。

Shakespeareは

他 の劇で は不眠 になやむ人 の側 に熟 睡 してい る人を対比 させ

,

その不眠を強めるとい うテクニ ックを使 っている。 しか し Z♂ あ′崩 で は このよ うな例はない。 あるもの と他 のもの との外面的 な比較ではな く

,あ

るもののなかにそれ と 対立 す る意 味を 内包 して いる。不眠 の イメイジが この劇全体 にまんえん し (不眠 になやむ人 は三ノ、 もい るが

),ま

だ イメイジ自体 も深化 し

,ま

た登場人物 の意識のなか に食 い こんで きていると考 え られ よ う。大 きな特色 とい うべ きで あろ う。他 に「 ねむ り」のなかの第

6番

目の「 その他 」 に分類 され るのが11個 もある こと (事実上分類で きないほど多様 な意味を もっているが

),「

ねむ り」の イ メイジのなかで第

5番

目の「 死」 に分類 され るのが

9個

もあること。 以上 が ν防う♂力 における く〔sleep''の イ メジ ャ リの特色で ある。 で はまず「 不眠 」の イメイ ジを 中心 に論を進 めよ う。劇 の頭初 に「 不眠 」は二人 の魔 女によって 予言 され る。それは劇 全体 に暗示 され る。

Macbethは

その予言を聞 き

,ま

Lady Macbethの

教 唆 によって

Duncan王

を殺 して しま う。 それ は工を頂点 としてな りた っている ヒェラルキーを

こわす ことで あった。その中で のみ約束 されている平和なねむ りを こわす ことにもなる。それでは

Duncan殺

害前 には

,即

ち秩序 の世界では 《

Sleep"は

どうい う意味を もっていたのか。それは「 罪 のない」「 心配事のもつれ糸をなお して くれ る」「 生を養 な う」いわゆ る祝福 されたねむ りで あ った。 これを

Duncan殺

害 と同時 に

Macbethは

殺 して しま う。「 ねむ り」を殺 した

Macbeth

には人生観 も変わ って くる。彼は良心 の可責 のため眠 られない。工冠を奪 う大 きな 目的で あ った心 の満足 は今は得 られない。

Duncan工

殺害直後

Macbethは

大勢 の人 を欺 くた めに次 の よ うに言 うが

,

これは皮 肉にも彼 のノ、生を暗示す ることにな った。

Had l but died an hour before this chance,

I had liv'd a blessed tilne, for, frO■ l this tilne instant,

There's nothing seriOus in mortality;

All is but toys: reno、vn and grace is dead,

The、

vine of life is drawn, and the mere lees ls left this vault to brag of.(2. 3, 98-103)

彼 は次 々と犯行 をか さねてゆ く。次 の

Macbeth夫

妻 の会話 に注 目 しよ う。

ゅ うr.You lack the season of all natures, sleep.

Ma♂うj/Jo Come,、ve'1l to sleep. ly strange and self‐

abuse

ls the initiate fear that wants hard use:

We are yet but young in deed。

(3. 4. 141-4)

Macbethは

寝ようというわけだが

,

皮肉にもこれ以後

tRSleeゎ''の

イメジャリを口にしな くな

る。イメジャリの大きな転回点というべきである。

(6)

岡村俊明

:"助

力肪 における ``SleeP''の イメジ ヤリについて

1ま

,そ

の原 因が ま さに悪事を しようとす る

,あ

るいは悪事を した ことに対す る良心の可責か らきて

い るのである。不眠は登場人物夫 々の内面 的葛藤

,己

れ の倫理感 との戦 いで あるとい ってよい。な ぜ 不眠の イメイ ジが これほ ど多 く

,

しか もそれが二人 の倫理感 と結 びついているのか

,そ

こに作者 の倉」作の秘密 がある と思 うが

,そ

れ につ いては後 ほ ど述べ る。

Macbethは

後 に対抗努力

Malcolmに

よ って滅 ば され

,Orderの

世界 が復元 され るわ けだが,

この過程 は〔〔Sleep''の イメジャ リを通 じてな され るの も興味ぶかい。

Duncanを

殺 した A/facbeth は「 ねむ り」のない世界 にはい ってい った。従 って正常な世界 を再現 しよ うとす る努力 には「 ねむ

り」を この世界 に とりもどそ うとするイ メイジが使われ る。

Thither A/1acduff

ls gone to pray the holy king, upOn his aid

To wake Northumberland,and war‐

ke Siwardi

That, by the help of these_、

vith him above

To ratify the wOrk―

we may again

Give to Our tables meat, sleep tO Our nights,(3. 6. 29_34)

ま さに上 と同 じ意味の ことを裏面か ら

Macbethは

言 う。即 ち不眠 になやむ くらいな ら

,こ

の世界 が滅 びて しまった らよい

,即

ち現在の

diSOrderの

世界 が滅びて

,Orderの

世界 が還 った らよい と

言 う。irOnicalな言葉 だが次にかかげよ う。

But let the frame of things disioint, both the worlds suffer, Ere we will eat Our meal in fear, and sleep

ln the afflictiOn of these terrible dreams

That shake us nightly,(3. 2. 16-19)

Malcolmは

我 々が殺 されず安 心 して眠 る ことがで きる 日が近い と言い

(5.4,1-2),

しか もそ

う努力す る。最後 に

Macbethを

滅 ば して しまい

,も

との秩序 の世界 に遠 した とき

, Malcolmは

次 の よ うに言 う。 この科 白は この劇での最後 の科 白で ある。

Shakespereの

すべての悲劇 がそ うで あ るよ うに

,劇

の最 後の科 白はその劇 を評価 す る実 に重大 な手 がか りを与 えて くれ る。

What's mOre tO dO,

Which would be planted neMrly

、vith the time,

As calling home our exll'd friends abroad

That fled the snares of watchful tyranny.(5. 7. 93-96)

Malcolmは

自 ら工 にな って

,

忠誠をつ くした家来 に分 に応 じて思賞や称号を与えた りす る決意 を してい る。 しか しそれ だけでは もとの秩序 の世界 にはかえ らない。即 ち,ttSleep''も 同様 にもと の世界 にもどす ことが必須 の条件で ある。

Orderの

世界 に もどす試みは

,不

眠 の世界 にたえ きれな

くて

,又

その住人 にふさわ しくな くて逃 げた諸侯を もとの「 ねむ り」の世界 に

,orderの

世界 につ れ もどす ことであるといえる。

とい うのは この 〔

tWatchful tyranny''と

Duncanの

ことであるが

,

この く〔

Watchful''の

意 は常識中 には ばcunning'',そ 〔

spying''の

意で あるが

,

ここでは この意味 は「 眠 らず に起 きてい る」「 眠 られい」 と解釈 すべ きだと思 う。劇 の冒頭 の二人 の魔 女の不眠の況文 が

,

ここで は じめて

(7)

鳥取大学教育学部研究報告 人文 。社会科学 第21巻 第 1号

とれた と解 すべ きで はなか ろ うか。〔〔fair is foul and foul is fair"で 表 わ された転倒 した価値 の世界 は そ

tSleep"の

復元を ま って

,も

との世界 に還 った と考 え られ る。 このよ うに考えると「 不 眠 」の イメイ ジが この劇でいか に大 きい役割をはた してい るかが了解 され よ う。 次 には「 死 」の意味 に使われてい る 〔tSleep''のイ メジ ャ リについて述 べ よ う。 この劇ではそれ が9個に達 し,/2カ 密 O夕∫″ の1個

,Hamlctで

5個

よ りは るか に多 い。

Z,あ

励 でのねむ りは いか に多 く死 の要素 を合んで い るのか

,又

この劇 には全体 と して死 の雰 囲気 が強いかは了解 され よ う。

Macbethが

堕 落 の道を歩 んで ゆ くには

,

この劇 のは じめ に三人 の魔女が不眠を予言 し

,

また

Lady A/1acbethの 教唆 によるとい ったが,彼女 は次 のよ うに「 死」のイメイジを使 う。

Duncanの

おつ きの者 が死んだよ うに眠 ってい るか ら

,Duncanを

殺 す のはなんで もない とい う (1・

7.60-)。 実際 に

Duncanも

おつ きの者 も殺 され る。 彼等 のねむ りは彼等 自身 の死 と

Duncan工

の死 にもつなが っていたわけで ある。

Banquoは

A heavy su■

l140n lies like lead upon me,

And yet l would not sleepimerciful powers.(2.1,6-め

と言い

,彼

は眠 るのが こわ く

,眠

りた くない と思 ってい る。

Duncanを

殺 そ うと思 った

Macbeth

は夢か現かわか らない ときに

,空

中の短剣 をみ る。 そ してついに彼は

Duncanを

殺 す。 その瞬間 に

Wfacbeth

ヽこ

ethought l heard a voice cry

Sleep no more!

凸lacbeth does murder sleep.'(2. 2. 36‐ 37)

と口ば しる。 彼は寝てい る

Duncanを

殺 した のだ

,

神 聖なねむ りその ものを殺 したのだ。

Mac‐

bethは

,今

後眠れ な くな るとい う言葉で とめてお くので はな く,「 ねむ り」を殺す とい うよ うに「 ねむ り」 と「 死」 と結 びつけてい る。 又 ねむ りを一 つの人格 と して考 え

, Duncanと

ぃ ぅ一人 の 人格 を殺 したよ うに,「 ねむ り」 とい う人格を殺 した と考 えてい る。 したが って

Macbethは

Dun‐

Canの

Malcolmに

よ って仇を討たれ ると同様 に

,

ねむ りそのものにも仇討 され るわけで あ る。

Duncan殺

害 を機 と して

,《

Slcep''の イ メジ ャ リはます ます暗謄た る死 の様相 を現わ し

,

祝 福 さ れ たはず のねむ りの価値観 は一変す る。 したが って死 の意味を もった ttSleep''の イメジ ャ リは, 工 殺害の前後 に集 中 してい る。

Duncanが

寝て い る隣 りの室では悪夢 にうな された

Mal∞

lmと

Donalbainが

There's one did laugh in's sleep, and one cried 〔くlurderl''(2. 2. 24)

と叫ぶ。 彼等 は死を のがれ よ うとねむ りか ら起 きて

,

この城か ら逃 げる。 外側 か ら守 って い た

Porterは

酔 っぱ らって眠 っていた。そのねね りは

Duncanの

死で もあ る。 彼 は地獄 の問番で も あ る (〔 〔deVil‐ porter'つ 。我 々は

Duncanェ

殺害 の前後 にねむ りが死 につなが っているのをみて きた (夜目を さま して いて工 を守 るのが役 日で ある二人 さえ も眠 るのだが)。 このねむ りは他 の劇 と違 って積極的 に

Duncan殺

害 に参加 してい るとい え よ う。 ねむ り即 死 とい った仕方 で叙述 され て も くる。 ● Lα′グ〃

. Infirrl of purpose!

Give me the daggers. The sleeping and the dead,

Are but as pictures, 'tis the eyes of childhood

(8)

岡村俊明:7r7じカチカにおける`tSleeP"の イメジ ヤリについて

Macduffは

死 のまが ひ ものた るねむ りで はな くて

,

ねむ りのため に殺 された死 その ものを見 よ とい う。

Shake off this downy sleep, death's counterfeit,

And look on death itself! up, and see

That great doon■

's imagel(2. 3. 83-85)

また

Duncanは

死 んで基 に葬 られてい るが

,こ

れ を墓 のなかでねてい るとい う

(3.2.22)。

最 後 に

Lady Macbethは

耐 え きれず にとうとう夢遊病者 (く'Sleep‐walking'り にな る。 彼女 は

呪 われ た死者 の行 くところ―地獄― にい るよ うに思 ってい る。《

Hell is murky."こ

れ が死の意味 を もったねむ りのもた らす一番恐 ろ しい イメイジではなか ろ うか。実 際彼女は良心 の可責 にたえ き れ ず に自殺す る。不眠は彼女を殺 した といえ る。 ここにも不眠 と死 の癒着が見 られ る。 この劇では他 の劇 と比較 して 〔tSleep''のイメジ ャ リが多いのは既述 した通 りで ある。またそれ は深 さと同様 に広 さももってい る し

,と

くにそのなかで「 不眠 」の イメイジと「 死 」の意味を もっ た「 ねむ り」の イメイジが多いのも

,ま

た この両者 のつなが りもみて きた。 また

Macbeth,Lady

Macbeth,Banquoの

二 人 が不眠 に悩 むがその大 きな原因はそれぞれ の心のなかの倫理的葛藤で あ る こともわか った。以上 の事実を考察 してそ こに一貫 して流れ る原 因 とその

SOurceと

の関連か ら 考察 す るとよい と思 う。

翔助ι¢励 の

SOurceは Holinshedの

6ウ砲力θJ9jである(7)。

shakespeareは

忠実 に

H01inshed

か らひいてい る。

HOlinshedが

史実 を間違 えた ところは

, a入

りにも

Shakespeare自

身 もそ の まま間違 えてい るほどで ある。 か と思 えばある点では

Shakespeareは

首尾 一 貫 して 意 識 的 に

Holinshedを

まげてい る。 そ こで は

Mackbethも

Mackbeth夫

人 も

Duncaneに

対 して当然

い だ く深 い恨みが あ り

,彼

を殺す当然 の理 由 もあった。働 ηη力J9dで も

Mackbethは

Duncaneを

殺 すが

,殺

害後

Mackbethも Mackbeth夫

人 も良心 の可責 が全然ない。一方

Shakespeare劇

で は

,

殺 害 の理 由は

Macbethの

野望 とそれを助 け る

Lady Macbethの

野心 とい う内面 的な も の にな ってお り

,そ

れをめ ぐって

MaCbeth,Lady Macbeth,Banquoの

二 人 の倫理 的葛藤があ る。だか ら

H01inshedと Shakespeareの

相違 は外面 的な歴 史 と内面 的な悲劇 の違 いで あるとい え る。 また も う一つの相違は はSleep''のイ メイジに関す ることで あ る。助鞄″力膝 では以上 の二人 に関 しては

,「

不眠 」は勿論 ttSleep''の イ メジ ャ リは全然ない。 そ こで 〔〔

Sleep no more''の

叫 び声 はあるが

,そ

れ は

Malc01meを

殺 した

Kennethに

聞 え るもので あ る。 また他 に不眠 のイ

メイジはあるがそれは

King Duffeの

それ にす ぎない。

Mackbethに

もともとあ ったので はな

い。ヽ

lackbeth夫

ノ八、にも OLTοttοル∫ィこ1ま Ц

Sleep"の

イ メジ ャ リはない。

Shakespeareの

Maοう♂J/3

で の彼女の夢遊病 の場面 は

,Shakespeareの

創作で ある(8)。 また ひ ηη 'じ ′♂∫で は

BanquhOは

Mackbethの

共犯者なので あ って

,罪

を犯 さないよ うに不眠 になや んで苦 しむ ことはない。

Holinshedと Shakespeareの

間 には以上述 べた大 きい二 つ の相違 があるわけで ある。 推論す れ ば

,Shakespeareが Oη

ηガιJ9Jに はなか ずた内面 的葛藤 の悲劇 に したが

,

そ うしよ うとすれば す るほ ど

,

働 ″ο2カ影∫には欠 けていたそれを表現す るものを作者 は強 く欲 した。 それを解決す るも の と して作者 が取上 げた ものが,t〔Sleep''のイメジ ャ リで はなか ったか。 したが って コ豚,力♂r/Bの テーマー野心 とその倫理 的葛藤― と R〔 Sleep''のイメジャ リは不可分 の関係 にあるといえる。だか

(9)

鳥取大学教育学部研究報告 人文・ 社会科学 第21巻 第 1号

99

Shakespeareは

Ц

sleep"の

イ メ ジ ャ リを 他 の劇 よ り蓬 か に広 く

,深

く用 い

,登

場 人 物 の深層 にまで食 い こませ て い る。れイ,あタサカ にお け る

dOminant image''を

形 成 す る も の とい え る。 我 々は イ メイ ジを三 点 か ら考 察 す る とい った が

,

どの点 で も

Macbethで

は十分 で あ る とい え る。

*こ

の論文は44年10月25日 日本英文学会中四国支部大会 (第 22回

)に

おいで発表された。 (1)J, Do WttsOn(ed・ ), Maひ う夕脆 (The New Shakespeare,1960), p. 122.

(2)S.L.Bethelユ,“Sha卜eSpeare's lmagery,"dち,んψ♂,″ d″″

,95,1953,p.62.

(3)Caroline Spurgeon,d協 考夕ψ夕,々 `」 物 'ど ♂Tノ (Cambridge,1965), pp. 64-5. (4)使用 テキ ス トは

,W.J,Craig(ed.),r/z♂

働 切 ル ラ4ちrl・∫げ ラタ "力協 説,そ ,sをta″ (oXtOrd,1957) で あ る。

(5)Edward Dowden(ed.), Rο

掏夕ο,2′/f/′ルチ(Arden ShakesPeare), p. 14.

(6) Caroline SpurgeOn, 9か ι″.,pp. 133-4.

)昴

約″んJFdでは

Mackbethの

父 の 名 は Sinellで the thane Of Glamis.史 実 で は 彼 の 父 は Finley,

the Prince of Rossで あ る 。Cf.Horace Furness Jr,力 2σうι励 (И ジVZpフ杉″わ翻阿

,1903),p.394.

(8)Cfo Kenneth Muir(ed.)Maぢ ヵr/2(The Arden ShakesPeare,1955), P.x■ V・

(10)

1       1

参照

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