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4線式アナログ抵抗膜タッチパネルによるマルチタッチ検出

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 74 回全国大会. 2F-3. 4線式アナログ抵抗膜タッチパネルによるマルチタッチ検出 宮原. 景泰. 三菱電機株式会社. 鷲野. 浩之. 情報技術総合研究所. 1.はじめに 携帯電話をはじめ,タッチパネルが一般に普及 している.タッチパネルの検出方式としては, 例えば携帯電話では,マルチタッチ可能な投影 型静電容量方式がトレンドだが,低コストで実 現でき,細いスタイラスペンから厚い手袋越し の指にまで反応する,アナログ抵抗膜方式も, 広く用いられている. アナログ抵抗膜方式では,上下に別れた透明導 電膜が,圧力(タッチ)を受けて接触した際, 計測される電位から押下座標を計算する.この ため,原理上,マルチタッチは検出できない. しかし,近年,このアナログ抵抗膜方式におい ても,マルチタッチ対応の要求が高まり,実現 方式の提案が為されている.例えば,上下の導 電膜を複数分割し,分割領域ごとにタッチ検出 を行なう,マルチ抵抗膜 [1] がある.この方式は, タッチ点の検出精度は高いが,分割数に応じて 配線が多くなり,コストが大きい.一方,パネ ルは従来の 4 線式を用い,検出回路とソフトウ エア処理でマルチタッチ検出する方式[2][3]も提案 されている.この場合,個々のタッチ点の正確 な座標検出は難しいが,従来と同程度の低コス トで実現できる大きなメリットがある. 本稿では,この後者の方式で開発した,4 線式 アナログ抵抗膜タッチパネルによるマルチタッ チ検出方式を報告する. 2.4 線式パネルでのマルチタッチ検出 4 線式アナログ抵抗膜でのマルチタッチ検出手 法としては,まず,パネルの対向する端子間の 抵抗値変化を用いるもの[2](以下,2 端子方式と 呼ぶ)がある.図1に,2 端子方式における,1 点タッチ時とマルチ(2 点)タッチ時の等価回路 を示す.(a)の 1 点タッチ時は,Vcc と GND の 間に,基準抵抗 r を介し,x 方向の抵抗膜上の 抵抗 R1 と R3 が直列に接続された回路となる. Multi-touch Detection Using 4-wire Analog Resistive Touch Panel Kageyasu Miyahara, Hiroyuki Washino Information Technology R&D Center Mitsubishi Electric Corporation. 4-5. 一方,(b)の 2 点タッチ時は,x 方向の抵抗膜上 の抵抗 R4,R5,R6,及び y 方向の抵抗膜上の押 下点間の抵抗 R5 と 2 層の導電膜が接触したとき に発生する接触抵抗 R2 が並列に接続された回路 となり,1 点タッチ時に比べて端子 X1X2 間の抵 抗値が低下する.これは 3 点以上のタッチでも 同様であり,この抵抗値低下が一定以上の時, マルチタッチが発生したと判定できる.. X2. R1. R3. R2 GND. Vcc. Vcc. r. r R6. X1 X2. Y1. R5. R4 X1. GND. R2. R2. Y1. R5. Y2. (a) 1 点タッチ時. Y2. (b) 2 点タッチ時. 図 1 2 端子方式の等価回路 この 2 端子方式では,図 1 (b)から分かるよう に, 押下点間距離が短くなると,R5 の抵抗値 が小さくなり,1 点タッチ時の等価回路に近づ くため,判別が難しくなるという課題がある. このため筆者らは,2 層のパネルの両端にある 4 端子間 X1Y1,X1Y2,X2Y1,X2Y2 の抵抗値低下 を利用して,マルチタッチ検出を行う手法(以 下,4 端子方式と呼ぶ)を提案[3]した.図 2 は, 端子 X1Y2 間の抵抗値 R を測定する場合の等価回 路である.端子 Y2 を GND 接続し,端子 X1 に基 準抵抗 r を介して電圧を印加すると,端子 X1 の電位と r との分圧比から R を求めることがで きる.同様に,他の端子間 X1Y1,X2Y1,X2Y2 に ついても抵抗値を測定する.4 端子方式では,1 点タッチ時は,図 2 (a)に示す直列抵抗が形成さ れるが,2 点タッチ時は,図 2 (b)のような並列 回路ができる.このため,2 点タッチ時は 1 点タ ッチ時よりも抵抗値が低下し,かつ,押下点間 の距離が短くても,抵抗値は低い状態にある.3 点以上のタッチでも,この傾向は変わらない.. Copyright 2012 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 74 回全国大会. Vcc. Vcc. r. r. R1. R5. 3.マルチタッチ検出提案方式 4 端子方式は,押下点間距離が短い場合にも対 応できるが,荷重・押下面積の変化に影響を受 けやすいため,4 端子方式と 2 端子方式を併用す る構成とした.この処理フローを図 4 に示す. 最初に 2 端子方式で確実に 1 点と判断できる場 合は 1 点と見なし,それ以外の場合は,2 端子方 式と 4 端子方式の両者の結果で判定を行なう.. R4 X1. X1 R2. R2. R2. R5 R6. R3 Y2. R6. Y2. GND. (a) 1 点タッチ時. 2 端子方式で計測値 A 取得. GND. Yes. (b) 2 点タッチ時. 図 2 4 端子方式の等価回路. No. 図 3 に,2 点タッチで押下点(2 点)間距離を 5mm ずつ変化させた場合の端子間電位(抵抗値に 比例する値)の例を示す.これは直径 8mm のシ リコンゴムに 200g の荷重をかけて押下した結果 である.2 端子方式よりも 4 端子方式の方が,1 点と 2 点の変化が大きく現れていることが分か る.ただし,4 端子方式は荷重や押下面積の変化 に敏感で,荷重を最大 2kg,シリコンゴムの直径 を最大 16mm にした場合,1 点タッチ時の変動量 は,2 端子方式では 2 程度であるが,4 端子方式 では 300 程度と大きかった. 端子間電位(. 2 点タッチ時. V 5 / 4 2 0 1. ). 2 点間距離(mm). 端子間電位(. 1 点タッチ時. No. 4 端子方式で計測値 B 取得 計測値 B は閾値 3 より小?. Yes. No. 1 点と判定. マルチタッチと判定. 図 4 検出処理フロー. V 5 / 4 2 0 1. ). [1] マルチアナログ抵抗膜(MAR)用コントロー ラ FTF-2x シリーズ 製品仕様書,DMC 社 [2] 奥村:タッチパネル装置,特開平 8-241161 [3] 鷲野,川又:“複数点タッチ検出可能なア ナログタッチパネル”,ヒューマンインタフ ェースシンポジウム 2007,1323(2007). 2 点間距離(mm). * 1 点タッチ時の電位は,複数個所押下した中の最小値. 図3. Yes. 5.おわりに 2 端子方式と 4 端子方式を併用するマルチタッ チ検出方式について述べた.図 3 から明らかな ように,2 点タッチであれば押下点間距離を推定 することもでき,UI としての活用も可能である.. 2 点タッチ時. (b) 4 端子方式. 計測値 A は閾値 2 より小?. 4.評価 15 インチの 4 線式アナログ抵抗膜方式タッチ パネルを用い,下記条件で本検出方式の評価を 実施し,全て正しく判定できることを確認した. (1) 1 点タッチ パネル上の 43 点を,2 種類(直径 8mm,16nn) のシリコンゴムを用い,2 種類(70msec/タッチ, 700msec/タッチ)の押下速度で押下 (2) 2 点タッチ パネル上の 9 箇所で,6 種類(40, 50, 60, 70, 80, 100mm)の間隔の 2 点を,2 種類(70msec/ タッチ,700msec/タッチ)の速度で同時に押下. 1 点タッチ時. (a) 2 端子方式. 計測値 A は閾値 1 より大?. 端子間電位と 2 点間距離. 4-6. Copyright 2012 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(3)

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