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Academic year: 2021

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留学生に必要な日本語力とは?

著者

桑原 陽子

雑誌名

共通教育フォーラム

9

ページ

7-7

発行年

2008-06-30

URL

http://hdl.handle.net/10098/7943

(2)

Center for Interdisciplinary Studies,University of Fukui 7 留学生センターは、留学生対象の外国語科目(日本語)と して年間計8科目(中級4科目、上級4科目)を共通教育に 提供しています。今回のフォーラム誌への執筆は、留学生に 対する日本語教育の現状と課題を多少なりとも知っていただ くいい機会だと思います。 そもそも留学生に必要とされる日本語力とはどういうもの なのでしょう。講義を受ける、専門書を読む、討論に参加す る、レポートをまとめるなど学習に関わる日本語力は当然必 須です。専門教育レベルになると、読むことが中心となる理 解に関わる日本語力の養成は容易ではありません。レポート、 口頭発表など言語の産出が要求されるとさらに困難で、十分 に時間をかけたきめ細かな学習支援が不可欠です。後者は、 日本人学生ですら危ういのだから、留学生はなおさらではな いでしょうか。 これらに加え、見過ごされがちなのが、留学生活を円滑に 送るための日本語力の養成です。いわゆる「コミュニケー ションのための日本語」で、その重要性が認識されつつも、 専門に関わる日本語力の養成に隠れて、後回しになりがちで す。留学生に関わっている教員なら、誰しも経験することだ とは思いますが、私が遭遇したほんの一例を挙げてみたいと 思います。 事例1:「先生の授業、俺、すっげえおもしろい。」留学生 (男性)に実際に言われたことです。親しみをこめた好意的な 発言だったのだと十分わかっているのですが、素直には喜べ ませんでした。 事例2:「ちょっと、微妙っすねえ。」新聞読解の際、筆者の 考えに対して賛成できるかという私の問に対する回答です。 授業態度は良好でこの回答も真剣なのですが、やはりまずい でしょう。周りの日本人学生が日常使っているのを自然に習 得したのだろうと思われます。 その他、どうしても「はい」と言えずに、何度注意しても 「うん」としか答えられない者、メールの書き方が不適切な者 など、このコミュニケーションのやり方ではまずいと思うこ とに日々遭遇しています。もちろん、日本人学生にも同様の 問題があり、第2、第3言語として日本語を使用する留学生 に対してそこまで要求することはないという声もあるでしょ う。しかし、問題なのは、彼らが第1言語(母語)では、状 況に応じた適切な配慮のある言語使用ができており、日本でも そうありたいと願っているのにもかかわらず、自分の日本語の 不適切さを理解していない場合です。その見極めと助言のタイ ミングは非常に難しく、日本語学習を支援する側は、辛抱強く 彼らとのコミュニケーションを続けていくほかありません。 日本で生活しながら日本人と一緒に大学で学ぶ以上、専門教 育を受けるための日本語力とコミュニケーション力の養成は、 どちらも重要且つ急務のはずです。失礼ながら、「この日本語 力でどうやって専門の講義を受けているのだろう。英語が堪能 とも思えないし、教員とのコミュニケーションはどうなってい るのだろう。」と思わざるをえない学生に出会うと、日本語教 育に携わる者としては、何とかしなければという思いを強くし ます。個人的には、共通教育の日本語クラスだけでは到底足り ないと思っています。 留学生センターでは共通教育とは別に、本学留学生なら誰で も受講できる全学日本語コース(単位認定なし)を週18コマ開 講しています。大学院生が中心のコースですが、必要に応じて 学部留学生にも受講を勧めており、自発的に受講を希望する学 部留学生もいます。しかし、「専門の授業と重なっている」と いう理由で十分な受講ができないことが多く、非常に残念です。 ならば学部留学生には、共通教育の日本語クラスでしっかり と学んでもらいたい。1年次にもっと集中して日本語の授業を 受講してもらうことはできないだろうか。しかし、1年次に必 要単位をとってしまったら、2年次からは日本語のクラスを全 く受ける必要がなくなるがそれでいいのか。作文指導が必要だ。 シラバスの見直しも必要ではないか――留学生センターでは、 共通教育の日本語クラスの中で留学生の日本語力向上にどう取 り組んでいくべきか、機会を見つけて話し合ってきています。 受け入れた留学生に対しては、責任を持って適切な日本語学 習支援を行いたいと思います。そのために、何が必要とされて いるのかも、できるだけ具体的に知る必要があります。今、ぜ ひ知りたいと思うのは、専門教育を行っている先生方の率直な ご意見です。小さなことでもかまいません。「こんな点が困っ ている」とお知らせいただければ幸いです。そして、留学生の 皆さん、もっと自分の日本語力を高めたいと思ったら、ぜひ留 学生センターの教員に相談してほしいと思います。それが大切 な第一歩です。

留学生に必要な日本語力とは?

留学生センター 

桑原 陽子

参照

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