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注意欠如・多動症における中核症状と機能障害の関連についての研究

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Academic year: 2021

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注意欠如・多動症における中核症状と機能障害の関連についての研究 特別支援教育専攻 新宅 貴裕 I 問題と目的 注意欠如・多動症(Attention-deficit hyperactivity disorder,以下ADHJJ)の具体的 な症状は,集中を続けることが難しい,授業中 や座っているときに席を離れてしまうなどがあ り,これらは中核症状と呼ばれている。(荒木, 201のこの中核症状の評価にはAt切ntion・ deficit hyperactivity disorder Rating Scale-N (ADHD・RS・~,以下ADHD・RS)(George J ら, 1998)が主に用いられる。AD}TD 児ではこの中 核症状だけでなく,そこから二次的に学校や家 庭など様々な場面での機能低下(以下,機能障 割が引き起こされることが問題となる。(後藤 ら,201DこのADUJ の機能障害の評価法のー つと して、 日常生活チェック リス ト (Questionnaire-Children with Difficulties,以

下QCD)(後藤ら, 201のがある。現在では AIHD の中核症状と機能障害の関連について は荒オセ01のの報告があるもののあまり明らか にはなっていな1 そこで本研究では保護者が 評価したADUD の中核症状(AIHD-R⑨と機 能障害(QCD)の関連を明らかにすることを目的 とする。 ~ 方法 1 ,調査対象者 ADHD 児の保護者 2.調査期間 201X年Y月~201X+1年z 月 3 ‘調査内容 指導教員 伊藤 弘道 ADIID 児の保護者が評価したADHD-RS と QCD(質問紙)を収集した。 4 .分析方法 QCD は,総スコアと各項目(早朝ノ登校前,学 校,放課後,タ方,夜,全体の行動)ごとのスコ アを算出した。ADRD-RS は,総スコアと不注 意項目(奇数番号の質岡のスコア,多動・種働項 目(偶数項目の質間のスコアを算出した。 ピアソンの相関係数を用いてAIJHD-RS ス コアとQCD スコアの相関係数(以下,r とする。) とP 値(以下, p とする。)を検出し,p<0-05 を 有意な相関とした。まずAIJHD-RS とQCD に 有意な相関があるかどうか検討し,次に, ADHD -RS を不注意項目,多動・種働項目に分 けてQCD との間に有意な相関があるかどうか 検討した。最後に,年齢とQCD またはADHD・ RS の間にそれぞ才硝意な相関があるかどうか を検討した。 皿 結果 ADHD 児の保護者12名に対してADHD・RS とQCD の質問紙を配布し,回収した。ADHD 児は全員男児であり,平均年齢は9.7±2M 歳で あった。 1 . A]JHD-RS と QCD ADHD・RS とQCDG スコア,早朝I登校前, 学校,タ方,全体の行動)の間には有意な負の相 関が認められ,ADRD の中核症状が強いほど, 機能障害も大きかった。ADHD・RS とQCD(放 課後,初には有意な負の相関は認められなかっ - 131 -

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た。 2. APHID-ES(不注意項目)とQCD ADHD・RS とQCD(総スコア,早朝ノ登校前, タ方,夜)には有意な負の相関が認められ, ADHID・ES とQCD(学校,放課後,全体の行動) には有意な負の相関は認められなかった。 3. AIJHD・RS(多動・衝動項目)とQCD ADITI〕・RS とQCD(総スコア,早朝ノ登校前, 学校,タ方,全体の行動)には有意な相関が認め られ,AIJHD-RS とQCD(放課後,夜)には有意 な負の相関は認められなかった。 4.年齢とQCD 年齢とQCD との間には有意な相関は認めら れなかった。 5.年齢とAIJI{D・RS 年齢とADHD・RS の間には有意な相関は認 められなかった。 6.自由記述 QCD の自由記述の欄では,早朝登校前,タ 方,夜には否定的な回答が多く見られ,学校, 放課後には肯定的な回答が多く見られた。 N 考察 1 . ADHD-RS と QCD ADHD-RS 総スコアとQCD 総スコアの間に 強い負の相関が認められたため,ADHB の中核 症状は機能障害を引き起こしていることが明ら かになった。また,QCD の早朝ノ登校前とタ方 ではADHD・IRS 総スコアと強い負の相関が認 められた。早朝ノ登校前は,限られた時間の中で 多くのことを順序立てて行わねばならない。 ADHD 児は不注意や多動唯倒]といった中核症 状が原因となり,物事を順序立てて行うことが 難しいため,早朝ノ登校前のように多くの作業を 順序立てて行わなければならない場面には適応 困難を引き起こしてしまうと考えられる。タ方 の場面では,集中力を持続して宿題に取り組ま なければならないが,中核症状である不注意や 衝動・多動陛のために宿題に取り組むことが難 しいと考えられる。タ方の自由記述でも,「ケン カをする」など多動・衝動が原因と考えられる 行動も見られた。これらが原因となってADIID 総ス:2アとQCD タ方で強い負の相関が認めら れたのだと考えられる。 2 . APHD -RS休注意項目,多動・衝動項目)と QCD ADHD・RS を不注意項目と多動・衝動項目に 分けてQCD との相関をみた結果,夜では主に 不注意が機能障害を引き起こしていることが明 らかになった。QCD 夜の質問は睡眠に関する ものがほとんどであるため,不注意が睡眠に関 する機能障害を引き起こしている可能性が考え られる。 3.年齢とADHD・RS, QCD 年齢とABED-IRS,年齢とQCD の間には有 意な相関が見られなかったため,AD}{D の中核 症状,機能障害は,調査対象者の年齢である6 --- 13 歳の間は,年齢に依存して変化しないとい うことが明らかになった。 V 成果と課題 本研究で,ADHD が生活のあらゆる場面で機 能障害を引き起こしていることが明らかになっ た。今回は,ADHI-RS, QCD ともに,学校場 面よりも家庭場面での機能障害が目立つ結果と なったが、それは保護者の関与の大きい場面だ からかもしれない。今後教師も含めたより多面 的な評価を行う必要がある。また,加齢に伴う ADBID-RS, QCD の変化については今回6-13 歳の範囲では変化がないことが明らかとな ったが、今後青年期、成人期といった長期的な 変化についても調査する必要がある。 -132 一

参照

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