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(1)

<研究ノート>消費者行動の要因分析に関する一考察

著者

小川 純生

著者別名

Ogawa Sumio

雑誌名

経営論集

32

ページ

79-104

発行年

1989-01-31

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005738/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

目 ].. 2. 3. 4. 5. 6.

消 費 者 行 動 の 要 因 分 析 に 関 す る 一 考 察

次 はじめに 本研究の位置づけ 分 析に使用した変数とデータ 重 回帰分析 パス解析 おお りに 79

1.

は じ め に

本研究におい ては,消費者行動の購買 決定要因の分析を行 う。 従来の消費

者行動研究の概念の援用方法を反省することに より,体系的な消費者行動 モ

デルの構築を 目ざし たものである。 特に,耐久 消費財の購買行動に焦点をあ

てている。耐久消費財 の所有・非所有 に影響を与え る要因 とし て,性別,年

齢,職業, 性格(矢田部・ギルフ ォード の12 の性格特 徴),そして所 得を と

りあげる。

最初の分析手順として,重回帰分析を 利用する。単純 な形式であるが,独

立変数 とし て10 個の変数を導 入した方 程式 のモデル設 定を行い,モデルの現

実への適用 可能性を検討す る。

次の手順 として,重回 帰分析の限界を 補 う為 に, パス解析を 行う。重回帰

分析を1 次元的なアプロ ―チ とす るならば, ∧パス解析 は,独立変数間に複雑

な関係を 想定する2 次元的なアプl==

・−チ といえる。

2.

本研究 の位置づけ

(1) 消費者行動研究の概要

消費者行動を説 明する為の概念は,

たとえば,経 済学では,価格,所得,

学問 領域に よって異 なるものである。

効用関数,選好, 無差別曲線1) 心理

(3)

学 で は , 学 習2) 動 機 づ け3) 態 度4) , 欲 求 , 認 知 的 不 協 和 ‰ パ ー ソ ナ リ テ ィ , 社 会 学 で は , 文 化 , 価 値 観 , 社 会 階 層 , 準 拠 集 団 , オ ピ ュ オ ン ・ リ ー ダ6) 革 新 の 普 及7) , な ど の 概 念 に よ っ て 消 費 者 行 動 を 説 明 し て い る 。-r ― ケ テ ィ ン グ 領 域 で は , 前 述 の 諸 概 念 を 援 用 し て い る が , そ の 援 用 の 方 法 は 時 化 と と も に 変 化 し て き た 。1960 年 代 前 後 の マ ー ケ テ ィ ン グ で は , 一 部 の 概 念 だ け を と り あ げ , 直 接 的 に 研 究 対 象 に 適 用 し て い た 。 つ ま り , 概 念 の 援 用 そ の も の が , 個 別 的 で あ り , 体 系 的 な 援 用 と は い え な か っ た8) 。 し か し ,1970 年 代 に な る と , 消 費 者 行 動 に つ い て の 個 別 的 な 援 用 に よ る 説 明 を 反 省 し , 体 系 的 な 説 明 を 試 み る よ う に な っ た 。 た と え ば,F.M.Nicosia^) ,J.F.Engel ,D.T.KollatandR.D.Blackwell") ,J 。A.HowardandJ.N.Shethii) ,C.G.WaltersandG.W.Pauli2) , ら は , こ ぞ っ て 体 系 的 な フ レ ー ム ワ ー ク を 構 成 し , 消 費 者 行 動 に 結 び つ く 概 念 を 整 理 し て , そ れ ら を 関 連 づ げ た モ デ ル を 主 張 し て い る 。 さ ら に,1970 年 代 後 半 で は,J.R.Bettman ら は , 消 費 者 の 意 思 決 定 プ1==1 セ ス を 情 報 プ ロ セ ス と し て , 解 明 七 よ う と 試 み る1 ‰ こ れ ら の う ち の い く つ か の モ デ ル は , 抽 象 的 理 論 で は な く , 実 証 的 理 論 を 目 ざ し て い た 。 た と え ば,J.U.FarleyandL.W.Ring ら は , 前 述 のJ.A.HowardandJ.N.Sheth の モ デ ル を 基 礎 に し て , 概 念 の 操 作 性 に 問 題 を 含 み な が ら 乱 そ の モ デ ル の 現 実 妥 当 性 を 検 証 し て い る1 ‰ さ ら に , 最 近 で は,R.P.Bagozzi ら は 消 費 者 行 動 の , 因 果 モ デ ル を 提 出 し て い る1 呪 三2) 本 論 の 想 定 す る モ デ ル こ れ ら の 研 究 の 中 で , ほ と ん ど の 論 者 が , 消 費 者 行 動 に 大 き な 影 響 を 与 え る 外 的 要 因 と し て , 文 化 , 社 会 階 層 , 教 育 , 宗 教 , 人 種 , 性 別 , 年 齢 , 職 業 , 性 格 , 所 得 を 挙 げ て い る 。 本 論 で は , 今 回 の 研 究0 対 象 は 日 本 人 だ け で あ る 。 こ の 理 由 か ら , 社 会 階 層 , 教 育 , 宗 教 , 人 種 な ど に 関 し て は , 日 本 で は 比 較 的 差 異 が 見 ら れ な い 為 に , 分 析 か ら 除 外 し て も 良 い と 考 え た 。 し た が う て , 本 論 で と り 入 れ る べ き 要 因 は , 性 別 , 年 齢 , 職 業 , 性 格 , 所 得 と す る 。 .II 本 論 で 想 定 し た モ デ ル は2 つ あ る 。 第1 の モ デ ル は , 耐 久 消 費 財 の 所 有 種 類 数 , あ る い は 特 定 の 耐 久 消 費 財 の 所 有 ・ 非 所 有 が , 上 記 の 諸 要 因 で も っ て , 説 明 す る こ と が で き る か 否 か を 実 証 す る モ デ ル で あ る 。 そ の 為 の 手 法 と し て , 重 回 帰 分 析 を 採 用 し た 。 ニ 第2 の モ デ ル は , こ れ ら の 外 的 諸 要 因 の 間 の 関 係 に 注 目 し , 要 因 間 の 因 果

(4)

消費者行動の要因分析に関する一考察81 関 係, そ し てそ れ ら の外 的 諸 要因 と耐 久 消費 財 の所 有 種 類 数 , あ る い は 特 定 の耐 久 消費 財 の所 有 ・非 所 有 と の 関 係を 求 め る モデ ル であ る 。 そ の 為 の 手 法 とし て , パ ス解 析 を 採 用 し た 。

3.

分析に使用し た変数とデ ータ(1)

従属変数

分析に用い る具体的 な変数を 説明する。従属変数は,6 つ設 定する(表1) 。

表1 に示し た 第1 番 目の変数 は, 耐 久消費財の 所有種類数 であ り, 次に挙

げ る12種類の製品の うち,実際に所有している種類数である。 テレ ビ,冷 蔵

庫,ステレオ,ル ームエ アコン, 自動車,電子レンジ,ピア ノ,VTR,

ラジ

オカセ ット,温風ヒ ータ ー, コン パクト・デ ィスク・プレ イヤー, パーソナ

ル・コンピ ュータ。同じ く,表1 に示した2 番目以降 の変数 は,侃 々の製品

の所有 の有無であ る16)。(2)

独立変数

独立変数 は,5

つ の タイプを設定す る( 表2) 。性別 は,男性 と女性の2 分

類で示 される。年齢 は,正 の整 数 で示 される。職業は, 学生,無 職,農業,

サラリーマ ン,自営業 の5 つ の カテゴリーで示 される。 性格 は,矢 田部・ギ

ルフォードの性格検査 で使用され てい る性格特徴を使用する。 これは,12 の

性格特徴,すなわち抑 うつ 性,気分 の変化度,劣等感,神経質,主 観性,非

協 調性,攻撃性,活動 性, のん気さ, 思考的 外向 性,支配性,社 会的 外向 性

を測定する ものであ る。 これらの性格特徴が,それぞれ最大20 点, 最小O 点

の範囲内で得点化される。所得は,正 の整数で万 円の単位で示 される。

パス解析 では,普通, 独立変数,従属変数とい う表現は使用し ない で,因

1 2 3 4 5 6 表1 従 属 変 数 従 属 変 数 耐久消費財の所有種類数VTR の所有の有無 電子レンジの所有の有無 ルームエアコンの所有 の有無 温風ヒーターの所有 の有無 ピアノの所有の有無 1. 2. 3. 4. 5. 表2 独 立 変 数 独 立 変 数 性 別 年 齢 職 業 性 格 (12 の 性 格 特 徴 ) 所 得

(5)

果 システ ムの 外部の 変数に よってのみ 決定されるものを 外生変数(exoge-neousvariables

)といい, モデル内の他の変数 に よって影響を受け るものを

内生変数 (endogenousvariables )と呼んで区別する。当論文 では,便宜的

にそ りす るこ とはせず,これから説 明し ようとする変数を従属変数あるいは

目的変 数と呼び,他のそれに影響を与えるすべての変数を独 立変数 と呼ぶこ

とにする。

(3) 統計分析に使用したデ ータの概要

調査対象地 域,標本抽出方 法,収集方法,調査対 象数,回 収数,有効回答

数 ,サンプル特性,調査時期は,表3 に示す通 りであ る。 アンヶ 一卜表へ実

際に記入する人は,

「5 万円以上の家庭電化製品を 買 う時」の意思決定者, も

し くは意思決定を大きく左右する人であ る。

4.

重回帰 分析

(1) 重回帰式 の設定と独立変数の選択

分析では,下記の数式で示 されるように,従 属変 数は先に示した20 個の独

立変数の一次結合で説明されるとする。

表3 デ ー タ 概 要

調 査 対

象 地 域

愛知県,三重県,岐阜県

本 抽 出 方 法

単純無作為抽出で世帯を抽出

留 置 ア ン ケ ー ト 数 数 数 象 答 対 収 回 査 効 調 回 有 サ ソ プ リレ 特 性 調 査

時 川

158 件158 件55 一件( 有 効 回 答 率34.8%) 男 性48 人 , 女 性7 人 平 均 年 齢43.1 歳 平 均 世 帯 所 得445.5 万 円 学 生6 人 , 無 職2 人 , 農 業1 人 , サ ラ リ ー マ ン29 人 , 自 営 業17 人1986 年6 月 ∼7 月

(6)

消費者 行動の要因分 析に関 す る一 考察83

512

どi =a 十&S 十cA 十 Σ 臨 几 十 琵 十 Σ 力 几 十.17 )

Å;=2 乙=1

払 :耐久消費財 の所有種類数,あるい は個 々の耐久消 費財 の所有の有無a,b.c,dk,e,f

:回帰係数

ざ : 性別をあらわす ダミー変数(1,0

の値をとる)

Å :年齢

み :職業をあらわす ダミー変数(1 ,0 の 値を とる)7

:所 得P

:性格s

ト誤差 項

この ような回帰式を設定し,SAS

(StatisticalAnalysisSystem

)のGLM

プロシジ 申−(GeneralLinearModelsProcedure

)^^

)を使用し 分析を進

め る。 ところが √サンプル数 と独立変数の数 から理解で きる通 り,十分な自

由度が得ら れない。 より少ない独立変数で より大きな説 明力を 持たせるため

に,独立変数 の数を減らす努力が必要 となる。純 粋に回帰式 の統計的あては

まりだげを見 るRSQUARE

プ ロ-yジ ャーベR2Procedure

戸 )を使用し,6

つの従属変数 ごとに,20 個の独立変数のすべての組み合せ にたいして重決定

係数を求めた。それら の大 体 の結果は第1 図 の通 りであ る。す なわち,独立

変数の統 計的な説明力は,独立変数の数示8 ∼12個を越す とほ とんど増加し

ない。したがっ て,以降の分析で使用すべき独立変数の個数 は,10個程度を

上限として 乱

統計的なあ てはまりに関しては,大 きな問 題はないと考えら

れる。

適切な独立変数を選択するにあ だっては,次の4 つの基準を採 用した。

分析 目的

②RSQUARE

プp-:/ ジ 十一の結果

従属変数 との単相関

独立変数間の単相関の大 きさ

第1 の基 準か らは, 上

性別,年齢,職業,所 得の変数は 必須 とみなされる。

第2 の基準RSQUARE

のアウトプ ット結果 てぱ, 説明力の大 きい(決定係

数 の大きい) 回帰式 心独立変数の中に,性別,年齢,職 業,所 得の変数が,

かな り頻繁に 出現し てい る。それとは反対に,説明力の小 さい, 回帰式 の独

立変数の中 に,性格変数が多数入 り込 んでいる。参 考までに代表 的な組み合

(7)

決 定 係 数( 説 明 力)0.5 24681012141618 独 立 変 数 の 数 図1 決 定 係 数 と 独 立 変 数 の 関 係 * 独 立変 数 のそ れ ぞ れ の 組 み合 わせ の うち 最大 の決 定 係数 値を 示し てい る。 わ せ の 例 とし て , 所 有 種 類 数を 従 属変 数 とした 場 合r10 個 の 独 立 変 数 で 決 定 係数 の 大 きい 組 み 合 せ と決 定 係数 値 を表4 に示 す。 第3 の 基 準 であ る 従 属 変 数 との 単 相関 係数 の大 きさ に 関し て は ,所 有 種 類数 との 相 関 の大 きい も の を と りあ げ る。 所 有 種 類 数 と の 単 相 関 係数 は,抑 りつ 性-0.184, 気 分 の変 化 度0.044, 劣 等 感-0.100, 神 経 質0.024, 主 観 性 −0.044, 協 調 性−0.170, 攻 撃 性0.037 , 活 動 性0.080, の ん気 さ0.066, 思考 的 外 向 性0.094, 支配 性0.119, 社会 的 外 向 性0.261 とな っ て い る。 第4 の 基 準 は ,多 重 共 線 性 に関 す る も ので あ る20)。 多 重 共 線 性 が 発 生 し ない よ うに , 独 立変 数 間 相 互 の 単 相 関 係数 が , で き る限 り小 さ い 変 数 を 選 択 し た31)(表5 参 照 )。 こ の よ うな プ ロ セ スを 得 て ,下 の 方 程 式 が設 定 さ れ る 。

μi =α十略 十cA 十山尚 十 臨み 十diJi 十尚J'i十el 十八乃 七几几 土fnPn 十S (2) 重 回帰 分 析 の 結果 重 回 帰 分 析 の 結果 は , 表6 の 通 りで あ る。 こ の結 果を み る と, 重 回 帰式 全 体 の 有 意性 を示 すF 値 が ,0.03 か ら1.75 の値 と なっ て お り,低 い とい え る。 最 も高 い の が,VTR の1.75 であ り, そ の 説 明力 は 約29 %(R2 =0.285 )とな って い る。 他 の製 品 におけ る 説 明 力 は , 電 子レ ンジ で 約22 % , そ の 他 の製 品 は, 約13 ∼14 % とな っ てい る 。 以 上 の 分 析 の結果 , 次 の こ とが 理 解 で き る。耐 久 消費 財 の購買 に 係 わ る タ カ ニ ズ ムを 調 べ る方 法 とし て は, こ の 研 究 で採 用し た 方 法 に い くつ か の 不十 分 な点 があ っ た と考 え ら れ る。 そ の一 般 的 な問題 点 とし て は ,4 つ の 原 因 が

(8)

消 費 者行 動 の要 因 分 析 に 関 す る一 考 察85 表410 個 の 独 立 変 数 の 決 定 係 数 の 大 き い も の の 組 み 合 せ

心 皿 り

0.276

0.276

0.276

0.276

0.277

0.277

0.277

0.278

0.280

0.280

0.280

0.280

0.280

0.280

0.280

0.281

0.281

0.283

0.284

変 CMCJ PP 11 PP 44 JJ I SJ Jl J4 L14DL ICOAAJJ

J3

J3

Jl

Jl

Jl

J4

J4

J4

J2

J4

1134 JJJJ 11 SAJJ 444JJJ 111JJJ s = 性 別A = 年 齢Pl = 抑 うつ 性P5 = 主 観 性P9 = の ん気 さ Pi J3 Pi 1111141444111PPPPPJPJJJPIPP P2 Pi P2 P2 222212111PPPPPPPPP P2 Pi P2 P2 Ji =無 職J2 =農業r2 =気分 の変 化度P6= 非協調 性PlO= 思考的 外向性 3432 343PPPPPPP Ps 3CQCs]COc-jPPPPP P2 P2 P3 P2 Ps P3 数 P4 P6 P4 Pa P4 Pe P4 P4 P4 P4 P3 P4 P3 P3 P3 P4 P3 P4 P4 名 696467666645444646 βりPPPPPPPPPPPPPPPPPPP J3 = サラ リ ー マンP3 = 劣 等 感P7 = 攻 撃 性Pll = 支 配 性 P9 PlO Pll Pu 0111111111111111 PPPPPPPP 07 6997198PPPPPPPP 6 66667610UPPPPPPPPP Pll Pll Pll Pll Pll I11111 PPP Pu Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pi2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 Pl2 J4=自営業1 =所 得Pt =神 経質P8 =活 動性P.2 =社会的 外向 性

考えられる。第1 の原因 は, デ ータ自体 の問題であ る。使用した概念を 適切

に表現し たデ ータが使われてい るか, とい うこ とであ る。第2 の原因 は,使

用した変数 の選択 が正し かったか否かであ る。第3 の原因 は,今回とりあげ

た変数以外 にもとりあげ るべき変数が,考えられ ることであ る。 第4 の原因

は,原因 と結果を単純 な回 帰方 程式 の形 で定式化し たこ とであ る。

第1 のデ ータ面での原因に 関し ては,心理変数にのみ,この問題点が指摘

されるだろ う。矢 田部・ギルフ ォード以外の尺 度を採用す ることも考えられ

るが,理論的 にどの ような尺度を使用すべきかを 明らかにす ることは困難で

あ り,矢 田部・ギルフ ォードの尺度の利用 が誤 まりである とい うこ とも言え

I II

(9)

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(10)

消費者行動の要因分析に関する一考察87 ない。 し た が って , と りあ え ず以 後 の分 析 で もこ の尺 度を 利 用 す る。 第2 の 変 数 面 で の原 因 に関 し て は, 多 く の論 者 に共 通し た 変 数 を と りあげ てい る の であ るか ら ,そ れほ ど選 択 が 間 違 っ て い た と は 言え ない であ ろ う。 とはいえ ,所 得 の種 類 に は可 処 分所 得,1 人 当 り所 得 と い った 代替 的 な変 数 もあ る 。 また , 職業 変 数 乱 あ る 意味 で は ラ イフ ス タ イル の 代 理変 数 とな る が ,耐 久 消 費財 の購買 を よ り適 切 に説 明 す る ラ イフ ス タ イル 変 数を 考え る べ き であ っ た か も知 れな い 。 第3 の 変 数 選択 の間 題 に 関し て は , 本 分 析 で は 不 十 分 な点 がい くつ かあ る。 耐 久 消費 財 の購 入 の 意 思決 定 に大 きく 影 響 す る 要 因 は 他 に もあ る。 た とえ ば , 所 得 とい っ た フa − では な く , スト ッ ク変 数 で あ る 資 産 (金 融 資 産, 不 動産 , 各 種耐 久 消 費 財etc. )の 保有 状 況 も独 立 変数 に導 入す べ き であ った か も しれ な い 。 第4 に, 最 も大 き な原 因 と考 え ら れ る の は , 消 費 者 行動 とい っ た 複雑 な メ カ ニズ ムを1 本 の方 程式 で 表 現し よう とし た こ と であ る。 そ こ に,多 元 的 な 因果 関 係を 分 析 に も ち込 む こ と に よ り, 説 明 力 の向 上 が 期 待 で きる か もし れ ない。 重 回 帰 分析を ,1 次 元 的 な アプp −チ とす る なら ば , パ ス解 析は , 独 立 変数 間 に 複雑 な 関 係を 想 定 す る2 次 元 的 アプ ロ ーチ と 言え る。 5. パ ス 解 析j (1) パ ス 解 析 と は 上 パ ス 解 析 は , 相 関 関 係 か ら 因 果 関 係 の 強 さ を 推 定 す る 手 法 で あ る22し そ の 原 理 は , あ ら か じ め 想 定 し た モ デ ル に 対 応 し て , 逐 次 的 連 立 方 程 式 を 立 て , い く つ か の 仮 定 の も と に23), パ ス 係 数 ( 関 係 の 強 さ を 示 す 数 値 ) を 求 め る こ と に あ る 。 ・ .I こ の 方 法 に も と づ き , 前 節 の 重 回 帰 分 析 で 最 終 的 に 使 用 し た 要 因 , す な わ ち , 性 別 , 年 齢 , 職 業 , 性 格 ( 抑 う つ 性 , 非 協 調 性 , 支 配 性 ), 所 得, そ し て 耐 久 消 費 財 の 所 有 種 類 数 あ る い は 所 有 ・ 非 所 有 の 要 因 開 に 因 果 関 係 を 仮 定 し , 構 造 化 を 行 っ た 。 (2) モ デ ル の 概 要III2 の モ デ ル を 設 定 し た 。 こ の モ デ ル で は , 耐 久 消 費 財 の 所 有 種 類 数 や 所 有 ・ 非 所 有 に 直 接 に 影 響 を 与 え る 要 因 と し て , 個 人 の 性 格 特 徴 を あ ら 石 す 心 理 , 製 品 の 購 買 能 力 に 大 き な 影 響 を 与 え る と 思 わ れ る 所 得 を 考 え る 。 心 理

(11)

表6 回 帰 従 属 変 数 独 立 定 数 項 性 別 年 齢 無 職 農 業 サ ラ リ ー マ ン 所 有 数 6.952(4.74)**0.360 (0.37) −0.029( −0.73) 0.476(0.24) 1.677(0.84) 1.542(1.03) VTR 0.169(0.47) 0.382 (1.59) −0.020 ( −2.05) 0.256(0.53)−0.452(-0,93)0.415(1.41) 電 子 レ ン ジ 0.080(0.19)−0.289 (-1.05) 0.020 (1.81) −0.495( −0.89) 0.475(0.85)−0.476( −1.14) エ ア コ ン 0.347(0.79)−0.242(-0.83)0.008(0.65)−0.168( −0.28) -0.435( −0.73) −0.122(−0.27) 混 風 ヒ ー タ ー 0.579(1.32)-0.095( −0.32) −0.003 (-0.27) 0.199 (0.33) 0.572(0.95) 0.068(0.15) ピ ア ノ 0.372(0.94) 0.136 (O.51) ぐ−0.006−o.ss ) 0.129(0.24) 0.922(1.72) 0.386(0.95) 注 ) ( )内 の数 字 はt 値 性 別 瓦 八i 職業

で呵

万 言 鸞 ¬

心R

八4 図2 パス解析の為のモデル ヤ ↓ =. 所 有 ・ し非 所 有 Xe

と所 得に影響を 与えるもの とし て ,性別,年齢,職業を考え る。 これら, 性

別,年齢,職業よ, 直接に耐久 消費財の所有・非所有 に影響を与えず,心理

と所 得といった 要因を 介し て,所 有・非所有に間接的に影響を 与える と仮定

(12)

分 析 の 結果 消 費 者 行 動 の要 因 分 析 に 関 す る一 考 察 89 変 数 自 営 業 所 得 抑 うっ 性 非 協 調 性 支 配 性 2.200 (1.57) −0.000 ( −0.17) −0.030 ( −0.52) 0.005 (0.06) −0.014 ( −0.24) −R2 =O.125F 値 =0.63 ,PR >F =0.98 0.525 (1.48) −0.000 ( −0.52) −0.035 ( −2.44) 0.051 (2.71)* 0.012 (0.84) R2 =O.285F 値 =1.75,PR >F =0.10 −0.115 ( −0.28) 0.000 (0.41) −0.009 (-0.54) 0.010 (0.47) 0.009 (0.57) −R2 =O.223F 値 =1.26,PR >F =0.28 0.162 (0.37) 0.00,0 (1.09) 0.004 (0.22) −0.014 ( −0.59) 0.002 (0.14) R2 =O.141F 値 =0.72.PR >F =0.70 0.180 (0.41) 0.001 (1.66) −0.004 ( −0.25) −0.025 ( −1.06) −0.007 ( −0.42) 瓦2=O.127F 値 =0.64.PR >F =0.97 0.257(0.66)0.000 (0.17) 0.004 (0.25) −0,020 ( −0.97) −0.013 ( −0.79) R2 =O.127F 値 =0.64,PR >F =0.77 * \% 水 準 で有 意 **0.1 % 水 準 で有 意 し た 。 図2 の 内 容 を 数 式 化 す る と , 次 の よ う に な る 。 瓦 = 八1 瓦 十 八2 瓦 乱 = 几 ×i 十 几^ 瓦 十 几zXs 十P 嶋χ5 十PauR も 瓦 = 八l 湿 十 几2×2 十 几s 愚 十 几 む柘X6 = 几4×4 十 几^ 瓦 十 几w^tも :Xi : 性 別x. : 年 齢Xz : 職 業Xa : 心 理 ( 抑 う つ 性 , 非 協 調 性 , 支 配 性 の3 つ の 場 合 に 分 げ て 分 析 を 行 う )Xs : 所 得Xe : 耐 久 消 費 財 の 所 有 種 類 数 , 所 有 ・ 非 所 有 几1 , 八2 ,Pil, ?42, ?43, 几5 ,?扨 ,?5U 几2,-P53 ,?b ひ,?ei,?e5,?油: そ れ ぞ れ の 変 数 の パ ス 係 数

(13)

孔 :心理 の残差変数

瓦 パ 所 得の残差変数

払 バ 耐久 消費財の所有種類数,所 有・非所有の残差変数

上式 は,前述 の重回帰式 と次の点 て異なる。「パ ス解析では, 残差変数を 含

めてす べての変数はあらかじ め標準化さ れてい ると考え るので,定数項がな

いだけ で なく,残差変数にも係数 がっ く。 また,外生変数 は,残差項だげ か

ら成 り立っ わげ でぱなく,しかし また,他から どのような因果 関係を受け て

いるかの前提は何 もないので,外生変数に対して は方程式を 立てない 。

」24)

図2 で, 心理と表示 されている変数(数式 ではX4 )は, そこに抑 うっ 性,

非協調 性,支配性の3 種類の変数が,別個 に代入 される。 換言すると,3 つ

の 性格変数ごとに,個 々のモデ ルが 作成され る。そして,これらの3 つのモ

デルは,心理の内容がかおるだけ で,形式は同一である。し たがって,そ れ

表7 パ ス 解 析 に 含 性 別Xi 年 齢Xi 職 業Xs 抑 うっ 性X4 非 協 調 性X4 支 配 性X4 性 別Xi 1.000 年 齢X2 0.188 1.000 職 業X3 0.323 0.612 1.000 抑 うっ 性X4 0.013 −0.085 0.121 L000 非 協 調 性X4 −0.114 −0.004 0.101 0.595 1.000 支 配 性X4 −0.133 0.156 0.208 −0.434 −0.277 1.000 所 得Xs 0.188 0.206 0.025 0.202 0.265 −0.131 所 有 数Xg 0,104 0.067 0.105 −0.184 −0.170 0.119 VTRXe 0.111 −0.105 0.064 −0.241 0.055 O.188 電 子 レ ン ジXfi 0.022 0.247 0.125 −0.185

−0.0n

0.159 エ ア コ ン χ6 −0.006 0.198 0.103 −0.067 −0.077 0.052 温 風 ヒ ー タ ーXe 0.006 −0.027 0.047 −0.137 −0.180 0.015 ピ ア ノXe 0.111 −0.105 0.074 −0.029 −0.172 −0.019

(14)

: 消費者行動の要因分析に関する一考察91 ぞ れの 従 属 変 数 であ る耐 久 消費 財 の 所 有 種 類 数,VTR の 有 無 ,電 子 レ ン ジ の 有無 , エ ア コ ンの 有無 , 温 風 ヒ ータ ーの有 無 , ピ ア ノの 有無 にた いし て ,3 う の モ デ ル ご とに 異た った 性 格 変 数 に よる パ ス係数 が 計 算 さ れる。 (3) パ ス 係数 の 推定 方 法 前述 の モデ ル の パ ス係数 を 実 際 に 求 め る 。 想 定し た モ デ ルに お いて は , カ テ ゴリ ーで 表 現 され る 職業 変 数 か お る。 普 通 , パ ス係 数 を 求 め る最 も簡 単 な 方 法は , 通常 の最 小 自乗 法 を 用 い る こ と であ るが , こ の よ うな カ テ ゴ リ ー変 数 にた い し て , そ れを 用 い る と, カテ ゴ リ ーの数 だげ パ ス 係数 が 出 て し ま う。そ うな る と分 析が 非 常 に 複雑 に な る。 こ れを 回 避す る 為 に, 道 具的 変 数 法(Instrumentalvariableprocedure )を 利 用 した25)26)。 こ の 道 具 的変 数 法 は ,基 本 的 には , 方 程式 に 道具 的 変 数を か け て期 待 値 を 導 出 し ,簡 約 化 し , 解を 得 る方 法 であ る。 し た が っ て , 道 具 的 変 数 法 に 必 要 な も のは , 構 造方 程 まれる変数の単相関 所 得X5 所 有 数Xe VTR Xe 電 子 レ ン ジXs エ アコンXe温 風 ヒ ー タ ー χ6 ピ ア ノXfi 1.000 −0.024 1.000 −0.068 0.509 1.000 0.093 0.576 0.083 1.000 0.150 0.599 0.127 0.554 1.000 0.172 0.624 0.284 0.269 0.405 1.000 0.021 0.484 0.175 0.083 0.045 0.120 1.000

(15)

92 表8 パス解析の計算 P31 P32 P41 P42 P43 所 有 数 1 抑 うっ 性 0.216 0.571 −0.089 −0.341 0.352 2 非 協 具 匝 0.216 0.571 −0.236 −0.214 0.300 3 支 配 性 0.216 0.571 −0.200 0.078 0.228 VTR 4 抑 うっ 性 0.216 0.571 −0.089 −0.341 0.352 5 非 協 調 性 0.216 0.571 −0.236 −0.214 0.300 6 支 配 性 0.216 0.571 −0.200 0.078 0.228 電 子 レ ン ジ 7 抑 うっ 性 0.216 0.571 −0.089 −0.341 0.352

8

非 協 調 性 0.216 0.571 −0.236 −0.214 0.300 9 支 配 性 0.216 0.571 −0.200 0.078 0.228 エ ア コ ン 10 抑 うっ 性 0.216 0.571 −0.089 −0.341 0.352 11 非 協 調 性 0.216 0.571 −0.236 −0.214 0.300 12 支 配 性 0.216 0.571 −0.200 0.078 0.228 温 風 ヒ ー タ ー 13 抑 うっ 性 0.2 ニ16 0.571 −0.089 −0.341 0.352 14 非 協 爵 陸 0.216 0.571 -0.236 −0.214 0.300 15 支 配 性 0.216 0.571 −0.200 0.078 0.228 ピ ア ノ 16 抑 うっ 性 0.216 0.571 −0.089 −0.341 0.352 17 非 協 調 性 0.216 0.571 −0.236 −0.214 0.300 18 支 配 性 0.216 0.571 −0.200 0.078 0.228

式 中に含 まれる変数間 の単相関係数のみであ る27)

。表7 にそ の単相関係数を

示す。

(4) パス解析の結果

得られたパス係数は,表8 の通 りであ る。1 つの例 として従属変数(目的

変数)が,耐久 消費財 の所有 種類数で,心理変数に抑 うつ 性を代 入してい る

モデル(表8 の第1 行 目)を 例によ り説明をする。図3 に具体的数 値を書き

入れて示し てある。

(16)

結 果 ( パ ス 係 数 ) 消費者行動の要因分 析に関 する一 考察93 P45 P4M Pei P62 P53 P5 , P64 P66 Pew 0.280 0.909 0.204 0.308 −0,229 0.962 −0.187 0.014 0.983 0.346 0.871 0.204 0.308 −0.229 0.962 −0.176 0.023 0.985 −0.115 0.851 0.204 0.308 −0.229 0.962 0.118 −0.009 0.993 0,280 0.909 0.204 0.308 −0.229 0.962 −0.237 −0.020 0.970 0.346 0.871 0.204 0.308 −0.229 0.962 0.079 −0.089 0.995 −0.115 0.851 0.204 0.308 −0.229 0.962 0.182 -0,044 0.981 0.280 0.909 0.240 0.308 −0.229 0.962 −0.212 0.136 0.974 0.346 0.871 0.204 0.308 −0.229 0.962 −0.038 0.103 0.995 −0.115 0.851 0.204 0.308 −0.229 0.962 0.174 0.116 0.981 0.280 0.909 0.204 0.308 −0.229 0.962 −0.101 0.170 0.984 0.346 0,871 0.204 0.308 −0.229 0.962 −0.126 0.183 0.981 −0.115 0.551 0.204 0.308 −0.229 0.962 0.073 0.160 0.986 0.280 0.909 0.204 0.308 −0.229 0.962 −0.179 0.208 0.969 0.346 0.871 0.204 0.308 −0.229 0.962 −0.243 0.236 0.957 −0.115 0.851 0.204 0.308 −0.229 0.962 0.038 0.177 0.984 0.280 0.909 0.204 0.308 −0.229 0.962 −0.035 0.028 0.999 0.346 0.871 0.204 0.308 -0.229 0.962 −0.191 0.072 0.983 −0.115 0.851 0.204 0.308 −0.229 0.962 −0.017 0.019 0.999

パス解析におけ る残差 パス係数(residualpathcoefficient)

の意味を 述

べる。 具体的 には, 図3 のRii' こかかる係数を示して お り,P4 ,(0.909),Ps

べ0.962),P6

●(0.983) がそれである。X4 ,X5,X6 の 分散にたいして,そ

れらに影響を 与える と仮定し た変数 によっては説 明で きない 割合が,残差パ

ス係数Piu,P^

,Pq ← の2 乗 に よって示される。 たとえば,F ‰(0.909)

の2 乗,0.826 は,X4 の分散にたいして,Xi,X2 ,X3,X5 の影響変数によっ

て説明できない 割合である。Ps*(0.962) の2 乗 は0.925 ,Pe

●(0.983)の2 乗

(17)

性 別 足 0.204

ブクニス≧く1 エレ才

与て匹

に゛戸 川

大 言

0.352ご

心 理 ( 抑 うっ 性) て0.089 瓦 −0.18710.909Ru 図3 従属変数が所有種類数,心理変数が抑うつ性の場合 凡

は0.966 とな り,それらが1おのお のの影響変数に よっては説明できない割合

であ る。

ちなみに,残差パス係数のすべての場合におけ る傾向を見 てみよう。心 理

(X4 )の残差 パス係数F ‰ の2 乗 は,0.72 ∼0.83の間 にあ る。所 得(X5 )の残

差 パス係数P5 . の2 乗 は,0.93 であ る。 耐久消費財の所 有種類数そし て所

有の有無(X6 )の残差パス係数 の2 乗 は,い ずれの場合でも0.92以上であ る。

この節の 目的が,回帰分析の ように耐 久 消費財の所有 種類数 と所有 の有無を

説明することだけであるならば,この パス解析に よっては良い 結果 が得られ

なかったと言 えよyう。し かし導 入し た変 数の構造化 とい う視点に立つ と,い

くつか の分析成果が得られ る。 なぜ ならば ,そ の説明力はそれ程大きくない

とはいえ,2 つ から4 つ の数少 ない変数 で, 他の変数の変動をio %弱から30

%弱の範囲で説 明しているからである。

そ れでは,個 々の変数がどの ように説明されてい るかを ,パス係数の値か

ら検討し よう。

パス係数Pij は,変数Xi

を 標準偏差で測定し ,その1 単位を 動かした と

き,変数X,

を 同様に標準偏差 で測 定し ,何単位動 くかを示す数値である。

モデルの設定では因果方向を指定し てい るので ,変数X,

から変数X ヅヘ の

因果 の大 きさ(影響度)を示 す数値 といえる。j

所有種類数を示すXe の原因 であ る心理X4 と所 得Xs 万 らの,影響 度の数

値P64 とP65 を比較す ると,心理 から所有 種類数ヘラパス係数P64 が¬0.187,

(18)

消費者行動の要因分析に関する一考察95 所 得か ら所 有 数へ の パ ス 係数 が0.014 とな っ てい る。 こ の 数 値 を 見 る限 り, 所 有 への影 響 の 強さ は ,所 得 よ りも 心理 的 特 性 の方 が 大 きい (単 純 に数値 上 の 計 算を 行 う と, 約13.4 倍大 き い ) と言 え る。 ト 相対 的 に ,耐 久 消 費 財 の 購 入 に 大 き な 影 響を 与 え る と判断 さ れ た 心理 ぱ , 何 に影 響 さ れ る のであ ろ うか 。 こ の パ ス 解 析 モ デ ル の結果 を 見 る限 り, 性 別 か ら 心理 へ の パ ス係 数P41 が ,-0.089 と極 端 に 低い 値 を示 し て お り,年 齢 か ら 心理 へ の パ ス係 数P42 は −0.341, 職 業 か ら 心 理 への パ ス係 数P43 は0.352, 所 得か ら 心 理 へ の パ ス 係数P45 は0.280 とな っ てい る。 年 齢 , 職 業, 所 得が 相 対 的 に大 きな 影 響を 与 え て い る こ とが わ か る 。 所得 は ,耐 久 消費財 の 購買 に 相対 的 に 大 き な 影響 を 与 え でい ない こ とは , 先 に示 し た 通 りで あ るが , 所 得 とそ の 他 の 要 因 と の間 に は ,若 干 の因果 関 係 が 見ら れ る こ と も付 記し てお く 。 年 齢 か ら 所 得 へ のパ ス係 数P52 は0.308 , 性 別か ら所 得へ の パ ス係数P51 が0.204, 職 業 か ら 所 得 へ の パ ス 係数P53 が −0.229 とな っ てい る。。(5)Wright の規 則 に よる 分 析 以上 , 従 属 変数 が ,耐 久 消 費財 の 所 有 種 類 数 であ り, 心 理 変 数 とし て は , 「 抑 うつ 性 」 を採 用 し た 場 合 の因 果 モ デ ル の パ ス解 析結 果 を 見 て きた 。そ の 結 果 ,い くつ か の有効 な 因果 関 係を 確 認 す る こ と はで き た が , モ デ ル の全 体 的 な 説 明力 は , 決し て 高 ぐは な か っ た 。 そ の 原 因 とし て は , モ デ ル に導 入し た 変 数が 十 分 で なか った と も考 え ら れ る。 そ こ で本 項 で は ,6 つ め 従 属変 数 と3 つ の独 立 変 数 の全 てを 組 み 合 わ せ て パ ス解 析を 牡 こ な った 全 体 的 な結 果 に 図4 相関の分解

(19)

関七 て考察をおこな う。 この考察は, とりわけ心 理変数 ,所 得変数,そして

従属変数の相互 関係に注目し て,従属変数に影響を 与える モデル外の他の変

数 の存在の可能性を 確かめるこ とを 目的 とす る。Wright

の規則を用い ると28)

,2 つの変数Xi

とXy の 相関係数は,Xi とX/

に関係する第3 の変数 とし てのX,

を含 める と,次 の ように 分解できる

(図4 参照 )

。rij

=?八十PkiPjk

単相関係数n バよ, パス係数P 戸,Pki,Pjfc の3 つに よっ て表現される。こ

の式 にri/,^バ,i^ki

,^jJcの計算をあ てはめ,両辺がWright

の規則通り,

同値になるならば,これらの変数 の間に除かれた変数がない と判断できる。

上式 に,心理的 特徴の中で,比較的す べての従属変数に対し て,大 きなパ

ス係数値を 持つ抑 うつ 性の場合を とりあげ,Wright

の規則を あてはめてみ

る。以下の式が導 出できる。r56

=?65+P45?64r46

=几4+?45

?65'9

実際の数 値を上式 の右辺 に 代入して得られるWright

の規則上 の 相関係数

(nj )と,原 デ ータから求めた相関係数(R.i)から,そ の差Zjj ≒r

り−R 瑶

を計算することができる。 このZ り を従属変数別 にまとめたのが,表9 であ

るo

所得(X5 )と従属変数(X6 )の関係を見 よう。従属変数 が耐久 消費財の所

有種類数,VTR

の有 無, ピアノの有 無の場合には,z の値は0.014 以下 と

非常に小さ な値 とたってお り, うまく因果 が成 り立ってい る と考えられる。

検証 のための変数 としては心理(X4 )の抑 うつ 性を使用し た。除かれた変数

表9

現実の相関係数とパス係数から求めた相関係数の差

所 得 ・ 目的 変 数 間 の 因 果 のZ 値 心 理 ・ 目 的 変 数 間 の因 果 のZ 値 1. 所 有 種 類 数2.VTR3. 電 子 レ ン ジ4. エ ア コ ソ5. 温 風 ヒ ー タ ー6. ピ ア ノ 0.014 0.030 0.131 0.188 0.210 0.059 0.001 0.058 0.002 0.116 0.046 0.154

(20)

消費者行動の要因分析に関する一考察97 が ない と 解 釈 で き る 。し か し , 従 属 変数 が電 子 レ ン ジ の有 無 , エ ア コン の有 無, 温 風ヒ ータ ーの有 無 の場 合 に は ,z の値 はい ず れ も0.131 以 上 と, 比較 的大 きな 値 とな っ て お り, 新し い 仲 介変数 の 必 要 性 が示 唆 さ れ る。 心理 (X4 ) と従 属 変 数 (X6 )の関 係 の検証 のた め に は ,所 得(Xs )を 第3 の変数 とし て 使 用 し た 。 従 属変 数 が耐 久 消 費財 の所 有 種類 数 ,VTR の有 無 , 電 子レ ン ジ の有 無 , 温 風 ヒ ータ ーの有 無 の場 合 に , う ま く因 果 が 成 り立 っ て い る。 除 か れた 変 数 が ない と解 釈 で き る。一 方 , 従 属 変 数 が エ ア コン の有 無 , ピ ア ノの有 無 の場 合 に は, 所 得 以 外 の 仲介変 数 の 必 要 性 が 示 唆 さ れ る。

6.

お わ り に

(1) 分析の成果

以上の分析をあ らためで,こ こで整 理する。重回帰 分析の手法を 用いて,

購買行動の タカ ニズムを明らかにし ようと試みたが,い ずれの方程式も十 分

説明力 のあ るものとは 言い難かった。 とはいえ,説 明力を みる とVTR

の所

有の有無では<ynO/ 電子レンジの所有の有無では22 % とな ってお り, 少数

の独立変数で,こ の程度の説 明力が得られた。回帰分析 にみられる ような線

型方程式 で, この程度の説明力があるとするならば,消 費者行動の メカ ニズ

ムをよ り反映した構造的 な手法を用いることに より, より大 きい 説明力を期

待することがで きた。

その為に,消費者の購買行動 におけ る影響要因 の因果 関係を モデル化し,

パス解析手 法を 利用し て,更に詳細な分析を行った。

パス解析 の結果 は,十 分な説 明力は得られなかった が,い くつか の重要な

発見は得られた。

従属変数 の残差 パス係数の2 乗 値をみると,独立変 数の数は4 つと,

非常に少 ない にもかか わらず,説明力 は重回帰方程式のそ れに比 べてそれほ

ど低下し てい ない。

個 々の パス係数 値から,変数間の因果関係を みる と,耐久 消費財のい

くつかの従属変数に関して,心理的特徴の方が,所 得 よりも大きく影響を与

え ているこ とが わか った。 またレ 全体的 にみると,仮定し た因果の矢印の存

在がある程度検証 された。

③Wright

の規則を 使用して,従属変数に影響を与え る モデル外の変数

の存在を確かめた。い くつかの場合には,新しい変数を導 入す るこ とに より,

(21)

説明力の向上が期待 できるこ とが判明し た。

(2) 今後の課題

本研究 において,独立変数 と従属変数に関 してい くつ かの問題点 が明らか

になった。

独 立変数 に関しては,購買行動を説 明す る為の重 要な変数が脱落してい た

可 能性がある。た とえば,心理的要因 として態 度,購買 意図とい う変 数を考

える ことができる3‰ 状況的 な要因 とし て,J.A.HowardandJ.N.Sheth

あ るい はF.M.Nicosia

らがあげ てい る,社 会階層,教育水 準,購買 の重

要 性,時間圧力 などの変数を含 めることも考えられる。

従属変数に関しては,個 々の耐久 消費 財の所 有・非所有 とい う観点から,

分析を進めていた。しかし,耐久消費財 は製品 種類 の組み合せによる所有 が

大 きな意味を 持ってい る。 より快適な生活 (空間)の形成 とい う立場に立つ

ならば,消費者は製品を ランダムに購買する とい うより 乱 あ る方針を持 っ

て製品を 購買す 疋

。すなわち, 消費者は自分の求める生活 に合わせて,製品

を 組み合せる とい う特性を持って い る。し たがって,従属変数は,この よう

な 消費 者の特 性を反映す るような形 で定義され,測定し なけ 且ばならなト 。

*本研究は,文部省, 科学研究費補助金奨励研究(A )の研究助成を受けており, ここに深く感謝 の意を表します。 注 1) 効用理論は,1870 年代におけるイギリスのJevons, オーストリアのMenger, スイスのWalras ら3 人 の同時発見的な理論であ る。しかし,この理論には2 つ の欠陥が存在し ていた。すなわち,第1 は効用り可測性 の前提の欠 陥,そして, 第2 は単一財の理論であ った, とい うことである。

この2 つの欠 陥は,Pareto によって克服された。Pareto はEdgeworth の「無

差別曲線」の概念を使用し ,測定を前提とした等しい効用とい う代わりに,消費 者選択における無差別とい う経 験的事実に立脚し,効用の可測性を迂回したので ある。それは同時に,無差別曲線にもとづく為に,単一理論でなく,2 財以上の 関連を考慮する連関財の理論でもあった ので,効用理論の第2 の欠陥をも解決す ることになった。ここ におい て,いわゆる効用理論から「選択理論」への転換が なされた。Hicks は, これらのことを更に拡充, 精緻化した。 まず, 彼は効用理論を徹 底的に排除して,二経験的に確定し うる選択理論に徹した。そして,消費者均衡の

(22)

消費者 行動の要因 分析に関する一 考察99 決 定 を2 財 か ら多 数 財 に わ た っ て 洗 練 さ れ た 形 で定 式 化 し , さ ら に , 価 格 が 変 化 し た 場 合 , ま た は 所 得 が 変 化 し た 場 合 の 消 費 者 均 衡 が い か に 変 化 す る か の分 析 に 進 ん だ 。 代 替 効 果 , 所 得 効 果 , 代 替 ・ 補 完 関 係 の 分 析 と , こ れ ら の 諸 関 係 を 集 約 し た 「 消 費 者 選 択 の基 本 方 程 式 」 の 定 式 化 が 彼 の業 績 で あ る 。 佐 藤 豊 三 郎 「 ヒ ッ ク ス の 理 論 」 , 木 村 健 康 監 修 『 現 代 経 済 理 論 の エ ッ セ ン ス 』, ぺ りか ん 社, 昭 和51 年,68 ∼70 頁 。J.R.Hicks,ValueandCapital,OxfordUniv.Press,1939 安 井 ・態 谷 訳 『 価 値 と 資 本 』 岩 波 書店 , 昭 和26 年 。2 ) 学 習 理 論 に は , 連 合 説 (S-R 説,Stimulus-Responsetheory ) と 認 知 説 (S-S

説 ,Sign-Signi 石catetheory ) の2 つ が あ る 。 前 者 に はPavlov の 条 件 反 射 学 ,Thorndike

結 合 説 ( 効 果 あ るい は 強 化 の 法 則 ),Hull の 動 因 低 減 説,Guthrie の

接 近 説,Skinner の記 述 的 行 動 主 義 な ど が あ り, 後 者 に はLewin の場 理 論 やTolman

の 認 知 期 待 ( サ イ ン ・ ゲ シ ュ タ ル ト ) 説 ,Kohler の ゲ シ ュ タ ル ト 説 な と か あ る 。 ま た 学 習 成 立 の 必 要 条 件 とい う点 か ら に, 欲 求 の満 足 を 必 要 とす る 強 化 説 ( 効 果 説 ) とそ れを 必 要 とし な い と す る 非 強 化 説(接 近 説 八 こ分 か れ る 。 強 化 説 に は ,Thorndike,Hull, そ し てSkinner ら が , 非 強 化 説 に は,Guthrie,Lewin,Tolman そ し てWatson ら が い る 。 ま た , 学 習 を 説 明 し よ う と す る と きレ す べ て 同 一 の 原 理 だ け で 説 明 し よ う と す る 一 元 論 者 と2 つ ま た は そ れ以 上 の 原 理 で 説 明 し よ うと す る 多 元 論 者 が い る 。Skinner そ し てMowrer が 多 元 論 者 とみ な さ れ て い る 。 久 保 良 敏 監 修 『 心 理 学 図 説 』, 北 大 路 書 房 , 昭 和57 年 ,70 ∼88 百 。 宮 城 音 弥 編 『 心 理 学 辞 典 』, 岩 波 書 店 , 昭 和54 年 ,31 頁0 依 田 新 , 本 明 寛 監 修 『 現 代 心 理 学 の エ ッ セ ン ス 』, ぺ り か ん 社,昭 和47 年 ,5頁 。3 ) 動 機 づ け に た い す る 考 え方 , モ デ ル に 関 し て 乱 こ心 理 学 者 問 に い く つ か の 立 場 が あ る √ 心 理 学 に お け る 代 表 的 な3 つ の モ デ ル を 見 て み る と, ホ メ オ ス タシ ス ・ モ デ ル , 誘 因 モ デ ル , 認 知 モ デ ル が 一 般 に 指 摘 さ れ る 。 ホ メ オ ス タシ ス ・ モ デ ル は,Cannon,Freud レ そ し てHull ら が 主 張 す る も の で , 刺 激 ア反 応 モ デ ル と 呼 ば れ る 。 そ の 基 本 的 仮 定 は, 有 機 体 は 刺 激 作 用 の 低 減 を求 め る とい う も の であ る 。 誘 因 モ デ ル は, ■Harlow,Young そ し てMcCleland ら が 主 張 す る モ デ ル で, 快 楽 説 に 端 を 発 し て い る 。 基 本 的 仮 定 は , あ る 外 部 刺 激 は力 動 的 効 果 を 持 つ とい う も の でヽあ る 。 認 知 モ デ ル はWoodworth,Festinger ら の主 張 す る モ デ ル で , モ の 基 本 的 仮 定 は , 外 部 , 内 部 刺 激 が 欠 如 し て い る と き で 乱 有 機 体 は そ れ 自 身 活 動 的 であ る とい う も の で あ る 。 〕 松 山 義 則 『人 間 の モ チ ベ ー シ ロ ンJ , 培 風 館 。 昭 和56 年 ,2 ∼6 頁 。ごMednick,HigginsandKirschenbaum,Psychology :Kxplor μtiansinBehaviorandExperience,JohnWiley&;Sons,1975 よ 外 林 , 島 津 編 著 『 心 理 学 概 論 一行 動 と 経 験 の 探 究 ふ 誠 信 書 房 , 昭 和54 年,77 ∼81 頁 。 ニ …… … ▽/

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4) 態 度 の定 義 に 関 し て は ,論 者 に よ り さ ま ざ ま で あ る丿 れ ば , 態 度 と は 何 ら か の 選 好 的 な 方 法 に よ りあ る 対 象 や 状 況 に た い す る 先 有 的 な 傾 向 を も っ た 信 念 の 比 較 的 永 続 的 な 組 織 で あ る , とい う 。 最 近 で はFishbein とAjzen ら は , 一 定 の 対 象 に た い し て , 一 貫 し た 好 意 的 あ る い は 非 好 意 的 な 方 法 で 反 応 す る 学 習 さ れ た 先 有 傾 向 で あ る とい う態 度 の定 義 が 一 般 的 に 受 け 入 れ ら れ て い る と し て い る。 そ こ に お い て は , い ず れ に し て 乱 「 一 貫 性 」 ,「 先 有 傾 向 」 モ し て 「 学 習 さ れ た 」 と い う も の が キ ー ワ ー ド で あ る と述 べ て い る 。M.Rokeach,TheNatureofAttitude,inJ.B.Cohened.,BehavioralScienceFoundationsofConsummerBehavio ・,TheFreePress,1972,p.205.M.FishbeinandI.Ajzen,Belief,Attitude,IntentionandBehavior :AnIntroductiontoTheoryandResearch,Addison-Wesley,1975,pp.5 ∼11. 猪 股 佐 登 留 著 『 態 度 の 心 理 学 』, 培 風 館 , 昭 和57 年,8 ∼11 頁,50 53 頁 。5 )LeonFestinger ,ATheoryofCognitiveDissonance,Row,PetersonandCompany,1957, 末 永 俊 郎 監 訳 『 認 知 的 不 協 和 の 理 論 』, 誠 信 書 房 , 昭 和40 年 。6 )E.Katzandp.F.Lazarsfeld,PersonalInfluence,TheFreePress,1955, 竹 内 郁 郎 訳 「 パ ー ソ ナ ル ・ イ ン フ ル ニ ソ スーオ ピ ニ オ ソ ・ リ ー ダ ー と人 び と の 意 思 決 定 」], 培 風 館 , 昭 和40 年 。7 )Rogers,E.M.,DiffusionofInnovation,TheFreePress,1762, 籐 竹 暁 訳 『 技 術 革 新 の 普 及 過 程 』, 培 風 館 , 昭 和41 年 。Rogers,E.M.andShoemaker,E.F.,CommunicationofInn 〔ovation,TheFreePress,1971.8)JagdishN.Sheth ,"AReviewofBnyerBehavior",ManagementScience,Vol.13,No.12,August1967,pp.718 ∼786.9 )トNicosia,F.M.,ConsumerDecisionProcesses-MarketingandAdvertisingImplications,Prentice-Hall,1966., 野 中 ・ 羽 路 訳 『 消 費 者 の 意 思 決 定 過 程 』, 東 洋 経 済 新 報 社 , 昭 和54 年 。10 )J.F.Engel,D.T.Kollat,andR.D.Blackwell,ConsumerBehavior ,Holt,RinehartandWinston,1968, 彼 ら は , 最 近 著 者 の1 人 が 入 れ 代 わ り,Engel,Blachwell そ し てMinard の 組 み 合 せ で “ConsumerBehavior" の 第5 版 (1986 年 ) を 出 し て い る 。11 )J.A.HowardandJ.N.Sheth,TheTheoryofBuyerBehavior,JohnWiley&Sons,1969.12 )C.GlennWaltersandGordenw.Paul,ConsumerBehavior-AnInte ,gratedFramework,RichardD.Irwin,1970, 佐 々 木 土 師 二 監 修 『 体 系 消 費 心 理 学 』,R 出 版 , 昭 和49 年 。13 )JamesR 。Bettman,AnInformationProcessingTheoryofConsumerChoice,Addison-Wesley ,1979.

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消費者行動の要因分析に関 する一 考察10114 )J.U.FarleyandL.W.Ring,DerivinganEmpiricallyTestableVersion げtheHoTvard-ShethModelofBuyerBehavior,inJagdishN.Shethed.,ModelsofBuyerBehavior-Conceptual,QuantitativeandEmpirical,Harper&Row,1974,pp.137 ∼159.15 )Richardp.Bagozzi,CausalModelsinMarketing,JohnWiley&Sons,1980. ∧16 ) ち な み に , そ れ ぞ れ の 製 品 の ア ン ケ ート 対 象 者 の 大 体 の所 有 率 を 示 す と 以 下 の よ う に な る 。VTR =27%, 電 子 レ ン ジ =60 %, エ ア コ ン =56 %, 温 風 ヒ ー タ ー =44 %, ピ ア ノ =27 % 。17 ) 重 回帰 式 に お い て ,〔1 ,0〕の ダ ミ ー 変 数 で 表 現 さ れ る 定 性 変 数 を そ の ま ま 入 れ て 計 算 す る 場 合 に は , 注 意 が 必 要 で あ る。 す な わ ち , 定 性 変 数 項 の ア イ テ ム に お い て は , 各 ア イ テ ム 内 の1 つ の カ テ ゴ リ ー に 相 当 す る 列 は, 他 の 列 の 一 次 結 合 で 表 現 さ れ る こ と が で き , ア イ テ ム の 数 に 相当 す る だ け の ラ ン ク落 ち が 生 じ る 。 こ の よ うな 場 合 , 逆 行 列 の 計 算 が で き ない 。 そ こ で , こ の こ とを 解 消 す る 為 に , ア イ テ ムの 第1 カ テ ゴ リ ー に 相 当 す る 列 を 取 り除 い た デ ー タ 行 列 で も っ て , 回 帰 分 析を 行 わ な け れ ば な ら ない 。し た が っ て , 当 重 回 帰 式 に お い て は , 性 別 に お け る 女 性 カテ ゴ リ ー , そ し て 職 業 に お け る 学 生 カ テ ゴ リ ーを 取 り 除 い て 分 析 を 行 っ て い る 。J.Johnston,EconometricMethods,McGraw-Hill,1963,pp.178 ∼181.18

)SASInstituteinc 。,SASUsersGuide:Statistics1982edition,pp.139 ∼199.Berenson

,LevineandGoldstein,IntermediateStatisticalMethodsandApplications-AconceptualPackageApproach,Prentice-Hall,1983,pp.326 ∼364. 19)SASInstituteinc.,op.cit. ,pp.85 ∼90.20 ) 独 立 変 数 間 に 大 き な 相 関 が あ る と き に, そ の よ う な 独 立 変 数 を 含 め た ま ま で 回 帰 計 算 を 行 な う と, 推 定 回 帰 面 の ふ れ が 大 き く な り, 良 い 推 定 が 行 え ない 。 山根 太 郎 『 統 計 学( 下 )』, 青 学 出 版 , 昭 和48 年 ,401 −402 頁 。PaulE.Green,AnalyzingMultivariateDATA,TheDrydenPress,1978,pp.226 ∼230.21 ) 普 通 ,2 値 変 数 か ら な る 定 性 変 数 間 の 相 関 は, 四 分 点 相 関 係 数 を 用 い る が , こ こ で は ピ ア ソ ン の 相 関 係 数 を 使 用 し 計 算 を 行 っ てい る。 ピ ア ソ ン の 相 関 係 数 の 特 別 な 場 合 と し て, 四 分 点 相 関 係 数 が 導 か れ る の で, ピ ア ソ ン の 相 関 係 数 は , 四 分 点 相 関 係 数 に 一 致 す る 。 芝 祐 順 , 渡 部 洋 , 石 塚 智 一 編 『 統 計 学 辞 典 』, 新 曜 社 , 昭 和59 年,104,148 頁 。22 ) こ の手 法 は 生 物 統 計 学 者s.Wright が 開 発 し た とい わ れ る 。 偽 似 相 関 の 問 題 を 考 察 し たH.A レSimon の方 法 , そ し て 彼 の因 果 検 証 法 の 多 変 量 モ デ ル へ の拡 張 で あ るH.M.Blalock の 方 法 が あ る 。 こ の パ ス 解 析 は , 社 会 学 で は よ く 使 わ れ

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て い る √Simon とBI ざlock の 方 法 は , ま と め てSimon-Blalock の 方 法 , あ るい はBlalock の方 法 と 呼 ば れ てい る 。し か し , そ れ は ,Wright の パ ス解 析 の「 特 殊 な 場 合 」 あ る い ぱ 「 弱 い 形 態 」 とし て 位 殷 づ げ ら れ る 。HerbertB.Asher ,Cα匹2Z 訂 心 沁 匹 ,SagePublications ,1976,pp.14 ∼15. 広 瀬 弘 忠 訳 『 因 果 分 析 法 』, 朝 含 書 房 , 昭 和55 年 ,11 頁 。 安 田 三 郎 , 海 野 道 郎 著 『 改 訂2 版 社会 統 計 学 』, 丸 菩 , 昭 和52 年 ,225 頁 。23 ) 残 差 項 と炭 数 に 関 し 七 次 の3 つ の 仮 定 が お か れ る 。1. シ ス テ ム外 の 要 因 が, 変 数 瓦 比及 ぼ す 影 響 ( す な わ ち 残 差 項 ) 心 ぱ , 兄 に 因 果 を 及 ぼ す 他 の 諸 変 数 の そ れ ぞ れ と無 相 関 で あ る。2. 兄 に 対 す る 残 差 項 心 と,xj に 対 す る 残 差 項 り 関 係 ぱ 無 相 関 で あ る 。3. 変 数 は す べ て ( 外 生 変 数 , 内 生 変 数 , 残 差 変 数 と も )平 均0 , 分 散1 に 変 換 さ れ て い る, す な わ ち 標 準 化 さ れ て い る 。 安 田 三 郎 , 海 野 道 郎 , 同 上 書 ,228 頁 。24 ) 安 田 三 郎 , 海 野 道 郎 , 前 掲 書 ,241 頁 。25 ) 例 とし て , 道 具 的 変 数 法 に よ っ て 相 関 係 数 か ら パ ス 係 数 を 求 め る方 法 を 勾 の 方 程 式 を 用 い て 示 し て み る 。 上 莉 = 八4ヱ4十 八 ば5十 乃w 沢g ●●●●●●(1) あ る 方 程 式 の 説 明 変 数 は, そ の方 程 式 中 の 残 差 項 と は 無 相 関 で あ る と い う前 提 が あ る の で , こ の 例 で は,jr4 と 心 が 道 具 的 変 数 とし て 利 用 で き る 。 そ こ で, ま ずJ4 を 道 具 的 変 数 とし て利 用 す る と,(i)式 の 両 辺 に 道 具 的 変 数 心 を 掛 け る 。 肩 勾 = 八4ぶ42十八μ4ぶ5十?65 で4Rg 次 に 両 辺 の 期 待 値 を とる と, £(J4 ヱ6)= 八4£( ヱ42)十 八5£(J4J5 )十八 回£ 収 訳 司 パ ス 解 析 で は, 残 差 項 を 含 め て , す べ て の 変 数 は あ ら か じ め 標 準 化 さ れ て い る と 考 え る の で , 上 式 は以 下 の よう に な る 。 £(J ぱ6 非 rte ↓ 八u・1 廿 Pu ・TiZ 0 1 ご 几 上式で最期の項は,道具的変数XA はその方程式中 の残差項とは無相関であるとt ヽう前提があるので,0 となる。もう一岸上式を書き直す と,r46 =八4+ ‰?'45……(2) 次に同様にして,(1)式に今度は道具的変数XK を掛ける。 ぶiぶG=P6i^i^5+?65X5^+几おl^b尺w 同様に期待値をとると, £(Xば6)=几i£価侈5)十几5£(ヱ52)十几回£ぱ 消 ○ したがって,r56 =八4^45十几5 ……(3)(2) 式と(3)式の連立方程式から,Pu と 几5 について解くわけ である。

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r46-?u 十八^ri5 … …^56 =^4^45 +?65 … … 両 辺 を 並 び 変 え る と, 几4+γ45几5=?"46{r45 几4十 八5こ^56 上 式 を 行 列 表 示 に す る と, 1 ^45 r45 1 几4 几5

几. 八5 を 求 め る に は , 1 (2) (3) に ) 消 費者 行 動 の 要 因 分 析 に 関 す る一 考 察

上式に( ス5?5)

103 の 逆 行 列 を 左 か ら 掛 け てや れ ば よ い 。 r45 r451

ド 心 丿)

\P

≪J

< ブ )

具体的な数値を上式に代入すると 1.043 −0.211 −0.211 1.043 0 1 202 5"46 r56 0.202 几41.0431) ■(八) ニニ( −0.2n

げ お(

ご)≪ 二ノ エル 二 二 二)

言 千 広)

−0.211 1.043 次 に残 差 パ ス 係 数 を 求 め て み る 。 残 差 パ ス 係 数 の= 般 形 はVl こ ぶ で 表 わ さ れ る ( 詳 し く は 安 圧I, 海 野 , 同 上 書,242 ∼243 頁 )c:し た が っ て , 残 差 パ ス係 数 几w は 几 。= ,lス フ司 ヱ こ こ で は,R^sA5 =0,0339 で あ る の で,P ‰ = 好 一0.0339 =0.98326 ) さ ら に も う1 つ 条 件 を 加 え て , 必 要 以 上 の 道 具 的 変 数 が 利 用 可 能 な と き は , 当 該 の 構 造 方 程 式 め な か に現 わ れ る 道 具 的 変 数 の み に , 使 用 を 限 っ て 推 定 を 行 え ば 回 帰 的 方 法 に よ る 結 果 と道 具 的 方 法 に よ る 結 果 が 等 し く な る 。HerbertB.Asher,op.,cit.,pp.31 ∼32 . 広 瀬 弘 忠 訳 , 前 掲 書,31 頁 。27 ) 職 業 と 他 の 変 数 と の 相 関 に 関 し て 若 干 の 注 意 が 必 要 で あ る 。Johntson に よ れ ば , 一 般 に 重 相 関 係 数 は , 従 属 変 数 と独 立 変 数 の 間 の 共 変 性 の 尺 度 とし て 解 釈 で ざ る 。 そ こ で , 職 業 変 数 を 他 の 変 数 に 回 帰 さ せ る こ と に よ っ て , そ の 重 相関 係 数 を そ れ ら の 聞 の 単 相 関 係 数 の 代 わ り とし た 。Johnston,op.,cit. , 山 根 太 郎 , 前 掲 書,344 頁 。 砂 助22 Asher,op.,cip.,pp.37 ∼38. この項の効果は,実際的な意味を担 う間接効果にたいして, 偽似効果と呼ばれ

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る 複合 パ ス 係 数 で あ る 。 とい う の は,P4SP46 の 項 は , 心 理 変 数 の 影 響 が 所 得 変 数 を 経 由 し て 従 属 変 数 に 与 え ら れ る とい う 間 接 効 果 を 示 し て い る の で は な い 。 つ ま

り , モ デ ル に よ れ ば , 所 得 は 心 理 に 影 響 を 及 ぼ す が , そ の 逆 は な い か ら で あ る 。30)GeraldZaltmanandMelanieWallendorf

、ConsumerBehavior ―BasicFind-ingsandManagementImplication21E

参照

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