東京女讐學細殿.誌:第7巻第5號
講
読
小半肺炎の豫後に就て
東京女子瞬學專門學校教授讐二目磯田仙三郎
緒. 言 歯面の総禽に當りましで何か特別講演をせよとの指命を受けましたのでありますが 扱て如何なる問題を扱ふのが適切であらう.がと頭を憶ませました。 庭でなる.べく有りふれた病氣で然.も小見にとって忽かせに出歯ない病氣に就てがよ からうと考へますと孚L憶見の調剤障碍か肺炎かとなって漏ります。愼に榮養障碍と肺 第 一 表 日本全國(昭和十年)病別死亡敏(0−4歳) 人 百晟 デ早急 流感 赤痢避痢 呼吸罪結核 享画工 徴幸 璽建叢墨 ビ書蓋蓬 脳膜炎繕生爪 神. o系疾患 氣管. Z炎 肺炎 肋膜炎 下穫腸炎. ” ?o゙歳栄 以満 上)÷ 脱騒管翠 肝謄糞患 其解溝「化器.1 臥巌炎.1穿皮、πF,組、織隠1.し 1 謦騎型 r .雲離瞳震1.騨月1.・目[i .__.L一L_..2 i ’ . 1 一一u1
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一 一第. 7 岱 32tt)一2 磯ffi ==小晃肺炎の豫後に就( ’炎とは乳幼児の生命を脅かすところの四大關でありまして,試みに五歳以丁の日本町 國死亡統計一昭和十年のものであるが一を御覧に入れます(第一表)が,如何に乳 幼児の二丁が夏期の清化不良症と冬期の肺炎との爲に貴き乳幼児の生命が奪はれてし まうかに驚かざるを得ないのであります。然も治癒するものは何等の障碍も獲さす杢 治するのでありますから診療に野する努力の効果は偉大と云べきものであります。今 より寒さに向ふ時期でありますから爾者の内肺炎を取扱ふ事といたした課であります 肺炎患者診療の研究に三っては原因の穣素豫防法治療法等何れも必要條項でありま すが豫後を考へ乍ら治療する事は通當な治療を施す上にとって最も必要と信ずるもの であります,故に今日は特に豫後に就て蓮べる事といたしました。 然し乍ら豫後をX々するに:は幾多の臨床経験とそれによって得たる所謂第六感の働 を必要とするのでありまして,経験の少い私が豫後に就て述べるのは聯か儲越の感が あるのでありますがさりとて百歳の経験を待つ事も出來ないのでありますから今日は 多数の経験に基いて獲表されてある業績を主にし之に珈かの経験より得たる考を織り 込んで述べ以て本日の責をふさぎたいと思ひます。 暫くの御静i聴を御願ひいたします。 も一一つ門門で御町りして置き度い事は肺炎と申しましても小兇肺炎にも種々の種類 がめりまして,それの全部に亙る事は時聞が許さないかと思ひますからこれから述べ 様とするのぱ急性肺炎に就てk’殊にその中加答兇性肺炎と「クループー/性肺炎,麻疹肺 炎及び百日咳肺炎の豫後に限て述べやうと思ふのであります。
一加答児性肺炎
筑幼見の肺炎ど云へば殆ど大多激が此加答見性肺炎であって,然も其症状及び程度 が多様であ砂まして,從て豫後も千差二丁で容易に二三の如何であるかを豫聴するの が甚だ難しいのであります。 先の第一表の死亡統計に現はれて居る如く肺炎の爲めに生命を失み乳幼兇が他の疾 病に基く場合より著しく多敷であると云ふのも畢寛すれば此加答児性肺炎に基くので あります。 肺炎の死亡撒が多いと云ひましたが然らばその死亡率はどの位であらうか.換言す れぼ肺炎患者の幾鬼位が死亡するかと見ますと故伊東博士が雑誌(治療及び庭芳野十 五年十五巻168號)に書かれたのでは522名の肺炎患者中死亡者165名門ち31%とあ り,二三(京都府大)は605例巾死亡者173名四ち28・6%と報告され’て居ります。當i教 一曲 7 ・巻 326一一一一_磯田瓢小磯肺炎の豫後に就て 3 室の取扱患者は少激でありまますが五歳迄の肺炎患者112名の中死亡激26名,帥ち 23.2%でありました。勿論此死亡率は年齢によっても丁丁し年度によっても丁丁する のでありますが,大外に以上の如き二字で肺炎:患者の死亡率は約三分の一乃至四分の 一位と見るべきであります。 死亡傘を年齢的に槻察しますと幼小なる者程罹患数が多いのと平行して死亡率も亦 年齢の若い程多く幼児よりも三見の死亡者が著しく多いのであります。
第二表 nach Holt・ .掲げた表は(第二表)米國のHoltの統計であり
年劇例釧死亡as
1残 21一 3 1! 41− 51一 224例 142 46 10 4 66% 死亡率1囲
第 三 表ゼ齢1例痢死亡激
・議1=賢君Z,1}581}・32i一 i 391 11
30 1 71 1
まして,第三表は當教室の患者に就てのものであ ります。叉,第四表は寸言諸元の甥照を示したも のでありますが何虞でも同じ様に四歳以下のもの 殊に乳型の死亡者が著しく多い。 此等の表を御覧になる通り乳児の罹患激が著し く多く然も死亡者数が亦他の年齢より著しく多激 で2歳3歳と生長するに從て罹患撒も死亡数も釜 々減少して行くのであります。而して4−5歳以上に もなれば殆ど死亡しない標になります。 以上は統計的の見方でありますが次にはそれで は患者の一人一人に覧て豫後の良否を豫iめ判噺す るにはどうしたらよいか,之は臨床家にとっては 極めて必要な事であijます。然し乍ら加答児性肺 第四表 諸外國に於ける加答;見性肺/k\ぐ聾画卜司識三剃・
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・一一一一? ブ 巻 327_4 磯田=小鴨肺炎の豫後に就て. 炎の症状は多種多様であり丁丁の程度も亦二巴から重症まで可成i)の相違があり,叉 三門或は今迄の健康状態或は榮養歌態,看護の如何等種々なる條件によって豫後が定 まるものでありますから豫後を云々する事は頗る難事と云はねばなりません。 斯く三三は場合場合によってマチマチであるとは云ひ乍らよく観察する時はある程 慶迄は三門の佳良なものには不良なものと異ったる共通鮎があり,豫後不良のものに は不良のものに共通なる鮎が見出されるのであります。 是が爲め加答兇性肺炎の病型分類が試みられる様になった。今その主なるものを掲 げて見ますると Nassau−L:F. Meyerの三型分類 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 二型Pulmonale:Form. 心臓血管型kardiovaskul蕊re Form. 弛綾型 Atonische Form. 腸管型 Intestinale Forrn. 隅賦払 Meningiale Form.
申毒叉は敗血型 Toxfsche od. Septische Formi
無力型Asthenische Form.
亜急(性)二死型 Subakute Asphyktsphile Form.
1.
2.
3.
Sanpaolesi(伊太利)の分類
代償(性)型 Kompensierte Form.(Pulmonale:Form nach Nassau) 代償障凝型 Dekompensierte Form.(Herzgerass Form nach Nassau)
敗血症(性)型 Septische od。 Toxisch−infekti6se form.
Grosserの分類
ユ. 限局性肺炎 Lokalisierte Pne蓑monie ohne AllgemeininfbktioR
2. i蒼白’1生肺:炎: Blqsse:Pneumdnie(Septisch−Toxische:Pn) 何れも主要症朕に基いて分類されたのでありまして各類別によって豫後の黒占に相違あ る事をも意味して居るのであIJます。 読明する迄もありませんがNassauの分類で肺型と云ふのは鼻翼呼吸や呼吸速迫等 の肺臓局部の症状が主なるもので肺門以外のものに見る様な種々なる症状を訣くか或 はあってb極く輕微であるところの肺炎を名付けたものでSanpaolesiの代償型肺炎 一頃 7 巷 328一
磯田霜小見肺炎の豫後に就て 5 は同一のもので叉Grosserの限局性肺炎は此のNassauの肺型と略同一類似なるも のであります。 心臓血管型 は脹搏不良,蒼白性「チアノーゼ」(“blasse”Cyanose)不安,鼓腸,「陣吟 を俘ふ著しき呼吸困難,轡血肝等の血液循環障碍症状を主徴とするものでSanpaolesi の代償障碍型に興ります。 弛緩型 は全身の筋肉野壷状態となり横隔膜や心臓筋肉迄も弛緩してその爲めに呼 吸困難も相當著しく血墜も降下する症型であります。 腸管型 は冒腸症状の早く存在する肺炎を云ひ 臓凹型 は臓膜刺戟症状の著しきものであります。 無力型及び亜急性假死型の二型はL.EMeyerが追加レたもので早産見や生活力 微弱初生兇に特有の肺炎であります。 第 五 表 Nassau. Kochmann 肺 型 心臓血管型 弛 緩 型 腸 管 型 謄 漠 型 中毒(数血症)型
踵数幽
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死亡数 4 2 7 4 2 5 死亡率(%) 21 5) 63.6 40 40 100 患者数 45 46 22 14 14 死亡数 3 30 4 15 6 14 死亡率(%二L一,O ii41i41iOO.O.一1
而してNassauに依れば肺型は乳兜肺炎の約門下を占めると云ひKochmannや
wiskottの表を(第六表)見ても可成り多数を占める事がわかる.而して豫後は他の病 型と異って甚だ佳良なる事第一位を占めるのであります。最も豫後の悪いのは申毒型叉は敗血症型Toxische od. Septische Formと稻される
肺炎型で他の肺炎型と匠罪する必要があるものでありまして.Nassauが分類しただけ でなく一般に特別扱ひさる玉最も悪性なる肺炎型であります。 Nassauの表で、もKochmannの表でも100%の死亡率を示して居る如くであります。 之は病理學上は一種の膿瘍形成肺炎(abscedierende Pn.)で肺野溝かな膿瘍をつくり 之が爲め忽ち化膿性肋膜炎を併機する場合の多いものでWiskottはPrimar abscedi− erende Pn.(原畿性膿瘍化性肺炎)と名付け乳児特有と云はれます。 臨床的には(1)急激に高熟を以て始まり(2)最初から顔貌に重症の感を現はし(3)著 一第 7 巻 329一 6.6 65.2 44.4 68.1 42.8 100.0
6 磯田諏小児肺炎の豫後に就(
しく蒼白(4)眼球陥凹し(5)呼吸野冊性(6)呼氣に下学を件ひ(7)ぐったりとして殆ど睡 眠し得す,見るからに最初から一見重態の感をおこさせる,而して(8)40度以上の高
州を持綾するものもあれば弛張性で経過するものもありますが(9)経過は一般に迅速.
で48時問位で死亡するとされるが必ずしもそうでもない様でKochmannの例でも
一14日加之36Eiももったものすらある,大部分に於て(Kochmann:2/3 der Falle)
膿胸を早くから併回する爲め肺炎自身の胸部所見はかくれて判然しない。 こうゆふ様で同じ膿胸がおこるにしても他の肺炎の時に加はる膿胸とはおこり具合 が異ふので.斯様な肺炎は豫後が絶封的に不良と見るべきであります。 第六表 Wiskott
唾型
肺 型 心臓血管型 弛緩型 腸管型 腰膜型 歳 域純型い・い
3・い{・
中毒型 糖、数 411
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混 合 型 Ny4x’ 1 1 6 一vl 循環障碍症状の一つとして皮膚の蒼白になると云ふ事は注意すべき症状でありまし て,Grosserは此の症朕に重きを置いたのであります。 Grosserの記載を見ると未だ 循環障碍のない時分は熟に一一’$Xrして赤い顔をして居るが循環障碍が加はると蒼白にな る,然し未だその程度が輕い時分には只の蒼白と云ふだけであって此程度のものは豫 後も佳良である。心臓障碍が更に張くなると之ec 「チアノーーゼ」が加はつて皮膚は暗蒼 白fohle:Bl且sseとなる,こうなると飛弾は不良であるからGrosserは前者をlokalisierte:PP.中のblaue Pneumonieと名付け後者をblasse Pneumonie蒼白肺炎と名付け
磯田一州晃肺炎の豫後に就て. 7 て昧者の’豫後に相違ある事を示したのであります。 肝臓腫脹 も亦心臓障碍症状として注意すべき一症歌であります。乳兜では健康鰐 でも肝臓が季肋下二横指位削れる事は珍しくないのでこれと間違ってはならなV・が肺 炎:の経過と共に肥大して堪るが如き場合は響.血肝と認め心臓障碍が相當著しき事を示 すので豫後の悪い事を畳写せねばなりません。 それから臓症釈の巾でも痙攣は不快なる症朕で加答児性肺炎の経過申にこれが2eこ るとならばそれは大概臓膜炎の併獲で豫後は絶封不良と看なさねばならないでせう。 要之,加答兇性肺炎には種々なる症朕が加はるけれども豫後の黒占より考へれるなら ば先づ二種類に画聖する事が必要である。即ち局所症歌と全身症状とに庭別して,そ の全身響町の種類及び程度に注意する事が豫後号掟上肝要であります。 胸部所見が相當でも算翼呼吸と共に.呼吸困難が著しくても一般症朕が犯されす殊に 循環障碍症歌がないか或はあっても軽微なる場合には経過はよく,反魂」に肺の浸潤は 左程でない様に思はれても全身症状が相當であるが如き場合には症釈は漸次悪化して 來る傾向があり野駒を警戒すべきであります。 全身症状の中前に蓮べましたるものs他顔貌と睡眠と食慾の良否は豫後判定上注意 すべき症歌であります。顔貌の悪V・場合.睡眠のとれない場合食慾のなV・場合は面白 くないけれども顔貌食慾が一時悪くても再びよくなる場合は豫後も佳良に赴く兆であ ります。 猫此他艦質や既往歴を参考にする事は勿論必要でありましてその中でも特に先天性 徽毒兇(たとへ治療してあっても)とか榮養不良兇穀粉榮養児とかにおこった肺炎は尋 常の榮養児や尋常の磯育免や普通の盤質見に於ける肺炎よりも国後は著しく不良であ るのが常であります。 尿所見が:豫後判定上役立つとGrosserが云ふ。 Grosserは吟興佳良なる限局性肺炎では大概が(64%)顎骨があっても軍にfebrile AlbuminurieでSedimentには勢々einige LeukocytenとEpithelienが見へるに過 ぎないで腎臓炎の尿所見を呈するものは1例もない。反之豫後不良なる蒼白性肺炎で は「ネフローゼ」や腎炎の尿所見あるものが54%もあった,加之尿をMausの皮下に 注射すると限局性肺炎の尿ではMausは死ななV・けれども蒼白性肺炎では尿管化の著 しいもの程動物は容易に死んでしまふと云ふ。 斯様な講で尿も豫後判定に役立つとこう云って居iJ}ますが將してどの位迄意義ある か.は知りません。 一第 7 雀 331_
8 磯田=小鬼肺炎の豫後に就て 血液攣化と二丁二七加答見性肺炎は共繧過と共に血液所見に攣化を呈し白血球の 三態は豫後を豫測するに役立つと云はれて居る。 今Nassauの記載を見ると,白血球増多症のなV・場合は増多症のあるものよりも常 に牛後が悪るく.白血球壌多症がたとへ強度であってもそれは決して経過の悪い事を 指示しないと云ふ。叉,白血球分布朕態を見る事も亦意義があるので丁丁帥ち桿状門 並に骨髄細胞の方の数が多いものは重症で,此の左方核推移は病熱の恢復と共に漸次 元に戻て來るが,第五土日以後になってもMyelocytenの依然として苧績するものは 不幸の韓麟をとるもの計りであると云ふ。叉.かくの如く左方核推移が猫永く績き然 も彊度に存績するが如き場合には肺炎それ自身の増悪を標示するのみでなく合併症の 登場する知らせである事も1あると云ふ。も一つ経過良好の目標となるものは「エオジ ン」嗜好細胞の再現である事は他の疾患の時と同標であります。加答児性肺炎の豫後 と血液との門下に就ての本邦文献は飴り見當らないのですが.山本一郎氏の50丁目乳 児氣管下肺炎に就て槍べたと云ふ報告を見ると全くNassauのものと一致した成績で ある。帥ち.1)「エオジンJ嗜好細胞が存在して白血球核の左方移動が極度に彊からす して白血球増加のあるものは豫後良好を意味し。2)rエオジン」嗜好細胞が欲如して左 方核移動が極めて彊く同時に白血球増加なきものは豫後不良。3)「エオジン」嗜好 細胞及び軍核細胞増加e左方核移動と淋巴球並に中性嗜好細胞の復薔・白血球数低下 は恢復期を意味す。と.結論して居ります。 三教窒に於ける所見は先に吉成さんが述べた檬にやは砂大回に於て同じ様な事が見 られました。
=:「クループ」性肺炎
三管枝肺炎は前に述べた如く大弓に於て五歳以下に多く殊に三見から二歳位迄が大 部分を占めるのであi7ますが「クループ」性肺炎は之と反回に乳兇には勘く二歳頃から 漸次丁数を増して干て四歳頃から多くなります。 然も定型的のもの蔀ち急に高熟を磯して始まり高邑が持績して分利が來ると云ふ檬 なものはどっちかと雪へば年長見に多いので幼兇には勘く,幼児詳言すれぼ四歳以前 (Wiskott・は6ケ月から漸次多く二歳で最:も多く四回目は勘いと云ふ)では.非定型的 「クループ」性肺炎の方が多いのであ)1ます。例へば熟護がそれ程突畿的でなく多少の 前駆する熱があってから次で高熟になったり,高熟も稽留せすに弛張性であったり,分 利の時期に寧ろ鞘緩散性に解熱したり或は叉多少の加答見症歌を混へて居たりする。 一第 7 巻 332一磯田=小兄肺炎の豫後に就て 9 加之「レ」線爲眞で見ても浸潤が一様全部に亙るわけでなく一部分に過ぎなかったりす るのが凹くない。 臨床上定型的でないのみならす孚睨の「クループ」性肺炎は剖見して見ると,意外に も癒合性皆野枝肺炎の所見を呈し,同時に「クループ」性肺炎に見るが如き多量の繊維 素を含む滲出物も認めらるSのがあると云はれるのであります。斯の如き瓢から此孚L 幼児の「クループ」性肺炎の非定型的のものをK:rEmar及びWiskott等は特に移行 型肺炎Ubergangsf〈)rmと名付け,叉,人によっては例へば飯塚博士等は偽「クループ」 性肺炎と構んで氣管枝肺炎と定型的「クループ」性肺炎との中聞に位する労し乳幼児特 有の肺炎型と見なされて居ります。 定型的例と非定型的例とを二三の温度表によって揚載いたしますが爾者を比べて見 ますと定型的のものは何れも年長見であり非定型的のものは幼小兇である事が知られ るのでありませう。 爾者.を庭別すべきであるが同一に「クループ」性肺炎として只定型と異型とに四十す べきか否かに就ては別問題とし何れにしても豫後の瓢から見れば爾者とも略同一で氣 管枝肺炎に比ぶれば豫後遙かに佳良であって,年齢の如何を問はす.平平の如何に關 係なく合併症をおこさなV・限りは殆ど悉く治癒V・たします。假令高熟の爲の嗜眠朕に なったり譜語を獲したりしても,或は叉胸痛腹痛を訴へたり鼓腸を呈したりしても豫 後は悪くはない。叉獲下弓時痙攣をおこしたり或は其他臓膜炎症欣岸現はしたりする ものがあるがそれでもそれが隅膜炎でない限りは是等の不快なる症歌を呈しても豫後 は可良であります。 豫後の不安を懐せるものは實に合併症であります。 KrUPPδse Pn.は概して第五病日乃至第九病日就中第七,八病日に分利を來たすの が大部分でありまして若し此時期に分利せ’す或は一旦分利した熟が間もなく再磯,熟 の縫績する場合にはそれは他肺葉に移行したものか然らざれば合併症の襲來であり ます。 門葉性肺炎及び遊走性肺炎の豫後は一様ではなく,一般に多葉が同時に侵されるか 一葉去って他葉に來るかによって異り概して同時に侵さるXものは豫野望るく間隔の あるものは比較的佳良とされて居ります。 平野を左右する合併症としては化膿性肋膜炎,化膿性麟膜炎,心嚢炎等が主なるもの であります。その中でも化膿性肋膜炎:が最も一般的の合併症でありますが,之は一程 度迄進行しない内は蛮見し難いもので聴診打診R6ntgen等に現はれる前既に血液の 一第 7 巻 333一一一一.
10 磯田=小誌肺炎め豫後に就で
定 型 的 症 例
本○○雄
岳蕨上○ヶ月 一,ノ轄 日 騒痴. /7 ノ2 /3・ ノ4 /5 ノ6 77 ノ8 /9 20 21 22 23 病 日 4 5 6 7 8 9 /0 〃 ノ2 ノ3 /4 !5 /6 17圏餐
〃λou一
「口
左下 , 、 f 、 アへ犀 、 只 ←、 , ‘ 葉 80 P70 U0 T0 S0 R0 Q0曹 薗 一 180 P70 ^60 ^50 ^40 ^30 P20 V0 ^00 X0 W0 V0 U0 ‘ f ’ A {蒔.、 、1 駐 ノ 、 飛 セ’ b・ o ,rq、ぢ, 、 ♂’ 》 ㌔ 、 ’ ヒ 3510甘○.○夫
定 型 的 症 例
9歳2ケ月
暦 日 3 脚 4 5 .6 7 8 9 ノ0 /1 12 /3 ノ4 15 /6 病 日 5 .6 7 8 θ ノ0 〃 12 13 /4 /5 ノ6 /7 /8 右1
下葉 「 1 ノ 巴 E’ノ ? リ 爵 @ !・ @話 @∫ A’ 閣㌔ ,臨 茎 、 1旨義 ‘ー
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第7巻334
磯田=:小晃肺炎の先後に就て 11
定型的症例
野○○子
5歳7ケ月
毛 日 2 21 22 23 24 25 26 27 28 2θ 病 日 4 5 6 7 8 θ 10 〃 12 /3 砕 賑 体 吸 搏 こ目μ恥 一 一 騨}
80 180 70 170 左 70 ア6040.0 下 150 葉 60 1403θ.0 P 130 50 12038.0 〃0 40 100 90 370 セ4べ 、 界、倉 げ覧 、 罫・ 30 θ0 36.0 重 、 、 9 職 o梅 、 70 駄 へ、 ρ 》 60一35.0 i⊥
一L.定 型 的 症 例
永○○吉
5歳
暦 日2砺
27 28 29 30 2 3 4 、5 6 7 8 9 病 日 2 3 4 5 6 7 8 9 ノ0 ア1 /2 ノ3 14 15i
左 下 葉 ? 9呼 へ E … ? l 々 凶, ぜ費 鰻・』献
ハ 1 ’1 ∼ヲ
l?{ T1 11キ
閧゚ 酬 ’ Q む 逼 』 _第 7 勇奪 335一12 磯m=小兇肺炎.の豫後.に就て 定 型. 的 症 滝 ○ 彦 ○郎 例 工⊥歳3ケ月 暫 日 9 一 10 〃 12 /3 /4 /5 ノ6 /7 ノ8 /9 20 2ノ 22 病 一 日 4 5 6 7 8 9 /0 1ア 12 ス3 /4 /5 16 17 暖 懸 黛〆鯖 憎 一 一 80 /θ041.0 右 /70 上 1 70 /6040.0 葉 i ノ50
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唾、砂心 ’ ソす o煩 ,β i 20 6035.0 一 一 闇 闘 i非定型的症例
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第 7雀 336磯田=小.晃.肺炎砂豫後た就て 13
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第7巷337
1−4 磯田=小見肺炎のi豫後に就て 方にそれらしい様子が現れる。帥ち他の化膿性疾患の時と同様に白血球増加及び榎左 :方推移が依然として存労して居る事であります。 Kruppδse:Pn.に綾里した膿胸は加答見性肺炎:に併憎した膿胸よりも豫後は遙かに 三野で適當な治療によって殆ど皆全治します。 只一二歳の然も虚弱兇ではそうは行かない。これより更に化膿性臓膜炎や心嚢炎或 は敗血症をおこし易く從てかSる幼小児に於ては樂観を許さないのであります。かN る例は例倉で標本を指示した事があります。
三 麻疹肺 炎
麻疹には肺炎:を併畿し易v・事は申す迄もなく殊に三四歳以前の乳幼見におこり易v・ のでありまして。大概は加答児性肺炎の型を呈しますから豫後の如何は加答兇性肺炎 の庭で申しました様な諸黙によって豫測すべきではありますが,その他麻疹そのもの が膿力や心臓の強.さによって種々なる経過をとり叉麻疹経過の後は所謂Anergische Stadiumになって灘の抵抗力が減弱V・たします。でありますから原町性脳答見性肺炎 の時と異って更に磯疹期の前に既に登場する肺炎と,蛮疹と共に加はる肺炎と,畿疹 後歯Pち恢復期におこる肺炎とではたとへ同じ様な肺炎でも豫後判定上は同一に考へる 繹に行かない様に思はれます,言ひ換へれば麻疹肺炎はそのおこる時期によつて経過 や軍門が異ると思はれるのであります。 獲疹前町は磯疹し乍ら同時におこる肺炎は襲疹の如何護疹の充分不充分と云ふ事 が肺炎をよく導くか否かの役目を演じ,肺炎経過の一ρの目標となります。順調に磯 回して來る様なら大概それに俘って熟も低くなり臆て呼吸激も減少し胸部所見も抜復 して來るのが一般であります。 次に掲ぐる溜度表はその一例でありますQ(武00代,富OOか,加○○博温度表滲照) 但し.獲暫しても豫後の悪かったもの(加OO博)があるが(勿論充分ではないが) これは:Bronchopneumonieを患って間もなく再び1’n.をおこしたMasernpn.であり ました。おそらく未だ腿力が恢復しない時分に麻疹感染を受けたがためでありませう。 但し加○○博(温度表参照)の例の如く相学獲疹しても猫ぼ豫後の悪かったものもな いではないのですがこの例の如きは相當重い氣整枝肺炎を患ってその恢復後間もなく 麻疹に感染したものでありますから一般のものと同一醜するi澤には参りません。(加0 0博温度表参照) 反樹に二二が思ふ様に出て來ないとその時の肺炎は釜々重篤になり勝であります。 一第 7 巻 338_磯田==小児肺炎の豫後に就て 15
麻 疹 肺 炎
武○○代 ⊥歳8ケ月
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po ャ 農 疹 e什) (什). (+) (一)麻 疹 肺 炎
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16 磯田=小・晃・肺炎.のi豫.後』に就て
瞬 疹 肺 炎
加○○博 /1ケ月
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磯田=小照肺炎の豫後に就( 17 叉一度顯れかしつた獲疹が消へかXりそれと共に肺炎となるもの所謂「麻疹の内攻」 の際にも再び護回して來る様ならば肺炎も浩失して行くもので次の石CO雄はその一 例でありまして一月十二日獲疹し始めた虜が夜になって消え同時に呼吸困難がおこり 胸部には肺炎所見が著明に現はれたので入院し入院後再び獲疹しそれと共に肺炎も間 もなく治った例であります。(石○○雄温度表参照) 獲疹二又はこれに遅れて加はる肺炎はたとへ治癒する場合でも原稜性加答児性肺炎 よりもその肺浸潤の沿え方が概して永6日数を要する様な傾があIJます。
四 百日咳肺炎
百日咳の時一番おこり易い合併症ば肺炎で然も他の合併症よりも此爲めに死亡する 百日咳患者が多いのであります。今EDgelの百日咳死亡原因を示しますと, 肺 炎 〃 +臓浮腫 〃 +出血性臆炎 〃 +謄水腫 ・ク 十イヒ膿¶生打簿且莫;炎 〃 +心嚢炎 〃 +氣三枝披張症 肺 結 核粟粒結核
急性腸炎
65 4 1 ]. 1 3 2 3 4 2 と云ふ謬で肺炎が百日咳の死因の第一位をなしてゐます。概して年齢の小さい程危瞼 である事は申す迄もありません。 當教室に於て取扱つた百日喉肺炎患者の死亡者と年齢的關係を見ますと次の表の様 であります。 四 .「蹴 歳 歳 歳 歳 哉以上 患者数 10 91
6
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死亡敷4
21
3
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一第 7 巻 341一18 磯田罵小隅肺炎の豫後に就( 是に依て見ても百日咳で肺炎をおこすのは麻疹と同じく主として五歳未満であり百 日咳肺炎で死亡するのもやはり五歳未満であって然も年少児程危瞼でありますが然し 乳見でなくても四五歳未満の患者にあっては殊に虚弱児の時は豫後を警戒して居らね ばならないと思ひます。 百日喉肺炎は麻疹肺炎と同じく病理解剖上の見地よりすれば一般の加答兇性肺炎と は異る一種濁特の肺炎:であると云はれて居るのでありますが臨床上からはやはり加 答見性肺炎の型を呈するのであり豫後制定に際しても加答兜性肺炎の虞で申しました 様な諸瓢を目標といたすべきである事は云ふ迄もありませんが其他特に百日喉肺炎に 於て注目すべき黒占があります。それは百日喉肺炎では呼吸数が多くても必ずしも之は 豫後不良の徴ではなくそれよりも寧ろ熱の高さに注意すべきであります。低熟で維過 するものは豫後が概して良好でありますが高熟が弛張したり或は最初低熟で経週して みてもだんだん高くなる傾向のあるものはたとへその他の症歌が同じ様でも豫後を懸 念すべきであると考へます。これに就ての症例は省略いたします。 百日喉肺炎の経過は一般に永く熱がなくなってからも可成り永く嘉診上の礎化を淺 す事は亦特有の様に思はれます。