224 (96) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
ウエ ダ サトル哲(
博士(医学) 乙第1442号平成6年2月18日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
小児のmidli皿e spikesの臨床脳波学的検討一終夜脳波,脳波基礎活動の分析一 (主査)教授 福山 幸夫 (副査)教授 高倉 公朋,小林 棋雄論 文 内 容 の 要 旨
目的 Midline spikes(MS)は小児に稀に認められる脳波 異常であり,他の焦点性棘波に比べ痙攣の合併率が高 く,神経学的異常を伴う例が多いとされている.しか し筆者は,その臨床経験から,MSを伴う小児良性特発 性部分てんかんが,独立てんかん症候群として存在す るのではないかと考えるに至った.本研究は,これら の症例,および熱性痙攣児などに認められるMSの神 経生理学的意義を明確にする目的で,終夜脳波による MSの出現様式と脳波基礎活動の分析を行った. 対象および方法 1986年より1991年の期間に,脳波上MSを認めた43 例を対象とした. 1)終夜睡眠脳波:43例中特発性てんかん3例,およ びローランドてんかん,熱性痙攣,知能障害各1例を 対象とし,20秒間当りの発作波の出現頻度と睡眠ス テージ,睡眠サイクルとの関連を検討した. 2)脳波基礎活動の分析:43直中特発性てんかん18 例,熱性痙攣4例を対象とし,安静覚醒閉眼時の左後 頭部脳波をデータレコーダーに磁気記録し,平均周波 数と各周波数帯域の%powerを求めた. 結果 1)終夜睡眠脳波:発作波の頻度は睡眠により増加し,覚醒くsREM期くsNREM1・2期くsNREM3・4期
の順であった.睡眠サイクル別にみると,第1サイク ルが最も高頻度で,以後減少し,一部の例では最終サ イクルで再び増加した. 2)脳波基礎活動の分析:平均周波数は22例中17例 (77.3%)が±2SDの範囲内にあった.δ帯域は% powerの+2SD以上の増加を22例中11例(50%)に認 め,全般に苛波傾向を示したが,18例中15例(83。8%) でα2の出現は良好であった. 考察および結論 MSを伴う小児特発性部分てんかんを一病型として とらえる立場は従来の文献にはない.今回筆者は,特発性てんかん及び熱性痙攣患児にみられたMSの終
夜脳波学的特性,ならびに脳波基礎活動の定量分析を 行った結果,これらが,ローランド発射やその他の良 性発作波と共通する特微を有することを証明した.患 児の神経学的,神経放射線学的経過と合わせ考え, mesial cortexを起源とし,機能性一過性MSを伴う 予後良好な単一の小児特発性部分てんかん症候群の存 在が示唆された. 一830一225