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宮城県災害時こころのケア

活動マニュアル

平成26年2月

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目次

第1章 こころのケア活動の概要

第1節 宮城県災害時こころのケアマニュアル策定について 1 経緯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 第2節 災害対応基本体制 1 本マニュアルの位置づけ ・・・・・・・・・・・・・ 2 2 本マニュアルの適用 ・・・・・・・・・・・・・ 2 3 県の体制 ・・・・・・・・・・・・・ 3 4 被災地保健福祉事務所(保健所)の体制 ・・・・・・・・ 3 第3節 こころのケア活動の基本的な考え方 1 こころのケアの定義・基本原則 ・・・・・・ 5 2 こころのケア活動を行うに当たっての留意点 ・・・・・・ 6 第4節 こころのケア活動 1 こころのケア活動体制 1)宮城県心のケア対策会議の設置 ・・・・・・・ 8 2)精神保健福祉センター災害対策本部の設置 ・・・・・・・ 9 2 こころのケア活動の実際 1)被災情報の収集・情報提供 ・・・・・・・・・・・ 12 2)こころのケアチームの派遣 ・・・・・・・・・・・ 13 3)こころの相談電話・災害ホットライン ・・・・・・ 17 4)広報・啓発活動 ・・・・・・・・・・・ 18 5)各機関の災害時保健活動とこころのケア活動 ・・・ 20 6)精神保健福祉センターのフェーズ毎の活動 ・・・ 25

第2章 各活動マニュアル

第1節 こころのケアチーム活動マニュアル ・・・・・・・・・・・ 27 第2節 こころの相談電話・災害ホットライン対応マニュアル ・・・ 32 第3節 活動関連書類様式・資料等 ・・・・・・・・・・・ 34

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第1章 こころのケア活動の概要

第1節 宮城県災害時こころのケア活動マニュアル策定について

1 経緯

災害時のこころのケア活動については、宮城県北部連続地震(平成15年7月26日発生)、 岩手・宮城内陸地震(平成20年6月14日発生)の経験から、平常時の備えを強化し、災害 時のメンタルヘルスに関する研修会の開催や「宮城県災害時こころのケア活動マニュアル」作 成等に取り組んできた。 平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、これまでの想定を大きく超える未曾有の 大震災で、多数の県外こころのケアチームによる長期にわたる支援を初めて経験し、発生直後 からの情報収集・情報発信、県外のこころのケアチームの受け入れ及び医療救護活動、中長期 の地域精神保健福祉活動の再構築等についての課題が明らかになった。 本マニュアルは、東日本大震災の検証を踏まえ、作成したものである。

2 目的

本マニュアルは、宮城県災害時公衆衛生活動ガイドラインに示されている「こころのケア対 策」について、基本的事項を示したものである。 実際の活動は、被災地の状況に応じ、臨機応変な対応に留意することが必要である。

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第2節 災害対応基本体制

1 本マニュアルの位置づけ

本マニュアルは、「宮城県災害時公衆衛生活動ガイドライン」及び「宮城県災害時公衆衛生 活動マニュアル」を始めとして、県各保健福祉事務所災害対応マニュアル、子ども関連災害対 応マニュアル等の県作成各種マニュアル並びに関係職能団体作成マニュアル等と連動して機 能するものである。 図1 災害時こころのケア活動マニュアルの位置づけ

2 本マニュアルの適用

本マニュアルの適用が想定されるのは、原則、次の場合である。 ・県内市町村から災害時保健活動に関して支援要請があった場合 ・県内で災害救助法の適用が想定される場合 ※本マニュアルは、大規模災害を想定して作成している。 ※本マニュアルは、精神科医療の確保に関すること、県外で大規模災害が発生した場合の「こ ころのケアチーム派遣」に関することは、含めていない。

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3 ※なお、厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部精神・障害保健課長通知(平成26年1 月7日付け障精発0701第1号)「災害派遣精神医療チーム(DPAT)活動要領」に基 づく災害派遣精神医療チーム(DPAT)については、今後整備していく。

3 県の体制

被災者の健康に関する諸問題については、災害時公衆衛生活動ガイドラインにおいて、県庁 関係各課室、各保健福祉事務所(保健所)間で情報共有し、効果的支援策を検討するため「被 災者生活支援調整会議」を設置し、避難所の生活環境の改善、感染症の予防、応急仮設住宅等 における生活環境の向上、中長期的な被災者に対する保健・医療・福祉等の支援等に取り組む こととしている。こころの健康問題についても、「被災者生活支援調整会議」で対応するもの とする。 こころのケア対策については、障害福祉課が所管し、精神保健福祉センターと連携して取り 組む。障害福祉課は、こころのケア対策に関する全体調整を行い、精神保健福祉センターは、 地域支援と合わせて、「こころの相談電話・災害ホットライン」の開設、「こころのケアチーム」 活動及び派遣に係る調整を主に担う。また、子どものこころのケアについては、子育て支援課、 子ども総合センター、各児童相談所と連携する。 本マニュアル等について、年1回、障害福祉課、精神保健福祉センター、各保健福祉事務所 (保健所)担当者により確認する機会を設け、体制整備を図る。 図2 被災者生活支援体制(宮城県災害時公衆衛生活動ガイドラインより)

4 被災地保健福祉事務所(保健所)の体制

被災地保健福祉事務所(保健所)は、所内の横断的なチーム編成による体制をベースとする が、災害の規模や状況の変化に応じて臨機応変に再編、統合しながら活動を展開する。平時に おいても活動チームの構成員、連絡体制等の確認を行い災害対応に備える。 避難所等の生活改善及び要援護者の状況、被災者の健康状態の把握等、市町村の活動を支援 するため、被災地保健福祉事務所(保健所)は、「保健福祉事務所(保健所)被災者生活支援 被災者生活支援実施本部会議 被災者生活支援調整会議 保健福祉事務所(保健所)被災者生活支援チーム 市町村

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4 チーム」を設置することとしている。こころのケア活動については、保健活動分野における必 要な支援を決定する役割を担う保健福祉事務所(保健所)被災者生活支援チーム公衆衛生活動 チーム保健活動グループが、被災市町村の状況を集約し、調整を行う。 図3 被災地保健福祉事務所(保健所)活動体制(参考例示) (宮城県災害時公衆衛生活動ガイドラインより)

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第3節 こころのケア活動の基本的な考え方

1 こころのケアの定義・基本原則

住民のメンタルヘルスは、地域精神保健活動のみならず、住民間のつながりや地域の様々な 活動やサービスから多層的に成り立っている。災害時の「こころのケア」についても、同様で あり、実際には、安心、安全の確保からコミュニティの維持・再生に関わる地域住民の活動や それらへの支援、保健師らによる地域精神保健活動、さらに精神科医や精神保健福祉士をはじ めとした精神保健医療福祉の専門職による支援や診察等まで、幅広い内容を含んでいる。また、 これらの多層的な支援の中でも時期や被災者等の状況により、優先度は変化すると考えられる ため、それらを十分に理解して対応することが重要である。 災害時における実際の支援活動における「こころのケア」は、大きく分けて精神保健医療福 祉的支援と心理社会的支援とがあると考えられる。被災地では時期や被災状況により、実際に はそれぞれの支援が混在して行われると思われるが、支援者が自らの役割を認識した上で連続 的、相補的に行われるのが望ましい。なお、本マニュアルで扱うのは、災害時の地域公衆衛生 活動を基盤とした上での精神保健医療福祉的支援における支援活動である。 1)精神保健医療福祉的支援とは、地域に携わる精神保健福祉関係者、精神科医療従事者等に による、精神疾患の予防や治療、回復を目的とした支援を指す。 例:精神科医による診察や処方、精神保健医療福祉の専門職による相談活動や心理教育、 啓発活動など。 2)心理社会的支援とは、住民の精神的な安心、安全を担保し、メンタルヘルスを促進するこ とを目的とする活動全般が含まれる。 図4

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6 例:災害支援に携わる自治体職員や民間ボランティア等によって行われる、傾聴、相談、 講話、サロン活動などの精神保健に特化しない幅広い支援が含まれる。

2 こころのケア活動を行うに当たっての留意点

1)被災者の反応と対応の基本 災害の後に起こる精神的な動揺や心身の症状の多くは、誰にでも起こり得る反応であり、時 間の経過とともに変化する。時間の経過による心理状態の変化とストレス反応をあらかじめ理 解しておく。 2)関係機関との連携と柔軟な対応 障害福祉課、各保健福祉事務所(保健所)、精神保健福祉センターには、各々役割があり、 それらは連携して展開される。平時から「宮城県災害時公衆衛生活動ガイドライン」「宮城県 災害時公衆衛生活動マニュアル」「災害時こころのケア活動マニュアル」「各保健福祉事務所災 害対応マニュアル」等を参考に、互いの役割について確認し、より円滑な活動に努める。 また、大規模災害時には、その規模により、県外チーム等外部の支援が必要になってくる。 依頼に当たっては、関係部署と密に連絡を取り、円滑な活動がなされるよう調整する。 3)地域の精神保健福祉の再構築を目指す 災害時の地域精神保健福祉活動は、直後の急性期から始まり、最終的には、その後の通常の 活動につながっていくものである。効果的な地域精神保健福祉活動の再構築が行われるように する。 図5

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7 4)支援者のメンタルヘルス 支援者も被災住民と同様に災害による身体的・心理的影響を受け、災害直後から特殊な環境 の中、オーバーワークを強いられること等により、身体的・精神的に疲弊をきたすことがある。 支援者に生じる心理的な反応について理解し、睡眠・休息の確保、健康相談の活用等の対策が 必要である。

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第4節 こころのケア活動

1 こころのケア活動体制

ここでは、こころのケア活動を推進するための県及び精神保健福祉センターの体制について 記載する。 なお、被災地保健福祉事務所(保健所)の体制については、第1章第2節災害対応基本体制 (P,2)を参照。 1)宮城県心のケア対策会議の設置 (1)県(障害福祉課)は、災害発生後直ちに「宮城県心のケア対策会議」(以下「対策会議」) の設置について検討し、必要に応じて設置する。被害が甚大で県外からの支援等を要請す る必要が生じた場合には必ず設置する。 (2)対策会議は、精神保健医療福祉関係機関・団体等の代表等で構成し、被災地における精 神保健医療福祉に関する現状把握、課題の整理及び被災者のこころのケア対策について協 議を行う。 (3)対策会議は、県災害対策本部、県災害医療対策本部、被災者生活支援調整会議と連携し て協議を行う。 ※対策会議の体制は、図6のとおりである。 災害医療対策本部 連携・  調整 連携・ 調整 災害医療対策本部(医療整備課)  ○災害医療コーディネーター DMAT調整本部(統括DMAT) 報告・協議・連携  連携・調整 宮城県災害対策本部 保健福祉部 派遣調整チーム (保健福祉総務課) *心のケアチームに 係る調整 保健福祉部被災者生活支援調整会議 (事務局:保健福祉総務課) ◆目 的:被災者の健康に関する諸課題について、県庁関係各課、各保健 福祉事 務所 (保健所)間で情報共有し、効果的な支援策を検討 する。 ◆検討内容:避難所の生活環境の改善、感染症予防、応急仮設住宅等に おける生活環境の向上、中長期的な被災者に対する保健・医療・ 福祉等の支援等 ◆関 係 課:震災援護室、社会福祉課、医療整備課、長寿社会政策課、 健康推進課、疾病・感染症対策室、 子育て支援課、障害福祉課、 薬務課、 国保医療課 心 の ケ ア 対 策 会 議 障害福祉課(事務局) 精神保健福祉センター ◆所掌事項: ①被災地における精神保健医療福祉に関する現状把握、課題の整理 ②被災者の心のケアに関する対策の検討、評価及び推進に関すること ③被災地の心のケア対策の推進に必要な事項 *県内の関係団体等で構成することとし、構成員は別に定める 幹 事 会 ◆所掌事項:対策会議の検討事項についてあらかじめ 整理、調整を行う。 *構成員は別に定める 厚生労働省 災害時こころの情報支援センター 心のケアチーム派遣や 心のケアに係る全体調整 図6 宮城県災害時心のケア対策会議組織体制(保健福祉部内体制)

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9 2) 精神保健福祉センター災害対策本部の設置 (1)精神保健福祉センター所長(以下「所長」)は、災害発生直後直ちに、所長、総括、コ ーディネーター、各チーム(被災地支援チーム、相談診療チーム)リーダーで構成する「精 神保健福祉センター災害対策本部(こころのケアチーム本部)」を設置する。 (2)所長は、「宮城県災害時こころのケア活動マニュアル」に基づく災害時こころのケア活 動について、障害福祉課と必要な協議を行う。 (3)所長は、障害福祉課との協議を受け、具体的な活動内容を決定する。 (4)対策会議が設置された場合は、事務局の障害福祉課とともに会議を運営する。 (5)精神保健福祉センターの体制については、精神保健福祉センター災害対策本部(こころ のケアチーム本部)(P,10 図7)のとおりである。 (6)仙台市精神保健福祉総合センターとの間においては、平成19年3月5日「災害時にお ける相互協力に関する覚書」(P,11)を締結し、災害時の精神保健福祉センター機能保持 ならびに医師を含めた専門職チームの派遣依頼に関する相互協力と、そのための情報交換 に関して定めている。

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図7

所長 被災地支援チーム 相談診療チーム 通常業務対応 被災地区担当 情報管理 担当 こころ のケアチーム 担当 ホットライン クリニック デイケア 精神医療 審査会 精神保健福祉手帳 等審査会 ・本部設置 ・本部会議招集 (参集者:所長、総括、コーディネーター 2 名、チーム リーダー正副 ) ・ 所 内 調 整 、 障 害 福 祉 課 、 関 係 機 関 ・ 団 体 等 の 調 整 ・ 報 道 機 関 対 応 ・各チームバックアップ体制 の確保 (人員計画、応援職員 要請 等) ・ 災害時 精神保健 活動の全体調整 コーディネーター : 精神科医師 、技術次長 ( 総括) ・被災地区の現 状、ニーズ把握 ・被 災 地 支 援 ( 災 害時精神保健活 動計画作成、支 援者支援等 ) ・こころ のケア チーム活動以外 の被災保健所、 市町村支援の調 整、実施 担当:企画班員 (地区担当保健 師) ・被災地の被害状況及 び災害関連情報の収集 ・精神科医療機関の被 害状況の把握 ・こころ のケアチーム 活動データの 整理 ・こころ のケア啓発資 料の関係機関等への配 布 ・ホームページ等での 情報提供 担当:庶務次長、 庶務 担当 、 企 画 班 員 ( 事 務 ) ・ 県 内 こころ のケアチーム を編成 県外 こころ のケアチーム 派遣調整 (本部会議で決定) 担 当 : 企 画 班 員(保健師) 、 相談診療班員 ・ホットライン開設 (本部会議で決定) ・対応人員の 配置 調 整 ・ 計画 担 当 : 相 談 診 療 班 員 、 生活支援班員、企画 班員(保健師) ・ 来 所 者 の 安 全 確 保 、 帰 宅 困 難 者 へ の 対 応 ・診 療 、 デ イ ケ ア 体 制 の 確 保 ( 本 部 会 議 で休診等決定) ・処方箋薬局の被災状況確認 、 薬 局 の 確 保 ・外来受診が不可能な利用者への対応 ・災害によるメンタル不調者の外来対応 担当:相談診療班員( 看護師 )、 生 活 支 援班員 リーダー:相談診療班長 (副)生活支援班長 リーダー:企画班長 (副)庶務次長 ・災害 時 特例の関係機関への周知 ・審査会 体制の確保 担当:企画班 員 総括 コーディネーター

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11 災害時における相互協力に関する覚書 (趣旨) 第 1 条 この協定は、宮城県内において災害対策基本法(昭和 36 年法律第 223 号)第 2 条第 1 号に規定する災害(以下「災害」という。)が発生した場合において、精神障害者及びこころ のケアが必要な者に対し、迅速かつ円滑な支援を遂行するため、宮城県精神保健福祉センター と仙台市精神保健福祉総合センターの相互協力に関して必要な事項を定めるものとする。 (協力の内容) 第 2 条 この覚書により行う協力の内容は次のとおりとする。 (1)専門機関としての機能の保持に関すること 災害時において、センター機能低下を最小限とするため、宮城県精神保健福祉センターと 仙台市精神保健福祉総合センターは相互に可能な支援をおこなう。 (2)医師を含めた専門職チームの派遣依頼に関すること イ 宮城県精神保健福祉センターと仙台市精神保健福祉総合センターは必要に応じ連携し、 全国の都道府県・政令市の精神保健福祉センターに対し、医師を含めた専門職等チー ムの応援要請を行う。 ロ 災害により、宮城県全域が被災し、宮城県精神保健福祉センター及び仙台市精神保健 福祉総合センターが著しく機能低下状態になった時は、連帯して隣県の精神保健福祉 センターに応援を依頼する。 (情報交換) 第 3 条 宮城県精神保健福祉センター及び仙台市精神保健福祉総合センターは、この覚書に基 づく協力体制が円滑に行われるよう、必要な情報等を相互に交換するものとする。 (施行期日) 第 4 条 この覚書は、平成 19 年 3 月 5 日から施行する。 平成 19 年 3 月 5 日 宮城県精神保健福祉センター 所長 白澤 英勝 仙台市精神保健福祉総合センター 所長 岡崎 伸郎

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2 こころのケア活動の実際

1)被災情報の収集・情報提供 初動体制決定のため、被災後速やかな情報収集が重要である。 「宮城県大規模災害応急対応マニュアル」及び「宮城県災害時公衆衛生活動ガイドライ ン」を基本に下記のとおり実施する。 (1)体制 ・「宮城県災害時公衆衛生活動ガイドライン」第2章第8節第1項 本庁・保健福祉事 務所(保健所)・市町村毎の役割に基づき、被災状況の情報収集及び伝達を行う。 ・精神保健福祉センターは、関係各課室及び被災地保健福祉事務所(保健所)で収集 した精神保健医療福祉に関する情報の集約及び分析を行う。 (2)情報収集の方法 ・障害福祉課は、保健福祉総務課と情報を共有するとともに、被災地保健福祉事務所 (保健所)保健活動グループと詳細情報について確認する。また、精神保健福祉セン ター及び被災地保健福祉事務所(保健所)と情報を共有する。 ・精神科医療機関の状況について、障害福祉課は、医療整備課の把握内容を確認する とともに、精神保健福祉センター及び被災地保健福祉事務所(保健所)に情報提供す る。 ・通信手段の遮断等情報収集が困難な場合には、精神保健福祉センターは、障害福祉 課と調整の上、直接被災地域に出向き、情報収集を行う。 ・障害福祉課及び精神保健福祉センターは、宮城県精神科病院協会、宮城県精神神経 科診療所協会、宮城県精神保健福祉士協会等からの情報収集を行う。 (3)情報収集の内容 ① 被災市町村の被害状況等 ・被害内容:人的被害、家屋倒壊、道路・橋梁の被害、ライフライン被害、交通機関 の被害等 ・避難状況:避難場所及び規模、医療救護等支援体制、精神障害者の避難状況等 ② 対策本部設置状況 ・保健福祉事務所(保健所)、市町村対策本部の設置状況及び連絡先 ③ 精神科医療機関等の状況 ・施設及び人的被害、避難状況、食料・飲料水・医薬品・生活物資等の充足等 ・精神科医療機関の診療体制 ④ 障害者福祉サービス事業所等社会資源の被災状況 ⑤ 被災地保健福祉事務所(保健所)への支援関連 ・こころのケアチーム派遣等の支援ニーズ

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13 (4)情報提供 ・精神保健福祉センターは、被災状況及び支援状況を集約・整理し、障害福祉課、被 災地保健福祉事務所(保健所)、精神科医療機関等に情報提供する。 2)こころのケアチームの派遣 主に大規模災害発生後に被災者及び支援者に対して、精神科医療及び精神保健活動の 支援を行うための専門的な精神医療チームを「こころのケアチーム」と言う。 被災によるショック及び避難所生活等の強いストレスにより生ずる急性ストレス障害 や在宅精神障害者等に対する精神科医療救護活動及び被災を契機に顕在化する様々なこ ころの問題に関する包括的な相談等を行うとともに、支援者の活動支援を行うため「こ ころのケアチーム」を被災市町村等に派遣する。 (1)派遣決定 保健福祉部関係各課室職員で構成される専門職種派遣に関する調整チーム(以下「派遣 調整チーム」という)(こころのケアに関しては障害福祉課所管)は、被災市町村からの 要請を受けてこころのケアチームの派遣を決定する。 ただし、災害救助法の適用が想定される場合等は、要請前であっても精神保健福祉セン ターは、障害福祉課と調整して災害発生後、直ちにチーム派遣の準備に入る(第2章 各 活動マニュアル(P,27)参照)。 (2)県外応援機関への派遣要請について 派遣調整チームは、被災規模が甚大で、県としてチームを組織することが困難な場 合や県内チームだけでは対応しきれないと判断された場合は、厚生労働省に派遣要請を 行う。 ただし、厚生労働省調整の国・都道府県こころのケアチーム以外に県外各種団体から 派遣協力の申し出があった場合には、派遣調整チームは、被災情報を基に精神保健福祉 センターと協議し、実情に応じた調整を行う。 また、派遣要請及び協力申し出の受け入れに際しては、下記事項について依頼する。 ・医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理士、事務職等の多職種によって 構成されるチーム単位での派遣 ・派遣期間は1チーム概ね1週間であること。派遣が継続される場合は、チーム内で の引き継ぎを行う ・移動手段、宿泊場所、食料等は派遣元で確保し、医薬品及び血圧計等の医療用具等 を持参する など 派遣元(派遣都道府県及び団体等)には、精神保健福祉センターと協議の上、以下の 点を調整及び連絡する。 ・派遣先市町村名及び派遣期間 ・オリエンテーションの日時及び場所

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14 ・現地の被災状況の概要など なお、県外チーム受け入れ後の実際の活動に関する連絡調整及び活動実績の集約は、 精神保健福祉センターが行う。 (3)派遣計画 派遣調整チームは、被災地保健福祉事務所(保健所)から報告のあった「災害時公衆 衛生活動スタッフ等派遣要請票(災害時公衆衛生活動マニュアル「様式2」)「公衆衛生 スタッフ配置計画表(災害時公衆衛生活動マニュアル「様式5」)に基づき派遣計画を作 成して、こころのケアチームの編成、または県外チームの派遣要請を精神保健福祉セン ターと調整する。 なお、状況によっては、精神保健福祉センター職員が本庁に出向き、派遣調整チームに 参加し連携して取り組む。 (4)県内こころのケアチームの編成 チーム員は、精神保健福祉センター職員の他、県内関係機関・団体からの応援を得て 編成する。 県内関係機関・団体は、宮城県精神科病院協会、宮城県精神神経科診療所協会、みや ぎ心のケアセンター、宮城県精神保健福祉士協会、宮城県臨床心理士会等であり、平時 から協力体制を整備しておく。協力要請については、精神保健福祉センターが連絡調整 を行い、派遣の内諾を得た上で、障害福祉課より正式に派遣依頼をする。 (5)こころのケアチーム本部 精神保健福祉センターを、こころのケアチーム本部とし、主に以下の機能を担う。 ・こころのケアチームの派遣管理、オリエンテーション、カンファレンス等の実施 ・本庁派遣調整チーム、障害福祉課、保健福祉事務所(保健所)、関係機関・団体等と の連絡調整、情報集約等 ・こころのケアチームの活動記録の集約、集計、実績報告等 ・啓発資料等の作成・配布、携帯品の準備等 なお、県外チームの派遣要請を行った場合には、精神保健福祉センターは、全県のこ ころのケアチーム派遣に係るコーディネートを担い、被災市町村等のニーズに沿った活 動が行えるよう保健福祉事務所(保健所)及び被災市町村と調整する。 (6)活動支援拠点 こころのケアチームの活動支援拠点は、被災地保健福祉事務所(保健所)又は被災市 町村の行政庁舎(仮設庁舎)等が想定され、そこを起点に避難所や在宅等での活動が行 われる。 (7)活動内容 被災市町村の被災状況やニーズに応じた活動を行うが、詳細については、第2章第1節 「こころのケアチーム活動マニュアル」(P,27)を参照。

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15 (8)こころのケアチーム派遣の終結 各チーム派遣の終結時期については、被災地の状況を考慮し、被災市町村、被災地保 健福祉事務所(保健所)、精神保健福祉センターが協議し、協議結果を被災地保健福祉事 務所(保健所)から派遣調整チームに報告し、派遣調整チームが決定する。 県としてのこころのケアチーム派遣の解除は、すべてのチームの派遣終結後に行う。 なお、派遣終結に際しては、通常の保健活動の中で中長期的に継続して支援が行われ るよう支援体制を整備しておくことが必要である。

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16 チ ー ム 編 成 調整等 【県外チーム】 窓口 ・国 ・他都道府県(支援団体) 派遣チーム ・国 ・都道府県単位チー 【県内チーム】 県内応援機関 ・精神保健福祉協会 ・精神科病院協会 ・精神神経科診療所協会 ・臨床心理士会 ・精神保健福祉士協会 等 6 派遣依頼 6 派遣依頼 図8 こころのケアチーム派遣フロー図

5 派遣調整

派遣要請(災害対策基本法)

3 派遣要請 被災状況報告

派遣職員・関係団体 連携 7 派遣 調整連絡

関係機関連絡会議・派遣調整会議

2 派遣要請・被災市町状況報告

活動ミーティングの開催

連絡の流れ 人の流れ 連携 厚生労働省 【本庁】 保健福祉部(派遣調整チーム) こころのケアチーム(障害福祉課担当) 【派遣調整拠点】 精神保健福祉センター 【災害時こころのケア チーム本部】 被 災 保 健 福 祉 事 務 所( 保 健 所 ) 【活動支援拠点】 被 災 市 町 村 【活動拠点】 コーディネーターの派遣 一般世帯 避難所(救護所) 仮設住宅 こ こ ろ の ケ ア チ ー ム による支援 【県外チーム】 窓口 ・国 ・他都道府県(支援団体) 派遣チーム ・国 ・都道府県単位チーム

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17 3)こころの相談電話・災害ホットライン 精神保健福祉センター内に設置している「こころの相談電話」(専用電話)を、災害関連 の「こころの相談電話・災害ホットライン」として位置づけ、原則として災害発生翌日よ り、特別対応及び周知を開始する。 (1)実施体制 ① 実施時間帯 ・平日 午前9時 ~ 午後5時 ・時間帯の拡大及び夜間・土日祝祭日の対応については、被災規模等に応じて決定し、 その後の状況に応じて変更する。 【東日本大震災の例】 ・平成23 年 3 月 23 日~6 月 30 日 毎日早朝 6 時~深夜 2 時まで *早朝6 時~9 時、17 時~深夜 2 時は、精神障害者夜間等相談窓口で対応 ・平成23 年 7 月 1 日~9 月 11 日 毎日 9 時~17 時 ・平成23 年 9 月 12 日~平成 24 年 3 月 30 日 月~金曜日(祝日除く)9 時~17 時 *平成23 年 12 月 29 日、30 日対応 ② 相談対応者 精神保健福祉センター職員の他、被災規模等により必要がある場合は、県内の関係 団体(宮城県臨床心理士会、宮城県精神保健福祉士協会等)への協力要請をする。 精神保健福祉センターが各団体から内諾を得た上で、障害福祉課より正式に依頼す る。 ③ その他 精神保健福祉センターが被災して、こころの相談電話・災害ホットライン設置が困難 な場合は、大崎合同庁舎内あるいは県本庁舎内への設置を検討する。 (2)周知方法 ① 障害福祉課 ・県のホームページに掲載する。 ・状況に応じて、広報課を通じてマスコミに情報提供をする。 ② 精神保健福祉センター ・精神保健福祉センターのホームページに掲載する。 ・こころのケアチーム活動の一環として避難所等へのパンフレットの配布、掲示を行 う。また、被災地保健福祉事務所(保健所)の保健活動グループ、被災市町村等と連 携して、避難所及び居宅の被災者へのきめ細かい継続的な周知を図る。 (3)対応の仕方及び相談実績 ・相談対応者は、「こころの相談電話・災害ホットライン対応マニュアル」(P,32)に

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18 基づいて対応する。なお、相談記録様式は、電話相談票(P,44)のとおり。 ・精神保健福祉センターは、被災者からの相談状況を把握するとともに、実施体制の見 直しを行うため、毎日、相談実績をまとめ、定期的に障害福祉課に報告する。 なお、「こころの相談電話・災害ホットライン」で対応した件数を災害関連相談とそ れ以外の相談とに区別して集計する。

4) 広報・啓発活動

被災者が、自分や家族の心身の変化に動揺して二次的に不安を増大させることのないよ う、災害時のストレス反応に対する正しい知識を提供する。 また、こころのケアに関する支援体制の情報を提供し、専門的なサポートを必要とする 被災者及び地域で活動している精神保健医療福祉関係者が活用できるようにする。 (1)ホームページ ・精神保健福祉センターホームページに、「災害時こころのケア情報」コーナーを設置、 こころの相談電話・災害ホットライン、こころのケアチーム等の支援状況及び被災時の こころの健康に関する情報、医療機関の診療状況等を掲載し、適宜、更新する。 (2)パンフレット等の配布 ・精神保健福祉センターは、災害発生後直ちに、本マニュアル資料編にある様式を基に、 被災時のこころの健康に関する啓発資料やこころの相談電話・災害ホットライン等の支 援情報のパンフレット・ポスター等を作成し、被災地保健福祉事務所(保健所)担当者、 避難所担当者、被災市町村担当者、こころのケアチーム等を通じて配布する。 ・啓発資料に関しては、閲覧者がダウンロードできるよう精神保健福祉センターホーム ページに掲載し、適宜更新する。 ・内容は、被災地保健福祉事務所(保健所)、被災市町村、こころのケアチーム等から 収集した被災地のニーズや状況の変化に応じて、適宜、更新する。 (3)マスコミ ・障害福祉課は、必要に応じて、保健福祉総務課、精神保健福祉センター等と協議し、 災害支援情報の一環として、こころのケアに関する支援情報、啓発情報等を広報課を通 じて マスコミに提供する。 ・マスコミからの取材依頼に関しては、被災者のプライバシー保護、円滑な支援活動の 推進が最優先であることの理解を求めた上で、情報提供に協力する。 避難所等、現地での取材依頼窓口については、被災地保健福祉事務所(保健所)コ ーディネーター等に確認し、無秩序に対応しないようにする。

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19 (4)講話、研修会等 ・被災地保健福祉事務所(保健所)や被災市町村は、こころのケアチームによる避難所 等におけるメンタルヘルス・ミニ講座等を開催し、災害に伴う心理的変化、対応方法、 支援体制について、正しい知識を提供する。 ・精神保健福祉センターは、被災地保健福祉事務所(保健所)や被災市町村と連携し、 中期以降の時期における被災地のメンタルヘルス支援に関する研修会等を開催する。

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20 5)各機関の災害時保健活動とこころのケア活動 フェーズ0 初動体制の確立 (災害発生後 24 時間以内) 障害福祉課 1 派遣調整チームの設置(必要時、精神保健福祉センター職員もメンバーに加わる。) 2 精神科医療機関の被害情報の収集 3 部内関係各課との情報共有・連携強化 4 部内公所の活動状況把握と連携強化 精神保健福祉センター 1 センター内災害対策本部の立ち上げ 2 通常業務方針(縮小、一部休止等)の決定 2 被災情報の収集(障害福祉課より) 3 こころのケア活動に関する初動方針の決定 (1)こころのケアチーム本部開設、派遣調整(障害福祉課と連携) (2)こころの相談電話・災害ホットライン開設準備 4 センターホームページに「災害時こころのケア情報」コーナー開設 ・災害関連(相談等)情報や通常業務変更のお知らせの掲載 ※啓発資料、活動関連各種様式は、常時掲載 保健所 1 施設設備の安全確保と執務体制の起動 ・通常業務の中止・延期等について検討する。保健所被災者生活支援チームを設置する。 2 情報収集と支援方法の決定 所内職員の業務を調整し、以下の業務に取り組む。 (1)管内の被災状況の把握と対策の検討 ・医療・保健・福祉関係施設の被害状況・被災全体像の把握、毒物劇物製造所等の被災状況の把握と助言指導 (2)被災市町村の状況把握 ・被災の全体像の把握、避難所・救護所の設置状況・ライフライン(電気、上下水道、ガス、屎尿処理等)の被害 状況 3 被災市町村の公衆衛生活動状況の把握 ・保健センター等拠点施設の被害状況、職員の稼働状況、不足している医薬品・物品等 4 人的支援の調整と派遣等 ・被災市町村公衆衛生活動の支援、被災市町村へコーディネーター(保健師 1 名、事務職 1 名)を派遣する。 ・被災市町村の要請に応じた派遣を検討する。 5 緊急を要するケースの安否確認(保健所職員が担当するケース) ・人工呼吸器、吸引器、在宅酸素等を利用している難病患者や、療育児童等の安否を確認する。 6 所内情報共有・公衆衛生活動の方向性の確認 7 本庁主管課への報告と応援要請 被災市町村(下段*の実施主体は市町村) 1 施設設備の安全確保と執務体制の起動 ・通常業務の中止・延期等について検討する。 2 情報収集 3 被災者の安全確保・救急対応 4 可能な限り情報収集・災害を想定した公衆衛生活動の方針の決定 ・被災市町村だけでは方針等の決定が難しい場合は、派遣されたコーディネーターを通じ、県保健所に協力を依頼 する。 5 指揮命令系統の確認及び情報ルートの整理 6 必要に応じて、県に応援・派遣公衆衛生スタッフを要請 救命・救護* 避難所* 自宅滞在者* 1 救護所の設置・運営への参画 2 救護所・避難所設置の住民への周知 3 医療機関の被害状況、診療状況の把 握と対応 1 被災者の健康管理(感染症サーベ イランス含)及び処遇調整 2 衛生管理及び環境整備 3 避難所設置運営部署との連携 1 要援護者の安否確認 (各担当部署との連携) 2 保健・医療・福祉の情報提供

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21 フェーズ1 緊急対策 (災害発生後 72 時間以内) 障害福祉課 1 県、精神関係機関、団体等による心のケア対策会議を開催し、こころのケアチームの派遣及び被災状況に応じた今 後の対策について協議 2 被災精神科医療機関の転院調整及び医薬品、物資の支援 3 精神保健福祉センターとこころのケアチーム派遣及びこころの相談電話・災害ホットライン設置調整 4 県内対応が困難な場合は、厚生労働省に災害救助法に基づき、こころのケアチーム派遣要請 5 精神保健福祉センターとともに県内精神関係機関・団体とこころのケアチーム設置について調整 6 精神科救急体制の確立 精神保健福祉センター 1 情報収集 2 こころのケア活動計画の立案 3 被災地保健福祉事務所(保健所)への支援 4 こころのケアチーム派遣準備・順次派遣 ※災害救助法適用の場合は、市町村からの(本庁経由)派遣依頼を待つことなく、派遣準備を行う。 (1)派遣調整チームとの連絡調整 (2)こころのケアチーム等ニーズの把握(被災地保健福祉事務所(保健所)等と調整) (3)こころのケアチーム派遣調整(障害福祉課、被災地保健福祉事務所(保健所)と連携) ・派遣計画表・チーム編成調整、必要物品の準備、県外応援チームへのオリエンテーション実施 5 こころの相談電話・災害ホットライン開設 6 情報提供(ホームページ「災害時こころのケア情報」コーナーの更新) 7 センター継続利用者(相談、外来診療、デイケア等)の状況確認及び対応の決定 保健所 1 情報収集と支援方法の決定(保健所被災者生活支援チーム会議における所内情報共有・公衆衛生活動の方向性の 確認) (1)被災市町村の活動状況の把握と支援 ・被災市町村が抱える問題を確認し、市町村と協議の上、対応方法や役割を確認、支援の方針を決定する。 ・被災市町村保健活動計画策定に対する支援や、活動に必要な情報提供を行う。 (2)人的支援の調整と外部への派遣要請 ・被災市町村からの要請に応じた公衆衛生スタッフの派遣調整(県庁派遣調整チームへの依頼)、避難所、救護所の 必要人数の把握、応援・派遣公衆衛生スタッフの配置計画やオリエンテーション等の準備、こころのケアチー ムとの調整や専門ボランティアの派遣依頼と調整(看護ボランティア等) 2 救命・救急への対応(被災市町村の要請に応じ、公衆衛生スタッフの派遣や連絡調整等を行う。) (1)救護所や避難所の運営支援、衛生管理の確認 (2)避難所の健康管理状況の把握と適正な運営に向けた調整、食事の提供状況の確認、要援護者への配慮 3 安否確認(保健所の担当するケース) ・電話及び訪問による安否確認及び把握された問題に対する支援、担当ケースへの医療機関情報(医療機能、治 療薬確方法等)や交通情報の提供 4 食糧・水の確保・衛生管理と供給に関する支援 5 ペットの保護等への対応 市町村や社団法人宮城県獣医師会、動物愛護センターとの調整や被災動物の保護 6 緊急被ばく医療活動 被災市町村(下段*の実施主体は市町村) 1 情報収集 2 災害時公衆衛生活動の方針の決定 3 通常業務の調整(中止・延期) 4 関係機関との調整(応援・派遣要請等) 5 保健・医療関係派遣職員及び保護・医療ボランティアの調整 救命・救護* 避難所* 自宅滞在者* 1 救護所運営への参画・協力 2 要援護者への継続支援・慢性 疾患患者の医療の確保と継続 支援 3 一次被ばく医療機関への移送 1 被災者の健康管理(感染症サーベイ ランス・栄養管理含)及び処遇調整 2 健康教育の実施 3 保健医療福祉に関する情報提供 4 衛生管理及び情報提供 5 避難所設置運営部署との連携 1 要援護者の安否確認 (各担当部署との連携) 2 健康相談(窓口、電話、訪問等) の実施 3 保健医療福祉に関する情報提供 4 健康調査のための検討及び準備

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22 フェーズ2 応急対策 (おおむね 4 日目から1、2週間) 障害福祉課 1 こころのケアチーム派遣都道府県との調整、依頼 2 こころのケアチームスタッフ派遣関係機関・団体への依頼 3 こころの相談電話・災害ホットライン開設の周知 精神保健福祉センター 1 情報収集 2 こころのケア活動計画の見直し 3 こころのケアチーム派遣調整 4 こころの相談電話・災害ホットライン継続 5 被災地保健福祉事務所(保健所)及び被災市町村への支援 (1)こころのケア活動への助言 (2)支援者のメンタルヘルス支援 (3)健康教育等支援 6 情報提供 ホームページ「災害時こころのケア情報」コーナーの更新 (1)こころのケア活動状況の周知、こころの相談電話・災害ホットラインの周知 (2)医療機関の状況、災害関連のサービス・制度・特例措置等 7 通常業務順次再開(相談、外来診療、デイケア、精神医療審査会、自立支援医療・手帳審査事務) 保 健 所 1 市町村災害時公衆衛生活動への支援 (1)市町村災害時保健活動計画の実施・変更・評価等への支援 (2)応援・派遣公衆衛生スタッフの調整等 ・公衆衛生活動に必要なスタッフの確保状況の確認、必要に応じてスタッフの派遣要請等に関する助言、スタッ フの配置計画の作成等、活動体制整備、応援・派遣公衆衛生スタッフのオリエンテーションの実施、依頼業務 の調整、ミーティング(避難所職員・派遣公衆衛生スタッフ)等による情報共有と検討事項の協議 (3)公衆衛生活動の実施 ・避難所における公衆衛生活動、在宅被災者の健康状態把握、災害により中断した業務への支援 (4)災害時公衆衛生活動状況の集計・資料化 2 県庁主管課への情報提供・報告及び調整、活動に必要な物資の要求や管理 3 こころのケア対策 こころのケアチームと連動した活動の実施(広報、相談体制の確保、継続支援) 4 生活環境へ影響を及ぼす震災廃棄物や悪臭等への対応 環境調査の実施、防じんマスクの配布、消毒薬や消臭剤の配布等 5 ペットの保護等への対応 市町村や社団法人宮城県獣医師会、動物愛護センターとの調整や、被災動物の保護 6 放射線影響の住民への広報活動 被災市町村(下段*に実施主体は市町村) 1 情報収集 2 災害時保健活動計画の実施・評価・経過に応じた見直し 3 中止している通常業務の再開に向けた調整 4 保健・医療・福祉・介護関係派遣職員やボランティアの活動調整 5 支援者・職員の健康管理(休息の確保、健康相談、必要に応じ早期受診勧奨) 救命・救護* 避難所* 自宅滞在者* 1 救護所運営の支援 2 救護所の継続体制や撤退時期検 討への参画 3 救護所で把握された経過観察者 の引き継ぎ方法の検討・調整 1 被災者の健康管理(感染症サーベイ ランス、栄養管理含)及び処遇調整 2 健康教育の実施 3 保健医療福祉に関する情報提供 4 衛生管理及び情報提供 5 避難所設置運営部署との連携 6 こころのケア対策(チラシによる周 知、相談窓口の周知、専門機関との 連携、専門スタッフ相談の実施) 1 要援護者や健康問題がある者へ の支援 2 健康相談(窓口、電話、訪問等) の実施 3 保健医療福祉に関する情報提供 4 こころのケア対策(チラシによ る周知、相談窓口の周知、専門 機関との連携、専門スタッフに よる相談の実施) 5 健康調査

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23 フェーズ3 応急対策 (おおむね1、2週間から1、2ヶ月) 障害福祉課 1 精神医療提供状況及び地域精神保健活動状況の把握 2 部内関係各課との情報交換、連携強化 3 心のケア対策会議で関係機関・団体の情報交換及びこころのケアチーム派遣計画の見直し協議 4 精神保健福祉センターとこころの相談電話・災害ホットライン開設の見直し 5 精神保健福祉担当者会議の開催 精神保健福祉センター 1 こころのケア活動の見直し(評価、中長期こころのケア活動計画策定等) 2 精神保健福祉センターにおける災害体制の見直し 3 被災地保健福祉事務所(保健所)及び被災市町村等関係機関支援 (1)こころのケア活動の評価と中長期計画策定への助言 (2)事例検討への助言 (3)被災地保健福祉事務所(保健所)主催会議開催支援 (4)カンファレンスへの参加 (5)被災住民対象啓発研修会支援 (6)支援者のメンタルヘルス支援 4 こころのケアチーム派遣及びこころの相談電話・災害ホットライン終了の検討(障害福祉課との連携) 5 災害関連研修会の開催 6 情報提供 (1)こころのケアチーム活動実績、こころの相談電話・災害ホットライン活動実績の集約、情報提供 (2)ホームページ「災害時こころのケア情報」コーナーの更新 7 通常業務の実施 保健所 1 市町村災害時公衆衛生活動への支援(フェーズ2と同じ) 2 県災害対策本部(環境生活総務課・保健福祉総務課)への情報提供・報告及び調整 3 こころのケア対策(フェーズ2と同じ) 4 生活環境への影響を及ぼす震災廃棄物や悪臭等への対応(フェーズ2と同じ) 5 支援者・職員の健康管理 6 管内市町村との定期的な連絡会議の開催 7 放射線影響の住民への広報活動 被災市町村(下段*の実施主体は市町村) 1 情報収集 2 中長期的保健活動計画の実施・評価・経過に応じた見直し 3 通常業務再開に向けての調整、再開 4 保健・医療・福祉・介護関係派遣職員やボランティア撤退に向けての調整 5 市町村内の関係機関連絡会議等の開催(長期化する場合) 6 支援者・職員の健康管理(休息の確保、健康相談、必要に応じ早期受診勧奨) 救命・救護* 避難所* 自宅滞在者* 1 救護所運営への支援 2 救護所の継続体制や撤退時期 検討への参画 3 救護所で把握された経過観察 者の引き継ぎ事項の確認や、 地元医療機関との連絡調整へ の協力 1 被災者の健康管理及び処遇調整 2 健康教育の実施 3 保健医療福祉に関する情報提供 4 衛生管理お跳び環境調整 5 避難所設置運営部署との連携 6 こころのケア対策(チラシによる周 知、相談窓口の周知、専門機関との 連携、専門スタッフによる相談の実 施) 7 応急仮設住宅入居者健康調査の検討 及び準備 1 要援護者や健康問題がある者への 支援 2 健康相談(窓口、電話、訪問等) の実施 3 保健医療福祉に関する情報提供 4 こころのケア対策(チラシによる 周知、相談窓口の周知、専門機関 との連携、専門スタッフの相談に よる実施) 5 健康調査

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24 フェーズ4 復旧・復興対策 (おおむね1、2ヶ月以降) 障害福祉課 1 心のケア対策会議でこころのケアチーム派遣終了時期及び中長期のこころのケア対策についての協議 2 新たなこころのケア対策に必要な予算措置 3 被災地におけるこころのケア活動のまとめと検証 精神保健福祉センター 1 中長期こころのケア活動計画の見直し 2 地域精神保健活動再構築支援 3 通常業務と災害対応の統合 保健所 1 長期的な視点に立った市町村災害時公衆衛生活動への支援 2 公衆衛生活動のまとめと評価 ・災害時公衆衛生活動状況の集計・資料化 3 県主管課への情報提供・報告及び調整 4 こころのケア対策 5 支援者・職員の健康管理 6 管内市町村との定期的な連絡会議の開催 7 保健所被災者生活支援チーム会議における所内情報共有 8 放射線影響の住民への広報活動 被災市町村(下段*の実施主体は市町村) 1 情報収集 2 生活再建に重点を置いた保健活動計画の実施・評価、経過に応じた見直し ・生活再建に必要な新たな活動のための施策化・予算措置 3 住民の健康管理及び新しい生活への支援 ・定期的な健康相談の開催、健康上の問題について自治会等との協議、コミュニティづくりへの支援 4 こころのケア対策 ・こころの問題を早期発見できる体制づくりと広報の活用 ・うつ傾向、閉じこもりがちの人を早期に把握し、孤立しない対策の検討 5 通常業務再開に向けた調整・再開 6 保健・医療・福祉・介護関係派遣職員やボランティア撤退時期の検討・調整 7 市町村内の関係機関連絡会議等の開催(長期化する場合) 8 支援者・職員の健康管理(休息の確保、健康相談、必要に応じ早期受診勧奨) 救命・救護* 避難所・仮設住宅* 自宅滞在者* 1 通常の医療体制に移行 1 健康調査・食生活調査の実施及び必要 な支援 2 要援護者(一人暮らし高齢者、高齢者 世帯等)の健康状態の把握 3 こころのケア対策 健康相談や講演会等の実施(うつ、ア ルコール依存症、PTSD等) 4 入居者同士のコミュニティづくりの 支援 5 応急仮設住宅から自宅等に移る者への 支援 6 保健・医療・福祉に関する情報提供 1 要援護者や健康問題がある者へ の支援 2 健康相談(窓口、電話、訪問等) の実施 3 保健医療福祉に関する情報提供 4 こころのケア対策 5 新たな交流やコミュニティづく りの支援

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25 6)精神保健福祉センターフェーズ毎の活動 フェーズ0 初動体制の確立 (災害発生後 24 時間以内) 災 害 関 連 用 務 1 センター内災害対策本部の立ち上げ 2 被災情報の収集(障害福祉課より) 3 こころのケア活動に関する初動方針の決定 (1)こころのケアチーム本部開設、派遣調整(障害福祉課と連携) (2)こころの相談電話・災害ホットライン開設準備 ※通常のこころの相談ダイヤルを「こころの相談電話・災害ホットライン」と位置づけ、原則災害発生翌日 より対応、周知を開始する。 4 ホームページに「災害時こころのケア情報」コーナー開設 災害関連(相談等)情報や通常業務変更のお知らせの掲載 ※啓発資料、活動関連各種様式は、常時掲載 通 常 業 務 1 センター利用者の安否確認及び安全確保 (1)外来診察室、面接室、待合コーナー、デイケア各室、研修室等の確認 (2)必要時、宮城県援護寮(隣接)への支援 2 通常業務方針(縮小、一部休止等)の決定 ・相談、外来診療、デイケア ・精神医療審査会、精神保健福祉手帳等審査会 3 精神保健業務管理システムの確認 (1)電気復旧後、システム起動、データの確認 (2)データ紛失の場合は、アイビーシステムに連絡 フェーズ1 緊急対策 (災害発生後 72 時間以内) 災 害 関 連 用 務 1 情報収集 2 こころのケア活動計画の立案 3 被災地保健福祉事務所(保健所)への支援 4 こころのケアチーム派遣準備・順次派遣 ※災害救助法適用の場合は、市町村からの(本庁経由)派遣依頼を待つことなく、派遣準備を行う。 (1)派遣派遣チームとの連絡調整 (2)こころのケアチーム等ニーズの把握(被災地保健福祉事務所(保健所)等と調整) (3)こころのケアチーム派遣調整(障害福祉課、被災地保健福祉事務所(保健所)と連携) ・派遣計画表、チーム編成調整 ・必要物品の準備 ・県外応援チームへのオリエンテーション実施 5 こころの相談電話・災害ホットライン開設 6 情報提供 ホームページ「災害時こころのケア情報」コーナーの更新 通 常 業 務 1 センター継続利用者(相談、外来診療、デイケア等)の状況確認及び対応の決定 ※フェーズ0の継続

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26 フェーズ2 応急対策 (おおむね 4 日目から1、2週間) 災 害 関 連 用 務 1 情報収集 2 こころのケア活動計画の見直し 3 こころのケアチーム派遣調整 4 こころの相談電話・災害ホットライン継続 5 被災地保健福祉事務所(保健所)及び被災市町村への支援 (1)こころのケア活動への助言 (2)支援者のメンタルヘルス支援 (3)健康教育等支援 6 情報提供 ホームページ「災害時こころのケア情報」コーナーの更新 ・こころのケア活動状況の周知、こころの相談電話・災害ホットラインの周知 ・医療機関の状況、災害関連のサービス・制度・特例措置等 通 常 業 務 1 相談、外来診療、デイケアの順次再開 2 精神医療審査会順次再開 3 自立支援医療・精神保健福祉手帳審査事務の順次再開 フェーズ3 応急対策 (おおむね1、2週間から1、2ヶ月) 災 害 関 連 用 務 ※フェーズ2の継続 1 こころのケア活動の見直し(評価、中長期こころのケア活動計画策定等) 2 精神保健福祉センターにおける災害体制の見直し 3 被災地保健福祉事務所(保健所)及び被災市町村等関係機関支援 (1)こころのケア活動の評価と中長期計画策定への助言 (2)事例検討への助言 (3)被災地保健福祉事務所(保健所)主催会議開催支援 (4)カンファレンスへの参加 (5)被災住民対象啓発研修会支援 (6)支援者のメンタルヘルス支援 4 こころのケアチーム派遣及びこころの相談電話・災害ホットライン終了の検討(障害福祉課との連携) 5 災害関連研修会の開催 6 情報提供 (1)こころのケアチーム活動実績、こころの相談電話・災害ホットライン活動実績の集約、情報提供 (2)ホームページ「災害時こころのケア情報」コーナーの更新 通 常 業 務 1 通常業務の実施 フェーズ4 復旧・復興対策 (おおむね1、2ヶ月以降) 災 害 関 連 用 務 ※フェーズ3の継続 1 中長期こころのケア活動計画の見直し 2 地域精神保健活動再構築支援 通 常 業 務 1 通常業務と災害対応の統合

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第2章 各活動マニュアル

第1節 こころのケアチーム活動マニュアル

1 こころのケアチームの活動原則

・被災市町村の災害対応状況や現場での支援方針を尊重する。 ・こころのケアチームの活動は被災市町村の保健活動に基づいた活動であり、保健福祉事務 所(保健所)や精神医療機関等の関係機関と連携して行う。 ・被災市町村の状況やニーズに即して、柔軟な対応を心がける。 ・医療活動は、あくまでも被災した地域精神医療機能が回復するまでの一時的な活動とする。

2 こころのケアチームの活動

こころのケアチームの活動は以下の3つに大別されるが、実際の活動は被災市町村の状況や 医療機関の被害状況により異なり、また時期により変化していくことを念頭に入れ、現地のニ ーズに即して柔軟に行う。 なお、地元保健師や一般医療救護チーム、地元精神科医療機関等との連携を十分に図りなが ら行う。 1)精神科医療救護活動 避難所・在宅等における被災者への精神科的問題への対応等、被災地における精神科医療の 補完 ・医療中断による再発防止のための医療活動や急性の精神症状増悪への対応、避難所での不 適応への対応等 2)精神保健福祉活動 避難所・在宅被災者の巡回によるニーズ把握や精神保健福祉相談、予防啓発などの支援 ・ハイリスク者等への訪問による相談・支援活動 ・被災者のストレス反応への対応 ・被災の影響によって起こりうる精神的な反応への心理教育、アルコール依存症等への予防 啓発等 3)支援者支援 被災地の支援者(例えば、行政職員、消防関係者、警察関係者、医療関係者等)への支援 ・コンサルテーション、スーパーバイズ、研修などの技術支援 ・支援者及びその機関への支援者のストレス軽減などの対応についての啓発 ・支援者のストレス対応(業務支援、傾聴、リラクゼーション、専門的治療等) ※活動に際しては、被災住民や関係機関への啓発や情報共有のためにチラシ等を有効に活 用する。なお、実際の配布については被災市町村の担当者等に了解を得た上で行う。

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3 派遣準備の留意点

被災地は、交通事情が悪く(公共交通機関が不通等)、水道、電気、ガス等のライフライン の遮断、生活用品の不足、宿泊施設がない地域等もあると考えられる。そのため、それらを想 定して十分な準備が必要である。また、東日本大震災では、大量の瓦礫や浸水による危険な場 所もあり、移動においても危険への備えが必要であった。 1)必要な物資および装備について ・食料、飲料、消耗品等:とりあえず 2 週間分程度を用意するのが望ましい。その後は、状 況をみて、第 2 班以降が携行して補給する。また、状況に応じて、宅配便等も利用する。詳 しくは携行物品リスト(P,61 )参照。 ・車両:医薬品、医療用具やチーム員の生活物資を運ぶために、バン又はワゴン車等を調達 する。また、交通規制に関する情報を収集し、必要であれば、緊急車両通行許可証の発行申 請手続きを行う。県外チームの緊急車両通行許可証については、障害福祉課で派遣元自治体 と調整する。 2)その他 ・県内であっても、遠距離の場合や交通事情等により、現地泊や車泊になる場合も考えられ るため、車両等には寝袋や食料品等を準備しておく。

4 オリエンテーション

各チームの第1班に対して、派遣先となる被災地の被害状況やこころのケア活動の基本スタ ンス等を説明する。なお、第2班以降は活動内で把握した情報をとりまとめて、チーム内で確 実に引き継いでいく。 具体的な活動のオリエンテーションは、被災市町村の活動拠点で実施する。 1)場所 ・本庁障害福祉課または被災地保健福祉事務所(保健所)を会場とし、精神保健福祉センタ ー職員または被災地保健福祉事務所(保健所)職員が担当することを想定している。ただし、 状況により実施場所及び担当者を検討する。 2)開催日時 ・基本的には活動第 1 日目を想定している。実際には、派遣調整チームと精神保健福祉セン ターの協議・調整によって決定する。 3)その他 ・各チームには、事前に「宮城県災害時公衆衛生活動ガイドライン」、「宮城県災害時公衆衛 生活動マニュアル」及び「宮城県災害時こころのケア活動マニュアル」を送付(送信)して おく。なお、各マニュアル等は精神保健福祉センターホームページに掲載し、常時閲覧でき るようにする。

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5 活動の流れ

・第1班:精神保健福祉センターは、活動第1日目にオリエンテーションを開催する。その 後、被災市町村に移動し、被災地保健福祉事務所(保健所)コーディネーターまたは被災市 町村担当職員等より、現地情報や支援ニーズを確認後に活動を開始する。通常は、朝・夕に 活動内容や活動報告等の情報共有のためのカンファレンスが開催されることが多いが、実際 には現地体制に沿って参加する。 ・1 日の活動終了後は、被災市町村に活動内容及び活動実績等を報告し、必要事項を引き継 ぐ。 ・第2班以降については、オリエンテーションは実施しない想定であるため、チーム内での 引き継ぎを徹底する。

6 医師に求められる役割

・緊急的な精神医療や継続支援の必要性のトリアージが求められる。 ・1 回で終了する場合は、本人に判断理由をきちんと伝え、本人がなるべく安心できるよう にする。また,必要時いつでも支援が受けられるように啓発用のチラシなどを渡すことも必 要である。継続支援が必要な場合は、具体的な支援内容(いつ、誰が、どのような方法で、 何を行うか)をチーム員や被災地担当保健師と話し合い、本人に説明する。主治医がいる場 合には、通院医療機関への受診を勧めるなど、なるべく地域の医療機関につなぐようにする。 ・継続支援を行っている被災住民については,これまでの支援方針を踏まえて対応する。 ・入院など緊急に精神医療が必要と判断された場合は、被災地担当保健師と相談し医療機関 を選択する。受診の手配等については、なるべく医師が直接連絡を取り、診療情報提供書な どの情報提供も合わせて行うことが望ましい。

7 投薬について

・処方内容を指定の処方箋に記入する。 ・通院中であったが、受診が不可能な状況にある患者の場合、可能な限り主治医と連絡を取 り、最小限の処方を行い、最終的には主治医の医療機関につなぐ。 ・新たに投薬が必要な患者については、初期対応を中心とし、長期的に継続した治療が必要 な場合には、できる限り受診可能な地域の医療機関につなぐ。 ・不眠を訴える被災者が多いが、安易に睡眠薬を投与せず、まず相談として話を聴き不安を 受け止める。そのうえで、必要と判断した場合に安全を考慮して投与する。 ・こころのケアチームによる投薬及び医療活動は無料であるため、その役割はあくまでも応 急対応であることを心得る。こころのケアチームによる処方行為の終了時期は、地域の医療 機関の復旧状況を把握しながら、精神保健福祉センター及び被災地保健福祉事務所(保健所)、 関係機関と協議して決定する。また、その際には地域の医療機関への引き継ぎに支障が生じ ないように留意する。

8 活動記録について

・活動記録については、各様式(P,36~39)を使用する。 ・活動実績は、1日の活動終了後、災害時こころのケアチーム活動日誌(様式1)、災害時 こころのケアチーム活動報告書(様式2)に記録する。

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