第4章
食育の取り組みの展開
第1次計画の結果や今後の課題などを踏まえ、市民の食育に対する関心を高めるため、全市的な
食育の取り組みを進めるとともに、具体的な実践に向けてライフステージ別の現状・課題に対応し
た食育の取り組みを展開していきます。
目標
生涯にわたって健康的な食生活を考え、実行できる市民を増やそう
基本理念の実現
1.全市的な食育推進活動の展開
2.
ライフステージ別の食育の推進
次世代へ
15~64 歳
0~14 歳
1.全市的な食育推進活動の展開
取り組みの方向性
食育を推進するにあたっては、市民一人ひとりが、食育の意義や必要性を理解し、食を大切に
するという熱意と創意工夫に基づく活動を展開していくことが大切です。また、市民一人ひとり
が相互に支え合いながら、自身はもちろん、家族や周囲の人のために食育活動を進めていくこと
も重要となっています。
平成 25 年の食育に関するアンケートでは、食育という言葉を知っている市民は8割を占め、全
国平均を上回りましたが、男性は女性に比べて、食育の認知度や食育・食生活への関心度が低い
など、性別・年齢やライフスタイルにより、認識・関心に差が見られました。
今後は、食育に関する全市的な取り組みや多種多様な事業・活動を通じて、市民が食育に触れ、
食育を知り、食育を考える機会・場の充実を図ります。
みんなの行動目標
◎ 生涯にわたって健康的な食生活を考えましょう
取り組み内容
(1)各種取り組みでの「食育」の周知・啓発や情報提供
■健康・福祉や教育・保育、産業など様々な分野の事業、歯の健康展やエコ・フェスタなどの市
民を対象とした様々なイベントなどにおいて、食育の意味・意義や必要性についての周知・啓
発を積極的かつ意識的に実施することで、市民が食育に触れる機会づくりを進めます。また、
併せて、実践にむすびつく情報提供などを進めます。
(2)
「かみかみの日」の周知・啓発
■毎月 19 日の「かみかみの日」については、市役所本庁や総合センター、保健福祉センターの来
訪者を対象とした庁内放送、チラシ配布による周知・啓発を進めるとともに、全市的な取り組
みとなるよう周知・啓発の内容・手法などの充実を図ります。
(3)農業生産者や事業者などの連携による食育の推進
■農業生産者との連携による農業まつりなどのイベントや体験・交流活動を通じて、子どもから
高齢者まで様々なライフステージの市民が農にふれあい食育や地産地消に関心を持てる機会を
提供します。
■飲食関係や食品販売に関連する事業者との食育活動に関する連携を強化し、消費者である市民
が日常的に食育に触れ、食育に取り組めるような環境づくりを進めます。
(4)地域での食育活動に関する人材育成と活動支援
■地域に密着した食育活動を担う人材の育成とともに、自主的な食育活動の活性化に向けた活動
者・団体間の連携支援や情報共有、専門的な助言、市民に対する活動の周知や情報提供などを
進めます。また、地域で食育活動に取り組む団体などの把握に努め、身近な地域での食育活動
の充実に努めます。
(5)食の安心・安全と食文化の継承
■国や大阪府と連携し、食の安心・安全に関する正しい情報の提供に努めます。また、家庭での
食の安心・安全を確保するため、保育所(園)・幼稚園・学校から地域、生産者・事業者など様々
な機会・場を通じた全市的な啓発及び情報提供を進めます。
■食文化の継承を図るため、保育所(園)・幼稚園、学校での取り組みを継続的に進めるとともに、
ふるさと料理教室などの高齢者による食文化の継承のための活動を支援します。
(6)食品の廃棄を減らす意識の向上
■手をつけられず廃棄されている食品の現状などをふまえ、多くの市民へ「もったいない」を合
言葉にごみの減量やリサイクルについての周知・啓発を推進します。
取り組みのチェック項目(数値目標)
数値目標 現状値 目標値
1.食育の言葉も意味も知っている人の割合 41.7% 48.0%以上
2.「かみかみの日」を知っている人の割合 4.4% 10.0%以上
3.食べ残しや食品の廃棄を減らす努力・工夫をする人の割合 85.9% 90.0%以上
※1~3は、寝屋川市「食育に関するアンケート」結果(平成25年)
ふるさと料理
~いもなんば~
寝屋川市の地場農産物であるさつまいもと「なんば」=青ねぎ
を使用した料理です。学校給食の定番料理にもなっています。
この他にも、たけのこの木の芽あえ、のっぺい汁、くるみもち
などの料理があります。
なお、ふるさと料理のレシピは、寝屋川市のホームページで見
2.ライフステージ別の食育の推進
1)乳幼児期・学齢期(0~14 歳)
取り組みの方向性
豊かな人間性の形成と生涯にわたる健康づくりのために、子どもの頃から食育の大切さを学ぶ
ことが重要となります。妊娠(胎児)期は、胎児の発育に必要な栄養がすべて母体から与えられ
るため、特に、栄養バランスのよい食事が必要です。幼児期になると、食を選択する力や望まし
い食生活を自ら実践する力を育んでいくことが必要となります。
しかし、近年、偏った栄養摂取、朝食欠食、野菜の摂取量不足など食生活の乱れや肥満・痩身
傾向、食物アレルギーなど、子どもたちの食や健康を取り巻く問題が深刻化しています。また、
朝食を毎日食べている子どもの方がむし歯の罹患率が低いなど、生活習慣とむし歯が関係すると
いうデータもあります。
子どもの発達段階に応じた食育の取り組みを積極的に展開するとともに、子どもは保護者の生
活習慣・食生活の影響を受けやすいことから、保護者への食育に関する周知・啓発や情報発信、
相談支援体制の充実を図ります。
みんなの行動目標
◎ 早寝・早起き・朝ごはんの規則正しい生活リズムを身につけましょう
◎ 食品を選ぶ力を身につけ、バランスよく食べましょう
◎ 家族で楽しく食卓を囲みましょう
◎ 食事のマナーを身につけましょう
◎ 自然の食材に親しみ、作物を育てるなど、食物のことを知りましょう
◎ 歯と口の健康づくりの習慣を身につけましょう
取り組み内容
(1)子育て支援を通じた食育の推進
■妊婦を対象に、妊娠中の健康の保持や胎児の健全な発育のため、食育に関する周知・啓発や栄
養に関する指導を進めます。
■乳幼児の健全な発育と健康保持、望ましい食習慣の確立に向け、乳幼児健康診査や相談・指導、
離乳食に関する取り組みなどの充実を図ります。
■子育て支援に関する取り組みを通じて、食育に関する周知・啓発を積極的に進めるとともに、
(2)保育所(園)
、幼稚園、学校での指導体制の充実
■子どもが食の大切さを知り、食を選択する力や望ましい食生活を自ら実践する力をつけるため
の取り組みの充実を図ります。
■食育に関する年間計画を作成し、子どもの発達段階に応じた食育の取り組みや指導を積極的に
展開します。
■教職員が子どもの肥満やアレルギーに対して正しい知識を身につけ、継続的な食育活動を展開
できるよう研修などを行います。
■中学校までの食育活動を高校、大学など次のライフステージに確実につなげていくための取り
組みについて検討を進めます。
(3)保護者への周知・啓発や支援などの充実
■「かみかみの日」(毎月19日)の給食で、よく噛むことを意識づけした献立を実施し、噛むこ
との大切さなどを指導します。
■「早寝・早起き・朝ごはん運動」を継続的に展開します。
■保育所(園)や幼稚園、小中学校の「たより」(保健だより、給食だよりなど)をはじめ様々な
取り組みを通じて、保護者を対象とした食育に関する周知・啓発を進めるとともに、子どもの
朝食の欠食を減らすことや野菜の摂取量を増やすことなど、健全な食生活の実践につなげるた
めの情報提供に努めます。
■保育所(園)や幼稚園、小中学校では、家庭での食育活動の支援に向けて、保護者からの栄養
相談などの充実を図ります。
■保育所(園)や幼稚園、小中学校では、子どもの肥満に対しては、身体測定で体重の増減を把
握し、保護者や本人に対する指導・相談を進めます。
■保育所(園)や幼稚園、小中学校では、子どものアレルギーに対しては、医師の診断に基づき、
保護者と連携をとり、食物アレルギーによる事故防止に取り組みます。
■保育所(園)や幼稚園、小中学校では、食の安全・安心を確保するために、給食などの衛生管
理を徹底するとともに、食中毒予防に関する情報提供を進めます。
■学校給食では、地場農産物を積極的に活用するとともに、子どもや家庭への地産地消の啓発を
進めます。
■保護者に学校給食についての理解を深めてもらうとともに、家庭でのバランスの良い食事づく
りのヒントとなるよう、親子で参加できる料理教室の充実を図ります。
(4)地域における食育活動の充実
■食への興味・関心を高め、感謝の気持ちを育むとともに、野菜の摂取量の増加などにつなげる
ため、地域の農業生産者との連携による菜園活動や収穫体験・交流活動を推進します。
■地域で食育活動に取り組む団体などとの連携を進め、子どもや保護者が参加しやすい身近な地
域での食育活動の充実を図ります。
(5)子どもの歯と口の健康づくり
■子どもの歯と口の健康づくりのために、妊娠期から指導・相談や情報提供に取り組みます。
■母子保健事業、保育所(園)、幼稚園、小学校での歯科検診や歯磨き指導とともに、食べ物に関
する情報の周知・啓発や学習活動を推進します。
■歯科検診後に必要に応じた指導の充実を図ります。
■歯の健康展・市民の集いの充実を図ります。
取り組みのチェック項目(数値目標)
数値目標 現状値 目標値
3歳6か月児 96.2% 100%
小学6年生 94.5% 100% 1.朝食をほぼ毎日食べる子どもの割合
中学3年生 89.4% 100%
3歳6か月児 78.2% 82.0%以上 2.むし歯のない(治療歯もない)
子どもの割合
小学6年生 73.9% 78.0%以上
※1について、3歳6か月児は3歳6か月児健康診査結果、小中学生は全国学力・学習状況調査より(平成
24年度)
2)青年期・成人期(15~64 歳)
取り組みの方向性
青年期・成人期では、不規則な生活習慣や朝食の欠食といった食生活の乱れ、「肥満」や「やせ」
などが多くみられ、生活習慣病の予防や改善が課題となっています。特に、高校生や大学生など
は、生活環境の変化などにより、生活習慣や食習慣が乱れやすくなる時期となっています。また、
子どものいる家庭では、保護者として子どもの食育を担う重要な時期でもあります。
平成 25 年の食育に関するアンケートでは、20~30 歳代の特に男性で、食育や食生活、健康づ
くりへの関心・意識が低くなっており、朝食の欠食や肥満などの食生活に関する課題も多く見ら
れます。
さらに、30~40 歳代で高血圧症や脂質異常症、糖尿病などを発症した人が、50 歳代以降で病状
が重症化するケースが確認されており、青年期から適切な食事や定期的な運動の実践などを通じ
た生活習慣病の予防及び改善に取り組むことが必要です。
今後は、青年期・成人期の方が食育に触れる機会を積極的に増やしていくとともに、食育や食
生活への関心・意識の向上を図り、生活習慣病の予防及び改善に向けた食育活動を推進します。
みんなの行動目標
◎ 食育を知り、学びましょう
◎ 朝食の欠食を減らし野菜摂取量を増やすなど、健康的な食生活を実践しましょう
◎ 塩分・糖分・脂肪のとりすぎに注意しましょう
◎ 日常的に身体を動かし、適正体重を維持しましょう
◎ 定期的に健康診査を受け、生活習慣病予防に努めましょう
◎ 歯と口の健康づくりについて考えましょう
取り組み内容
(1)健康づくりを通じた食育の推進
■生活習慣病の予防及び改善に向け、各種健康診査(検診)を実施するとともに、必要に応じて、
栄養・食生活・運動に関する情報提供や指導を行います。
■様々な健康教育や出前講座などを通じて、自身の健康状態にあった食生活や栄養改善に関する
周知・啓発や情報提供を進めます。
■健康的な生活リズムや食事の選び方、調理方法の習得をめざす講義・調理実習などを開催し、
健康的な食生活の実践や生活習慣病の予防を図ります。
■関係団体との連携により食育への関心が低く、朝食の欠食など課題のある 20~30 歳代男性にも
周知・啓発できるよう、情報提供の仕組みづくりを進めます。
(2)地域や職場での食育の推進
■市民団体や地域団体などによる身近な地域での食育活動、食に関する取り組み・イベントなど
を支援します。
■飲食関係や食品販売に関連する事業者との連携を強化し、日常的に食育に触れ、食育に取り組
めるような環境づくりを進めます。
■関係団体と連携し、生活習慣病予防のための正しい知識と、食育の普及・啓発を進めます。
(3)歯と口の健康づくり
■市内の委託歯科医院において成人歯科健康診査、妊婦歯科健康診査を実施し、結果に応じた指
導を行います。
■歯と口の健康づくりに関する健康教室や健康相談の充実を図ります。
■子どもの歯と健康づくりの取り組みを通じて、保護者自身の歯と口の健康づくりを進めます。
■歯の健康展・市民の集いの充実を図り、歯と口の健康づくりに関する周知・啓発を進めます。
(4)高校生や大学生などを対象とした食育の推進
■高校や大学での食育の取り組みを支援するとともに、高校生等を対象とした事業やイベントなどを
通じて食育に関する周知・啓発や情報提供を進めます。また、中学校までの食育活動を高校、大学
など次のライフステージに確実につなげていくための取り組みについても推進します。
(5)子どものいる家庭での食育の充実
■妊娠期から乳幼児期・学齢期における食育の取り組みを踏まえ、妊婦や保護者、その家族を対
象とした食育・食生活の意識づくりを継続的に進めるとともに、意識づくりから実践につなが
るような仕組みを検討・展開していきます。
取り組みのチェック項目(数値目標)
数値目標 現状値 目標値
20 歳代男性 72.0% 80.0%以上 1.朝食をほぼ毎日食べる人の割合
30 歳代男性 70.0% 80.0%以上
2.生活習慣病の予防や改善のための適切な食事、運動等を継続
的に実施している人(20~50 歳代)の割合
27.0% 32.0%以上
3.市民(30・35・40・45・50・55・60 歳)の成人歯科健康
診査の受診率
7.7% 9.2%以上
※1は寝屋川市「食育に関するアンケート」結果(平成25年)
3)高齢期(65
歳以上)
取り組みの方向性
高齢期では、退職や子どもの自立など、これまでのライフスタイルが大きく変化する時期です。
健康面では身体機能や咀
ぞ
しゃくなど、栄養摂取に関わる機能などが低下し、これまでの食生活を
維持することが難しくなる時期でもあります。
平成 25 年の食育に関するアンケートでは、ひとり暮らし高齢者に昼食や夕食を欠食する傾向が
見られます。
また、高齢期と言っても、元気に活動されている方、低栄養などのため栄養改善が必要な方、
閉じこもり予防が必要な方、介護保険制度で要支援・要介護の認定を受けている方など、様々な
方がいます。
今後は、元気な高齢者も支援が必要な高齢者も、日常生活の中で、自身の状態に合わせ、健康
を維持し、「作る」「食べる」「交流する」を楽しみながら、望ましい食習慣を維持していけるよう、
食育の取り組みを展開していきます。
さらに、高齢者がこれまで培った豊富な知識と経験を家庭や地域社会で活かし、食文化の継承
などの食育活動の担い手として活動できるような環境づくりを進めます。
これらの取り組みについては、高齢者が継続的に参加できるように、展開方法や内容などの充
実を図ります。
みんなの行動目標
◎ 低栄養を予防し、栄養バランスを考えて食事をとりましょう
◎ 家族や友人・知人と食卓を囲み楽しく食事をするように心がけましょう
◎ 健康づくりや介護予防に努めましょう
◎ 歯と口の健康を守りましょう
◎ 地域における食育活動に参加しましょう
◎ 食文化の継承などの食育の担い手として活動しましょう
取り組み内容
(1)健康づくりや介護予防を通じた食育の推進
■生活習慣病の予防及び改善に向け、各種健康診査(検診)を実施し、特に課題のあるひとり暮
らし高齢者へ栄養・食生活に関する情報提供や指導を進めます。
■様々な健康教育や出前講座などを活用して、自身の健康状態にあった食生活や栄養改善に関す
る周知・啓発を進めます。
■高齢者を対象にした介護予防の取り組みを通じて、栄養・食生活・運動に関する周知・啓発、
(2)支援が必要な高齢者への取り組みの充実
■低栄養のため栄養改善が必要な高齢者や閉じこもり予防が必要な高齢者が、健康で自立した生活を
送ることができるよう、配食サービスや会食会などの必要なサービスの利用を促進します。
■高齢者を対象とした地域での会食会や配食活動などを進めます。
■介護保険サービスを利用する高齢者の食生活の充実を図るため、事業者や介護に関する専門職
などを対象とした食育に関する周知・啓発を進めます。
(3)歯と口の健康づくり
■歯の健康を維持するために、定期的に歯科検診を受診するよう勧奨します。
■歯と口の健康づくりに関する健康教室や健康相談の充実を図ります。
■口腔機能の維持・向上を目的に周知・啓発や情報提供、体験活動の充実を図ります。
■歯の健康展・市民の集いの充実を図り、歯と口の健康づくりに関する周知・啓発を進めます。
■8020運動(「80 歳で 20 本以上自分の歯を保つ」ことをめざす運動)を推進します。
(4)地域における食育活動の推進
■保育所(園)や幼稚園、小学校などにおいて、子どもと地域の高齢者との食を通じた交流活動、
地域と連携した菜園活動・収穫体験などの取り組みの充実を図ります。
■地域での会食会や配食活動などの担い手の育成を支援します。
■男性高齢者の自炊支援と仲間づくりに向けた料理教室など、高齢者が食事づくりを楽しめるよ
うな場・機会づくりを進めます。
(5)食育の担い手として活動できる環境づくり
■高齢者が、これまで培った豊富な知識と経験を家庭や地域社会で活かし、食文化の継承をはじ
めとした様々な食育活動に取り組んでいけるよう、人材育成や活動支援などを通じた環境づく
りを進めます。
取り組みのチェック項目(数値目標)
数値目標 現状値 目標値
1.1日3食を毎日食べる人(60 歳以上)の割合 83.2% 89.0%以上
2.ふだんの食事を楽しいと思う人(60 歳以上)の割合 42.7% 50.0%以上
3.8020(80 歳以上で自分の歯を 20 本以上保ってい
る人)の表彰者数
250 人 300 人