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Immunomodulating Effect ofVitamin D3 Derivatives on Type-l Cellular Immunity

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 今 関 郁 夫

学 位 論 文 題 名

      Immunomodulating Effect of Vitamin D3 Derivatives on Type‑l Cellular Immunity

(1 型細胞性免疫に対するビタミンD3 誘導体の免疫調節効果について)

学位論文内容の要旨

要旨

最近の免疫学の進歩はめざましく、マクロファージ等各種細胞の関与とその細胞表面抗原の発現及びサイトカ イン産生との関係が明らかにされてきている。例えば細胞性免疫を担うType‑lヘルパーT細胞(Thl)はIL‑

12やIFN‑ッを産生してType‑l細胞障害性T細胞(Tcl)を誘導し腫瘍免疫等に関与していることが明らかに されている。また、体液性免疫を担うTh2は、IL‑4やtL‑10等を産生して抗体産生に関与していることが知ら れている。さらに、これらThl/Th2細胞の誘導には樹状細胞(DC)と呼ばれる抗原提示細胞が関与しており Thl/Th2バラン スを調節しているとされている。しかし、このThl/Th2バランスの偏りにより尋常性乾癬や 糖尿病といった多くの疾病が誘発されることも知られており、Thl/Th2バランスが生体の恒常性維持に重要で あることが明らかになっている。

一方、ビタミンD誘導体は、臨床では尋常性乾癬や骨粗鬆症に使用されており、免疫抑制作用を持つことも 従来より知られていたが、その詳細な作用機序は明らかにされていない。そこで今回、生体での活性代謝産物 である125(OH)2VD3と、そのカルシウム作用を低減した誘導体である22‑oxa‑1,25(OH)2VD3についで、

Thl/Th2バランスヘの影響をin vitroで検討した。

まず 、1型 骨髄 樹状 細胞(BMDC1)の誘導を試みた。BALB/Cマウスの骨髄細胞を2種の条件、すなわち中 性条件OL‑3、GM‑CSF)又はThl条件(IL‑3、GM‑CSF、IL‑12IFN‑ッ)で5Eヨ聞・培養すると、Thl条件下 でのみBMDC1が 誘導され、主要組織適合抗原複合体Class‑l、・2及び共 役刺激因子(CD80等)等機能分子 の発現も亢進していた。さらに機能的にも アロ抗原特異的な細胞障害性Tリンパ球(CTL)が誘導されるこ とがわかった。この際、ビタミンD誘導体を添加すると、BMDC1の誘導が抑制され、機能分子の発現も抑 制されるのみならず、さらにCTL誘導も消失していくことがわかった。また、Th2細胞は増加傾向を示し、

全体的なThl/Th2バランスとしてはTh2優位に誘導されることがわかった。これらの作用においてビタミン D誘導体間に差は無かった。

これらの結果より、従来ビタミンD誘導体の免疫抑制作用として知られていた現象は、実はThl/Th2バラン スをTh2優位に 誘導することであることが明らかになった。今後、ビタミンD誘導体が多くのThl優位型の 疾病に応用されることが期待される。

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(2)

学位論文審査の要旨

    学 位 論 文 題 名

    Immunomodulating EffeCtof

VitanlinD3DeriVatiVeSOnType― 1Ce11ularImmunity

(1型 細 胞 性 免 疫 に 対 す る ビ タ ミ ンD3誘 導 体 の 免 疫 調 節効 果 に つ い て )

  申 請 者 は 、 生 体 で の ビ タ ミ ンD活 性 代 謝 産 物 であ る1,25(OH)2VD3と 、そ の カ ル シ ウ ム 作 用 を 低 減 し た 誘 導体 で あ る22−oxa―1,25(OH)2VD3にっ いて 、 Thl/Th2バラ ンス に及 ばす 影響 をin vitroで検討した。近年,免疫バランス,特 にThl/Th2バ ラ ン ス の偏 りに より 尋常 性乾 癬や糖 尿病 とい った 多く の疾 病が 誘 発 さ れ る こ と が 知ら れて おり 、Thl/Th2バ ランス が生 体の 恒常 性維 持に 重要 で あ る こ と が 明 ら か に な っ て い る。 一 方 、 ビ タ ミ ンD3誘導 体は 、臨 床で は尋 常 性 乾癬や 骨粗 鬆症 に使 用さ れて おり 、免 疫抑 制作 用を 持つ ことも 知られていた が 、その 詳細 な作 用機 序は 明ら かに され てい なか った ので 、免疫 バランスに重 要 な 役 割 を 果 た す樹 状細 胞(DC)とhelperT細胞に 及ば す効 果に つい て調 べた 。 ま ず 、1・ 型 骨 髄樹 状 細 胞(BMDCI) の 誘 導 を 試 み た 。BALB/Cマ ウ ス の 骨 髄細 胞を2種の条件、すなわち中性条件(IL―3、GM−CSF)又はThl条件(ILー3、GM―CSF、 IL‑12、IFN‑ッ ) で5日問 培養 した とこ ろ、Thl条 件下 では 主要 組織 適合 抗原 複 合 体Class‑l、 −2及 び共 役刺 激因 子(CD80等)等 機能 分子 の発 現が 上昇 して い た 。 さ ら に 機 能 的 に も ア ロ 抗 原 特 異 的 な 細 胞 傷 害 性Tリ ン パ 球(CTL)が 誘導 さ れ る こ と が わ か っ た 。 こ のBMDC1を 誘 導 す る 際 、 ビ タ ミ ンD3誘 導 体 を添 加 す る と 、BMDC1へ の 誘 導 が 抑 制 さ れ 、 機 能 分 子 の 発 現 も 抑 制 さ れ る の みな ら ず 、 さ ら にCTL誘 導能 も消 失し てい くこ とがわ かっ た。 また 、naive CD4十T 細 胞 を 刺 激 す る 時 に ビ タ ミ ンD3誘 導 体 を 加 える とIL‑4を 産 生 す るTh2細 胞は 増 加 傾 向 を 示 す 一 方 、IFN‑ッ を産 生 す るThl細 胞が 減少 し, 全体 的なThl/Th2 バ ラ ン ス と し て はTh2優 位に 誘導 され るこ とがわ かっ た。 これ らの 作用 にお い て ビタミ ンD3誘導 体(1,25(OH)2VD3、22―oxa―1,25(OH)2VD3)間に差は無か     ―46―

則 彦司 和 敏孝 江 永村 野   , 小岩 西 授授 授 教教 教 査査 査 主副 副

(3)

った。これらの結果より、ビタミンD3誘導体の免疫抑制作用として知られて いた現象は、実はThlrTh2バランスをTh2優位に誘導することであることが明 らかになった。

  発表後,副査の岩永敏彦教授から、改変型ビタミンD3誘導体の免疫抑制作 用の程度について、また、ビタミンD3が免疫抑制に働くということの生物学 的意義についての質問があった。次いで副査の西村孝司教授からUV照射によ って皮膚に炎症が起こるときの生体防御機構にビタミンD3が関与している可 能性について、また、ビタミンD3が乾癬の治療薬として用いられることにな った経緯についての質問があった。さらに主査の小野江和則教授から乾癬が発 症するメ カニズム、 ビタミンD3誘 導体添加に よって変化するDCの因子,リ ンパ球混 合反応のと きにC57BL/6マウスを用いる意義、naiveT細胞刺激時の 抗原量の検討について質問があった。いずれの質問に対しても,申請者は自身 のデータ や関連する 論文報告な どを引用し ,滞りなく 適切な回答をした。

  この論文は従来のビタミンD3よりもカルシウム作用を低減した改変型ビタ ミンD3誘導 体において も従来のものと同様にThl型免疫抑制効果があり、副 作用がなく免疫抑制効果を発揮するという点で、今後、ビタミンD誘導体が多 くのThl優位型の疾病に応用されることが期待される点で高く評価され,今後 の 有 効 な 自 己 免 疫 疾 患 の 治 療 法 の 開 発 に 貢献 す るこ と が 期待 さ れる 。   審査員一同は、これらの成果を高く評価し,申請者が博士(医学)の学位を 受けるのに十分な資格を有するものと判定した。

参照

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