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音楽的自立を意図した音楽活動に関する研究 : 共通事項に関わる要素の認識度向上を視点として

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Academic year: 2021

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(1)  音楽的自立を意図した音楽活動に関する研究 一共通事項に関わる要素の認識度向上を視点として一            教科・領域教育学専攻            芸術系:1一ス(音楽).            ”10219A            山本手紗. 2.研究の方法. 1 研究の動機と目的  筆者が勤務する教育学部に在籍する学生を対象.  杉江淑子の『教科r音楽」の授業内容と学力に. に「共通事項に関わる要素の認識度」を調査した. 関する調査』(2007)の結果から音楽科の学力の実. ところ、9年間の音楽科教育を受けてきたにも関. 態を把握し、その問題点に対して示唆の得られる. らず、r共通事項に関わる要素の認識度」が非常に. 江口寿子のrピアノレッスンを変える⑧ひとりで. 低い結果であった。彼らは模奏や模唱は出来るが、. ピアノが弾けた音楽的自立を目指して」(2000). 節奏・範唱がなければ演奏出来ない。自分の力で. や、Bobbett,G,Cの「Eva1uating Student. 音楽と関わっていくための能力が育っていないの. Achievement in Secondary Instru㎜enta1 Music. である。その原因を探ったところ、四分音符や八. Programs、」(1987)をはじめとする文献を検討する. 分音符といった記号の名前は知識として知っては. ことによって、「音楽的自立」の視点から音楽学習. いるが、音符を組み合わせた平易なリズムパター. のあり方を再構築し、さらに既存の音楽テストを. ンを実際にリズム打ちさせてみると出来ない学生. 参考にしながら独自に作成した音楽テストを実施. が多かった。そこで、ドリル学習で音楽的基礎能. しその結果を考察する。. 力の向上を目指したが、理解は出来ても音楽活動. 3 論文構成. に生かすことは出来なかった。これは、音楽的基. 第一章音楽科の学力低下. 礎能力の育成と音楽を学習する活動とが関連付け.  第一節 音楽科の授業時数削減と現状. られていなかったことが原因の一つになっている.  第二節 『教科r音楽」の授業内容と学力に関  する調査』の分析  第三節 教員養成系大学における音楽プログラ  ムの受講者の調査結果. のではないだろうか。.  第8次学習指導要領では共通事項が新設され、 各活動を通して共通事項を学習することとある。. 第二章 音楽的自立のプロセスについての検討. 活動を通して共通事項を学習することで、自らど. 第三章 仮説 指導方法のモデル. のように演奏したいのかを考えられるように育て. 第四章 音楽テストによる再調査一「音楽を聴いて. るためには、どのような教育が必要だろうか。そ.  感じることが出来る」を手がかりとして一. の方法を模索したい。節奏を真似るだけの、曲を.  第一節 再調査時期及び調査対象. 仕上げることを重視した効率的な音楽活動ではな.  第二節 調査の方法  第三節 再調査結果. く、自らがどのように表現したいのかを考える力、.  第四節 比較と考察. すなわち、音楽に対する探究カを育成することが. 4.研究の概要. 本研究の目的である。.  第一章では、音楽科の授業時数が削減される中、. 一394一.

(2) 学校で音楽教育に携わっている現役教師たちは、. B・bb・tt,G,CがrE・・1u・ti㎎Stud・ntA・hie・・m・nt. 子どもたちにどのような力を付けさせたいと考え. inSecondaryInstr㎜enta1MusicPrograms.」で. ているかについて調べるために、杉江淑子の『教. 述べている音楽的自立のための5つの段階的スキ. 科r音楽」の授業内容と学力に関する調査』(2007). ルレベルの説を基に、指導方法のモデルについて. の分析を行った。. の検討を行い、指導案を作成した。単元は「バレ.  次に、学校で音楽科教育に携わっている現役教. エ音楽」とし、ねらいはrモチーフの発展に気づ. 師たちが身につけて欲しいと考えているカがどの. き、違いを感じられるようにする」とした。作成. 程度身に付いているのかについての調査を行った。. した指導案を基に実際に授業を行い、鑑賞の活動. 調査対象者は、9年間の音楽科教育を受け、現在、. を通してrモチーフがどのように発展しているの. 教育学部に在籍している学生の申から、ピアノ実. か」、「その変化はどの部分から感じることが出来. 技と声楽の授業を履修済みで、且つ、筆者の専門. るか」などについて話し合った。. ゼミに所属している大学3年生である。音楽テス.  第四章では、第三章で述べた指導方法のモデル. トは実技を伴うテストと筆記のテストを合わせた. 授業実施後に音楽テストの再調査を行い、その結. もので、実技を伴うテストは録音を撮って記録し、. 果を考察した。. 筆者が採譜してから分析を行った。音楽テストの. 5.今後の躁題. 結果から、「聴く力」に分類される「模倣するカ」.  本研究は、従来アメリカや我が国において幾度 は十分に身に付いていることが分かった。しかし となく取り上げられてきたにもかかわらず曖味な 一方で、「楽譜のリテラシー」や「演奏表現技能」. ままの概念であったr音楽的自立」に関して、本 に分類される項目では残念な結果となり、節奏が 質諭的かつ実証的に行った研究である。この研究 なければ演奏出来ない、自分の力で音楽と関わっ を通して、概念学習や要素学習を目的とするドリ. ていくための能力が育っていないことが浮き彫り ル学習に頼った従来のやり方では模倣の域を出る となった。. ことはないこと、また、自らがどのように表現し  第二章では、音楽的自立のプロセスについて検. たいのかを考えるために必要な力である音楽的な. 討した。模倣に偏った指導法では、音楽的に自立. 知識や技能の向上は、音楽に対する探究力を育成. して自分でどのように表現するかを考えるカを育 する活動を通してしか生まれないことが分かった。. てることは出来ない。そこで、江口寿子の『ピア.  今後、今回取り扱わなかった学習内容を盛り込. ノレッスンを変える⑧ひとりでピアノが弾けた. んだ音楽的自立を意図した音楽活動について検討. 音楽的自立を目指して』(2000)から示唆を得て、 し、それらの認識度の向上を調査するとともに、. r音楽的自立を促すためのプロセス」について検 音楽に対する探究力を育成する音楽活動を通して 討した。また、音楽的に自立するということは先. 身につけた音楽的な知識や技能の定着についての. 生からも自立することと考えるならば、読譜力を 追跡調査も行い、さらなる研究を進めていきたい。. 養うことが必須となることから、r読譜カを養うた めのプロセス」についても検討した。. 主任指導教員  木下千代.  第三章では、前述した音楽的自立のプロセスを. 指導教員    岡本信一. 音楽科の指導方法へと具体化するために、. 一395一.

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