琉球産土壌の微量要素に関する研究 1. Spurway Soil Test Kitによる予備試験 7.沖縄群島離島土壌: University of the Ryukyus Repository

Title

琉球産土壌の微量要素に関する研究 1. Spurway Soil Test

_{Kitによる予備試験 7.沖縄群島離島土壌}

Author(s)

鎮西, 忠茂

Citation

琉球大学農家政工学部学術報告 = The science bulletin of

the Division of Agriculture, Home Economics & Engineering,

University of the Ryukyus(8): 243-266

Issue Date

1961-06

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/23280

琉球塵土壌 の微量要素に関す る研究

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による予備試 験

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鎮 西 忠 茂*

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Ⅰ. PreliminarytestsbySpurwaySoilTestKit.

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1

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沖縄群島は 沖縄本島は じめ大小 38の島々か らなっている｡

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報迄 に沖縄本島の採集土塊につ き予

備試験の結果を報告 した(9)(3)｡本報 では南大東島,久米島,伊江鳥,波令喜島,伊平屋島,波嘉敷島,

座間味村 (座間味島,阿嘉島, 凝固間島),瀬鹿島, 伊是名島及粟国島よ り採集 した 土壌について新

報(1)同様 SpurwaySoilTestKit(4)を用いて予備試験 を行なったので,その結果を報告する｡

2

供 託 土 壌 南大東島 20個所 51･点,久米島 13個所 46点,伊江島 4個所 12点,披名審島 7個所 18点, 伊平島 4個所 11点,披嘉敷島 4個所 10息 座間村 8個所 21点,瀬底島 3個所 7点,伊是名島 3個 所 11点,粟国島 3個所 8点計 69個所 より採集 した畑地土壌 (1個所の林地 と1個所の草地を含む) 195点を風乾後 2mm の節を通過 させた ものを使用 した｡採取個所お よび試料の一覧表は第 1図及第 1表に示す如 くである｡ 3 実験方法,実験結果および考察 実験方法は前報で記述 した もの(1)と同株である｡実験結果を示す と第2表の如 くである｡ この裏か らつぎの事が考え られる｡ pH--母岩により島によ りまちまちであるが,南大東島は琉球石灰岩に由来する土壌であるに拘 ら ず大部分が 酸性であるのは興味深い｡ これは南大東島が主 と して 首肝単作で,甘庶柴をマルチ してい るために溶脱が起 こるの もその一因ではなかろ うか｡ 同島では相 当探い所 まで酸性 となっている所 が 多い｡例えば北区の 444-447のサ ンプル 採取地では 24吋 (約 60cm)では じめて 散アルカ リとな っていた｡ *琉球大 学虚家政工学部農学科

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I. Minamidait｡Island (403-453) VI. ToknshikiIsland (745-754)

II. KumejimaIsland(477-522) VII. Zamami-son (755-775)

ⅠⅠⅠ. IyejimaIsland (61ト622) ⅤⅠⅠⅠ. SesokoIsland (776-782)

IV. TonakiIslancl(716-733) IX. IzenaIshnd (783-793)

V. IheyaIsland (734-744) Ⅹ. Agullilsland (794-801)

硝 酸 イ オ ン (NO3) お よ び ア ン モ ニ ウ ム イ オ ン (NH4') 南大東 島の幾つかの土壌お よび その他 2.3の土壌 を除いては可給態窒素の含有崖は極めて低い. 燐 酸 (P) 久米島の No508-510,波名品 島のNo720,721,伊平屋島の734,738,渡嘉敷島の 748,749,座間味村 の 756,757,759,769-771,772-773,漸底の776,780-782など以外は概 し て燐酸の倉見は極 めて低い｡ 特 に酸性土域においてそれが著 しい. 上記 サ ンプルの燐酸含量の高いの は恐 らく施肥に原関するものであろ う｡ 南大1和島土塊の燐酸含量の

低

いのは意外である. 土壌に燐酸 施用の必要 なる事を物語るものである｡ また久米島,伊江島,粟同島土壌 について も同様 な事がいえ よ う｡ 加 里 イ オ ン(K'

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南

大東 島の No412,423-424,425,427,436-437,439,442,444-447,

450,451,久米島の No480,511,514-515,伊江島の No615,渡名喜島のNo716,722,732,伊

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琉球雄土域の微地要素に|)Mする研究 263 ト『・トのト。ト向［・ぬの○・⑭ ‐十 十 羊土 ＠ｍト ⑪⑫ト 『⑩ト 、⑩ト

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琉球

塵

土 壌 の微蛍要素 に関する研究 265 778などは activetestsで5ppm以上の結果 を示 した｡是等の土壌は Reservetestsの結果 も概 して 高か った｡ カ ル シ ウ ム イ オ ン(Ca'+.) 琉球石灰岩にllr釆する南大東島土壌の大部分が敵 性で石灰含畳が少 な くパ インア ップルの如 き酸性植物栽培可能 となってい るのは興味深い｡ その他の島々の琉球石灰岩 土壌はカル シウム合壁が高 くその栽培には不適 である｡ マ グ ネ シ ウ ム イ オ ン(Aqg+') 各島 ともマグネシウム食塩は概 して 高 く欠乏の変はない よ うにl 考 え られ る｡ 鉄 イ オ ン (FeH+) 各島 ともpHの高い 土壌 では 可溶性鉄含虫 が 低 いのが 普通の よ うであ る｡ Reservetestsにおいて陰性 の結果 を与 えた土壌に久米島のNo477,480-482,498-501,511-513,

伊江島の No618-619,渡名喜島のNo718-723,725-726,729.-732,伊平屋 島のNo737-739,

742-744,748-749, 座間味の No756-757,769-774, 湖底島のNo776, 伊是名島の No783,

784,791-793, などがあ った｡南大東島の 427,428,は酸性 であ るに も拘 らずその含盛が極 めて 低 い｡是等の土壌 ではある作物 については 鉄不足の可能性があろ う｡ 特 に生育初期 にそれが著 しいであ ろ う｡ マ ン ガ ン イ オ ン (餌n++) ActivetestsにてL陰性の結果 を与 えた ものが 多い｡Reservetestsに て陰性 またはTraceの結果 を与 えた 土壌には 南大東 島の No404,406,409,414,418-419,443, 450,453, 久米島のNo477-483,485,489,491,492,496-507,511-513;522,伊江島の No 618,619, 渡名喜島の718-722, 伊平屋島のNo734-738,741-742, 渡嘉敷島のNo746-754,

座間味烏の No756-762,764,765,767-774,伊是名島の No786,790-793,粟国島の No800,

801,があるo是等 の うち 第一層が陰性 またはTraceの結果を示す ものは, マ ンガ ン欠乏の可能性が 大 であろ う｡ マ ンガ ン含量の高 い土地が南大東 鳥土壌(415,420,434,445)にあ った｡何れ もactive tests5ppm以上である｡作物 に よっては有害作用 をお よぼ してい るのではないか と想像 され る｡ ア JL,ミ ニ ウ ム イ オ ン(Al+'+) 一般 に食塩低 く, 植生 を害 する程 Al+++含量の大 なる土壌は 各島 とも発見 されなか った｡ 硫 酸 イ オ ン(SO 4日) 各島すべての 土塊について陰性 であった｡但 しこれは前報 で ものべた よ う に必ず しも S欠乏の恐れのある事 を示 す ものではない｡ 塩 素 イ オ ン(Cl-) 各島 とも一般 に含量低 く塩素の害の恐れのあ る土壌 は見出されなか った｡ 亜 硝 酸 イ オ ン (NO2-) 植生 を害する程合箆の高い土壌は見

出

されなか ったO 摘 要 1) 沖縄の 離 島の うち 南大東島,久米島,伊江島,波名乱 亀,伊平屋 島･,渡嘉敷島,座間味村 (座 間味島,慶留間島,阿嘉 島),湖底島,伊是名島,粟国島よ り採取 した 69個所 195点の土塊 につい

て微量要素に関する研究の手掛 りを得 るため,前報同様 SpurwaySoilTestKitを用いて予備試験 を

行 な った｡ 2) マ グネシウム イオ ン(Mg++)は各島 とも一般 に食塩高 くその欠乏の恐れはない よ うである0 3)鉄 イオ ン(Fe+++)は各島にその欠乏の可能性のある土壌が多い よ うに思 われた｡鉄 イオ ン過剥 の恐れのある土壌はなか った｡ 4) マ ンガ ンイオ ン(Mn++)は大体鉄 と同様 な傾 向がある｡マ ンガ ン過剰の害の恐れがあると思わ れ る土壌が南大東 島に 2-3あ った｡ 5) 硫酸 イオ ン(SO4)含畳 はすべての土壌について陰性 であ った｡

6

)

以上の要素以外 の ものについて も試験 を行 なったがその結果は

266 鎮 西 忠 茂 a)NOB-お よび NHtI+合主副よ一部の土壌 を除いては一般 に低か ったo b)燐酸 (P)含量 は施肥に よる ものであろ うと思 わjlるもの以外 は一般 に低 く,Reservetestsに て 1ppm以下 を示 す もの多 く中には陰他 の結果 を与 えるもの もあ った｡ C)

加

盟[オ ン(K+)倉見は各島を通 じて 2,3カ所 において高 い結 果を与 えたがその他では概 し て低か った｡ d) カル シウム イオ ン(Ca++)含量 につ いては南大東鳥が琉球石石岩土壌 であるに も拘 らずその含 豊の低い事 を指摘 した｡ e) Al+++,Cl-,NO2はいずれ も植生 を害 する程その含量 の商 いのはなか った0 7) ナ トリウム イオ ン(Naつ は試薬の都合 で訳験 を行 なわなか った｡

8) 上記以外の要素は SpurwaySoilTestKitでは試験 で きないので行 な っていない｡

引 用 文 献

1.鎮西 忠 茂 1955 琉球 大 学 放 家 政 工 学 部 学術 報 告 2,105-118.

2.- - -- 1957 // 4

,

169-199.

3.- - ----1958 // 5,135-147.

4.'Spurway,C.班.and K.Lawton1949 Technical●Bulletin,No.132,.Agr.Exp.Sta.,

Michig(lnStateCollege.

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S

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1. Onehundreclanclsixtyninesamplesofsixtyninelocalitiestaken from Minamidaito

,

Kume

,

Iye,Tonaki,Iheya,Tokashiki,Zamami,Aha,Geruma,Sesoko,IzenaandAguniIslands

weretcstedbySpurwaySoilTestKitforthesamepurposeasinthepreviousreports" (V

2. Magnesium wascontainedmoderately highinallsamples

,

Sothereislittlepossibilityof

magnesium de丘ciency.

3. IntheSOlubleiron,manys･ amplesgavelow testresultswhich indicatethepossibilityof

ironde丘ciency.

4･ Manysamplesgavelow testresultsin manganesewhicllindicate manganese de丘ciency.

Some samples from Minamidaito lsland were high in manganese contentwhichmay

indicatemanganesetoxicityforcertaincrops.

5. Testforsulfateswere negativeinallofthesoilsamples. ThisindicatesSO`1--content

isbelow toxiclevel.

6. Testsofotherthanthe aboveelementswere also madeandtheresultsaresummerized

asfollows:

a) NO3 andNH4+contentweregenerallylow inmostsoilsamples.

b) Phosphoruscontentinmostsampleswasverylow andmanyofthem gaveless血an

lppm bythereservetests.

C) Samplestakenfrom 23localitiesgavehigh testresultsinpotassium. Mostofother

samplesgavegenerallylow testresultsinK+.

d) Ca++contentofmostsamplesfrom Minamidaitolsl壬Indwasrelativelylow inspiteof

thesesoilsarederivedfrom Ryukyulimestone.

e) Al++'

,

Cl-andNor wereallbelow toxiclevels.

7･ Elementsotherthantheavove were nottested becausetheSpurwaySoilTestKitdoes