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第 3 章和歌山市水道事業の現状と課題 3-1. 和歌山市水道事業の現状 人口の動向について 過去 10 年間の行政区域内人口及び給水人口 * は ともに減少傾向を示しています 水道普及率は 平成 19 年度実績で 98.2% となっています ( 図 3-1 参照 ) ( 人 ) 39

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和歌山市水道事業の現状と課題

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第3章 和歌山市水道事業の現状と課題

3-1.和歌山市水道事業の現状

過去10年間の行政区域内人口及び給水人口*は、ともに減少傾向を示しています。 水道普及率は、平成19年度実績で 98.2%となっています(図3-1参照)。 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 350,000 355,000 360,000 365,000 370,000 375,000 380,000 385,000 390,000 (人) (年度) 給水人口 行政区域内人口 出典:和歌山市水道統計年報 図3-1 人口の動向(平成10年度から平成19年度まで) 給水人口*減少の影響で水需要も減少傾向にあります。1日最大給水量も減少して おり、平成15年度以降は 200,000m3/日を下回っています(図3-2参照)。 有収水量*は、用途別(生活用、業務営業用、工場用、その他)にみると 78%以上が 生活用水です。生活用水は減少しており、給水人口*1人当たりに換算した生活用原単 位*も節水型水使用機器等の普及などが影響して、平成10年度の 288ℓ/人/日から平 成19年度で 276ℓ/人/日まで減少しています(図3-3参照)。

3-1-2.水需要の動向について

3-1-1.人口の動向について

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0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 (年度) (m3/日) 1日最大給水量 1日平均給水量 有収水量 出典:和歌山市水道統計年報 図3-2 水需要の動向(平成10年度から平成19年度まで) 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 (年度) (m3/日) 260 265 270 275 280 285 290 295 300 (ℓ/人/日) その他 工場用 業務営業用 生活用 生活用原単位 和歌山市水道統計年報の口径別有収水量をもとに用途別を試算 用途別有収水量 生活用原単位 図3-3 用途別有収水量*の動向(平成10年度から平成19年度まで)

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本市は、紀の川が中心部を東から西へと流れており、紀の川の北側(河西地区*)と 南側(河東地区*)に大きく分断されています。紀の川に沿って平野部が広がっている ものの、市北部及び市南東部には、山間部もあり起伏に富んでいます。 平成20年度現在、加納浄水場、出島浄水場、真砂浄水場及び滝畑浄水場の4か所 が稼動しています。基幹となる浄水場は、加納浄水場(施設能力 121,000m3/日)で全浄 水場の施設能力の 50%以上を占めています。この加納浄水場を含め、河東地区*には 真砂浄水場(施設能力 32,000m3/日)及び出島浄水場(施設能力 50,000m3/日)が配置さ れており、河西地区*には小規模集落向けの滝畑浄水場(施設能力 34m3/日)のみが配 置され、主力となる浄水場が存在しません。河東地区*から河西地区への水道水の供 給は、紀の川に架かる六十谷水管橋の1か所となっています(図3-4参照)。 浄水場の水源については、加納浄水場及び出島浄水場が紀の川表流水、真砂浄水 場は紀の川伏流水*、滝畑浄水場は滝畑川の伏流水です。加納浄水場及び滝畑浄水 場は水源に近いため導水管*の距離は短いですが、紀の川から離れた位置にある真砂 浄水場及び出島浄水場には、長距離の導水管*が布設されています。水処理の方法は、 加納浄水場及び出島浄水場が急速ろ過方式*、真砂浄水場が緩速ろ過方式、滝畑浄 水場が膜ろ過方式*です(図3-5参照)。 浄水場と送水管*で結ばれた一次配水池は、河西地区が4か所(貴志、鳴滝、有功、 紀伊)、河東地区*が3か所(花山、秋葉山、城内)となっています。河東地区は給水範 囲に比べて一次配水池が少ない状況であり、配水池容量のバランス改善と災害時給水 拠点を確保するため、出島浄水場の配水区域内に和佐配水池を建設中です。その他に も、一次配水池から配水管*で結ばれた小規模配水池(二次配水池)があります。 施設配置 地形条件

3-1-3.水道施設の位置・規模について

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出島浄水場 滝畑浄水場 城内給水場 紀伊配水池 有功配水池 鳴滝配水池 貴志配水池 真砂浄水場 出島浄水場系 加納浄水場+出島浄水場系 真砂浄水場系 滝畑浄水場系

紀の川

河西地区

河東地区

和佐配水池 (建設中) 加納浄水場 加納浄水場系 一次配水池 浄水場 花山配水池 秋葉山配水池 凡例 六十谷水管橋 N N 二次配水池 大谷配水池 スカイタウン つつじヶ丘 高区配水池 スカイタウンつつじヶ丘 低区配水池 木ノ本高区 配水池 木ノ本低区 配水池 新和歌浦 配水池 黒谷配水池 明王寺配水池 小倉勝宝台配水池 図3-4 水道施設の配置(平成20年度現在)

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供用開始:昭和48年 施設能力:121,000m3/日 【処理フロー】 紀の 川表 流 水 凝集沈澱池 粉末活性炭 前アルカリ(消石灰) 凝集剤 (ポリ塩化アルミニウム) 中間塩素 (次亜塩素酸ナトリウム) 急速ろ過池 浄水 後炭酸(炭酸ガス) 後アルカリ(消石灰) 後塩素(次亜塩素酸ナトリウム) 給水 加納浄水場 供用開始:昭和37年 施設能力:50,000m3/日 【処理フロー】 紀の 川表 流 水 凝集沈澱池 前アルカリ(消石灰) 凝集剤 (硫酸アルミニウム) 中間塩素 (次亜塩素酸ナトリウム) 急速ろ過池 後塩素 (次亜塩素酸ナトリウム) 浄水 給水 水 源 地 ポンプ (導水管) 出島浄水場 図3-5(1) 浄水場の概要 急速ろ過池について 急速ろ過池を用いた水処理方法(急速ろ過方式*)は、緩速ろ過方式に向かない高い濁度の 水源に対して、アメリカで発明されたものであり、現在世界で最も広く用いられています。 水処理にあたっては、原水中の懸濁物質を化学薬品である凝集剤*で凝集沈澱処理し、残り の濁質を 120m/日から 150m/日程度の速い速度でろ過することで除去します。急速ろ過池では、 緩速ろ過池のように生物反応が伴わないので溶解性成分をほとんど除去することはできません。 しかし、緩速ろ過方式*に比べて、狭い用地で大量の水を処理することができます。(出典:「よく わかる水道技術」、水道技術研究会編著、日本水道新聞社、「浄水の技術」、丹保憲仁・小笠原 紘一共著、技報堂出版) コラム

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供用開始:大正14年

施設能力:32,000m

3

/日

【処理フロー】

紀の

川伏

緩速ろ過池

浄水

後塩素 (次亜塩素酸ナトリウム)

給水

ポンプ (導水管)

真砂浄水場

供用開始:平成15年 施設能力:34m3/日 【処理フロー】 滝畑川伏流 水 活性炭ろ過 前塩素 (次亜塩素酸ナトリウム) 膜ろ過 (UF→MF) 浄水 後塩素 (次亜塩素酸ナトリウム) 接触酸化 給水 滝畑浄水場 図3-5(2) 浄水場の概要 緩速ろ過池について 緩速ろ過池を用いた水処理方法(緩速ろ過方式*)は、19世紀の初めにイギリスで始められた ものであり、ヨーロッパでは現在でも広く用いられています。日本でも戦前に建設された浄水場で は、この方式のものが多いです。 水処理にあたっては、4m/日から 5m/日程度の遅い速度でろ過することにより、砂層表面及び 砂層内部に増殖した生物のつくるろ過膜によって水中の不純物(懸濁物質、溶解性成分等)を除 去します。高い濁度の水源ではすぐに目づまりするので、濁度が低い水源であることが条件とな ります。しかし、特別な技術、装置及び薬品を用いずに良質なろ過水をつくることができるという利 点があります。(出典:「よくわかる水道技術」、水道技術研究会編著、日本水道新聞社、「浄水の 技術」、丹保憲仁・小笠原紘一共著、技報堂出版) コラム

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水道事業の収益(営業収益*及び営業外収益の合計)は、料金改定後の平成10 年度にピークを迎えたものの、その後、減少傾向にあります。費用(営業費用*及び営 業外費用*の合計)は、平成13年度にピークを迎え、その後、減少しています。これは、 人件費、委託料、企業債*利息等の動向が影響しています。費用面の抑制効果は、 経常収支*比率にも反映されており、平成17年度までは増加を示しています(図3- 6参照)。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 (年度) (億円) 100 105 110 115 120 125 (%) 営業収益+営業外収益 営業費用+営業外費用 経常収支比率 出典:和歌山市水道統計年報 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 営業収益+営業外収益(億円) 81 94 90 90 88 86 85 85 84 83 84 営業費用+営業外費用(億円) 78 79 78 80 81 78 77 75 74 74 75 経常収支比率(%) 104 118 116 112 108 109 110 113 114 112 111 図3-6 経常収支*の動向(平成9年度から平成19年度まで)

3-1-4.水道事業の財政状況について

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費用内訳をみると、人件費は、平成14年度以降、顕著に減少しています。また、借 入金による企業債*利息も徐々に減少しています。しかし、近年、管路整備への投資 が増えているため設備投資に伴う減価償却費*は、増加する傾向にあります。 費用全体としては、平成14年度から平成17年度まで減少していましたが、平成18 年度以降は増加傾向に移りつつあります(図3-7参照)。 また、施設整備の際に借入した企業債*の元金(元金償還金)及び支払利息(企業 債*利息)を合計した返済額(元利償還金)は、利息が徐々に減少しているものの、元 金の支払いが増加しています。平成19年度は、低金利の企業債*へ借換えをしたた め前年度より元金(元金償還金*)が大きく増加しています(図3-8参照)。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 (年度) (億円) その他 企業債利息 減価償却費 修繕費 動力・薬品費 委託料 人件費 出典:和歌山市水道統計年報 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 その他(億円) 7 8 8 8 9 8 8 8 8 8 10 企業債利息(億円) 16 16 15 16 15 15 14 13 13 13 13 減価償却費(億円) 13 13 14 15 16 17 18 18 19 20 20 修繕費(億円) 1 1 1 1 1 1 1 0 0 1 1 動力・薬品費(億円) 5 4 4 4 5 4 4 4 4 4 4 委託料(億円) 11 10 11 12 12 10 10 9 9 10 11 人件費(億円) 26 27 25 25 25 24 23 22 21 19 16 合計(億円) 78 80 78 81 82 79 77 75 74 74 75 図3-7 費用内訳の動向(平成9年度から平成19年度まで) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 (年度) (億円) 元金 利息 出典:和歌山市水道統計年報 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 利息(億円) 16 16 15 16 15 15 14 13 13 13 13 元金(億円) 11 12 13 14 16 17 18 20 21 19 27 合計(億円) 27 28 28 30 31 32 32 33 34 32 40 図3-8 元利償還金の動向(平成9年度から平成19年度まで)

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水道料金については、1か月当たり使用水量 10m3で他の中核市と比較すると、3 3市の中で10番目に低い料金となっています。使用水量 20m3でも10番目に低い料 金となっています(図3-9参照)。 850 1,438 819 1,827 745 1,869 861 1,869 945 2,047 750 2,100 766 2,236 840 2,310 1,029 2,394 9 4 5 2 , 4 1 5 1,018 2,446 1,207 2,467 934 2,509 1,102 2,520 1,333 2,520 1,029 2,529 1,228 2,562 1,050 2,600 976 2,604 1,239 2,604 1,004 2,632 966 2,635 1,785 2,635 1,222 2,660 1,228 2,688 1,312 2,730 939 2,745 1,302 2,824 1,470 2,835 1,371 2,872 2,163 3,213 1,743 3,234 1,580 4,415 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 (円:金額は税込み) 長崎市 いわき市 郡山市 旭川市 高松市 大分市 宇都宮市 秋田市 長野市 高知市 豊田市 福山市 東大阪市 青森市 奈良市 松山市 岡崎市 下関市 金沢市 熊本市 横須賀市 鹿児島市 岡山市 和歌山市 宮崎市 高槻市 岐阜市 姫路市 川越市 富山市 函館市 倉敷市 豊橋市 中核市(1か月当たり家庭用料金、口径別料金体系の場合は口径13㎜の1か月当たり料金) 使用水量10m3 使用水量20m3 和歌山市 m3 m3 出典:平成18年度水道統計 図3-9 中核市*における水道料金の比較

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水道事業に携わる職員は、平成20年4月1日現在で 248 名となっています。事務系 職員では、40歳未満の職員数及び勤続年数20年未満の職員数が極端に少ない状 況です。技術系職員では、55歳以上60歳未満の職員数が若干多いものの比較的ど の年齢区分にも一定の職員がいますが、勤続年数でみると10年以上15年未満の職 員数及び30年以上の職員数が極端に多い状況です(図3-10・図3-11参照)。 4 7 5 16 24 16 20 5 4 21 23 16 13 10 0 18 18 28 40 30 20 10 0 10 20 30 40 20歳未満 20~25歳 25~30歳 30~35歳 35~40歳 40~45歳 45~50歳 50~55歳 55~60歳 60歳以上 年 齢 区 分 職員数(人) 事務系 (97人) 技術系 (151人) (合計248人、全体平均年齢45.01歳) 平均年齢43.04歳 平均年齢47.08歳 図3-10 職員年齢構成(平成20年4月1日現在) 1 5 2 3 4 6 32 22 6 13 6 33 13 18 4 9 8 19 35 9 40 30 20 10 0 10 20 30 40 2年未満 2~4年 4~6年 6~8年 8~10年 10~15年 15~20年 20~25年 25~30年 30年以上 勤 続 年 数 区 分 職員数(人) 事務系(97人) 技術系(151人) (合計248人、全体平均勤続年数20.00年) 平均勤続年数18.00年 平均勤続年数23.01年 図3-11 職員勤続年数構成(平成20年4月1日現在)

3-1-5.職員及び組織構成について

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3-2.和歌山市水道事業の課題

本市水道事業が置かれている状況や今後の見通しをもとにして、国の水道ビジョンで掲 げられている長期的な政策目標に沿った5つの視点(下記参照)で、本市水道事業の課題 を整理します。 【課題整理の視点】 1.いつでも使えるように供給されているか(安定) 2.将来も変わらず安定した事業運営ができるようになっているか(持続) 3.安全な水、快適な水が供給されているか(安心) 4.環境への影響を低減しているか(環境) 5.国際協力に貢献しているか(国際) 本市では、今後、給水人口*が減少する見通しです。給水量は、人口減少による使 用水量減少に加えて、節水型水使用機器等の普及などによる使用水量の減少が見 込まれることから、今後、減少する傾向にあります。給水量の減少は施設能力に余力 が生じることから、施設整備を計画するにあたっては過大な能力を見込まないように 注意する必要があります。また、給水量の減少は水道料金収入の減少につながりま すので、財政面でも支障が出ないように計画していく必要があります。 人口及び給水量の将来見通し 《給水人口*の将来見通し》 給水人口*は、本市の上位計画(「第4次和歌山市長期総合計画」)に基づいた目 標値を平成29年度まで採用し、同じ傾向で平成30年度以降を推計しています。予 測結果は、今後も人口が減少し続けるものとなっています(図3-12参照)。

3-2-1.いつでも使えるように供給されているか(安定)

人口及び給水量の減少

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H9 H13 H18 H22 H27 H32 H37 H40 実績(人) 382,168 376,105 365,284 予測(人) 363,378 355,868 340,886 323,408 311,772 給水人口 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000 450,000 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 H23 H25 H27 H29 H31 H33 H35 H37 H39 (年度) (人) 実績 予測 350,000人 図3-12 給水人口*の将来見通し 《給水量の将来見通し》 給水量(1日最大給水量*)は、平成9年度から平成18年度までの実績をもとに 時系列式*などで予測を行いました。 予測結果としては、給水人口*と同様に今後も減少し続ける見通しとなります(図 3-13参照)。 H9 H13 H18 H22 H27 H32 H37 H40 実績(m3/日) 243,065 212,906 183,853 予測(m3/日) 181,516 171,712 161,444 150,914 144,378 1日最大給水量 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 H23 H25 H27 H29 H31 H33 H35 H37 H39 (年度) (m3/日) 実績 予測 図3-13 1 日最大給水量*の将来見通し

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水道料金収入の減少 近年、料金算定のもととなる有収水量*が減少し続けています。有収水量が減 少することで水道料金収入も減少しています(図3-14参照)。今後も有収水量* が減少し続ける見通しであることから、収益が減少し、財政面に悪影響を与えること が懸念されます。 65 70 75 80 85 90 95 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 (年度) 42,000 44,000 46,000 48,000 50,000 52,000 54,000 年間有収水量 水道料金収入 出典:和歌山市水道統計年報 料金改定 H10.2.1 水道料金収入 (億円) 年間有収水量 (千m3) 図3-14 水道料金収入と有収水量*の推移

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過去には浄水場から配水する水量のうち、年間で最も多く配水した日の水量(1日 最大給水量*)が施設能力に近い状態となっていたこともありました。近年は1日最大 給水量*が減少し続けているため、施設能力と1日最大給水量の間に余裕が生じは じめました。ただし、中核市の平均値*と比較すると特に大きな余裕があるわけではあ りません(図3-15参照)。また、配水池の容量は、災害時への備えとしても増強して いく必要があります。しかし、配水池の貯留能力をみると、中核市の平均値*より低い 値となっています(図3-16参照)。 浄水予備力確保率(指標番号2003) 11.3 7.1 7.6 15.7 13.7 26.6 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=[(全浄水施設能力-一日最大浄水量)/全浄水施設能力]×100 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 2003浄水予備力確保率 % ↑ 7.1 7.6 11.3 13.7 15.7 26.6 望まし い 方向 和歌山市の指標値 この指標は、全浄水施設能力に対する予備力の割合であり、水運用の安定性、柔軟性及び危機対応性を示 す業務指標の一つである。 図3-15 浄水予備力確保率(業務指標* 配水池貯留能力(指標番号2004) 0.49 0.46 0.46 0.47 0.49 0.85 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=配水池総容量/一日平均配水量 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 2004配水池貯留能力 日 0.46 0.46 0.47 0.49 0.49 0.85 望まし い 方向 和歌山市の指標値 一日平均配水量の何時間分が配水池などで貯留可能であるかを表しており、給水に対する安定性、災害、事 故等に対する危機対応性を示す業務指標である。 図3-16 配水池貯留能力(業務指標* 供給能力の状況

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施設の効率運営のためには、漏水量を少なくしていかなければなりません。しかし、 配水池から出た水が有効に使われているかを示す指標のひとつである有収率*(有 効率*)は、中核市の平均値の水準を下回っています(図3-17参照)。 本市では、他都市と比べて私道の割合が多く、そのために個人、民間業者等が布 設した給水本管*・給水管が多いというのが特徴です。この内の鉛製給水管からの 漏水は有収率*(有効率)の向上が遅延している大きな原因であると考えています。 現在、漏水防止の取組としては、老朽配水管*の布設替並びに老朽給水本管 採納*及び布設替を継続的に実施しています。 有収率(指標番号3018) 74.7 75.4 76.8 78.1 77.5 90.6 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(有収水量/給水量)×100 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 3018有収率 % 74.7 75.4 76.8 77.5 78.1 90.6 この指標は、年間の配水量(給水量)に対する有収水量の割合を示す業務指標で、施設の稼動状況がそのま ま収益につながっているかどうかが確認できる。有収率が高いほど施設の効率がよく収益性が高いといえる。 望まし い 方向 和歌山市の指標値 図3-17 有収率*(業務指標 漏水防止への取組

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普及率は、平成19年度末現在で 98.2%と高い値になっています(図3-18参照)。 未普及地域の解消のために行った調査結果により、既存配水池から当該各地区まで の距離が離れているため配水管*内での滞留時間が長くなり水質が劣化するなど、水 道水質基準に適合しないおそれがあるため、高台地区や遠隔地等で未普及地域が 存在しますが、市民皆水道に向けて今後も未普及地域解消への取組が必要です。 普及率(指標番号2006) 98.3 98.1 98.1 98.1 98.1 98.2 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(給水人口/給水区域内人口)×100 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 2006普及率 % 98.1 98.1 98.1 98.1 98.2 98.3 望まし い 方向 和歌山市の指標値 給水区域内に居住する人口に対する給水人口の割合であり、事業サービス享受の概況を総合的に判断する ための指標、当該事業の地域性を示す業務指標の一つである。 図3-18 普及率(業務指標* 水道の普及

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本市は、東南海・南海地震の防災対策推進地域*に指定されており、中央構造線断 層帯での直下型地震の発生(図3-19参照)も懸念されていることから、震災への備 えが急がれています。しかし、主要な施設は老朽化が進んでおり耐震性も低い状況と なっており、配水池への緊急遮断弁*の設置箇所も少なく、災害時の給水拠点となる 配水池も給水面積に比べて少ない状況です。 また、管路では、配水管*、給水本管及び紀の川を横断する送水管の耐震性が 低いことが問題となっています。施設や管路の構成もバックアップ機能が十分でない ため、今後整備が必要です。このように取り組むべき課題が多く、早急に対策を行っ ていくことが必要です。また、水道使用者アンケート調査の結果では、災害対策事業 への取組が最も望まれています(図3-28参照)。 和歌山市

中央構造線断層帯

(金剛山地東縁~和泉山脈南縁)

東南海地震

南海地震

M8.0程度 ほぼ0~5%

M8.1前後 60%程度

M8.4前後 50%程度

(出典)全国を概観した地震動予測地図、平成17年3月23日 地震調査研究推進本部地震調査委員会 図3-19 平成17年1月1日から30年以内の地震発生確率 災害対策への取組

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国の取組 国は災害対策基本法をもとに、各都道府県又は市町村で地域防災計画を作成す ることを義務づけています。また、東海地震及び東南海・南海地震についても特別 措置法等により具体的な対策が定められています。水道施設に関する基準等につ いては、水道法第5条及び水道施設の技術的基準を定める省令において、施設の 重要度に応じて地震力に対する安全性を確保するよう定められています。 東南海・南海地震について 太平洋沖にある南海トラフのプレート境界では、歴史的に見て、おおむね100年から150年の 間隔で海溝型の巨大地震が発生しています。 中央防災会議では平成13年の検討で、『東南海・南海地震は、現時点では直前予知は困難で あるが、今世紀前半にもその発生のおそれがあり、甚大な津波被害等の発生のおそれがあるこ と、被災範囲が広域にわたること等から、速やかに地震発生メカニズムや想定される被害等につ いての検討を行い、必要な防災対策を実施していくことが重要である』と指摘しました。 このことを受けて平成14年7月には「東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する 特別措置法」が制定され、防災対策推進地域が指定されました。この地域では、地震防災対策に 関する各種計画を作成し、その実施を推進することが求められています。(出典:「東南海・南海 地震対策大綱」平成15年12月、中央防災会議) 東南海・南海地震の想定震度分布(内閣府防災情報ホームページより) 東南海・南海地震防災対策推進地域(内閣府防災情報ホームページより) コラム

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施設の耐震性 浄水場では、平成15年に建設された滝畑浄水場を除いて耐震性が低いというの が実状です(図3-20参照)。配水池についても、全体的に耐震性が低い値となっ ています(図3-21参照)。 浄水施設耐震率(指標番号2207) 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02 13.9 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(耐震対策の施されている浄水施設能力/全浄水施設能力)×100 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 2207浄水施設耐震率 % 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02 13.9 水道構造物に求められる耐震基準が満たされていると判断された浄水施設の能力を表わす業務指標である。 望まし い 方向 和歌山市の指標値 図3-20 浄水施設耐震率(業務指標* 配水池耐震施設率(指標番号2209) 0.7 0.7 1.5 1.5 1.5 33.3 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(耐震対策の施されている配水池容量/配水池総容量)×100 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 2209配水池耐震施設率 % ↑ 0.7 0.7 1.5 1.5 1.5 33.3 望まし い 方向 和歌山市の指標値 水道構造物に求められる耐震基準が満たされていると判断された配水池の容量を表わす業務指標である。 図3-21 配水池耐震施設率(業務指標*

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緊急時給水拠点の状況 災害時に応急給水の拠点となる緊急時給水拠点は、市内の各配水池のほか、3 か所の公園に耐震性貯水槽*(100m3、図3-22参照)を設置していますが、拠点 数は給水面積に比べて少ないのが現状です(図3-23参照)。 また、多くの配水池には緊急遮断弁*が設置されていないことから、地震時に配 水池内の水が流出し、飲料水の確保に支障を来すおそれがあります。 図3-22 耐震性貯水槽*の模式図 耐震性貯水槽*について 水道施設、特に管路については、震災時にある程度の被害が発生することは避けられません。 また、停電などに伴って、発災後しばらくは給水機能が確保できなくなることが想定されます。そ のような場合でも、飲料水は被災した住民の生命維持のために欠くことはできません。火災発生 に対しても初期消火活動に必要な水を確保することが重要です。 そこで、あらかじめ定められている避難場所や震災により断水が予想される区域等に耐震性 貯水槽*を設置し、災害時の飲料水及び初期消火用水の確保を行う取組が進められています。 耐震性貯水槽*は、長時間の滞留による水質劣化を防ぐため、常時水を循環させていますが、 地震の揺れを感知すると緊急遮断弁*が水の流れを止め、同貯水槽内に水道水が蓄えられる構 造になっています。(出典:「よくわかる水道技術」、水道技術研究会編著、日本水道新聞社) コラム

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給水拠点密度(指標番号2205) 7.6 7.6 8.1 8.1 8.1 15.5 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(配水池・緊急貯水槽数/給水区域面積)×100 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 2205給水拠点密度 箇所/ 100km2 ↑ 7.6 7.6 8.1 8.1 8.1 15.5 望まし い 方向 和歌山市の指標値 給水区域100km2当たりの拠点数であり、緊急時の利用しやすさを表わす業務指標である。 図3-23 給水拠点密度(業務指標* 管路の耐震性 本市は紀の川で大きく2つの地域(河東地区*・河西地区)に分断されており、両 地域を結ぶ送水管*は六十谷水管橋の1か所となっています。六十谷水管橋の耐 震性については、東南海・南海地震や中央構造線断層帯での直下型地震に対して 送水機能が確保されない可能性が高いので、耐震補強やバックアップルートの整 備を行う必要があります。 配水管*については、耐震管の割合が2割以上と中核市の平均値に比べて高い 割合(図3-24参照)となっています。これは、中核市*の中でも配水管延長が短 いためです。 一方で配水管*に代わる個人、民間業者等が所有している給水本管が多く存在 しています。その給水本管*を含め、現在布設されている管路の多くは老朽化が進 んでおり、耐震性が低いのが実状です。

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管路の耐震化率(指標番号2210) 19.8 28.2 25.6 23.2 8.9 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(耐震管延長/管路総延長)×100 ↑ 望 ま し い 方 向 和歌山市の実績値 中核市の平均値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 2210管路の耐震化率 % - 19.8 23.2 25.6 28.2 8.9 管路(導水管・送水管・配水管)の耐震化の進捗状況を表しており、地震災害に対する水道システムの安全性 及び危機対応性を示す業務指標である。ただし、給水管の管路延長は対象とならないことに留意する必要が ある。 望まし い 方向 和歌山市の指標値 図3-24 管路の耐震化率(業務指標* 紀の川に架かる六十谷水管橋

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施設や管路のバックアップ機能 花山配水池は、加納浄水場及び出島浄水場の2系統から水道水を供給できます が、その他の配水池は複数の浄水場から供給できる体制ではありません。配水管* の構成も樹枝状に整備されているところが多く、ループ化されていない箇所がある ため、どこか1か所で管路事故が発生すると、下流側で広範囲な被害を引き起こす ことになります(図3-25参照)。このような状況を改善するためには、施設や管路 のバックアップ機能を強化していかなければなりません。 浄水場内の設備でも同様のことがいえます。特に受変電設備は、電力会社の1 つの変電所から受電するルートしか存在しません。そのため、地震等で変電所が被 災した場合、送電が停止することになります。水道施設は、水処理工程や配水池へ の送水に電力を必要としますので、停電が長期に及ぶと断水する可能性がありま す。現在、加納浄水場や出島浄水場には自家発電設備が設置されていますが、そ の老朽化が問題となっています。 図3-25 配水管*の構成による被害イメージ

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隣接市町村との協力体制 阪神・淡路大震災の教訓を生かし、隣接市町村との相互融通連絡管を整備する ことで、災害時にも被災のない施設から水道水を供給することが可能となります。 現在は、岩出市との間で災害時及び非常時における飲料水の相互融通連絡配 水管を設置していますが、今後も可能な限り相互融通連絡管の整備を進めていか なければなりません。 また、本市独自では対応しきれない災害の発生に備えて、周辺事業体と相互応 援協定を結んでいますが、緊急時に備え連携を密にしておく必要があります。 防災訓練の実施 平成18年度に「和歌山市水道局防災基本計画」を策定しました。災害時におけ る迅速な復旧・支援体制を整えるため、今後も、防災訓練を定期的に行いながら、 災害に迅速に対応できるよう努めていく必要があります(図3-26参照)。 水道管の復旧(緊急漏水修理) 応急給水所の設置 図3-26 本市総合防災訓練の様子

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渇水等への備え 水道水の水源は、そのほとんどを紀の川に依存しています。上流に建設されてい る大滝ダムは、利水及び発電等の目的以外に洪水調整といった河川の流量を調整 する機能があります。完成すれば渇水のおそれもなくなるのですが、完成までの間 に紀の川で渇水が起こると市民生活に大きな影響を与えることになります。 紀の川では、平成5年から平成8年まで、平成13年、平成14年及び平成17年 に取水制限*が行われていますが、給水制限までは至っていません。 また、渇水時に限らず地震時においても、紀の川上中流域で下水道施設が被災 し、未処理の下水が河川に放流されるといった事態が発生すると、場合によっては 取水停止*となることも考えられます。このため、紀の川表流水以外での水源を予 備として確保することや配水池の貯留容量に余裕を持たせる必要があります。しか し、本市では、配水池容量が少なく、中核市の平均値*に比べて給水人口一人当 たり貯留飲料水量が大幅に少ないのが現状です(図3-27参照)。 給水人口一人当たり貯留飲料水量(指標番号2001) 107 108 109 111 111 157 0 50 100 150 200 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=[(配水池総容量(緊急貯水槽容量は除く)×1/2+緊急貯水槽容量)/給水人口]×1000 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 2001給水人口一人当たり貯留飲料水量 ℓ/人 107 108 109 111 111 157 望まし い 方向 和歌山市の指標値 地震時などの災害時の飲料水確保のため、配水池総容量に対して一人当たりどれ位の貯留飲料水量として 確保できるかを評価した業務指標である。 図3-27 給水人口*一人当たり貯留飲料水量(業務指標

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水道使用者の意識(災害対策について) 水道使用者アンケート調査で、今後取り組むべき施策として「水道水質向上」、 「鉛製給水管取替」、「災害対策事業」及び「地球環境保全への取組」の4項目に関 する質問を行いました。 水道使用者アンケート調査の結果では、「多少料金が上がってもできるだけ早く 取り組むべき」又は「料金への影響を少なく、時間をかけて取り組むべき」と回答し た割合が最も多いのが災害対策事業であり、これら2つの「取り組むべき」との回答 に占める「多少料金が上がってもできるだけ早く取り組むべき」と回答した割合でみ ても、災害対策事業が 39%と他に比べて最も高い割合でした(図3-28参照)。 このことから、水道使用者は、災害対策事業への思いが最も強いということが分 かりました。 多少料金が 上がっても 取り組むべき 209件(17%) 料金への 影響を少なく 取り組むべき 683件(55%) 水質基準が 守られている 現在のままで よい 253件(20%) わからない 101件(8%) 有効回答 1,246件(未回答 3件) 209件 209件+683件×100=23% 水道水質向上のための水道料金値上げ 多少料金が 上がっても 取り組むべき 326件(26%) 料金への 影響を少なく 取り組むべき 623件(51%) 水質が問題 なければ 取り替える 必要はない 154件(13%) わからない 129件(10%) 有効回答 1,232件 (未回答 17件) 326件 326件+623件×100=34% 鉛製給水管取替のための水道料金の値上げ 図3-28(1) 各種施策に対する水道使用者の思い(水道使用者アンケート調査)

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多少料金が 上がっても 取り組むべき 415件(34%) 料金への 影響を少なく 取り組むべき 653件(54%) 取り組みの 必要はない 5件(0%) わからない 152件(12%) 有効回答 1,225件(未回答 24件) 415件 415件+653件×100=39% 災害対策事業のための水道料金の値上げ 多少料金が 上がっても 取り組むべき 215件(18%) 料金への 影響を少なく 取り組むべき 812件(66%) 取り組みの 必要はない 9件(1%) わからない 187件(15%) 有効回答 1,223件 (未回答 26件) 215件 215件+812件×100=21% 地球環境保全への取組のための水道料金値上げ 図3-28(2) 各種施策に対する水道使用者の思い(水道使用者アンケート調査)

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水道使用者アンケート調査について 調査目的 :和歌山市水道事業に対する水道使用者の意識、要望の把握 調査対象 :水道を使用している一般家庭及び事業者の登録データから 等間隔無作為抽出した 2,734 世帯 調査方法 :郵送によるアンケート票の配布及び記入後返送 回答期間 :平成19年12月7日から平成19年12月21日 回収数 :1,249 件(回収率 46%) ※回答期間終了後の回収票を含む 未回答 129件(10%) 店舗を併設 している ご家庭 58件(5%) 事業所 (工場、商店、 オフィスなど) 61件(5%) ご家庭 1,001件(80%) 有効回答 1,120件 (未回答 129件) 回答者の構成(ご家庭又は事業所) 未回答 45件(4%) 70歳以上 282件(23%) 60歳代 350件(28%) 50歳代 263件(21%) 40歳代 181件(14%) 20歳代 22件(2%) 30歳代 106件(8%) 有効回答 1,204件 (未回答 45件) 回答者の構成(年齢)

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施設及び管路の両方で老朽化が進んでいます。今後、更新費用の増加が見込まれ ますが、すべての施設及び管路を短期間に更新することは財政的に困難ですので、 優先度や重要度を考慮して計画的に更新していく必要があります。 老朽化施設の増加 平成15年に完成した滝畑浄水場を除いて、加納浄水場、出島浄水場及び真砂 浄水場の老朽化状況を簡易診断した結果では、老朽化のおそれがある設備が多く 存在します(表3-1参照)。一方で業務指標*は、“経年化した”という目安を法定 耐用年数*に達しているかどうかで判断しています。法定耐用年数を超えている のは真砂浄水場だけなので数値が低くなっていますが(図3-29参照)、実態とし ては老朽化が進んでいます。同様に、送水施設及び配水施設でも老朽化が現れて います。 表3-1 主要な浄水施設の老朽化状況 浄水施設の 老朽化状況 設備名称 加納浄水場 出島浄水場 真砂浄水場 着水井 ● ● ● 沈澱池 ● ● 緩速ろ過池 ● 急速ろ過池 ○ ● 凝集用薬品注入設備 ○ ● 消毒設備 ○ ● ○ 浄水池 ● ● ● 排水池・排泥池 ● ○ 濃縮設備 ○ 天日乾燥床 ● ● 粉末活性炭吸着設備 ○ 高圧受変電設備 ● ● ● 自家発電設備 ● ● 動力制御設備 ● ● ● 計装設備 ● ○ ● 監視制御設備 ● ○ ● ●・・・簡易診断結果では老朽化のおそれあり(詳細な診断が必要) ○・・・簡易診断結果では老朽化のおそれなし 3-2-2.将来も変わらず安定した事業運営ができるようになっているか(持続) 老朽化施設・管路の増加

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15.0 15.0 15.0 15.0 15.0 3.4 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(法定耐用年数を超えた浄水施設能力/全浄水施設能力)×100 望 ま し い 方 向 ↓ 和歌山市の実績値 中核市の平均値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 2101経年化浄水施設率 % ↓ 15.0 15.0 15.0 15.0 15.0 3.4 望まし い 方向 和歌山市の指標値 地方公営企業法施行規則に定められている法定耐用年数をもって施設の経年度とし、コンクリート構造物(浄 水施設)の法定耐用年数60年を超えた浄水施設の能力を表わす業務指標である。 図3-29 経年化浄水施設率(業務指標* 老朽管路の増加 施設と同様に管路でも創設時のものが今でも残っており、早急な布設替が必要と なります(図3-30参照)。さらに、昭和48年度から昭和52年度までに集中的な管 路整備が行われ、当時布設された管路も法定耐用年数*を迎え、今後更新が必要 となります。 経年化管路率(指標番号2103) 11.5 8.1 10.3 9.5 8.7 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(法定耐用年数を超えた管路延長/管路総延長)×100 望 ま し い 方 向 ↓ 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 2103経年化管路率 % ↓ - 11.5 10.3 9.5 8.7 8.1 地方公営企業法施行規則に定められている法定耐用年数をもって施設の経年度とし、法定耐用年数を超えた 管路延長を表わす業務指標である。ただし、給水管の管路延長は対象とならないことに留意する必要がある。 望まし い 方向 和歌山市の指標値 図3-30 経年化管路率(業務指標*

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施設更新費用の試算 既存施設を対象にした今後の施設更新費用については、平成18年度固定資産 台帳*をもとに一定の確率で更新が必要な施設が発生するものと仮定して試算しま した。 試算結果では、配水管*の更新費用が主であり、平成27年度まで徐々に増加し、 平成28年度以降は毎年 14 億円から 15 億円程度発生する見込みです(図3-31 参照)。ただし、この試算結果は、既存施設と同等の機能で更新する場合の費用を 表しています。 今後は、災害対策強化及び安全でおいしい水の供給に対応した新たな施設の建 設を行っていく必要があります。これらの費用が加算されるため、実際には、この試 算結果よりも多くの費用が発生するものと予想されます。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38 H39 H40 (年度) (億円) 配水管 機械及び装置 構築物 建物 図3-31 施設更新費用の発生見通し(試算値)

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現在は良好な経営状況ですが、借入金への依存が高いことや事業規模に対する職 員数の割合、料金体系の見直しが課題となっています。今後は、水需要の減少による 料金収入の減少、災害対策や施設更新等に伴う費用の増加が見込まれています。水 道局が現在取り組んでいることを進めるにあたって、水道使用者アンケート調査の結 果では、多少の水道料金値上げもやむなしと考えておられる方が 69%いますが(図3 -39参照)、今後も引続き組織のスリム化及び効率化に向けて取り組んでいかなけ ればなりません。 経営面の状況 供給単価*(収入)が給水原価(費用)を上回っており、黒字経営を行っています (図3-32~図3-34参照)。しかし、今後、水需要の減少に伴って水道料金によ る収入(給水収益)が減少することを考慮して財政計画を立てていかなければなり ません。 また、給水収益に対する企業債*残高の割合が中核市の平均値より高く(図3- 35参照)、自己資本構成比率*は中核市の平均値より低い(図3-36参照)状況 です。 経常収支比率(指標番号3002) 110.4 113.3 111.4 108.7 113.9 112.0 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=[(営業収益+営業外収益)/(営業費用+営業外費用)]×100 ↑ 望 ま し い 方 向 和歌山市の実績値 中核市の平均値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 3002経常収支比率 % 110.4 113.3 113.9 112.0 111.4 108.7 経常収支比率は、収益性を見る際の最も代表的な業務指標である。経常費用が経常収益によってどの程度ま かなわれているかを示すもので、この比率が高いほど経常利益率が高いことを表し、これが100%未満である ことは経常損失が生じていることを意味する。 望まし い 方向 和歌山市の指標値 図3-32 経常収支*比率(業務指標 経営健全化への取組

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供給単価(指標番号3014) 168.8 170.1 169.7 169.6 169.1 168.7 100.0 120.0 140.0 160.0 180.0 200.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=給水収益/有収水量 中核市の平均値 和歌山市の実績値 望 ま し い 方 向 ↓ 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 3014供給単価 円/m3 169.7 169.6 170.1 169.1 168.7 168.8 有収水量1m3当たりについて、どれだけの収益を得ているかを表す業務指標である。 望まし い 方向 和歌山市の指標値 図3-33 供給単価*(業務指標 給水原価(指標番号3015) 159.8 155.8 155.6 165.3 159.9 157.6 100.0 120.0 140.0 160.0 180.0 200.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=[経常費用-(受託工事費+材料及び不用品売却原価+附帯事業費)]/有収水量 望 ま し い 方 向 ↓ 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 3015給水原価 円/m3 ↓ 159.8 155.8 155.6 157.6 159.9 165.3 有収水量1m3当たりについて、どれだけの費用がかかっているかを表す業務指標である。 望まし い 方向 和歌山市の指標値 図3-34 給水原価*(業務指標

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給水収益に対する企業債残高の割合(指標番号3012) 545.0 557.3 619.9 608.5 581.6 349.5 0.0 100.0 200.0 300.0 400.0 500.0 600.0 700.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(企業債残高/給水収益)×100 望 ま し い 方 向 ↓ 和歌山市の実績値 中核市の平均値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 3012給水収益に対する企業債残高の割合 545.0 557.3 581.6 608.5 619.9 349.5 望まし い 方向 和歌山市の指標値 給水収益に対する企業債残高の割合を示しており、企業債残高の規模と経営への影響を分析するための業 務指標である。この割合が大きいほど多額の借入金返済が必要な状態といえる。 図3-35 給水収益に対する企業債*残高の割合(業務指標 自己資本構成比率(指標番号3023) 38.0 38.7 39.6 40.5 39.9 59.7 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=[(自己資本金+剰余金)/負債・資本合計]×100 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 3023自己資本構成比率 % 38.0 38.7 39.6 39.9 40.5 59.7 総資本(負債及び資本)に占める自己資本の割合を表しており、財務の健全性を示す業務指標の一つである。 事業の安定化のためには、この比率を高めていくことが必要である。 望まし い 方向 和歌山市の指標値 図3-36 自己資本構成比率*(業務指標

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事業規模と職員数 中核市*との比較では、本市水道局の職員数が事業規模に比べて多いという結 果が出ています(図3-37参照)。これまでに一部業務の民間委託を実施し、職員 数の適正化に努めてきました。しかし、施設の老朽化が進んでおり、その更新等に 必要な資金をいかに調達するかが今後の課題です。そのために従来どおりの業務 運営や水道使用者へのサービスに支障を来すことのないよう、経営健全化のため に事業規模に応じた職員数の適正化を図らなければなりません。 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 豊 橋 市 富 山 市 姫 路 市 松 山 市 豊 田 市 金 沢 市 岐 阜 市 東 大 阪 市 倉 敷 市 川 越 市 岡 崎 市 高 槻 市 宇 都 宮 市 旭 川 市 宮 崎 市 長 野 市 郡 山 市 高 松 市 横 須 賀 市 鹿 児 島 市 青 森 市 岡 山 市 熊 本 市 奈 良 市 い わ き 市 秋 田 市 大 分 市 福 山 市 高 知 市 長 崎 市 函 館 市 下 関 市 和 歌 山 市 (人/人) 出典:平成18年度水道統計 中核市平均(2,241人/人) 自己水源*の割合が50%以下 図3-37 中核市*における水道職員一人当たりの給水人口* 事業運営の効率化 職員数の適正化及び民間活力導入に合わせて、組織をスリム化・業務の流れに 見合った形態に変更しなければならない状況にあります。組織・機構の再構築につ いては、適宜見直しを行い、経営健全化に向けて事務事業の効率化を図りながら、 今後も職員数の適正化を図る上で、職員の能力や専門分野に応じた適材適所の 人員配置が必要です。 また、他都市では、隣接する水道事業体等が経営面や管理面での一体化等とい った新たな広域化*を図り、スケールメリットを働かせることで効率的な事業運営 及び財政基盤の強化に努めようという試みが検討されています。本市でも地域全 体での効率的な事業運営への取組として、隣接する水道事業体との管理の一体化 等を模索する時期が来ています。

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水道料金の現状 本市では、現在、口径別料金体系を採用しています。水道料金は、平成10年2 月1日を最後に改定していません(平成16年4月1日に消費税を含む額に表記を 変更)。中核市*で比較すると給水原価は平均以下と安価(図3-38参照)ですが、 現在の料金体系では、大口使用者の料金逓増て い ぞ う率*が高いことや口径 13mm から 25mm までの従量料金(1~20m3の部分)が極端に安いために、使用水量によって は給水原価*を大きく下回る料金単価となることが問題となっています。 また、他都市の大口使用者では、近年、比較的安価に井戸の建設が可能となっ たことから、地下水を水源とする専用水道を設けて水道使用量を減らすことで、水 道料金の支払額を下げる事例が増えてきています。本市でも大口使用者の料金 逓増 て い ぞ う 率*が高いことから同様の事例が増えてくることも考えられます。 水道使用者間の公平で適正な費用負担を考慮し、料金体系の見直しを検討する 必要もあります。 一箇月当たり家庭水道用料金(10m3)(指標番号3016) 1,121 945 945 945 945 945 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=一箇月当たり一般家庭用(口径13mm)の基本料金+10m3 用時の従量料金 望 ま し い 方 向 ↓ 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 3016一箇月当たり家庭水道用料金(10m3) 円 ↓ 945 945 945 945 945 1,121 望まし い 方向 和歌山市の指標値 標準的な家庭における水使用量に対する料金を表すもので、水道使用者の経済的利便性を示す業務指標の 一つである。 図3-38 1 箇月当たり家庭用料金(10m3)(業務指標 逓増て い ぞ う型料金体系について 逓増 て い ぞ う 型料金体系とは、水道使用量が多いほど料金単価が高くなるというもので、多くの水道事 業体で採用されています。この料金体系を導入した背景には、過去において、水道需要が急増 する一方で、新規水源の確保が困難又は多額の費用を必要とした時期に、大口使用者の料金単 価を高くすることでより水道使用を抑え、水需要の抑制につなげようという考えがありました。さら に小口使用者の水道料金が相対的に低くなることから、小口使用者が中心となる生活用水の料 金を低廉化する方策としても有効でした。(出典:「水道サービスが止まらないために」、宮脇淳・ 眞柄泰基編著、時事通信社) コラム

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水道使用者の意識(水道料金について) 水道使用者アンケート調査の結果では、家族構成が多くなるにつれて水道料金 への不満(水道料金が高い)が高くなる傾向があり、現在の料金体系に対する検討 が必要といえます。 水道局が現在取り組んでいることを進めるにあたってどの程度までの水道料金 の値上げを受け入れることができるかとの問いに対して、水道使用者アンケート調 査の結果では多少なりとも「水道料金の値上げを受け入れることができる」と考えて いる方が 69%いました。しかし、27%の方は「水道料金の値上げは受け入れられな い」という回答であり、安易に水道料金の値上げにつなげるべきではないと考えて います(図3-39参照)。 86件 206件 88件 111件 25件 127件 73件 102件 15件 55件 47件 71件 1件 2件 1件 1件 2件 6件 8件 3件 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% (回答割合) 高い やや高い 妥当である やや安い 安い 有効回答1,100件 (未回答88件) 1人暮らし 2人世帯 3人世帯 4人以上世帯 水道料金が・・・     ↓ 家族構成と水道料金への意識 その他 45件(4%) 値上げは 受け入れ られない 319件(27%) 200円値上げ 248件(21%) 100円値上げ 276件(23%) 1500円値上げ 3件(0%) 500円値上げ 219件(18%) 2000円値上げ 6件(1%) 3000円値上げ 3件(0%) 5000円値上げ 3件( 0%) 1000円値上げ 66件(6%) 有効回答 1,188件 (未回答 61件) ※1世帯当たり、1か月の値上げ 69% 水道料金の値上げへの受入れ 図3-39 水道料金への意識(水道使用者アンケート調査)

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窓口業務の改善や積極的な広報・PR活動に努めているのですが、水道使用者アン ケート調査の結果では、水道局の広報紙を「知らない」又は「見たことがない」との回 答が多く(図3-41参照)、活動そのものに対する認知度が低いというのが現状です。 今後は認知度を高めるため、水道使用者の関心を引く情報を様々な媒体を通じて提 供できるようにしていかなければなりません。また、水道事業の公益性という面からも 水道使用者のニーズを定期的に把握し、水道使用者へのサービス提供に結び付けて いく仕組みを構築していかなければなりません。 国の取組 水道水の安全性に対する水道使用者の不安感、不信感の増大を背景として、平 成14年4月1日の水道法改正では、水道使用者に対する情報提供の推進を水道 事業者の責務として位置づけられました。水道使用者へ提供すべき情報としては、 毎年1回以上定期に行うものとして、水質検査の計画、結果及び水道水の安全性 に関する事項、水道事業の実施体制に関する事項、水道事業に要する費用及び料 金負担等のコストに関する事項、給水装置及び貯水槽水道*の管理に関する事項 等が定められています。 情報提供の状況 広報・PR活動として、平成16年1月から広報紙「水道だより」を配布して水道事 業の各種取組の紹介を行い、情報公開に努めています。 水道局ホームページも平成16年1月から開設し、各種コンテンツを提供して随時 情報の更新を行っています(図3-40参照)。 ニーズ把握の状況 今まで水道局に対するお客さまの要望は、窓口や電話が主になっていました。平 成19年度に水道使用者に対して水道局独自のアンケート調査を行うなど、近年で は、水道事業運営の透明性確保等の観点から、事業実施にあたって第三者機関等 による評価や検討を事業計画に取り込む活動に力を入れています。また、本ビジョ ン策定にあたっては、学識経験者等を交えた和歌山市水道事業経営問題研究会を 設置しました。 水道使用者へのサービス提供

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水道事業に係る情報の提供度(指標番号3201) 2.6 4.9 4.9 1.2 1.2 2.4 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=広報誌配布部数/給水件数 ↑ 望 ま し い 方 向 和歌山市の実績値 中核市の平均値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 3201水道事業に係る情報の提供度 部/件 ↑ 1.2 2.6 4.9 4.9 1.2 2.4 望まし い 方向 和歌山市の指標値 水道事業に係る情報の提供度は、事業への理解や透明性の確保等を目的として行っている広報の活動状況 を示す業務指標である。 図3-40 水道事業に係わる情報の提供度(業務指標* サービス提供の状況 お客様サービスの向上を図るため、平成18年1月からコンビニエンスストアでの 収納サービスを実施しています。今後は、クレジットカード、電子マネー等の新たな 料金支払方法について検討が必要です。また、水道料金関係の窓口業務を一元化 した「和歌山市水道料金センター」を平成19年2月1日に開設しました。しかし、広 報広聴に関する事項、水道局指定の給水装置工事事業者に関する事項、水質に 関する事項、漏水及び濁水等に関する事項、その他の事項でそれぞれ問い合わせ 先が分かれています。今後は、これらの受付窓口を更に一元化した総合窓口の開 設を検討する必要があります。 水道使用者の意識(広報・PR活動) 水道使用者アンケート調査の結果では、水道局の広報・PR活動について、「(満 足とも不満とも)どちらともいえない」が全体の 42%、「(広報紙等を)知らない・見た ことがない」が全体の 30%を占めており、水道使用者の関心を引きつけるような広 報広聴活動ができていないのが現状です。 情報提供の方法としては、水道使用者アンケート調査の結果によると「広報紙」、 「パンフレット」及び「テレビ・ラジオ」を望んでいるとの回答が最も多く、これからも紙 媒体での情報提供が主力となりますが、若年層では「ホームページ」との回答数が 他の年齢層に比べて多く、これからは「広報紙」と同様に「ホームページ」といったイ ンターネットの活用にも力を入れていく必要があります(図3-41参照)。

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知らない・ 見たことがない 360件(30%) 満足 70件( 6%) どちらかと いえば満足 212件(18%) どちらとも いえない 513件(42%) どちらかと いえば不満 37件(3%) 不満 17件( 1%) 有効回答 1,209件 (未回答 40件) 広報・PR活動に対する満足度 見たことがない 1183件(96%) 見たことがある 44件(4%) 有効回答 1,227件 (未回答 22件) 水道局ホームページの認知度 853件 46件 21件 139件 158件 592件 532件 0件 200件 400件 600件 800件 1000件 広報紙 パンフレット テレビラジオ パソコンHP 携帯HP 窓口個別対応 その他 回答数 有効回答 1,249件 (複数回答) 望まれるPRの方法 図3-41 本市水道局の広報・PR活動について(水道使用者アンケート調査)

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水道施設の維持管理には特殊な技術を要するものがあり、技術者のもつ知識や技 術をどのようにして中堅・若手職員に継承していくかが課題です。今後50歳以上の技 術系職員が大量に退職する見通しであるため、技術の継承及び知識の向上が職員 に求められています。さらに、職員数の適正化を図っていく中で技術力の低下を招か ないように、民間活力を効率的に活用していくことが必要になります。 技術継承・技能向上への取組状況 現状では、各課において事務処理マニュアルを整備し、情報の共有化を図って事 務・技術に関する情報の継承をしていますが、各課のすべての作業にマニュアルが あるという状況に至っていません。 今までの技術継承は、職員から職員へ長期的かつ継続的に直接指導することで 伝えられてきた部分が多くありますが、熟練者の大量退職及び職員数の適正化を 図っていく中で、今までの方法による技術の継承が困難になることから技術的なマ ニュアル整備が必要となります。また、職員研修時間についても、中核市の平均値* に比べて不足しています。今後は、時間数を増加し、その内容についても充実させ ていく必要があります(図3-42・図3-43参照)。 外部研修時間(指標番号3103) 0.7 0.8 0.8 2.3 2.1 6.5 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(職員が外部研修を受けた時間・人数)/全職員数 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 3103外部研修時間 時間 0.7 0.8 0.8 2.1 2.3 6.5 望まし い 方向 和歌山市の指標値 職員の資質向上のために実施されている研修時間を指す業務指標である。外部研修とは、水道事業に関係が あると水道事業体が認めて職務として参加する研修であり、主催者が本人の所属する水道事業体以外のもの をいう。 図3-42 外部研修時間(業務指標* 技術者の確保

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内部研修時間(指標番号3104) 2.4 2.7 2.8 3.1 2.9 5.1 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 計算式=(職員が内部研修を受けた時間・人数)/全職員数 ↑ 望 ま し い 方 向 中核市の平均値 和歌山市の実績値 指標 中核市の 番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値 (H19) 3104内部研修時間 時間 2.8 2.7 3.1 2.4 2.9 5.1 望まし い 方向 和歌山市の指標値 職員の資質向上のために実施されている研修時間を指す業務指標である。内部研修とは、本人の所属する水 道事業体が独自に職務として参加させる水道事業に関する研修をいう。 図3-43 内部研修時間(業務指標* 職員年齢構成の将来見通し 現在、事務系職員の高齢化が進んでおり、事務系及び技術系の両方で20歳前 半の職員数が少ない職員構成となっています。 今後も事業規模に応じた職員数の適正化が望まれる中、特に今後10年間で採 用する職員数が少なくなることや今後15年間で事務系職員が大量に定年を迎える こと等、極端な世代交代で技術等の継承に支障を来さないように注意するとともに、 バランスの取れた職員構成に近づけるよう適正な配置にしていかなければなりま せん。 民間活力の導入状況 職員数の適正化を図っていく中でも従来どおりの業務運営に支障を来すことがな いように、検針業務、修繕業務、浄水場等の運転管理業務及び水道料金等収納業 務の民間委託を実施しています。今後は、業務ごとに実施している委託の中で、ま とめることができるものなどを再整理していく必要があります。

参照

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