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図3-50 鉛製給水管取替について(水道使用者アンケート調査)

鉛溶出について

鉛は、安価で加工が容易なため、水道管の材料として古くから使用されてきました。現在は、つ なぎ目から漏水が起こりやすいこと、溶け出した鉛が有害であることから、新たな鉛管の使用は 認められていません。

鉛の溶出については、管路内での水の滞留時間が長いほど、そして水温が高いほど、(一概に はいえませんが)鉛管の長さが長いほど多くなる傾向があります。

鉛の溶出を抑制するには、水のpH値を 7.5 程度以上にすること、消石灰(水酸化カルシウム)

を用いてカルシウム硬度を高めることが有効です。また、鉛管を使用している場所での調査結果 では、長い時間鉛管内に滞留させた水からは水道水質基準値(0.01mg/ℓ)を超える鉛が検出され ることが多いが、10ℓ以上流した後の流水ではめったに鉛が基準値を超えることはありませんでし た。したがって、鉛製給水管を使用している水道使用者では、他の材質の管に取替えるのが最善 の策ですが、取替えるまでは、朝起きて開栓した直後の水を飲用以外に使用するといった暫定的 な対策が必要です。(出典:「よくわかる水道技術」、水道技術研究会編著、日本水道新聞社)

コラム

国際的な地球温暖化防止に向けた取組の中で、水道事業も省エネルギー対策や新 エネルギーの導入を推進していく必要があります。また、環境への負荷が少ない資 源循環型社会の実現を目指していく中で、浄水処理で発生する汚泥のリサイクルに も取り組んでいく必要があります。

国の取組

平成9年9月に京都で地球温暖化防止に関する会議(地球温暖化防止京都会議 気候変動枠組条約第3回締結国会議、COP3)が開催され、先進諸国の温室効果 ガスの削減目標が定められました。日本は、平成20年から平成24年までの間で 温室効果ガスの排出量を平成2年比で 6%削減することになっています。

水道事業も全国の電力使用量の約 1%を占めており、CO削減に向けた取組が 求められています。国の動きとしても、「環境基本計画」(平成12年12月22日閣議 決定)、「循環型社会形成推進基本法」(平成15年3月策定)及び「水道事業にお ける環境対策の手引き」(平成16年3月作成)といった法整備等が進んでいます。

水道事業では一部で取組があるものの、全事業体で省エネルギー、廃棄物減量化 及び資源の有効利用に取り組んでいかなければなりません。

本市の状況

本市水道事業の配水システムは、安定した配水圧を確保し、自然流下で配水で きることから標高の高い位置に配水池を設置しています(図3-51参照)。このた め、浄水場から配水池へ送水するためにはポンプ圧送が必要となり、浄水場から 自然流下方式で配水できる水道事業と比較して配水量1m3当たりの電力消費量は、

中核市の平均値より大きな値を示しています(図3-52参照)。

地球温暖化の防止に向けては、省エネルギー対策とともに新エネルギーの導入 に取り組む必要があり、太陽光発電システムや小水力発電(マイクロ水力発電)

はいくつかの水道事業において導入が進められています。本市水道局においては、

これらの新エネルギーの導入検討(「和歌山市上・工業用水道事業省エネルギー 事業化FS調査」平成15年2月、図3-53参照)が進められているものの、現状とし ては未着工の状況です。今後、世界的に地球温暖化の防止が求められる中、新エ ネルギーの導入を図っていく必要があります。

また、環境への負荷が少ない資源循環型社会の実現を目指していく中で、水道 事業においては、浄水処理で発生する汚泥のリサイクルを進めていくことが求めら 3-2-4.環境への影響を低減しているか(環境)

環境対策への取組

れています。本市水道事業では、浄水汚泥の有効利用を実施しておらず、産業廃 棄物として処分しています。このことから、資源循環型社会の実現を目指して浄水 汚泥の有効利用を進めていく必要があります。

河川

取水施設

(取水口)

導水管

浄水場

P 送水 ポンプ

送水管

配水池

配水管

メータ

蛇口

給水管 配水池への送水

ポンプを稼動させ るために多くの電 力を消費する

浄水場での水処 理で電力を消費 する

図3-51 水道システムの概要

水道システムについて

水道は、そのシステム構成を見ると、水源から水道使用者までの間に「取水施設」、「導水施 設」、「浄水施設」、「送水施設」、「配水施設」及び「給水装置」があります。このうち、「取水施設」

から「配水施設」までを水道事業体が所有しています。

これら施設の配置については、地形に整合し、地形を極力利用すること。都市の将来の発展 に適合したものとし、将来の施設の拡張、改良・更新に支障を生じないこと。非常時でも、できるだ け断水しないこと。将来にわたり良質な原水を安定的に得られること。施設の建設及び維持管理 が安全かつ容易に行えるとともに、合理的・経済的となるよう配慮されていること。広域的に見て、

他の水道事業との間で合理的かつ相互融通的な施設の配置とすることが基本となっています。

「取水施設」とは、水源から必要量の原水を取り入れるための施設であり、水源の種類によっ て取水口、井戸等があります。「導水施設」とは、取水後の原水を浄水施設まで輸送するのに必 要な諸施設であり、主なものとしては導水管があります。「浄水施設」とは、原水の質及び量に 応じて処理を行い、水道水質基準に適合する水道水をつくるための施設であり、浄水場がそれに あたります。「送水施設」とは、浄水施設でつくった水道水を配水施設まで輸送するための施設で あり、ポンプ所及び送水管があります。「配水施設」とは、水の需要変動を吸収し、水道水を一 定以上の圧力で水道使用者へ供給する施設であり、配水池、配水管等があります。「給水装 置」とは、配水管から分岐して水道水を水道使用者の蛇口まで届ける装置であり、水道メータ、

給水管等があります。(出典:「水道施設設計指針 2000」、日本水道協会、衛生工学演習、海老 江邦雄・芦立徳厚共著、森北出版)

コラム

配水量1m3当たり電力消費量(指標番号4001)

0.423 0.420 0.421

0.424 0.425

0.341

0.000 0.100 0.200 0.300 0.400 0.500

平成15 平成16 平成17 平成18 平成19

計算式=全施設の電力使用量/年間配水量

和歌山市の実績値

中核市の平均値

指標 中核市の

番号 業務指標 単位 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平均値

(H19)

4001配水量1m費量 3当たり電力消 kWh/m3 ↓ 0.423 0.420 0.421 0.425 0.424 0.341

望まし 方向

和歌山市の指標値

全施設の電力使用量を年間配水量で除した値であり、電力使用の効率性を表わす業務指標である。

図3-52 配水量 1m3当たり電力消費量(業務指標

図3-53 和歌山市水道事業省エネルギービジョンの概要

国の取組

日本では現在 90%を超える高い水道普及率となり、水処理に関しても高度な技 術力を持っています。しかし、世界に目を向けると安全な飲料水を利用できない人 口が約11億人存在するといわれています。特にアジア・太平洋地域では約7億人 が安全な飲料水を利用できないという実態があり、日本としてもあらゆる面での支 援を行っていく必要があります。そこで、我が国の水道ビジョンにおいては、水道事 業者や水道関係企業の有する技術・ノウハウを世界市場に提供し、国際競争力を 強化していくことを提唱しています(図3-54参照)。

国連・ミレニアム開発目標(MDGs)

2015年までに、安全な飲料水及び衛生 施設を継続的に利用できない人々の割 合を半減する。

※国連・ミレニアム開発目標(MDGs)とは、2000年9月の国連 ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言と1990年 代に開催された主要国際会議等で採択された国際開発目標を 統合し、一つの共通の枠組みとしてとりまとめられたもの

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40 20

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1900 1925 1950 1975

系伝染病患者数(x1,000) 水道普及率(%)

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系伝染病患者数(x1,000) 水道普及率(%)

○日本は、全国どこでも蛇口から飲用可能な水が供給されている(2004 年度現在水道普及率97.1%)

○水系伝染病患者の削減に、水道も大きな貢献

○技術面、経営面において世界トップクラスの水道を作り上げてきた経 験や技術を活かし、アジア地域における安全な飲料水確保に向けた取 組を進めることが重要

日本の技術・経験

水道普及率と水系伝染病患者との関係

○安全な飲料水を利用できない人口(2004年度現在)

アジア・太平洋地域:7億人(世界約11億人の約60%)

出典:水道ビジョンフォローアップ検討会資料

図3-54 グローバル化の中における国際協力

本市の状況

国際化に対する積極的な取組について、できる限りの範囲内において、協力・参 加するようにしていますが、海外への技術派遣については実績のない状況です。経 営健全化に取り組んでいる中で、単独派遣は厳しい状況ですが、今後、海外からの 研修生の受入れを始め、国際貢献への取組を進めていくことが必要であると考えて います。

3-2-5.国際協力に貢献しているか(国際)

国際貢献への取組

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