1 【第1問】 問1 正解(ア)× (イ)○ (ウ)○ (エ)○ 関連業法 難易度★★ (ア)不適切。宅地建物取引業の免許を受けていない者は、宅地または建物の売買、賃貸 の媒介等を業として行うことはできない。そのため、賃貸マンションの貸借の媒介 を行って仲介手数料を受け取ることはできない。 (イ)適切。税理士資格を有していない者は、有償・無償を問わず税務相談や税務書類の 作成等を業として行うことはできない。一方で、国税庁のホームページを紹介し、イ ンターネットによる電子申告を勧めることはできる。 (ウ)適切。投資助言・代理業の登録をしていない者は、顧客に対して投資顧問契約に基 づき、金融商品の価値等の分析に基づく投資判断の助言を行うこと、投資顧問契約 または投資一任契約の締結の代理・媒介を業として行うことはできない。一方で、 広く公表されている情報(景気動向や企業の株価・IR資料など)を伝えることは できる。 (エ)適切。社会保険労務士の資格を有していない者は、労働社会保険に関する申請書等 の作成や裁定請求の代行等を業として行うことはできない。一方で、「ねんきん定期 便」を基に公的年金の受給見込額を計算することはできる。 ファイナンシャル・プランニング業務を行う上で欠かすことのできない関連業法につい て問われている。ほぼ毎回出題される頻出問題であるため、各業法に抵触する事例につ いては、必ず押さえておきたい。 問2 正解 イ ファイナンシャル・プランニングのプロセス 難易度★★ 設問の(ア)~(カ)をファイナンシャル・プランニングのプロセスの6ステップにあ てはめると次のとおり。 (ア)業務契約の範囲に従い、顧客が合意したファイナンシャル・プランに従って実行援 助を行う。 ⇒ステップ5/プランの実行援助 (イ)顧客のキャッシュフロー分析、バランスシート分析、保障・補償分析、税金分析お よび優先事項の評価を行う。 ⇒ステップ3/顧客のファイナンス状態の分析と評価 (ウ)顧客の現状から、顧客の目的やニーズに最適なファイナンシャル・プランを提案書 として提出する。 ⇒ステップ4/プランの検討・作成と提示 (エ)顧客のファイナンシャル・ゴールおよび優先順位の明確化を行い、顧客の情報を収 集する。
2 (オ)家族の生活環境や経済情勢の変化に応じて、定期的に作成したプランの見直しを行 う。 ⇒ステップ6/プランの定期的見直し (カ)顧客に提供されるサービスの内容、プランニングのプロセス、必要な関係資料を説 明する。 ⇒ステップ1/顧客との関係確立とその明確化 したがって、(ア)~(カ)をファイナンシャル・プランニングのプロセスに従い、6つ のステップの順番に並べ替えると、(カ)→(エ)→(イ)→(ウ)→(ア)→(オ)とな り、3番目となるのは、(イ)となる。 ファイナンシャル・プランニングのプロセスに関する問題。6つのステップの順番は、 並べ替えできるようにしておきたい。 【第2問】 問3 正解(ア)983(万円) (イ)348(万円) 預金保険制度 難易度★★ 出題文の空欄に解答を入れると次のとおり。 ・隆文さんの金融資産のうち、保護される金額は(ア.983)万円である。 ・芳恵さんの金融資産のうち、保護される金額は(イ.348)万円である。 なお、本問を解く上でのポイントは、以下のとおりである。 ・預金保険制度の対象となる預金等のうち、「無利息、要求払い、決済サービスを提供で きる」の3つの条件を満たす預金(これを「決済用預金」という)に該当するものに ついては全額保護となる ・決済用預金以外の預金等については、「1金融機関ごとに」預金者1人当たり元本 1,000 万円までとその利息等が保護される(つまり、「1支店ごとに」ではない) ・普通預金や定期預金は預金保険制度の対象となるが、株式投資信託や個人向け国債、 外貨預金は預金保険制度の対象とならない 問題の設定上、普通預金は決済用預金ではない。したがって、WH銀行が破綻した場合 に、預金保険制度によって保護される隆文さんおよび芳恵さんの金融資産の金額は、以下 のとおりとなる。
3 (ア)隆文さんの金融資産のうち、保護される金額は「138 万円+682 万円+63 万円+100 万円=983 万円≦1,000 万円 ∴983 万円」である。 (イ)芳恵さんの金融資産のうち、保護される金額は「165 万円+10 万円+173 万円=348 万円≦1,000 万円 ∴348 万円」である。 預金保険制度の基本知識を問う計算問題。決済用預金以外の預金等については、「1金融 機関ごとに」預金者1人当たり元本 1,000 万円までとその利息等が保護される(つまり、 「1支店ごとに」ではない)ことを理解しているか否かが正解を導くうえでのポイント である。 問4 正解 3 外貨建て債券 難易度★★ 1.不適切。NISA(少額投資非課税制度)の対象商品は、上場株式や公募株式投資信 託、上場投資信託(ETF)、上場不動産投資信託(J-REIT)などであり、債券 は対象商品に含まれない。したがって、この債券は、NISA(少額投資非課税制度) 口座で購入することができない。 2.不適切。一般的に、BBB格以上の債券は「投資適格格付け」、BB格以下の債券は「投 機的格付け」に分類される。[売出要項]より、この債券の格付けは「BBB(S&P)」 であり、BBB格以上である。したがって、この債券は、「投資適格格付け」に分類さ れる。 3.適切。記述のとおり。 4.不適切。この債券の利子を円で受け取る場合、為替変動の影響を受けることとなる。 豪ドル建ての額面に対して年 2.20%(税引前)の利率に基づいて利子を受け取るが、 円で受け取る場合には、そのときの為替レートに基づいて円換算した額となる。 外貨建て債券に関する問題。さまざま知識が問われているが、選択肢3.以外はいずれ も基本事項である。 問5 正解(ア)○ (イ)× (ウ)○ 会社四季報の見方 難易度★★ (ア)適切。配当性向は、利益に対してどれくらいの配当が行われているかを表わした投 資尺度であり、「1株当たり年間配当金÷1株当たり当期純利益×100」で計算する。 また、会社四季報の左下の【業績】の欄を見ると、2015 年 12 月期および 2016 年 12 月期の1株当たり当期純利益および1株当たり年間配当金は、以下のとおりである ことがわかる。 1株当たり当期純利益 1株当たり年間配当金 2015 年 12 月期 164.8 円 50 円 2016 年 12 月期 194.8 円 54 円
4 2016 年 12 月期の配当性向は「54 円÷194.8 円×100 円=27.72・・・%」となるので、 本肢のとおり、2016 年 12 月期の配当性向は、2015 年 12 月期と比較すると、低下し ている。 (イ)不適切。この企業の株式を 2016 年 10 月 11 日に購入し、2017 年1月 10 日に売却し た場合、配当を受け取れる権利は 2016 年 12 月の配当のみとなる。会社四季報の中 央下の【配当】の欄を見ると、「16.12 28(円)」との記載がある。したがって、こ の所有期間に係る配当金(税引前)は1株当たり「28 円」である。 (ウ)適切。会社四季報の左上の【株式】の欄を見ると、「単位 100 株」との記載がある。 つまり、この企業の1単元(1単位)は 100 株であることがわかる。株価は 4,500 円であるので、本肢のとおり、この企業の株式1単元(1単位)を購入する際に必 要な資金は、「4,500 円×100 株=45 万円」である。 <資料(会社四季報)>に記載されている事項を読み取る問題。会社四季報を与えて答 えさせる問題は出題頻度が高く、平成 29 年5月の実技試験(問3)で類似問題が出題さ れている。 問6 正解 3 投資信託 難易度★★ 出題文の空欄に解答を入れると次のとおり。 ・三上さんは、為替変動についても収益性を期待したので、(ア.Bコース)の投資信託 を購入した。 ・<資料>の収益分配時に、三上さんに支払われた収益分配金は、その全額が(イ.普 通分配金)である。 (ア)為替ヘッジとは、為替レートの変動による外貨建て資産の円ベースでの価値の変化 を回避することである。「為替ヘッジなし」であれば、為替レートの変動による外貨 建て資産の円ベースでの価値の変化を直接的に受けることになるので、三上さんが 為替変動についても収益性を期待したのであれば、「Bコース」の投資信託を購入し たということになる。 (イ)三上さんの場合、「収益分配前の基準価額が個別元本を上回っており、かつ、収益分 配後の基準価額も個別元本を上回るケース(下図参照)」である。
5 <三上さんが保有するHE投資信託の収益分配金受取時の状況> 収益分配金はすべてファンドの収益部分からのものであるので、<資料>の収益分 配時に、三上さんに支払われた収益分配金は、その全額が「普通分配金」である。 投資信託に関する問題である。普通分配金か元本払戻金(特別分配金)かを判断させる 問題は頻出であり、今後も出題が予想される。 【第3問】 問7 正解(ア)○ (イ)○ (ウ)○ (エ)× 不動産広告 難易度★★ (ア)正しい。この広告における物件の専有面積は、壁芯面積(壁の厚みの中心線で囲ま れた水平投影面積)によるものであるが、これは内法面積(壁その他の区画の内側 線で囲まれた部分の水平投影面積)よりも大きくなる。 (イ)正しい。管理費等について、管理組合は、滞納している区分所有者だけでなく、そ の包括承継人(相続等により取得した者)および特定承継人(売買等により取得し た者)に対しても、その支払を請求できるものであり、売買によって新たな区分所 有者となる香川さんにも、滞納分の管理費の支払い義務が生じることになる。 (ウ)正しい。宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者が宅地や建物の売買・交換・貸 借の代理や媒介を行った場合、報酬を受け取ることができるとされている。本問の <資料>においては、取引形態が「媒介」とされており、この物件を購入する場合 には、通常、宅地建物取引業者に媒介業務に係る報酬(仲介手数料)を支払うことに なる。 (エ)誤り。マンションを購入して区分所有者となった場合には、当然に管理組合の一員 となるため、任意に参加を拒否したり脱退したりすることはできない。 収益分配前の個別元本: 10,000 円 収益分配前の基準価額: 13,000 円 収益分配後の基準価額: 11,500 円 収益分配金: 1,500 円
6 不動産広告の読取りについての問題は、実技試験では頻繁に出題されており、問われるポ イントもほぼ決まっている。これまでに出題されたポイントについて、しっかり押さえて おけば得点できるレベルである。 問8 正解 1 自宅(土地・建物)の売却に係る課税長期譲渡所得 難易度★★ 自宅(土地および建物)を売却した場合にかかる課税長期譲渡所得の金額を求める場合 の計算式は次のとおりである。 課税長期譲渡所得の金額=譲渡価額-(取得費※+譲渡費用)-特別控除 ※実際の取得費よりも「概算取得費」(譲渡価額の5%相当額)のほうが大きいときは概算取 得費を用いることができる 本問の場合、「居住用財産を譲渡した場合の 3,000 万円の特別控除」の適用を受けること ができる。また、取得費は、概算取得費(5,000 万円×5%=250 万円)と実際の取得費が 同額であるため、250 万円となる。 したがって、本問における課税長期譲渡所得の金額は、上記の計算式に<資料>で与え られた数値を代入して求める。 課税長期譲渡所得の金額=5,000 万円-(250 万円+200 万円)-3,000 万円 =1,550 万円 自宅を売却した場合における課税長期譲渡所得の金額を求める問題は、平成 28 年5月の 実技試験(問9)、平成 28 年1月の実技試験(問9)で出題されている。計算式と概算 取得費の考え方を押さえておけば得点できる問題である。 問9 正解(ア)2 (イ)4 (ウ)1 借地借家法に基づく借家契約 難易度★★ 出題された表の空欄に解答を入れると次のとおり。 普通借家契約 定期借家契約 契約方法 制限はない (ア.公正証書等の書面による) 契約の更新 正当事由がない限り更新される (イ.期間満了により終了し、 更新されない) 契約期間 1年未満の場合 期間の定めのない契約とみなさ れる 1年未満の契約も有効である 1年以上の場合 (ウ.制限はない) 制限はない
7 (ア)定期借家契約については、書面によらなければならない(必ずしも公正証書である 必要はない)。なお、普通借家契約については、契約方法の制限はない。 (イ)定期借家契約については、期間満了により終了し、更新されない。なお、貸主と借 主の合意のもと、再契約をすることはできる。 (ウ)普通借家契約でも定期借家契約でも、1年以上の期間の定めをした場合は、その期 間によることとなり、上限はない。 問 10 正解 4 路線価方式による宅地(自用地)の相続税評価額 難易度★★ 自用地の相続税評価額は、本問のように1つの路線に面している場合、次の算式により求める。 自用地評価額=路線価×奥行価格補正率×宅地の面積 本問では、「路線価:150,000 円(路線価は千円単位の表示)」「奥行距離 10m以上 24m未 満の場合の奥行価格補正率:1.00(本問の宅地の奥行距離は 12m)」である。これらの数値 を上記の計算式にあてはめると、「150,000 円×1.00×168 ㎡=25,200,000 円=2,520 万円」 となる。 なお、<資料>にある「借地権割合」や「借家権割合」は、本問のような自用地の評価 額を求める計算式では使用しない。 自用地の相続税評価額を求めるシンプルな問題であるが、貸家建付地の相続税評価額や、 普通借地権の相続税評価額を求める問題が出題されることもあるので、それらの計算式 や考え方をしっかりと押さえておきたい。 【第4問】 問 11 正解(ア)110(万円) (イ)161(万円) (ウ)11(万円) 保険証券の読取 り 難易度★★ 出題文の空欄に解答を入れると次のとおり。 ・しおりさんが現時点で、交通事故で即死した場合、保険会社から支払われる保険金お よび給付金の合計は(ア.110)万円である。 ・しおりさんが現時点で、初めてガン(乳ガン・悪性新生物)と診断されて14日間入院 し、その間に約款所定の手術(給付倍率40倍)を1回受けた場合、保険会社から支払 われる保険金および給付金の合計は(イ.161)万円である。 ・しおりさんが現時点で、突発性難聴で16日間入院し(手術は受けていない)、退院日 の翌日から約款所定の期間内に10日間通院した場合、保険会社から支払われる保険金 および給付金の合計は(ウ.11)万円である。
8 (ア)<保険証券1>死亡保険金 : 100 万円 …① <保険証券2>死亡給付金 : 10 万円 …② ①+②=110 万円 (イ)<保険証券1>疾病入院給付金 :5,000 円×14 日=7万円 …① 手術給付金 :5,000 円×40 倍=20 万円 …② <保険証券2>ガン診断給付金 :100 万円 …③ ガン入院給付金 :1万円×14 日=14 万円 …④ ガン手術給付金 :20 万円 …⑤ ①+②+③+④+⑤=161 万円 (ウ)<保険証券1>疾病入院給付金 :5,000 円×16 日=8万円 …① 通院給付金 :3,000 円×10 日=3万円 …② ①+②=11 万円 保険証券から支払われる保険金・給付金を読み取る問題。毎回出題される定番問題であ るため、どのような事例であっても正しく計算できるようにしておきたい。 問 12 正解 3 解約返戻金相当額の推移に係る図 難易度★★ 保険期間の途中で解約した場合に支払われる解約返戻金の推移イメージは、保険種類によって 異なる。一般的な定期保険の解約返戻金は、ゼロもしくは、ほとんどない。その推移に係る図と しては、弧を描いて期間終了時にはゼロになり、保険期間の中ほどが最も額が大きくなる。した がって、イメージ図の3.が一般的な定期保険である。なお、1.は養老保険、2.は終身保険、 4.は個人年金保険のイメージ図である。 <一般的な定期保険の解約返戻金相当額のイメージ図> 解約返戻金相当額のイメージ図に関する問題。各種保険の特徴を正確に押さえていれば、 正解を導くことは可能と言える。 契約 満期 解約返戻金相当額 死亡保険金 保険料払込期間
9 問 13 正解(ア)○ (イ)× (ウ)× (エ)○ 自賠責保険と任意の自動車保険 難易度★★ (ア)適切。自賠責保険は、被害者救済のために全ての車に契約を義務付けられている強 制保険である。よって、配偶者および生計を一にする親子・兄弟姉妹間の事故であ っても被害者の他人性が認められ、保険金の支払い対象となる。 (イ)不適切。対人賠償保険では、死傷した被害者が被保険者の配偶者、父母、子の場合 は保険金の支払い対象とならない。ただし、兄弟姉妹等その他の親族の場合は保険 金の支払い対象となる。 (ウ)不適切。車両保険では、地震・噴火・津波による損害は免責となる。 (エ)適切。搭乗者傷害保険では、自動車事故により、自動車の搭乗者が死傷した場合に 保険金が支払われる。なお、搭乗者傷害保険における「搭乗者」とは、被保険自動 車に搭乗中の者であり、運転者も含まれる。 自賠責保険と任意の自動車保険について、事例ごとに保険適用の可否が問われている。 正解を導くためには、各種保険の定義(ポイント)を押さえておく必要がある。 【第5問】 問 14 正解 2 所得税の総所得金額 難易度★★ 総所得金額とは、総合課税の所得を損益通算した上で合計したものである。本問につい ては、与えられた資料の<平成 29 年分の収入等>より、総合課税の所得に該当するのは、 公的年金等の雑所得(老齢厚生年金および企業年金(老齢年金))と、不動産所得(「不動 産収入」から「不動産収入に係る必要経費」と青色申告特別控除額を差し引いた額)であ ることがわかる。 ・公的年金等の雑所得 老齢厚生年金および企業年金(老齢年金)については、公的年金等の収入金額から公 的年金等控除額を控除した額が公的年金等の雑所得となる。<公的年金等控除額の速算 表>をもとに計算すると、公的年金等の雑所得の金額は、「288 万円-120 万円=168 万円」 となる。 ・不動産所得 不動産所得については、青色申告特別控除の適用を受けることができるが、65 万円の 青色申告特別控除の要件を満たしていない青色申告者が控除することができる青色申告 特別控除額は 10 万円となるので、不動産所得の金額は、「120 万円-25 万円-10 万円= 85 万円」となる。 したがって、増田さんの平成 29 年分の所得税における総所得金額は、「168 万円+85 万 円=253 万円」となる。
10 与えられた資料から総所得金額を計算する問題。青色申告者については、65 万円の青色 申告特別控除を受けるための要件を満たしていない場合でも 10 万円の青色申告特別控除 額を控除できることがポイントである。総所得金額を求める問題は定番問題なので、こ れまでの出題を通して、計算の流れや出題パターンを確認しておきたい。 問 15 正解 1 減価償却費の金額の計算 難易度★★★ 減価償却の計算方法には定額法と定率法があるが、平成 10 年4月1日以後に取得した建 物についての償却方法は定額法のみとなる。また、事業供用月数が1年に満たないときは、 月割計算によって減価償却費の金額を算出する。 したがって、減価償却費の金額は、「6,000 万円×0.020×10 ヵ月/12 ヵ月=100 万円」 となる。 なお、平成 28 年4月1日以後に取得した建物附属設備および構築物についての償却方法 も定額法に限定される。 減価償却の計算方法および月割計算についての知識がないと解答できない。ややレベル の高い問題であるが、今後も出題される可能性があるため、考え方をしっかりと確認し ておきたい。 問 16 正解 206(万円) 所得税における事業所得の金額の計算 難易度★ 本問については、事業所得の金額の<計算式>が与えられており、この<計算式>に< 資料>の金額をあてはめればよい。 したがって、目黒さんの平成 29 年分の所得税における事業所得の金額は、「1,128 万円- 169 万円-448 万円-240 万円-65 万円=206 万円」となる。 与えられた<資料>をもとに<計算式>にあてはめれば解答できるため、同様の問題が 出題された場合には、確実に得点したい。
11 【第6問】 問 17 正解(ア)3/4 (イ)1/2 (ウ)1/4 (エ)なし 民法の規定に基 づく法定相続分 難易度★★ 本問は、配偶者と第3順位の血族相続人である兄弟姉妹(本問では「姉」)が相続人となる ケースであり、この場合の法定相続分は、配偶者が3/4(ア)、兄弟姉妹が1/4(ウ)で ある。 また、遺留分は法定相続人に最低限認められる相続分であり、その割合は当該相続におけ る各法定相続人の法定相続分の1/2(直系尊属だけが相続人の場合、直系尊属の遺留分は 法定相続分の1/3)である。ただし、遺留分が認められるのは兄弟姉妹以外の法定相続人 であり、配偶者と兄弟姉妹が相続人となる場合、配偶者の遺留分は相続財産の1/2(イ)、 兄弟姉妹の遺留分はなし(エ)となる。 法定相続分と遺留分に関する基本問題であるが、2つ合わせて出題される今回のケース は、従来と異なる。 問 18 正解 1 相続税の課税価格の合計額 難易度★★ 相続税の課税価格の合計額は次のとおりに計算する。 相続税の課税価格の合計額=①本来の相続財産+②みなし相続財産-③非課税財産+④相続 時精算課税制度による贈与財産-⑤債務および葬式費用+⑥相 続開始前3年以内贈与財産 (1)土地、建物、現預金は「①本来の相続財産」に該当するため、相続税の課税価格となる (相続税の課税価格の合計額に算入する土地の相続税評価額は、小規模宅地等の評価減 特例適用後の金額 1,500 万円である)。 (2)「②みなし相続財産」に該当する死亡保険金 2,500 万円は、生命保険の非課税限度額控 除前と記載があるのでこれを考慮する。相続人は被相続人の「配偶者」「長男」「二男」 の3人であるので、生命保険の非課税限度額は、「500 万円×3人=1,500 万円」となり、 課税価格に含める死亡保険金の額は、「死亡保険金 2,500 万円-非課税限度額 1,500 万円 =1,000 万円」となる。 (3)「③非課税財産」「④相続時精算課税制度による贈与財産」「⑥相続開始前3年以内贈与 財産」に該当するものはない。なお、「⑤債務および葬式費用」は考慮する必要がある。 上記(1)~(3)を踏まえて、相続税の課税価格の合計額を求めると次のとおり。 土地 1,500 万円+建物 800 万円+現預金 3,000 万円+死亡保険金 1,000 万円-債務およ び葬式費用 900 万円=5,400 万円
12 相続事例における相続税の課税価格の合計額を求める問題。類似問題が平成 29 年9月の 実技試験(問 20)、平成 29 年5月の実技試験(問 19)、平成 29 年1月の実技試験(問 21) と続けて出題されている。 問 19 正解 3 贈与税額の計算 難易度★★ 【父からの贈与】 相続時精算課税の適用を受けているため、次のとおり計算する。 1,000 万円(平成 28 年)+1,800 万円(平成 29 年)=2,800 万円 2,800 万円-2,500 万円(非課税限度額)=300 万円 300 万円×20%=60 万円……① 【叔父からの贈与】 叔父からの贈与については相続時精算課税の適用を受けることができず、また、直系尊属 からの贈与ではないため、(ロ)の速算表により贈与税額を計算する。 500 万円-110 万円=390 万円 390 万円×20%-25 万円=53 万円……② よって、贈与税額は「①+②=60 万円+53 万円=113 万円→1,130,000 円」となる。 したがって、3.が正解となる 贈与税額を求める計算問題。相続時精算課税と暦年課税(20 歳以上の者が直系尊属から 贈与を受けた財産の場合とそれ以外の場合)の計算に慣れておきたい。類似問題が平成 29 年5月の実技試験(問 21)、平成 29 年1月の実技試験(問 22)で出題されている。 問 20 正解 1 相続の承認と放棄 難易度★★ 1.適切。相続の放棄は、相続人が単独で相続の開始があったことを知った時から3か月 以内(熟慮期間内)に家庭裁判所に申述し、受理されることによって法的に成立する。 2.不適切。限定承認は相続人全員で行う必要がある。 3.不適切。選択肢1.の解説参照。 4.不適切。単純承認とは、相続人が被相続人の財産をすべて相続することであり、この 場合の財産には、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれる。よって、マ イナスの財産のほうが多ければ、相続人が債務を返済していかなければならなくなる。 相続の承認と放棄について幅広く問われているが、その内容は基本的なものである。相続 開始前の場合、相続の放棄はできないが、遺留分の放棄はできる(家庭裁判所の許可を要 する)ことも押さえておきたい。
13 【第7問】 問 21 正解 216(万円) キャッシュフロー表 難易度★★ ○年後の金額は「現在の金額×(1+変動率)経過年数」により求める。基準年の基本生活 費が 208 万円、変動率2%であるため、その2年後の基本生活費(ア)は、次のとおり計 算する。 208 万円×(1+0.02)2=216.4…万円 → 216 万円(万円未満を四捨五入) キャッシュフロー表の基本生活費を計算する問題。変動率を加味して将来の金額を算出 する。毎回出題される最頻出問題であり、必ず得点できるようにしておきたい。 問 22 正解 337(万円) キャッシュフロー表 難易度★★ 金融資産残高は「前年の金融資産残高×(1+変動率)+年間収支」により求める。前 年の金融資産残高が 267 万円、変動率が1%、年間収支が 67 万円(=581 万円-514 万円) であるため、金融資産残高(イ)は、次のとおり計算する。 267 万円×(1+0.01)+67 万円=336.67 万円 → 337 万円(万円未満を四捨五入) キャッシュフロー表の金融資産残高を計算する問題。毎回出題される最頻出問題である ため、計算式は必ず覚えておくこと。 問 23 正解 1 運用利回り等の変動に影響を与える要因 難易度★★ 1.不適切。消費者物価指数は、全国の世帯が購入する財やサービスの価格の変動を測定 することを目的としていることから、財やサービスの購入と一体となって徴収される 消費税分を含めた、消費者が実際に支払う価格を用いて作成されている。したがって、 消費者物価指数の算出では、消費税率の引上げがあれば、増税分を含めて計算し、結 果に影響するようになっている。 2.適切。円安について具体的な例をあげると、「1米ドル=100円が105円や110円といっ た方向に為替が変動すること」である。ここから簡略化して考えると、「1米ドルの商 品を輸入するのに100円のお金で済んでいたものが、105円や110円といったお金が必要 になる」ということになる。したがって、為替が円安になると、輸入物価を押し上げ る要因となり得る。 3.適切。なお、固定金利型住宅ローンの適用金利は、新発10年長期国債利回りを基準に する金融機関が主流である。 4.適切。記述のとおり。 運用利回り等の変動に影響を与える要因に関する問題。最近の出題傾向とは異なる問題 ではあるが、問われているのはすべて基本事項である。
14 問 24 正解 1,240,000(円) 各種係数を用いた計算 難易度★★ 将来の積立合計額(2,000 万円)から毎年の積立額を求めるには、減債基金係数を乗じる。 15 年、1.0%の減債基金係数は 0.062 であるので、次のように計算する。 2,000 万円×0.062=1,240,000 円 問 25 正解 22,019,000(円) 各種係数を用いた計算 難易度★★ 毎年の積立額(100 万円)から将来の積立合計額を求めるには、年金終価係数を乗じる。 20 年、1.0%の年金終価係数は 22.019 であるので、次のように計算する。 1,000,000 円×22.019=22,019,000 円 問 26 正解 1,884,000(円) 各種係数を用いた計算 難易度★★ 将来の元利合計額(200 万円)を現在に割戻すには、現価係数を乗じる。6年、1.0%の 現価係数は 0.942 であるので、次のように計算する。 2,000,000 円×0.942=1,884,000 円 6つの係数を利用した計算問題。最頻出問題であるため、どの係数を利用すればよいか を必ず押さえておきたい。 【第9問】 問 27 正解 1,116,660(円) 外貨定期預金の満期時における円ベースの元利合計額 難 易度★★ 外貨預金において、満期時の外貨ベースの元利合計額を円転する際の為替レートは「T TB」である。なお、本問では<資料>に記載されている注1~注3(下記参照)を考慮 する必要がある。 注1:利息の計算に際しては、預入期間は日割りではなく月割りで計算すること。 注2:為替差益・為替差損に対する税金については考慮しないこと。 注3:利息に対しては、米ドル建ての利息額の 20%(復興特別所得税は考慮しない)相 当額が所得税・住民税として源泉徴収されるものとすること。 以上を踏まえて、本問の外貨定期預金について、満期時の外貨ベースの元利合計額を円 転した金額を計算すると以下のとおりとなる。 ・満期時における米ドルベースでの元利合計額 元本:10,000 米ドル 利息:10,000 米ドル×9.0%×1ヵ月/12 ヵ月注1=75 米ドル
15 所得税・住民税(源泉徴収額):75 米ドル×20%注3=15 米ドル ∴10,000 米ドル+75 米ドル-15 米ドル=10,060 米ドル ・満期時における円ベースでの元利合計額 10,060 米ドル×TTB111.00 円=1,116,660 円 外貨定期預金の満期時の外貨ベースの元利合計額を円転した金額を求める問題。この計 算問題は出題頻度が高く、平成 29 年9月の実技試験(問 29)、平成 29 年5月の実技試験 (問 29)で類似問題が出題されている。 問 28 正解 4 住宅ローンの見直し 難易度★★ 1.適切。住宅ローンの借換えは、現時点で借りている住宅ローンの残金を別の金融機関 で新たに有利な条件で借りた住宅ローンの借入金で返済することであり、抵当権の抹 消や設定費用、事務手数料などの諸費用が必要になる。 2.適切。なお、返済額軽減型は、残りの返済期間は変えずに毎回の返済額を軽減する方 法である。 3.適切。なお、期間短縮型は、毎回の返済額は変えずに残りの返済期間を短縮する方法 である。 4.不適切。勤務先の倒産や給与の減額、ライフプランの変更などの理由により、現在の 住宅ローンの借入先の金融機関において、条件変更することができる。条件変更では、 返済額の減額だけでなく増額することもできる。 問 29 正解(ア)1年 (イ)半年 (ウ)2 個人向け国債(変動 10 年) 難易度★ ★ 出題文の空欄に解答を入れると次のとおり。 ・「発行から(ア.1年)経過すれば、原則としていつでも、購入金額の一部または全部 を中途換金することができます。」 ・「実勢金利の動きに応じて(イ.半年)ごとに適用利率が変わり、そのときどきの受取 利子の金額が増減します。」 ・「中途換金の場合の換金金額は、『額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額』で計 算され、中途換金調整額は直前(ウ.2)回分の各利子相当額を基に算出されます。」 個人向け国債(変動 10 年)に関する問題。問われているのはすべて基本事項である。個 人向け国債については、「固定5年」および「固定3年」からの出題も予想されるので、 基本事項を押さえておき、出題された場合には必ず得点できるようにしておきたい。
16 1.不適切。地震保険の保険金額は、主契約(住宅火災保険・住宅総合保険等)の保険金 額の 30%~50%の範囲内で別個に定める(建物は 5,000 万円、家財は 1,000 万円が上 限)。よって、清治さんが自宅建物を保険の対象として火災保険Cに地震保険を付帯す る場合の保険金額は、450 万円(火災保険Cの保険金額 1,500 万円×30%)から 750 万 円(1,500 万円×50%)の範囲内となる。 2.適切。記述のとおり。 3.適切。なお、住民税については 2,5000 円を限度として地震保険料の1/2が控除対象 額になる。 4.適切。記述のとおり。 地震保険について幅広く問われている。類似問題が平成 29 年1月の実技試験(問 14)で、 また、「地震保険の一般的な商品性」に関する問題が平成 29 年9月の学科試験(問題 16) で、出題されている。 問 31 正解 2 日本学生支援機構の奨学金(貸与型)および日本政策金融公庫の教育 一般貸付 難易度★★ 表の空欄に解答を入れると次のとおり。 日本学生支援機構の奨学金 (貸与型) 日本政策金融公庫の 教育一般貸付 貸付(貸与)対象者 (ア.学生・生徒本人) 主に学生・生徒の保護者 資金の受取り方 毎月定額 (イ.一括) 利息 [第一種奨学金] 無利息 [第二種奨学金] 年利(ウ.3%)を上限とす る利息付き(在学中は無利息) 在学期間内は利息のみの返済 とすることが可能 日本学生支援機構の奨学金(貸与型)および日本政策金融公庫の教育一般貸付について問 われている。一部でやや詳細な事項が問われているが、基本事項を押さえていれば消去法 で解答できる。
17 問 32 正解(ア)× (イ)× (ウ)○ (エ)× 傷病手当金 難易度★★ (ア)誤り。傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であり、 連続3日間の待期期間が完成したときに、第4日目から支給される。したがって、 清治さんへの傷病手当金は、11 月 13 日から支給される。 (イ)誤り。傷病手当金の額は、休業1日につき、支給開始日以前の継続した 12 ヵ月間の 各月の標準報酬月額を平均した額を 30 日で除した額の3分の2相当額である。 (ウ)正しい。記述のとおり。 (エ)誤り。休業した日に給与の支払いがある場合、傷病手当金は支給されないが、その 支払われた給与の日額が傷病手当金の日額より少ない場合は、傷病手当金と給与の 差額が支給される。 傷病手当金に関する問題。類似問題が平成 29 年9月の実技試験(問 31)で出題されてい る。問われているのは、いずれも基本事項である。 問 33 正解 3 公的年金の遺族給付 難易度★★ 出題文の空欄に解答を入れると次のとおり。 「清治さんが平成 30 年6月に在職中に死亡した場合、真樹子さんには遺族基礎年金と 遺族厚生年金が支給されます。真樹子さんに支給される遺族基礎年金額は、基本年金 額(=老齢基礎年金の満額)に(ア.清美さん)を対象とする子の加算額を加えた額 となります。 また、真樹子さんに支給される遺族厚生年金額は、清治さんの死亡前の厚生年金被保 険者期間に基づく報酬比例の年金額の(イ.4分の3)に相当する額です。なお、短 期要件に該当する遺族厚生年金では、被保険者期間が(ウ.300 月)に満たない場合は (ウ.300 月)として計算されます。」 公的年金の遺族給付について問われている。出題頻度の高い項目であり、特に遺族基礎 年金、遺族厚生年金、中高齢寡婦加算については、確認しておきたい。 1日あたりの金額= ÷30 日× 支給開始日以前の継続した 12 ヵ月間の 各月の標準報酬月額を平均した額 2 3
18 出題文の空欄に解答を入れると次のとおり。 「退職して健康保険の被保険者資格を失った場合、健康保険の被保険者であった期間 が継続して2ヵ月以上ある人は、被保険者でなくなった日から(ア.20 日)以内に任 意継続被保険者となるための手続きをしたときには、引き続き(イ.2年間)にわた って健康保険の被保険者になることができます。なお、健康保険の任意継続被保険者 の保険料は、その(ウ.全額)を自己負担することとなります。」 健康保険の任意継続被保険者に関する問題。出題頻度が高い項目でありながら、学習す べき範囲は狭いため、ポイントをまとめておくとよい。 【第 10 問】 問 35 正解 5,168(万円) バランスシート分析 難易度★★ <杉山家(慎二さんと保子さん)のバランスシート> (単位:万円) [資産] [負債] 金融資産 預貯金等 株式・債券 生命保険(解約返戻金相当額) 不動産 土地(自宅敷地) 建物(自宅) その他(動産等) 1,560 220 950 2,500 450 300 住宅ローン 自動車ローン 708 104 負債合計 812 [純資産] (ア.5,168) 資産合計 5,980 負債・純資産合計 5,980 純資産は、資産合計から負債合計を差し引くことで求めることができる。 純資産=5,980 万円-812 万円=5,168 万円 バランスシートの作成における基本知識が問われている。丁寧に読めば、各項目の金額 は把握できるため、計算ミスのないようにしたい。毎回出題される最頻出問題である。
19 問 36 正解 2 退職所得の金額 難易度★★ 退職所得の金額は、「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算する(勤続年数5 年以下の役員等に該当する場合には、「収入金額-退職所得控除額」で計算する)。また、 退職所得控除額の計算式は、原則として、以下のとおりである。 <退職所得控除額の計算式> 勤続年数 退職所得控除額 20 年以下 40 万円×勤続年数 ※勤続年数2年未満の場合は 80 万円 20 年超 800 万円+70 万円×(勤続年数-20 年) (注)障害者になったことに直接基因して退職したと認められる場合には、通常の計算 式により計算した退職所得控除額に 100 万円を加算した金額が退職所得控除額と なる。 退職所得控除額の計算において、勤続年数の1年未満の端数は切り上げて計算する。慎 二さんの場合、退職所得控除額を計算する上での勤続年数は 30 年となるので、退職所得控 除額は、「800 万円+70 万円×(30 年-20 年)=1,500 万円」となる。また、退職所得の金 額は、「(4,000 万円-1,500 万円)×1/2=1,250 万円」となる。 退職一時金から源泉徴収される所得税の金額は、<所得税の速算表>をもとに求めるこ とができるため、「12,500,000 円×33%-1,536,000 円=2,589,000 円」となる。 なお、退職所得の金額の計算方法は、その退職が会社都合によるものか自己都合による ものかによって変わることはない。 退職所得に関する問題は、実技試験だけでなく、学科試験においても頻繁に出題される ポイントであり、計算の流れや計算式を確実に押さえておかなければならない。 問 37 正解(ア)× (イ)× (ウ)○ 保険料の軽減方法 難易度★★ (ア)不適切。払済保険は、保険料の払込を中止して、その時点の解約返戻金をもとに、 元の契約と同じ種類の一時払の保険に変更する方法である。この場合、一般的に保 険期間は変わららないが、保険金額は元の契約の保険金額より小さくなる。 (イ)不適切。延長保険は、保険料の払込を中止して、保険金額を変えず、その時点の解 約返戻金をもとに、一時払の定期保険に変更する方法である。この場合、死亡保険 金は同額を保つことができるが、元の保険よりも保険期間は短くなる。 (ウ)適切。記述のとおり。 保険料の軽減方法について問われている。「払済保険」や「延長保険」の他に、保険料の 払込みが困難になった場合の「振替貸付」等も押さえておきたい。
20 満期を迎えた外貨建て個人年金保険の年金原資を一括で受け取った場合には、一時所得 の対象となる。 一時所得の金額は、「総収入金額-その収入を得るために支出した金額-特別控除(最高 50 万円)」で計算する。慎二さんの場合、一括受取金以外に一時所得の対象となるものはな いので、一時所得の金額は、「600 万円-400 万円-50 万円=150 万円」となる。なお、一 時所得の金額については、その2分の1が総収入金額に算入すべき金額となる。 したがって、平成 30 年分の所得税において総収入金額に算入すべき一時所得の金額は、 「150 万円×1/2=75 万円」となる。 一時所得については、総収入金額に算入すべき金額が2分の1になるのがポイントであ り、学科試験でも頻繁に問われる知識である。 問 39 正解 2 雇用保険の基本手当 難易度★★ 出題文の空欄に解答を入れると次のとおり。 「保子さんが離職した場合、基本手当の所定給付日数は(ア.90 日)となります。基本 手当を受けられる期間は、原則として、離職日の翌日から1年間ですが、保子さんに支 給が開始されるのは、求職の申込みをした日以後、通算して7日の待期期間に加え、最 長(イ.3ヵ月)の給付制限期間を経てからになります。 また、基本手当を受け取るには、原則として4週間に1度、失業の認定を受けなければ なりません。なお、所定給付日数の3分の1以上を残して正社員として採用されるなど 一定の要件に該当する場合には、(ウ.再就職手当)の受給の申請をすることができます。」 (ア)保子さんは自己都合により退職するため、一般の受給資格者として基本手当の所定 給付日数が決定される。保子さんが被保険者として雇用された期間は、問題文より 7年であるため、所定給付日数は 90 日となる。 (イ)自己都合による退職の場合、7日の待期期間に加えて最長3ヵ月の給付制限期間を 経なければ基本手当は支給されない。 (ウ)所定給付日数の3分の1以上を残して正社員として採用されるなど安定した職業に 就いた場合、一時金として再就職手当が支給される。 雇用保険の基本手当については、受給要件、所定給付日数、受給期間、受給までのスケ ジュールを整理しておくとよい。再就職手当の出題頻度は低いが、基本手当に関しては しっかり学習しておきたい。
21 問 40 正解(ア)○ (イ)○ (ウ)× (エ)○ 老齢年金の受給 難易度★★★ (ア)正しい。記述のとおり。 (イ)正しい。年金を受ける権利は原則として、権利が発生してから5年を経過したとき 時効によって消滅する。 (ウ)誤り。老齢年金は原則として、受給権が発生した月の翌月分から、受給権が消滅し た月の当月分まで支給される。 (エ)正しい。記述のとおり。 老齢年金の受給方法に関する問題。これまでは問われることの少なかった手続関係から も出題されている。