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1 通級指導教室の拡充計画                      

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(1)

資 料 1

横浜市における通級指導の充実と

今後の在り方について

~通級指導教室整備5か年計画に向けて~

(案)

平成18年9月

横 浜 市 特 別 支 援 教 育 推 進 会 議

小・中学校等特別支援教育推進部会

(2)

1 横浜市における通級指導の経過

(1)通級指導は特殊学級の教育形態の一つとして開始

昭和37年に文部省は、言語障害児の教育措置について、「学校教育法および同法施行令の一部改正 に伴う教育上特別な扱いを要する児童生徒の教育的措置について」(昭和37年10月18日付)初等 中等教育局長通達が示されたことを受け、横浜市においては、特殊学級として、昭和39年度「言語指 導学級」が幸ヶ谷小学校に、昭和42年度「難聴学級」が東小学校に、昭和46年度「弱視学級」が神 奈川小学校にそれぞれ開設された。さらに、昭和47年度「情緒障害学級」が平沼小学校に開設された。 しかし、この指導形態の問題点は学級籍が教科等の大部分の指導を受ける普通学級になく、週当たり 1から2時間程度の指導を受ける特殊学級にあるということであり、そのために出席簿や指導要録の扱 いに大きな矛盾があった。

(2)通級指導の制度化

このようなことから特殊学級による通級指導の方法とは別に、普通学級に在籍しながら通級による指 導が受けられるようにすることについて、「軽度心身障害児に対する学校教育の在り方の報告(昭和5 3年8月)」、「臨時教育審議会(昭和62年5月)」、「教育課程審議会の審議会の答申(昭和63年12 月)」、「調査研究協力者会議の報告(平成2年6月)」等で取り上げられてきた。 こうした中、横浜市においては、国に先駆けて、平成2年度から言語障害と難聴について、特殊学級 としてではなく、教員を別途確保し、新しい通級指導の方法によって指導を行ってきた。 国においては、「学校教育法施行規則第73条の21第1項の規定による特別な教育課程」による教 育について告示し、普通学級に在籍しながら特定の時間、特別の指導を受けることができるようにし、 その実施期日を平成5年4月1日から(「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」)(平成5年1月 28日付省令第1号)とし、通級指導の法制化が図られた。

(3)通級指導教室の設置状況

平成8年度には、共進中学校に通級指導教室(弱視・難聴・言語障害・情緒障害)を開設し、平成1 8年度現在、通級指導教室は小学校12校、中学校1校、聾学校1校、計14校に設置している。本市 における通級指導への早期からの取組みは、比較的軽度の障害のある児童生徒への専門的指導という点 では大きな実績をあげてきており、全国的にも先進的取組みとして評価がある。

(4)通級指導教室の計画的な整備と役割・機能拡充の必要性

しかし、近年、通級指導教室に通級する児童生徒数が急増し、平成18年現在1224名と、この 10 年間で約2倍を超えている。特に情緒障害、言語障害通級指導教室の過大規模化が顕著になり、適正な 人数を大幅に超えている。 一方、平成18年の学校教育法施行規則の改正により、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動 性障害)が新たに通級の対象に加わり、今後さらに増加が見込まれる。 また、小・中学校では、発達障害のある児童生徒への対応が喫緊の課題になっており、学校教育法の 一部が改正され、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への対応が平成19年4月から法律に位置 づけられることになった。発達障害のある児童生徒に対する指導の専門性のある通級指導教室は、小・ 中学校への支援の拠点としてのセンター的機能が期待されるとともに、特別支援教育の中での通級指導

(3)

教室の役割・機能強化の転換も求められてきている。 平成16年に策定された「横浜市障害児教育プラン」においては、将来、小学校は各区に一校、情緒 障害通級指導教室の設置を目指すことを掲げている。 また、平成18年3月に答申された横浜教育改革会議の「横浜から教育を変える13の重点プランの 1つに「横浜から創る新たな特別支援教育」が位置づけられており、この中に「LD、ADHD等を含 めた通級指導の充実」が掲げられており、この具現化が求められている。 このような状況を踏まえ、横浜市における通級指導教室の計画的な整備と今後の在り方についての考 え方を明示する必要がある。

(4)

2 通級指導教室の現状と課題

(1)本市の通級指導教室設置状況

横浜市には現在、弱視、難聴、言語障害、情緒障害の各通級指導教室が設置されている。弱視通級 指導教室、難聴通級指導教室の児童生徒数は、大きな増加は見られないが、言語障害通級指導教室、 情緒障害通級指導教室の児童生徒数は増加傾向にあり、特に情緒障害通級指導教室の児童生徒数は急 増している。 情緒障害通級指導教室については、平成18年度現在、9校(小学校8校、中学校1校)設置され ているが、その配置については市域内においてやや偏りがある。小学校では、とりわけ北部方面の3 校(市ヶ尾小、荏田東第一小、綱島東小)が過大規模化している。また、中学校は設置校が1校(南 区共進中)であり、立地上も北部方面の生徒には通級しにくい状況にある。この状況を受けて、平成 19年度には緑区十日市場小学校と青葉区鴨志田中学校に新たに通級指導教室を開設する予定であ る。しかし、各教室の慢性的な過大規模化の現状や通級児童生徒の増加傾向が今後も続くことが予想 されることから、通級指導教室の計画的整備が必要である。

(2)通級指導教室の障害種別状況等

通級指導教室の担当教員数は、平成5年に制定された公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数 の標準に関する法律第15条第2号によって措置され、第6次(平成5年度から10年度)の改善計画 によって、平成5年度を初年度として配分されている。配分数は、文部大臣の定めるところにより、通 級児童生徒10人について1人の加配となっている。 横浜市の平成18年5月1日現在における通級指導教室設置状況は「表1」のとおりである。 表1 通級指導校の障害種別、学校数、通級児童生徒数、教員数 小学校 中学校 聾学校 障害種別 学校数 児童数 学校数 生徒数 学校数 児童生徒数 教員数 弱 視 1校 10人 1校 2人 0校 0人 2人 難 聴 9校 87人 1校 21人 1校 25人 言語障害 9校 391人 1校 28人 1校 2人 39人 情緒障害 8校 583人 1校 75人 0校 0人 41人 計 12校 1071人 1校 126人 1校 27人 82人 (注)「難聴・言語障害」及び「情報障害」を併設している通級指導教室は7校、「難聴・言語障害」 の通級指導校は4校、「情緒障害」のみの通級指導教室は2校、「弱視」通級指導教室は1校 で、設置校は14校である。

(5)
(6)

表2 障害種別通級児童生徒数の年度別推移 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 弱視 16 21 24 18 19 20 20 20 24 19 16 12 難聴 108 133 142 154 133 128 137 134 125 132 137 135 言語 174 220 239 269 313 319 304 299 319 339 370 419 情緒 183 227 242 296 329 354 383 426 482 549 615 658 合計 481 601 647 737 794 821 844 879 950 1,039 1,138 1,224 ※ 通級児童生徒数はここ数年、毎年8~9%増加している。全体では10年間に2.0倍、情緒につ いては約3倍に急増している。 図2 障害種別通級児童生徒数の年度別推移

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

H7

H9

H11

H13

H15

H17

年度

児童生徒数

情緒通級指導教室

難聴通級指導教室

言語通級指導教室

弱視通級指導教室

合計

年度

(3)通級指導教室の過大規模化

文部科学省の教員配置基準では、児童生徒数10名に対して教員数1名加配となっており、県の基 準では1教室に最大教員数4名までとしている。しかし、現状では適正人数(教員4名に対して、児 童生徒40名)を大幅に超えており、指導時間が確保できないなど、指導に支障をきたしている。ま た通級教室の施設・設備は40名を前提とした設計となっている。 情緒障害通級指導教室では、グループ数を増やしたり、グループの人数を増やしたりして対応して いるが、グループ数の増加は指導回数の減少につながり、グループの人数を増やすことは児童生徒一 人ひとりに対する教員の十分な個別的な指導ができない状態を招いていて、適切な指導の効果が得ら れないため、適応困難の状態は変わらない可能性も出てくる。難聴・言語障害通級指導教室では、一 対一の指導が基本となるため、指導回数を減らして対応している。

(7)

(4)情緒障害指導教室の主な課題

北部方面の情緒障害通級指導教室(市ヶ尾小、荏田東第一小、綱島東小)は、北部方面の学齢児人口 増加が顕著なこともあり、適正指導人数を大幅に超えている。(平成5年度49人→平成18年度25 2人 約5倍) また、南部方面の八景小学校も過大規模化が顕著であり、通級エリアが広く、通級する児童の在籍校 も40校以上となり、学校訪問に時間がかかり、指導に支障が出てきている。 平成18年度に児童生徒数の特に多い情緒障害通級指導教室5校については、臨任教員を1名加配し て対応しているが、通級人数を40名程度と想定して設置しているため、通級児童生徒が一堂に会する 場がないなど、指導上の課題も出てきている。 中学校は設置校が1校(南区共進中)であり、立地上も北部方面の生徒には通級しづらく、障害種別 に応じた生徒の受け入れは困難な状況にある。 表4 情緒障害通級指導教室児童数の推移 H5 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 寺尾小学校 35 47 50 平沼小学校 33 47 53 41 45 48 52 57 57 51 60 65 左近山第一小学校 30 41 44 46 48 52 60 67 64 八景小学校 29 43 43 44 45 46 55 52 71 73 73 80 綱島東小学校 24 37 42 55 63 63 53 60 61 66 82 89 市ヶ尾小学校 25 40 38 45 50 63 51 58 69 77 85 85 荏田東第一小学校 38 55 60 70 79 78 戸塚小学校 33 39 40 45 46 52 49 53 60 57 64 72 小学校計 144 206 216 260 290 316 344 383 430 489 557 583 共進中学校 21 26 36 39 38 39 43 52 60 58 75 中学校計 21 26 36 39 38 39 43 52 60 58 75

(8)

(5)小中学校情緒障害通級指導教室の対象となる児童生徒数の推移及び推計

【小学校】 小学校の情緒障害指導教室の通級児童数は、平成14年度以降、前年比約11%の増加で推移して いる。今後もこの傾向は続くと予想され、さらにLD等が対象となったことから、平成18年度以降 は12%の増加として推計。これによると平成22年度には、情緒障害通級指導教室の児童数は90 0名を超えることが予想される。

小学校情緒障害通級指導教室児童数

383 430 489 558 583 652 731 819 917 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 【増加の要因】 ※本市の全児童数は平成21年まで増加(約3%)、以降緩やかな減少傾向 ※地域療育センター・リハビリテーションセンターでの発達障害児への対応は増加傾向 ※発達障害への認知度が高まり、専門的な指導を期待する傾向 ※養護教育総合センターの発達障害関係の相談の増加(全相談件数の約4割) ※平成18年度施行の規則改正により、LD、ADHDが通級の対象になったことによる増加

(9)

【中学校】 中学校の情緒障害指導教室の通級生徒数は、平成14年度以降、前年比約15%の増加で推移して いる。今後もこの傾向は続くと予想され、小学校の通級児童数の増加やLD等が対象となったことか ら、さらに平成18年度以降は17%の増加として推計。平成22年度には140名を超えることが 予想される。

中学校情緒障害通級指導教室生徒数

43 52 60 58 75 88 103 120 141 0 20 40 60 80 100 120 140 160 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 【増加の要因】 ※平成14年度以降、前年比約15%の増加で推移 ※小学校通級利用者の約25%が中学校通級を利用 ※平成19年度以降の北部方面通級指導教室設置による、通級利用生徒の増加見込 ※新規に通級を利用する生徒の増加 ※発達障害への認知度の高まりによる、専門的な指導の期待 ※平成18年度施行の規則改正により、LD、ADHDが通級の対象になったことによる増加 【参考】 図‐4 養護教育総合センターの障害のある児童生徒の教育相談実績 1244 389 1317 563 1375 712 1456 880 1523 1074 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 件数 13 14 15 16 17 知的障害 自閉+要配慮 視覚障害 聴覚障害 言語障害 肢体不自由 病弱 ※知的障害は増加、自閉症+要配慮(軽度発達障害)は急増している。 ※視覚障害、聴覚障害、言語障害、肢体不自由、病弱の相談件数に大きな変化は見られない。

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3 特別支援教育推進への通級指導の制度強化

(1)通級指導教室の位置づけ

通級による指導とは、小・中学校の通常の学級に在籍している障害の軽い児童生徒が、各教科等の 指導は主として通常の学級で受けながら、障害の状態に応じた特別の指導を特別の指導の場(通級指 導教室)で受ける指導形態であり、学校教育法施行規則第73条の21に規定されている。特別な指 導とは、障害の状態の改善又は克服を目的とする指導であり、主として自立活動を指している。

(2)特別支援教育における通級指導教室の役割・機能の強化

小・中学校の通常の学校に在籍するLD、ADHDのある児童生徒に対する適切な指導及び必要な 支援を行うことが喫緊の課題となっていることから、①新たに通級による指導の対象となる障害の種 類にLD、ADHDを加えること、②指導時間数の制限を緩和することなど、弾力的な運用での見直 しが中央教育審議会で検討され、平成18年4月、学校教育法施行規則第73条の21の通級による 指導の対象となる者が一部改正された。

学校教育法施行規則第73条の21の通級による指導の対象となる者

<改 正 前> 第1号 言語障害者 第2号 情緒障害者 自閉症等 選択性かん黙等 第3号 弱視者 第4号 難聴者 第5号 その他心身の故障のある者で、本 項の規定により特別の教育課程による 教育を行うことが適当なもの <改 正 後> 第1号 言語障害者 第2号 自閉症者 第3号 情緒障害者 選択性かん黙等 第4号 弱視者 第5号 難聴者 第6号 学習障害者 第7号 注意欠陥多動性障害者 第8号 その他心身の故障のある者で、本 項の規定により特別の教育課程による 教育を行うことが適当なもの

(3)中央教育審議会における通級指導教室の考え方

中央教育審議会答申では、「通級による指導の形態には学校内での実施だけでなく、児童生徒が他 の小・中学校や盲・聾・養護学校に出向く形態や、他の学校を巡回訪問する形態も見られ、各地域の 実情に応じた多様な形態による運用が広がることが期待されている」とあり、通級指導教室の弾力的 な運用が可能となる方向で見直しが求められている。 また、通級による指導は、特別支援教室(仮称)に最も近い形態であり、特別支援教室(仮称)の 構想を実現していくためには、通級指導教室のノウハウを生かすことが大切であり、通級指導教室が 持つ専門的な知識や情報、指導方法等を近隣の小・中学校は積極的に活用することにより、校内の支 援体制の充実を図ることが期待されている。

(11)

4 通級指導教室の整備・機能拡充の必要性

(1)横浜市障害児教育プランにおける整備等の考え方

平成16年4月に策定された「横浜市障害児教育プラン」では重点施策の中で、情緒障害通級指導 教室の整備の推進、通級指導教室の支援センター機能と今後の方向性の検討をあげている。 【情緒障害通級指導教室の整備の推進】 情緒通級を必要とする児童生徒の増加に対応するため、空白地域への整備を推進する。 ○小学校情緒障害通級指導教室→増設計画の検討(将来各区1校配置をめざす) ○中学校情緒障害通級指導教室→難聴・言語障害・弱視を含めた適正配置を考慮した増設計画の 検討 この方針を受けて増設計画の一環として、平成19年度に空白地域の一つである緑区十日市場小学 校に情緒障害通級指導教室を、2校目の中学校の通級指導教室として青葉区鴨志田中学校に通級指導 教室を開設する。 また、残りの空白地域(港南区エリア)についても、今後、最優先整備地域として設置計画に位置 づけ、適正な配置をすすめる必要がある。

(2)特別支援教育の支援・地域のセンター校としての役割・機能強化

発達障害者支援法の施行、小・中学校における発達障害を含めた特別支援教育の取組が学校教育法 に明確に位置づけられる等、発達障害に対する理解が高まりつつある。小・中学校において普通学級 に在籍するLD等の児童生徒に対する適切な指導及び必要な支援が喫緊の課題となっている。支援の 場として通級指導教室への期待は今後も増大し、通級指導教室への通級ニーズは増加することが予想 される。 一方、本市が推進する特別支援教育の中で、普通学級に在籍する発達障害のある児童生徒への校内 支援体制が整備されつつあるが、発達障害児に対する専門的指導スキルを修得した教員は、各学校に おいて現状においては充分に育っておらず、これまでの指導の実績とノウハウがある通級指導教室は、 地域の専門的なサポート機関としての役割がますます重要になり、通級による指導を担当する教員に は、期待される役割に対応できるような、より高い専門性が求められてきている。しかし、過大規模 化に伴って、通級指導教室での指導が中心となり、学校訪問等の巡回が制限されるなど、センター的 な機能が発揮できない状況になっている。小・中学校での特別支援教育を充実させるためにも、セン ター的機能が発揮できるよう、現状の過大規模化を解消する必要がある。

〈今後の対応方向〉

○通級指導教室の適正規模化により、支援センター的機能の充実を図る。 ○小・中学校の校内委員会や特別支援教室(仮称)等への指導・助言 ・ 子どもの特性についての専門的な見方・捉え方 ・ 普通学級における個に応じた指導の工夫や配慮事項、 ・ 軽度の障害のある児童生徒の理解研修 ・ 学校訪問等を通じての担任への指導・助言、保護者の教育相談など。

(12)

5 整備5カ年計画

(1)小学校情緒障害通級指導教室整備計画の考え方

小学校では平成22年度には、917名の児童の利用が予想される。またLD等の発達障害児につ いては、療育から学齢期につなげるためにも、学齢前期からの通級指導の充実が必要である。情緒障 害通級指導教室の最大許容児童生徒数を60名としても、14校分必要になる。現在8校に設置され、 平成19年度に1校設置予定であることから、平成22年度までに新たに5校の整備が必要である。 <整備計画等> 【配置】配置にあたっては過大規模化している通級指導教室の是正、通級ニーズ等を把握しながら優 先順位をつけ、通学経路(交通機関でのアクセス)等を考慮し候補校を選定する。 【施設】通級開設当初は別棟を建てて整備していたが、平成10年(左近山第一小)以降は、校内の 余裕教室を活用して整備してきた。今後も余裕教室を活用して整備を進めていく。仕様につ いては、基本仕様を参考にして、設置学校の状況にあわせて整備する。

(2)中学校情緒障害通級指導教室整備計画の考え方

中学校では平成22年度には141名の生徒の利用が予想される。現在市内1校であり、長時間通 学の緩和も考慮し、平成22年度までに4校分必要になる。平成19年度に1校設置予定であること ら、平成22年までに新たに2校の整備が必要である。 か <整備計画等> 【配置】配置にあたっては、方面のバランスを考慮し、候補校の選定をする。 【施設】校内の余裕教室を活用して整備を進めていく。仕様については、基本仕様を参考としながら、 設置学校の状況にあわせて整備する。

(3)通級指導教室整備5ヵ年計画(案)

① 未設置エリアである港南区方面に情緒障害通級指導教室を整備する。整備により八景小学校、戸塚 小学校の情緒障害通級指導教室の過大規模化が軽減されることが期待される。 ② 過大規模化の著しい綱島東小学校の通級指導教室(難聴・言語障害、情緒障害)の過大規模の解消 を図るために港北区・都筑区方面に2校目の通級指導教室(難聴・言語障害、情緒障害)を整備す る。

通級指導教室整備5カ年計画(案)

H18 小学校1校(十日市場小学校)、中学校(鴨志田中学校) H19 小学校1校(港南区方面) H20 小学校1校(北部方面)、中学校1校(南部方面) H21 小学校2校(磯子・南区方面、北部方面) H22 小学校1校(西部方面)、中学校1校(西部方面) 平成18年度通級指導教室整備計画(平成19年開設予定) (1)十日市場小学校(緑区)情緒障害通級指導教室 ⇒市ヶ尾小、荏田東第一小の児童数の緩和 ・施設構成:学習室、プレイルーム、個別指導室、暗室、保護者控え室、研究室等 合 計 5.5教室分 2階に整備 (2)鴨志田中学校(青葉区)通級指導教室 ⇒共進中学校の生徒数の緩和と通級時間の短縮 ・施設構成:学習室(2)、個別指導室(8)、保護者面談室、研究室、 合計 4教室分 1階を予定

(13)

図1 新配置図

(4)5ヵ年計画以後の対応の考え方

今後小・中学校における特別支援教育の推進により、校内での支援が充実されると、通級を利用す る児童生徒の減少が期待されることから、H22年以降については状況を見極めながら、設置を判断 していくこととする。 今後の整備計画にあたっては、本市として通級指導教室の適正規模化を図りつつ、適切な指導時間 を確保することを基本に、計画的な増設をすすめていくこととする。

(14)

通級指導教室基本仕様案

小学校情緒通級指導教室の基本仕様

改装教室・・・4CR 施設構成・・・学習室(1)、プレイルーム(1.5)、個別指導室(0.25)、暗室(無刺激室)(0.25) 保護者控室(0.5)、研究室(0.5) ※難聴言語教室が併設される場合 改装教室・・・5CR 施設構成・・・学習室(1)、プレイルーム(1.5)、個別指導室(0.25)、暗室(無刺激室)(0.25) 保護者控室(共通)(0.5)、研究室(共通)(0.5) +聴力検査室(0.25)、個別指導室3(0.75)

中学校情緒通級指導教室の基本仕様

改装教室・・・3CR 施設構成・・・学習室(1)、個別指導室4(1)、保護者面談室(0.5)、研究室(0.5) ※難聴言語教室が併設される場合 改装教室・・・4CR 施設構成・・・学習室(1)、個別指導室4(1)、保護者面談室(共通)(0.5)、研究室(共通)(0.5) +聴力検査室(0.25)、個別指導室3(0.75)

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小学校情緒障害通級指導教室の適正人数

文部科学省の基準では指導時間8時間を上限として指導の充実が示されている。低学年は週2 回、中学年以上は週1回の指導を確保すると、週に指導できるのは6グループが最大となる。1 名の教員が手をつないで対応可能な子どもの最大人数が2名であるから、 教員3名の場合は1グループの人数は6名となり、適正児童数は36名 教員4名の場合は1グループの人数は8名となり、適正児童数は48名となる。 LD・ADHD教室が設置できて、教員5名が確保される場合には、指導を2グループ同時に展 開するなど工夫すれば、最大許容範囲児童数は60名となる。

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6 今後の通級指導教室の在り方

(1)LD・ADHD児の対応について

・ 本年4月より学校教育法施行規則等の改正により、LD、ADHD児も対象に加わったが、本市で はこれまでも学校生活への不適応等により、特別な教育課程による教育を行うことが適当なものと して、指導の対象としてきている。 ※ 情緒通級指導教室では、LD、ADHDの判断・診断のある児童生徒は、70名 (615名中 約11.4% 平成17年度の実績) ・ 指導形態については、障害による区別はせず、グループで指導してきている。 ・ LD、ADHD児については、指導回数が少なくても効果が見られることがあることから、月1時 間の指導も可能となっている。(指導時間の弾力的な運用) ・ 他都市では、新たに「LD、ADHD通級指導教室」として開設しているところもある。 〈今後の対応方向〉 本市として、これまでの実績を踏まえ、LD、ADHD対象の通級指導教室を新たに設けるのでは なく、小学校ではグループで指導しながら、LD、ADHD児の指導プログラムを研究し、充実を図 る。また、障害に応じた個別的な指導を行うなど、指導の弾力的な運用について検討する。

(2)入級基準について

・ 通級指導教室の入級については、養護教育総合センターの教育相談を経て、「通級指導委員会」(医 師、学識経験者、通級指導教室設置校長及び担当者で構成)で決定している。 ・ 入級の基準はとしては、「障害が認められること」「学校生活での不適応が認められるか、不適応を 起こす可能性があること」「通級による指導によって改善が期待されること」「保護者の同意がある こと」などから総合的に判断している。また、知的障害を併せ有する場合には、個別支援学級の判 断となっている。 ・ 通級による指導が適当と判断された場合には、定員等によらず入級している。 〈今後の対応の方向〉 入級の基準については、小・中学校で特別支援教育が充実し、校内での支援を受けられることが期 待されることから、校内での支援体制(校内委員会での検討、指導実態等)を踏まえ、基準の見直し も含めて検討する必要がある。また、通級指導委員会の持ち方についても検討する必要がある。

(3)障害種別の教室の在り方

・ これまでは、弱視、難聴・言語、情緒障害と障害種別に教室が設置されているが、言語通級指導教 室に発達障害の指導の必要とする児童生徒が通級していて、言語障害に対する指導と合わせて個別 的な対応をしている。また情緒通級指導教室にも個別的な指導が必要な児童生徒が通級している。

(17)

〈今後の対応方向〉 専門性を生かした障害種による指導を基本としながら、実態に合わせて、個別指導・グループ指導 を効果的に行うことができるような仕組みの検討が必要である。

(4)通級期間について

・ 長期間にわたって通級を利用している児童生徒がおり、通級の長期化が過大規模化の要因の一つに もなっている。保護者が要望する場合もある。 ・ 退級の判断は、通級指導教室担当者の判断を元に退級委員会(教室担当、指導主事)で決定してい る。 〈今後の対応方向〉 ある程度期間(3年間程度)を決めて計画的に指導し、定期的に児童生徒の状態に応じた見直し(指 導方針等)を行うことを検討する必要がある。また、退級の基準についても、校内支援に移行してい くことを視野に入れながら、検討を行う必要がある。併せて、一度通級した児童生徒については退級 したあとも必要に応じて、指導を再開したり、保護者の相談に応じたりすることができるようなフォ ローの仕組みの検討も必要である。

(5)通級による指導における教育課程の編成について

・ 通級指導教室における教育課程の編成については、通級指導校の校長が当該児童生徒に係る特別の 教育課程を編成し、教育委員会に通知するとともに、在籍校の校長も、通級指導校の通知を受けた 後、速やかに、当該児童生徒に係る特別の教育課程を編成し、教育委員会に通知することとしてい る。(「横浜市通級指導実施要綱」第3条第2項及び3項) ・ しかしながら、実際は通級指導校が通級による指導の主たる指導内容である「自立活動」部分の教 育課程を編成し、教育委員会に通知をしており、在籍校による特別の教育課程の編成はなされてい ない状況にある。 ・ 今後、通常学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒についても個別教育計画の作成 が不可欠になってくることから、通級による指導を受ける児童生徒の特別の教育課程については、 通級指導校と連携を図りながら在籍校において編成していくことが望まれ、またその取組を通して、 通級を利用しない特別な教育的支援を必要とする児童生徒の個別教育計画の作成や教育課程編成上 の工夫等においても、校内委員会及び特別支援教育コーディネーターなどが多くの示唆を得ること ができるといえる。 〈今後の対応方向〉 実施要綱にもとづいて、通級による指導を受ける児童生徒の特別の教育課程は、在籍校が通級校と 連携を図りながら編成し、教育委員会に通知するよう改善を図る。

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