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感染に対する抗ウイルス免疫応答を抑制する。)

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Academic year: 2021

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(1)

論文要約 論文題名

Melatonin suppresses  the anti viral  immune  response  to  EMCV  infection through  intracellular ATP deprivation caused by mitochondrial  fragmentation. 

(メラトニンは、ミトコンドリアの断片化によって引き起こされる細胞内ATP 減少を介して

EMCV

感染に対する抗ウイルス免疫応答を抑制する。)

掲載雑誌名

Frontiers  in Immunology 

(投稲中)

歯学研究科歯学専攻(地域連携歯科学)博士課程 氏名菊池真理子

論文要約

【背景・ 目的】

メラトニンは松果体の他に様々な免疫器官でも合成され、免疫反応に対し ても調節機能を示す。過去の研究よりメラトニンは自然免疫系細胞に対し て抑制的に働くことが示されていたが、抑制の仕組みについては十分解明 されていなかった。本論文では、メラトニンは自然免疫系細胞の一つマク ロファージにメラトニンがどのように作用するかを明らかにする目的で、

脳心筋炎ウイルス ( E M C V ) を用いて、抗ウイルス応答に重要な一型インター フェロンやサイトカイン

IL‑6の誘導を指標としてメラトニンの抑制能の

有無および抑制メカニズムの解明を行った。また、抗ウイルス応答の抑制 にはミトコンドリア機能抑制が重要との知見も得られたため、ミトコンド リアの生細胞イメージングにより形態的変化についても検討を行った。最 後にマウスを用いて、生体におけるメラトニンの効果を検討した。

【方法】

マウス自然免疫細胞マクロファージ ( R A W 1 6 4 .7 細胞株)に脳心筋炎ウイル

ス ( E M C V ) を感染させ、リアルタイム PCR により一型インターフェロンお

よび炎症性サイトカイン

IL‑6

の発現誘導のメラトニンによる変化を調べ

た。また、マイトトラッカーを用いてミトコンドリアを染色し、共焦点顕

微鏡により生細胞イメージングを行い、メラトニンの有無によるミトコン

ドリアの形態変化を観察した。次にミトコンドリア機能の変化を調べるた

め、細胞内 ATP 量を比較した。マクロファージにおけるミトコンドリア内

膜のシトクロム量の変化はウエスタンブロッティング法により確認した。

(2)

好気・嫌気環境下での EMCV 感染による抗ウイルス応答の変化はリアルタ イム PCR により比較した。最後に、

invivo

におけるメラトニンの影響を 調べるためメラトニンを溶解した飲み水をマウスに投与し、 EMCV 感染に おける体内のウイルス量の変化を観察した。

【結果 1

コントロールのマクロファージでは、 EMCV 感染によりー型インターフェ ロンや

IL‑6の産生誘導が認められた。一方で、メラトニン処理マクロフ

ァージでは、これらの発現誘導が顕著に抑制されていた。これらの抗ウイ ルス応答の抑制のメカニズムとしてミトコンドリアの機能抑制が予想さ れたため、ウイルス感染時のマクロファージにおけるミトコンドリアの形 態を観察した。通常、マクロファージにおいてミトコンドリアは、細胞質 全体に管状の網様構造を形成し、絶えず融合と分裂を繰り返して機能維持 しているが、メラトニン処理でミトコンドリアは断片化していることが示 された。

マクロファージの CCCP 処理ではミトコンドリアがマイトファジーを起こ し細胞内におけるシトクロム

C

は減少したが、メラトニン処理では変化が なくメラトニンによる機能抑制は可逆的なものと考えられた。ミトコンド リアは好気的環境において、 ATP 産生を行い、細胞内の様々な細胞機能に 必要なエネルギーを供給するが、嫌気環境ではマクロファージは EMCV に

よって抗ウイルス応答を誘導しなかったことから、抗ウイルス応答はミト コンドリアの好気的呼吸による ATP 産生が重要であることがわかった。

ホタルルシフェラーゼ発光法により細胞内 ATP 量を測定したところ、メラ トニン処理した細胞で減少していた。好気環境では、メラトニンは EMCV 刺 激によるサイトカイン産生を抑制するが、嫌気環境下ではミトコンドリア 機能の低下によりサイトカイン抑制は見られなかった。このことから抗ウ イルス応答はミトコンドリア機能に依存的であることが示された。マウス への飲み水によるメラトニン投与ではコントロールと比較してメラトニ ン投与群では、脳内で EMCV 量が増加していたことから、メラトニンは生 体において抗ウイルス応答を抑制することによりウイルス感染の増悪を 引き起こすことが示唆された。

【考察】

本研究結果から、メラトニンはマクロファージヘのウイルス侵入効率を減

少させ、結果として抗ウイルス免疫に必須の

1

型インターフェロンや炎症

性サイトカイン誘導に抑制的に働くことが分かった。また、メラトニンは

細胞のミトコンドリア機能の抑制によりエネルギー産生を抑制すること

が明らかとなった。メラトニンは生体における炎症制御に重要な機能を有

(3)

する一方で、マウスヘの感染モデルにおいて過剰に投与した場合に、抗ウ イルス応答を抑制し、感染憎悪などの有害事象が起こり得ることも示され た 。

[参考文献 l

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[利益相反

(CDI)

この論文に関連し、著者全員について開示すべき

CDI

関係にある企業等はありません。

参照

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