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地震予知に向けた長波電波搬変動検出の研究

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Academic year: 2021

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地震予知に向けた長波電波搬変動検出の研究 

  

日大生産工(学部) ○宮澤 達博    日大生産工        田中 將義   

1.はじめに 

近年日本では新潟県中越沖地震をはじめ大 地震が起き、建造物の倒壊や生命に関わるな ど大きな被害をもたらしている。近い将来関 東、東海地方で大地震が起こるといわれてい る。地震の発生を事前に知ることができれば 被害を軽減することが可能となる。 

最近の研究で、地震が発生する際の前兆と して異常な電波伝搬ならびに電波の発生が検 出されることが分かっておりFM波での地震予 知の研究が行われている(1)。 

本研究では、観測域を拡大するために長波 帯(30kHz〜300kHz)を受信し、その受信レベル と地震予測との関連性について明らかにす る。 

2.地震と電波伝搬変動の関係 

 Fig.1は地震と電波伝搬変動の関係を推測 した図である。送信局からの送信された電波 の直接波と電離層によって反射された反射波 を受信局では受信していると考えている。地 殻変動に伴い発生する雑音及び電離層に何ら かの影響を与え、電波伝搬に異常が観測され ると考えられる。 

Fig. 1 地震と電波伝搬変動の関係(仮説) 

  3.観測システム  

本研究ではFig.2に示すように屋上にルー プアンテナを3個設置して、3方向の受信レベ ルを観測している。

  Fig. 2  指向性三方向ループコイルアンテナ このアンテナを用いて表1に示す日本各地 及び周辺のさまざまな長波を観測している。

(2) 

表 1  観測周波数   

周波数 割当  場所 

40[kHz] 標準電波発射局 福島  44[kHz] オーストラリア海軍  オーストラリア  50[kHz] 標準電波発射局 ロシア  60[kHz] 標準電波発射局 佐賀  80[kHz] 標準電波発射局 カナダ  78.5[kHz] アメリカ海軍 ハワイ  100[kHz] ロランC  東京  194[kHz] 航空無線標識局 北海道  207[kHz] 長波ラジオ放送 ロシア  240[kHz] 航空無線標識局 中国  295[kHz] 海上無線標識局 千葉  522[kHz] 船舶無線  フィリピン   

A Study on Low Frequency Radio Wave Propagation Change Detection for Forecasting Earthquakes

 

Tatsuhiro MIYAZAWA and Masayoshi TANAKA

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Fig.3 観測点と送信局の位置関係  4.解析結果 

4.1 データ解析 

受信データを校正したデータ、さらに平均 化処理を行ったデータをグラフ化している。

以下に示すFig.4,5は平均化処理を行ったグ ラフである。 

4.2 平常時の受信レベル 

Fig.4は、受信周波数の1つである207[kHz]

の平常時の受信レベルを3日間示したグラフ である。電離層の影響により、昼は受信レベ ルが低く、夜は高いという規則的な波形であ る。 

4.3 新潟県中越沖地震について  本震 

発震:平成19年7月16日10時13分  最大震度:6強 

マグニチュード:6.8  震源地:新潟県上中越沖 

(新潟市の南西約60km)  震源の深さ:約17km 

余震 

震 度 6 弱 (1 回 、 16 日 15:37) 、 震 度 4(4 回 ) 、 震度3以下(116回) 

という規模の新潟県中越沖地震が発生した。

Fig.5は、207[kHz]における7月12日〜20 日の受信レベルの変動を示したグラフであ る。Fig4の平常時の受信レベルと比べると Fig.5の受信レベルは地震発生2日前の14日か ら急に受信レベルが上昇し、地震発生当日ま で高い受信レベルを保っている。そして、地 震発生後に受信レベルは下がり、平常状態の 受信レベルとなる。 

よって、地震が発生する際の前兆として1 日を通して受信レベルが高くなるという日が 2〜3日間続き、地震発生後の受信レベルは平 常に戻るという現象が観測されている。 

 

Fig. 4 平常時の受信レベル      

207[kHz]長波ラジオ放送(ロシア) 

Fig. 5  新潟県中越沖地震前後の受信レベル 207[kHz]長波ラジオ放送(ロシア) 

5.まとめ 

本研究では、指向性アンテナを用いて、地震 発生前の受信レベルのデータ解析ソフトの作 成及び解析を行った。 

その結果、大地震が発生する際の前兆として 長波電波伝搬の異常が観測された。 

しかし、全ての地震について前兆が捉えられ ているわけではない。今後は前兆が観測された 地震、観測されなかった地震について比較し、

震源地、震源の深さ、マグニチュード等データ 解析を行う。 

また、指向性アンテナを用いて、地震が発生 する地域の特定法を検討すること、電波伝搬の 異常を自動検出するプログラムを作成するこ とを今後の課題としている。 

[参考文献] 

(1) 上田誠也:「地震予知は出来る 岩波科学 ライブラリー」 

(2) 「周波数帳 2004」三才ムック 

(3) 小尾真也:「地震予知に向けた長波電波環 境モニタシステムに関する研究 ‐ デー タ解析−」平成 17 年度田中研究室 卒業論 文 

電波伝搬の異常 

 

参照

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