論文内容要旨
論文題名:生体情報モニタ(セントラルモニタ)のアラームに対するマネジメント
‐アラームへの迅速な反応を高める取り組み‐
専攻領域名:保健医療学専攻医療マネジメント領域 氏名:野川 悟史
内容要旨
(背景)生体情報モニタは、生体からの様々な情報を24時間絶え間なく監視し、患者の生 命にかかわる異常や、装置・測定状態の異常をアラームとして知らせ、医療安全の観点か らも必要不可欠な医療機器である。しかし、アラームに関するハザード(危険因子)は頻 回に報告され、アラームの無駄鳴りが過剰に続くことより、リスクティキング行動やオオ カミ少年症候群が引き起こされ、アラームへの反応が鈍くなることが原因とされる。
(目的)本研究は、生体情報モニタのアラーム情報を利用して、アンケート、講習会、ラ ウンドなどの取り組みを行い、アラームの無駄鳴りの減少およびアラームに反応する時間 に対する効果を検討した。
(対象・方法)対象は、循環器病棟(40床)、調査期間は2015年10月から2017年2月ま でとし、生体情報モニタのアラームの状況を各取り組み前後で合計4回調査した。調査項 目として、全てのアラーム件数をアラームの無駄鳴りであるテクニカルアラーム件数、バ イタルアラーム件数、その他のアラーム件数に分類し、それぞれ患者1人当たりの件数を 算出した。また、アラームを重要度に応じて緊急、警戒、注意の3段階に分類し、各調査 期間の重要度別のアラーム件数に対し、アラームが発生してから2分未満でアラームに反 応した件数を、アラーム反応割合と定義し算出した。取り組みとして、アンケートにより モニタの使用方法やアラームに対する意識を把握し、アンケート結果の特徴を踏まえた講 習会を行った。その後、ラウンドでは講習会での指導項目のチェック、アラームに対応す るスタッフを明確化するためにアラーム監視役を決定することなどを指導した。
(結果)患者1人当たりのテクニカルアラーム件数は、講習会前156.5件からラウンド後で
は139.4件に減少し、アラーム反応割合に関しては、講習会前11,198件、講習会後12,102
件、ラウンド後24,107件、再ラウンド後34484件と、取り組みごとに上昇した。
(考察・結語)単独の取り組みではなく、複数の取り組みを積み重ねることにより、アラ ームの無駄鳴りは減少傾向を示し、アラームへの迅速な反応につながった。これらの結果 は、リスクティキング行動やオオカミ少年症候群であったアラームに対しての認識を変化 させ、スタッフの行動変容につながったことが示唆された。
「昭和大学藤が丘病院臨床試験審査委員会承認済み、受付番号F2017C66」