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Academic year: 2021

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論文内容要旨

Analgesic effect of voluntary exercise in a rat model of persistent pain via suppression of microglial activation in the spinal cord

(持続性炎症性疼痛のモデルラットにおける脊髄のミクログリア活性化の抑制を介した自 発運動の鎮痛効果)

Biomedical Research:2021

年掲載予定

生理系生理学(生体制御学分野) 髙原(山内) 里紗

【背景・目的】慢性疼痛の特徴的な症状として、非侵害刺激を痛みと感じるアロデニアや 軽い侵害刺激でも強い痛みと感じる痛覚過敏がある。アロデニアや痛覚過敏の発現機序の ひとつとして、中枢神経系のミクログリアの関与が報告されている。持続する末梢神経か らの刺激によって活性化した脊髄後角のミクログリアは脳由来神経栄養因子(BDNF)を放 出し、神経細胞の

TrkB 受容体を介して K

-Cl

共輸送体(KCC2)の発現減少を誘発して神 経細胞の興奮性を高めることが知られている(中枢性感作)。本研究ではホルマリン誘発性 の持続性疼痛モデルラットを用いて、自発運動がアロデニアおよび痛覚過敏に及ぼす効果 を調べた。さらにはその機序として、脊髄後角のミクログリアの活性化と

BDNF、TrkB

およ び

KCC2

の発現に対する自発運動の影響を検討した。

【方法】Wistar 系雄性ラットを以下の

3

群に分けた:Control 群、ホルマリン投与後に非 運動(Sedentary)群、ホルマリン投与後に自発運動(VWR)群。Sedentary群と

VWR

群は、

ホルマリン(1%, 50µl)を右足底部に皮下注射して持続性疼痛を誘発した。VWR群は自発運 動ができるように、疼痛誘発後からランニングホイールのついたケージで飼育した。ホル マリン投与前ならびに投与後

1・6・11

日目に

von Frey test

を用いてアロデニアおよび痛 覚過敏の状態を評価した。ホルマリン投与後

7

日目の摘出脊髄を用い、脊髄後角における 活性化ミクログリア(Iba1)、BDNF、TrkBおよび

KCC2

の発現の変化を

western blotting

法 あるいは免疫蛍光染色法により検討した。

【結果】ホルマリン投与によって

Sedentary

群ではアロデニアおよび痛覚過敏が生じたが、

VWR

群ではこれらの発現が有意に抑制された。また、

Sedentary

群の脊髄後角で増加した

Iba1

の発現は

VWR

群では有意に減少した。さらには、Sedentary群に見られた

TrkB

のアップレ ギュレーションおよび

KCC2

のダウンレギュレーションは、自発運動によってそれぞれ有意 に抑制された。一方、BDNFに関しては、いずれの群でも有意な変化はみられなかった。

【考察】本研究結果より、持続性疼痛に対し自発運動が有用であり、その作用機序として、

自発運動による脊髄後角の活性化ミクログリアの増殖、

TrkB

および

KCC2

の発現の制御が示 唆された。可能な範囲の自発運動は持続性疼痛に対して有用であると考えられる。

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