別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 ○甲 ・乙 第 3006 号 氏 名 浅野雅世
論文審査担当者
主査 相良 博典 教授
副査 砂川 正隆 教授
副査 恩田 秀寿 教授
(論文審査の要旨)
本 論 文 は , 抗 ヒ ス タ ミ ン 薬 の ぺ リ オ ス チ ン 産 生 に 及 ぼ す 効 果 を ヒ ト 鼻 粘 膜 上 皮 細 胞 (HNEpC) を 用 い て 細 胞 培 養 実 験 に よ っ て 検 討 し た 研 究 報 告 で あ る . ペ リ オ ス チ ン は IL-4/IL-13 の刺激により産生される蛋白質で ,アレルギー性鼻炎との関連が報告されてい る .ア レ ル ギ ー 性 鼻 炎 の 治 療 に は 主 に 抗 ヒ ス タ ミ ン 薬 が 使 用 さ れ る が ,薬 剤 と ぺ リ オ ス チ ンとの関連について十分に解析されていない.
HNEpC を各種濃度の抗ヒスタミン薬存在下,IL-4 で刺激した後に培養上清を採取し,ぺリ オスチン量を測定した.また,上記と同様に培養した細胞における STAT-6 の活性化とぺリ オスチン mRNA の発現に及ぼす薬剤の効果を検討した.
細胞培養系に抗ヒスタミン剤を添加したところ,HNEpC からの IL-4 依存性ぺリオスチン 産生が濃度依存的に抑制された.次に,レボセチリジンを対象に薬剤の STAT-6 の活性化と ぺリオスチン mRNA 発現に及ぼす効果を検討したところ,細胞培養系に 0.05 μM 以上の薬 剤を添加すると IL-4 刺激によって HNEpC において誘導される STAT-6 とぺリオスチン mRNA の発現が有意に抑制された.
抗ヒスタミン薬が炎症性刺激による鼻粘膜上皮細胞からの ぺリオスチン産生を抑制し , 臨床症状の発現や病態の遷延化を抑制していることが示唆された.
以 上 よ り 本 論 文 は 新 し い 知 見 を 得 て お り , 学 術 上 価 値 が あ り 学 位 授 与 に 値 す る と 判 定 し た.
論文題名:Suppressive Activity of Histamine H1 Receptor Antagonists, Desloratadine and Levocetirizine on the Production of Periostin from Nasal Epithelial Cells In vitro.
(鼻粘膜上皮細胞のぺリオスチン産生におよぼす抗ヒスタミン薬、デスロラタジンとレボセチ リジンの効果)
掲載雑誌名:J Allergy Ther 2017, 8:2 DOI: 10.4172/2155-6121.1000253
(主査が記載、500字以内)