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敗血症の定義

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Academic year: 2022

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(1)

「息苦しい」の臨床

(2)

58 歳女性

訴 : 労作時の息切れと疲労感

現病歴 : 受診の2週間前に、長い階段を登っている 最中に息切れを感じた。

その後日常生活に問題はないが、

なんとなく疲労感がとれなくて内科を受診。

既往歴・家族歴:特記すべきものなし

BT36.5,BP120/60,HR60/min ,RR18/min,SpO2 98%

どうして“息切れ”を感じるのでしょう

(3)

息が切れるということはどういうこと

• どういうときに息切れを感じますか?

50Mを全力疾走したら息切れを感じますね

• このときの酸素飽和度は?

過換気状態で100%に達しています

• なぜそれでも苦しいのでしょう

組織レベルでの酸素の需要に十分な酸素の 供給が行われないとき「息切れ」を感じる

(4)

組織へ十分な酸素の供給をできない原因

• 肺疾患(ガス交換がうまくいかない)

• 心疾患(十分な血液量が末梢へ運ばれない))

• 血液疾患(十分な酸素が末梢へ運ばれない)

酸素供給量=心拍出量×動脈血酸素含有量 心拍出量(CO)=心拍数(HR)×1回拍出量(SV) 動脈血酸素含有量(CaO2)

1.34×Hb×SaO2(%)/1000.003×PaO2(mmHg)

(5)

呼吸困難を生じるもう一つの 病態は

• 心因精神性の呼吸困難感 頭で息切れを感じてしまう

代表的疾患は「パニック障害」

• この症例で会わないところは、

労作性であり、発作性でないこと

(6)

58 歳女性

訴 : 労作時の息切れと疲労感

現病歴 : 受診の2週間前に、長い階段を登っている 最中に息切れを感じた。

その後日常生活に問題はないが、

なんとなく疲労感がとれなくて内科を受診。

たばこ(-) アルコール(-) 主婦

食欲はふつう 睡眠障害なし 体重は変わらない 既往歴・家族歴:特記すべきものなし

BT36.5,BP120/60,HR60/min ,RR18/min,SpO2 98%

何を考えますか

(7)

肺疾患の可能性は?

• COPD・・・女性、喫煙歴なし、呼吸器症状なし より否定的

• 肺結核後遺症・・既往歴なし

• 慢性肺塞栓、肺高血圧など・・・きわめてまれ な疾患、リスクファクターなしで可能性は低い

(8)

心不全の可能性は?

• 高血圧性、冠動脈病変、弁膜症・・・既往歴の ない本例では考えにくい

• アルコール性、産褥性心筋症、特発性心筋 症などもまれで本例では当てはまらない

• 心筋炎後の心不全など・・・最近熱性疾患に 罹患したという病歴もなし

(9)

貧血の可能性は?

(10)

鉄欠乏性貧血の特徴的所見

• 匙状爪

• 青色強膜

• 異味症(pica)、氷食症(pagophagia)

• Plummer-Vinson症候群:

鉄欠乏性貧血に舌乳頭萎縮、

舌炎、口角炎、痛みによる 嚥下障害を合併したもの

(11)

Hb は 8.0g/dl

• 次に見なければいけないのは?

MCV

• MCVで大球性、正球性、小球性があるが、

一番早急に対処しなければならないのは?

正球性

• 正球性貧血を見たら何を考える?

出血と溶血

• 見かけの正球性貧血を鑑別するには?

RDW(red cell distribution width)

(12)

本例の MCV は 70fL

小球性貧血

赤血球の寿命は?

120日

鉄欠乏状態は4ヶ月以上前から存在 鉄欠乏の原因を明らかにすることが

大切(特に消化管腫瘍)

(13)

急性の呼吸困難

急激に起こった呼吸困難には11秒を争う対応 を必要とする

ショックバイタルや低酸素血症があれば緊急の 処置が必要

: 酸素

: ルート確保 : モニター

ちょう : 超音波(エコー) しん : 心電図(12誘導)

: 胸部X線

(14)

急性の呼吸困難

• 突然の発症であれば管(胸部では血管や 気道、食道)が詰まるか破れるか

膜(胸部では胸膜)が破れた時の症状の 可能性が高い

• 急性呼吸困難の5大疾患

①気道閉塞(窒息)

②肺塞栓症

③緊張性気胸

④心筋梗塞

⑤心タンポナーデ

(15)

突然発症の

呼吸困難 (SpO2 の低下 ) は

心筋梗塞・肺塞栓・気胸・気道閉塞

• 診察手順

1.聴診であたりをつける

左右差はないか---自然気胸

喘鳴はないか---喘息・心不全・COPD 2.冷汗はないか

心筋梗塞

3.頚静脈の怒張はないか

緊張性気胸・肺塞栓症・心タンポナーデ

(16)

“ なんぎー”と言う患者に 最初にすることは?

• まずはVital sign

血圧・心拍数・体温・呼吸数

• ・経皮的酸素飽和度SpO2

緊急度・重症度の判断に用いられる 動脈血酸素濃度PaO2

SpO2の関係

40-50-60/70(75)-80-90” role SpO2 88%---PaO2 55mmHg SpO2 50%---PaO2 27mmHg

(17)

パルスオキシメーターの弱点

• 血圧低下<80mmHg(ショック)

• 寒冷で手指が冷たい(低体温)

• 手指がひどく汚れている

• 特殊なマニキュア

• 血管病変や血管外傷

• 一酸化炭素中毒

• メトヘモグロビン血症

SpO2は呼吸数とセットで評価する

(18)

呼吸困難評価では呼吸数と SpO2 に 敏感になること!!

・血圧、心拍数、体温は加齢や内服薬剤の影響を うけやすい

・呼吸数は体調不良時に早期から異常をきたす 呼吸数25/分以上は要注意

・可能な限り30秒くらいかけて測定する。

呼吸を真似してみるのも有用

SpO2値が出ない場合は緊急事態が多い 低体温、ショック(循環不全)

数値にこだわりすぎない事

(19)

バイタルサインを判断する

• とくに呼吸数とSpO2の評価は重要

次の5症例の原因疾患を推測してみよう

症例1:85歳男性、SpO2 85% 呼吸数30回/分 症例2:85歳男性、SpO2 84% 呼吸数 8回/分 症例3:72歳男性、SpO2 95% 呼吸数26回/分 症例4:72歳男性、SpO2 95% 呼吸数15回/分 症例3:18歳女性、SpO2 99% 呼吸数38回/分

(20)

StridorWheeze を区別しよう

Stridor:

吸気に著明な連続性ラ音

上気道に70%以上の狭窄があるので 患者には窒息の危険がある

急性喉頭蓋炎、上気道異物、声帯浮腫・

クループ症候群など

Wheeze:

呼気時が主であるが吸気呼気ともに聴取、

気管支喘息で聴かれる音

(21)

症例 40 歳 男性

• 喘息の既往はあるが発作は年2回ぐらいで 継続して治療は受けていない、非喫煙者

• 呼吸困難を主訴に夜間に救急外来を受診。

ここ二日間続けて来院しており、ほとんど 眠れていない。肩で息をしておりとにかく 息がつらいといっている

• 血圧160/100mmHg 脈120回/分 体温37℃ 呼吸数40回/分 SpO2 84%

当直医はCO2ナルコーシスを心配して酸素は 経鼻1Lで開始するよう指示した

(22)

症例 喫煙家の 78 歳男性

• 発熱と息苦しさがあり、救急車で来院

• SpO2 85%と低酸素血症が疑われマスクで5L の酸素を投与されていた

• 救急車では意識ははっきりしていたが病院に 着いたときは患者は呼びかけても反応しなく なっていた

意識レベル低下の原因は?

(23)

不用意な酸素投与による CO2 ナルコ-シス

• 意識レベルはJCSⅡ-30 瞳孔散大 血圧130/72mmHg 呼吸数5回/分 SpO2 98%(O2 5L) 手足は温かい

• 慢性的な高炭酸ガス血症があると高濃度 酸素投与でCO2ナルコーシスをおこす

(24)

CO2 ナルコーシスをおこす5疾患

1.肺結核後遺症

2.慢性閉塞性肺疾患(COPD) 3.睡眠時無呼吸症候群(SAS) 4.胸郭変形

5.神経・筋疾患

(25)

CO2 貯留に伴う身体所見

(高CO2血症では脳血管と表在皮膚血管は 拡張し腎血管は収縮する)

• 5-10mmHg以上の上昇→手足が温かい・頬の 潮紅(末梢血管拡張)・瞳孔散大(交感神経亢進 作用)

• 15mmHg以上の上昇→frapping (asterixis)

• 20mmHg以上の上昇→傾眠

• 30mmHg以上の上昇→冷汗・うっ血乳頭

• 40mmHg以上の上昇→昏睡(すべての反射低 下・縮瞳)

(26)

症例: 72 歳男性

• 高血圧、脂質異常症にて通院中の患者

約半年前から労作時の呼吸困難があり、内科 外来を受診。

喫煙歴20本/日x50年

血圧132/64、心拍数70回/分(整)、体温36.4℃ 呼吸数18回/分 SpO2 96%(室内気)

呼吸困難感の原因は?

(27)

身体診察

Ⅲ音なし

頚静脈怒張なし 起座呼吸なし PNDなし

(28)

慢性閉塞性肺疾患 COPD

頸部:気管短縮・呼吸補助筋の発達 (胸鎖乳突筋が発達)

吸気時の鎖骨上窩の陥凹

吸気時の肋間陥凹(Hoover徴候)

樽状胸郭

四肢の筋肉の委縮

頚静脈が吸気につぶれるか

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慢性閉塞性肺疾患の人でみること

・気管短縮があるか

・胸鎖乳突筋が発達しているか

・吸気時の鎖骨上窩の陥凹があるか

・頚静脈が吸気につぶれるか

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安定期COPDの管理指針

重症度はFEV1の低下だけではなく、症状の程度や増悪の頻度を加味し、重症度を総合的に判断した上で治療法を選択する。

管理法

管理目安

疾患の 進行

Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期

外科療法 換気補助療法 酸素療法

吸入用ステロイド薬

長時間作用性抗コリン薬・β2刺激薬の併用(テオフィリンの追加)

長時間作用性抗コリン薬またはβ2刺激薬 (必要に応じて短時間作用性気管支拡張薬)

呼吸リハビリテーション(患者教育・運動療法・栄養管理)

呼吸困難・運動能力・身体活動性の低下・繰り返す増悪

軽症 重症 禁煙・インフルエンザワクチン接種・全身併存症の診断と管理

FEV1の低下

症状の程度

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COPD 患者にばち状指を見たら

• 肺がんを鑑別する必要がある

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まとめ

• 外来でみる労作時呼吸困難の原因は 1. 肺疾患

2. 心疾患 3. 貧血 4. 心因性

労作時呼吸困難というと、1.2を想起しやすいが 鉄欠乏性貧血やパニック障害も息切れをきたす 高頻度疾患である

(69)
(70)

喘息治療のABCABC へそ曲がりルール

A:always O2,SpO2チェックし酸素化を評価 B:β刺激剤吸入 0.5ml 20分ごとx3

C:corticosteroid,ソルメドロール125mg点滴 アスピリン喘息ではデキサメサゾン8mg A:aminophylline ネオフィリン点滴

B:ボスミン0.3ml皮下注 20分ごとx3まで C:抗コリン剤吸入

Mg(マグネゾール)1-2g点滴 約20分で その他:胸部圧迫法sqweezing

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⊿心拍数20ルール

⊿HR/⊿BT>20→細菌感染症の可能性大 体温が1℃上昇毎に心拍数が20/分以上 増加する場合細菌感染症の可能性大

VS : BP100/60 HR120 RR26 BT38.6 ( 普段のVS : HR60 BT36.5 )

HR60上昇/BT2℃上昇=30>20

この患者は、急性腎盂腎炎と診断され 入院・加療となった

CRPは早期には上昇しない

(73)

症例 心筋梗塞の既往がある 82歳女性

中大脳動脈領域の脳梗塞で入院しグリセオールなど の点滴治療が行われているが、呼吸回数が増えて 苦しそうな呼吸になった。

SpO2 87%(room air) 血圧130/60mmHg 脈拍120/分 呼吸数28回/分 体温36.4℃

・頚静脈の怒張なし

・両側肺野に喘鳴wheezeを聴取

・眼の周囲のむくみあり、前脛骨部の浮腫あり

高齢発症の喘息でしょうか 次の一手は?

(74)

気管支喘息ではなくうっ血性心不全

心不全の3徴

1. 全身倦怠感(malaise) 2. 頻脈(tachycardia)

3. 呼吸苦(dyspnea)

(75)

• 喘鳴wheeze=気管支喘息ではない

• 喘鳴を聴取したら必ず心不全と鑑別を

• 心臓喘息と称される肺うっ血の場合も 末梢気道閉塞による喘鳴が聴取される

• 最も大事なのは既往歴

• 喘息の治療は気管支拡張β刺激剤

• 心臓喘息の治療は利尿剤(心保護・心 仕事量の軽減でβ遮断剤)

単独の心不全の場合にβ刺激剤の吸入を行った場合は、行わなかった

場合と比べ、血管拡張薬の量が増え、人口呼吸を要することが多くなり、

入院期間も長くなったと報告されている

Ann EmergMed 51:25-34,2008

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Q :発作性夜間呼吸困難と

起座呼吸との違いは?

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クリニカルシナリオ(CS)

CS1:BP>140mmHg

急激に発症し、全身の浮腫は軽度。びまん性肺水腫。

酸素、硝酸薬。水分貯留がない限り利尿剤は使わない。

CS2:BP 100~140mmHg

徐々に発症し、体重増加を認める。軽度肺水腫。

肝腎機能障害が認められる。

酸素、硝酸薬。慢性的に水分貯留があれば利尿剤を使う。

CS3:BP<100mmHg

低拍出状態が主。軽度肺水腫及び全身浮腫。

脱水であれば補液。そうでなければ強心剤を検討する。

CS4:急性冠症候群 CS5:右心不全

(81)

急性心不全時の起坐呼吸の治療:まずは

迅速な評価

SpO2>95%確保

静脈ライン確保

心電図

病歴と身体所見

胸部X

電解質や腎機能

BNP

可能なら心エコー

初期治療(10分以内)

酸素吸入:5L/

• SpO2>95%確保

ミオコールスプレー1-2パフ

10分間隔で繰り返しても可)

• NIPPVBiPAP)を考える

バイタルサイン

はじめのルート確保時の点滴は、

微量であれば何でも良いが、当院では5%ブドウ糖 100mlを使うことが多い。

(82)

治療(80%以上はこれでうまくいく)

初期対応の後に

収縮期血圧>140mmHg 収縮期血圧100-140mmHg 収縮期血圧<100mmHg

・ハンプ 2V+5%糖液 100ml 4ml/H

・ミオコールスプレー適宜

・利尿剤は水分貯留時に 使う

・ハンプ 2V+5%糖液 100ml 4ml/H

・ミオコールスプレー適宜

・ラシックス1A静注

脱水がなければ

ドブトレックス600 3ml/Hや PDEIII阻害薬。

循環器科医師に早めに consult

血圧が保たれていれば、ミオコールスプレーを上手に使う(10-15分毎)。

体格が小さい人や血圧100mmHg近くの症例はハンプ2V。

NIPPVは急性心不全に対抗する有効な武器。躊躇せずに使おう。

100点満点の治療でなくても60点の治療でも十分。一番いけないのは放置プレー。

(83)

心不全増悪による再入院の誘因 として最も多いのは

A. 感染症 B. 不整脈

C. 精神的ストレス

D. 塩分・水分制限の不徹底 E. 治療薬服薬の不徹底

(84)

慢性心不全患者に 指導すべきことは?

A 禁煙

B アルコール制限 C カロリー制限

D 塩分制限

E 水分制限

3つ選んでください

(85)

慢性心不全患者に対する 指導として正しいものは?

A 空咳が出たら治療薬の服用をすぐに中止 する

B 症状がなければ治療薬の服用を中止して もよい

C 1日2Kg以上体重が増加したら水分摂取を 控える

D 夜間に息苦しさで目覚めることがあったら すぐに受診する

参照

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研究分担者    森  松  博  史    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・教授 平  田  泰  三    岡山大学病院新医療研究開発センター・准教授 橋