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磁気特性測定装置による磁性材料の測定

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Academic year: 2021

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Technical Sheet 

キ−ワ−ド:磁性材料、磁気特性、B−H特性、反磁場、試料振動型磁力計

はじめに

磁性 材料 と呼 ばれ る 材 料は 数多 く有 り 、 様々な用途に利用されています。例えば、軟 質磁性材料(又は高透磁率材料)であるケイ 素鋼板(鉄とシリコン数%の合金)や純鉄、

低炭素鋼などは、変圧器や回転機の鉄心など 電磁機器に用いられています。永久磁石には、

フェライト磁石やアルニコ磁石、希土類磁石 などが用いられており、硬質磁性材料(又は 高保磁力材料)と呼ばれています。一般に、

電磁機器などに用いられる軟質磁性材料には、

飽和磁束密度が高い、保磁力が低く透磁率が 高い、鉄損(ヒステリシス損や渦電流損など)

が小さいなどの特性が要求されます。一方、

硬質磁性材料は保磁力の大きい材料で、残留 磁束密度や最大エネルギ−積、保磁力の値で 評価されます。このように磁性材料は目的に 応じて要求される特性が異なり、材料の磁気 特性を知ることは重要です。ここでは、これ らの特性評価に利用できる磁気特性測定装置 と磁性材料の磁気特性測定について紹介しま す。

B−H特性(B−H曲線)

B−H特性は強磁性体の評価の基礎になり ます。特に硬質磁性材料では、B−H特性の 第2象限の部分が重要となります。図1は、

強磁性体に磁界(磁場)を印加したときのB

−H特性です。強磁性体は、磁界の強さを増 加していくと原点から矢印で示すような軌跡 でA点の飽和磁束密度(Bs)まで磁化されま す。次に磁界を減少させ零にすると磁化の状 態は原点には戻らずB点に達します。このと きの磁束密度を残留磁束密度(Br)と言いま す。さらに磁界を負に印加していくと磁束密 度が零のC点を通過しD点で飽和します。C 点の磁界の値を保磁力(Hc)と呼びます。次

に磁界を正方向へと変化させるとE点、F点 を通過しA点に達します。以後、磁界のスイ

−プに従いB−H特性はA,B,C,D,E,

F点とル−プ状に変化することになりヒステ リシスル−プと呼ばれています。

磁性材料の評価に用いられる透磁率、飽和 磁束密度、残留磁束密度、保磁力、最大エネ ルギ−積などの値は、このB−H特性から得 ることが出来ます。

磁気特性測定装置

磁化された物体が振動しているときコイル を近接させるとコイルに誘導電圧が発生しま す。この誘導電圧の大きさから磁化の強さを 検出することが出来ます。本装置はこの手法 を利用しており、測定試料を印加磁場中で振 動させながら磁化の強さを測定するもので、

一般に試料振動型磁力計(VSM)と呼ばれて います。印加磁場は電磁石により変化させる ことが出来ますので、その時の測定試料の磁 化の強さを測定することにより試料のB−H 特性を得ることができます。本装置の仕様を 表1に示します。

(第2象限)

磁界H

図1 強磁性体のB−H曲線

磁気特性測定装置による磁性材料の測定

No.05010 

地方独立行政法人

大阪府立産業技術総合研究所      〒594-1157 和泉市あゆみ野

2 丁目 7 番 1 号

http://tri-osaka.jp/   Phone:0725-51-2525 

(2)

測定例

図2は、フェライト磁石の磁気特性の測定 例で、印加磁場をスイ−プさせて磁化の強さ を測定しています。

印加磁場中で磁性体が磁化されると磁性体 の端から印加磁場とは逆向きの磁場が発生し ます。この磁場を反磁場と言いますが、この 反磁場発生のため磁性体は外部から印加され る磁場と磁性体に発生する反磁場の合成磁場

(有効磁場)により磁化されることになりま す。このため、真の物性値を得るためには有 効磁場を用いた磁気特性で評価しなければな りません。反磁場は磁化の強さと磁性体の形 状に依存しますので、磁性体の形状で決まる 反磁場係数を用いて有効磁場を得ることが出 来ます。

図2(a)は、磁化の強さと印加磁場の関 係で測定値そのものです。この値から反磁場 の補正を行うことにより、磁束密度と有効磁 場の関係を示す(b)のB−H特性が得られ ます。このB−H特性の第2象限の部分は減 磁曲線と呼ばれ、硬質磁性材料の評価に用い られます。図から、このフェライト磁石の保 磁力(Hc)は3020(Oe)、残留磁束密度(Br)

は4130(Gauss)であることが解ります。ま

た、図2(b)の減磁曲線から計算により図 2(c)が得られ、磁石が外部に与える静磁 エネル ギ− の目 安と な る最大 エネ ルギ −積

(B×H)maxを知ることが出来ます。図から このフェライト磁石の最大エネルギ−積は、

4.1×10(Gauss・Oe)であることが解りま す。

おわりに

このように、磁気特性測定装置は、磁性体 の磁気特性を調べ評価を行うことが出来ます。

磁性材料を用いた商品開発や磁性材料の品質 管理などにご利用ください。

表1 磁気特性測定装置の仕様

1.磁力計

測 定 レ ン ジ : ±0.0025〜250emu/full scale

測定感度 :±2×10−6emu/full scale

精度 :±1% /full scale

2.磁場計

測定レンジ :±1〜10kOe/full scale

精度 :±1% /full scale

直線性 :±1%

3.電磁石

磁極直径 :80mmφ

-10000 0 10000

-100 0 100

印加磁場 (Oe)

(emu)

(a)印加磁場と磁化の関係

-10000 0 10000

-10000 0 10000

有効磁場 (Oe)

密度 (Gauss)

(b)有効磁場と磁束密度の関係 Hc Br

-4000 -3000 -2000 -10000 0 1

2 3 4 [106]5

有効磁場 (Oe)

エネルギ (Gauss Oe)

(c)有効磁場とエネルギ−積

(H×B)max

図2 フェライト磁石の磁気特性

作成者 情報電子部 電子・光材料系 日下 忠興  Phone:0725-51-2670  発行日  2005 年 12 月 22 日

参照

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