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有 機 フ ッ素 剤 中 毒 に 関 す る研 究

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(1)有 機 フ ッ素 剤 中 毒 に 関 す る研 究 第1編 有 機 フ ッ素 剤 中 毒 の 治 療 を 主 と した実 験 的 な らび に臨床 的研 究 岡山大学医学部平木内科(指 導:平 木潔教授) 副 手. 橋. 田. 邦. 夫. 〔 昭和46年8月12日受稿〕 内. 容. 目. 次. 第1章. 緒. 第1節. 有機 フッ素剤中毒動物の治療実験. 第2章. 実験材料及 び実験方 法. 第2節. 有機 フッ素剤中毒動物にお ける血糖値 の観察. 第3節. 急性有機 フッ素剤 中毒の臨床的研究. 第1節. 有機 フ ッ素剤 中毒動物 の治療実験. 第2節. 有機 フ ッ素剤 中毒動物 における血糖 値 の観察. 第3章. 第4章 第5章. 実験成績. 総括並 びに考按 結 語. 重 要 な 位 置 を 占 め つ つ あ り,最. 第1章. 緒. 近 主 に果 樹 害 虫 の駆. 言 除 に供 され る よ うに な った 。. 農 物 作 を侵 す 害 虫 に対 して は種 々 の殺 虫 剤 が用 い. 現 在 我 国 で 農 薬 殺 虫 剤 と し て 使 用 さ れ て い る有 機 フ ッ 素 剤 に は フ ッ ソ ー ルFussol. られ て い るが,人 体 に 於 け る病 原菌 と抗 生 物 質 との. amide)(以. 間 に み られ る関係 の如 く,害 虫 に対 して広 く用 い ら れ る殺 虫 剤 は次 第 に そ の効 力 が減 少 して くる ため に. 下FAMと. 略 す)と. (N‑methyl‑N‑〔l‑naphthyl〕. 次 々 と新 た な薬 剤 の開 発 を必 要 と して い る。 従 来 農. (以 下MNFAと. ‑ Naと. 演 じて お り,こ れ らの 薬剤 も改 良進 歩 され て い るの. 略 す)が. 有. 機. フ. ッ 素. 剤. の. 種. 類. が あ り,殺. monofluoroacetate)(以 ある。. で あ る が,他 方 新 た に 有機 フ ッ素剤 も殺 虫 剤 と して 表1. ニ ッ ソ ー ルNissol. monofluoroacetamide). 略 す)と. ラ トー ル(sodium. 薬 殺 虫剤 と して は 有機 燐 剤,有 機 塩 素 剤 等 が主 役 を. (mono‑fluoroacet. と 毒. 性. (表1). そ剤 と して フ 下FA.

(2) 274 FAMお. 橋 よ びMNFAは. 田. 邦. 夫. 植 物 体 内 に浸 透 移 行 して 殺 虫. 効 果 を発 揮 す る浸 透 殺 虫剤(systemic. 第2章. insecticide). 実 験 材 料 及 び 実験 方 法. に属 し,各 種 の カ イ ガ ラ ム シ,ア ブ ラ虫,ハ ダ ニ類 に. 第1節. 優 れ た効 果 を 有 し,特 に最 近 これ らの害 虫 が他 薬 剤. 有 機 フ ッ素剤 と して は本 邦 で広 く用 い られ て い る. に耐 性 を持 つ と こ ろか ら適 応 範 囲 は 増加 しつ つ あ る とい わ れ る。 従 って これ らの 有機 フ ッ素 剤 に よ る 中. FAM. 有機 フ ッ素 剤 中毒 動 物 の 治療 実験. (monofluoroacetamide)を. 用 いた。. 前 述 の如 く有 機 フ ッ素 剤 中 毒 の発 生 機 転 はTCA. 毒 が我 が 国 に 於 て も散 見 され る12,26)ように な り,今. cycleに. 後 は 我 々 臨 床 医 家 も一 応 注 意 を払 わ ね ば な らな い農. 性 を 阻害 す る こ とに あ る と考 え られ て い る。 その た. お い て フ ツ化 クエ ン酸 が ア コ ニ タ ー ゼの 活. 薬 中 毒 の 一 つ に な ろ うと思 わ れ る。. め生 体 内 で酢 酸 基 を生 じ る物 質(ア セ チ ル基 供 与 体). 有 機 フ ッ素 剤 の中 毒 発生 機 転 に つ い て はPeters. を投 与 す る こ とに よ って フ ッ化 酢 酸 の 妨害 作 用 を防. に よ る研 究37,39,40)が あ り,本 中 毒動 物 の組 織 に は ク. ご う とい う試 み が な され て い る。 本 実 験 で は アセ チ. エ ン酸 が 増 加 す る こ とが 明 らか に され た 。即 ちTCA. ル基 供 与 体 と してacetamide,. サ イ クル に於 け る クエ ン酸 の 酸化 が 阻害 されて い る. cohol, glucoseを. た め で あ る と し,有 毒 物質 と して モ ノフ ル オ ー ル ク. 神 経 お よ び心 臓 を侵 し痙 攣 や不 整 脈 が み られ るが重. エ ン酸 を想 定 し た。. ethylal. 症 例 で は心 室 細 動 に よ っ て死 に到 る こ とが あ る29,34). 生 体 内 に浸 入 した 有 機 フ ッ素剤 は モ ノ フ ル オ ール 酢 酸 とな り,こ れ は酢 酸 と類 似 の行 動 を と ってCo enzyme. monoacetin,. 選 ん だ 。ま た本 中 毒 は 臨 床 上 中枢. Aと 結 合 して 活 性 化 され る。活 性 酢 酸 基 は縮. 。そ こ で鎮 痙 剤 と してphenobarbital,不 てprocainamideの 1. FAM:三. 整 脈 に対 し. 投 与 を試 み た。 共 株 式 会 社 よ り提 供 を受 け た 。. 合 酵 素 に よ って オキ ザ ロ酢 酸 と反 応 して ク エ ン酸 を. 90.6%. 生 成 す るの で あ るが,モ. に調 製 して ラ ッ テ の経 口投 与 に使 用 した。. ノ フル オ ー ル酢 酸 の場 合 は. 前記 の モ ノ フル オ ール クエ ン酸 が で きる。 この 物 質 は クエ ン酸 に 構 造 が 似 て い るが,ア って作 用 され ず,か. コニ タ ーゼ に よ. え って これ を抑 制 し,ク エ ン酸. monofluoroacetamide粉. 2. acetamide:日. 本 曹 達 株 式 会 社 よ り提 供 を受 け. た 滅 菌 粉 末 を蒸 溜 水 に溶 解 して10%水. 3. monoacetin:東. 積 し,エ ネル ギ ー生 成 は阻害 され る とい う。(図1). 4. ethylalcohol:和. 中毒の発生機転. 溶 液 と して 注. 射 液 と し た。. の 酸 化 は こ こで 中 断 され て 組織 中 に は ク エ ン酸 が 蓄. 図1. 末 を10%の 水 溶 液. 京 化 成 工 業 製 試 薬一 級. 5. glucose;大塚. 光純薬製試薬特級 製 薬 製 の20%ブ. ドウ糖 注 射 液. 6. procainamide:第. 一 製 薬 ア ミサ リン注 射 液. 7. phenobarbital:藤. 永 製 薬 製10%フ. エ ノ バ ール. 注射液 8. ラ ツ テ:ウ. ィス タ ー系 の 成 熟 雄 性 ラ ッ トを用 い. た。 FAM水. 溶 液 は先 端 にハ ン ダの 小 球 をつ け た注 射. 針 を用 いて ラ ッテの 胃 内 に注 入 した 。 ラッ テ5匹 を一 群 と し,上 記 の如 くFAMを. 経口. 投 与 して 後 それ ぞれ の 治 療 薬 を投 与 して 経 過 を観 察 この よ うに 本 中 毒 の 本態 に 関 して はか な り明 らか に され て お り,こ の 原 理 に 沿 った治 療31,33,36,41,42,43,) 実 験 も試 み られ,少 数 な が ら臨床 実 験27)も行 な わ れ て お り,あ る程 度 の効 果 が み られ て い る。 しか しな. した 。 第2節. 有 機 フ ッ素 剤 中 毒 動 物 に お け る血 糖 値 の. 観察 本 中 毒 で はTCA. cycleに お け る ク エ ン酸 の 酸 化. が ら実 際 には 本 中 毒 に よ る人体 で の死 亡 例 も多29,34). が 阻 害 され る と され て い るの で,血 糖 値 に何 らか の. く重 症 例 は 殆 ん ど死 亡 して い る(表22)。そ こ で私 は従. 変 化 が 予 想 され る。 そ こでFAM中. 来 使 用 され た 薬剤 の効 果 に つ き更 に詳 し く検 討 を加. 値 を観 察 した 。血 糖 は 尾 動 脈 血 をデ キ ス トロ ステ イ. え,又 人 体 中 毒 例 に つ い て も一 層 詳 細 に臨 床 像 を観. ッ ク ス(AMES社. 察 す る こ とに よ り新 知 見 を 得 た の で報 告 す る。. と して 本 邦 で 多 発 して い るmethylparathion(有. 毒 ラッ テの 血 糖. 製)に て 測 定 した 。 な お 農 薬 中 毒. 燐 剤)及 びendrin(有. 機. 機 塩素 剤)投 与 ラ ツ テ につ い.

(3) 有機 フ ッ素 剤 中毒 に 関 す る研 究 て も血 糖 値 の観 察 を行 いFAM投. 与 ラツ テの 血 糖 値. 図3.. 275. acetamide治. 療群. (全 例 生 存). と比 較 した 。 1. FAM:前. 記 と同 じ. 2. methylparathion:日. 本 農 薬 製 乳剤. (40%). 3. Endrin:三. 共 製 乳剤. 4. ラツ テ:ウ. イス タ ー系 の 成 熟 雄 性 ラツ テ. 第3章 第1節. (19.5%). 実験成績. 有 機 フ ッ素 剤 中毒 動 物 の 治 療 実 験. (1)ラツ テ で の 治 療 実 験 FAMの. 毒 性 につ い て み る とマ ウ ス で は経 口 投与. でLD50は23mg/kgと. い わ れ,ウ. ツ テで 経 口毒 性 はLD50 こ でFAM. 9.3mg/kg42)と いわ れ る。 そ. 20mg/kg, 30mg/kg,. それ ぞれ5匹1群. イ ス ター系 雄 性 ラ. 50mg/kg, 100mg/kgを. と した ラツ テ に経 口投 与 を行 って. 日3回,腹. 腔 内 注 射,橋 本 ら12)はラツ テ,マ. 150〜1000mg/kg1日3回 本 実験 で はFAM投. ウス で. の 腹 腔 内 投 与 を行 って い る。 与 直 後 にacetamide. 500mg/. kgを筋 注 し,そ の 後8時 間 毎 に同 様 の 投与 を く り返 し た 。 FAMを50mg/kg経. 口投 与 し,そ の 直 後 か ら8時. み た。20, 30mg/kg投 与 群 は い ず れ も全 例 共 に生 存 し. 間 毎 にacetamide. 死 亡 例 は み られ な か っ た 。50mg/kg投与 群 は図2に 示. 40分 後 頃 か ら痙攣 の み られ る もの が あ り,そ の後8. す 如 く平 均 生 存 時 間20時 間46分 で全 例 死 亡 し た。. 時 間20分 頃 まで 痙攣 が み られ た 。2日. 100mg/kg投 与 群 で は全 例 共 速 や か に死 亡 し,平 均 生. 元 気 は な く殆 ん ど動 か ず うず く ま って い た が,. 存 時 間 は64分 で あ った 。従 って50mg/kg投 与 が 治療 実. 目か ら は動 き もや ゝ活 発 とな り,食 思 も少 しつ つ 出. 験 に は最 も適 して い る と考 え,以 下 の治 療 実 験 は 全. て 来 て 以 後 漸 次 正 常 な 状 態 へ と回 復 し死 亡 例 は な か. てFAM. った 。 な おacetamideは3日. 図2.. 50mg/kgの. 経 口投 与 で行 っ た 。. Ⅲ). 対照. 500mg/kgを 筋 注 す れ ば,約4時. monoacetin治. monoacetinに. 療群. の 投 与 量 を み る とGitterら33). 与 ラ ツ テ にmonoacetin. 与 ラ ツ テ に400mg/kg1日3回 本 ら14)はMNFA投. 5.0ml/kgを,. Ch. 熊9)はFAM投 腹 腔 内 投 与 を,ま. た橋. 与 ラ ツ テ に150〜1000mg/kgを1. 日3回,腹. 腔 内 投 与 を 行 っ て い る 。 私 はmonoacetin. 0.5,. 3.0, ml/kgを. 1.0,. る3群. 50mg/kgを 経 口投 与 す れ ば,早 い もの は2時. 3日. 後 ま で投 与 した 。. enowethら31)は0.5〜1ml/kgを,田. FAM. 目は 全例 共 に. よ る有 機 フ ッ素 投 与動 物 の 治 療 実. 験 を ふ り返 っ て,そ はFA‑Na投. 間. a). そ れ ぞ れ8時. 間 毎 に筋 注 す. に つ い て 実 験 した 。 monoacetin. 0.5ml/kg投. 与群. (図4). 間 後 か ら遅 い もの は2時 間50分 頃 か ら興 奮 状 態 とな り活発 な運 動 が み られ 同 時 に 全 身性 の痙 攣 がみ られ. 図4.. monoacetin. 0.5ml/kg投. 与群. た 。 しか し3時 間後 頃 か らは 全例 共 に元 気 な く殆 ん ど動 か な くな った が,時 々発 作 的 に著 明 な全 身 性 の 痙 攣 を来 た し走 り廻 る もの が あ った 。早 期 に死 亡 し な か った例 で は12時 間 以 後 に は痙 攣 は み られ な くな った が結 局 全例 死 亡 し,平 均 生 存 時 間は20時 間46分 で あ つた 。 Ⅱ) acetamide治 aeetamideの. 療群. (図3). 投 与 量 につ い て み る とGitter33)は. ラツ テ で125mg/kgの 注 射, Phillips41)ら は ラ ツ テで 200mg/kgの 経 口投 与,田 熊9)は ラツ テ で500mg/kgを1. FAM. 50mg/kg経. 0.5ml/kgを8時. 口 投 与,そ. の 直 後 か らmonoacetin. 間 毎 に 筋 注 し た 。 約5時. 間 後 に2例.

(4) 276. 橋. に 痙 攣 が み ら れ,他. の3例. に は痙 攣 は全 くみ られ な. か っ た が 最 後 に は 全 例 と も 死 亡 し,平 1日18時. 間12分. b). 邦. 夫. 図7. .ethanol 0.5mg/kg投. 与 群. 均生存時間 は. で あ った 。. monoacetin. 図5.. 田. 1.0ml/kg投. monoacetin. 与群. (図5). 1.0ml/kg投. 与 群. 500mg/kgを8時. 間毎 に筋 注 した 。1例(No.1)で3. 時 間 後 及 び16時 間後 に痙 攣 が み られ た 。 平 均 生存 時 間 は2日1時 b) FAM. 50mg/kg経. 口 投 与,そ. 1.0ml/kgを8時. の 直 後 か らmonoacetin. 間 毎 に 筋 注 し た 。3時. 例(No.2)に. 間30分. 図8.. 間30分 で あ った 。. ethanol 1,000mg/kg投. 与 群(図8). ethanol 1,0O0mg/kg投. 与 群. 後 に1. 痙 攣 が み ら れ た 。 平 均 生 存 時 間 は1日. 9時 間28分. で あ っ てmonoacetinの. 増 量 に よ っ て特. に延 命 効 果 は み られ な か っ た 。 c). monoacetin. 図6.. 3ml/kg投. monoacetin. 与群. (図6). 3ml/kg投. 与 群. FAM. 50mg/kg経. 口 投 与,. 時 間 毎 の 筋 注 を 行 っ た 。16時 興 奮 状 態,強 2日7時 V). 50mg/kg投. を8時. 与 直 後 か らmonoacetin. 間 毎 に 筋 注 し た 。3時. 間30分. 3ml/kg. 直 性 痙攣 が み られ た 。 平 均 生 存 時 間 は. Glucose治. 療群. に 痙 攣 が み られ た 。 平 均 生 存 時 間 は1日2時 と,前2群 Ⅳ). 私 は150mg,450mgとglucoseを. 間2分. FA‑Na中. a). 療群. 毒 動 物 の 治 療 実 験 に お け る先 人 のethanol. 〜4 .0g/kg43)等. で あ り,田. に500mg/kgを1日3回 はMNFA投. 800mg〜2.5g/kg36), 熊9)はFAM投. 0.4. 腹 腔 内 投 与 を,ま. 与 ラツテ た 橋 本 ら14). 与 ラ ツ テ に1,000mg/kg1日3回,腹. 腔. 内 投 与 を 行 っ て い る 。 こ れ ら を 参 考 と し て 私 は500, 1,000mg/kgを. 投 与 量 と し,そ. れ ぞ れ8時. 間毎に筋注. した。 a) FAM. ethanol. 0.5mg/kg投. 50mg/kgを. glucose. FAM50mg/kgの. 投 与 量 を み る と1.6g/kg42),. 与群. よ る. 効 は み ちれ て い な い。 増 量 しz治. 療 を試 み. た。. よ り も短 か か っ た 。. ethanol治. 毒 マ ウ ス でglucoseに. 治 療 実 験 を 試 み て い る が,著. 後 に1例(No.1). 1000mg/kgの8. 間 後 に1例(No.1)に. 間 で あ った 。. 橋 本 ら14)はMNFA中 FAM. ethanol. (図7). 経 口 投 与 し,そ の 直 後 か らethanol. 図9.. glucose. 150mg投. 与 群(図9). 経 口投 与 後glucose150m6の l50mg投. 与 群. 皮下.

(5) 有 機 フ ッ素 剤 中 毒 に関 す る研 究 注 射 を12時 間 毎 に 行 え ば,2例(No.. 2,. い て4〜8時. は32時 間 後 に痙. 間 後,. 1例(No.. 3)で. 攣 が み られ た 。 平 均 生 存 時 間 は1日7時. No.5)に. お. 間4分 で あ. った 。 b). 277. っ た 。. Ⅶ). Phenobarbital治. 療 群(図12). Tourtellotteら42)はFA‑Na投. 与犬に興奮時 に. phenobarbitalを20〜50mg/kg投 glucose. 図10.. 450mg投. glucose. 与 群(図10). 450mg投. 与 し て い る が,私. 痙 攣 を 防 止 す る た め 初 回100mg/kg,そ 50mg/kgを. 与群. は. 間後に. 筋 注 した 。. FAM. 50mg/kg経. 100mg/kg,次 ろ,全. の8時. 口 投 与 後phenobarbitalを. 回 は50mg/kgを8時. 初 回. 間 後 に筋 注 し た と こ. 例 共 に 痙 攣 は み られ な か っ た 。 平 均 生 存 時 間. は1日13時 Ⅷ). 間35分. で あった。. acetamideお. よ びphenobarbital治. 療 群(図13). 図13. acetamideお. FAM. よ びPhenobarbital治. 療 群. 50mg/kgを 経 口投 与 し, glucoseを450mgに. 増 量 して 皮 下 注 を行 っ たが,. 5例 中4例 に痙 攣 が み. られ,平 均 生 存 時 間 も12時 間34分 とか え って 短 縮 し た。 Ⅵ). procainamide治. 図11.. 療 群(図11). procainamide治. 療 群 FAM. 50mg/kg経. 時 間 毎 筋 注, 50mg/kgを12時. 口 投 与 後acetamide. Phenobarbital初. 0.5g/kg. 回100mg/kg,次. 8. 間 後 に 筋 注 し た 。 1例(No.. 回は. 2)で1時. 間後 に 軽 い痙 攣 が み られ た が 他 の 例 に は み られ な か っ た 。 平 均 生 存 時 間 は4日4時 Ⅸ). acetamide,. 間3分. phenobarbitalお. で あ った 。 よ びglucose治. 療 群(図14) 図14. procainamideは. 倍 に 相 当 す る100mg/kgを8時 FAM 8時. 50mg/kg経. 2)で7時. 攣 が み ら れ た 。 平 均 生 存 時 間 は1日9時 phenobarbital治. Phenobarbital. お よ びglucose治. 療 群. 間毎 に筋 注 し た。. 口 投 与 後procainamide. 間 毎 に 筋 注 し た 。 1例(No.. 図12.. acetamide,. 人 体 で の 治 療 薬 量 の 上 限 の 約2. 100mg/kgを 間後 に痙 間35分. であ. 療 群. FAM. 50mg/kg経. 時 間 毎 筋 注, 後50mg/kg筋. 口 投 与 後acetamide. phenobarbital 注,さ. ら にglucose. 100mg/kg筋. 0.5g/kg 注,. 8. 12時 間. 150mg/kgを12時. 間. 毎 に 皮 下 注 射 を 行 っ た 。 い ず れ の 例 に も痙 攣 は み ら.

(6) 278. 橋. 田. れ ず5例 中3例 は生 存 し,死 亡 した2例 もそ の平 均 生 存 時 間 は7日16時 間40分 と良好 で あ った 。 〔 小. 括〕 以 上 の 各群 での 治 療 効 果 を比 較 す れ ば. 図5. 各薬 剤 の 治療 効 果 の比 較(ラ ッ テ) FAM. 50mg/kg経. 邦. 夫. 間20分 後 頃 か ら突 然 全 身 性 の 痙 攣 発 作 とチ ア ノー ゼ を来 た し,同 時 に心 電 図 上 心 室 細 動 が観 察 され た。 いず れ も痙 攣 発 作 後 数 分 以 内 に死 亡 した 。一 度 痙 攣 発 作 を来 た した もの は全 て 間 もな く死 亡 して い る。. 口投 与. この 点 ラツ テ とは か な り違 った経 過 を と る もの で あ る。平 均 生 存 時 間 は2時 間29分 で あ った 。 Ⅱ) acetamide, 図17.. procainamide治. acetamide,. FAM. 療 群(図17). procainamide治. 30mg/kg経. 療 群. 口 投 与 後acetamide. 2時 間 毎 に 筋 注, procainamide に 筋 注 し た 。 早 い 例 で4時. 0.5g/kgを. 50mg/kgを3時. 間15分,遅. 間毎. い もの は8時. 間 後 に 死 亡 し た 。 経 過 は い ず れ の 例 も比 較 的 平 静 な 図15の. 如 く で あ っ て,. acetamideを. 単 独 投 与,あ. る. い は 併 用 し た 群 の 成 績 が 最 も良 好 で あ っ た。 つ い で ethanol投. 与 群 で も比 較 的 良 好 な 延 命 効 果 が み ら れ. た 。 monoacetin,. glutose投. 与 群 は投 与 薬 剤 の増 量. に よ っ て 成 績 は 却 っ て 悪 く な っ て お り,薬 が うか が わ れ る。 procainamide,. 効 の 限度. 状 態 を保 って い るが突 然 全 身 性 の強 直性 痙 攣 に つ づ い て 呼 吸 因 難,チ. ア ノー ゼ を来 た して死 亡 した。 平. 均 生 存 時 間 は5時. 間11分. Ⅲ) acetamide,. で あ っ た。. procainamideお. よ びglucose治. 療 群(図18) 図18.. phenobarbitalに. acetamide,. procainamide,. glucose治. 療 群. も或 る 程 度 の 効 果 が み られ た 。 痙 攣 の 発 現 に つ い て み れ ば,. phenobarbital投. 群 で は や は り痙 攣 は 殆 ん ど 見 ら れ ず, ethanol投. 与 群 で も痙 攣 の 強 さ,回. monoacetin投. 与 群 もacetamide投. 与. procainamid,. 数 は少 な か っ た。 与 群 に比 す れ ば. 痙 攣 は か な り軽 か っ た 。. 2). 家 兎 で の 治療 実 験. Ⅰ) 対 照(図16) 図16.. 対 照. FAM,. acetamide,. に 投 与 し,更. にglucose. procainamideは 4.0gを3時. 前 群 と同様 間 毎 に皮 下 注. 射 で 投 与 し た 。 経 過 及 び 死 亡 時 の 状 態 は,前 ぼ 同 様 で あ っ た 。 生 存 時 間 は3時 間55分. で あ り,平 均 生 存 時 間 は5時. glucoseの. 併 用 に よ っ て,生. め る こ とは 出 来 な か っ た 。. FAM. 30mg/kgを 経 口投 与 した4例 で は,投 与 後 い. ず れ も平 静 で 外 見上 特 に変 化 は見 られ な い が, 2時. 間57分 間6分. 群 とほ. な い し6時 で あ っ た。. 存 時 間 を更 に延 長 せ し.

(7) 有 機 フ ッ素 剤 中毒 に 関す る研 究 第2節. 有 機 フ ッ素 剤(FAM)中. 毒 動物 に お け. る血 糖 値 の 観 察 1). 279. に測 定 した と こ ろ,2日. 以 後 か ら軽 度 の 低 下 が み ら. れ た。しか しな が ら最 も低 い場 合 に も80mg/dlに と ど. 対 照 群(表2,図19) 表2. 対照群血糖値. ま っ た。 2) FAM 0.5mg/kg経 口投 与 群(表3,図20) FAM 0.5mg/kgを 経 口投 与 し,そ の後 の血 糖 値 を み れ ば24時 間後 ま で は変 化 は み られ な か った が2日 目に は か な り低 下 が み られ,最 も低 い もの は50mg/dl に及んだ。 表3. 図19. 対照群血糖値. 3) 表4. 図20. Fussol中 毒 ラ ッテ の血 糖 値 の変 化 Fussol 0.5mg/kg経 口 投 与 群. Fussol中 Fussol. 毒 ラ ッテの 血糖 値 の変 化 0.5mg/kg経 口投与 群. FAM. 5mg/kg経 Fussol中 Fussol. 下線 は痙攣時 また はその前後 図21. Fussol中 Fussol. 対照群 として無処置 ラツテ5匹 の血糖値 を経時的. 口 投 与 群(表4,図21). 毒 ラ ッテの 血 糖 値 の 変 化 5mg/kg経 口投 与 群. 毒 ラ ッテ血 糖 値 の変 化 5mg/kg経. 口投 与 群.

(8) 280. 橋. FAMの. 田. 邦. 夫 表6. 投 与 量 を5mg/kgに 増 せ ば5匹 中2匹 は6. 時 間 後 に血 糖 値 の 低 下 が み られ,特 にNo.4は この時. 20%ブ ドウ糖 液0.75ml (150mg)皮 ラ ッテ の血 糖 値 の変 化 12時間毎 投与 群. 期 に 全身 性 の痙 攣 を来 し,同 時 に 血糖 値 も40mg/dlと 著 明 に低 下 した 。 な お3,. 4日 後 に もか な りの低 値. を 示 す もの が あ った 。 4). FAM 表5. 50mg/kg経 口投与群(表5,図22) Fussol中 毒 ラ ッテの 血糖 値 の変 化 Fussol 50mg/kg経 口 投 与 群. 図23 20%ブ. ドウ 糖 液0.75ml. ラッテ の 血 糖 値 の 変 化. (150mg)皮. 下注. 12時 間 毎 投 与 群. 下 線は痙攣 時 またはその前後 図22 Fussol中 Fussol. 毒 ラ ッ テの 血糖 値 の変 化 50mg/kg経. 口投 与 群. は り低 下 す る傾 向 が み られ た。 6). FAM. 50mg/kg経 口投 与 後 ブ ドウ糖150mg,. 12. 時 間毎 皮 下 注 射群(表7,図24) FAM. 50mg/kg投 与 後 ブ ドウ糖 の 投 与 を行 うとFAM. の 同量 投 与 群 よ り も血 糖 値 は高 い 値 に 保 た れ た が, な おNo.2, FAM. 6で は痙 攣 の発 作 と低 血 糖 が み られ た 。. 50mg/kg単 独 投 与 群 に比 較 して延 命 効 果 が み ら. れた。 表7. FAMを50mg/kg投. 与 す れ ば3時 間 後 頃 か ら著 明 な. 全 身 性 の痙 攣 が み られ,同 時 に血 糖 値 も低 下 した 。 3時 間以 後 に は死 亡例 が み られ,50時 間 後 まで に 全 例 死 亡 した 。 5). ブ ドウ糖 投 与 群(表6,図23). FAM中 が,ブ. 毒 の治 療 に ブ ドウ糖 の投 与 が考 え られ る ドウ糖 の 投 与 に よ る血 糖 値 の 上 昇 をみ るた め,. 無 処 置 ラ ツ テ3匹 に各150mgの. ブ ドウ糖 を皮 下 注 射. して 血 糖 値 の変 化 を み た とこ ろ,前 記 の 対 照 群 に 比 して10〜20mg/dl高. い 値 が み られ た が,2日. 目 に はや. Fussol中 毒 ラ ッテ の 血糖 値 の変 化 Fussol 50mg/kg経 口投与 20%ブ ドウ糖液0.75ml (150mg) 12時 間毎 皮下 注. 下注.

(9) 有 機 フ ッ素剤 中毒 に 関 す る研 究 図25. 図24 Fussol中. 毒 ラ ッ テの血 糖 値 の変 化. Fussol. 50mg/dl経. 20%ブ. 281 Methylparathion中. 毒 ラ ッテ の. 血糖 値 の 変化 Methylparathion. 口投 与. 10mg/kg経. ドウ 糖 液0.75ml. 表9. 口投 与 群. Methylparathion中 の変化. 毒 ラ ッテ の血 糖 値. Methylparathion20mg/kg経. 7). Methylparathion. 10mg/kg経. 口投 与 群. 口 投 与 群(表8,. 図25). 表8. Methylparathion中 の変 化 Methylparathion. 毒 ラ ッテ の血 糖 値 10mg/kg経. 口投 与 群. 投 与20〜25分 methylparathion 投 与20〜25分. 20mg/kgを. 後 に全例死 亡 投 与 す れ ば,全 例 共 に. 後 に死 亡 した。 死 亡 直 後 に心 臓 内 の 静. 脈 血 を 採 取 し血 糖 値 を 測 定 し た と こ ろ,い. ず れ も著. 明 な 上 昇 が み られ た 。 9). 農 薬 中 毒 の 中 で 現 在 本 邦 で 最 も多 発 して い る有 機. Endrin. 表10. 5mg/kg経. Endrin中 Endrin. 口 投 与 群(表10,図27). 毒 ラ ッテの 血 糖値 の変 化 5mg/kg経 口 投 与 群. 燐 剤 中 毒 に お い て は 血 糖 が 上 昇 す る こ とが知 られ て い る7)20)が,. FAM中. めmethylparathion中 methylparathion. 毒 動 物 で の 血 糖 と対 比 す る た 毒 ラ ツ テ の 血 糖 値 を観 察 し た 。 10mg/kgを. は い ず れ の 例 で も上 昇 し,. 経 口 投 与 す れ ば,血 糖 1〜3時. 間 後 に は200mg/dl. に 及 ん だ もの が あ っ た 。 8). Methylparathion. 20mg/kg経. 口 投 与 群(表9,. 図26). 下線 は痙 攣時 または その前後.

(10) 282. 橋. 田. 邦. 夫. 図27. 図26 Methylparathion中. Endrin中 毒 ラ ッ テ の 血 糖 値 の 変 化 Endrin 5mg/kg経 口投 与 群. 毒. ラ ッテ の血 糖 値 の変 化 Methylparathion 20mg/kg経. 口投 与 群. 人 体 で のendrin中. 毒 例 で は血 糖 の上 昇,尿 糖 が. 認 め られ て お り22,23)動 物 実 験 で この事 実 を確 認 し, さ らにFAM中 endrin投. 毒 動 物 で の 成 績 と対 比 す るた め に. 与 ラ ツ テ の血 糖 値 を観 察 した 。. endrin投 与 後血 糖 値 は 上 昇 す る傾 向 に あ るが, 1 時 間 後 に痙 攣 を起 した 例(No.2)は180mg/dlに. まで. 上 昇 して いた 。 10) Endrin 投 与1時. 10mg/kg経 口投 与 群(表11,図28). 間後 に は い ず れ の例 で も痙 攣 と血 糖 値 の. 上 昇 が み られ,特 にNo.1,. 2,. 4,. 5で は上 昇 は著. 明 で あ った 。早 期 の死 亡 を免 が れ た例(No.4)で. は. そ の後 ほ ゞ投 与 前 の血 糖 値 に まで下 降 した 。 第3節. 急性 有機 フ ッ素 剤(Nissol)中. 毒の臨床. 的研究 表11. Endrin中 Endrin. 毒 ラ ッテの 血 糖値 の 変化 10mg/kg経 口投 与 群. 先 に述 べ た如 く有 機 フ ッ素 剤 中 毒 の 治 療 実 験 及 び 中毒 動 物 の血 糖 値 の 観 察 を行 っ た が,幸 い に数 例 の 人 体 で の急 性Nissol中 acetamideお. 毒 を経 験 す る 機 会 を 得,. よ び ブ ドウ糖 の大 量 投 与 が著 効 を呈 し. た 。 ま た意 識 消 失 時 に は血 糖 の下 降 が み られ,ブ. ド. ウ糖 の投 与 に よ る血 糖 値 の上 昇 と共 に意 識 も回復 し 意 識 と血 糖 値 の 間 に 密 接 な 関 係 の あ る事 が 明 らか に な った 。 即 ち前 述 の 動 物 実 験 の 成 績 を人 体 で も確 認 す る事 が 出 来 た。 重 症,中 等 症,軽 症 の 各 例 につ い て 以 下 に述 べ る こ と とす る。 下 線 は痙攣 時 またはその前後. Ⅰ) 重 症. 29才 男. 農業.

(11) 有機 フ ッ素 剤 中毒 に関 す る研 究 図28. Endrin中. 毒 ラ ッテ の血 糖 値 の変 化. 283. 数 毎 分16。 〓 結 膜 に 貧血 な く,球結 膜 に黄 疽 は ない 。 口腔 咽 頭 粘 膜 に異 常 な く,胸 部 は理 学 的 に異 常 所 見 は な い。 腹 部 は平 担 に て軟 らか く,肝 を1/2横指 触 知 す るが 他 に異 常 所 見 を み な い 。膝 蓋 腱 反 射 は微 弱, 病 的 反 射 は な い。 下 肢 に浮 腫 は な い。 午 前11時59分acetamide. 10gを 生 理 的食塩 水に溶. 解 して 筋 注 を行 っ た。 又 前 述 の如 くFAM中. 毒 ラツ. テで 低 血 糖 が 見 られ る事 を経 験 して い るの で 本 患 者 で 直 ち に血 糖 を測 定 した ところ50mg/dlと 低 値 を認 め た。 そ こ で12時10分 に5%ブ. ドウ糖 液500ccに. ミン剤 を加 えて 点 滴 静 注 を開 始 した と ころ, 20分 後 の 午 後1時30分. ビタ 1時 間. 頃 か ら意識 は 次第 に 回復 し,. 2時 頃 に は全 く明 清 とな り何 ら苦 痛 も訴 えな い 。 そ の後 は 良 好 な状 態 が続 い て い た が,午 後2時30分. 頃. 診 察 時 に 突 然 顔 面 が紅 潮 し,右 手 を差 し出 し何 か物 をつ か ま え る よ うな 動 作 を し,発 語 は不 能 とな り数 分間意識の混濁がみちれた。 3時30分 頃 に は再 び 意識 は 混濁 し,流 延,流 涙 が あ り,不 安状 態 に て し き りに体 動 が見 られ た。 瞳 孔 はや ゝ散 大 す るが対 光 反射 は迅 速 で あ る。 その 後 も 意 識 消失 は 持続 し4時30分. 頃 に は激 し く身 体 を動 か. す の で10% phenobarbital. 1mlの 皮 下 注 射 とacetam. ide 10gの 筋 注 を行 って経 過 を観 察 した。 しか しな 既往歴. 生 来 健 康 で 著 患 を知 らな い 。. 昭 和42年7月14日 てNissol. が ら意 識 消 失 は持 続 し, 5時20分 血 糖 値 は50mg/dlと. 朝 か ら夕方 まで6時 間 にわ た っ. 1,000倍 液 とオキ シ ラン500倍 液 の混 合 液 を. 低 下 した の で40%ブ き5%ブ. ドウ糖4Cmlの 静 脈 注 射 に引 き続. ドウ糖 液1000mlの 点 滴 静 注 を開 始 した と こ. 散 布 。翌15日 に も 日中6時 間 同様 の薬 液 の 散 布 を行. ろ6時 頃意 識 の 回復 が み られ た。 す なわ ち意 識 消 失. った 。散 布 時 に は帽 子,マ ス ク,長袖 の 綿 の シヤ ツ,ズ. 時 に は低 血 糖 が み られ意 識 の 回復 に はacetamideよ. ボ ンの姿 で作 業 を行 い,ゴ. り もブ ドウ糖 の投 与 の方 が効 果 的 で あ った 。. ムズ ボ ン,長 靴 等 は 着用. しな か った 。 この た め 薬 液 は下 半 身 及 び顔 面 に特 に よ く付 着 し,そ の ま ゝの姿 で数 時 間作 業 に従 事 した 。 15日 午 後6時. 頃 か ら全 身倦 怠 感,悪 心,嘔 吐 を来. し,間 もな く放 心 状 態 とな っ た。 午 後11時 頃 に は下 痢2行,再. 度 嘔吐 が あ り軽 度 の言 語 障 害 お よ び意 識. の で20%. phenobarbital. 液40mlの 静 注,さ. 1mlの 皮 下 注, 40%ブ ドウ糖. らに5%ブ. 行 った と こ ろ午 後4時15分. ドウ糖 液 の 点 滴 静 注 を 頃 血 糖 値 が170mg/dlに 達. し応 答 す る よ うにな っ たが,な お 意 識 は 明清 で は な い。 尿 の 失 禁 を み る。 5時30分 頃 に 意識 は 明清 とな. 混 濁 を 来 た した 。 16日 某 医 を受 診 し,注 射 等 の 処 置 を受 け,夕 方 に は意 識 は 明清 とな り気 分 も良 くテ レ ビ を楽 しん だ。 17日 朝 に は殆 ん ど話 を しな くな り,次 第 に意 識 の 混 濁 を来 た し,午 前11時 当科 を受 診 し直 ちに入 院 せ しゆ た 。 入 院時 現 症. 18日 正 午 過 ぎか ら意 識 は再 度 消 失 し体 動 が 激 しい. っ た。 当 時 は瞳 孔 に異 常 な く対 光 反 射迅 速,胸 腹 部 共 に異 常 をみ なか った 。 血 圧 は110〜68mmHgで. あっ. た。 しか し午 後10時 頃 か ら再 度 意 識 は 混 濁 し, 19日 午 前6時 頃 には 昏 睡 状 態 とな り多 量 の 発 汗 と喘 鳴 が み. 体 格 大,栄 養 良好,顔 貌 は平 静 に し. られ,呼 吸 は不 規 則 とな り,時 に数 秒 間 の 呼 吸停 止. て開 眼 し,呼 吸 も安 静 。 興 奮,痙 攣等 は み られ な い. をみ た 。瞳 孔 はや ゝ散 大 す るが 対 光 反 射 はみ られ た 。. が,応 答 な く意 識 は消 失 して い る。瞳 孔 はや ゝ散 大. 酸 素 吸 入 を開 始 し,セ ジ ラニ ッ ド,ビ タ カ ン フ ァー,. して い る が対 米 反 射 迅 速 で 左 右 不 同症 は 塗 い。 体 温. エ ホチ ール,ア. 37.1℃,脈 博 は整,毎 分78。 血 圧124〜80mmHg。. 30単 位,タ チ オ ン等 の 注 射 を行 った 。 当時 の血 糖 値. 呼吸. トロ ピ ン,ペ ル サ ンチ ン, ACTH‑Z.

(12) 284. 橋. 田. 邦. 夫. は160mg/dlと 低 くな か った の で 積 極 的 に ブ ドウ糖 投. ーゼ が み られ,血 圧 は98〜46mmHgと. 与 を行 な わ な か った の で あ るが,午 前3時40%ブ. ド. 微 弱 とな った 。 意 識 は 明瞭 で 冷感 を訴 えて いた が,. ウ糖40mlに プ レ ドニ ゾ ロ ン20mgを 加 えて 静 注 した と. その 後38℃ の 発 熱 を み た 。当 時 の 血 糖 値 は80mg/dlで. ころ 注 射 終 了 直 後 か ら次 第 に意 識 の 回 復 が み られ,. あ った 。. 3時15分 に は 意 識 は全 く明 清 とな った 。 今 回 の意 識 消 失 時 に は 血 糖 の 低 下 は み られ な か った ので あるが, そ れ で もな お ブ ドウ糖 の 投 与 が 有 効 の よ うで あ り,. 午 前9時30分. 下 降,脈 博 も. 頃 か ら発 熱 を み るの み で 他 の症 状 は. 消失 した 。 そ の後 は 意 識 は明 清 で20日 朝 か らは食 思 も出 て来. 本 中 毒 の あ る時 期 に は正 常 以 上 の 高 血糖 を維 持 す る. て,気 分 も良好 とな った 。 時 に 多少 の流 涙 が み られ. 必 要 が あ る よ うに思 われ た 。. た が,そ の 後 次 第 に好 転 し以 後 良 好 な経 過 を と っ て. そ の 後 は 良 好 な 経 過 をた ど ってい た が午 前7時15 分 頃 胸 部 不 快 感,手 足 に軽 度 の痙 攣 と軽 度 の チ ア ノ. 図29. 臨. 床. 経. い る。 な お 図29に 示 す よ うに 本例 は計6回 に わ た って 意. 過. 識 の消 失 を来 た した が,初 め5回 の意 識 消 失 時 に は. あ るが そ の 後 時 々 み られ て い る。 これ は 図29に 示 す. 明 らか に血 糖 の 低下 が み られ,最 後 の意 識 消 失 時 に. 如 く多 量 の ブ ドウ糖 投 与 によ る血 糖 値 の上 昇 に よ る. は前 述 の 如 く血 糖 の低 下 は み られ な か った が,そ れ. もの と思 わ れ る。. で もな お高 張 ブ ドウ糖 液 が有 効 で あ っ た。 検 査 所 見 に つ いてみ る とまず 血 液 像 で は赤 血 球 数, 血 色 素 量 共 に一 過 性 に減 少 し,第9病. 日以 後 次 第 に. 増 加 して い る 。 白血 球 数 は発 病 初 期 に は増 多 し第19 病 日 に正 常 に復 して い る。 白血 球 分 類 で は 発病 初 期. 肝 機能 検 査 で は 入 院 時 黄疽 指 数 の軽 度 の上 昇 を み た の み で あ った が,そ の 後 トラ ンス ア ミナ ー ゼ の上 昇 が み られ た 。 本 中 毒 に お い て は或 る程度 の肝 機 能 障害 が予 測 され る。 そ の他 血 清 電 解 質 で は カ リウ ムの 軽 度 の低 下,血. に好 中 球 増 多,好 酸 球 減 少 が み られ て い る (表12)。. 清 蛋 白 で は 第5病. この 白血 球 数 の 一 時 的 な増 多 と同 時 に好 中球 増 多,. 低 下 が み られ た 。. 好 酸 球 消 失 を み る こ とは有 機 燐 剤,有 機 塩 素剤 中毒 にお い て もみ られ る と こ ろで 興 味 深 い 。 尿 検 査 所 見 を み る と発 病 初 期 に は 蛋 白 が み られ た が,漸 次 減 少 し第19病 日 に は消 失 して い る。沈 渣 で は 赤血 球 は入 院 時 に3〜4個/1視 野 み られ た の み で そ. 日に総 蛋 白 量 が6.3g/dlと. 胸 部 レ線 検査 は 第5,. 13病 日に行 った が,横 隔膜. 高 位 と心 陰影 で右2弓,左4弓 れ,第13病. 軽度 の. の軽 度 の突 出 が み ら. 日に は肺 紋 理 が増 強 し,特 に左 中野 に著. 明 で あ った 。 心 電 図 撮 影 は頻 回 に行 った が,入 院時 Ⅱ, Ⅲ, aⅤF. の 後 は 殆 ん どみ られ て いな い 。 ウ ロ ビ リノー ゲ ンは. で軽 度 のST降. 第4,. 低 化 が み られ た。 しか しな が ら不 整 脈 は一 度 もみ ら. 9病 日で 増加 して い た 。糖 は入院時 には陰 性 で. 下,第2病. 日か ら Ⅱ, Ⅴ4‑6にTめ. 平.

(13) 有 機 フ ッ素 剤 中毒 に関 す る研 究 表12. 血 液 像. 検. 査. 日朝98〜46mmHgに. 低 下 した が そ れ. ・腹 部 に も理 学 的 に 異 常所 見 は み られ. な か っ た。 入院 後 の経 過. 以 外 は終 始 良好 な 値 を保 って い た 。 Ⅱ) 中 等 症. 285. 見(1). 異 常 な く,胸. れ な か った 。. 血 圧 は 第3病. 所. 日(26日)午. 34才 男,農 業. 入 院 後 血 圧 は次 第 に下 降 し第2病. 前1時. に は96〜50mmHgと. な り,午 前. 既往歴. 特 記 す べ き こ とな し. 1時20分 に は全 身 に軽 い強 直 性 の 痙 攣 が み られ,同. 現病歴. 昭 和43年7月25日. 時 に意 識 は混 濁 した 。5%ブ. で約8時. 間 に わ た りNissol. 朝 方 か ら夕方5時 頃 ま 1.000倍 液 の散 布 を行 っ. た 。散 布 時 に は帽 子,マ ス ク,長 袖 の シヤ ツ,軍 手,. amide. 5gを. ドウ糖 液500mlにacet. 加 えて点 滴静 注 を行 い ひ きつ づ き40%. ブ ドウ糖 液40mlの 静 注,昇 圧剤,副. 腎皮 質 ス テ ロイ. ゴ ムズ ボ ン,長 靴 を着 用 した が身 体 全 体 に べ っ と り. ド剤 の 投 与, O2吸 入 等 の 処置 を行 った と ころ午 前9. と薬 液 が 附着 した 。午 後6時. 時 頃 に は意 識,血 圧 共 に改 善 され た が,そ の後 は頭. 頃か ら全 身 倦怠 感,悪. 心 が あ り,脱 力 感 強 く午 後8時 頃当 科 を受 診 直 ちに. 痛,脱 力 感 を訴 え た。 この 第2病. 入 院 せ しめ た 。 来 院 時 に 嘔 吐 が あ り歩 行 は 不 能 で あ. か らは徐 々 に快 方 に向 い第4病. った 。. が可 能 とな り,第7病. 入院時現症. 脈 博 毎 分33,整. 。顔 貌 は 苦 悶 状 で 強. い 頭 痛 を訴 え る。 血 圧116‑80mmHg。. 体 温,瞳 孔 に. 日の 危 機 を 脱 して. 日 に は流 動 食 の 摂 取. 日 に は 自覚 症 状 も略 消 失 した. (図30)。 検 査 所 見 を み る とま ず血 液像 で は血 色 素,赤 血 球.

(14) 286. 橋 表13. 検. 田 査. 邦. 夫. 所. 見(2). 肝機能検査. 図30. 臨 床. 数 に は 著 変 な く,白 血 球 数 は 第1病 第4病. 経. 過. 日に増 加 したが. 日以 降 は 正 常 に 復 した 。 白血 球 分類 で は発 病. 当初 は や は り好 中球 増 多,好 酸 球 減 少 を み た が,そ. の後 は 次第 に リ ンパ 球 増 多 の傾 向 を示 しお(表14)。 次 に肝 機 能 検査 所 見 を み る と第14病 日にtransa minaseは. 上 昇 し第42病. 日に は な お軽 度 の上 昇 を認.

(15) 有 機 フ ッ素 剤 中 毒 に関 す る研 究 表14. め た 。 し か し 第63病. (表15)。. 血 液 像 の 推 移. 表15. 肝機能検査所見の推移. 表16. 血 清 電 解 質 の 推移. 日 に は正 常 化 しそ の後 再 上 昇 は. み ら れ て い な い 。 cholinesteraseは な お 血 清 蛋 白,分. 正 常 内 で あ った。. 画 に は著 変 を認 めな か. った 。. 血 清 電 解 質 で はNa.. 287. Kの 低 下 を認 め,特 に低 カ リ. (. mEq/l). 昇 が 悪 く,血 糖 曲 線 は プ ラ トー タ イ プを 呈 した(表 17)。 や は り糖 代 謝 障 害 が うか が わ れ る。 Ⅲ) 軽 症. 35才 男. 農業. 既往歴. 特記 す べ き こ とな し. 現 病歴. 昭和43年8月3日. 午 前8時. か ら午 前11時. ウ ム が長 くみ られ た 。 Cl, Caに は 著 変 を認 め なか っ. 頃 ま でNissol. た(表16)。. マ ス ク,長 袖 の シヤ ツ,ズ ボ ンの姿 で作 業 し,長 靴. 血 糖 値 の 低 下 は終 始 み られ ず,痙 100mg/dlで あ っ た。 しか し第7病. 攣 発作 時 に も. 日以 降 のGTT(坂. 口食)で は 全 般 的 に血 糖 値 は低 く食後1時. 間値 の上. 1000倍 液 を散 布 。散 布 時 に は帽 子,. は着 用 した が ゴ ムズ ボ ンは着 用 しな か った 。 そ の た め薬 液 は特 に下 半 身 に 附着 した 。午前11時 頃機 械 の 調 子 が悪 く散 布 作 業 を 中止 した が,こ の 頃 か ら全 身 倦.

(16) 288. 橋. 表17. 邦. 血 糖 値 の 推 移(坂. 表18. 怠 感,悪. 田. 夫. 口食 に よ る). (mg/dl). 血 液 像 の 推 移. 心,脱 力感 を来 た し嘔吐 が2回 み られ た 。. アセ トア ミ ド5gの. 静 注 を行 った と こ ろ8月4日. 帰 宅 後 入 浴 し休 養 した が こ れ らの 自覚 症 状 は改 善 せ. に は軽 度 の 悪心 を残 す の み とな り8月5日. ず,自 分 で 自動 車 を運 転 して午 後4時 当 科 を受 診,. 症 状 は 全 く消失 した 。. 直 ち に 入 院せ しめ た 。 入 院時 現 症. 検 査 所 見 で は 入 院 時 に 白血 球 増 多,好 中球 増 多 が. 意 識 清 明,貧 血,黄 疸 な し。 瞳孔 正. 円 同大 に て対 光 反射 正 常 。 体 温36.5℃,脈 72,整 。 血 圧130〜80mmHg。. 博毎 分. 胸 部 ・腹 部 は理 学 的 に. 著 変 を み な い。 膝 蓋 腱 反 射 正 常,病 的 反 射 は み られ な い。 入 院 後 の経 過. 朝. に は 自覚. み られ た 。 第14病 日の 白血 球 増 多 は急 性上 気 道 炎 の 合 併 の た め と思 わ れ る(表18)。. 第56病 日に は や は. り リンパ球 増 多 が み られ て い る。肝 機 能検 査,血 清 電 解 質 に は 著変 を 認 め な か った(表19,. 20)。. 血 糖 値 で は著 明 な低 血 糖 は認 め な か った が血 糖 曲 5%ブ. ドウ糖 液500mlの 点 滴 静 注,. 表19. 線 は プ ラ トー タ イ プを呈 した(表21)。. 肝機能検査所 見の推 移.

(17) 有機 フ ッ素 剤 中毒 に 関 す る研 究 表20. 血 清 電 解 質 の推 移. 表21. 第4章. 289 (mEq/l). 血 糖 値 の 推 移 (坂 口食 に よ る). 総 括 並 び に考 按. (mg/dl). に お い て もethanol,. sodium. acetateの. 延命効果 を. acetateの. 効 果 が不 充. み て い る。 有 機 フ ッ素 剤 中 毒 ラ ッ テ の 治 療 実 験 に つ い て 有 機 フ ッ素 剤 中 毒 の 発 生 機 転 はTCA い て,フ. Chenowethら31)はsodium. cycleに. お. ッ化 ク エ ン 酸 が ア コ ニ タ ー ゼ の 活 性 を 阻 害. す る こ と に あ る と 考 え られ て い る た め,生. 体 内 で酢. 分 で あ りdiacetin,. triacetinはacetate. 性. の 少 な いmonoacetinに. 毒. 着 目 し て お りFA‑Na中. 酸 基 を 生 じ る 物 質 を 投 与 す る こ と に よ っ て フ ッ化 酢. の 解 毒 剤 と し て はmonoacetinが. 酸 の 妨 害 作 用 を 防 ご う と い う試 み が な さ れ て い る。. づ けて い る。. こ の 目 的 の た め にacetamide, monoacetin,. glucose,. sodium. ethanol等. acetate,. Phillipsら41)の. が 用 い られ 動 物. 実 験,11,31,37,41,43)人 体 例29)で あ る程 度 の 効 果 が 認 め られ て い る。. 家 免 にFA‑Naを. よ れ ば マ ウ ス,モ. 投 与 し,そ. nolを800mg/kg皮. の 後30分. ルモツ ト. 以 内 にetha. 実 験 で は ラ ッ テ にacetamideと. fluoroacetateと. を4:1,. 9:1に. る と発 症 は 遅 れ, LD50も. ine hydrochlorideに み た がsodium. 下 投 与 す れ ば そ の 死 亡 率 は 明 らか. に 減 少 し,特. に10分 以 内 に 投 与 し た 場 合 に は 著 明 な. はacetamideと. acetateに. を 腹 腔 内 に 投 与 し て 後,種. pyruvate,. fumarate,. glycine. glutamic. malate, acidな. ど. の 効 果 は明 らか で な か っ た と し て い る 。 Tourtelotteら42,43)は (LD50×10)を. 投 与 しsodium 1.6g/kgと. acetate. 1.6g/kg単. か に投 与 した 場 合 に はLD50は3.1倍 3.0g/kg単. とな り, sodium. に 及 び,さ. 与 後ethanol,. sodium. ら にsodium acetateを. acid等. に. fluo 早 く. 投 与 す る 程 そ の 治 療 効 果 は 大 き い と い う。 彼 ら は 犬. 6mg/kg. 々 の薬 剤 の効 果 を み て い. monoacetin,. lactic. sodium. acid,. citrate,. を 用 い て い る がethanolとaceta. 二 つ が 延 命 率,抗. 痙 攣 率 と もに優 秀 で生 存 例. を み て い る 。monoacetinは. 良 好 と 思 わ れ る程 度 で. 著 効 は な か っ た と い う 。 橋 本14)ら はMNFAを の 動 物 に 投 与 し,広. の両 者 を併 用 した場 合 に は相乗 効 果. を示 しLD50は12.7倍 roacetate投. mideの. 独 を速 や. 独 の 場 合 に はLD50は4.6倍. acetamide,. succinic. 2〜3g/kg. の 併 用 療 法 を 行 っ て そ の90%. を 救 命 して い る 。 ま たethanol. 増 加 し た が,こ. 170mg/kg. ウ イ ス タ ー系 シ ロ ネ ズ ミの 雄 にFAM. る 。アセ チ ル 基 供 与 体 と して はfructose, ethanol,. マ ウ ス にFA‑Na. は 治療 効 果 は み られ な か. 本 邦 で の 有 機 フ ッ素 剤 の 治 療 剤 に 関 す る 研 究 で は. 対 し てcitrate,. succinate,. 同様 の 効果 を. っ た と い う。. 田 熊9)は. acetate. 混 合 して 投 与 す. 増 加 し た と い い, acetamide. 効 果 が み られ た と い う。 しか し な が ら 中 毒 マ ウ ス に. とethanol. 有 用 で あ る と結 論. は 早 期 に 与 え れ ば 有 効 で あ る と い う 。 ま たl‑cyste. ま ずHutchensら36)に. glycerol,. donorと. し て 毒 性 が 強 く 治 療 薬 と し て 適 当 で な い た め,毒. し て い る が,ア acetanilide, lactic. acid,. セ チ ル 基 供 与 体 と し て はacetamide, sodium ethanol,. acetate, monoacetin,. 試 み て い る 。マ ウ ス で はacetamideの mg,. 諸種. く種 々 の 薬剤 の 治療 効 果 を検 討. 1000mg/kg)が. sodium. citrate,. triacetin等. を. 大 量 投 与(500. 優 れ た 救 命 効 果 を 示 し,ラ. ツテで.

(18) 290. 橋. は や は りacetamideの 示 し,さ. 田. 大 量 療 法 が完 全 な救 命 作 用 を. ら にglucoseな. ど の 糖 類 も か な りの 効 果 を. 7日. 間 投 与 で 完 全 な 解 毒 効 果 を み て お り,. ウ サ ギ で はacetamideお. よ びglucoseに. 救命効果. を み て い る 。 さ らに ネ コ で はacetamide+ethanol+ GABA,イ. ヌ,サ. ル で は 一 応glucoseが. GABA,. GABOB,. Chlorpromazine等. に若 干 の効 果 を. 認 め て い る 。本 実 験 に於 て もphenobarbitalに. 若干. ocainamide, monoacetinお. よ びacetamide投. 与群. にお いて も痙 攣 発 作 は軽 減 され た 。 有 機 フ ッ素 剤 は前 述 の 如 く痙攣 等 の 中 枢 神 経 刺 激. 有 効であ っ. た と云 う。 さ て,本. 夫. の 延 命 効 果 お よ び 鎮痙 効 果 を認 め た が, ethanol, pr. 呈 し て い る 。モ ル モ ッ トに お い て は や は りacetamide 1日1g. 邦. 症 状 と共 に血 圧 下 降,不 整 脈 さ らに 心 室 細 動 等 の 心 症状 を呈 し この た め死 に到 る事 が あ る とい われ て い. 実 験 で は ラ ツ テ に お い てacetafimideの. 独 投 与 は 最 も優 れ た 救 命 効 果 を 示 し5例. 単. 全例がその. る。29,34)特に心 室 細 動 は生 命 に 直 接 重 篤 な 影 響 を与 え る と こ ろか らprocainamideの. 投与 を行つたので. 後 生 存 し て い る 。ま たphenobarbitalやglucoseと. あ るが,若 干 の 延 命 効 果 を み た 。 田 熊,9)橋. acetamideを. も同 様 の 結 果 を得 て い る。 し か しな が ら心 障害 に よ. 併 用 し た 群 に 於 て も優 秀 な 成 績 が み ら. れ て い る 。 つ い でethanol投. 与 群 で も比 較 的 良 好 な. 延 命 効 果 が み ら れ て い る 。monoacetin,. た。. に比 す れ ば は る か に及 ば な い効 果 で あ った 。. 有 機 フ ッ素剤(FAM)有. 家 免 に お い て はacetamideとprocainamideの. 投. に延 長 させ る こ とが 出. 来 た 。し か し治 療 薬 と し て き ら にglucoseを. って死 亡す る とい われ る家免 にお いて もprocainamide は救 命 す るに は 到 らず 大 きな 効 果 は認 め られ な か っ. glucoseも. 対 照 群 に 比 す れ ば 延 命 効 果 は み られ た がacetamide. 与 に よ っ て 生 存 時 間 を 約2倍. 本14)ら. 加 えて. も特 に 生 存 時 間 の 延 長 は み られ な か っ た 。acetamide. thion)お. 機 燐 剤(methyl. よ び有 機 塩 素 剤(Endrin)投. para. 与 ラ ッテ の血. 糖値 について。 FAM. 5, 50mg/kg投 与 群 で は血 糖 値 は 低 下 す る傾. 向 を示 す が,投 与 量 の 増 加 と共 に低 下 は著 明 とな り,. の 効 果 は 家 免 で は ラ ッ テ に お け る程 著 明 に は み られ. しか も痙 攣 発 作 時 あ る い は そ の前 後 で 低下 は 著 明 で. な か った 。. あ っ た。また同 じ有 機 フ ッ素系殺 虫 剤 に属 す るNissol. 先 述 の 諸 家 の 結 果 を み る とethanol, etate,. monoacetin,. acetamide等. sodinm. ac. に 治療 効 果 が見. (MNFA)に. よ る重 症 中毒 人 体 例 に おい て も前 述. の 如 く血 糖 値 の 著 明 な低 下 が認 め られ た の で あ る。. られ て い る が,諸 種 の ア セ チ ル 基 供 与 体 を 比 較 して い. 橋 本15)はMNFAに. る報 告 の う ち 田 熊9)の. 血 糖 値 の 低 下 を認 めて い る が,家 免 で は殆 ん ど変 動. 成 績 で はacetamideとethanol. が 優 れ て お り橋 本14)ら の 結 果 で はacetamideが 有 効 の よ う で あ っ て,本. 最 も. 実 験 の 結 果 と よ く一 致 す る 。. 前 述 の 橋 本14)に よ れ ば 他 の 動 物 で は 著 効 の み ら れ たacetamideの. 効 果 は,イ. む し ろglucoseが. ヌ,サ. ル で は 認 め 難 く,. 有 効 で あ っ た と い う。こ の 点 有 機. フ ッ素 剤 は そ の 毒 性 や 症 状 が 動 物 の 種 属 に よ っ て か な り異 な る もの で あ っ て,薬. 剤 の 治 療 効 果 も種 属 に. つ いて マ ウ ス,ラ. ッテ で や は り. をみ て い な い。 また 現 在 我 が 国 でみ られ る農 薬 中 毒 の中 で最 も多 発 して い る有 機 燐 剤 中 毒(Parathion中 い)お よ び有 機 塩 素 剤 中毒(Endrin中. 毒 が最 も多 毒が最 も多 い). に つ い て,そ の 血糖 値 の 変 化 をみ る た め,前 述 の 如 くmethyl. parathion,. Endrinを. ラ ッテ に投 与 して. 血 糖 値 の変 動 を み た の で あ るが,い ず れ も中 毒 症状. よ る 差 が 大 き い もの と 思 わ れ る 。 し た が っ て こ れ ら. の発 現 と共 に血 糖 は 上 昇 し,特 に 痙攣 の 発現 時 に は. の 動 物 実 験 で の 薬 剤 効 果 が そ の ま ゝ直 ちに人 体 例 に. 著 明 に上 昇 す る 。有 機燐 剤 中 毒 で は教 室 の 動物 実験. 期 待 出 来 る とは 言 えな い 。 事 実 私 の 人体 で の重 症 中. お よ び人 体 例20)にお い て も血糖 値 の 上昇 は 既 に確 認. 毒 例 に はacetamideよ. され て お り,ま た 尿糖 もみ られ て い る7)。ま た 我 々22). り もglncoseに. 著 明 な効 果. が み られ た の で あ る。. の報 告 し た 有 機 塩 素 剤 中 毒 例 で は,血 糖 値 の上 昇. つ ぎ に 本 中 毒 で は 興 奮 痙 攣 等 の 症 状 が み られ る と こ ろ か ら鎮 静,鎮. 痙 剤 が 治 療 薬 と し て 試 み られ て い. る 。 ま ずHutchensら36)は. 中 毒 犬 をpentobarbital. に よ って 軽 い 麻 酔 状 態 に18〜24時. 毒 犬 にphenobarbital,. して5匹. 中4匹. pentobarbitalを. (Endrinを 内服 した65才女 子例 では219mg/dl, BHC,. DDTを. Endrin,. 内 服 し た65才 男 子 例 で は268mg/dl). と尿 糖 を認 めて お り,福 原23)らのEndrin中. 間 保 つ こ とに よ って. 毒2例. にお いて も尿 糖 が み られ て い る。 この よ う に一 般 に有 機 燐 剤,有 機 塩 素 剤 中毒 で は. 死 亡 率 を 減 少 せ し め て い る 。Tourtellotteら42)もFA Na中. り. 投与. を救 命 し た と い う。橋 本14)ら もGOBA,. 血 糖 の 上 昇 が み られ,他 方 有 機 フ ッ素 剤 中毒 で は血 糖 値 が 下 降 す るよ うで あ る。 これ らの 中 毒 は本 邦 で.

(19) 有 機 フ ッ素剤 中 毒 に 関 す る研 究. 291. 多発 す る もの で あ って,そ の い ず れ も興 奮,痙 攣,. り発 現 され る もの と考 え られ て い る。 そ して 事 実 ニ. 意 識 消 失 等 の 中枢 神 経 系 の 症状 を主 とす る と ころ か. ツ ソ ー ル に よ る中 毒 動 物 臓 器 中 に もク エ ン酸 の 蓄 積. ら,こ れ らの 中毒 の鑑 別 に血 糖 値 の測 定 を行 うこ と. が み られ て い る14)。. は有 意 義 な もの と思 わ れ る。(も 毒 はChEの. っ と も有 機 燐 剤 中. 活 性 の 低 下,縮 瞳 等 が み られ る点 が特 異. 的 で は あ る が。)16,16). (MNFA)も. フッ ソ ー ル. 同様 の 中毒 発 生 機 転 を有 す る もの と考. え られ るが そ の毒 性 は マ ウ ス に お け る急 性 経 口毒 性. 他 方 有 機 フ ッ素 剤 中毒 の発 生 機 転 に関 してはPete rsら37,39,40)の 説 く如 くモ ノフルオ ー ル クエ ン酸 がTCA cycleに. こ の よ うに ニ ツ ソ ール (FAM)と. お け るaconitaseの. でLD50. 205.0mg/kgで. あ り,フ ッ ソ ール の25.3mg/kg. に比 して 約1/10であ る と い われ て い る11)。. 活 性 を 阻害 す る こ とに. 有 機 フ ッ素 剤 中 毒 にお け る中 毒 症 状 を みて み る と. 起 因 す る と され て い る が,血 糖 値 の低 下 が み られ る. 心 臓 障害 に よ る症状 と中 枢 神 経 系 の 症 状 を主 とす る. と こ ろか ら糖 代 謝 の他 の部 位 に別 の障 害 が 存 在 す る. と され て い る。 この い ず れ の 症状 が 強 く現 わ れ るか. こ とが 推 測 され 興 味 深 い。. は動 物 の種 類 に よ って 異 な り35),家 免 で は 心臓 障害. 人 体 で の 急 性 有 機 フ ッ素 剤(Nissol)中. 毒 につ い. て. が強 く血 圧 の下 降,心 室性 期 外収 縮,不 整 脈 な どが み られ るが,犬 で は 中枢 神 経 系 症 状 を主 徴 と し,人. ニ ツ ソ ー ル(Nissol, monofluoroacetamide)も. N‑methyl‑N‑〔1‑naphtyl〕 フ ッ化 酢 酸 の誘 導 体 で あ. って,や は りそ の 生 物 活 性 は 生 体 内 で フ ッ化 酢 酸 ま で転 化 され,フ. ッ化 酢 酸 と して の 生化 学 的機 作 に よ 表22. Nissol,. Fussolに. 間 で は心 臓 お よ び 中枢 神 経 系 の両 症 状 を伴 う混 合 型 で あ る とされ て い る。 人 体 に お け る有 機 フ ッ素 剤 中毒 報 告 例 お よ び経 験 例 をみ る と表22に 示 す 如 くで あ る。. 有 機 フ ッ素 剤 中 毒 の 報 告,経 験 例 一 覧. よ る中 毒 が 本邦 で散 見 され て. 私 の 症例 で の 重 症例 の 臨床 症状 を み る と意 識 消 失. い るの で あ るが,こ の 表 で み る フ ッソ ー ル,ニ ツ ソ. が 最 も特 徴 的 で あ って,第3病. ール に よ る中 毒例 は い ず れ も経験 者 か らの私 信 によ. 消失 が み られ て い る。 そ して意 識 消 失 時 に不 安,興. る もの で あ って,検 査所 見等 の詳 細 は調 べ られ て お. 奮状 態,軽. らず 不 明 で あ る。 この表(表22)で. 流 涎,流 涙,尿 失 禁 な ど もみ られ て い る。 しか しな. の時 間 は2〜3時. み る と発 病 まで. 間 で あ り,症 状 は頭 痛,悪 心,嘔. 吐,眩 暈,発 熱,興 奮 状 態,痙 攣 な どの 中 枢神 経 症. 日ま で に6回 意 識 の. 度 の痙 攣 な どが み られ た 。 そ の他 発 熱,. が ら脈 の不 整 は み られ な か った 。 本 症 例 で は 図29に 示 す如 く意 識 障 害 と血 糖 値 の 間. 状 と血 圧 下 降,不 整 脈 な どの循 環 器 症 状 が み られ,. に は 明 らか な 関係 が み られ,血 糖 値 の低 下 時 に意 識. 瞳 孔 の 状 態 で は散 瞳,縮 瞳 と もにみ られ て い る。 7. は消 失 す るが,ブ. 例 の うち4例 が死 亡 し,早 い例 で は発 病3時 間後 に 死 亡 して い る。. ドウ糖 の静 脈 注 射 に よ っ て速 や か. に意 識 が 回 復 して い る 。 ま た連 続 して 点 滴 静 注 を行 っ て い る際,ブ. ドウ糖 液 に続 い て薬 液 を リン ゲル 氏.

(20) 292. 橋. 田. 邦. 夫. 液 に変 え た と こ ろ意 識 の 消失 をみ た場 合 が あ っ た 。. で は意 識 消 失 に到 る よ うな重 症 中毒 は1例. ブ ドウ糖 液 の投 与 量 に つ い て は重 篤 時 に は1日 に5. れ て お らず,や. %ブ ドウ糖 液3,000mlで. 身体 の 汚染 を避 け る こ とが中 毒 防止 の た め に 大切 な. ドウ糖 液40mlを1時 た 。 第3病. は不 充 分 で,さ. らに40%ブ. 間毎 に静 注 して良 好 な結 果 を み. も発 見 さ. は り薬 剤 の 取 扱 い上 の 注意 を守 り,. 事柄 とい え よ う。. 日 に み られ た意 識 消 失 時 に は,血 糖 値 は 第5章. 160mg/dlと 低 下 は み られ な か った の で あ るが,そ れ. 結. 語. で もな お ブ ドウ糖 の投 与 が有 効 で あ り,本 中毒 の あ. 有 機 フ ッ素剤 中 毒 動 物 の 治療 実 験,血 糖 値 の観 察. る時 期 に は正 常 値 を越 えて血 糖 値 を高 く維 持 す る必. な らび に人 体 中 毒例 の 観 察 を行 って 次 の如 き結 論 を. 要 が あ る と思 わ れ る 。また 本 例 で のacetamideの. 得 た。. 効. 果 につ いて み る と第1回 目の意識 消失時 にはacetamide 10gの 筋 注 と,ブ. ドウ糖 の投 与 を行 い1時 間20分 後. に意 識 の 回復 を み た が,第2回 acetamide. 意 識 消 失 時 に は まず. 10gの 筋 注 の み を行 い, 50分 間 に わ た り. 1). FAM中. 毒 ラ ッテ に 対 して 種 々の ア セチ ル 基. 供 与 体 で治 療 実 験 を試 み, acetamideに. 最 も優 れ た. 治 療 効 果 が み られ,全 例 を救 命 す る こ とが 出 来 た 。 ethanol,. monoacetin,. glucoseに. も延 命 効 果 が み. 経 過 を観 察 した が好 転 せ ず,つ い で ブ ドウ糖 の投 与. られ た 。phenobarbital,. を行 い,そ の40分 後 に意 識 は 回復 して い る。 こめ よ. 度 の 延 命 効 果 お よ び鎮 痙 効 果 が み られ た 。. うに意 識 の 回復 に は ブ ドウ糖 の方 が よ り有 効 と思 わ れ る が,動 物 実 験 で のacetamideの え ば,高 張 ブ ドウ糖 液 にacetamideを. 優 れ た成 績 を思 加 えて 点 滴 静. 注 を行 う事 が重 篤 時 に は最 も有効 で は な いか と考 え られ る。. 2). FAM中. cainamideの. procainamideに. もあ る程. 毒 家 免 に お い て もacetamide,. pro. 投 与 は 対 照 群 に比 して生 存 時 間 を約2. 倍 に延 長 せ しめ る こ とが で きた 。 3). FAM投. 与 ラ ッテ で は血 糖 値 は低 下 す る頃 向. に あ る が,投 与 量 の増 加 と と もに血 糖 低 下 は著 明 と. 中等 症 で は意 識 の混 濁,痙 攣 が み られ た が,血 糖. な り,し か も痙 攣 発 作 時 あ る い は そ の前 後 で低 下 は. 値 の低 下 は 明 らか で は な か った 。 しか し中等 症,軽. 著 明 で あ っ た 。他 方methylparathion,. 症 共 に ブ ドウ糖 負 荷試 験 に お け る血 糖 の上昇 は悪 く,. ラ ツ テ で は血 糖 値 の上 昇 が み られ た。. Endrin投. 与. この 事 実 は本 邦 で 多発 して い る有 機 燐 剤 や有 機 塩. 糖 代 謝 障 害 の存 在 が推 測 され る。 検 査 所 見 で は血 液像 で は 白血 球 増 多,好 中球 増 多,. 素剤(特. にEndrin)中. 毒 と有 機 フ ッ素 剤 中 毒 との. 好 酸 球 減 少 が み られ た が い ず れ も経 過 と共 に 回復 し. 鑑 別 に有 力 な手 掛 り とな る新 知 見 で あ り,さ らに有. て い る 。肝 機 能 に つ い て は重 症 ・中等 症 で は一 時 的. 機 フ ッ素 剤 中毒 の 発 生 機 転 解 明 に重 要 な示 唆 を与 え. な障 害 を来 た した が,い ず れ もそ の後 正 常 化 して い. る もの と思 われ る。. る。 ま た血 清 カ リウ ムの減 少 が み られ た。. 4). 有 機 フ ッ素剤 中 毒 で 不整 脈,心 室 細 動 な どの重 篤 な心 障害 が み られ る こ とが あ り, Brockmann. 29). MNFA中. 毒 人 体 例 に お い て意 識 の消 失 と血. 糖 の 低 下 の 間 に密 接 な関 係 が み られ た 。 ブ ドウ糖 の 大 量 投 与 が 意 識 の 回復 に は極 め て有 効 で あ っ た。. らは期 外 収 縮,心 筋 障害 を起 した症 例 で プ ロカ イ ン. (〓筆 に当 り御 懇 篤 な る御 指 導 御 校 閲 を賜 わ っ た恩. ア ミ ドの点 滴 静 注 を行 って い る。 しか しなが ら私 の. 師 平 木 教 授,岩 崎 助 教 授 な らび に兵 頭 博 士 に深 甚 の. 経 験 例 で は こ の よ うな症 状 は み られ な か っ た。. 謝 意 を表 す る。). 以 上 の如 くニ ツ ソ ー ル は散 布 作 業 時 の汚 染 に よ っ て も重 症 中毒 が発 生 し,人 体 に お け る毒 性 は強 く, 危 険 な薬 剤 と考 え られ る。 しか し第2編 で 述 べ る如 くニ ツ ソ ー ル散 布 作 業 者181名. につ い ての 実 態 調 査. (本論 文 の 要 旨 は第41回 日本 産 業 医学 会 総 会 にて 発 表 し た。) 文 献 は巻 末 に一 括 表 示 す る。.

(21) 有 機 フ ッ素 剤 中毒 に 関 す る研 究. Studies. on Agricultural. Organofluoride Part. Experimental. and clinical with. 293. Poisoning. I. studies. emphasis. on organofluoride. poisoning. on treatment By. Kunio Department. HASHIDA. of Internal Medicine, Okayama. University Medical School. (Director: Prof. Kiyoshi Hiraki) Treatment. experiments and blood sugar determinations were. carried out on organofluoride‑. intoxicated animals and the results were as follows. 1. FAM (monofluoroacetamide)‑intoxicated rats were treated with various acetyl radical transferring compounds recovery. of which acetamide was found to be most effective and resulted in 100%. of the animals treated. Treatment. with ethanol monoacetin, and glucose led to the. prolongation of survival times of the intoxicated rats. Some increases of the survival times and anticonvulsive effects were obtained also by the use of phenobarbital and procainamide. 2.. Administration of acetamide and procainamide to FAM‑intoxicated. rabbits resulted in. approximately twice as longer survival times as those of the controls. 3. more. FAM. administered rats showed a general tendency to low blood sugar levels, and the. the dosage of FAM. maximum. decrease. was given, the greater the degree of hypoglycemia was observed.. The. was noted in the midst of or before and after convulsions of the administered. rats. Methylparathion and Endrin administered rats, on the contrary, indicated increased levels of blood sugars. These. observations suggest that determination of blood sugar levels can be a clue to diffe. rentiating organofluoride‑intoxication from organic phosphate. and chloride (especially Endrin)‑. intoxications which occur frequently in Japan. And this point may contribute to the understanding of the etiology of organofluoride‑intoxication. 4.. A close relationship between unconsciousness. obtained in a MNFA. (N‑methyl‑N‑(1‑naphthyl). Administration of large doses of glucose was unconsciousness.. and a decrease in blood sugar levels was. monofluoroacetate)‑intoxicated. human. case.. found to be very effective for the recovery of.

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