• 検索結果がありません。

澤田 英郎

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "澤田 英郎"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

宝塚西トンネル事故対策としての 動的情報システムの効果的告知方法

澤田 英郎

1

・日野 泰雄

2

・巌 恵理

3

・福本 薫

4

1正会員 西日本高速道路エンジニアリング関西㈱ 交通・環境技術部 (〒567-0032 大阪府茨木市西駅前町5-4) E-mail:[email protected]

2正会員 大阪市立大学大学院教授 工学研究科都市系専攻 (〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138) E-mail: [email protected]

3正会員 ㈱大林組 建築事業部 生産設計部 (〒530-8520 大阪市北区中之島9-6-32) E-mail:[email protected]

4非会員 西日本高速道路㈱ 関西支社 交通計画課 (〒565-0805 大阪府吹田市清水15-1) E-mail:[email protected]

中国自動車道上り線宝塚西トンネル付近で多発する追突事故に対して,これまでに,渋滞原因とされる トンネルやサグなどを対象とした様々な対策を講じてきた.一方で,ドライバーの渋滞に関する動的な情 報ニーズが高いとの調査結果も踏まえて,トンネル内での速度低下を速やかに知らせるための動的な情報 提供を行うシステムを導入した.その運用に関しては,交通流分析からみた効果に加えて,ドライバー調 査からも事故対策効果が期待される結果を得たが,その認知程度が低く,周知方法が課題として指摘され たため,さらにアンケート調査を実施した.本研究は,これまでの対策の導入・改善と連動して実施した ドライバー調査結果に基づいて,対策による行動改善に至るプロセスの分析から,より効果的と考えられ る告知内容とその設置場所を提案するものである.

Key Words : congestion and accidents, dynamic information system, announcement method

1. はじめに

中国自動車道上り線西宮北IC~宝塚ICでは,特に,宝 塚西トンネル付近の追越車線における渋滞発生直後の追 突事故が多いことから,様々な情報提供機器を用いたド ライバーへの注意喚起が行われてきた1)

平成23年度には,対象区間の情報提供システムを概観 するとともに,事故や渋滞時における運転特性と情報提 供による影響の把握を行い,検討中の動的情報提供シス テムの有効性評価の手がかりを得た.特に,交通流面で の効果のみならず,ドライバーの意識面からの評価が課 題として指摘された2).そのため,翌年度には,動的シ ステムの運用に関する交通流分析3)に基づいて,システ ムの動作を検証するとともに,LED情報板の「速度低 下」表示の認知によって速度上昇率の低下や車間距離が 増大するといったように,ドライバーの安全運転行動に 有効であることが示された4).一方,当該区間を走行し たドライバーに対するアンケート調査結果からも,動的 システムが安全運転に繋がる可能性が高く,特にシステ ムを認知した人ほどその傾向が強いことが示されたが,

肝心の認知率が低いため,システムの効果をより高める ために,システムの周知が課題とされた5)

以上の経緯から,平成25年にはシステムの告知場所と その内容に関してドライバーへのヒアリング調査を実施 し,情報告知の内容と設置場所に関する有用な知見を得 た.本研究では,これらの時系列に沿って,安全対策工 の立案,効果検証,そして追加対策としての対策工の広 報に至る一連の事故対策検討に応じて実施したドライバ ーの意識調査の結果の有用性を示すとともに,最終的に 結果として得られた効果的な情報告知の内容と設置場所 を提案することを目的とする(図-1).

図-1 ドライバー意識を反映した事故対策の取り組み 対策工の検討

対策工の実施

対策工の評価

追加対策(広報)の立案

■情報手段と評価

■ヒヤリハッとの経験

■対策の有効性の評価

■動的システムの認知

■動的システムによる行動変化・評価

■認知・情報取得・理解のプロセス

■効果的告知内容

■認知を高める告知場所

(2)

2.ドライバーの渋滞情報ニーズと運転行動2)

2.1 調査の目的と概要(H23調査)

これまでにも当該区間では,追突事故対策として様々 な情報提供機器を用いてドライバーへの注意喚起を行っ ているが,ドライバーの危機意識や情報ニーズとその評 価については十分に把握されていないことから,ドライ バーへのヒアリング調査(H23調査)を実施した(表-1).

なお,主な調査項目は,当該区間利用時の渋滞・事故 (ヒヤリハット)経験(以後危険経験),渋滞の情報収集方 法とその対応,情報に対する満足度などである.

調査は平休日で実施したが,平日では仕事目的と危険 経験が高いのに対して,休日では渋滞経験がやや高かっ た(表-2).これは,仕事利用(義務交通)では通行頻度が 高いため危険経験は多いものの,渋滞はある程度回避し ていることによると考えられる.

表-1 ヒアリング調査の概要

11.12(Sat) 11.14(Mon)

174 201

男性 151(86.8%) 185(92.0%) 女性 22(12.6%) 15( 7.5%) -30代 40(23.0%) 48(24/0%) -50代 75(43/0%) 82(41.0%) '60代- 56(32.0%) 66(33.0%)

運転歴20年- 80.0% 79.0%

注)属性の不明は除くため、総数と一致しない。

性別 年齢

場所 中国道西宮名塩SA 日時

H23 11:00~17:00 回答数

表-2 平休日の属性比較

平日 休日

性別 年齢 運転歴

目的 仕事・旅行が各4割 旅行が半数

渋滞 67% 76%

危険 69% 54%

原因 認識 注目

情報 満足度 渋滞中・速度落とせ・車間注意 トンネル手前の速度低下

渋滞情報が4割 満足は4割 渋滞危険

経験 属性

男性9割 30-50代で半数 20年以上で8割

渋滞

2.2 危険経験と渋滞時の運転

対象区間で渋滞経験のある人は 7 割で,うち 6 割が主 として「追突」の危険を経験しており,半数以上が「急 に渋滞し始めたとき」に経験していると回答した(図-2).

急な渋滞 52 経験あり 63

経験あり 71

追突 55

渋滞直後 24

経験なし 29

経験なし 36

接触 40 渋滞後しば らくして 17

0% 20% 40% 60% 80% 100%

渋滞経験

(N=375)

事故・ヒヤリ経験

(N=266)

形態

(N=212)

渋滞状況(N=89)

図-2 危険経験の有無と形態

一方,危険経験がある人は,渋滞を情報で認識してい るのに対して,経験のない人は走行状況から自ら判断し

ているため,その判断を間違えると事故に至る危険性が あると考えられる(図-3).これらのことから,渋滞発生 の初期段階で,できるだけ速やかな情報提供が必要と考 えられる.

32

41 14

22

34

39

5 6

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

経験あり

(N=207)

経験なし

(N=125)

渋滞情報 車間距離の短縮 速度低下 なんとなく わからない 無記入

-3 危険経験の有無と渋滞の認識方法

2.3 渋滞発生過程と情報ニーズ

渋滞の発生過程に対応した運転行動をみると,基本的 には「車間距離をとって」,「速度を下げ」,「他車に 気を付ける」といった行動が中心になっている.しかし,

「渋滞し始め」には,若干ではあるが,情報ニーズが高 くなっていることから,渋滞発生過程での事故危険を回 避したいといったドライバー心理がうかがわれる(図 4).

30 29 33

38

25 19

30 25

25 37

24 20

8 5

8 12

0% 20% 40% 60% 80% 100%

急に渋滞し始めたとき (N=186)

渋滞直後 (N=71) 渋滞後しばらくして

(N=64) 渋滞が始まり大分経って

(N=24)

車間距離をとる 速度を下げる 他車に気をつける 情報に注意する

割り込まれない 空車線に変更 その他

-4 渋滞状況別の運転行動

そこで,渋滞の情報源をみると,カーナビといった IT手段も増加している中,依然,情報板が最も多いが,

その満足度は6割に満たない(図-5).

情報板 136 ハイウェイ ラジオ111

FMラジオ

51 カーナビ

(VICS) 106 その他

17

0% 20% 40% 60% 80% 100%

渋滞時の情報源 N=425

十分 57 少ない22多すぎる 16

その他 5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

情報の満足度 N=101

-5 渋滞情報源と満足度

また,危険経験時の渋滞状況別に日頃の情報源をみる と,渋滞中に経験した人は普段ラジオで情報を取得して いるのに対して,渋滞直後(渋滞し始めと直後)では情報 板が多くなっているが,その満足度は高くない(図-6).

これらのことからも,特に渋滞発生直後に,適切な情報 提供が求められていると言える.

(3)

図-6 危険経験時の渋滞状況別情報満足度

2.4 ドライバーニーズからみた情報提供システム ドライバーは,速度低下や車間距離などから渋滞を認 識し,他車に気をつけるようになるが,渋滞し始めには 認知遅れから追突事故に至る危険性がある.このことか ら,速度低下に伴う渋滞発生の兆候を迅速にドライバー に伝える情報提供システムが求められるところである.

3.動的システムに対するドライバーの認知と効果4)

上記の経緯を経て,中国自動車道宝塚西トンネル内及 びその手前に速度センターと,さらにその上流側 LED 情報板と自発光型大型デリニエータからなる動的な情報 提供を行うシステム(以下,動的システムと略記する)

の運用を平成 24 年 8 月から始めた.

そこで,交通流の変化を踏まえつつ,ドライバーによ る動的システムの認知と行動変化に関する調査(平成 24 調査)を実施することとした.

3.1 動的システムの概要と効果評価の考え方 (1) システムの概要

宝塚西トンネル内で速度センサー等により検知した速 度低下情報を,LED情報板や自発光デリニエータを用 いて,後方車両のドライバーに迅速に提供し,前方車両 への追突を防ぐためのものである(図-7).

-7 動的システムの概要

(2)効果評価の考え方

動的システムの効果については,①交通流による客観 指標と②意識・行動の主観的指標の両面からの評価が必 要である.本稿では,調査日の交通流データから,調査 日の速度と車間距離の変化に注目し,当該区間を走行し たドライバーの動的システムに対する認識が行動にどの ように影響を及ぼしているかをみることとした.

3.2 交通流の観測

(1) 運用実績データからみた交通流変化3)

動的システム運用開始後,その効果を検証するために,

平成 24 年 10 月 27 日から平成 24 年 12 月 9 日までの期 間に観測された速度と車間距離のデータから交通流の分 析したところ,「速度低下」表示中の方が消灯中よりも 速度上昇率が低下し,LED情報板前後で車間距離が増 加し,「速度低下」表示の認知によってさらに増大して いることがわかった(図-8, 9).

図-8 車両計測センサーによる測定位置

75.5

78.0

74.9

78.2

72.0 74.0 76.0 78.0 80.0

地点A(20.9kp)地点B(20.6kp) 速度

(km/h)

位置

「速度低下」表示中 LED非表示

LED情報板

+4%

+3%

図-9 平均速度の変化 図-10 平均車間距離の変化

(2) アンケート調査実施日の交通流変化

アンケート調査を実施した10月27日(土),11月8日 (木),11月9日(金),11月11日(日)の速度と車間距離の分 析したところ,11/9分を除いて「速度低下」表示によっ て速度上昇率が低下し,車間距離も増大していることか ら,この間に実施したアンケート調査から交通流変化に よる意識と行動の分析を行うことに問題ないと判断した.

3.3 ドライバーへの意識調査(H24 調査) (1) 意識調査の概要

当該区間手前の西宮名塩SAで,当該区間走行予定の ドライバーに調査票を配布し,後日回答の上返送しても らうこととした.調査は,上記の平休日各2日の渋滞の 発生しやすい午前11時~午後5時に実施した.回収率 は29.3%と比較的高い結果であった(表-3).

35.9

39.8

33.2

34.4

25.0 30.0 35.0 40.0 45.0

地点A(20.9kp) 地点B(20.6kp) 車間距離

(m)

位置

「速度低下」表示中 LED非表示

LED情報板

+4%

+11%

24 31

31 27

18 9

27

27 6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

渋滞直後 (N=149) 渋滞中 (N=51)

情報板 ハイウェイラジオ FMラジオ カーナビ(VICS) その他

50 39

15 34

24 14

11 13

0% 20% 40% 60% 80% 100%

渋滞直後 (N=112) 渋滞中 (N=46)

十分 少ない 多すぎる その他

【普段の情報源】

【情報の満足度】

走行方向 宝塚西トンネル

(簡易トラカン) LED

情報板

地点A 地点B 地点C 地点D (20.9kp) (20.75kp) (20.6kp) (20.22kp)(20.12kp)

速度センサー 車両計測 センサー

宝塚西トンネル 車両計測センサー デリニエータ

LED

<信号発信>

車両 進行方向

<後方車両へ注意喚起> <速度低下検知>

<処理・判定>

宝塚西トンネル内で検知した速度低下情報を,後方車両に仮設 LED 情報板やデリニエータを用いて迅速に情報提供し,ドライ バーの注意を喚起することで,前方車両への追突事故を防ぐ

(4)

調査内容は,属性,目的,当該区間の利用状況,シス テム認知,行動への影響,システムの評価等である.

表-3 アンケート調査の概要 調査日(2012) 天候 配布数 回収数 回収率(%)

10/27(土) 晴れ 494 132 26.7

11/ 8(木) 晴れ 533 157 29.5

11/ 9(金) 晴れ 527 165 31.3

11/11(日) 289 78 27.0

18

1,843 550 29.8

合計 不明

(2) 意識調査による動的システムの効果評価 1) LED情報板

対象箇所を走行したドライバーのうち約4割がLED情 報板を認知し,そのうち約6割が表示内容を認識したと 回答している(図-11).しかし,実際のLEDの表示履歴 と突き合わせると,そのうち約4割が走行時にはLEDは 点灯していなかったことから,LEDの表示内容までを正 確認知したのは全体の約1割(70名)程度にとどまった.

図-11 LED情報板の認知・認識

しかし,事故防止勧告の認知によって,他車等への注 意行動や速度・車間距離・車線変更といった直接行動が 喚起されることもわかった(図-12).このことから,動 的システムによる情報提供が,ドライバーの注意喚起と 安全行動の誘導に一定の効果を示したと考えられる.

速度変化 4

他車に注 22 4

2 車間

3

情報 2 車線変更

3

0 5 10 15 20 25

直接行動(n=10) 注意行動(n=24) 変化なし(n=4) その他(n=2)

回答数 認知後の

行動分類

※nは回答数

図-12 認知後の行動変化

2) デリニエータ

点灯状態を認知したドライバーの半数が何かしら気に なり,注意することを意識したと考えられる(図-13).

-13 デリニエータ認知後の感想 3) 動的システムの評価

約7割が動的システムの事故防止効果を肯定的に捉え,

認知ドライバーによりその傾向が高かったことから実体 験が評価に反映されたと言える(図-14).

64.3

52.0 11.9

14.3 21.4

11.9

0% 50% 100%

渋滞抑制に効果的 事故防止に効果的 両方に効果的 どちらにも効果がない わからない その他

無記入

認知した (N=14)

認知していない (N=177)

-14 情報認知別効果評価

3.4 動的システムの効果向上のための周知

本節では,トンネル部での速度低下を即時的に上流側 に情報提供するシステムがドライバーの注意喚起や行動 変化に影響を及ぼし,その結果として交通流の変化をも たらしている可能性が高く,このシステムの事故防止効 果が期待されることがわかった.

また,システムの認知割合は決して高くなかったが,

システムを認知したドライバーの方が注意行動をとりや すく,システムの事故防止効果に肯定的であったことか ら,システムの効果的な周知方法が次の課題とされた.

4.動的システムの効果的告知方法

4.1 調査研究の目的と方法(H25 調査)

前年度調査で明らかとなった対策工の広報として,筆 者らは平成25年4月24日より対象箇所上流の主要な休憩 施設で,トイレボードやポスター,チラシ等の掲示を開 始した.そこで,これら広報の情報告知方法(場所,形 式,内容等)について,複数のデザイン変更案を実験的 に掲示し,ドライバーに比較・評価してもらうことで,

より効果的な広報の方法を提案することとした4). 西宮名塩 SA のトイレ,テーブル,情報板に,告知物 の組み合わせ毎に一定期間(1 週間)設置し,3 回に分け て調査を行った(表-4, 5).なお,告知物の組み合わせに

5%

15%

35% 30%

10%5%

驚いた

気をつけようと思った 何かわからないけど気になった 特に気にならなかった その他

無記入

N=20

(5)

ついては,1 回目は既存告知とその改良型,2 回目は図 説型に改良した2種類と1回目最も評価の高かった告知 物,3回目では注意喚起型の2種類と2回目で最も評価 の高かった告知物とした.

表-4 告知物の設置場所と告知物の組み合わせ

第1回

(従来・改良型)

第2回

(図説型)

第3回

(注意喚起型)

設置H25.11.21 撤去H25.11.30

設置H25.11.30 撤去H25.12.7

設置H25.12.7 撤去H25.12.14 テーブル上 A4 従来型・写真型 シンプル型・詳細型

第1回最良告知物

命令指示型・情報告知型 第2回最良告知物 トイレ前掲示板

(左) B2 従来型 詳細型 情報告知型

トイレ前掲示板

(右) B2 写真型 第1回最良告知物 第2回最良告知物 設置H25.11.21

撤去H25.12.2

設置H25.12.2 撤去H25.12.9

設置H25.12.9 撤去H25.12.15 - 従来型(横) シンプル型(横) 命令指示型(横) 場所 サイズ

ハイウェイ情報 ターミナル(HIT) モニター画面

-5 平休日別のサンプル特性

調査回 平日 休日 合計 年代 平日 休日 第1回目 182 163 345 10~30代 24.9% 23.5%

第2回目 139 209 348 40~50代 44.2% 36.7%

第3回目 169 166 335 60代以上 30.1% 39.8%

合計 490 538 1028 無回答 0.7% 0.0%

サンプル数 平休日別の年齢構成

4.2 告知物の認知度と評価に関する調査

回答者 1,028 名のうち告知物を見た人は 2 割程度にと どまったが,見た人の 6 割は内容を読み,読んだ人の 8 割が内容を理解し重要性を感じ,またしっかり読んだ人 ほど理解度と重要度が深まることがわかった(図-15).

見た

17.6 見ていない82.4 しっかり

読んだ 17.7

さっと読んだ43.1読んでいない38.1 44.1

27.1 52.5

38.1 50.8

33.1 12.7 19.5 11.9 5.1

2.5 2.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

視認度 N=1028 情報取得

N=181 理解度 N=110 関心度 N=110 重要度 N=110

とてもある 少しある あまりない 全くない

42.3

56.3

21.8

43.8

51.3 62.5

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0

さっと読んだ N=78

しっかり読んだ N=32

(

%)

とても理解した とても関心があった とても重要だと感じた

-15 告知物の認知度とドライバーの評価

4.3 設置場所の評価

告知物を読んだ場所(設置場所)はトイレ内で過半数を 占めたが,掲示板も 2 割程度あることから,道路や通行 の情報にも関心が高いことがわかる(図-16).しかも,

掲示板の方がしっかり読む傾向もみられた.

53.3 9.5

22.9

9.5 トイレ内

HITモニター 掲示板 テーブル 売店 喫煙所 その他

25.0 45.8

75.0 54.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

トイレ内 N=56

掲示板 N=24

しっかり読んだ さっと読んだ N=105

-16 情報取得場所と各場所での情報取得状況 なお,西宮名塩 SA のトイレでの掲示は行われていな いため,淡河 PA,赤松 PA,上荒川 PA のトイレで認知さ れたものと考えられる.また,テーブルは軽食をとった

り,休憩したりするために,告知内容を読む機会が多い と考えられたが,調査日には寒さのため滞在する人が少 なかったことから,時期(季節)への対応が課題となった.

4.4 形態と内容の評価

1, 2 回目では写真型の評価が高かったが,これに

「命令指示」と「情報告知」を加えると,その評価は逆 に最も低くなった(図-17).また,ドライバーが最も注 意をひく見出し文は「命令指示」であり,その中でも,

「追突事故多発! 情報板に注視!」が 8 割を占めたこと から,当該区間での追突事故に対する警戒とその防止行 動に関心が高いとも考えられる(図-18).

図-17 各調査での告知物選択結果

-18 ドライバーによる告知見出しの選択結果

4.5 結論と課題

本調査でもまだ情報告知の認知度が低い結果となった が,これは季節や天候に加えて,設置場所に関する制約 によるものと考えられる.しかし,告知物は認知され,

読まれれば,ドライバーの理解度と意識を高めることか ら,①トイレ内に設置する必要最低限の内容の告知物で 認知させ,②掲示板や休憩所などの詳細情報の告知物で 理解を深める告知方法が効果的と考えられる.

5.本研究のまとめと効果的告知方法の提案

本研究では,中国道上り線宝塚西トンネル付近の事故 対策を対象に,対策の立案,効果検証,そして追加対策

(6)

の検討に対して,継続的にドライバーの意識を調査する ことで,意識・行動面における対策の有効性や課題等を 検討し,結果としてより有効な対策の立案,実施につな げることができた.一方で,こうしたドライバー意識の 変化が,実際の交通安全行動や事故件数の低減にどの程 度関連するかについては,さらなる分析の必要である.

そのためには,例えば,対策導入による事故防止効果を ドライバー自身が実感するために,「認知」→「情報取 得」→「理解」→「重要認識」→「安全行動」→「事故 確率の低下」のプロセスについてのシミュレーションモ デルの構築につなげることが重要な課題と考えられる.

一方,本研究の結果からは,SAで多くのドライバー が立ち寄るトイレに簡潔な告知(例えば,見出しつき写 真型)を置いて一時情報を与え,情報板や休憩施設でよ り詳細な情報(例えば,システムの図説型)を提供するこ とが効果的であると言える.また,ドライバーにとって,

命令指示型のデザインの有効性が明らかとなったことを 踏まえ,平成26年3月27日より既存のトイレボード等 のデザインを更新するとともに,西宮名塩SAでの新た なトイレボードの運用を開始するに至った(図-19).

謝辞:本稿は,「神戸管内事故・渋滞対策検討会」の一 環としてとりまとめたものであり,神戸流通科学大学三 谷教授,兵庫県警察本部高速道路交通警察隊はじめ,検 討会委員各位に記して感謝の意を表します.

参考文献

1)西日本高速道路(株)関西支社:神戸管内事故・渋滞対策検 討会資料,2012-2013.

2)長崎美恵子,日野泰雄,寺中孝司,澤田英郎:高速道路ト ンネル部手前の渋滞と事故に関するドライバーの認識と情 報提供の関連性,土木学会関西支部,2012.

3)澤田英郎,安 時亨,亀井伸二,三戸隆治:中国道上り線 宝塚西トンネルにおける事故対策と効果検証,第 33 回交通 工学研究発表会論文集,pp.1-4,2013

4)岡田 優,日野泰雄,三戸隆治,澤田英郎:ドライバーから 見た高速道路の動的渋滞情報システムの評価に関する調査 研究,土木学会関西支部,2013

5)巌 恵理,日野泰雄,福本 薫,澤田英郎:高速道路にお ける渋滞・事故対策導入時のドライバーへの効果的告知方 法,土木学会関西支部,2014

(2014. 8. 1 受付)

AN EFFECTIVE METHOD OF NOTIFYING THE DYNAMIC INFORMATION SYSTEM TO PREVENT CINGESTION AND ACCIDENT

ON TAKARAZUKA-NISHI TUNNEL

Hideo SAWADA, Yasuo HINO, Eri IWAO and Kaoru FUKUMOTO

The section between Nishinomiya-kita IC and Takarazuka IC of Chugoku Motorway has been the most typical point of occurring congestion and rear-end collision on mortorway in Kansai Area, Japan.

Therefore, various countermeasures concerned with tunnel and sag section. Especially, a new dynamic information system, which is consist of speed sensor, LED information board and delineator, to directly inform drivers the speed reduction in tunnel was introduced in 2012, based on the research results in which many drivers need the dynamic information of congestion. In addition, the effective announcement method should be the important issues to make the system more effective, based another interview survey for drivers.

This study must be a characterized stydy, from view point of a series of surveys according to introducing the countermeasure and improvements. And some major findings came out of this study.The first one was that drivers’ behaibiours concerned with congestion and needs for information was revealed by the results of first survey. The second one is that many rivers evaluated the effects of the dynamic information system but this system was not much recognized by drivers, based on the second survey. The third one was that some effective notifying method consists of contents, design layout and location of this new system was proposed based on the results of the third survey.

-19 新設された西宮名塩SAのトイレボード

参照

関連したドキュメント

(50音順・敬称略) 所在地 1 旭建設株式会社 横浜市港北区 2 有限会社汐田土木 横浜市鶴見区 3 株式会社大林組

and Tanaka, A., “A Game The- oretic Model for AS Topology Formation with the Scale-Free Property,”IEICE Transactions on Information and Sys- tems, E93.D(11), pp. and

[r]

[r]

[r]

genus Hydrangea (Saxifragaceae) in the Ryukyu Archipelago, Japan – on the origin of the tetraploid Hydrangea liukiuensis endemic to Okinawajima Island.. International

在宅輸血療法チャート 在宅輸血の対象か? 医療機関での輸血、または 輸血以外の治療を選択 過去に輸血歴があるか? いいえ はい

Vitamins (Japan), 85 (10), 519-530 (2011).. The prevalence rates of vitamin A deficiency and marginal deficiency were 6.9% and 18.2%, respectively. The total prevalence