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智山學報 第59 - 007森口 光俊「聖憲作、良尊鈔注「病中寓言 阿字観鈔」考(一)」

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全文

(1)

聖 憲, 良鈔注病 中寓言

 

阿字観 鈔 ) (

 

 

 

 

  私 蔵

、 聖

、 良 尊

「 病 中 寓 言

 

鈔 」 の テ キ ス ト に よ っ て 復 元 さ れ た 聖 憲

「 病 中 寓 言

 

」 ( 「 大 綱 」 ) が 、

に 時 代 を 経 て

注 、

文 さ れ る 歴

を た ど っ て 、 真 言 に

・ 教 二 相 、

相 教 相 一 體 無 二 と い

格 の 下 、 特 化 さ れ な け れ ば な ら な か っ た

法 ( 三 昧 ) に つ い て の

察 を 課 題 と す る 。   聖 憲

注 「 病 中 寓 言

 

観 鈔 」 書 き 下 し 、 聖 憲 作 「 病 中 寓 言

 

阿 字

」 と そ の 展 開

と の 対

の 問 題

1

稿 に 譲 る も の で あ る 。   院 政

の 阿 字 観 に つ い て は 、 三 宝 院 成

( 一 〇 一 二 〜 一 〇 七 四 ) 「 ア 字 観

」 、 勝

「 阿 字

」 ( 一 〇 五 七 〜

二 九 。 ( 北 尾 ) 、 覚

上 人 】 〇 九 五 ー

四 三 ) の 、

代 に お け る 浄 土 門 と の 応 対 ( 苫 米 地 ) 、 阿

の 基 本 理 念 ( 栗 山 、 山 崎 ) を は じ め と す る

、 阿

能 等 が 報

さ れ て い る 。 こ れ ら を う け た 粕

氏 は 、 教 相 の 学 僧 聖 憲 ( = 二 〇 七 〜 → 三 九 二 ) に 「 阿

」 の あ る こ と に 注 目 し 運 敞 師 「 結 網

の 同 書 、 「 六 地

」 の

良 尊

、 諸 注 鈔 に つ い て

言 教

の 阿

観 と と も に

悉 く 仏 徳 に 展 ず る こ と を 強 調 す る

色 を

す る 。

行 す る 一

29

(2)

智山学報第五十九輯 貴 重 な

で あ る 。   瑜 公

と 云

師 以

、 教

の 学 連 綿 と し て 運 敞 師 に 至 る と い

憲 両

に 「 阿

観 」 が

さ れ て  

 

 

 

 

            も い る 。 瑜 公 「 阿 字 秘

」 ( 「 観 秘 釈 」 ) は 阿 字

を 臨

の 至 要 と す る 。 天 台

然 の

く も

来 の 禅 門 に

れ る こ と は な い 。 そ の

「 真

記 問 答

」 に 「 禅

真 言 浅 深

」 等 、 顕 密 劣

二 二 点 の

的 言 及 が あ る の み で あ る 。  

「 病 中 寓 言

 

観 」 は 、 正 平 三

〔 = 二 四 八 ・ 四 十 二 歳 ) に 成 書 さ れ た 。 彼 は 時 代 の

言 密 教 の

し て い た 。 そ こ に 真 言

徒 と し て の 「 塵 境

 

即 ち

家 の 具 徳 、 煩

 

全 く

」 を 実

と す る 確

っ た 。 し か し 禅 門 の

勢 と

言 の 状 況 に つ い て の

及 は 無 い 。   同 時

東 寺 の

は 「 開 心

」 ( 貞 和 五 年 一 三 四 九 ) を

し 、 王 法 仏

・ 顕 密 仏 教 の 立

か ら

移 の 渦 中 に あ る 真 言

教 を 弁

し て い る 。 禅 門 の 夢

は 既 に そ の

中 ( 康 永 三 年 = 二 四 四 ) 、 「

中 問

」 を 出 版 し

ら の 立 処 を 明 ら か に し た 。   聖 憲 の 「 阿 字 観 」 は

を 経 て 天 正 五 年 、

野 に お け る

の 講 録 、

長 十 一

成 書 の 頼 慶 、 元 和 二

の 良 尊 等 に よ っ て

注 、

稿

さ れ る 。 三 者 は 慶 長

に 関

し つ つ 、 そ れ ぞ れ の 立 場 か ら 家

の 宗 政 に

じ て い る 。 後 に 運 敞 師 は 、 聖 憲 の 阿

に つ い て 「

学 邪 疾 之 鍼 貶 」 ( 結 網 集 ) と

し 、

め た 。 廃 仏

を 経 た 国 家 神

の 明 治 大 正

権 田

師 は 諸 所 に 聖 憲 の 「 阿

観 」 を 講 じ た 。 一

30

一 [

1

 

 

1

) 私

本   題 簽 欠

 

刊 記 欠 。 元 和 二 天 丙 辰 孟 穐 念 一

 

書 。 西

葉 阿 闍

( 後 記 ) 仮

、 筆 題 「 阿 字 観 鈔 全 」 ( 裏 沙 門 承 賢 − 承 監 伝 持 所 蔵 名 ) 。 本

に は 返 り 点 、 送

名 が

(3)

聖 憲作, 良尊 鈔注 「病 中寓言 阿字観鈔」考( 一 あ る 。  

( 一 四 四 / 四 二 八 ) 、

に は 「 万 治 三 庚 子 ( = ハ 六 〇 )

吉 旦 。 中

」 と あ り 、 私

の 「

」 と

え ら れ る の で 、 私 蔵

は こ れ 以

の 摺

で あ る と 推 測 さ れ る 。 猶

学 ( 旧 豊 山 大 学 所 蔵 本 ) の 内 の

の 二 本 に も 刊 記 は な い 。 当 良 尊

の 題

に つ い て

校 正 再

に も 「 阿 字

」 と あ る も 、 聖 憲 作 「 病 中 寓 言   阿

」 の 鈔 注 で あ る こ と を 明 ら か に

る た め に 、

稿

で は

 

聖 憲

尊 鈔 注 「 病 中 寓 言

 

阿 字

」 と し た 。 以 下 の

正 大

頼 慶 著 に つ い て は 大 谷

可 を

た も の で あ る 。   (

2

) 類

1

正 大 学

( 一 四 四 / 四 二 八 ) 、

紙 題

、 私 蔵 本 と 同

の 訂

。                 万 治 三

( 一 六 六 〇 )

旦 。 中 村 五 郎 右

板 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

31

             

の 再

と も 異 な る

字 の 改 訂 が あ る 。 外 二 本 、 旧 曲 豆

学 蔵 本 ( 一 四 八 / 五 七 五 八 )

2

 

新 板 校 正 「 阿

」 再 治

。 大 正

学 蔵

一 四 八 / 五 六 )         聖

「 阿 字 観 」 ( 大 綱 ) 全

と し て 別 出 せ ず 、

門 中 に

に て

示 。 上 下 巻 に 分 け な い 。 初 め に 良

        序 、

( 聖 憲 の 序 ) 、 本

尊 「 阿 字

」 、

記 。                 寛

十 三

丑 歳 ( 一 ⊥ ハ 七 三 ) 六 月 日 。 中 村 七 兵

 

板 行                               本

に は 返 り 点 、 送 り

名 が あ る 。 ( 寛 文 十 年 書 籍 目 録 に よ る 本 あ り 「 国 書 」 )   (

3

) 異 本

1

「 ア

観 秘

鈔 」

宜 著 ( 一 五 三 六 〜 = ハ 一 二 )

正 大

蔵 本 ( 一 四 八 / 六 四 )

(4)

智 山学報第五十九輯             祐 宜 講 義

文 写 本 。 ( 聖 憲 鈔 の 嚆 矢 を な す か )     天 正 五 丁 丑 ( 一 五 七 七 ) 十 一 月 日 、

高 野

諸 国 之

依 所 望 。

之 。

宜 四 十 二 歳 。     此 の 書 は 根

中 性

祖 師 聖 憲 の 作 な り 。

1

な る 一 人 の 禅 者

1

 

 

 

正 平 三 暦

の 月 云 々 。     惣

寺 下

の 砌 、 早 々 に 記 す 、 本 国 下 野 の

〔 実 名 ) 、 祐 宣

秋 四 十 二 、

1

天 正 五 年 閏 七

二 十 日 、 慈 父     * 忌 の

日 に あ た っ て 之 を 記 す 。   聖 憲 「 大

」 に

っ て

え 、 阿 吽 の 二 義 、 本

の 立

よ り 説 明 し 、 特 に 禅 語

の 用 語 に よ っ て 説 こ う と す る の で は な い 。 末

は 地

の 説 相

す る 。 衆 僧 の 意 に 応 じ た 一 期 の

と し て の

の 意 図 が 此 の 説 明 に あ                                                                                               ヘ     へ る 。 「 大 綱 」 本 文 に 、

に 「 心 王 、 心 所 」 と あ り 、

に 「 心 首 」 と あ る 。 祐 宜 写 本 に 、 自

が と 思 わ れ る 「 心

」 が あ る 。 他 の

注 も 「 心 首 」 に 従 っ て い る 。 只 管 の 語 に つ き ( 解 に 作 為 の 無 理 が あ る ) 、 十 牛 図 の 第 一

の 句 に

れ る が 、 此 の 展 開 と

宗 旨 ( 秘 蔵 宝 鍵 ) と の 同 異 に

れ る べ き と こ ろ で あ る 。 聖

綱 が 禅 語 を

く と こ ろ 、 他 意 は 無 い と し て 言

な る 一 人 の 禅

で あ り 、 互 い に

と な り

子 と な

し て 相 互 に そ の 秘

し あ っ た の で あ る と 。

に 、 智 山 運

僧 正 の 「 結

」 に

者 、 或 謂

公 の

な り と あ る の は 祐 宜 初 出 に よ る か 。

会 ・

目 録 に

名 あ り 。 智 山 全 書

題 所

「 智 山 学 匠

」 に

。 国 書 総 目

に 智

る 。

良 尊

注 本 に 附 せ ら れ る 血

に 、 私 に

し た よ

に 、 良 尊 ( 後 に 西 南 院 ) は 智

院 第 二 世 祐

山 以

に 「 中 性 院 流 」 を

法 し た

そ の 人 で

る と

え る が 、 一 疑 点 も あ る 。 「

」 に は 、 良

に よ る 祐 宜 の 授

は 何 も 述 べ て い な い 。 一

32

2

「 阿 字

」 聖 憲 。 写 、 一 冊 。 金 剛 三

院 ( 「 大 綱 本 」 か 。 国 書 総 目 録 、 以 下 国 書 掲 載 本 未 見 )

(5)

聖憲作 , 良尊鈔注 「病 中寓言  阿字観 鈔 考 () (

3

「 阿

中 寓

」 聖 憲

註 。

長 十 五 年 成

 

 

 

 

        大 谷 大 学

可 。

3032

. 二 冊 ・ 二 巻 。

 

 

 

記 。 御

 

慶 長 十 一

十 二 日 於

国 下 総

院 逗 留 中

之 。

 

 

 

 

    同 十 五

林 鐘 上

之 日

駿

院 閑 居 聖

了 。 桑 門

 

四 十 八

 

 

 

 

               

応 癸 巳 仲 夏

 

町 誓

 

西 村 又 左 衛 門

 

( 一 五 六 二 〜 一 六 一 〇 ) 、

遍 照

の 学 僧 。 慶 長

間 活 躍 : 浄 土 と の

( 「 貞 安 問 答 」 、 慶 長 六 年 日 蓮 宗 貞 安 と も 、 高 野 春 秋 )

、 慶 長 十 五 年 一 六 一 〇 ) 六

成 書 、 慶 長 十 五

十 月 不 遇 の

ち に 示

四 十 九 ( 密 教 大 辞 典 。 真 言 宗 全 書 解 題 ) 。 頼 慶 は 良

と 密 接 な 関 係 に あ る 。

は 二 冊 、 上 下 二 巻 よ り な っ て い る 。

誌 、 私 蔵 本

と 同 じ

上 下 、 「 大 綱 」 の 全 文 を 十 一 節 に 分 か ち 掲 げ 、 下 巻 最

に 、 「 正 平 三 歴 云 々 、

士 聖 憲 四 十 二 歳 」 と し

の 血 脈 を 附 し て い る 。 上

は 良 尊 と 同

、 阿

の 教 学 的 解 説 と 巧 能 を

。 第 一 、 二 節 を 上 巻 に 配

る も そ の

を 一 に す る 。 共 通 の 引 用 禅 語 文

を 見 る 。

 

は じ め に 、 「 凡 そ 阿 字

と は 衆 生

心 の 常 覚 を 開

す る の 要 門 、

仏 本

智 を 炳 現 す る の

道 な り 」 二 表 ) と 述 べ る 。

は 「 三 点 事 」 に 関 す る 問 題 を

識 す る と こ ろ で な い が 、 頼 慶 は 当 世 阿

梨 の こ と と し て 「 狂 乱 の 基 い な

ぞ 火 坑 を

は ん や 」 ( 一 = 裏 ) と い

。 阿

、 「

生 」 の 遮 情 門 ・ 四 家 大 乗 、 禅 、 浄 土 に わ た る

明 を

色 と

る 。

の 「

不 生 」 を 、

を 追 っ て 要 文 に よ り

説 す る 。

4

「 阿

」 ( 寓 言 鈔 、 病 中 寓 言 ) 亮

( 豊 山 化 主 一 亠 ハ ニ

一 六 八 〇 )

注                                    

正 大

( 一 四 八 / 五 五 。 「 阿 字 義 鈔 」 と 合 冊 )             万

一 六 五 八 ) 夏 科 注

 

。 三

通 瀬 戸

町 、 金 屋 八 郎 兵 衛 ( 刊 ) 。 一 一

(6)

智 山学報 第五 十九輯  

文 と 達

に 優 れ た

で あ る と 言 わ れ る 。

師 が 誰 を

と し て 当 書 を も の さ れ た か を 考

さ え ら れ る 。 「 大 綱 」 ( わ ず か 原 稿 四 枚 ) に つ い て の 科 文 と 、

語 に 真 言 本

を 配 す る 。 公 式 的 で あ ろ う 解

る 。 最 も 、

と し て は 、

外 の 如 く 阿 字 効

と す る

々 た る 教

説 を 必 要 と は し な い は

の も の で は あ る 。 師 に

る 私 の 思 い 込 み で あ る が 、 大 慧

を 引 く こ と 五

所 、 聖

の 心 、 大 慧 の 心 も 伝 え 得 て い な い 。 初

の 者 に ご

で 索

さ れ る べ き で あ っ た 。 「 万

に お い て

在 な り 」 と は 、

門 関 に 云

、 面

に 立 つ 者 は 復 た 是 れ

人 ぞ 。 伝

に 云 う 百 千 法 門 は 同 じ く 方 寸 に

す 。 永

に 云 う

は 肉 團

な り 。 碧 眼 に 云

立 ち 所 に 成 仏 す る

の 人 、 自 然 に 人 を 殺 し 眼  

せ ず 。 ま さ に 自

分 あ ら ん 。 と 注 さ れ る 。

5

「 病 中 寓 言 阿 字

解 」 華 海

 

六 戊

( 一 六 七 入 ) 刊           識 語 に

う 。 こ こ に 海 師 、

を 瑜 伽 の 月 に 澄 し

那 の

に 磨 い て

解 の 一

る 。                

師 ・ 病 中 寓 言 ( を )

説 す る を

っ て 、 予

 

を 請 う 云 々 。                             戊

秋 九 月

日 。

西

識 。 書

前 川 宇

衛 門

 

( 覚 海 の 弟 子 ) 著 「 道 範

」 に

は 「 消 息 阿

序 」 を 書 い て い る 。 「

に 戊

の 歳

の 一 日、 沙 門 釈 の

海 題 す 」 ( 成 書 ) と 言

。 出

林 も 同 じ で あ る 。 刊

寶 六 戊

霜 月 吉 辰 。  

( 旧 豊 山 大 学 蔵 書 ) 六 冊 が 蔵 さ れ る 。 こ の 華 海 の 科 注 の 書 は 、

代 の 曲 豆 山 の ( 明 治 、 大 正 時 代 か )

た ち に よ っ て 、 克 明 な

が 残 さ れ て い る ( 一 四 八 / 四 九 、 五 〇 五 一 、 二 〇 七 ) 。

一 本 ( 一 四 八 / 五 〇 ) に は 、 著 者 華 海 ( 同 名 異 人 ) に 朱

、 智 山 の

化 と 有 る 。 な お 、 天 台

一 冊 ( ] 四 八 / 二 → 八 ) が

る 。   序 に

う 。 一 顆 の 阿 珠 光 を 頒 っ て 四 と 成 る 。 謂 く 、

有 ・

生 ・ 義 理 ・ 観 門 な り 。 仏

、 散 説 し て

を 以 っ て

せ よ 。 或 る 問 う て 曰 く 、 其 の

門 の 阿 、

と 。 一

34

(7)

聖憲作, 良尊鈔注 「病中寓言

 

阿字 観鈔」 考 ( 一  

尾 の 口 決 に 曰

の 時 は

理 を 思

せ ざ れ 。 唯 、 其 の 形 色 、 法 の

く 歴

と し て 之 を

よ 。 曰 く

何                      

 

 

 

 

                    き ょ う れ ん が 之 を 観 ぜ ん 。

行 の 門 別 に 用 心 無 し 。 唯 だ 六 賊 を

し て 阿 閣 に 縲 せ ん こ と を

す 。

れ 、 眼 に

相 を 視 、 口 に

響 を 記 し 、

心 に 思 う 。 鼻 ( 端 ) を 守 り

し て

象 罔 を し て 其 の 玄

を 索 め よ

。                      

 

 

 

 

        ま れ                   お お                                                                           ぼ う か つ   因 み に 問

此 の 註 脚 を 閲 す る に 密 言 罕 に し て

聾 く

説 蕪

に し て

尤 も 寡 な し 。 な ん ぞ

を 闕 く や 。

 

已 に

れ ば 予 も 亦 、 此 れ に

り た り 。

松 の 宜 し く 援 く る べ き を

と し て 、 詞 藻 の 応 に

ぶ       み                                         ろ う べ き を

。 子 、

華 を 弄 せ ん と 欲 っ せ ば 文 苑 に

し 、 詩 圃 に 逍

せ ん に は し か ず

。 且 つ 斯 の

も と

に (

) し て 阿

を 決 せ ん と に は 匪 ず 。

い て 之 を

ま ば

の 広 き に

れ 。 経 論 の 広

も 亦 、

を 逞 し ふ せ ん に は 匪 ず 。

 

、 之 が 緊 切 な り 。 所 謂

 

  以 心

心 に

り 。 文 は

云 々 。         「

」   「 七 門 を 分 別 す 。

1

本 節 :

に 曰 く 、 云

、 謂 く 、 阿

門 一 切 諸 法 本 不 生 の

に 。

七 、

一 取 意 。

2

: 供 養

第 に 曰 く 。

3

あ り 。

4

: 吽

義 、 秘 蔵 記 に 曰 く 。

し 阿

を 見 れ ば

性 の

を 知 る 。 是 を 阿

相 と 為 す 。

5

故 :

尾 口

、 無 畏 禅 要 に

学 せ よ 。

6

に 随 い て 面

べ し 。

7

: 初 め に

額 。 一 、 「

中 寓

」 、 二 は

文 を

っ て 四 つ 。

め に は 勧 力 。 … L 。  

5

に は 「

尾 口

に 云

、 天

暗 不 明 、 坐

念 、 明 心

乱 」 等 と あ っ て 当 「

」 は

調

す る 。

法 を 述 べ な い 。

6

7

「 阿

」 円

。 元 禄 十

= ハ 九 八 ) 刊 ( 国 書 総 目 録 所 載 ) 。

田 雷

「 聖

阿 字

」 明 治 二 十 六

」 所

著 作 集 第 + 六 巻 ) 。 一 35 一

(8)

智 山学報第五十 九輯   聖

「 阿

の 全

を 十 一 節 に 分 っ て 掲

言 、

、 座

解 説 す る 。 「 正 平 三 歴

云 々 」 の

語 を

せ る 。 聖

に よ っ て い る と

え ら れ る 。 「 阿

観 物 語 」 な ど の

稿

も あ る ( 「 新 興 」 著 作 集 巻 + 七 所 収 ) 。 開 山 興

の 阿 字

く 引 く 。 前

便

の 次

、 檜 尾 の

に よ る 座 法 を

べ る 。

に お け る 雷

、 求 道

識 ・

践 的

動 は 超 出 し て い る 。 (

4

1

( 一 一 七 八 ー 一 二 五 二 )

。 仮

語 集

 

古 典

 

岩 波 、 外 所

。  

は 「

阿 字

序 」 を 書 い て い る 。 そ の

書 の 時 を 言

。 「 維 れ

に 戊

の 歳

秋 の 一 日 、                                        

す 」

宝 戊

 

右 衛 門

。   阿

生 の

、 出 入 息

 

阿 字 の 不

の 観 を

め 、

、 禅 門 、 共 通 の 根 本 的

摘 し て い る 。 「

の 一

い ま だ 起 こ ら ざ る 以 前 は 、

の 性 円 明

の 阿

な り 。 此 れ を 仏 心 宗 ( 禅 宗 の 古 称 ) に は 父 母

と 云 、 天 地 未 分 の 位 を 本

の 面 目 と 断 じ て 、 千 聖 も

え ざ る と こ ろ な

云 々 」 と

。 国 書 総 目

に 「 阿

抄 」

著 が あ る 。

は 華 海 ? 「 道

」 の

と は 別 に

の し て い る 可

性 は あ る ( 元 禄 十 一 年 書 籍 目 録 と あ る ) 。 良

は 「 阿

観 鈔 」 に 二

法 橋 の 門 下 、 道 範 を 引 く 。 一

36

2

「 阿

」 三 巻 頼 瑜 一 二 二 六 ー = 二 〇 四 ) 。 大 正 大

蔵 本 ( 一 四 八 / 六 五 )        

生 年 五 十 七 歳 。                        

 

正 応 二

巳 。 暮 秋 吉 辰 。 七 郎 衛 門 開 版 。

(9)

聖憲作, 良尊鈔注 「

 

字観鈔 一) (森    

福 寺

、 正 中 二 ( 一 三 二 四 ) 年 武 州

幡 不

堂 、

海 写 「 阿

観 秘

」 あ り ( 高 橋 ) 。   国

所 載 : 「 阿

」 二 冊 、 ( 別 ) 阿 字 秘

文 和 二 、

信 書 写 、 奥 書 と あ る 。

学 蔵 本                      

 

 

 

 

              へ 「

」 に よ れ ば

述 さ れ て い る の で 「

」 は 同

。 「 阿 字 秘

」 ( 「 観 秘 釈 」 ) は 阿 字

の 至

と す る 。 当 書 に は 天

く も

の 禅 に 触 れ る こ と は な い 。

教 二

の 分 か れ て い る

子 を 示 す 言 が あ る 。 「 問 う 。 我

き 者 は 、

し く は 一

を 修 し 、

し く は 一 念 の

を 凝 ら す 。

間 の 勝 利 、

し 。 況 や

世 の 悉 地 、

ら ん 。

 

日 に 随 っ て 退

し 、

 

追 っ て 懈

な り 。

ら ば 、

な る 心 に

べ き や 」 ( 下

十 八 紙 表

) 。 問 ・

体 に よ っ て 当 書 は

さ れ る 。

言 公 雅 の

に よ っ て 成 る と 言

〔 秘 密 辞 林 ) 。   巻 上

れ 阿

と は

入 仏 の 正 門

知 自 心 の

道 な り 。

く 法 界 の 頂 に

し て 、 既 に 諸 仏 の

生 た り 。

く 生

め た

、 豈 に 衆 行 の 所

に あ ら ざ ら ん や

以 に 、 八 識 八 不 の

は 圓 明 を

空 の 雲 に

し 、 十

玄 の

は 猶 し

光 を

細 の 霧 に 隔 つ 。

言 秘 教

立 し て 以 っ て 宗 と

し 、 理 仏

に 嘆 じ て

月 五

の 光 に 戯 れ

圓 の

を 照 ら し 、 心 蓮 八 葉 の

さ 六 大 の 風 に

く 。

3

阿 字

」 全

 

恵 照

( 私 蔵 本 )           惟

五 丁 巳 ( 一 六 七 七 )

 

雪 月 十 日 、 臨 五

而 投

山 禅 観 比 丘 恵 照 。            

肆 御 用

山 城 屋

 

 

藤 井

 

行 。  

照 は 「

字 秘 釈 」 、 瑜 、 瑜

と 云 い 、

く を 秘

に よ っ て い る 。

観 法

、 実 習 に 詳 し い 。

尊 と 同 じ

の 記 と す る 八

の 説 を

く 。 三

は 「

山 全 書 解 題 」 、

照 ( 一 六 二 八 〜 一 七 〇 八 )

と し て 、 「 阿 字

」 二

、 「 阿

檜 尾 禅

」 一

禅 要

」 二 巻 を

。 権 田 雷

一 一

(10)

智 山学 報第五十九 の 下 に

っ た

山 小 林 正 盛 は

「 秘

」 ( 大 正 + 五 年 著 、 昭 和 二 年 刊 ) を 出

し 、

に よ っ て

さ れ て い る 。 注 目 す べ き は 正

の 言 、 「 密 教 の

は 、 こ の 秘

と ( を )

識 し 、

す る の で な く て は 、

言 秘

る る を ( こ と ) 難 く 、 み な 相

の 密 教 と な り 、 商 品

し た り

言 秘

の 法 と な る の で あ る 」 と は

言 宗

上 の 初 出 か 。             [

H

 

 

、                    

 

」 の

  (

1

) 「

」 に

言 と あ る 。

せ て

意 を

す 、 自 謙 の 題 目 を

ず と

。 こ れ は

と も と 「 阿 字 観 」 (

) に 附 せ ら れ た 序 で あ

、 ま た

の 「 正 平 三

( 一 三 四 八

の 初

。 予 、 病 気 に 因 り 偃

」 云 々 の

も こ の 大 綱 に

せ ら れ た も の と

え ら れ る 。 聖 憲

が 「 観

綱 」 と 言

に は 「 阿

」 の 項 目 に 、 聖 憲

注 と

る 。

に は 送 り が 附 さ れ て い る 。 そ の 外 、

れ 、

れ 、 吾 れ 是 れ 等 、

を い か し て 送 り を

し 、 「 自

 

遮 那 」 の 如 く 半 画 を

い た 。 一

38

一           「

寓 言 」 ( 阿 字 観 序 )   禅

て 密

し 、

の 題 目 を

中 と は 、 自

り 他

り 。 寓

と は 、 物 に

て 懐 を 述 ぶ る

。 源 と

子 に

こ れ り 。

胡 蝶 の

、 周 鮒 、

に 就 く の 譬 え 是 れ

な 寓 言 な り 。

の 自

と は 、

し 自 己 に 約 せ ば 、

だ 生 死 を

れ ざ れ ば 四

の 人 、 無 明

の 床 に

す 。 是 れ

と い

釈 経 の 意 な り 。   未 だ

の 病 を

ぜ ず し て 、 他 人 に 薬 を

え ん こ と 、

益 の 至 り と

下 す 。

し 利 他 に

せ ば 、 一 切

生 の

き は

 

阿 字 不 生 の 無 病 の 人 な り 。 し か れ ど も 生 死

の 三

を 受 く 。

れ 、 彼 の

は ん と

(11)

, 良尊鈔注 「病 中寓言 阿字観 鈔」 考 ( 一) (

悲 の

な り 。

し 子 の

は 親 の

の 如 し 。

に は 、 衆 生 を 饒 益 す る に 、

便 を 以 っ て

 

る こ と を 現 す と 説 き 、

疏 に は 、

す で に

せ ば 、

が 病 も 亦 た 滅 し な ん と 云 々 。 古

に 云 う 。 猶 し

中 の 禅 に 坐

と 云 々 。

 

 

 

 

  「 阿

」 ( 大 綱 )

 

阿 字 の 一 刀 を 八

の 田 中 に 下 し て 、 生 死 ま た 斬

ま た

る 。 生 死

は 猶 し 昨 の

の 如 し

。 か く の

く 、 阿 字 の 一 刀 に 運 用

な る 則 は 、 面 前 に 臨 む 者 の

め て 、

己 の 方

さ ざ る と 云

こ と な し 。 万 境 に お い て 自 由 自 在 な

 

此 れ よ り 、

と 作 る こ と を

む 。 此 の

悪 の 心 処

 

悉 く

王 の

力 を 承 て 、 各

位 に

々 に

證 三

に 入 り て 、

門 応 現 の 一 解 脱 門 と 作 る 。 此 の 巨 益 を

る は 、 万 縁 を

下 し て 阿 字 を 挙 ぐ る 一

の 力 の

と こ ろ な り 。

 

行 は 、 た だ

 

き こ と を 要 す 。

何 が 覇

 

勁 き こ と を

ん 。 客 と

の 処

着 衣 の 処 、

送 尿 の 処 、 喜 怒 哀

、 此 の ご と く 一 切 の 時 に

い て 、 た だ 一

の 阿

げ よ 。

 

之 を 思

こ と 此 れ に 在 り 。 十 二 時 中 、 切 に 忘 了 す る こ と な か れ 。 是 の

く 成 し も て 去 か ば 、 覇 柄

 

自 か ら

か ら ん の み 。

 

た だ 恨 む ら く は 、 今 時 、

伽 者 と 称

、 自

 

即 毘 盧 遮 那 、 金 剛 薩 唾 な り と

く を 聞 き て 、 只

し て

ち 謂 く 、

 

廃 遣

る こ と を

い ず 、

自 家 の

徳 な り 。

 

る こ と を

い ず

な り 。

證 の 門 は

教 の

、 遮

は 顕

の 謂

な り と 。 塵 境

 

を 繋 縛 し 、

 

自 性 を 染 汗 す る こ と を 知 ら ず 。

日 、

縁 を 遂 っ て

順 の

を 起 こ し 、 念 に 随 い て 種 々 の 業 を

り 、 業 に 因 っ て 非

の 果 を

く 。 一

39

(12)

智 山学報 第五十九輯   一 息

 

纔 に

ず る 時 、

欲 を 逞 し く し て 、 表 徳 の

談 に

る と い え ど も 、

 

に 地 に 落 つ る

、 魂

 

去 っ て 閻 羅 の 人 の

使 を 被 り 、 所

さ る 。 此 の 時 に

た っ て 、 自

遮 那 の

ま た 立 た ず 。

薩 堙 の 技 ま た

ぬ 矣 。 只 だ 、 獄 鬼 に 向 か い て

を 屈 し 手 を 合 わ せ 、 頭 を

き て 哀 れ み を 乞 わ ん こ と 更 に 以 っ て 疑 い な し 。

れ 即 ち 、 法 門 に

解 無 う し て 徒 に 虚

び 、 情 欲 を

 

恣 に

な り 。  

何 が

に 引 か れ ざ る こ と を

ん 。 万 境 来 っ て 侵

、 強 に 力 を

く し て 廃

る こ と を 須 い ざ れ 。 ま た 、

す る こ と を

ざ れ 。 た だ 】 個 の

の 念 の 上 に

に 阿

よ 。

く し て 日 積 も り

久 し く し て

然 に

縁 に お い て

由 の 分 あ り 。 此 の

、 塵 境

 

徳 、

 

全 く

の 実

な り 。   上 上

の 人 、 一 超 に 如

地 に 直 入

る を 除 非 す 。

、 専 ら こ れ に 馮 り て 用 心 せ よ と の み 。 正

三 暦 、 穐 の 初 月 。 予 、

に 因 り て 偃

す 。 一 人 の

者 有 り 。 来 た っ て 病 を 問

い で 、 阿

ぬ 。 固 辞 す る こ と あ た わ

、 彼 の 禅

の 耳 に 順 ぜ ん が た め に 、 屡 し ば

録 の 語 を 加

門 の

綱 を

す の み 。

 

 

   

 

 

   

 

 

   

 

 

   

 

 

   

 

 

 

   

 

桑 門 隠 士   聖 憲 四

。 正 平 は 後 村 上 年 号、 貞 和 は 光 明 院 季 号 な り 。 日 本 一 朝 に 両 の 年 号 有 り 。 正 平 の 三 暦 は 貞 和 四 年 に 当 る な り 。 一

40

一   (

2

) 聖 憲 ( 一 三 〇 七 ー 一 三 九 二 ) の 「

」 は 正

( 一 三 四 入 ・ 四 十 二 歳 ) 、 成 書 さ れ た 。 聖 憲 、 字 は

林 、

来 中 性 院 の

四 代 。 中

院 増

に 随 い 密 教 を 学 び 、 頼 瑜 の 不 二 説

門 、 新

成 し て 「

疏 百

三 重 」 、 「 釈 論

三 重 」 が あ

の 必 須 の

と さ れ る 。 聖 憲 の 行 業 の 記 録 は 乏 し い と い

。 こ の 「 大 綱 」 は 彼 の 著 作

の 初

に も の さ れ て い る 。 そ の

、 新

学 説 の 大 成 に

か っ た と

え ら れ る ( 勝 又 ) 。   聖

と 同

の 人

の 呆

( 一 三 〇 六 〜 一 三 六 二 。 良 尊 「 鈔 」 に 引 く ) は

と 学 説 と

統 を 同 じ く し 不 二 門 説

(13)

聖 憲作 ,良尊鈔注 「 字観鈔) ( を 唱 道 し た 。 そ の 著 「

」 は 、

門 の 密

( 虎 関 師 錬 。 千 葉 ) に 答 え

論 し て 、 当 時 の

教 の 様

を 知 り う る 。 「

伽 経

顕 密 分 別

も あ る 。

 

両 者 の

代 は 南 北 朝

立 の さ な か で あ る 。

の 原

は 、 後 宇

王 の 真 言

へ の

入 問 題 に あ る と い

。 時

の 禅 の 趨 勢 、

( 弘 真 ) 、

醐 三 宝 院 賢

の 在 り よ

聞 し て い る は ず で あ る ( 栂 尾 ) 。

 

倉 末 か ら 、 こ の 時 代 に か け て 禅 家 の 武 門 と の

そ の

制 は 着

に 進 展 し た 。

窓 疎 石 ( 一 二 七 五 〜 一 三 五 一 ) は 建 武 二 ( 一 三 三 六 )

、 国 師

け た 。 = 二 四 二 年 、

は 五 山 十

の 制 を

一 三 四 五

五 山

が 刊

さ れ た 。 夢 窓 は 既 に そ の 在 世 中 ( 康 永 三 年 一 三 四 四 ) 「 夢 中 問

」 を 出

し て い る 。

 

聖 憲 は 内 外 の 時 代 の

を 直

し て い た 。 先 に

土 門 に 対 し 、 新 た に 禅 門 に 対 す る 。 禅 と の 対

と し て

の 「 阿 字 観 」 は 、 三 度 に し て

祖 の 原 点 ・

本 に 還 え ろ う と い う こ と で あ っ た 。 無 明

悩 の 断 尽

成 仏

瑜 伽 一 切

益 、

就 か ら 、 現

浄 土 に 遊 び 仏 道 を 成 就 す る こ と 等 へ 。 さ ら に 即

成 仏 の 具 体 、

徳 の 実 義 、

語 に よ る 万

に お い て 自

在 な り 、

に 境 縁 に お い て

分 あ り と い

こ と の

見 で あ り 「

謙 の 題 目 を 案

」 と い

認 識 で あ る 。

 

「 た だ 一 個

憎 の

の 上 に 頻 に 阿

を 挙

よ 。 修

は 、 た だ 覇

 

き こ と を

す 」 こ と 。 「

に 境 縁 に お い て 自 由 分 あ り 。 此 の

、 塵 境

 

即 自 家 の 具

、 煩

 

全 く

徳 の

義 と な る 」 こ と 。

 

言 口

徒 と し て の 主

的 、

己 の

立 、 そ の

明 し た 。 禅 語 に 寓 よ せ る こ と に よ る 言 葉 の

明 晰 と

を え て 簡 。

の 内

と し て

に お け る 生 の

、 「 表

」 と し て の

動 の 実 際 を 提 示 し 切 り

い た 。

 

「 阿 字 の 一 刀 に 運

な る 則 は

に 臨 む

の 悉 く 収 め て 、 自 己 の

に 帰 さ ざ る と 云

こ と な し 。 万

に お い て

在 な

」 、 こ れ ら は

来 、

言 の 「

心 」 ・ 即 身 成 仏 ・ 三

瑜 伽

、 方 便 究 竟

、 一 41 一

(14)

智 山学報 第五 十九 輯 「 遊 歩 大

」 の 行 境 が 、

々 人 の 生 に お け る 社 会 的 、 文

的 実 際 と し て は

さ れ

て い な い こ と の

認 で あ っ た 。   「 未 だ

を 療 ぜ ず し て 、

人 に 薬 を 與 え ん こ と

益 の 至 り と

下 す 」 の 言

は い か に も 真 摯 で あ る 。 「

生 死 ま た

り 涅

ま た

る 」 と こ ろ に 、 「 生 死 即 涅

提 、

 

せ ず 即 内 證 三 昧 」 あ

と い

人 に 薬 を 與 え る 以 前 の

の 生 、

道 の 問 題 で あ る 。   聖 憲 に と っ て は 、 対 禅 の 時

相 応 と し て 、 こ の 禅 語 に こ と よ せ た 「 阿 字

」 に よ る

己 実 現 が 、

徒 の

と し て も の さ れ な け れ ば な ら な か っ た 。 聖 憲 の 時 代

が こ れ を

か せ た の で あ る 。   (

3

寶 は 「

」 に

、 並 び に

対 弁 の 論 三

を 集 め 、

教 の 真 価 を 詳 述 す る 。 上

、 「

」 「

世 相

門 」 「

門 」 「 證 道 唯

門 」

に 時

の 真 言

の 具 体 を 述 べ る 。 紙 面 の

上 、 夢

摘 に 関 わ る 言 及 の み を

く 。   「

応 門 」 に

寶 言

し 此 の

方 便

に あ ら

い か で 彼 の 末 世

の 人 を 済 は ん や 。 何 に 況 や

時 の

き お や 。

競 い

こ り 国 を 侵 し 民 を 損 ず 。 如

の 記 す る と こ ろ 闘

堅 固 。 正 に 此 の 時 に 当 た っ て 、 仏 そ の 災 を 除 く た め に

王 護 国

の 数 部 の 経

を 説 く 。

寺 一 門 、

家 の 正

、 野 沢 両 流 お の お の

の 秘 法 を

。 し か し て 当 世 の

を 為 す 。

宗 、 日 を

っ て 興 り 、 密

、 年 を

ね て 衰

。 法 、

、 何 の 勝

か 有 ら ん 。 亡 国 の

相 、

兆 、 宣 く

規 を

み し 、 以 っ て 将 来 を

る べ き の み 。   「 護 国 済 世 門 」 に 。 問

る 禅 者 云

。 禅 院 、 三 時 の 勤 行 を 専 ら と し て 四 海 の 静 謐 を 祈 る 。

に 知 る べ し

家 の 護

、 偏 に 禅

り 。

し 此 れ に し て 験 無 く ん ば 、 た と ひ 大

秘 法 を 行 ず と い へ ど も 、

て そ の 益 有 る べ か ら ず 云 々 。 こ の こ と そ の 謂 、 有 ら ん や

。 一 42 一

(15)

 

「 證

門 」 に 。 問 う 、

云 う 。 出 離

を 為 す を 以 っ て

と 為 す 。 世 間 の

疇 を

す を 以 っ て

と な す 云 々 。 此 の こ と

何 。

 

( 又 ) 問

を 厭 い 世 を 遁 れ 山

に ト 居 す る 。 名 を 忘 れ

を 捨 て 思 い を 出 離 に 懸 け る 、

れ 道 者 の 體 な

。 而 れ ど も

師 の

き は

位 に 進 み

を 飛 ば し て 、 国 家 の

を 号 し 、

る を 業 と な

。 か っ て

に あ ら ず 。 人 以 っ て

ん で 證 道 の

に あ ら ざ る か 。

何 。 聖 憲作 ,良尊鈔注 「 観 鈔 ) (

 

窓 の 「 加

意 」 ( 「 夢 中 問 答 」 上 巻 十 五 ) 三

の 一 、

門 へ の 言 及 を

げ る 。

 

「 禅

じ 玉 へ る 人 の 、 さ せ る 天 下 の

に も あ ら ぬ 事 に 、

院 へ 御 祈 り せ よ と 仰 せ ら る Σ

は 禅 法

縁 な り 。

し 爾 ら ば 罪

を ば

け 玉 ふ

御 祈 り と は な る べ か ら

。 然 ら ば 則 ち 禅 僧 に は 座 禅 工

を 専 ら に し て 、

を 紹 隆 せ よ と 仰 せ ら れ て 、 我 が

も 又 行 道 の 用 心 を も 僧 に

た つ ね あ り て

に 祖 師 の

を 悟 ら ん と 、

志 を だ に は

ま さ れ ば 、 三

め て

し 諸 佛 も

ふ べ し 。

し し か ら ば た と ひ 悟

ま で は な く

、 世 間 の 御 祈

に な る 程 の

は か な ら ず あ る べ き を や 。

 

蒙 古 来 襲 以 来 い つ の 時 か 、 檀 那 の 禅 門 )

を ば 重 く

法 を ば 軽 く

じ 玉 ひ し

に 、 さ し て 天 下 の

な ら ぬ こ と ま で も 御 祈 り せ よ と 、 ひ ま な く 禅 院 へ も

せ ら れ し 程 に 、

」 に い つ と 無 く

を か け て 、

を よ み だ ら に を み つ る

と し て 、 座 禅 工

退 転

。 面 々 に 又 小 檀 那 あ り て 、

祈 り を あ つ ら え ら る 。

我 が

利 を 思

人 は こ れ を 大

る と て 、 一 大

を ば わ す れ た

。 禅

破 滅 の

縁 に あ ら

や L 。

 

言 の

で あ る 行 願 ・ 勝

二 二 摩 地 、 三

の 方

便

究 竟 に あ っ て 、

他 の

の も と

の 「

」 、 が あ っ た 。

道 の

現 を 、

を 先 に す る こ と の

代 の

が あ っ た 。 聖 憲 は 「

し て 、 他 人 に

え ん こ と 無

の 至 り 」 と 言 い 、 呆 寶 は 、

言 破

状 を

摘 し

し た 。

窓 は

ら の

滅 の 原

43

(16)

智 山学報 第五十 九輯

摘 し た 。

 

聖 憲 は こ れ ら を 知 る と こ ろ で あ っ た

は ず で あ る 。

来 中

四 代 を

で あ る 。 頼 瑜 に 続 い て

教 学 の

の 研

め た と い

。 そ こ か ら

え 、 ど の よ う な

動 を と っ た の か が わ か ら な い 。 根

人 、 ・ 大

と の

係 、 運

に か か わ っ て 問 題 に

え る と こ ろ い か な る も の で

っ た か 。

は 大

で あ る 。 そ の 至 要 の

が 、 聖

に よ っ て 示 さ れ 、

来 中

教 団 を 超 え て 、 真

の ど の レ ベ ル の

に 、 ど の よ

な 生

と し て

ら れ た の か は 明 ら か で は な い 。 [

 

 

」 の

 

1

) 良 尊 は

「 病 中

言 」 で あ る 「 阿

」 ( 大 綱 ) と 、 そ の

記 に よ っ て 「 大 綱 」 の 全

を 十 一

げ 、 「 阿

、 上 下 」 惣 、 別 と し て

を 成 し た 。

 

尊 後 記 に

言 の 「 雛 僧 来 た り て 云 は く 、 阿

記 巨

に し て 攤 く に

し と 云 々 」 「 嬰

し 難 き に

っ て 、

の 万 乙 を

く 」 と 。

注 は 問 ・

・ 疑 を 骨 子 と し て

成 さ れ る 。 一

44

一           「 阿

序 」

 

南 山 野

 

れ 、 鑽 れ ば い よ い よ 堅 し

不 壊 の 阿 。

が ば 弥   高 し 、 本 初 不 生 の 理 。

仏 同 道 、 こ れ を 父 と し こ れ を

、 彼 を

と し

と す 。 説

も 無 言 、

無 見 な り 。

見 の

は 扇 防 の 薬 、

言 の 言 は

。 た だ 冒 地 の 得 が た き に あ ら ず 此 の 教 に 遇

こ と の

か ら ざ れ ば な り 。 所 以 に 四 果 独 一 は

城 の

じ 、 八 識 、 八 不 は 円

空 の 雲 に

す 。

玄 は 素

を 微 細 の

に 隔 つ 。 然 れ ば 即 ち

の 政 ご と か 、

(17)

為 る し も 政 ご と

る な ら ん 。

い に

道 ・ 記 里 の

に 逢 へ り 。 誰 か

し て

南 に 違 せ ん 。 適 、

の 剣 を

た り 。

ん ぞ

絏 に

り て 断

を 許 さ ん 。 古 聖 な お 是 れ に 於 い て

愚 、 豈 に 捨 て め や 。 謗

の 逆 縁 既 に 順 修 の

に 超 え た り 。 瑜 伽 観

、 な ん ぞ

の 賚 を 懐 か ざ ら ん 。 益

り 、

利 鈍 根

 

つ る こ と な し 。 鳴 呼 、 頼 も し い

に 至 る ま で 口 実 に 宛 て ん の み 。 聖 憲作 ,良尊鈔 注 「病 中寓 字観考 () (   (

2

「 病 中 寓 言

 

阿 字

             

成 初 第 一 紙 − 三

「 阿

」 聖 憲

( 「 病 中 寓 言 阿 字 観 」 : 「 大 綱 」 ) 。 中

一 紙 「 阿

」 。 聖

作 「

言 で あ る 阿 字

」 の

、 良

で あ る 。  

二 紙 「

中 寓 言 」 聖 憲 自 序 ( 「 憲 師 病 中 倒 作 」 ・ 良 尊 注 )               「

話 に

せ て 密

を 示 し 自 謙 の 題 目 を 案 ず 」 と 言

。                        

 

 

 

 

                    ( 元 来 、 「 大 綱 」 に 附 せ ら れ る と こ ろ の 文 ) 。  

十 六 紙 「

鈔 上 」 ( 問 ・ 答 ・ 疑 体 を 骨 子 と す る )         以 下 、 初

一 紙

・ 聖 憲 作 「

」 ( 大 綱 ) の

解 ( 鈔 注 ) で あ る 。      

の 冒

「 阿 字 の 一 刀 を

 

 

し 」 の 題 に 従 っ た 、 阿

の 呆 宝 道 範 、

等 に よ る 理

     

− 十 三

「 阿

下 」

録 等

用 に よ る 実 習

意 義

。         正 平 三 暦 ( 一 三 四 八 )

の 初

気 に 因 り

。 一 人 の 禅 者

り 。 来 た り

を 問

の 次 い で 、 阿

一 45 一

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