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智山學報 第38 010藤井 龍和「性理学(心学)の系譜」

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全文

(1)

〈 論 文 要 旨

V

  東 洋 的 心 理 学 は 、 西 周 の 著 「 生 性 発 蘊 」 ( 明 六 、 一 八 七 三 − 平 凡 社 、 日 本 哲 学 思 想 全 書 ・ 思 索 篇 二 昭 三 〇 、 所   収 ー ) に よ れ ば 、 み な 「 性 理 学 」 ( ー

1

人 性 学 ) で あ る 。 そ れ は し か し 、 明 治 維 新 ま で 、 「 心 学 」 と し て 理 解 さ れ て 来 た 。 こ こ で   国 静 o 一 〇 αq 団 と は 、 「 人 性 学 」 の 英 訳 で あ る 。 性理 学 (心学)系譜 (藤井 龍和 ) 一 、

  心

と い う と 、 石

心 学 を 指 す 程 、 他 の 心 学 は 余 り 知 ら れ て い な い 。 し か し 、 日 本 古 来 の 「

・ 仏 」 の 思 想 を 調 べ て 行 く と 、 石 門 心 学 が 、

く の 心 学 の 中 の 一 つ の

向 で あ る こ と を 知 る の で あ る 。   石 門 心 学 は 、 そ の 唱

石 田

岩 ( 厳 ) に な る も の で

る 。 石 田 梅

( 貞 享 二 〜 延 享 一 、 一 六 八 五 〜 一 七 四 四 ) は 、 丹 波 国 東 別 院 村 東 掛 に 生 れ 、 名 を 勘 平 と い い 、 百 姓 出

で あ る 。

私 は 少

期 一 時 、 こ こ に あ る 東 別 院 小 学

に 通 っ て い た こ と が あ る が 、 偉 い 先 生 だ !   と い う こ と で 、 学 校 か ら

参 り を し た こ と が あ る

1

彼 の 先 祖 は 武 家 だ っ た が 、 彼 の 頃 は

家 で 、 京

の 商 家 へ

行 に 出 た 。 し か し 、 生 来 の 学 問 好 き で 、 神 ・

・ 仏 の 諸 書 を 耽 読 し 、 心

を 唱

授 す る よ う に な っ た 。 し か し 、 心 学 の 語 は 、 彼 以

か ら 其 名 で 呼 ば れ て い た 一 流 の 教 説 で あ る 。 し か し 、

の 教 説 は 、 柴 田

の 日 本 歴 史

書 、 至

堂 の 「 心 学 」 ( 昭 四 二 、 二 頁 ) に よ れ ば 、 「 梅 岩 の 心 学 は 、 江 戸 時

(2)

智 山学報第三十 八 封 建 社 会

展 の 過 程 の 中 に あ っ て そ の 地 位 の 次 第 に 向 上 し つ つ あ っ た 町 人 階 級 の 間 に 生 ま れ た 一 種 の 人 生

学 ま た は 人 間 学 で あ っ て い わ ば 町 人 の 、 町 人 に よ る 、 町 人 の た め の 経 済 倫 理 説 と も い う べ く 、 わ が 国 の ブ ル ジ ョ ア ジ ー 形 成 期 を 代

す る イ デ オ ロ ギ ー の 一 つ と し て 、 そ の 歴 史 的

義 が 認 め ら れ る 」 が 、 付 加 す る な ら ば 、 大 正 十 五

( 一 九 二 六 ) 、 法 学 博 士 の 広 池 千 九

が 唱 え た ニ ュ ー モ ラ ル 運 動 の モ ラ ロ ジ ー ( 最 高 道 徳 を 追 究 す る 人 の

) に 比 せ ら れ う べ き も の で

る 。 モ ラ ロ ジ ー は 、 政 治 ・ 思 想 ・ 信

の 相 違 を 問 わ ず 、 モ ラ ル の 問

( 人 の 道 、

の 踏 み 行 う べ き

) に 焦 点 を 合 わ せ て 、

人 の 家

と 安 心 し た 処 生

を 考

し 、 明 る い

会 と 楽 し い 世 の 中 の

造 を

え る 。   心 学 は 、 日 本 古

の 思 想 を

り 所 と し て い る 。 日 本 古

の 思

と 言 え ぱ 、 江 戸

代 期 、 そ れ は 、 神 道 ・ 儒 教 ・ 仏

で あ っ た 。 特 に 、

道 の

き 、 赤 き ( 恥 じ な い )

き 心 に 則 り 、

教 を 模

と し て い た 。 儒 教 は 聖 人 の 道 を 説 く も の で

り 、 そ れ は 中 国 の

学 で あ り 、 そ の 聖 人 の 道 の 模

と な る の は 、 伝 説

舜 の

よ り 発 す 。 し か し 、 鈴

修 次 に よ れ ば 、 中 国 の 心 学 は 、 荘 子 と 孟 子 を 開 祖 と す る ( 中 国 の 人 と 思 想 二 、 「 孟 子 」 集

社 、 昭 五

、 十 八 頁 ) 。 二 、

 

、 心 学 と い え ば 、 孟 子

王 陽 明 の 気 学 を い っ た 。 宋 ・ 明 の

子 学

n

「 理 学 」 の 影 響 を 受 け た 宋 の

明 学 と

え る の が 一 般 的 で あ る が 、 そ れ は 孟 子 の 性 学 を う け て い る 。   孟 子 は 性 の こ と を 言 い 、

説 で よ く 知 ら れ て い る 。 孔 子 ・ 老 子 は 「 理 」 を 言 わ な か っ た が 、 孟 子 は 「 理 」 も 論 じ た と し て 、 張 立 文 の 「

思 想 研 究 」 ( 一 九 八 一 ) は 、 「 孟 子 」 の 中 か ら 次 の 二 例 を

く ( 鈴 木

次 、 前 掲 書 二 六 頁 ) 。  

理 を 始 む る は 、

な り 。 条 理 を

う る は 、 聖 の 事 な り ( 「 孟 子 」 万

下 ) 。

lA

一 94 一

(3)

性理学 (心学)の系譜 (藤井龍和)       と も   心 の 同 に 然 り と す る 所 の 者 は 何 ぞ や 。 謂 わ く 、 理 な り 、

な り ( 「 孟 子 」

子 上 ) 。   そ し て 言 う 、 朱 子 ( 一 = 二 〇

一 二 〇 〇 ) の 「 理 学 」 も し く は 「 理 気 の 学 」 は 、 又 、 孟 子 か ら 出

し て い る 、 と 。   江 戸 時

の 日 本 の

庵 ( 天 正 元

正 保 二 、 一 五 七 三 〜 一 六 四 五 ) は 、 但 馬 国 ( 兵

県 ) の 人 で 、 江 戸 初

の 臨

                モ う ほ う 禅 宗 の

で 、

と い い 、

宗 寺 に 住 し 、 慶 長 一 四

( 一 六

) 、 三 七 歳 で

寺 の

持 と な っ た が 、 そ の 「

集 、 巻 五 」 ( 延

二 、 一 六 七 四 、 書

五 郎

衛 刊 行 ) に 於 て 、 「 天 地 に 理 ・ 気 ・

、 五 行 、 万 物 あ り 、 人

に 性 、 心 、

、 識 、

、 情 、 機 あ り 」 と 言 っ て い る 。 だ か ら 、 理 気 の 学 は 天 地 の 学

H

で あ り 、

理 学 は 人 身 の

で あ る が 、 人

も 天 地 の 影 響 を 受 け る か ら 理 気 を

除 し な い 。  

子 と 並 ん で

陸 と 併

さ れ る

九 淵 (

山 ) ( 一 = 二 九 − 一 一 九 三 ) は 、 陽 明 学 の 出

に あ た る 学 者 だ と 鈴

は 言 う が 、 宋 代 「 心 学 」 を 代

す る 存 在 で あ り 、 孟 子 の 性 に つ い て の こ と ば 、 が 、 そ の 「 心 学 」 の 発 想 を

た こ と ば だ と さ れ る 。 そ れ は 、  

の 心 を 尽 く す 者 は 、

の 性 を

る な り 。

の 性 を 知 ら ぽ 、 則 ち 天 を 知 る ( 「 孟 子 」

心 上 ) 。 と い う こ と ば で あ り 、 心 を 研 究 し よ う と す る な ら ば 、 人 間 理

ま で 至 ら な け れ ぽ な ら な い し 、

日 の 心 理 学 で い う な ら ば 、 人 間

成 の 二 条 件 た る 遺

と 環

、 三

件 た る 個

、 社 会 化 、 文 化 化 を

ら な け れ ば な ら な い 。 生 物                               ( 2 )

的 ・

化 的

た る 人 間

を 知 ら な け れ ば な ら な い 、 と 言 っ て い る も の と

う 。 三 、

れ る

  鈴

究 に よ れ ば 、 心 学 の 源

と な る の は 、

子 と 孟 子 で あ る 。 そ し て 、 鈴

に よ れ ぽ 、 「 心 学 」 と は 、 ひ と つ の 人 生 観 ・ 世 界

を 前 提 に し て 、 そ れ に 到

す る た め の 人 間 の 修

の 学 で あ る 。 そ し て 、

界 観 と い え ぼ 、 「 こ の 世 の

が ど う い う よ う に な っ て い る か の 」 説 明 を

め る

で あ り 、 人 生

と は 、 「

の 欲 望 の 処 理 を

(4)

智山学 報第三十八輯 決 定 す る 、 そ し て 一 つ の 安 心 を 求 め る 」 工 夫 の 学 ( 石 丸 梧 平 ) で あ る 。    

 

荘 子 の 「 心 学 」   鈴 木 に よ れ ば 、

子 は 、 相 対 的 な 世 俗 の 対 立 世 界 を

れ て 、 又 は 超 越 し て 、 天 地 宇 宙 の 運 行 の ま ま に 、 無 限 の 世 界 、 仏 教 的 に 言 え ば 三 界 に 遊 泳 す る こ と が 、 人 間 存 在 の 最 も 望 ま し い

向 で

る と し た ( 「 逍

遊 」

子 第 一 編 ) 。 そ れ で 、 荘 子 が 夢 で

蝶 に な っ た 話 は 有 名 で あ る ( 荘 子 「

物 論 編 」 。 野 地 茂 夫 「 鑑 賞 中 国 の 古 典 四 『 老 子 ・ 荘 子 』 」 角 川 書 店 、 昭 六 三 、 二 〇 三 頁 ) 。 荘 子 は

々 と し て 胡 蝶 に な り 切 っ て い た 。 楽 し く て し ょ う が な く 、 心 ゆ く ぼ か り ひ ら ひ ら と 舞 っ て い た 、 と い う の で あ る 。 そ こ に は 生 死 を 超 越 し 、 夢 と 現

を 一 体 化 す る 自 適 の 境 地 が あ る 。 そ し て こ れ は 、 「

の 変 化 」 で あ る と い う 。 人 間 と し て

在 す る 一 面 で あ る 、 と い う の で あ る 。   現 世 で 相 対 的 主 客 の 存 在 で あ る と さ れ る 万 物 を そ れ そ れ に 区 別 あ る 個 物 と

に 、 す べ て は 等 し い も の で あ る と 見 て 、 人 間 も 一 物 に 化 す る 無 私 無 我 が 必 要 だ と し て 、 「 物 化 」

11

へ の 同 化 を

い た の だ と さ れ る ( 「 斉 物 論 」 ) 。 そ れ は 、 ア ド キ ソ ズ ( 〉 °

゜ 出 邑 〉 「 価 犀 貯 鶏n ) 式 の 、 「 数 寄 か ら 唯 一 へ 」 ( 周 容

5

→ プ Φ 】 ≦ ゆ 昌 団

80

昌 ρ 目 り 刈 O ) の 思 想 で あ る 。           よ       こ れ         い             い つ   お  

の 数 を 号 び て

を 万 と 謂 う 。 人 は 一 に 処 る ( 「 荘 子 」 秋 水

十 七 ) 。   人 は 人 の 道 に 拠 る 、 と い っ た ら い い の で

ろ う か 。 又 、 人 は 万 物 を 知 る 。   荘 子 の 「 斉

論 」 は 、 「 万

一 斉 」 「 万 物

同 」 を 言 う も の で あ る が 、 そ れ は 、 次 の こ と ぽ に 現 れ て い る 。                                   な   天 地 は 我 と 並 び 生 じ 、 万 物 は 我 と 一 を 為 す ( 「 荘 子 」 斉

二 ) 。   天 地 人 身 が

る は 、 人 間 の

で わ か る ( 前 出

A

) の で あ る 。 東 洋 に お い て は こ の

元 は 「 気 」 で

り 、 共 に 、 陰 陽 五 行 ( 木 ・

・ 土 ・ 金 ・ 水 ) で 理 解 さ れ る 。 西 洋 に 於 て は 、 共 に 地 ・ 水 ・ 火 ・ 風 の 四 大 で 理

さ れ る 。 イ ン ド で は こ れ に 識 を い れ 五 大 と す る が 、 こ の 知 識 で 人 間 ( 吾

) は 、 万

と 対 等 で あ る と す る の で あ る 。 一

96

(5)

性理学 (心学)の系譜 (藤井龍和)                                         ぎ ゆ う じ                                                       グ   チ ヤ  

の 高

摩 羅 什 ( 三 五 〇 ー 四 〇 九 ) は

茲 国 ( 現 在 の 新 疆 ウ イ グ ル

治 区 の 庫

) 出 身 の 異 国 僧 で

る が 、                   モ う じ よ う そ の

弟 四

の 一 人 、

肇 (

法 師 ) の 有 名 な こ と ば に 、   天 地 は 我 と 同

、 万

は 我 と 一 体 ( 天 地 根 元 、 万 物 同 根 ) ( 「

無 名 論 」 ) 。 が あ る と い う 。   中 国 で は 、

什 に よ る 本

的 な 訳

の 仕 事 が 始 め ら れ る ま で は 、 サ ン ス ク リ ッ ト 語 や パ ー リ 語 に

す る 独

教 語 を 、 老 荘 の こ と ば で 代 用 さ せ て 説 く と い う 長 い 「

義 」

代 を 経 過 し た の で 、 仏 徒 も 老 荘 の 書

読 し て い た ( 鈴

) 。

i

仏 教 が 中 国 に 入 っ た の は 、 中 央 ア ジ ア を 経 由 し て 、 後 漢 の 時 代 、 永 平 年 間 ( 五 八

七 五 ) 、

                                                                                    い た の

に 伝 え た と さ れ る 。 洛

の 白 馬 寺 が 、 仏 教 伝 来 の 最

と さ れ る 。 「 格 義 」 と は 「 義 に

る 」 と い う こ と で 、

教 独 自 の サ ン ス ク リ ッ ト 語 や パ ー リ 語 に 発 す る も の を 、 中 国 在 来 の 漢 語 を 用 い て 近 似

的 に

現 し た も の で あ る 。

1

師 も 「 荘 子 」 の こ と ば か ら 想 を 得 て い る の で あ る 。  

が 言 っ た

言 は 、 以

、 中 国 仏 教 世

に 於 て 、

古 の

言 と し て 尊

さ れ る の で あ る 。 禅

の 聖

と さ れ る 「 碧

録 」 第 四 十 則 の 「 本 則 」 に も 、 「 肇 法

道 え ら く 」 と し て こ の 句 が 引 用 さ れ て い る ( 鈴 木 ) 。   こ の 一 例 を 考 え た だ け で も 、 「 荘 子 」 の 「 心 学 」 は 、 道 教 の

だ け で な く 、 中 国 仏 教 の 世 界 に も 大 き な 影 響 力 を 発 揮 し た ( 鈴

) Q                 い え ど   天 地 は 大 な り と

も 、 其 の

は 均 し 。 万

は 多 な り と 雖 も 、

の 治 は 一 な り ( 「 荘 子 」 天 地 第 十 二 )

天 地 の 動   き の 影

は 万 物 に 及 び 、 そ の

に 一 本 「 理 」 と い え る 秩 序 が 通 っ て い る 。 そ し て 気 で

一 さ れ て い る 。                                                                   あ め つ ち     わ か  

の 語 は 「 天 地 根 元 、 万 物 同 根 」 を 示 す こ と ば と し て 理 解 さ れ て い る 。 「 天 地 の

れ し 時 ゆ 」 、 万

は 天 地 の 法 則 (

11

理 ) に 従 っ て い る の で あ る 。 わ れ わ れ は か く て 自 然 の 秩

っ て 社 会 の 秩 序 を 考 え な け れ

な ら な い (

二 ) 、 と い う の で あ る 。 こ れ は 孟 子 に よ っ て な さ れ る 。

(6)

智山学報第三十八輯  

 

 

孟 子 と 王

明 の 心

  わ れ わ れ は 、 こ の 天 地 の 中 に 住 し 、 村

っ て 社 会 生 活 を し て い る 。

地 を 知 る は 人 間 の 「 知 」 あ る こ と に 依 っ て い る ( 前 出

A

) 。 人 間 の 性 ( 人 間 性 ) を

る も 然 り で あ る 。 こ の 知 を

く こ と が 、 孟 子 の 「 心 学 」 で あ っ た 。 そ れ は 、 人 間 の 道 を 踏 み 行 う べ き 、 「

り よ う べ き 」 (

11

当 為 ) こ と の 中 に あ る 。 従 っ て 、 こ れ は 、 あ り よ う べ

聖 人 の 道 に 依 り 求 む べ き で 、 そ う な る と 、 理

的 な 政 治 を さ れ た と さ れ る 堯 舜 に

う べ き こ と と な る 。

舜 は 人 間 的 な 徳 ( 人 間 的 価 値 ) の 所 有 者 と さ れ る 。 ま た そ の 行 い で あ っ た と さ れ る 。 こ の 徳 を 求 む の が

問 で 、 孟 子 は 、   学 問 の

は 他

し 、 其 の 放 心 を 求 む る の み ( 「 孟 子 」 告 子 上 ) 。 と 言 っ て い る 。 わ れ わ れ の 心 は 世 俗 化 で 、 反 省 も な し に 日 々 を 水 の

に 流 し て い る 。 そ の 流 し て い る 心 を 一

止 め 、 こ の 溜 め た 水 を 一 度 反 省 し 吟

し 、

理 し 、 良 い 水 に す る の で あ る 。 王 陽 明 ( 陽 明 学 ) に よ れ ば 、 濁 水 を

え 、 知 っ た

は 行 う の で あ る 。 又 は 、 一 つ の

的 秩

の 中 に 納 め る の で あ る 。   こ こ で 今 日 私 が 思 う に は 、 科 学 は ラ テ ソ 語 の

る と い う サ イ エ ン ス か ら 来 て い る 。 科 学 は 人 間 に と っ て

い こ と も 悪 い こ と も 知 っ て い る 。 陽 明 学 は 、 「 知 行 合 一 」 と い う こ と を い う が 、 そ う し た 事 を 知 り

て も 、 人

に と っ て 良 く な い こ と は や は り 行 う べ き で な い 、 と い う こ と が 含 ま れ て い る と 思 う 。   日 本 の

町 中 期 の

、 一 休 宗 純 (

天 皇 の

、 大 徳 寺 に も 住 し た ) が 墨 書 す る 法

作 、

善 奉 行 」 は 、 王 陽 明 の 主 張 す る 「 良 知 で あ れ 」 に も 通

る と 思 う 。   諸 悪 莫

の 仏 語 は 、 七 仏 通 誠 の 偈 、 「 諸

莫 作 、 諸

行 、 自 浄 其

、 是 諸 仏

。 諸

莫 作

、 諸 仏 世

教 誠 」 ( 出 曜 経 二 五 。 「 日 本 国 語 大 辞

第 十 巻 」 小 学 館 、 昭 四 九 、 四 四 〇 頁 ) で 、 同 辞 典 に よ る と 、 万 葉 に も そ の 五 に 、 「

自 哀

」 に 、 「

二 作 悪 之 心 → 謂 レ

二 諸 悪 莫

行 之 教 一 也 」 ( 山 上 憶 良 ) と し て 出 て お り 、

管 抄 七 に 、 「

外 典 に 滅 罪 生 善 と い ふ 道 理 、 遮 悪 持 善 と い ふ 道 理 、

莫 作 、 諸

行 と い ふ 仏 説 の き ら き ら と し て 」 の 文 あ り 、 一

98

(7)

性理学 (心学)の系譜 (藤井竜和) 無 難

師 仮 名 法 語 下 に 、 「 心 身 な き 時 た し か に 知 る 、 色 即

空 空 即 是 色 に お ち っ く 時 α

作 、 衆

。 無 ノ

」 と あ る と 出 て い る 。   王 陽 明 は 、

な 「

知 説 」 を 唱 え た の で あ る が 、 こ の

は 「 孟 子 」 に 出

し て い る 。 人 の 学 ば

く す る 所 の 〔 性 善 の 〕

は ・ 其 の 良

が ず し て

は 、 其 の

知 な り ( 「 孟 子 」 尽 心 上 ) 。   孟 子 は 、 中 国 の 儒 学

の 「 心 学 」 の 開 祖 で あ っ た の で あ る 。   又 、 孟 子 は い う 、                         よ             な   心 を

う は 、

欲 よ り

き は

し ( 「 孟

」 尽 心 下 ) 。   老 子 の 「

欲 」 と す る で あ ろ う

を 、 孟 子 は 「 寡 欲 」 と し て い る 。 そ し て 又 、 こ れ が 、 後 の 「

気 説 」 の

端 と な る の で

る 。   そ の 他 、

明 道 も 「 心 学 」 で あ る と さ れ る 。   注   (

1

)   こ の 論 文 は 、 大 い に 鈴 木 修 次 氏 の 中 国 人 と 思 想 二 「 孟 子 」 ( 集 英 社、 昭 五 九 ) を 祖 述 さ せ て 頂 い た 。 感 謝 し て 記 す 。   (

2

)   神 戸 忠 夫 ・ 藤 井 龍 岳 編 著 「 改 訂 心 理 学 」 八 千 代 出 版 、 昭 六 二 ( 一 九 八 七 ) 、 九 三 − 九 八 、 一 〇 二 頁 参 照 。   参 考 文 献   ω   石 丸 梧 平 「 人 生 観 ・ 救 済 観 」 池 田 書 店 、 昭 二 九 ( 一 九 五 四 ) 。     高 坂 正 顕 「 著 作 集 」 第 六 巻 ( 教 育 哲 学 ) 二 五 八 − 二 六 三 ( 自 然 の 秩 序 、 社 会 の 秩 序 ) 、 理 想 社 昭 四 五 ( 一 九 七 〇 ) 。

参照

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