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本報告書の利用についての注意 免責事項 本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 北京センターが 2009 年 3 月現在入手している情報に基づくものであり その後の法律改正等によって変わる場合があります また 掲載した情報 コメントは筆者及びジェトロの判断によるものですが 一般的な情報 解釈

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中国における経営管理機構

2009 年 4 月

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本報告書の利用についての注意・免責事項 本報告書は、日本貿易振興機構(ジェトロ)北京センターが2009 年 3 月現在入手している 情報に基づくものであり、その後の法律改正等によって変わる場合があります。また、掲載し た情報・コメントは筆者及びジェトロの判断によるものですが、一般的な情報・解釈がこのと おりであることを保証するものでないことを予めお断りします。 ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、派生的、特別の、付 随的、あるいは懲罰的損害および利益の喪失については、それが契約、不法行為、無過失 責任、あるいはその他の原因に基づき生じたか否かにかかわらず、一切の責任を負いませ ん。これは、たとえジェトロがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします。 本報告書にかかる問い合わせ先: 日本貿易振興機構(ジェトロ) 在外企業支援・知的財産部 在外企業支援課 〒107-6006 東京都港区赤坂 1-12-32 TEL:03-3582-5017 FAX:03-3585-7289

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アンケート返送先 FAX:03-3585-7289

ジェトロ在外企業支援課宛

●ジェトロ調査報告書のご利用アンケート●

~中国における経営管理機構~ 本報告書をご利用いただき、誠に有難うございました。 ジェトロの今後のサービス向上に向けて、皆様のご意見を伺いたく存じますので、アンケートにご 記入下さいますようご協力をお願い申し上げます。 ■ 質問1:本報告書は、日本企業が中国において現地法人を設立・運営の際、把握しておかねばな らない経営管理機構の役割、義務等について、日本企業担当者向けに読みやすくかつ分かり易い マニュアルとして作成いたしましたが、どの程度満足されましたか?(○をひとつ) 4.満足 3.まあ満足 2.やや不満 1.不満 ■ 質問2:上記のように判断された理由、またその他本報告書に関するご感想をご記入下さい。 ■ 質問3:その他、ジェトロへの今後のご希望等がございましたら、ご記入下さい。 お名前ふ り が な 会社・ 団体名 部署名 役職 住所 TEL FAX

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はじめに

多くの日系企業が進出し、中国関連の情報も日本にあふれ、「董事会」「総経理」などといっ た言葉は一般的に使われるようになっています。こうした中国の経営管理機構の役割を正しく 把握しておくことは、これから中国へ進出する企業、既に進出済みの企業にととっても不可欠 です。経営管理機構に対する理解不足、これにまつわる定款の不十分さなどから紛争時に困難 に巻き込まれる事例もみられています。 そこで、日本企業が中国において現地法人を設立する際、把握しておかねばならない経営管 理機構の役割、義務、その業務執行および運営に関する注意点及び問題点、併せて定款作成時 の注意点について調査し、日本企業担当者にとって、読みやすくかつ分かり易いマニュアルを 作成致しました。本資料はジェトロ北京センターが森・濱田松本法律事務所北京代表処に 依頼し取りまとめたものです。皆様のご参考になれば幸いです。 2009 年 4 月 日本貿易振興機構(ジェトロ)

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目次

Ⅰ 総論 ··· 1

1.会社の種類 ··· 1

2.中国の会社機関 ··· 3

Ⅱ 外商投資企業と会社機関 ··· 7

1.総論 ··· 7

2.中外合弁企業 ··· 8

3.中外合作企業 ··· 26

4.外商独資企業 ··· 27

5. 外商投資株式会社 ··· 49

Ⅲ 企業内部統制規範について ··· 59

1.内部統制について ··· 59

2. 企業内部統制基本規範(C-SOX 法)の概要 ··· 59

3. 適用範囲 ··· 61

4. まとめ ··· 61

定款サンプル1【中外合弁企業】 ··· 62

定款サンプル2【外商独資企業(単独出資)

】 ··· 68

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中国における経営管理機構 Ⅰ 総論 1.会社の種類 (1) 外商投資企業の種類 外国会社が中国国内に設立できる会社(外商投資企業)は、出資形態により、以 下の中外合弁会社、中外合作会社、外商独資会社及び外商投資株式会社の 4 種類 の会社に分かれます。中外合弁会社、中外合作会社及び外商独資会社は有限責任 会社で、外商投資株式会社は株式会社です。有限責任会社と株式会社の異同につ いては、下記(2)をご参照下さい。 <中国における会社の種類> 有限責任会社 内資企業 中国内資有限責任会社 外商投資企業 中外合弁企業 (中国企業とのジョイントベンチャー) 中外合作企業 (契約で利益配当率を決める) 外商独資企業 (100%外国資本) 株式会社 内資企業 中国内資株式会社 外商投資株式会社 ● 外商投資企業の種類は以下のとおりです。 ①中外合弁会社 :外国投資者と中国企業が共同で設立する有限責任会社で、それぞれ が出資比率に応じた利益配当を受ける会社。 ②中外合作会社 :外国投資者と中国企業が共同で設立する有限責任会社で、出資方式、 損益分担方法と利益配当比率が比較的フレキシブルで外国企業に 外商投資企業 ★外商投資企業は、 の会社です。

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どちらの会社でも、株主の責任は有限責任ですが、有限責任会社では株主の会社 に対する持分が「出資持分」という概念で表わされ、株式会社では「株式」で表 わされます。有限責任会社と株式会社の主な異同は以下のとおりです。 有限責任会社 株式会社 株主の責任の範囲 有限責任 有限責任 株主数 1~50 名(一人会社○) (会社法24 条) 2~200 名(注1)(一人会社×) (会社法79 条) 株主の持分 出資持分 株式 持分の譲渡 制限あり (他の株主の過半数の同意が必要 (会社法72 条)など) 原則自由 (会社法138 条) 最低資本金 3 万元(会社法 26 条 2 項) 500 万元(注 2)(会社法81 条 3 項) (注1)発起人の人数制限です。株主数の上限に制限はありません。 (注2)外商投資株式会社の最低資本金は 3000 万元です。 株式会社の設立は、有限責任会社よりもハードルが高いものとなっています。 有限責任会社と株式会社の異同は、外商投資企業にも性質上可能な限りで、あて はまります。 ● 有限責任会社 ● 株式会社

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2.中国の会社機関 (1) 種類 中国の外商投資企業の機関設計は、外商投資企業の性質に応じてそれぞれ異なっ ていますが、外商投資企業の機関については後述3以降で述べたいと思います。 ここでは、まず機関設計の基本となる中国の内資企業の機関設計について見て行 きたいと思います。中国の機関設計における主要な機関は以下のとおりです。 会社の種類 設置機関 有限責任会社 株主会/董事会or 執行董事/董事長/監事会 or 監事/総経理 株式会社 株主総会/董事会/董事長/監事会/総経理 (2) 内容 中国の内資企業の主な会社機関の関係を図解すると、以下のようになります。 株主会 or 株主総会 株主 任 命・ 解 任 報 告 審 議 ・ 承 認 董事長 選任 任命・解任 監事会/監事 監督 監督 任 命・ 解 任 報 告 審 議 ・ 承 認 董事長 副董事長 董事会or 執行董事 投資

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(3) 各機関の内容 中国の内資企業の各機関の内容は以下のとおりです。 (i) 株主会/株主総会 株主会(中国語で「股东会」)と株主総会(中国語で「股东大会」)はともに、 会社の全株主で構成される会社の最高意思決定機関で、会社の基本的重要事 項を決定します(会社法37 条、38 条、99 条、100 条)。株主会と株主総会の 決議事項は、会社の経営方針、董事・監事の選任・解任、予算・決算案の審 議・承認などです。この点日本の株主総会と同様です。有限責任会社の場合 は株主会と言い(会社法37 条)、株式会社の場合は株主総会と言います。 (ii) 董事会/執行董事 董事会は、董事によって構成され、株主会または株主総会に対して責任を負 う、業務執行機関です(会社法45 条、47 条、109 条)。董事会は株主会の決 議を実行し、会社の予算・決算案や合併・分割・解散案などを立案し、内部 管理機構の設置や総経理の任命などを行います。 なお、有限責任会社のうち、株主の人数が比較的尐ない又は規模が比較的小 さい会社は、執行董事を 1 名おいて董事会を設置しないこともできます(会 社法51 条)。 (iii) 董事長 ● 有限責任会社:株主会 ● 株式会社 :株主総会 最高意思決定機関 ● 株式会社、有限責任会社:董事会 ● 小さい有限責任会社 :執行董事 業務執行機関

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法13 条)ので、董事長が必ずしも法定代表者にならない点など異なる点も多い です。 (iv) 総経理 総経理は、会社の日常の経営管理機関の責任者で、董事会により任命・解任 され、総経理は、董事会の決議事項を実施します(会社法50 条、114 条)。 総経理は、董事会の決議事項を実施する点で、日本の代表取締役と似ていま すが、董事長と同じく必ずしも法定代表者になる訳ではない点など異なる点 も多いです。 (v) 監事会/監事 監事は、会社の財務検査や、董事及び高級管理職の職務執行に対する監督を 行う会社機関です(会社法52 条、54 条、118 条、119 条)。監事は、監督機 能を果たす必要があるので、会社の董事及び高級管理職を兼任することはで きません。 株式会社の場合、監事会の設置が必要で、監事会は 3 名以上の監事で構成さ れます。有限責任会社の場合で、株主の人数が比較的尐ない又は規模が比較 的小さい会社の場合は、1~2 名の監事だけをおいて監事会を設置しないこと もでます。 監事会・監事は、日本の監査役会・監査役と同様の機能を有する機関です。 (vi) その他 ● 董事長 ● 執行董事 ● 総経理 ● 小さい有限責任会社 :執行董事 ● 総経理 ● 株式会社、有限責任会社:監事会 ● 小さい有限責任会社 :監事 代表権 日常の経営管理 監督

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項、110 条)。副董事長は、董事長が職務を履行できない場合、または履 行しない場合に、代わりに董事長の職務を行う会社機関です(会社法48 条)。 (b) 副総経理 総経理の指名に基づき董事会が選任する機関で、総経理を補佐する機関 です(会社法50 条、114 条)。 ● 副董事長:董事長の補佐 ● 副総経理:総経理の補佐 補佐

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Ⅱ 外商投資企業と会社機関 1.総論 (1) 会社法と外商投資企業 中国の会社法は、中国の内資企業に適用されるだけでなく、外商投資企業にも適 用されます。しかし、中外合弁会社、中外合作会社、外商独資会社、外商投資株 式会社には、それぞれ中外合弁企業法、中外合作企業法及び外商独資企業法など の特別法も適用されます。そこで、会社内の経営管理機構も、会社法のみが適用 される中国内資企業とは異なる部分があります。 (2) 外商投資企業と会社機関 Ⅰで記載した会社機関は、会社法が適用される中国の内資企業を前提としたもの で、外商投資企業にもそのままあてはまるという訳ではありません。外商投資企 業の機関は、それぞれの種類ごとに、適用される特別法に応じて必要な会社機関 やその役割が異なっています。 そこで、以下では、外商投資企業の種類ごとに必要な会社機関とその役割をまと めています。

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2.中外合弁企業 (1) 総論 中外合弁企業とは、外国投資者と中国企業が共同で設立する有限責任会社のうち、 それぞれが出資比率に応じた利益配当を受ける会社のことを言います(中外合弁 企業法1 条)。 中外合弁企業においては、会社経営において、外国側出資者と中国側出資者の意 思を出資持分に応じて公平に反映することが重要になります。そこで、その目的 に沿うような機関設計が求められます。 *中外合弁企業には、会社法の他、主な特別法である中外合弁企業法や中外合弁企業実施条例が 適用されます。 (2) 必要な会社機関 中外合弁企業に必要な機関は以下のとおりです。 (i) 董事会 中外合弁企業では、各出資者が任命・解任する董事によって構成される董事 会が、最高意思決定機関であり、業務執行機関になります。董事会は、合弁 企業の一切の重要事項を決定します(中外合弁企業法6 条、中外合弁企業法 実施条例30 条)。 ○ 董事会 ←最高意思決定機関、業務執行機関 ○ 董事 ←董事会の構成員 ○ 董事長 ←法定代表者 ○ 総経理 ←日常的経営管理 △ 監事会/監事 ←董事・高級管理職の監督 × 株主会 ←最高意思決定機関としての株主会は設置できない

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副董事長またはその他の董事に中外合弁企業を代表する権限を委任しなけれ ばなりません。 (iv) 総経理、副総経理 総経理は、董事会の各種決議を執行し、中外合弁企業の日常的経営管理を組 織・指導します。副総経理は総経理の任務を補佐する機関です(中外合弁企 業法実施条例35 条、36 条)。 (iv) 監事会/監事 監事会または監事は、会社の財務検査や、董事及び高級管理職の職務執行に 対する監督などを行う会社機関です(会社法54 条)。 2006 年 1 月1日から施行された改正後の会社法(以下「改正会社法」または 単に「会社法」と言います。)では、有限責任会社及び株式会社に監事会また は監事の設置が義務付けられました(会社法54 条、118 条)。そして、かか る規定は外商投資企業にも適用されるので、改正会社法施行後、すなわち 2006 年 1 月 1 日以降に設立された中外合弁会社には監事会または監事の設置 が必要になります。それでは、改正会社法施行前に設立された会社について はどうでしょうか?この点、国家工商行政管理総局が 2006 年 9 月に公布し た実施意見の重要事項解説(以下「重要事項解説」と言います)によれば、 2006 年 1 月 1 日より前に設立された中外合弁会社には、監事または監事会の 設置は不要という解説があります。そこで、改正会社法施行前に設立された 会社は、原則として監事または監事会の設置は不要で、定款を変更してまで 監事会または監事を設ける必要はないと考えます。但し、新たに定款を変更 する際には、各地方の審査認可機関等から監事会または監事を設置すること を指導されることが多いです。また、監事または監事会の取り扱いは各地方 によって異なっています。改正会社法施行前に設立した会社で、かつ定款変 更の手続き等をしていないのに、地方の工商局などから事実上監事の設置を 要求されている例もありますので、注意が必要です。 ●中外合弁企業に株主会を設置できますか? (答)できないと考えます。 普通、株主会は会社の最高意思決定機関ですが、中外合弁企業では董事会が最高 意思決定機関なので、その機関設計と矛盾する株主会は設置できないものと解釈

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以上まとめると、中外合弁企業における機関の内容は下図のとおりになります。 <中外合弁企業の機関> 中国側出資者 外国側出資者 董事長 董事会 監事会/監事 任命・解任 総経理 副総経理 経営管理機関 任命・解任 監督 監督 ★ :必要的設置機関 :改正会社法により 設置が必要になっ た機関 任 命・ 解 任 董事長 副董事長 その他董事

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(3) 各機関の内容 (i) 董事会 (a) 概要 中外合弁企業では、各出資者が任命・解任する董事によって構成される董事会 が、最高意思決定機関であり、かつ業務執行機関になります(中外合弁企業法6 条、中外合弁企業法実施条例30 条)。 (b) 決議事項 董事会は、合弁企業の一切の重要事項を決定します。法律で董事会の決議事項 と定められている事項は以下のとおりです(中外合弁企業法6 条)。なお、それ ぞれの重要度に応じて、董事会の決議方法が異なっています。 董事会決議事項 ③合併・分割・中途終了・解散・ 会社形態の変更 ②登録資本金の増加・減尐 ①定款の変更 ⑤経営方針・投資計画の決定 ⑥予算案・決算案の審議・承認 ⑦利益配当案・欠損補填案の 審議・承認 ⑧清算委員会の構成員の選任 ⑨総経理、副総経理、総工程師、 総会計士、会計監査人の任命・解任 ⑩内部規則、労働賃金計画等の決定 ④持分譲渡

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① 全会一致決議事項 以下の事項は董事会の決議事項の中でも特に重要なので、中外合弁企業及び 中外合作企業では、法律上、董事会において出席董事の全員一致によって決 議しなければいけないとされています(中外合弁企業法実施条例 33 条)。こ れは強行規定です。 全会一致決議事項 ③合併・分割・中途終了・ 解散・会社形態の変更 ②登録資本金の増加・減尐 ①定款の変更 ●法律上董事会の全会一致決議となっている事項について、定款で「3 分の 2 以上の董事の賛成によって決議する」など、異なる決議方法を定めること ができますか? (答)強行規定なのでできません。 ●法律上の全会一致決議事項以外にも、定款で全会一致決議事項を追加する ことはできますか? (答)できます。 法定の全会一致決議事項は、最低限のものです。実務上は、各会社の 実情にあわせて全会一致決議事項を追加することが重要です。

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② 普通決議事項 董事会決議事項のうち、全会一致決議事項以外の以下の事項は、各会社が決 議方法を定款で自由に定めることができます(中外合弁企業法実施条例33 条)。 一般的には、「出席董事の過半数の賛成で決議する」と定められていることが 多いですが、「出席董事の3 分の 2 以上の賛成で決議する」等規定することも 可能です。 ●定款で董事会の決議方法を定めるには、事前に各決議方法が各出資者にとっ てどのような影響を生じるかについて、よく検討することが必要です。 例)A 社(支配株主)にとって、「3 分の 2」or「4 分の 3」のどちらの決議方 法を選択するべきでしょうか? 董事の人 数配分 A の董 事会出 席者数 多数決 コントロールの強弱 2∕3 3∕4 A:8 12 人 全員 出席 他の株主の 協力不要 他の株主の 協力必要 2/3 のときは、合弁会社を自社 のみでコントロールできる B:2 3/4 になると他の当事者との協 力が不可欠 C:2 5 人 他の株主の 他の株主の 表決数の割合が 2/3 でも 3/4 で 普通決議事項 ⑤経営方針・投資計画の決定 ⑥予算案・決算案の審議・承認 ⑦利益配当案・欠損補填案の審議・承認 ⑧清算委員会の構成員の選任 ⑩内部規則、労働賃金計画等の決定 ⑨総経理、副総経理、総工程師、 総会計士、会計監査人の任命・解任 ⑪その他定款で定めた事項 おのた定款で

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●定款にどのようなことを記載するべきでしょうか? (答)定款変更は全会一致決議事項です。そこで、後に頻繁に変更する可能性が ある事項を定款に記載してしまうと、董事会の全員一致決議がとれず必要 な変更ができなくなるリスクがあります。 また、大株主の場合は、全会一致決議事項は尐ない方が有利ですので、定 款の必要的記載事項以外の事項は、定款に記載しない方が有利です。 他方マイノリティ出資者の場合は、なるべく多くの事項を定款に記載した 方が、拒否権発動の機会が増えて有利です。 ご参考までに、以下の事項は定款に規定されることが多い事項です。 ・新会社の設立及びその他の会社の買収又はその他の会社への出資 ・総経理及び財務部長の任免・待遇、その他高級職員の待遇の決定 ・清算委員会の構成員の選任 ・対外的な借入、貸付及び中国政府が許可したその他の融資方式の決 定、会社の資産に設定する抵当権等の担保方式の決定及び対外的な保 証の決定 ・支店等の設置又は廃止の決定

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(c) 招集手続き 董事会の招集は、董事長が行います(中外合弁企業法実施条例32 条)。 董事会招集の注意点は以下のとおりです。 董事会招集時の注意点 招集権者 董事長 最低回数 1回/年 開催地 原則として中外合弁企業の法定住所の所在地で開催する。(注) (注)任意規定ですので、法定所在地でない場所で開催することもできます。 ●董事会の招集通知は送付しなければならないでしょうか? (答)董事会の招集通知の発送は法律上の義務とはされていません。 しかし、非常勤董事や外国側出資者の董事の場合、会社の動きに気づか ないこともあり、招集通知がないと董事会に出席できず、拒否権等を行 使できなくなるおそれがあります。そこで、定款で別途招集通知を送付 することを定めて、招集通知の送付を義務化する方が、有効な董事会の 運営ができると考えます。 ☆定款には、通常「董事長が会議招集 1 ヶ月前までに董事会の招集通知及び議案を書 面で各董事に発送する必要があります。」等規定されることが多いです。 ●董事会の招集通知には何を記載すればいいでしょうか? (答)招集通知を送付する場合、尐なくとも以下の記載は必要です。 ①議題 ②開催地 ③開催期日 ☆特に外国出資者がマイノリティの場合は、招集通知の記載内容も、定款で明確に記 載する方が望ましいです。但し、召集通知を厳格に要求することは機動的な董事会 運営を阻害するおそれもありますので、マジョリティの場合に、招集通知の内容ま で具体的に定款に規定するかどうかは、検討が必要です。 ●董事長が董事会を招集しない場合、董事会は開催できないのでしょうか? (答)できます。 董事長が職務を履行しない場合は、副董事長が招集・主宰します。副董 事長が職務を履行しない場合は、半数以上の董事が共同で推薦する 1 名の董事が招集・主宰します。

(21)

☆董事長が董事会を招集しない場合の董事会の招集方法 <定時会議> <臨時会議> 董事長が董事会会議を招集・主宰 副董事長が招集・主宰 半数以上の董事が共同推薦する 1 名の董事が招集・主宰 副董事長が職務を履行 しない場合 3 分の 1 以上の董事が提議 董事長が董事会を招集・主宰 董事長が職務を履行 しない場合

(22)

(d) 董事会の運営 董事会を主宰して運営するのも董事長です(中外合弁企業法実施条例 32 条)。 董事会の運営の注意点は以下のとおりです。 董事会運営の注意点 主宰者 董事長 構成人数 3 人以上 13 人(注) 定足数 全董事の 3 分 2 以上 議決権 1 人1票 代理出席の可否 ○ 決議方法 全会一致決議あり。それ以外は定款で規定 議事方式 定款で規定 開催地 通常、法定住所の所在地 (注)会社法 45 条の董事の人数制限は外商投資企業にも当てはまると考えられます。 ●董事長の議決権に特権を設けることはできますか? (例:定款で「董事長は一般の董事の 2 倍の議決権を持つ」と規定する) (答)董事の董事会における議決権は「1 人 1 票」と法律で決められ、職務、能力、 貢献、出資比率等の違いによる議決権の差異を設けることはできません。よっ て、董事長であっても、「1 人 1 票」の原則に反する特権を設けることはでき ません。

(23)

●実際に董事を一箇所に集めずに、通信や書面で董事会を開催できますか? (答)できます。 法律には規制はありません。定款に議事規則を明記し、その中で通信・書 面などによる董事会開催を明記すれば可能です(中外合弁企業法33 条会 社法44 条)。 ●董事が出席できない時、代理人が出席することができますか? (答)できます。 その場合、代理人になろうとする人に、授権範囲を記載した書面の委任 状を提出することが必要です(中外合弁企業法実施条例32 条 2 項)。 ●董事でない一般の社員を代理人にすることもできますか? (答)できます。 代理人の要件には法律上の制限はありません。董事以外の社員でも第三 者でも代理人になれます。但し、董事会の混乱を防ぐため、代理人の選 任は慎重に行うことが必要です。 ☆ 董事会の有効な運営のために、代理人1 名が董事 1 名を代理するべきと解され ています。 ●董事会の議事録を作成する必要がありますか? (答)必要です。 董事会の議事録には、議案、決議、議事進行の要点を含めなければなら ず、主宰者及び出席董事が署名した後、原本を会社で保管します。 ●董事会を董事 2 人で構成することはできますか? (答)できません。 董事会を構成する董事の人数は最低 3 人です。 ●董事の辞任等で、董事会の人数が法定人数より尐なくなった場合はどうすれ ばいいですか? (答)新しい董事が選任され就任するまでは、もとの董事が董事の職務を履行 しなければいけません(会社法 46 条 2 項)。

(24)

(ii) 董事 (a) 就任資格 董事は、董事は、中外合弁企業においては最高意思決定機関である董事会の一 員であるので、その就任資格には制限があります。 以下に該当する人は、董事になることができません(会社法 147 条)。 欠格事由 破産し清算した会社の董事・総経理・工場長を務め、 当該会社の破産に個人として責任のある者で、破産し 清算が完了した日から 3 年に満たない場合 民事行為無能力者(例:未成年者) 等) 法律違反により営業許可証を取り消された会社の法定代 表者で、個人として責任のある者で、当該会社が営業許 可証を取り消された日から 3 年に満たない場合 個人として負っている比較的大きな債務の期限が到来 したにもかかわらず、弁済を完了していない者 汚職、収賄等により刑罰の判決を受け、執行期間満了後 5 年に満たない者 制限民事行為能力者(例:精神病患者)

(25)

(b) 選任方法、任期等 董事は、各出資者が出資持分の比率に応じた人数を任命します(中外合弁企業 法 6 条)。董事の任期は3 年以下です(注)。 注)この点、中外合弁企業法では董事の任期は4 年とされています(中外合弁企業法実施条 例31 条 2 項)。しかし、2006 年 1 月 1 日から施行された改正会社法では、董事の任期は 3 年以下とされました(会社法 46 条 1 項)。そこで、2006 年 1 月 1 日以後に設立された 会社の場合、董事の任期を3 年と規定する方が安全であると考えます。 ●董事の任期を 1 年とすることもできますか? (答)3 年は最長期間なので、任期を 1 年とすることもできます。 ●外国企業と中国企業が派遣する董事の割合に、制限はありますか? (答)制限はあります。 中外合弁企業の董事会は最高意思決定機関なので、各株主が出資比率に 応じて意思を反映できるようにする必要があります。よって、基本的に は、各株主は出資比率を参考にした人数配分の董事を派遣することとさ れています(中外合弁企業法実施条例 31 条 1 項)。 注)董事数と出資比率はともに会社定款の必要的記載事項であり、定款は審査認可 機関の認可を受ける必要があるので、董事の人数配分によっては認可がおりな い場合があります。しかし、人数配分と出資比率がどの程度一致すればいいか については、運用が一定していません。一般に制限類については比率について 厳格に判断される傾向にあるので、出資比率について中国側がマジョリティの 場合に、外国側が董事の人数配分でマジョリティの定款は認可を受けられない と考えますが、奨励類の場合にどの程度までの人数配分が認可されるかについ ては、ケースバイケースとなっています。

(26)

(c) 董事の義務 董事は、会社の最高意思決定機関の構成員として、会社に重大な影響を与える 機関です。董事の不適切な行動が、会社に甚大な損害をもたらす可能性もあり ます。そこで、一般の従業員とは異なり、以下のような特別な義務や責任を負 っています(会社法148 条、149 条、150 条条)。 忠実義務 会社に対する忠実義務及び勤勉義務忠実義務 権限を利用して賄賂又はその他の不法な収入を得た り、会社の財産を横領したりしてはいけない。 会社資産の流用 会社資金を自分の個人名義又はその他の個人名義で 口座を開設し預金すること 定款の規定に反し、株主会、株主総会又は董事会の同意 を得ずに、会社の資産を他人に貸し付け、又は会社の財 産を他人のために担保として提供すること 定款の規定に反し、又は株主会、株主総会又は董事会の 同意を得ずに、自社と契約を締結し、又は取引を行うこ と 株主会又は株主総会の同意を得ずに、職務上の便宜を利 用して自己のため、又は他人のために会社の商機を奪い、 在任する会社と同種の業務を自営し、又は他人のために 経営すること 他人と会社との取引のコミッションを受け取り自己 のものとすること 会社の機密を無断で開示すること 会社に対する忠実義務に反するその他の 行為 禁止事項

(27)

(iii) 董事長、副董事長 (a) 選任方法 董事長と副董事長は、各出資者が協議により確定するか、董事会が選任します。 各出資者の公平を図るため、董事長を中国側か外国側のどちらかから任命した 場合、副董事長は他方が任命します(中外合弁企業法6 条)。 (b) 権限 董事長は、中外合弁企業の法定代表者です(中外合弁企業実施条例 34 条)。副 董事長は、董事長を補佐する機関です。董事長は職責を果たせないときは、副 董事長またはその他の董事に中外合弁企業を代表する権限を委任しなければな りません。 董事長は、対外的には中外合弁企業を代表し、対内的には董事会を招集・主宰 し、董事会決議に基づき業務を執行します。 ●董事長を外国側出資者が任命することもできますか? (答)できます。 ●副董事長を 2 名選任してもいいでしょうか? (答)問題ありません。 副董事長は人数制限がないので、中国側出資者と外国側出資者が 1 名ずつ 任命することもできます。

(28)

(iv) 総経理、副総経理 (a) 選任方法 中外合弁企業では、総経理1 名と副総経理若干名を設置する必要があります。 中外合弁企業では、総経理及び副総経理はともに董事会が任命・解任します(中 外合弁企業法実施条例36 条、37 条)。 (b) 権限 総経理は、董事会の各種決議を執行し、中外合弁企業の日常的経営管理を組織・ 指導し、董事会から与えられた権限の範囲内で中外合弁企業を代表し、体内的 に従業員を任免し、その他董事会から委任された職権を行使します。 副総経理は総経理の任務を補佐する機関です。総経理は、重要問題を解決する 場合は、副総経理と協議しなければなりません(中外合弁企業法実施条例35 条、 36 条、37 条)。 ●外国人も総経理に就任できますか? (答)できます。 ●総経理がサインした契約書は有効でしょうか? (答)中外合弁企業では董事長が法定代表者なので、会社の契約書は董事長が 董事会の決議に基づいてサインする必要があります。しかし、総経理も 董事会から与えたれた権限の範囲内で代表権を有しますので、当該契約 書の締結権が董事会から総経理に授権されていれば、総経理がサインし た契約書も有効です。 ●A 会社の中国合弁会社である B 会社で総経理に就任していますが、A 会社が さらに中国企業と合弁で C 会社を設立することになりました。C 会社でも総 経理に就任してもいいでしょうか?C 会社の董事や董事長はどうですか? (答)会社の総経理・副総経理は他の経済組織の総経理・副総経理を兼任する ことはできません(中外合弁企業法実施条例 37 条 4 項)。そこで、総経 理への就任はできません。他方、株主会(合弁企業の場合、董事会)の 同意を得れば、C会社の董事や董事長への就任は可能と解されます。

(29)

(iv) 監事会/監事 (a) 要否 中外合弁企業法には、監事会や監事についての規定はなく、従前の中外合弁企 業には監事会または監事は設置されないことがほとんどでした。しかし、2006 年 1 月 1 日から施行された改正会社法においては、有限責任会社において監事 会または監事のいずれかを設置することが義務付けられました(会社法52 条)。 中外合弁企業も有限責任会社ですので、2006 年 1 月 1 日以降に設立された中外 合弁会社には、監事会または監事の設置が必要になります。2006 年 1 月 1 日よ り前に設立された中外合弁会社は、原則として監事を設ける必要はありません が(重要事項解説)、新たに定款を変更する際などには監事を設置する必要がで てきますし、また定款変更がない場合でも、地方によっては工商局などから監 事を設けるように指導されることもあります。 (b) 選任、任期 中国の有限責任会社では、株主会が監事を選任しますが(会社法 38 条)、株主 会の設置されない中外合弁企業では、董事と同様に各出資者が任命・解任する ことになります。 また、中国の有限責任会社では、原則として監事会を設け、株主の人数が比較 的尐ない又は規模が比較的小さい有限責任会社では監事を設けるだけで監事会 を設けないことができるとされています(会社法 52 条)。中外合弁企業は、株 主の人数が比較的尐ない等の理由により、監事会を設けず監事のみを設置する ケースが多いようです 監事の任期は3 年です(会社法 53 条)。 (c) 権限 監事会または監事は、会社の財務検査や、董事及び高級管理職の職務執行に対 する監督を行う会社機関です(会社法54 条、119 条)。監事会または監事の権限 の詳細については、後述の49ページを参照してください。

(30)

●中外合弁企業と監事の関係 中国の内資有限責任会社では、監事会/監事は、株主会によって任命・解 任され、株主会に対して責任を負い、董事や高級管理職の職務執行を監督 する機関として位置づけられています。 しかし、中外合弁企業ではその肝心の株主会が存在しないことから、監事 会/監事の位置づけが問題になります。 この点、有限責任会社の監事の機能の根幹は、董事会や総経理が株主の利 益に反した行動をしないように監督するという点にあります。 中外合弁企業の各出資者が株主ですので、各出資者が、自分の利益に反し た行動を董事会や総経理がとらないよう監事を選任して監督させ、監事は 自らを任命した各出資者に対して責任を負うと考えることができます。 現状でも、2006 年 1 月 1 日後に設立した中外合弁企業では、各出資者が 1 名ずつ監事を任命するのが一般的となっています。

(31)

3.中外合作企業 (1) 総論 中外合作企業とは、外国投資者と中国企業が共同で設立する有限責任会社で、出 資方式、損益分担方法と利益配当比率が比較的フレキシブルで外国企業による利 益配当の早期回収なども認められている会社のことを言います(中外合作企業法 1 条、中外合作企業法実施細則 43 条)。なお、厳密に言えば、パートナーシップ や法人格がない合作企業もあります。 中外合作企業においても、中外合弁企業と同様に、会社経営において、外国側出 資者と中国側出資者の意思を出資持分に応じて公平に反映することが重要になり ます。そこで、その目的に沿うような機関設計が求められます。 *中外合作企業には、会社法の他、主な特別法である中外合作企業法や中外合作企業実施細則が 適用されます。 (2) 必要な会社機関 法人格がある中外合作企業の会社機関の構成及び内容は、中外合弁企業とほぼ同 じです(中外合作会社実施細則24 条、26 条、32 条等)。 ○ 董事会 ←最高意思決定機関、業務執行機関 ○ 董事 ←董事会の構成員 ○ 董事長 ←法定代表者 ○ 総経理 ←日常的経営管理 △ 監事会/監事 ←董事・高級管理職の監督 × 株主会 ←最高意思決定機関としての株主会は設置できない

(32)

4.外商独資企業 (1) 総論 外商独資企業とは、外国投資者の出資のみで設立される有限責任会社のことを言い ます(外商独資企業法2 条)。外商独資企業においては、株主は外国出資者のみなの で、中国側出資者との公平など特別の事情を考慮する必要はなく、会社機関につい ての特別な規定がありませんでした。そこで、従前、実務上は中外合弁会社と同様 の機関設計をして、董事会及び総経理を設置している外商独資企業がほとんどでし た。 しかし、改正会社法の施行にともない、2006 年 1 月 1 日以後に設立された外商独資 企業にも、外商独資企業としての性質に反しない限りで改正会社法が適用され、改 正会社法に合わせた機関設定を行うことが必要になります。 外商独資企業には、外国会社1 社が出資して設立するタイプと、外国会社が 2 社以 上で出資して設立するタイプとがあり、それぞれの特徴に合わせて機関設計にも相 違がありますので、両社に分けてまとめております。 *外商独資企業には、会社法の他、主な特別法である外商独資企業法及び外商独資企業法実施細則 が適用されます。 (2) 必要な会社機関 以下では、2006 年 1 月 1 日以後に設立された外商独資企業の機関設計についてまと めています。 (i) 外国会社 1 社が出資して設立するタイプ(単独出資) 外国会社の単独出資の場合、株主が一人なので、中国の内資有限責任会社の一人 会社に類似した機関設計となります。2006 年 1 月 1 日以後、設立された単独出 資の外商独資企業の必要な機関は以下のとおりです。 ○株主 ←意思決定機関 ○ 董事会/執行董事 ←業務執行機関∕意思決定機関 ○ 董事 ←董事会の構成員 ○ 董事長 ←董事会の招集・主宰 ○ 総経理 ←日常的経営管理 ○ 監事/監事会 ←董事・高級管理職の監督

(33)

(ii) 各機関の権限 単独出資の場合、改正会社法施行以後も、1 人会社であるので株主会を設置す ることができません(会社法 62 条)。そこで、現状では、大きく分けると以 下の2タイプの機関設計が行われておいます。 (a) 株主=最高意思決定機関タイプ 2006 年 1 月 1 日以後設立された単独出資の外商独資企業のうち、しっかり と改正会社法を全面的に適用し、内資有限責任会社の一人会社と同様の機 関設計を行っている企業も存在しています。 このタイプの場合、株主会の代わりである一人株主自身が最高意思決定機 関であり、全ての重要事項を決定します。董事会は株主の決定を執行する 機関となります。株主の権限の詳細については、後述34~41ページの 外商独資企業(共同趣旨)の株主会とほぼ同様となり、董事会及びその他 の機関権限の詳細については、後述の外商独資企業(共同趣旨)の機関の 対応機関とほぼ同様となります。(後述42~49ページ参照。) (b) 董事会=最高意思決定機関タイプ、その他 2006 年 1 月 1 日より前に設立された単独出資の外商独資企業の場合、多く は中外合弁企業と同様の機関設計が行われていましたが、特に機関設計に ついて規定がなかったので、中外合弁会社とは異なる機関設計の会社もあ りました。 2006 年 1 月 1 日以後設立された単独出資の外商独資企業も、株主会の設置 ができないので、結果として従前の機関設計と同様の機関設計をしている 会社も存在しています。

(34)

以上まとめると、外商独資企業(単独出資)における機関の内容は下図のとおりとなりま す。 <外商独資企業(単独出資)の機関> 外国出資者 任命・解任 監事会 or 監事 任 命・ 解 任 監督 監督 董事長 董事会 総経理 副総経理 経営管理機関 任命・解任 董事長 副董事長 その他董事 ★ :必要的設置機関 :改正会社法により 設置が必要になっ た機関

(35)

(ii) 外国会社が 2 社以上で出資して設立するタイプ(共同出資) 中国の内資有限責任会社と類似した機関設計となります。必要な機関は以下のと おりです。 (i) 株主会 株主会(中国語で「股东会」)はともに、会社の全株主で構成される会社の最 高意思決定機関で、会社の基本的重要事項を決定します(会社法 37 条、38 条)。株主会の決議事項は、会社の経営方針、董事・監事の選任・解任、予算・ 決算案の審議・承認などです。 (ii) 董事会/執行董事 董事会は、董事によって構成され、株主会または株主総会に対して責任を負 う、業務執行機関です(会社法45 条、47 条)。董事会は株主会の決議を実行 し、会社の予算・決算案や合併・分割・解散案などを立案し、内部管理機構 の設置や総経理の任命などを行います。 なお、有限責任会社のうち、株主の人数が比較的尐ない又は規模が比較的小 さい会社は、執行董事を 1 名おいて董事会を設置しないこともできます(会 社法51 条)。 ○ 株主会 ←最高意思決定機関 ○ 董事会/執行董事←業務執行機関 ○ 董事 ←董事会の構成員 ○ 董事長 ←董事会の招集・主宰 ○ 総経理 ←日常的経営管理 ○ 監事/監事会 ←董事・総経理の監督

(36)

(v) 監事会/監事 監事は、会社の財務検査や、董事及び高級管理職の職務執行に対する監督を 行う会社機関です(会社法52 条、54 条)。監事は、監督機能を果たす必要が あるので、会社の董事及び高級管理職を兼任することはできません。 有限責任会社の場合で、株主の人数が比較的尐ない又は規模が比較的小さい 会社の場合は、1~2 名の監事だけをおいて監事会を設置しないこともでます。 (vi) その他 (a) 副董事長 董事会設置会社は、副董事長を選任することができます(会社法45 条 3 項、48 条)。副董事長は、董事長が職務を履行できない場合、または履行 しない場合に、代わりに董事長の職務を行う会社機関です。 (b) 副総経理 総経理の指名に基づき董事会が選任する機関で、総経理を補佐する機関 です(会社法50 条)。

(37)

以上まとめると、外商独資企業(共同出資)における機関の内容は、下図のとおりになり ます。 <外商独資企業(共同出資)の機関> 監督 外国出資者A 外国出資者B 株主会 任命・解任 監事会 or 監事 監督 董事長 董事会/執行董事 総経理 副総経理 経営管理機関 董事長 副董事長 その他董事 ★ :必要的設置機関 :改正会社法により 設置が必要になっ た機関 任命・解任

(38)

(3) 各機関の詳細 (i) 株主会 (a)位置づけ、概要 株主会は、会社の最高意思決定機関です(会社法 37 条)。株主会は董事や監事の任 命・解任や会社定款修正を含む重要な事項について決定する権利があります。以下 の事項については、法律で株主会の決議事項と定められています(会社法38 条)。 株主会決議事項 ③合併・分割・解散・会社形態 の変更 ②登録資本金の増加・減尐 ①定款の変更 ④経営方針・投資計画の決定 ⑤予算案・決算案の審議・承認 ⑥利益配当案・欠損補填案の 審議・承認 ⑦董事・監事の選任・解任 ⑧董事・監事の報酬決定 ⑨董事会の報告の審議・承認 ⑩監事会・監事の報告の審議・承認 ⑪定款に定めるその他の権限

(39)

(b) 決議事項 ① 特別決議事項(会社法44 条 2 項) 株主会の決議事項のうち、以下の内容は、特に重要な事項なので、特別決 議事項として、3 分の 2 以上の議決権を有する株主によって決議しなければ なりません。 ●法律上、必ず3 分の 2 以上の議決権で決議することが必要な事項です。 ∴3 分の 2 よりもゆるい議決方法を定款等で規定することはできません。 ×「出席株主の過半数で決議する」と定める。 ×「董事会の決議事項とする」と定める。 特別決議事項 ①定款の変更 ②登録資本金の増加・減尐 ③合併・分割・解散・会社形態 の変更

(40)

② 普通決議事項(会社法38 条、100 条) 株主会の決議事項のうち、以下の内容は、普通決議事項です。決議方法は 定款で自由に定められます。 ●法律上、必ず株主会または株主総会の決議事項とすることが必要な事項です。 ∴定款等でこれに反する規定をすることはできません。 ×董事会の権限と規定する。 ●自社の状況に応じて、更に株主会または株主総会の決議事項を追加できます か? (答)できます。 上記の株主会決議事項は最低限の事項を定めたものです。それぞれの会社 が、自社にとって重要な事項を株主会または株主総会の決議事項としてい くことは、会社運営にとって非常に重要です。 普通決議事項 ④経営方針・投資計画の決定 ⑤予算案・決算案の審議・承認 ④会社の経営方針及び投資計画の決定 ⑥利益配当案・欠損補填案の審議・ 承認 ⑦董事・監事の選任・解任 ⑧董事・監事の報酬決定 ⑩監事会・監事の報告の審議・承認 ⑨董事会の報告の審議・承認 ⑪定款で定めるその他の権限

(41)

●株主会の情報収集権 株主会は最高意思決定機関ですが、多くの株主は会社の経営管理に直接関わ っていないので、情報不足により、その議決権を有効に行使できない可能性 があります。そこで、改正会社法では、下の図のとおり一定程度において株 主の知る権利が保障されました。 <従前の会社法> <改正会社法(現行会社法)> 知る権利 株主会議事録 財務会計報告 会社定款 董事会会議の 決議 監事会会議の 決議 会社会計帳簿 ●尐数株主が、会社の現在の経営状況を知りたい場合に、会社の関連資料を閲 覧する権利はありますか。 (答)株主には、以下の権利があります(会社法 34 条)。 ①閲覧権 :会計帳簿 ②閲覧+複製権:会社定款、董事会会議の決議、監事会会議の決議、財務会 計報告 知る権利 株主会議事録 財務会計報告

(42)

(c) 株主会招集手続き 株主会は、会社の最高意思決定機関なので、その招集は確実に行う必要があり ます。株主会の招集は原則として董事会が行います。 株主会には、会社設立後の第一回株主会と定時株主会及び臨時株主会の 3 種 類があります。定時株主会は定款に定めた期日に毎年開催し、臨時株主会は必 要に応じて開催されます。以下の点に注意して下さい(会社法39 条ないし 42 条)。 <株主会招集時の注意点> 第 1 回株主会 定時株主会 臨時株主会 招集権者 最も多く出資した株主 董事会 董事会 招集通知 15 日前に通知 15 日前に通知 15 日前に通知 開催時期 ― 定款に定めた期日 ― ●臨時株主会はどういう場合に招集しますか? ①董事会が招集する場合 ⇒董事会は、臨時に株主会を開催して決議する必要がある場合など、必要に応じて 臨時株主会を招集・開催することができます。 ②董事会以外の者が提案した場合(会社法 40 条 2 項) ⇒以下の者から臨時株主会の開催の提案を受けた場合には、董事会は臨時株主会を 招集・開催しなければいけません。 ・10%以上の議決権を有する株主 ・3 分の1以上の董事 ・監事会または監事 ●定款で記載する株主会の開催時期はいつにすればいいでしょうか? (答)中国内資企業の例では、定時株主会は「毎会計年度の終了後すぐに 開催する」と規定しているケースが見受けられます。外商投資企業の 株主会の実際の開催時期は1月~4 月の間のようです。 ●実際に株主が一堂に会さずに、書面決議を行うことができますか? (答)できます。

(43)

☆董事会が株主会を招集しない場合の、株主会招集の方法(会社法 41 条 3 項)。 ●招集通知の発送をしないことにしたり、通知の時期を「2 日前までの通知」等に 変更したりできますか? (答)会社定款に規定すればできます(会社法 42 条)。 董事会が株主会を招集 監事会が招集、主宰 10%以上の議決権を代表する株主が 自ら招集、主宰 董事会が株主会を招集しない場合 監事会が招集しない場合 原則

(44)

(d) 株主会運営手続き 株主会は全株主で構成される会社の最高意思決定機関です。 董事長が株主会を主宰します。株主は、株主会において、出資比率に基づいて 議決権を行使します。以下の点に注意して下さい(会社法42 条ないし 44 条)。 株主会運営の注意点 主宰者 董事会 構成員 全株主 定足数 (定款で規定) 最低回数 (定款で規定) 議決権 出資比率に基づく議決権 決議方法 (定款で規定)(特別決議事項以外) 議事方式 (定款で規定)

(45)

●株主が株主会に出席できない場合に、代理人を出席させて議決権を行使することがで きますか? (答)できると考えます。 法律上明確な規定はありませんが、株主は議決権を行使することが重要なので、株 主が出席できない場合には代理人による出席を認める必要があると考えます。但 し、後日の紛争を防ぐためにも定款にその旨明記することが必要です。 ●株主が株主会を途中退席した場合や議決権行使を棄権した場合は、賛成票になります か反対票になりますか? (答)法律上の規定はないので、定款で自由に定められます。 後日の紛争を防ぐためにも処理方法を定款に明記することが必要です。 ●議事録を作成する必要がありますか? 株主会は、議事事項の決定について議事録を作成しなければならず、会議に出席した株 主は議事録に署名しなければなりません(会社法 42 条 2 項)。 ●株主会の議決方式が法律、行政法規もしくは会社定款に違反する場合、又は決議内容 が会社定款に反する場合、株主は決議がなされた日より60 日以内に人民法院に取消を 請求することができます(会社法22 条)。 ☆以下の場合を含みます。 ・株主会が株主会の権限を逸脱して決議を行った場合 ・定款における関連株主平等の原則に違反して決議を行った場合

(46)

(ii) 董事会/執行董事 (a) 概要 株主会を設ける外商投資独資企業では、最高意思決定機関は株主会になり、 董事会は株主会の決議に基づいて業務執行を行う機関になります。株主の人 数が比較的尐ない、又は規模が比較的小さい有限責任会社は、執行董事を 1 名おき、董事会を設置しないことができます(会社法51 条)。 以下では、董事会について検討しています。 (b) 決議事項 重要決議事項は全て株主会の決議事項となり、董事会は株主会決議事項の立 案権を有し、また株主会決議事項以外の事項を決議することになります。 ●董事会は、多くの事項について立案権を有するのみで、株主会が最高意思 決定権を有します。 ①登録資本金の増加・減尐案の作成 ②合併・分割・解散・清算・会社形態の 変更の変更案作成

董事会

(立案権)

株主会

(決定権) ③経営方針・投資計画案の作成 ④予算案・決算案の作成 ⑤利益配当案・欠損補填案の作成 ⑥定款で定めるその他の権限

(47)

株主会と董事会の各決議事項は以下のとおりです。 株主会 ①定款の変更 ②登録資本金の増加・減尐 ③合併・分割・解散・清算・会社 形態の変更 ④経営方針・投資計画の決定 ⑤予算案・決算案の審議・承認 ⑥利益配当案・欠損補填案の審議・ 承認 ⑦定款で定めるその他の権限 ⑧董事・監事の選任・解任 ⑨董事・監事の報酬決定 ⑩董事会の報告の審議・承認 ⑪監事会・監事の報告の審議・承認 董事会 ①登録資本金の増加・減尐案の作成 ②合併・分割・解散・清算・会社 形態の変更の変更案作成 ③経営方針・投資計画案の作成 ④予算案・決算案の作成 ⑤利益配当案・欠損補填案の作成 ⑧会社の内部管理機構の設置決定 ない

(48)

(c) 招集手続き 董事会の招集は、董事長が行います(会社法48 条)。 董事会招集の注意点は以下のとおりです。 ●董事会の招集通知は送付しなければならないでしょうか? (答)董事会の招集通知の発送は法律上の義務とはされていません。 しかし、定款で別途招集通知を送付することを定めて、招集通知の送付を 義務化すると董事会の開催を確実にできますが、一方で機動的な董事会運 営を阻害するおそれもあるので、注意が必要です。 ●董事会の招集通知には何を記載すればいいでしょうか? (答)招集通知を送付する場合、尐なくとも以下の記載することが望ましいです。 ①議題 ②開催期日 ③開催地 ●董事長が董事会を招集しない場合、董事会は開催できないのでしょうか? (答)できます。 董事長が職務を履行できない場合または履行しない場合は、副董事長が 招集・主宰します。副董事長が職務を履行できない場合または履行しな い場合は、半数以上の董事が共同で推薦する 1 名の董事が招集・主宰し ます(会社法48 条)

(49)

(d) 董事会の運営 董事会を主宰して運営するのも董事長です(会社法 48 条)。 董事会の運営の注意点は以下のとおりです(会社法45 条~49 条)。 董事会運営の注意点 主宰者 董事長 構成人数 3 人以上 13 人 議決権 1 人1票 決議方法 定款で規定 議事方式 定款で規定 ☆ 中外合弁企業では、董事会が最高意思決定機関なのでその開催は厳格に行う必要があり、定足数・最 低開催回数・開催地などについて法律上の規定があります。しかし、独資企業でかつ株主会設置会社 においては、株主会が最高意思決定機関なので、董事会の開催について法律上の規定は特にありませ ん。 ●実際に董事を一箇所に集めずに、通信や書面で董事会を開催できますか? (答)できます。 董事会の議事方式と決議方法は定款で自由に定めることができます。そこ で、定款で通信や書面による董事会決議について明記すれば可能です。(会 社法49 条)。 ●董事が出席できない時、代理人が出席することができますか? (答)できます。 ●董事会の議事録を作成する必要がありますか? (答)必要です。 議事の決定について議事録を作成し、出席董事が署名することが必要です (会社法 49 条)。

(50)

(e) 株主会と董事会の関係 株主会設置会社の場合、株主会が最高意思決定機関となり、董事会は株主会の決定 に 基づいて業務執行を行う機関になります。 ●株主会は、実際どのように董事会をコントロールするのですか? (答)①人事面 董事の任命権及び解任権は株主会又は株主にあります。 ②董事の経済面の理由 董事の報酬についても、株主会又は株主が決定します。 ③決議事項 全ての重要事項の決定権は株主会にあります。 ④監事会/監事 株主が任命派遣し又は選出した監事会/監事が董事を監督します。

(51)

(ii) 董事 (a) 就任資格 中外合弁企業の董事と同じです。(19、20ページ参照) (b) 選任方法、任期等 株主会が董事を任命・解任し、その報酬を決定します(会社法 38 条)。董事の 任期は3 年以下です(会社法 46 条 1 項) (c) 董事の義務 中外合弁企業の董事と同様の義務を負います(会社法 148 条、149 条、150 条 条)。(21ページ参照) ●董事の任期を 1 年とすることもできますか? (答)3 年は最長期間なので、任期を 1 年とすることもできます。 ●董事の辞任等で、董事会の人数が法定人数より尐なくなった場合はどうすればい いですか? (答)新しい董事が選任され就任するまでは、もとの董事が董事の職務を履行し なければいけません(会社法 46 条 2 項)。

(52)

(iii) 董事長、副董事長 (a) 選任方法 董事長と副董事長の選任方法は定款で自由に定めることができます(会社法45 条3 項)。 ☆ 董事会で任命しても、株主会で任命しても問題ありません。但し、選任方法は定款に明 記することが必要です。 (b) 権限 董事長は、董事会を招集・主宰する機関です(会社法 48 条)。中外合弁企業の 場合と異なり、法律上は董事長が法定代表者であるという規定はなく、むしろ 董事長・執行董事・総経理のいずれかが法定代表者になります(会社法13 条)。 (iv) 総経理、副総経理 (a) 選任方法 董事会が総経理を任命・解任し、その報酬を決定します(会社法47 条 9 号)。 (b) 権限 総経理は、董事会に対して責任を負い、会社の生産経営管理を主管し、董事会 決議を実施します(会社法 50 条)。法定代表者になることもあります(会社法 13 条)。 ●副董事長を 2 名選任してもいいでしょうか? (答)可能です。

(53)

(iv) 監事会/監事 (a) 選任方法、任期 中国の有限責任会社では、株主会が監事を選任しますが(会社法38 条)。 監事の任期は3 年です(会社法 53 条)。 株主の人数が比較的尐ない又は規模が比較的小さい有限責任会社は、1~2名 の監事を置き、監事会を設置しないことができます(会社法52 条)。 (b) 権限 監事会または監事は、会社の財務検査や、董事及び高級管理職の職務執行に対 する監督を行う会社機関です(会社法54 条、119 条)。監事会または監事の権限 は以下のとおりです。 ● 監事会・監事の権限 ⑴会社の財務の検査 ⑵董事、高級管理職の会社職務執行に対する監督、並びに法律、行政法規、 会社定款又は株主会の決議に違反する董事、高級管理職に関する罷免の 提案 ⑶董事及び高級管理職の行為が会社の利益に損害を与える場合における、董 事と高級管理職に対する是正の要求 ⑷臨時株主会会議招集の提案、董事会が会社法に定める株主会会議の招集及 び主宰の職責を履行しない場合の株主会会議の招集及び主宰 ⑸株主会に対する意見の提出 ⑹会社法第152 条の規定に基づく、董事、高級管理職に対する訴訟の提起 ⑺会社定款に定めるその他の権限

(54)

5.外商投資株式会社 (1) 概要 外国投資者が出資する(基本的に25%以上)株式会社。 (2) 必要な会社機関 基本的に会社法の株式会社に関する規定が適用され、中国内資の株式会社と同様 の機関が設置されます。必要な設置機関は以下のとおりです。 (i) 株主会/株主総会 外商投資株式会社において、内資の株式会社と同様に、全株主によって構成 される株主総会(中国語で「股东大会」)が最高意思決定機関で(会社法 99 条)、会社の基本的重要事項を決定します(会社法38 条、100 条)。株主会の 決議事項は、会社の経営方針、董事・監事の選任・解任、予算・決算案の審 議・承認などです。 (ii) 董事会 董事会は、董事によって構成され、株主総会に対して責任を負う、業務執行 機関です(会社法109 条)。董事会は株主総会の決議を実行し、会社の予算・ 決算案や合併・分割・解散案などを立案し、内部管理機構の設置や総経理の 任命などを行います。 (iii) 董事長 董事会には、董事長を 1 名設置しなければいけません。董事長は、董事会会 ○ 株主総会 ←最高意思決定機関 ○ 董事会 ←業務執行機関 ○ 董事 ←董事会構成 ○ 董事長 ←董事会の招集・主宰 ○ 総経理 ←日常的経営管理 ○ 監事会 ←董事・高級管理職の監督

(55)

総経理は、会社の日常の経営管理機関の責任者で、董事会により任命・解任 されます。総経理は、董事会の決議事項を実施します(114 条。 (v) 監事会/監事 監事は、会社の財務検査や、董事及び高級管理職の職務執行に対する監督を 行う会社機関です(119 条)。監事は、監督機能を果たす必要があるので、会 社の董事及び高級管理職を兼任することはできません(118 条 4 項)。 株式会社の場合、監事会の設置が必要で、監事会は 3 名以上の監事で構成さ れます(会社法118 条 1 項)。 (vi) その他 (a) 副董事長 外商投資株式会社は副董事長を選任することができます。副董事長は、 董事長が職務を履行できない場合、または履行しない場合に、代わりに 董事長の職務を行う会社機関です(会社法110 条 1 項)。 (b) 副総経理 総経理の指名に基づき董事会が選任する機関で、総経理を補佐する機関 です(会社法109 条)。

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以上まとめると、外商投資株式会社の場合の、会社機関の内容は以下のとおりです。 株主総会 株主 任 命・ 解 任 報 告 審 議 ・ 承 認 総経理 任命・解任 監事会/監事 監督 監督 任 命・ 解 任 報 告 審 議 ・ 承 認 董事長 董事会 董事長 副董事長 その他董事

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(3) 各機関の内容 (i) 株主総会 (a) 位置づけ、概要 外商投資株式会社では、中国内資の株式会社と同様に、株主総会が董事会の上 位機関であり、会社の最高意思決定機関となります(会社法99 条)。 基本的な内容は、有限責任会社の株主会と同様ですが、外商投資株式会社の株 主総会では、多数の株主が存在することが予定されているので、招集や運営手 続きなどが、株主会と比べるとより詳細に規定されています。 (b) 決議事項 基本的に、前述の外商独資企業の株主会の決議事項と同様の内容です(会社法 100 条、104 条 2 項等)。(34~36ページ参照) (c) 招集手続き 株主総会は、会社の最高意思決定機関なので、その招集は確実に行う必要があり ます。株主総会には、有限責任会社の第1回株主会に相当する創立総会と、定 時株主総会及び臨時株主総会の 3 種類があります。招集手続きは株主会とほぼ 同様ですが、招集通知の発送時期がより早いこと、招集通知の法定記載事項が あること、臨時株主総会の法定開催自由が規定されていること、最低開催回数 が法定されていることなどが異なります。以下の点に注意して下さい(会社法 101 条ないし 103 条)。 <株主総会招集時の注意点> 創立総会 定時株主会 臨時株主会 招集権者 発起人 董事会 董事会 招集通知 15 日前に通知 20 日前に通知 15 日前に通知

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☆董事会が株主総会を招集しない場合の株主総会招集の方法(会社法 102 条)。 ●臨時株主総会はどういう場合に開催しますか? (答)以下の状況がある場合には 2 ヶ月以内に臨時株主総会を招集しなけれ ばなりません(会社法 101 条)。 ①董事の員数が法定数または定款で定める員数の 3 分の 2 に満たなくなったとき ②会社の補填していない欠損金額が実際に払い込まれた資本総額の 3 分の 1 に達したとき ③単独または合計で会社の株式の 10%以上を保有する株主が請求したとき ④董事会が必要であると認めるとき ⑤監事会が招集を提案するとき ⑥定款に定めるその他の状況 董事会が株主総会を招集 監事会が招集・主宰 90 日以上にわたり 10%以上の株式 を代表する株主が自ら招集・主宰 董事会が株主総会を招集しない場合 監事会が招集しない場合 原則

参照

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