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公共政策決定過程におけるアメリカ大統領及び議会の機能位相⇔

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(1)

論 説

公 共 政 策 決 定 過 程 に お け る ア メ リ カ 大 統 領

及 び 議 会 の 機 能 位 相 ⇔

竹 尾 隆

目次

‑行政部政党の優越性

目最高の立法者としての大統領

口政党指導者としての大統領(以上第二十二巻第一号)

皿原理と利益の妥協

9沿革

ω大統領ー原理

②議会ー利益(以下次号)

ω実業代理機関としての議員

㈹﹁走り使い﹂としての議員

¢⇒方法と限界

ω現代公共問題の特質

(1)  

1

(2)

H ② 公 共 問 題 の 解 決 様 式

㈹ 問 題 解 決 様 式 の 限 界

原 理 と 利 益 の 妥 協

2

(2

e 沿 革

現 代 ア メ リ カ に お け る 民 主 ・ 共 和 両 党 は ︑ 政 権 獲 得 の 場 合 ︑ い ず れ も ︑ 大 統 領 を 軸 心 と す る 行 政 部 政 党 に ︑ 政 策 機

能 の 遂 行 責 任 を 課 し て い る ︒ ﹁ 議 会 が 連 邦 政 府 を 支 配 し て い た 一 九 世 紀 一 般 と は 異 な り ︑ 二 〇 世 紀 は ︑ 最 高 の 立 法 者 な

ら び に 議 事 日 程 決 定 者 と し て の 大 統 領 の 出 現 を み る に 至 っ て い る ﹂ ︒ こ の 場 合 ︑ 国 民 全 体 か ら 選 出 さ れ る 昌 国 民 の 指

導 者 ・ 最 高 の 伝 道 者 L (い Φ巴 霞 鼠 峠冨 零 旦 ¢ 簿 コ山 9 謀 軍 ①曽 ゴ ε と し て の 大 統 領 が ︑ 自 己 に 向 け ら れ た 現 代 に 特 有 の 錯

雑 な 公 共 問 題 の 解 決 を 求 め る 民 意 の 期 待 や 要 望 を ︑ 具 体 的 な 立 法 計 画 に 転 換 し ︑ こ れ ら を 実 施 す る こ と に よ っ て ︑ 民

意 の 期 待 や 要 望 に 現 実 的 効 果 を 付 与 し て ゆ く た め に は ︑ 峻 厳 な 権 力 分 立 制 の 下 で 法 律 制 定 の 憲 法 上 の 権 能 が 議 会 に 固

く 掌 握 さ れ て い る 以 上 ︑ 大 統 領 に ょ る 与 野 党 双 方 の 議 員 の 協 力 と 支 持 の 調 達 が ︑ 不 可 欠 の 条 件 と な る ︒ け れ ど も ︑ こ

の 条 件 の 充 足 は ︑ 現 実 に は 決 し て 容 易 で は な い ︒ そ の こ と の 一 端 は ︑ 一 九 八 一 年 に お け る 社 会 福 祉 施 策 費 の 削 減 を 争

 点とする共和党大統領と下院民主党との底深い対立の一挿話に覗われる︒すなわち︑一九八一年の春︑共和党大統領

と下院民主党とは︑連邦予算案の規模と形式をめぐって熾烈な攻防を繰り広げていた︒R・レーガン(図︒ご鋤罷閃.曽αq餌昌)

大統領及び議会({O餌℃騨O}国陣=)における彼の盟友は︑ともに︑社会福祉施策費に対する大幅な削減の断行を決意して

おり︑そうした決意は︑そこにおける南部民主党の一団によっても支持されていた︒レーガン大統領は︑自らが提案

した政府出費の削減案に応ずべき民主党支配下の下院予算委員会(ひ①UΦヨ︒︒邑圃?8舜邑互鉱2︒︒Φげ巳αq霧︒︒ヨヨ凶幕)の努

(3)

公 共政 策 決 定 過程 に おけ るア メ リカ大 統領 及 び 議 会 の機 能 位 相(ゴ

力 に 不 満 を 表 明 し ︑ 一 九 八 〇 年 に お け る 大 統 領 選 挙 の 圧 倒 的 勝 利 (国 民 の 直 接 選 挙 に お け る 得 票 率 五 〇 ・ 八 % ︑ 大 統 領 選

挙 人 獲 得 数 四 八 九 ) の 事 実 に よ っ て 背 景 を 支 え ら れ つ つ ︑ 彼 自 身 に ょ る 当 該 案 作 に 関 す る 若 干 の 最 終 改 正 事 項 の 提 示 を

決 断 す る に 至 っ た ︒ ﹁ 現 在 ︑ 下 院 予 算 委 員 会 で 審 議 さ れ て い る 予 算 案 の 少 な か ら ぬ 立 法 文 言 に 代 替 す べ き 文 言 を 当 該

委員会に上程し︑それについて票決して戴く機会を・私に与えられ碗﹂旨・大統領は・当時の下院議長T・P.オ

ニ!ル(日ゲ︒屋の"O.2.ξ(民主党)(マサチューセッツ州選出)に対して電話で申し入れた︒さらに︑大統領が︑﹁下院

は︑これまで︑手際よく職務を遂行してきた︒しかし︑それは十二分に成功したとはいい難い︒私は⁝⁝﹂とここま

て述べたとき︑下院議長は︑その発言を遮り︑﹁閣下は︑権力分立制を御存じなかったのであろうか︒政府出費の決

定に責任を有しているのは︑常に合衆国議会である﹂と反駁短・これを受けて・レ習ガン大統領は・即座に・﹁私

は ︑ 合 衆 国 憲 法 を 熟 知 し て い る ﹂ と ︑ 憤 然 と し て 応 答 し た の で あ る ︒

そ れ ば か り で は な い ︒ 大 統 領 を 頂 点 と す る 行 政 部 政 党 が ︑ 自 ら 樹 立 し た 具 体 的 立 法 計 画 に 対 す る 立 法 部 ︽ 与 党 ︾ の

信 従 と 一 体 化 . 共 鳴 と 受 容 を 確 保 す る こ と す ら ︑ 多 大 の 困 難 を 伴 う ︒ 大 統 領 が 与 党 に お け る 党 員 一 般 の 広 範 か つ 強 力

な 支 持 を 獲 得 し て い た と し て も ︑ こ う し た 支 持 の 獲 得 が ︑ 与 党 に お け る ﹁ 統 治 の な か の 政 党 ﹂ ︑ と り わ け ︑ 立 法 部 政

党 に 対 す る 大 統 領 の 長 期 的 指 導 の 確 立 に ︑ 決 し て 直 線 的 に 変 移 す る わ け で は な い ︒ 極 言 す る な ら ぽ ︑ 前 者 の 支 持 の 獲

得 と 後 者 の 長 期 的 指 導 の 確 立 と は ︑ 互 い に 無 関 係 に 並 置 さ れ る ︒ 従 っ て ︑ 大 統 領 が ︑ 野 党 よ り も む し ろ 与 党 に お け る

議会指導者の言動によって︑失態を演じたり︑あるいは・挫折を蒙る場合が・少なくな厄このことは・J・F・ケ

ネ デ ィ (喜 男 凶 Φコ 尋 ) 大 統 領 の 次 の 短 い 筍 に 袈 に 嚢 れ る ・

﹁党に対する︹与党議員の︺忠誠感や責任感は︑ほとんど全く︑何の意味ももたない︒これ故︑大統領は・何より

もまして︑まず︑自己の職務を自らの力で処理してゆかねばならない﹂︒(︹︺内引用者﹀

(3)  

3

(4)

同じ文L・B・ジョンソン(ご邑8切し︒ぎ・・8)大統領も︑.﹂れと同じ.﹂とを︑(鞭の特別法律顧問(︑,℃..一ロ一..ロ嵩...一)

であったH・マックファーソン(蔚ξζ︒写Φ﹁︒︒8)に向って︑次のように語っている︒

﹁大統領が・どのような種類の多数者の支持を得て当選したかは︑全く問題とならない︒彼ら︹下院多数者n民主党

下院議員︺が︑大統領を正当に遇するのは︑僅か一年間であり︑彼らが再選による自己の政治生命の延長を気づかい

は じ め る 以 前 の 期 間 に 限 ら れ る ・ 任 期 の 第 三 年 に は ︑ 大 統 領 は ︑ 採 決 の 賛 否 表 示 に お い て 破 れ る ︒ ⁝ ‑ 任 期 の 第 翠

には︑大統領は︑彼らとの駈引に終始する︒議会の半数がいかにして大統領を打ち負かすかを考・兄ているときに︑大

統領は︑何ものも議会を通過させることができない︒そこで︑大統領は︑一年待たねばならない﹂︒

また︑ジョソソソ大統領は︑次のようにも述べている︒

﹁彼らは・大統領と行動をともにし︑暫時︑大統領の望むほとんどすぺてを︑彼に与︑兄る︒しかし︑次に︑彼らは︑

急に大統領に対して敵対する︒これが︑彼らの常態である︒彼らは︑大統領が過誤を犯すのを気長に待ち続ける︒そ

して・大統領が・過誤を犯す︒その際︑彼らは︑大統領に︑ほとんどすべて与える︒この後︑透かさず︑彼らは︑大

統領に︑その代償を支払わせる﹂︒

右 に 述 べ た よ う に ・ 行 政 部 政 党 と 立 法 部 政 党 の 間 に は ︑ 一 種 異 様 な 不 協 和 音 が 奏 で ら れ る の が ︑ 並 ・ 導 あ る ︒ な ぜ

な ら ・ 大 統 領 と 議 員 と は ・ 権 力 分 立 制 の 結 果 と し て ︑ そ の 選 挙 方 法 の 相 違 か ら ︑ そ れ ぞ れ ︑ 政 治 的 志 向 性 を 異 に す る

か ら で 臥 疑 ︒ ア メ リ ヵ 国 民 一 般 の 平 均 的 な 政 策 選 好 の 原 基 を 形 づ く る 原 理 の 輪 郭 の な か に ︑ 自 己 の 全 国 選 挙 区 内 に あ

る 多 様 藷 利 益 を 収 敏 さ せ る と こ ろ の ︑ 大 統 領 の 原 理 志 向 性 と ︑ 自 己 の 特 定 選 挙 区 内 に お け る 支 配 的 諸 利 益 を 優 先 的

に 配 慮 す る と こ ろ の ︑ 議 員 の 利 益 志 向 性 が ︑ す な わ ち ︑ こ れ に 当 る ︒

そ れ 故 ︑ 大 統 領 は ︑ 自 ら が 志 向 す る 原 理 を 原 初 的 ・ 原 型 的 な 核 質 部 と し て 自 己 の 具 体 的 立 法 計 画 を 構 成 す る こ と を

4

(4)

(5)

公 共 政 策 決 定過 程 に お け る ア メ リカ大統 領 及 び議 会 の機 能 位相 口

試みる︒この意味において︑大統領は︑︽原理の信託者︾(仲冨峠H藁①Φ︒h鼠"9一・・︒)と称してよい︒これに反し︑議員は︑

原理の輪郭を打ち壊し︑こうした大統領の立法計画を︑自らの代表利益という各々に独特の漆喰を以って可及的に塗

り固めようとする︒従って︑議員は︑︽利益の代理機関︾(停㊦餌αq︒寡︒=算︒﹁婁)ということができる︒あるいは︑大統

(12)領が︑﹁政策首唱者﹂(や島2胃︒日︒§)であり︑議員が︑﹁政策改作者﹂(旦凶身糺昌聾)であるということもできよう︒

ここに︑︽大統領‑原理︾と︽議員‑利益︾という明確な対比軸が設定されるであろう︒公共政策決定過程は︑この

ように相互に反極を構成し遠く隔てられた対角線の両端に位置する二者の間に︑層々と連続して展開される妥協・調

(13)

整 ・ 取 引 に よ っ て ︑ 進 捗 す る こ と に な る ︒

そ の 際 ︑ 大 統 領 は ︑ 後 述 す る よ う に ︑ 自 己 の 代 表 原 理 の 原 底 に ま で 下 降 し ︑ 立 法 権 の 担 い 手 で あ る 議 員 に 対 し て あ

る 程 度 の 譲 歩 を 行 な い ︑ 彼 ら の 利 益 要 求 の 少 な か ら ぬ 部 分 を 社 会 的 に 実 現 す る こ と に よ っ て ︑ 自 己 が 最 重 要 視 す る 公

(14)

共 問 題 に つ い て の 具 体 的 立 法 計 画 に 対 す る 議 員 の 協 力 と 支 持 と を 喚 起 し 彼 ら の 共 感 を 確 保 し て ゆ く の が ︑ 通 例 で あ る ︒

そ れ 故 に ︑ 大 統 領 が 負 荷 す る い わ ぽ ︽ 縦 の 原 理 ︾ の 垂 直 的 ヴ ェ ク ト ル は ︑ 議 員 が 付 帯 す る ︽ 横 の 利 益 ︾ の 多 様 性 へ の

譲 歩 と 取 引 を 通 し て ︑ 水 平 的 ヴ ェ ク ト ル に 置 き 換 え ら れ ︑ こ う し て は じ め て ︑ 大 統 領 は ︑ 自 己 の 主 張 を 社 会 に 貫 徹 さ

せ 発 展 さ せ 得 る と 考 え て よ か ろ う ︒ あ る い は ︑ ア メ リ カ に お け る 公 共 政 策 決 定 過 程 は ︑ 大 統 領 の 負 荷 す る ︽ 原 理 ︾ と

議 員 の 付 帯 す る ︽ 利 益 ︾ と い う 力 学 的 に 配 置 さ れ た 二 項 対 立 的 な 二 つ の 焦 点 を 基 点 と し て 描 写 さ れ る 楕 円 形 を 構 成 す

る と い っ て も よ い ︒ い ず れ に せ よ ︑ 前 者 の ︽ 原 理 ︾ は ︑ 後 者 の ︽ 利 益 ︾ と の 相 関 関 係 に お い て 意 味 づ け ら れ る ︒

ω 大 統 領 i 原 理

(5)  

5(同臼自一一ロoヨ)

(6)

策 ・ イ デ オ ・ ギ 体 委 指 す と 菱 て 麗 . 大 統 領 か 袋 す る 原 理 が 進 歩 主 義 で 露 と し 萱 次 に ︑ 進 歩 嚢 は 具

体的にいかなる内実を有しているかが︑問題となる︒それは︑大要︑次のようになる︒

すなわち︑進歩主義は︑アメリカ社会に︑いまなお広く深層にまで浸潤しているこの国に特有の伝統的な︽自由主

義︾(§ミミ騎ミ)の正当な嫡出子であり︑その本質的な主題を現代に変奏したものにほかならない︒この︽自由主義︾

は ・ 既 猛 に お い て 指 摘 し た 洗 ・ ヲ メ リ ヵ 社 会 に お け る 葉 的 毒 へ の 合 意 L を 意 味 し ︑ ﹁ 憲 法 秩 序 の 擁 護 ﹂ と

(ミ一馨.・︒∋)

(ミ8︒・)

(︒.℃臆髄肝.

)E.S.

(臣Qo.9αq)()(C瞬くΦhO﹃巴ρσd円)

(18)

(︒︒$Φ︒︒92)..

(毛ξ︒・Φ酔︒・=

(な.腎bミ斡.恥) ヨと呼称される﹁精緻な︑首尾一貫した︑信念体系﹂(雪魯げ︒翼Φ雪α8冨..嵩叶︒︒寓︒︒梓.日)が︑跡切れざる底流として伏在し︑

これが︑アメリカ社会における政治行動のなかに噴きあげてくる︒これ故︑アメリカ社会における政治行動は︑︽自

由主義︾と呼ぼれるこの国に固有の信念体系によって︑その進むべき方向を制御され︑その態様を規制されている︒

従って︑何よりもまして︽自由主義︾の意味内容を把握しない限り︑アメリカ政治に対する理解と評価は︑至難とな 6

(6)

(7)

公 共政 策 決 定 遇程 に おけ るア メ リカ大 統領 及 び議 会 の機 能 位 相 口

るであろう︒なぜなら︑いうまでもなく︑﹁︽自由主義︾の様々な観念︑価値観︑そして︑前提が︑アメリカ社会の隅々

にまで余すところなく浸透しており︑アメリカ人が︑個人的に︑あるいは︑集合的に行う︑事実上のすべての社会的・

(20)経済的・政治的な意思決定の上に︑色濃く影を落している﹂からである︒︽自由主義︾が︑﹁典型的なアメリヵのイデ

オ・ギ﹂(§﹀ 套憂圖夢あるいは・﹁アメリカ峯体﹂(ひ.壼Φ塁 量窪..きと・指称される所以であ

る︒また︑著名な歴史学者L・→ッ(ピO自一団甲{鋤門仲凶)は・アメリカを・﹁自由嚢文明﹂(巴{謹.壽轟)の国家と

規定している︒いうところの﹁自由主義文明﹂の中枢を走るのは︑個人主義曾島鼠山臣一剛︒︒ヨ)の擁護︑私有財産権(唱﹃ぎ8

唱.︒やΦ.εの保障︑自己規制的な市場(︒・段‑﹁爬¢螺圃蓋B自犀8の堅持︑権力の限定された政府(賦ヨ⁝仲巴σ︒︒︿①§ヨ霞)の支持︑

以上の諸観念にほかならない︒こうしたことから︑アメリカにおける政治・経済・社会体系に対する理解を深めよう

とする場合︑︽自由主義︾に対する理解が︑まず何よりも必須の前提となる︒︽自由主義︾は︑政治︑経済生活︑そし

て︑究極的には︑アメリカ人自身︑以上に関する彼らの主要な諸観念の最深部に沈降し︑これらの諸観念を根底から

支えている︒この意味において︑︽自由主義︾は︑いわぽ︑アメリカ的生活様式における神経中枢の役割を果たして

いるといえよう︒

こうして︑︽自由主義︾は︑アメリカにおける信念体系として無比の存在であり︑恰も絶対者のごとく君臨してい

る︒けれども︑︽自由主義︾は︑必ずしも明晰な意味内容を有しているわけではない︒︽自由主義︾を統一的に構成す

る諸観念は︑広く一般化され︑アメリカ社会の地底にまで根を張り︑しかも︑アメリカ人のより深い無意識の底層に

まで達し︑彼らの生活と分ち難く絡み合い︑その一部に変成するに至っている︒このため︑これらの諸観念は︑所与

のものとして日常化され︑一般人が共通に所有すべき通常の知識・判断力・思慮分別として常識化され︑さらに︑そ

の妥当性において︑普遍的であるようにおもわれる︒こうして︑これらの諸観念は︑アメリカ人の思考・生活空間に

(?)  

7

(8)

(24)

(普一コρΦ︒・8.目.︒︒.︒︒)

(謹§ゆ︒︒・︒§§§8︒・︒一︒︒)

FD.(句.伽O.一酋

8︒︒︒︿)TPE(臣p︒a§Φを)R.(幻.仲

)"B.(odO)RWF(芝{臣,bロ︒配)

(25)る︺は︑その言葉の伝統的な意味において︽自由主義︾的である︒表1に明示されるように︑現代における進歩主義

と保守主義とは︑同一の血脈に繋がり︑﹁総体的な古典的自由主義の伝統の内部における二つの潮流﹂(導︒︒..吋.ロ仲︒,

蕃暮.αq㊥ー喜.︒..冨;げ =吋義範を髪つくっている・比喩を用いるならぽ・進歩主義と保守主義とは︑相互

に 異 質 の 別 の 二 元 素 で は な く ︑ 原 子 番 号 が 同 一 で 原 子 量 が 異 な る 同 位 元 素 と い う こ と に な る で あ ろ う ︒

()

と こ ろ で ︑ 現 代 進 歩 主 義 者 は ︑ 国 民 の 社 会 経 済 生 活 に お け る 政 府 の 役 割 を 積 極 的 に 評 価 し ︑ 次 の よ う に 論 ず る ︒ す

な わ ち ︑ 彼 ら に よ れ ば ︑ 社 会 経 済 生 活 の 現 実 に 対 す る 政 府 の 積 極 的 な 介 入 と 生 活 機 能 全 般 へ の 規 剃 ︑ 政 府 に ょ る 様 々

な 社 会 諸 用 役 の 提 供 と 諸 種 の 社 会 給 付 の 供 与 ︑ こ れ ら は ︑ 失 業 者 ・ 生 活 困 窮 者 な ど の 不 遇 者 集 団 や 黒 人 . 少 数 人 種 団

体 の ご と き 被 差 別 集 団 を ︑ 社 会 経 済 上 の 権 桔 か ら 解 放 し ︑ 彼 ら を 経 済 生 活 の 主 流 に 参 加 さ せ る こ と を 可 能 に す る ︒ ま

た ︑ 彼 ら の 確 信 す る と こ ろ に 従 う な ら ば ︑ 政 府 は ︑ 現 代 世 界 の 錯 綜 し た 諸 問 題 を 首 尾 よ く 解 決 す る た め に ︑ 社 会 に お

け る あ ら ゆ る 資 源 を 動 員 す る 決 定 的 な 行 動 を 起 さ ね ぽ な ら な い ︒ さ ら に ︑ 現 代 進 歩 主 義 者 は ︑ 脆 弱 . 優 柔 不 断 . 無 能

8

(8)

(9)

公共政策決定過程におけるアメリカ大統領及び議会の機能位相口 表1現 代 にお ける進歩主 義 と保守 主義

現 代 進 歩 主 義

W.ウ イ ル ソ ソ

(WoodrowWilson) F.ロ ー ズ ヴ ェ ル ト

L.ジ ョ ン ソ ン

H.ハ ン プ リい噛

(HubertHumphrey}

 

現 代 保 守 主 義

B.ゴ ー ル ド ウ ォ ー タ ー

M.フ リー ド マ ン

(MiitonFriedman}

W.サ イ モ ン

WilliamSimon}

R.レ ー ガ ン

20世 紀 ア メ リ カ  

革新主義時代

Progressive Era}

二s一 ア イ ー

ル改革期

(NewDeal̀ reform

古 典 的 自 由 主 義 A.ス ミ ス(AdamSmith) J.ロ ッ ク(JohnLocke) T.ジ ェ フ ァ ソ ン(ThQmas

Je狂ers。n)

18世 紀 ・19世 紀 イ ギ リ ス 19世 紀 ア メ リ カ

の 政 府 の な か に ︑ 民 主 主 義 を 崩 壊 に 導 く 危 険 性 の 強 力 な

萌 芽 を 見 出 す ︒ な ぜ な ら ︑ F ・ D ・ ロ ー ズ ヴ ェ ル ト が 指

摘 し た よ う に ︑ ﹁ 独 裁 制 は ︑ 問 題 解 決 能 力 を 十 分 に 具 備

す る 強 力 な 政 府 か ら 派 生 す る の で は な く ︑ 弱 体 か つ 無 力

の 政 府 か ら 生 じ る と い う 事 実 を ︑ 何 よ り も 歴 史 が 立 証 し (馨 て い る ﹂ か ら で あ る ︒

他 方 ︑ 現 代 保 守 主 義 者 は ︑ 政 府 は 社 会 経 済 生 活 に お い

て よ り 限 定 さ れ た 役 割 を 果 た す べ き で あ る と 主 張 す る ︒

な ぜ な ら ︑ 一 つ に ︑ 国 民 の 生 存 配 慮 を 目 ざ す 政 府 諸 施 策

は ︑ 必 ず し も 所 期 の 効 果 を あ げ 得 な い か ら で あ り ︑ 二 つ

に ︑ 社 会 諸 給 付 を な し 得 る ほ ど 強 大 な 政 府 は ︑ 同 時 に ︑

国 民 か ら 権 利 と 自 由 と を 収 奪 し 得 る ほ ど の 無 双 の 強 者 に

変 貌 し 得 る か ら で あ る ︒ 保 守 主 義 者 は ︑ 国 民 に 信 頼 さ れ

る 権 力 は 危 険 で あ る と 確 信 す る ︒ な ぜ な ら ︑ 人 口 に 胸 灸

し た ア ク ト ン 卿 (い oa ﹄o ぎ 両 ヨ 巴 昏 臣 藷 H飢 O 巴 冨 お 5 ︒仲 8 )

の 言 葉 に 明 ら か な よ う に ︑ ︽権 力 は 腐 敗 す る 傾 向 に あ り ︑

従 っ て ︑ 絶 対 的 権 力 は 絶 対 的 に 腐 敗 す る ︾ か ら で あ る ︒

人 々 は ︑ 生 存 配 慮 の 責 任 主 体 と し て の 政 府 の 権 力 と 叡 知

Cg?

 

9

(10)

とを同一視する︒しかし︑これは︑ぎわめて危険な誤解である︒R・W・エマソソ(閃巴嘗芝巴曾図ヨΦ門︒・︒コ)が指摘し

たように︑﹁統治することが少ない政府であれぽ︑それだけ︑善であり︑法的規制も少なくなり︑権力への人々の信

(29

頼 も 一 層 少 な く な る ﹂ ︒ こ の エ マ ソ ン の 一 言 が ︑ 現 代 保 守 主 義 の 核 髄 を 貫 徹 し て い る と 考 え て よ か ろ う ︒

︽ 自 由 主 義 ︾ の 伝 統 の こ の よ う な 二 つ の 現 代 潮 流 の 構 成 員 は ︑ 政 府 の 活 動 と 責 任 の 双 方 に お け る 適 切 な 規 模 と は い

か な る も の か に つ い て ︑ 絶 え ず 二 つ の 分 極 し た 形 で 争 論 を 展 開 す る 反 面 ︑ 彼 ら は ︑ 私 有 財 産 権 ・ 自 由 市 場 . 個 人 主 義

の ご と き 民 主 主 義 的 な 諸 価 値 を 連 帯 し て 守 護 し つ つ ︑ 双 方 の 一 致 点 に 凝 縮 し て ゆ く ︒ こ れ 故 ︑ ︽ 自 由 主 義 ︾ は ︑ 今 日 ︑

現 代 進 歩 主 義 と 現 代 保 守 主 義 の 二 面 を 対 極 と す る 振 幅 を 有 し て い る ︒ さ ら に ︑ ︽ 自 由 主 義 ︾ は ︑ 現 代 進 歩 主 義 と 現 代

保 守 主 義 と を 含 み ︑ 現 代 進 歩 主 義 と 現 代 保 守 主 義 と は ︑ ︽自 由 主 義 ︾ を 支 え る と い う ︑ 三 者 の 共 属 性 が 成 立 す る ︒ そ

し て ︑ 現 代 進 歩 主 義 と 現 代 保 守 主 義 と ば ︑ ︽ 自 由 主 義 ︾ の 伝 統 的 な 諸 価 値 や 諸 目 標 を 積 極 的 に 実 現 し て ゆ く た め の 方

法 に つ い て の み ︑ 意 見 を 異 に す る に す ぎ な い ︒ 双 方 は ︑ 結 束 し て ︑ こ の よ う な 諸 価 値 や 諸 目 標 そ の も の に ︑ 欽 仰 の 念

(30)(=

T.(日﹁σq)()(CΦ①臣︒︒"︒・身)J(冒σq

()(Cξhζ)

i""""

(31)である﹂(ぴ︒臣幕︒冨冨ξ︑︑8旨︒︒霞藁閂くΦ.︑印巳箕慮﹁塞蒙叶冨ξ.︑菖Φ邑︑︑)という地肌が露出していると述べ︑このような

(32)﹁自由主義文化﹂の特性を︑政策の現実態の視角から論じている︒

﹁抽象的に︑アメリカ人は︑"巨大政府"(.︒玄ぴqσq︒︿Φ旨ヨ①臣︑︑)に反対し︑競争的資本主義の神話と象徴とに好意的に反

応する︒しかし︑特定の政府諸施策や経営企業体の現実行動を評価すべき事態に立ち至ると︑彼らは︑様々な内政分

(ro) 10

(11)

公 共 政 策 決定 過 程 に おけ る ア メ リカ大 統 領 及 び 議 会 の機 能 位 相口

野におげる政府出費を支持し︑巨大実業に対して深い懐疑を抱く︒同じく︑アメリカ人は︑強力な反共産主義者であ

り︑総じて︑ソ連に対して敵衡心をもつ︒けれども︑彼らは︑合衆国の外交政策諸目標の追求に当って︑武力を行使

することにきわめて慎重であり︑ソ連邦との平和共存を切望する︒このような基本的な意見構造は︑精神分裂病的で

あるようにおもわれる︒しかし︑少なくとも︑内政問題に関する限り︑それは︑そこにおける政府が干渉主義的では

あるが社会主義的ではないところの︑政治体系に対する投票者の適応の正確な反射像にほかならない︒ともかく︑こ

の基本的な意見構造は︑少なくとも︑一世代もの問︑安定性を示してきたのであるL︒

こうして︑伝統的な︽自由主義︾が︑革新主義の時代とニェーディール期という二つの媒質を通して現代の映写幕

に結像するに至った進歩主義は︑F・D・ローズヴェルト大統領の言動に表象されるように︑次のごとき三原理を一

(33)身に集めた複合体を構成している︒①すべてのアメリカ人は︑健康にして文化的な最低水準の生活を享受する資格を︑

平等に保有している︒②このような最低水準を自己の力で維持し得ない人々に対して︑当該水準の維持を保障するの

が政府の義務である︒③そうした保障義務を担う第一次責任は︑連邦政府に帰属する︒以上の三原理が︑葡萄状に集

積し︑一つの多面体を組成している政策・イデオロギー体系は︑いいかえれぽ︑公共哲学(唱¢げ}団O℃げ剛一〇〇〇〇℃げ蜜)は︑漠

然と︑しかし︑広く︑進歩主義と呼称されてきた︒

一九三〇年代以来の時間軸にそって成立したいずれの政権の場合にも︑恰も地層のなか一条の閃光を走らせる鉱脈

(34)

調

DDe簿)RM(カ一〇憎山ζZ一図O)G

((憎鋤一αO)

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11

(12)

民主党からの政権奪還に成功したアイゼソハウア夫統領についてみるならぽ︑アイゼンハゥアーは︑均衡予算の達E

成︑ドル価値の維持︑連邦政府活動の縮減などを︑とりわけ力説した財政保守主義者(諭o巴8田臼話鉱くo)である︒こ

のため・婆・連邦準備製畢会(停Φ閃&霞匙菊︒ω巽く①¢do卑H飢)に︑貨幣供給量(目・届・・曼嘱)の緊縮政策の決定を働

任せた︒その結果︑一九五三年‑一九五四年及び一九五七年ー一九五八年の二度にわたり︑少なからぬ景気後退が︑

もたらされた︒この時期に︑失業率は七%に上昇した︒(因みにトルーマン大統領の在任期間中の平均失業率は四.三%であ

る)その結果︑一九五八年の議員選挙において︑共和党は︑大敗を喫した︒︹下院‑民主党二八三(四九増).共和党

一五四(四七減)︑上院ー民主党六六(一七増)・共和党三四(=二減)︺アイゼンハウアー政権は︑こうして︑確かに︑

正統な保守主義的な経済諸政策を追求した︒けれども︑アイゼソバゥアー政権は︑ニューディール期に設定された基

本的な政策路線の踏襲を︑必ずしも放棄したわけではない︒アイゼソバゥアーは︑ニューディール政策の社会的経済

的枠組を現実に受容した︽現代共和主義︾(ヨa㊦嘗菊①窟誓8駐ヨ)ないし︽動態的保守主義︾(音コ︒巳︒︒︒昌・︒︒.<餌蕃ヨ)を︑

提唱した︒事実︑アイゼソハウアー政権の下において︑老齢・失業に関する社会保障給付の適用範囲は拡大され︑教

育厚生省(爵①一)Φ醤穽日①馨鑑寓畠一登臣讐巴8餌鼠≦亀費①)も設置された︒加えて︑アイゼンハゥア!政権は︑アメリカ

史上における最大の公共事業計画の実施に︑着手している︒経済の活性化を促し︑アメリヵ人の生活様式全体に大き

な影響力を与えた︑州際幹線道路網(鰯㊦冥臼︒︒聾Φ震αqゴ蓄畷ω黄§)の建設︑及び︑セントローレソス川(ωr霊ミ.Φ自︒︒)

と運河によって大西洋と五大湖を結ぶ全長三︑七六九キロに及ぶセソトローレソス水路(夢Φω﹃額霞98Go鍵蓄団)の

アメリカ・カナダ共同開発が︑これに当る︒こうした意味では︑アイゼンハウアー政権は︑ニューディール政策路線

の進歩の道程を︑一層推し進めたといってよい︒他面︑アイゼソハウアーは︑一九五四年に︑大幅な減税を断行した︒

しかし︑彼の在任期間八年のうちの三年まで︑予算に剰余金が生じている︒アイゼソハウアーの在任中︑二度にわた

(13)

公 共 政 策決 定 過 程 に おけ る ア メ リカ大 統 領 及 び議 会 の 機 能 位相 仁⊃

る深刻な景気後退があったにもかかわらず︑彼が離任したとき︑合衆国の実質的な国民総生産(O門o︒︒︒︒Z口︒臨og臼軍a腐9)

(GNP)は︑その就任時に較べ︑二〇%増大しており︑また︑在任期間中における失業率は︑平均四・九%(一九五

三年i一九五六年四.二%︑一九五七年‑一九六〇年五・五%)︑インフレイション率は平均一・四%(一九五三年ー一九五六

(35)年○.六%︑一九五七年‑一九六〇年二・一%)であった︒

共和党政権とは逆に︑H・S・トルーマン(出舞藁Qo・↓遷導昏)︑J・F・ケネディ︑﹂・B・ジョンソン︑J.カ

ーター(}ぎヨ︽O翼2)の︑それぞれの民主党政権は︑国民に対する連邦政府にょる生存配慮の保障水準の引き上げと︑

その保障範囲の拡大に︑施策の鮮明な力線を引く︒このような民主党政権の政策的立場は︑︽ニューディール︾を︽フ

(36)エア1ディール︾(男髄蹄Oo巴)へと移行展開したトルーマン大統領の次の言葉に凝縮される︒

﹁労働の能力と意思とを有するすべてのアメリカ市民のために︑全国政府が︑勤労する権利(ひΦユσq茸ε毛︒昂)の保

障を繰り返し主張することは︑従って︑他のすべての方法が長期に及ぶ失業状態の現出を阻止し得なかったとき︑政

府が︑この目的を果たすために︑自己自身の持てるすべての資源を活用すべき究極の義務が自らに備わるということ

を宣言することは︑人々の不安の回避と完全雇傭の達成に︑少なからぬ貢献をするであろう﹂︒

これは︑一九四五年九月六日に︑完全雇傭立法の制定を要請した︑議会教書の一節である︒

右に述べた状況にもかかわらず︑今日のアメリカにおける内政・外交両政策の基本的方向は︑仮に共和党政権が民

主党政権を継承したとしても︑現実には︑政権交替によって︑微分的変化を蒙るにすぎない︒政権交替によって︑具

体的施策間に︑極端な落差を生むという不測の事態は︑まず︑成立し得ない︒

ニュ!ディ!ル進歩主義(Zo毛Oo巴甥訂﹁巴凶︒︒目)は︑これまで︑人々の疑惑と猜疑の渦中に放出されることもなけれ

ぽ︑また︑その現代における正当性を疑う地点から︑その存立の是非をめぐる真摯な議論が︑活発に展開されるとい

(r3) 13

(14)

(37)RB

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退(i%

(38)得数四八六・ゴールドウォーターi三八・五%︑五二)しかも︑ジョソソソの﹁偉大な社会﹂(ρ①馨G︒a︒¢)関係諸施策は︑

世人に︑次のごとき結論を促す導火線の役割を引き受けた︒全国民の圧倒的多数によって選挙されたジョソソン大統

領が︑﹁偉大な社会﹂の立法成果を通して︑進歩主義者が大統領に期待するすべてを象微しているという意味において︑

ニューディール進歩主義は︑アメリカ政治の主流に堅固に位置づけられた公共哲学であり︑ゴールドウォーターのよ

うな︽極端論者︾(①閑{同①HP一山Q轡)の主張や︑アメリカ政治の展開過程の反極で陰画を描く保守主義の公共哲学などによつ

て︑その正当性を否定され︑その地位を剥奪されることは︑とうてい︑あり得ないというのが︑すなわち︑これに当

(39)

このような進歩主義に対する世人の合意(︒8︒︒①誹琶を下部で支えていたのが︑彼らのアメリカ経済への信頼である︒

双方は︑基底部において︑有機的な対応と連動の関係にあるといってよかろう︒この点について︑ナープソ大学(9窪

(r4) 14

(15)

公 共 政策 決 定 過 程 に おけ るア メ リカ大 統 領 及 び 議 会 の機 能 位 相(⇒

(04)¢巳語﹁︒,ξ)のR・メイドメソト(空6冨aζ薮ヨΦ邑とA・マッグルー(﹀尋︒曙ζ︒O﹁碧)は︑次のように述べている︒

﹁第二次世界大戦の終結に至るまでに︑ニューディールに関する論争は︑鎮静化した︒この間︑連邦政府は︑国民

経済の運営︑ならびに︑社会福祉体系の創設と維持の︑二つの分野において重要な役割を担っているという広範な同

意が︑政党間の境界線を乗り越えて︑存在していた︒もとより︑共和党内には︑二乱ーディールを逆転させたいと願

う旧態依然の保守主義者が存在していたということは︑事実である︒しかし︑共和党員は︑一九四〇年︑一九四四年︑

そして︑一九四八年に︑ニューディールが我が国の政治的風景における不変の特徴であることを承認する大統領候補

を︑選定した︒一九五二年に︑共和党は︑D・D・アイゼンハウアーを︑大統領候補に指名した︒アイゼソハウアー

は︑一九四〇年・一九四四年・一九四八年の共和党大統領候補と同一の見解を共有しており︑彼の政権は︑社会経済

生活に対する政府活動の介入度を︑縮小させるよりも︑むしろ︑拡大した︒こうした進歩主義への合意の文脈が︑ア

メリカ経済の躍進に対する世人の確信が増大した時期に形成されたということは︑興味深い︒一九三〇年代の経済状

態への回帰があるのではないかという第二次世界大戦直後の不安は︑次第に低滅していった︒代って︑合衆国は︑他

の西欧諸国とともに︑経済成長の最長継続期聞の一つに突入したのである︒この経済成長は︑連邦政府が適切な通

貨・財政混合政策の実施を通して経済の発展を維持することができるという︑ケインズの確信(閑Φ巻①︒︒圃睾8署団亀曾)

と︑結合していた︒このように︑無類の繁栄の展望が︑そこには切り拓かれていた︒この繁栄は︑早晩︑国民の社会

的疾患の大部分を軽減することができると︑考えられたのである︒事実︑第二次世界大戦終結後の二〇年間の特徴は︑

自国に対する異常な程度の確信である︒確かに︑合衆国は︑解決を要するそれ自身の問題を有していた︒世界におい

て最も富める国のなかで︑一段と人目を引く貧困の発生が︑これである︒公民権の実施ならびに犯罪件数の上昇とい

う難問が︑これに加わる︒しかしながら︑これらの難問をはじめとする諸多の澗題は︑これらは解決可能であるとす

(.15)

置5

(16)

る 広 範 な 臆 測 と 併 存 し て い た ︒ 経 済 成 長 は ︑ 適 切 な 政 府 諸 政 策 と 連 環 す る な ら ぽ ︑ こ れ ら の 至 難 な 諸 問 題 を 首 尾 よ く

解 決 し て ゆ く こ と が で き る で あ ろ う ︒ ︽ 偉 大 な 社 会 ︾ と し て 著 名 な 一 九 六 四 年 か ら 一 九 六 五 年 の 問 に お け る ジ ョ ン ソ

ン 大 統 領 の 立 法 施 策 は ︑ 通 貨 政 策 の 適 用 と 適 切 な 専 門 技 術 の 実 施 に よ っ て 治 癒 可 能 で あ る と す る 信 念 を ︑ そ の ニ ネ ル

ギ ! の 供 給 源 と し て い た ︒ 経 済 成 長 と 社 会 工 学 の 連 繋 へ の 確 信 が ︑ 大 統 領 職 の 地 位 を ︑ 著 し く 向 上 さ せ た ︒ な ぜ な ら ︑

大 統 領 職 は ︑ 新 た な 諸 政 策 を 創 案 す る 専 門 的 知 識 や 技 術 を 所 持 す る 唯 一 の 制 度 だ か ら で あ る ︒ 議 会 は ︑ も と よ り ︑ こ

う し た 知 識 や 技 術 を 所 持 し て お ら ず ︑ ま た ︑ 所 持 し て い な い と い う 事 実 を ︑ 自 ら 認 め る に 至 っ た ︒ 議 会 は ︑ そ こ で ︑

大 統 領 に 期 待 し は じ め た の で あ る L ︒

第 二 次 世 界 大 戦 終 結 後 か ら 一 九 七 〇 年 代 の 初 頭 に 至 る ま で の ア メ リ カ 経 済 の 発 展 状 況 は ︑ 次 に あ げ る 若 干 の 数 値 に ︑

(41)かいまみることができる︒一九四七年から一九七二年に至るまでの問に︑住居以外の固定資産に対する投資総額の現

実価格は︑約一五〇%増大した︒同じくこの期間に︑労働者一人当りの生産高は︑倍増している︒また︑一九二〇年

から一九三九年に至る期間に︑平均一五%であった失業率は︑第二次世界大戦終結から一九七〇年代の初期に至るま

での間に︑平均五%弱に低下した︒また︑一九四七年から一九七三年に至る期間に︑一人当りの実質的な可処分所得

は︑最低段階においても︑八四%増大し︑この間における一世帯当りの実質的な中位所得(H①巴目巴凶碧融ヨξぎ8白①)

は︑凡そ二倍に増加している︒このような国内における好況は︑合衆国主導にょる世界経済の拡張及び始動と︑緊密

な対応関係にあった︒第二次世界大戦の終結に至るまでに︑合衆国のみで︑西欧工業諸国における工業製品全体の六

〇%を︑同じく︑すべての財貨と用役の四〇%を︑それぞれ︑生産していた︒さらに︑合衆国は︑国際石油事業を支

配下に置き︑航空機・自動車・コソピューター・エレクトロニクスなどの︑戦後世界を形づくった重要産業の大部分

について覇権を確立し︑巨大な国際金融領域を︑自らの指導権の下に統合した︒この統合によって︑従来の︽世界の

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